有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/02/25 15:00
【資料】
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【項目】
122項目

事業等のリスク

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式の投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)特定業界への依存及び景気動向の影響について
当社の事業は不動産業界からの受注に高く依存しているため、不動産業界に当社の悪評が広がる等、何らかの理由により受注件数が大きく減少した場合には、完成工事高が減少し、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また景気の悪化等に伴う不動産物件の入退去が減少する等により受注件数の減少があった場合には、完成工事高が減少し、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制について
当社は、建設業におけるリフォーム事業を行うにあたり、各種法令による規制を受けております。主なものといたしまして、当社では建設業法における一般建設業の許可を受けております。
現在のところ許可要件(建設業法第7条)の欠格事由、及び欠格要件(建設業法第8条)に該当はありませんが、将来何らかの理由により、当該許認可が取り消される場合、又は、更新が認められない場合、もしくは、これらの法律等の改廃又は新たな法的規制が今後制定された場合には、一定規模以上の工事の受注が出来なくなり、当社の事業運営、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、建設業法では外注先への代金の支払い期日が設けられており、当社では施工ネットワークに対して遅延なく支払いを行っております。しかしながら、何らかの理由により支払いが遅延し同法に抵触した場合、当社の事業運営、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、本書提出日現在における当社の許認可は、以下のとおりです。
許認可等の名称所管官庁等許認可等の内容有効期間主な取消事由
一般建設業許可建設工事業国土交通省国土交通大臣許可2021年12月20日許可要件を満たさなくなった場合
一般建設業許可内装仕上工事業国土交通省国土交通大臣許可2023年2月28日許可要件を満たさなくなった場合
一般建設業許可とび・土工工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、塗装工事業、防水工事業国土交通省国土交通大臣許可2023年6月4日許可要件を満たさなくなった場合

(3)競合について
当社のリフォーム事業は、一件当たりの工事代金が僅少の場合は許認可も必要なく、参入障壁が低いことから、建築業者・内装業者等大小様々な競合他社が多数存在しております。当社では工期短縮に努め、コスト削減を行うことで顧客のニーズに沿った事業運営を行い、また細かいメンテナンス工事などを積極的に請け負うことにより、他社との差別化を図っております。しかしながら、当社の優位性を上回るような競合他社が出現した場合には、次第に顧客からの依頼は減少し、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)特定地域に対する依存度等について
当社では主に東京都、神奈川県、埼玉県を中心に事業展開を行っておりますが、これらの地域に地震等の災害が発生し、本社及び営業所の損壊等による営業の一時停止や、道路網の寸断等による材料確保の手段の喪失、さらに外注先の施工能力の喪失により、事業の運営が困難になった場合、あるいは同地域に特定した経済的ダメージが発生し経済環境が悪化した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)外注先の確保について
当社では、受注したリフォーム工事を外注先である各専門施工業者からなる施工ネットワークに発注しております。外注先については、経営状態や技術力及び反社会的勢力との関係の有無を調査して選定しており、外注先との面談等により当社の理念の共有及び安全・品質管理の徹底に十分留意しております。しかしながら、今後、営業地域の拡大や受注件数の増加により、外注先を適時確保できない場合、当社の事業運営、業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、高齢化、人口減少により外注先の技能労働者が減少した場合も、当社の事業運営、業務等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)外注費・資材価格の高騰について
当社は外注先・資材の仕入先を複数確保し、価格の抑制に努めております。しかしながら、外注先からの値上げ要請及び材料の需要増加等により価格が高騰した場合は、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)小規模組織であることについて
当社は本書提出日現在において従業員45名と小規模な組織であり、役職員一人一人への依存が高い傾向にあります。
今後、事業拡大に伴い人員の増強及び内部管理体制の充実・強化を図っていく方針であります。しかしながら、当社が求める人材が確保できない場合には、人員の増強や組織の拡充に制約が生じ、当社の事業運営、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)業績の季節変動について
当社の顧客である不動産会社からの工事依頼は、引越等による人の動きが多い3月、4月に集中する傾向があります。これにより2月から4月の第3四半期の完成工事高が他の四半期と比べて増加する傾向があります。なお、2018年7月期及び2019年7月期の四半期毎の完成工事高及び営業利益は以下のとおりであります。
(2018年7月期)(単位:千円)
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期
金額構成比金額構成比金額構成比金額構成比
完成工事高401,49622.0%419,60123.0%514,76428.3%486,36526.7%
営業利益23,85723.2%14,06613.6%36,79535.7%28,32527.5%

(2019年7月期)(単位:千円)
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期
金額構成比金額構成比金額構成比金額構成比
完成工事高488,90122.1%527,70423.8%612,48227.7%585,45226.4%
営業利益29,90018.7%26,72716.8%74,71146.9%28,00217.6%

(注)1.完成工事高には消費税等は含まれておりません。
2.上記の金額は、興亜監査法人の四半期レビューを受けておりません。
(9)人材確保・育成について
当社の事業拡大を行う上で、優秀な人材を適切な時期に確保するとともに、その人材の育成に努める必要があります。当社では求人情報サイト・会社説明会・ホームページ等により採用活動を行っておりますが、雇用情勢や経済環境によっては計画通りの人材確保・育成ができず、当社の事業運営、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10)特定の人物への依存について
当社の代表取締役社長である前田浩は当社の創業者であり、当社の経営方針や営業戦略の立案・遂行等多岐にわたり当社の経営において重要な役割を果たしております。当社では同氏に過度に依存しない経営体制を構築するため、職務権限の委譲、合議制の推進等により業務運営の実施に努めておりますが、現状では同氏が何らかの理由により当社の経営に携わることが困難になった場合、当社の業務の停滞等により、当社の事業運営、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(11)工事施工における重大な瑕疵や不備について
当社が施工した物件等に不具合が生じ、その施工内容・管理内容に重大な瑕疵や不備が認められた場合には、損害賠償請求を受ける可能性があり、工事請負賠償責任保険・PL保険等の救済を受けられない可能性があります。また、施工中に予期せぬ重大事故が生じた場合にも、同じくその損害賠償請求を受ける可能性があり、当社の事業運営、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(12)システム障害について
当社では顧客情報・施工管理・見積・請求等をコンピューターシステムで管理しております。随時バックアップによりデータ保護しておりますが、当該システムの障害、大規模広域災害、もしくはコンピューターウィルスによる影響等により、システム及びデータベース使用が中断もしくは使用不能になった場合、当社の事業運営、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(13)情報管理について
当社は事業を展開する上で、顧客企業における業務上に必要となる各種情報を取り扱っております。これらの情報管理については、規程の整備及び社員等への周知徹底に努めております。しかしながら、不測の事態によって情報が漏えいした場合には、当社の社会的信用が低下し、またその対応のための費用が発生し、当社の事業運営、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(14)特定の販売先の依存について
当社は主要顧客である株式会社リプライスへの販売が、2019年7月期においては14.6%と販売依存度が高くなっております。当社は、今後において同社との取引に関しては拡大を図っていきながらも、取引先の拡大により、同社への依存度を低下させていく方針ですが、何らかの事情により同社との取引が減少した場合、当社の事業運営、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(15)コンプライアンスについて
当社はリフォーム事業において、関係法令を遵守し、企業倫理に従って事業を行っておりますが、これらに反する行為が発生し、社会的信頼を損なった場合には、顧客の離反等により、当社の業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。