有価証券届出書(新規公開時)

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2018/10/24 15:00
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【項目】
117項目

事業等のリスク

当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがありますが、これらに限定されるものではありません。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、本文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅したものではありません。
(自然エネルギー事業のリスク)
当社の自然エネルギー事業は、再生可能エネルギー発電施設のデベロッパーとして、発電施設の企画・開発及び建設管理・販売を行い、投資家に販売する事業を手掛けております。また、5箇所(フォルテ屋上、群馬千代田、三重久保、高千穂、鹿児島加世田)の自社発電施設を有し、当該発電施設から売電収入を得ております。
(1) 法令規制及び政策動向について
a.エネルギー政策動向
平成27年7月に、経済産業省・資源エネルギー庁はエネルギー基本計画に基づく長期エネルギー需給見通しを発表しました。日本国内の発電電力量に占める再生可能エネルギー(エネルギー源として永続的に利用可能な太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等の総称)の比率は、平成28年時点において15.3%(水力を除くと7.8%)(出典:経済産業省・資源エネルギー庁「日本のエネルギー 2017年度版」)であり、平成42年度までに総需要の22~24%程度(水力8.8~9.2%、太陽光7.0%、風力1.7%、バイオマス3.7~4.6%、地熱1.0~1.1%)に引き上げるという目標が掲げられ、我が国のエネルギー自給率の改善、並びにエネルギー起源CO2排出量は平成25年度総排出量比26%減となります。
また、再生可能エネルギーについては、各種規制・制約への対応、開発リスクの高い地熱発電への支援、系統整備や系統運用の広域化、高効率化・低コスト化や系統運用技術の高度化等に向けた技術開発等により再生可能エネルギーが低コストで導入可能となるような環境整備を行うほか、固定価格買取制度について再生可能エネルギーの特性や実態を踏まえつつ、再生可能エネルギー間のバランスのとれた導入や、最大限の導入拡大と国民負担抑制の両立が可能となるよう制度の見直しを行うとしています。
なお、長期エネルギー需給見通しは、少なくとも3年毎に行われるエネルギー基本計画の検討に合わせて、必要に応じて見直すこととする旨が公表されています。(以上 経済産業省 2015年7月 長期エネルギー需給見通し)
また、平成42年度の各種再生エネルギーの想定導入出力は、太陽光6,400万kW、風力1,000万kW(うち洋上82万kW)、地熱140~150万kW、水力4,847~4,931万kW、バイオマス602~728万kW(うち一般木質274~400万kW)程度と見込まれております。(出典:経済産業省 資源エネルギー庁 「2017年 再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題と次世代電力ネットワークの在り方」)
上記のように、当社では再生可能エネルギーは今後も積極的な導入が進むものと想定しておりますが、我が国のエネルギー政策の変更や、FIT法(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法)に基づく固定価格買取制度の改定等が行われた場合には、かかる政策に変化が生じ、再生可能エネルギーの導入量が想定を下回った場合等には、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
b.FIT法に基づく固定価格買取制度(以下、「FIT制度」という。)
当社の自然エネルギー事業は、FIT制度を前提に発電施設の用地開発・売却事業を行っております。そのため、FIT制度において、固定買取価格の引下げ、固定価格での買取期間の短縮、固定価格買取制度の廃止といった制度の変更が成され、発電施設の収益性が低下した場合には、投資家の投資意欲が減退し、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、FIT制度、並びに当該制度の根拠法となるFIT法は、平成24年7月に施行され、平成29年4月に再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図るため改正FIT法(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(再エネ特措法)等の一部を改正する法律案)が施行されています。当社では、法令の変更に対して適切な対応を行っておりますが、社内体制整備の遅れや法令対応に係るコストの増加等により、適時適切な法令対応が困難となった場合には、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
c.事業認定の取り消し
