有価証券届出書(新規公開時)

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2019/11/08 15:00
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事業等のリスク

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針です。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1) 事業環境に関するリスク
1. インターネット関連市場について
当社グループはインターネット関連サービスを主力事業としており、事業の継続的な拡大発展のためには、さらなるインターネット環境の整備、インターネットの利用拡大が必要と考えております。総務省発表の「2018年版 情報通信白書」によれば、2017年末のインターネット普及率は80.9%であり、スマートフォン普及率は75.1%とインターネット利用シーンは変化しながら拡大しております。しかしながら、インターネットの環境整備やその利用に関する新たな規制の導入や技術革新等の要因により、今後のインターネットサイト運営の遂行が困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
2.医療ヘルスケア市場について
当社グループの売上の多くが、医療ヘルスケア領域からのものとなっています。当領域においては、高齢化等により今後も市場の成長が見込まれますが、何らかの理由により、市場の成長が停滞し、あるいは市場が縮小する等した場合や、市場動向に当社グループが対応できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
3.他社との競合について
当社グループは、医療ヘルスケア領域におけるインターネットサービスの提供を主たる事業領域としておりますが、同様の事業領域における競合企業は多く存在しています。当社グループでは、インターネット業界で活躍してきたエンジニアと臨床現場で活躍してきた医師の双方がサービスの開発に関わる開発体制に加え、17.5万顧客事業所数を有する顧客基盤を活かして他社との差別化を図ることで、市場における優位性を構築してまいりました。今後も、当社グループの各サービスの規模拡大と質的な充実を図ることにより、一層の競争力強化を推進していく方針ですが、新規参入等の影響により競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業内容に関するリスク
1.人材プラットフォーム事業における不正行為について
人材プラットフォーム事業では、求職者が求人を出している顧客事業所に入職した時点で当社グループの売上として成果報酬が計上されるため、顧客である事業所から適切な採用結果の申告を受けることによりサービスが成立しております。当該サービスでは、事業所が採用した職種と雇用形態に応じた成果報酬を受領しておりますが、顧客が成果報酬の支払基準を満たしても採用の事実を隠ぺいする等の不正行為が発生する可能性があります。
当社グループでは、このような不正行為に対して、利用規約での禁止やユーザーへの啓発活動を積極的に行うとともに、違反者には違約金支払義務を課す等の対策を実施しておりますが、これに加えて事業所と求職者のデータの突き合せ、採用祝い金制度(注)を活用した求職者による入職報告の促進等を行うことで不正の発生しづらい環境構築に努めております。
(注)当社グループは、ジョブメドレーを通じて採用された求職者に対し採用祝い金を進呈しており、その要件のひとつに入職報告があるため、採用祝い金制度には求職者の入職報告を促す効果があると考えております。
2.人材プラットフォーム事業における早期退職返金について
人材プラットフォーム事業においては、求人事業所との間でシステムの利用を開始する前に、利用規約により成果報酬額及び早期退職による返金の取り決めを行っており、入職者が自己都合により早期に退職した場合、成果報酬の一部を返金しております。入職者の早期退職率は一定であることを見込んでおりますが、早期退職率が想定より上昇した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
3.オンライン診療の医療上の信頼性について
医療プラットフォーム事業では、対面診療が原則であった医療の現場に、オンライン診療という新たな医療体験を提供する点で、医師・患者双方にとって有益な仕組みを提供しています。しかし、万一、CLINICSを利用する医師等が不適切なオンライン診療を行い、医療上何らかの問題が発生した場合、オンライン診療という新たな医療提供方法自体に対する信頼性、適切性に社会からの疑義がもたらされ、ひいては当社グループの事業環境に変化をきたし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、現時点では政府の施策として、オンライン診療の利用促進が議論されていますが、今後の政策転換その他の理由により、オンライン診療市場の動向が大きく変化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
4.人材プラットフォーム事業及び医療プラットフォーム事業の業績の達成確度に関する不確実性について
①営業活動により想定通り顧客数が増加しない可能性について
人材プラットフォーム事業における顧客事業所数及び医療プラットフォーム事業における利用医療機関数の増加は当社グループの事業成長にとって非常に重要な要素であることから、各種営業施策等を用いた営業・販促活動を実施し顧客数の増加を図っております。営業・販促活動については、人材プラットフォーム事業と医療プラットフォーム事業のいずれにおいても、顧客獲得効率を勘案の上で都度当社グループが考える最適な施策を実施しております。しかしながら、顧客の新規獲得数が計画通りに推移しない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②顧客の継続率について