当社の自然エネルギー事業は、FIT法に基づいた事業認定を取得しております。しかし、認定された事業計画どおりに事業を実施していない場合、あるいは認定時の基準に適合しなくなったと経済産業大臣が認めるときは事業認定を取り消されることがあります。当社としましては、開発中及び既に発電を開始した発電施設の事業認定を取り消される可能性は限定的と考えておりますが、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)開発プロセスについて
a.開発用地の取得及び事業認定
一般的に、土地には権利及び地盤地質等に関し欠陥や瑕疵が存在している可能性があります。当社が再生可能エネルギー発電施設に係る土地を購入又は賃借するに当たっては、原則として全所有者又は賃貸人から対象となる土地について欠陥や瑕疵が存在しないことにつき一定の表明及び保証を得ております。しかしながら、表明及び保証の対象となった事項が完全かつ正確でなかった、又は地権者等が知り得なかった事情により、後になって欠陥や瑕疵が判明する可能性があります。例として、土砂の流出、治水の変化、景観の悪化又は土壌汚染等が発生し、地域住民からの損害賠償、操業停止又はレピュテーションのリスクが発生する可能性があり、かかるリスクは所有者又は賃貸人による表明保証により補完できるとは限りません。更に、土地をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、当社が取得した権利が第三者の権利や行政法規等の関係で制限を受け、当初計画した開発期間や、発電所規模等の事業計画の変更を余儀なくされる可能性があります。
また、行政当局又は地域住民等から事業停止の要請等を受け、稼働発電施設の一部撤去や操業停止を受け入れざるを得なくなる可能性があり、当該事業の継続にも影響を及ぼす可能性があります。
発電施設開発の用地取得にあたっては、経済産業省による事業認定を取得する必要があります。当社では、開発用地取得後に自社で認定を取得するほか、既に事業認定を取得した用地を取得する場合があります。当該認定の取得手続きが有効であることを確認しておりますが、他者から当該認定を取得した場合には、認定の取得手続きに瑕疵があった場合には認定が取り消され、当社が計画した事業の推進に影響を及ぼし、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
b.開発許認可の取得及び発電所施設における地域関係者等との合意
再生可能エネルギー発電施設の開発に際しては、管轄省庁及び地方自治体が管轄する農地転用、林地開発、道路の占用等の複数の許認可取得が必要な場合があります。また、自然エネルギー事業は、発電施設の立地する地域の自然環境資源を活用して行うものであり、許認可取得には地権者のみならず周辺地域住民の合意が必要となります。
当社においては、事前調査を通じて各種許認可取得に必要な措置を講じており、また地域社会及び地域環境に対する最大限の配慮の上で、法令や条例で定められた許認可や環境アセスメントを実施して地域社会からの理解を得ながら事業化を進める方針としております。しかしながら、再生可能エネルギー発電施設の開発に係る許認可の取得が不可能又は時間を要する場合、埋蔵文化財の発見等により追加調査や移築に時間が必要な場合、並びに地方自治体、地元住民及び環境団体等の関係者との合意形成が遅延或いは成されなかった場合、環境アセスメントにおける事前調査では想定されていない必要対処項目が発生した場合、環境アセスメントにかかる法令又は条例の改定が行われた場合には、当社が想定するスケジュールや規模にて事業化を行えない可能性があり、かかる場合には、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
c.工事施工について
当社においては、本書提出日の前月末現在において太陽光発電施設4箇所を建設工事準備中です。当社は、太陽光発電施設の建設に関して、EPC事業者との間で資材調達及び工事の諸条件を定めた契約を締結しています。当該契約は、原則として綿密な設計計画を作成した上で合意・締結された工事請負契約です。しかしながら、EPC事業者との契約範囲外の事由により、設計当初に想定しなかった追加工事が発生した場合や、天災等の事由により事業計画に遅延が生じた場合には、工事請負契約の金額が増加する可能性があり、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお本書提出日現在、事故や災害により開発が中止・停止しているプロジェクトはありません。
d.その他
上記a~cに記載しております、土地取得や許認可、系統連系等に係るリスク、またこれらの複数のリスクが同時に顕在化する場合、またその他、計画外・想定外の事象の発生により、当社の予定している開発が中止された場合には、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)保有太陽光発電施設におけるリスク
当社においては、本書提出日現在、5箇所の太陽光発電施設の運転を開始しております。太陽光発電における発電量は「日射量」に比例するところ、かかる日射量は当社によるコントロールが及ぶ事象ではありません。全国的な長期間の悪天候、新しい建物の建築や樹木の成長等による周辺環境の変化、また、降灰・粉じん・黄砂・ガス等により、当社の太陽光発電施設への日射量が低下し、これにより当社の太陽光発電施設における年間総発電量が想定より減少した場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。現在売電中の発電施設の概要及び売電契約先の状況は以下のとおりです。
施設名称住所パネル出力(kW)買取価格
(1kwh当たり)
売電開始時期売電契約先
フォルテ屋上宮城県柴田郡57240円平成25年6月東北電力株式会社
群馬千代田群馬県邑楽郡16536円平成26年10月株式会社新出光
三重久保三重県度会郡33336円平成27年3月中部電力株式会社
高千穂宮崎県西臼杵郡11036円平成27年4月九州電力株式会社
鹿児島加世田鹿児島県南さつま市71832円平成29年3月九州電力株式会社

(4)保有太陽光発電施設における収益リスク
太陽光発電施設については、定率法による減価償却方法を採用しているため、稼働開始後約3年程度においては償却負担が収益を上回り、損益計算書上では損失となりますが、キャッシュ・フロー上においては、売電収入に連動するコストは少額であるため、稼働開始時より安定的なキャッシュを収得しております。償却負担が軽減する3年目以降については、損益計算書上における費用負担が減少するため、当社の収益に寄与する収益構造となっております。
(5)その他
a.販売活動に関するリスク
わが国の経済情勢や金融市場の悪化等から、投資家の動向とそれに応じた販売のタイミングにより当初計画したとおりの売上・利益が必ずしも計上できず、また、発電施設売却が計画どおりに進まず、物件の資産価値が減耗して、予期しない損失が発生する等、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
b.仕入に関する競合リスク
当社が特定の事業候補地で事業開発を進めるにあたり、競合他社が当該候補地を確保することで競合他社が採択される等により、当社の予定している開発を中止した場合には、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(不動産コンサルティング事業のリスク)
当社の不動産コンサルティング事業は、顧客の不動産有効活用に係る種々のニーズに対する助言や顧客紹介等を行い、手数料収入を得ております。また、平成29年11月に宅地建物取引業者免許を取得し、収益不動産の取得・開発・販売を開始しております。
(1)不動産市況の動向について
今後、経済のファンダメンタルの急速な悪化や税制・金融政策の大幅な変更が行われた場合には、不動産投資市場も中期的に悪影響を受け、投資環境が悪化し、国内外の投資家の投資マインドの低迷等が生ずる可能性があります。
コンサルティング領域に関しては景気悪化によるマーケット全体での不動産取引の総数が減少する可能性があるため、取り扱う案件数が減少し、当初想定していたとおりの収益が確保できなかった場合には、当社の事業、経営成績、財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
収益不動産売買領域に関しては不動産市況の悪化により、たな卸資産の評価損や収益性が低下する可能性があり、当初想定していたとおりの収益が確保できなかった場合には、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)外注・業務委託に関するリスク
当社の不動産コンサルティング事業は、個別案件毎に外注・業務委託内容が異なっており、適切なコンサルティング及びソリューションを実現するために、各案件に応じて、市場動向調査業務、建築プランに関する各種アドバイザリー業務、物件仲介業務等を外注・業務委託しております。
しかしながら、適時適切に外部協力会社が確保できない場合、外部協力会社の不正及び当社の外注先管理が不十分であった場合には、コンサルティング及びソリューションに瑕疵が生じ、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)販売用不動産に関するリスク
当社の不動産コンサルティング事業で開発した販売用不動産について、経済情勢や不動産市況の悪化等により販売用不動産としての価値が帳簿価額を下回った場合には、たな卸資産の簿価切下げ処理に伴う損失が発生し、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(ショッピングセンター事業のリスク)
ショッピングセンター事業は、ショッピングセンター「SEASON'S WALK FORTE」を所有しており、大型のスーパーマーケットやその他小売り・サービス業関連の事業者が入居し、テナントからの賃料収入を得ております。また、ショッピングセンターの活性化策として平成30年7月に東日本大震災で休止していた映画館を再開いたしました。
なお、ショッピングセンターは、信託契約により受益権化され当社は受益者の地位にあり、ショッピングセンターの運営は現地の事業者に委託しており、映画館の運営は大手映画事業運営会社へ委託しております。
事業関連について
a.地域経済の動向、競合及び人口の変動によるリスク
当社の保有するショッピングセンターは宮城県柴田郡大河原地区にあり、旗艦テナントである食品スーパーのほか、小売り・サービス業関連の地元の事業者が入居しており、平成30年7月には映画館運営事業を再開しております。宮城県柴田郡大河原地区では世帯数が増加しているものの人口は横ばいであり、人口の変動及び地域経済の影響を受け、これらによってテナントの退去や賃料の引下げによる賃料収入の減少等が生じる可能性があります。