両事業にとって、顧客(顧客事業所・利用医療機関)のサービス利用継続は非常に重要な要素であることから、取り扱う情報やサービスの充実等の施策を通じて、利用継続率の維持・向上を図っております。しかしながら、何らかの施策の見誤りやトラブル等で利用継続率が低下した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③人材プラットフォーム事業の運営において業績に影響を与えうる要因について
人材プラットフォーム事業においては、掲載事業所(顧客事業所のうち、ジョブメドレーに求人案件を掲載している事業所をいう。)当たりの収益単価の上昇を見込んでおりますが、その上昇が計画通りに推移しない場合、求職者の顧客事業所への入職により発生する当社グループの成果報酬売上が計画通りに増加しない可能性があります。掲載事業所当たりの収益単価の上昇のために、1つの顧客事業所が掲載する求人案件数の増加に向けた既存顧客向けの営業提案や、1つの掲載案件に対する入職決定数の増加に向けたユーザビリティ改善やSEO改善等の開発施策を積極的に実施することでこれを達成することを目指していますが、これらの施策の効果が想定通りに上がらない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④医療プラットフォーム事業の事業歴が浅いことについて
医療プラットフォーム事業は2016年2月より提供を開始しておりますが、提供開始後の経過期間は4年程度と業歴の浅い事業です。従って、当該事業の過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の実績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。
⑤医療プラットフォーム事業の運営において業績に影響を与えうる要因について
医療プラットフォーム事業では、利用医療機関当たりの売上単価について一定の上昇を見込んでおりますが、想定単価が計画通りに推移しない可能性があります。また、2年に1回程度の頻度で将来的にも実施されていく診療報酬改定等の各種の規制及びガイドラインの変更が、医療プラットフォーム事業の事業環境に変化を及ぼす可能性がございます。当社グループでは診療報酬改定等の各種の規制及びガイドラインの変更による影響を計画上に織り込んでおりませんが、もしかかる変更が医療プラットフォームの事業環境の縮小につながり得るものだった場合等には、医療プラットフォーム事業における赤字計上が想定よりも長期にわたる等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
5.MEDLEY及び介護のほんねにおける安全性及び健全性の維持について
当社グループでは、医療プラットフォーム事業の一環として、患者及びその家族に向けた医療情報提供サービスの「MEDLEY」を運営しております。MEDLEYの掲載記事については、当社グループの定めた編集ガイドラインに従っており、当社グループ所属の医師による編集や協力医師による指摘によって、医療情報を適切に提供できる体制構築に努めております。また、医療に関する情報提供は診療行為・治療行為に相当するものではなく、提供情報に基づくユーザーの医療その他に関わる判断・言動について当社グループでは一切の責任を負わない旨を利用規約内で明示しております。しかしながら、ユーザーがこれらの情報に基づき一定の判断をした結果として何らかの不利益を被った場合には、ウェブサイトに対するユーザー等の支持が低下し、又はサイト運営者としての当社グループの何らかの責任が問われ、社会的信頼性の毀損等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新規開発サービスとしての「介護のほんね」では、ユーザーから受け取った介護施設に関する評価等の情報を提供しております。当社グループでは、ウェブサイト内の情報等について一切の責任を負わない旨をサイト内で明示するとともに、明らかに誹謗中傷に該当する等の不適切な書き込みはガイドラインに従った事前審査を行うことで掲載を控え、不適切な記載が事後的に発見された場合には、当該部分を削除するよう努めております。しかしながら、ユーザーが不適切な書き込みをし、当社グループがそれを発見できなかった場合、あるいは発見が遅れた場合には、ウェブサイトに対するユーザー等の支持が低下し、又はサイト運営者としての当社グループの何らかの責任が問われ、社会的信頼性の毀損等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
6.M&A及び業務提携
当社グループは、自社で行う事業開発に加えて、M&A及び他社との業務提携を通じた事業展開を推進しています。M&A及び提携にあたっては、当社グループ戦略との整合性やシナジーを勘案して対象企業の選定を行い、当該企業の財務内容、契約関係、事業の状況等についてデューデリジェンスを実施した上で、取締役会において細心の注意を払って判断を行っております。しかしながら、これらのM&Aや提携が期待通りの効果を生まず戦略目的が達成できない場合、投資後に未認識の債務や問題が判明した場合等には、対象企業の株式価値や譲り受けた事業資産の減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
7.業績の季節変動性及び事業拡大に伴う業績変動について
当社グループは、人材プラットフォーム事業において、採用決定者の入職日を基準に売上を計上しております。一般的に年度の始まりとされている4月に採用決定者の入職が増える傾向があり、人材プラットフォーム事業では第2四半期会計期間に売上高が偏重します。