また、近隣に競合ショッピングセンターが出店した場合など競争の激化や、マーケット状況に変化が生じた場合には、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
b.天候不順及び消費税率引き上げに関するリスク
冷夏・暖冬といった天候不順及び消費税率引き上げ等の税制改正に伴う消費マインドの低下等による、テナント企業の撤退や販売不振に伴う当社賃料収入の低下が生じた場合には、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(全社に係るリスク)
(1)自然災害・事故等によるリスク
火災、地震等の災害や暴動、テロ活動により事業継続に支障をきたし、当社資産が、毀損、焼失あるいは劣化した場合には、一定期間において運営に支障をきたす可能性があります。当社では、当該リスクに対する対応体制の整備・強化を進めておりますが、状況によっては当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)大型案件に関するリスク
自然エネルギー事業、及び不動産コンサルティング事業では、案件ごとの規模により取扱金額が大きくなり、大型案件の有無により、業績が大きく変動するほか、特定の取引先への売上高が多くなることがあります。
また、大型案件の売上計上のタイミングにより、業績が特定の四半期に偏る可能性があります。取引先及び取扱件数の増加により、大型案件への依存度を低減させていく方針でありますが、当社の想定通りに計画が遂行しない場合には、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法令諸規則に関するリスク
当社の行う事業のうち、自然エネルギー事業ではFIT法・電気事業法、不動産コンサルティング事業では宅地建物取引業法・建築基準法、ショッピングセンター事業では大規模小売店舗立地法・景品表示法など多くの規制を受けております。
当社は、コンプライアンス経営を重要課題として認識し、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置し、従業員のコンプライアンス意識の向上に努めておりますが、管理体制上の問題が発生する可能性は皆無ではなく、当社の各事業において法令諸規則に違反する事象、あるいはコンプライアンス上の違反行為や社会的批判を受ける事象が生じた場合、若しくは従業員による法令違反行為・不正行為が検出された場合には、当社の社会的信用の低下をもたらし、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社では、不動産コンサルティング事業(収益不動産売買領域)の継続に必要となる、宅地建物取引業法に基づく宅地建物取引業者免許を取得しておりますが、本書提出日までの間において、これらの免許、許可及び登録の取消事由は存在しておりません。しかしながら、将来においてこれら免許、許可及び登録の取消等があった場合には、事業活動に支障をきたすとともに業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
a.当社の事業活動に関係する主な法的規制
事業主な法令
自然エネルギー事業電気事業法、FIT法
不動産コンサルティング事業宅地建物取引業法、建築基準法
ショッピングセンター事業大規模小売店舗立地法、不当景品類及び不当表示防止法

b.当社の取得している免許・登録等
許認可等の名称許認可等の内容有効期限規制法取消の事由
宅地建物取引業者免許東京都知事
(1)第101364号
平成29年11月25日から
平成34年11月24日まで
宅地建物取引業法破産手続開始決定がなされているにもかかわらず届出を行っていないとき、暴力団員等に該当するとき、不正の手段により免許を受けたとき、業務停止処分に違反し業務を行った場合

(4)個人情報の管理について
当社の事業活動において、顧客・取引先の機密情報や個人情報を取得・保有しております。当社では、これらの情報が流出するのを防止するために、情報管理規程及び個人情報保護規程を定め、個人情報の保護に関する法律、関係諸法令及び監督当局のガイドライン等を遵守し、社内規程の制定及び管理体制の確立を図るとともに、個人情報保護管理責任者を選任して、上記関係規範を従業員に周知・徹底しております。個人情報の取り扱いについては、今後も、細心の注意を払ってまいりますが、不測の事態によって当社が保有する個人情報が外部流出した場合、賠償責任を課せられるリスクや当社に対する信用が毀損するリスク等があり、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)瑕疵担保責任についてのリスク
当社の事業において顧客に販売した物件において、瑕疵担保責任を負う場合があります。重大な瑕疵が発見された場合には、その直接的な原因が当社によるものではなくても、当社が瑕疵担保責任を負うことがあります。 その結果、多額の補修費用が発生し、社会的信用が低下した場合には、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)財務関連についてのリスク
a.資金調達について
当社は成長戦略に基づく開発及び設備投資のため、追加的な債務を負担する場合や増資を実施する場合があります。