過年度の業績については、新規事業の立ち上げ段階であったこと等により一部事業においてセグメント損失を計上しておりますが、現在業容が拡大する途上にあり、事業拡大に伴って四半期会計期間ごとの売上高及び営業損益が大幅に変動しております。
第9期(2017年12月期)、第10期(2018年12月期)及び第11期(2019年12月期)における四半期会計期間ごとの売上高及び営業損益の構成は以下の通りです。
(単位:千円)
第9期事業年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
売上高第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期通期
人材プラットフォーム事業216,838423,264313,677356,2451,310,024
医療プラットフォーム事業67,38599,210104,540108,669379,805
新規開発サービス5,2837,6844,8934,79922,661
売上高合計289,506530,159423,111469,7141,712,491
営業利益又は営業損失(△)第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期通期
人材プラットフォーム事業50,331213,89593,22890,174447,630
医療プラットフォーム事業△23,265△15,2196,597△24,737△56,625
新規開発サービス△685△360△868233△1,680
営業利益又は営業損失(△)
合計
△40,559118,3403,178△50,06130,897

第10期事業年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
売上高第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期通期
人材プラットフォーム事業423,351935,854601,726591,4152,552,347
医療プラットフォーム事業92,98898,17586,24974,732352,145
新規開発サービス7,0525,3085,93010,25828,549
売上高合計523,3911,039,338693,906676,4062,933,043
営業利益又は営業損失(△)第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期通期
人材プラットフォーム事業100,189534,169207,535139,774981,668
医療プラットフォーム事業△42,954△92,440△98,064△114,928△348,388
新規開発サービス△1,470△9,403△26,768△34,996△72,638
営業利益又は営業損失(△)
合計
△74,446290,940△90,958△225,907△100,372


第11期事業年度
(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
売上高第1四半期第2四半期第3四半期累計
人材プラットフォーム事業736,9841,494,335956,9483,188,268
医療プラットフォーム事業108,151108,847186,686403,684
新規開発サービス26,38327,47529,63283,492
売上高合計871,5191,630,6581,173,2663,675,444
営業利益又は営業損失(△)第1四半期第2四半期第3四半期累計
人材プラットフォーム事業252,603883,420376,5181,512,542
医療プラットフォーム事業△80,725△117,808△170,645△369,179
新規開発サービス△24,934△25,701△22,562△73,198
営業利益又は営業損失(△)
合計
△37,007525,069△59,794428,267

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.報告セグメントに配分していない全社費用は個別には記載しておらず、営業利益又は営業損失(△)合計にのみ算入しております。
3.2019年12月期第1四半期連結会計期間より、新たに株式会社NaClメディカルの全株式を取得し完全子会社化したことに伴い、同社を連結の範囲に含めております。なお、2019年12月期第1四半期連結会計期間の末日をみなし取得日としているため、2019年4月1日以降については同社を連結した四半期連結損益計算書の数値を記載しております。
8.繰越欠損金について
当社グループは、税務上の繰越欠損金を有しており、当社グループの業績が順調に推移することにより、期限内にこれら繰越欠損金の繰越控除を受ける予定です。しかしながら、業績の下振れ等により繰越期限の失効する繰越欠損金が発生した場合は、課税所得からの控除が受けられなくなります。その場合、課税所得に対して通常の法人税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課されることとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 事業運営体制に関するリスク
1.特定経営者への依存について
代表取締役社長である瀧口浩平は、創業以来代表取締役を務めております。また、代表取締役(医師)である豊田剛一郎は、2015年2月より代表取締役を務めております。両氏は、当社グループの経営方針や事業戦略構築、信用力の向上等において重要な役割を果たしております。当社グループは事業拡大に伴い、取締役会等における役員及び幹部社員との情報共有や経営組織の強化を図り、両氏に依存しない経営体質の構築を進めておりますが、何らかの理由により両氏のうちいずれかが業務を継続することが困難となった場合には、当社グループの今後の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
2.人材の確保及び育成について
当社グループが事業拡大を進めていくには、優秀な人材の確保・育成が重要な課題であると認識しております。今後の事業展開に伴い人材の確保・育成を行うとともに、規模に応じた業務執行体制の整備や内部管理体制の強化を図る必要があります。しかしながら、人材の確保・育成が計画通りに進まない場合や、既存人材の社外流出等が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
3.内部管理体制について
当社グループでは、コンプライアンス及びコーポレート・ガバナンスの徹底を図るための様々な施策を実施しております。また、業務の適正化及び財務報告の信頼性確保のため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、内部管理体制の構築が追い付かないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) システム等に関するリスク
1.システム障害について
当社グループは運営サービスにおけるシステムトラブルの発生可能性を低減するために、安定的運用のためのシステム強化、セキュリティ強化を徹底しており、万が一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できるような体制を整えております。しかしながら、大規模なプログラム不良や大規模な自然災害の発生、想定を大幅に上回るアクセスの集中等により開発業務やシステム設備等に重大な被害が発生した場合、その他何らかの理由によりシステム障害等が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。そのような支障が生じた場合、当社グループの顧客や利用者との信頼関係に悪影響を及ぼし、賠償責任の発生等によって、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
2.技術革新について
当社グループが事業展開しているインターネット関連市場では、活発な技術革新が行われており、そのスピードが極めて速いことから、技術革新に応じたシステムの拡充、事業戦略の修正等も迅速に行う必要があると考えております。そのため、当社グループでは業界の動向を注視しつつ、迅速に既存サービスに新たな技術を展開できる開発体制を敷いております。しかしながら、予期しない技術革新があった場合、それに伴い追加のシステム開発費用が発生する可能性があります。また、技術革新に適時な対応ができない場合、当社グループが提供するサービスの競争力が相対的に低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
3.事業拡大に伴うシステム投資について
当社グループでは、サービスの安定稼動や顧客及び利用者の満足度向上を図るためには、サービスの成長に伴い先行的にシステムやインフラに投資を行っていくことが必要であると認識しております。今後、現事業で予測される利用者数の拡大、及び新規事業の導入、セキュリティ強化のための設備投資において、実際の利用者数が当初の予測から大幅に乖離する場合等は、設備投資の前倒し等、当初の計画よりも大きい投資負担を行わなければならず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 法務に関するリスク
1.情報セキュリティについて
当社グループは、人材プラットフォーム事業において求職者の求人案件への応募に関連して取得する個人情報、医療プラットフォーム事業において患者がオンライン診療を受診するために入力・提供する個人情報を取得利用しているため、「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」という。)が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。特に、医療プラットフォーム事業においては個人情報保護法に定めるいわゆる要配慮個人情報を取得することもあり、当社グループではCLINICSについてISMS国際認証を2018年に取得する対応を完了しており、その他機密情報の外部への不正な流出を防止するため、情報の取扱に関する社員教育、セキュリティシステムの改善、情報へのアクセス管理等、内部管理体制の強化に積極的に取り組んでいます。しかしながら、当社グループや委託先の関係者の故意・過失、悪意を持った第三者の攻撃、その他想定外の事態の発生により、これらの情報が流出又は消失する可能性があります。そのような事態が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜、競争力の低下、損害賠償やセキュリティ環境改善のための多額の費用負担等が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
2.各種規制について
当社グループの主要な事業である人材プラットフォーム事業を遂行するにあたり、その事業活動の一部が有料職業紹介事業に該当する可能性を踏まえ、当社は有料職業紹介事業者として厚生労働大臣の許可を受けております。当該事業活動の継続には有料職業紹介事業の許可が必要であるため、何らかの理由により許可の取消があった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。許可が取消となる事由は職業安定法第32条の9において定められています。なお、当社グループが認識している限りでは、有料職業紹介事業者の許可取消の事由に該当する事実はありません。当社グループが保有している有料職業紹介事業許可の許可番号及びその取得年月等は以下の通りです。
所轄官庁等許認可等の名称許可番号取得年月有効期限