自然エネルギー事業では発電施設の開発資金、不動産コンサルティング事業では販売用不動産の取得資金、ショッピングセンター事業では設備投資資金を原則として当該物件を担保とした金融機関からの借入金により調達しております。このため、市場金利が上昇する局面や、当社の希望する条件での借入等ができなかった場合には、支払利息等が増加し当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
上記発電施設の開発や販売用不動産の取得資金については、個別の案件毎に金融機関への融資打診をしており、現時点では安定的に資金調達ができております。また、平成30年7月に再開した映画館への投資等、ショッピングセンターへの設備投資を行っており、平成30年8月期第3四半期会計期間末時点において有利子負債残高は1,818,164千円であり、総資産に占める有利子負債は61.0%となっております。
今後も発電設備の開発や販売用不動産の増加、ショッピングセンター事業への設備投資等により、有利子負債が増加する可能性があります。
また、当社の財政状態が著しく悪化する等により、当社の信用力が低下し安定的な融資が受けられないなど資金調達に制約を受けた場合には、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
b.減損会計の影響に係るリスク
平成14年8月に公表された「固定資産の減損に係る会計基準」(以下、減損会計基準)に基づき減損会計基準が適用されております。当社では、当該資産又は資産グループについて、減損損失を認識するかどうかの判定を行い、減損損失が発生した場合、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)特定の経営者への依存について
当社創成期からの事業推進役である代表取締役社長河本幸士郎及び取締役小川潤之は、不動産及び不動産金融に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定等、当社の事業活動全般にわたって重要な役割を果たしています。当社では、過度に両氏に依存しないよう、経営幹部役職員の拡充、育成及び権限委譲による業務執行体制の構築等に取り組んでおりますが、何らかの理由により両氏による当社の業務遂行が困難になった場合には、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)小規模組織における管理体制について
当社は、本書提出日現在、取締役6名(内1名は非常勤)、監査役3名(内2名は非常勤)、従業員26名と小規模組織にて運営しており、内部管理体制もこれに応じたものとなっております。今後の事業の拡大及び多様化に対応じて、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)人材の確保について
当社は、今後の更なる事業拡大を推進する上で優秀な人材の確保及びその人材の育成が重要であると認識しており、適切な時期を見定めながら採用活動を実施し、また、採用した人材のモチベーションを向上させる人事諸制度の構築や教育の実施を進めております。
しかしながら、当社は小規模組織であるため、当社の求める人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材の流出が進んだ場合には、経常的な業務運営等に支障が生じ、当社の業績及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。
(10)配当政策について
当社の利益配分につきましては、業績の推移を見据え、将来の事業の発展と経営基盤の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、経営成績や配当性向等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当を維持することを基本方針としております。
当社は、成長過程にあり、今後の事業発展及び経営基盤強化といった、内部留保の充実を図るため、配当を行っておりません。現時点において当社は、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、経営成績を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。
(11)ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について
当社では、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存の株主が有する保有株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は168,200株であり、発行済株式総数の13.89%に相当しております。
(12)調達資金の使途について
今回計画している公募増資による調達した資金の使途につきましては、主に自然エネルギー事業における発電施設取得・開発資金、及び不動産コンサルティング事業の収益不動産売買領域における収益不動産の取得・開発資金に充当する方針であります。
しかしながら、急速に変化する経営環境に対応するため、現時点における計画以外の使途に充当する可能性があります。なお、上記資金使途と異なる使途にて充当する必要が生じた場合には、速やかに開示いたします。当初の計画に沿って資金を使用した場合においても想定どおりの投資効果を上げられない可能性もあります。そのような場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。