厚生労働省有料職業紹介事業許可13-ユ-3043342017年11月1日2022年10月31日
主な許認可取消事由・職業安定法もしくは労働者派遣法の規定等に基づく命令や処分に違反したとき
・欠格事由に該当するとき
欠格事由の内容は以下の通り
(1)禁錮以上の刑に処せられ、又は刑法違反・労働法令違反・入管法違反等により罰金刑に処せられ、その刑の執行終了から5年未経過の者
(2)職業紹介事業の許可が取り消され、その取消から5年未経過の者
(3)成年被後見人、被保佐人、破産者のいずれかに該当し、復権を得ない者
(4)法人の場合は、役員の中に上記(1)~(3)の該当者がいる場合

更に、医療プラットフォーム事業においては、医師法・薬剤師法・医療法・医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「薬機法」という。)・健康保険法その他これらに関連する政令・省令・通達等の解釈適用が重要であるため、何らかの理由によりこれらの内容が変更される場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループが認識している限りでは、医療プラットフォーム事業遂行における法令等の違反に該当する事実はありません。
また、MEDLEYにおいて、医療関連の広告等を提供していくサービスを展開する場合には、医療法・薬機法・不当景品類及び不当表示防止法その他これらに関連する政令・省令・通達等の解釈適用が重要となり、何らかの理由によりこれらの内容が変更される場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
その他、インターネット関連分野においては、現在のところ当社グループの事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、「電気通信事業法」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」等の適用を受けます。近年インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されてきておりますが、今後、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット広告を含むインターネット関連事業を営む事業者を規制対象とする新たな法令等の規制や既存法令等の解釈変更がなされた場合には事業運営が制約を受け、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
3.知的財産権について
当社グループでは事業活動を行うにあたり、第三者が保有する商標権、著作権、特許権等の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っておりますが、万が一、第三者の知的財産権を侵害した場合、当該第三者より、損害賠償請求、使用差止請求、ロイヤリティの支払い要求等が発生する可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの事業活動に関連する商標、特許等については適宜出願・登録を行っております。
4.訴訟について
当社グループでは、コンプライアンス規程を制定し、役職員に対して当該規程を遵守させることで、法令違反等の発生リスクの低減に努めております。しかしながら、当社グループを構成する企業及びその役職員の法令違反等の有無に関わらず、ユーザーや取引先、第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。また、知的財産による訴訟についても前述の通り訴訟発生リスクが存在します。当社グループに対して訴訟が提起された場合には、その訴訟の内容及び結果によっては、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があり、また、多大な訴訟対応費用や企業ブランドイメージの悪化等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) その他のリスク
1.株式価値の希薄化について
当社グループでは、役員、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権等に加え、今後付与される新株予約権等について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。
なお、本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は3,815,200株であり、発行済株式総数26,094,400株の14.6%に相当しております。
2.配当政策について
当社グループは、株主に対する利益還元を経営の重要課題と位置づけております。現在、当社グループは引き続き成長過程にあると考えており、持続的成長に向けた積極的な投資に資本を充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると判断しております。このことから創業以来配当は実施していません。
将来的には、各期の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案したうえで株主に対して利益還元策を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその時期等については未定です。さらに、株価や経営環境の変化に対する機動的な対応や資本政策及び株主に対する利益還元策の一つとして、自己株式の取得も適宜検討してまいります。
3.資金調達の使途について
当社グループが今回計画している公募増資による調達資金については、設備投資資金及び開発資金に充当する方針ですが、計画通りに使用された場合でも想定通りの投資効果が得られない可能性があります。