有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2018/09/18 15:00
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93項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりましては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断に関しましては、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社の財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債または損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、見積もりには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
(2) 財政状態の分析
第17期事業年度(自 平成28年8月1日 至 平成29年7月31日)
① 資産
当事業年度末における総資産は318億77百万円となり、前事業年度末に比べ110億89百万円増加しました。
流動資産は236億52百万円となり、前事業年度末に比べ130億46百万円増加しました。これは主として、不動産仕入の増加や固定資産の保有目的の変更に伴う、固定資産から販売用不動産への振替等による販売用不動産の89億38百万円の増加を反映したものであります。
固定資産は82億24百万円となり、前事業年度末に比べ19億56百万円減少しました。これは主として、固定資産の保有目的の変更に伴う、固定資産から販売用不動産への振替等による有形固定資産の19億84百万円の減少を反映したものであります。
② 負債
負債は306億55百万円となり、前事業年度末に比べ105億95百万円増加しました。
流動負債は103億84百万円となり、前事業年度末に比べ48億33百万円増加しました。これは主として、不動産仕入に対する短期借入金の34億73百万円の増加及び1年内返済予定の長期借入金の10億19百万円の増加を反映したものであります。
固定負債は202億71百万円となり、前事業年度末に比べ57億62百万円増加しました。これは主として、不動産仕入に対する長期借入金の54億14百万円の増加を反映したものであります。
③ 純資産
純資産は12億21百万円となり、前事業年度末に比べ4億93百万円増加しました。これは主として、当期純利益4億75百万円を計上したためであります。自己資本比率は、前事業年度末の3.5%から3.8%と増加する結果となりました。
第18期第3四半期累計期間(自 平成29年8月1日 至 平成30年4月30日)
① 資産
当第3四半期会計期間末における総資産は439億97百万円となり、前事業年度末に比べ121億19百万円増加しました。
流動資産は323億95百万円となり、前事業年度末に比べ87億43百万円増加しました。これは主として、不動産仕入の増加に伴い販売用不動産が29億49百万円増加、仕掛販売用不動産が57億1百万円増加したものであります。
固定資産は116億1百万円となり、前事業年度末に比べ33億76百万円増加しました。これは主として、新たな収益不動産を取得したこと等により有形固定資産が34億36百万円増加したものであります。
② 負債
負債は419億78百万円となり、前事業年度末に比べ113億22百万円増加しました。
流動負債は139億25百万円となり、前事業年度末に比べ35億40百万円増加しました。これは主として、1年内返済予定の長期借入金の21億64百万円の増加を反映したものであります。
固定負債は280億53百万円となり、前事業年度末に比べ77億81百万円増加しました。これは主として、不動産仕入に対する長期借入金の77億24百万円の増加を反映したものであります。
③ 純資産
純資産は20億18百万円となり、前事業年度末に比べ7億96百万円増加しました。これは主として、四半期純利益7億89百万円を計上したためであります。自己資本比率は、前事業年度末の3.8%から4.5%と増加する結果となりました。
(3) 経営成績の分析
第17期事業年度(自 平成28年8月1日 至 平成29年7月31日)
① 売上高の分析
当事業年度における売上高は、148億46百万円と大幅な増収となりました。これは不動産ソリューション事業において予定通り売上高を確保したことに加え、収益不動産残高の拡充により、不動産賃貸事業において賃料収入が増加したことなどが主な要因であります。以上の結果、事業セグメント別の売上高は、不動産ソリューション事業128億22百万円、不動産賃貸事業18億9百万円、その他事業2億13百万円となりました。
② 費用・利益の分析
当事業年度の売上原価は、不動産ソリューション事業における売上増加に伴う原価の増加などにより113億43百万円、売上総利益は35億2百万円となりました。販売費及び一般管理費は、人件費の増加及び販売物件に係る支払手数料の増加などにより、21億10百万円となりました。
この結果、営業利益は13億92百万円となりました。
営業外収益は、受取利息及び保険解約返戻金などにより11百万円となり、営業外費用は、支払利息等の通常の金融費用などにより、6億99百万円となりました。
以上の結果、経常利益は7億4百万円、税効果会計適用後の法人税等負担額は2億13百万円、当期純利益は4億75百万円となりました。
第18期第3四半期累計期間(自 平成29年8月1日 至 平成30年4月30日)
① 売上高の分析
当第3四半期累計期間における売上高は、162億58百万円と大幅な増収となりました。これは不動産ソリューション事業において予定通り売上高を確保したことが主な要因であります。以上の結果、事業セグメント別の売上高は、不動産ソリューション事業140億45百万円、不動産賃貸事業16億68百万円、その他事業5億43百万円となりました。
② 費用・利益の分析
当事業年度の売上原価は、不動産ソリューション事業における売上増加に伴う原価の増加などにより123億40百万円、売上総利益は39億18百万円となりました。販売費及び一般管理費は、人件費の増加及び販売物件に係る支払手数料の増加などにより、19億40百万円となりました。
この結果、営業利益は19億77百万円となりました。
営業外収益は、受取利息、特別利害関係取引の清算による受取和解金及び保険解約返戻金などにより22百万円となり、営業外費用は、支払利息等の通常の金融費用などにより、7億53百万円となりました。
以上の結果、経常利益は12億46百万円、税効果会計適用後の法人税等負担額は4億52百万円、四半期純利益は7億89百万円となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
第17期事業年度(自 平成28年8月1日 至 平成29年7月31日)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して3億37百万円増加し、7億34百万円となりました。
また、当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、減少した資金は51億92百万円(前事業年度は4億86百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益6億89百万円及び非資金取引である減価償却費2億78百万円であります。主な減少要因は、たな卸資産の増加61億50百万円、利息の支払額5億7百万円及び法人税等の支払額1億29百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は45億65百万円(前事業年度は42億24百万円の減少)となりました。主な減少要因は、有形固定資産(主として賃貸用不動産)の取得による支出44億67百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は100億82百万円(前事業年度は37億93百万円の増加)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入127億36百万円、短期借入金の増加34億73百万円であります。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出63億2百万円であります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しております。当社はこれらのリスク要因について、分散又は低減するように取り組んで参ります。
(6) 経営戦略の現状と見通し
株式会社野村総合研究所「純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移(2000年~2015年の推計結果)」(平成28年11月28日)によると、平成27年における日本の富裕層(金融資産1億円以上5億円未満)・超富裕層(金融資産5億円以上)の純金融資産総額は272兆円に達しております。平成25年(2013年)から平成27年(2015年)にかけて、富裕層および超富裕層の純金融資産総額は、それぞれ17.3%、2.7%増加し、両富裕層の合算ベースで12.9%増えました。また、富裕層・超富裕層の世帯数は、平成25年の合計世帯数100.7万世帯を、約21万世帯上回っております。
当社は不動産ニーズを有する顧客のうち、特に富裕層(金融資産1億円以上5億円未満)・超富裕層(金融資産5億円以上)の資産を有する顧客に対して積極的に販売活動を行っております。販売活動を富裕層等に対して積極的に実施している理由ですが、上記顧客層は景気変動に左右されない収益不動産ニーズを有しており、また金融機関の融資判断もあまり変動がありません。更に、団塊の世代が大量にリタイアすることにより、退職後の資産運用や相続税対策に対する不動産に対しての潜在的・顕在的ニーズがあります。また、首都圏マンション価格は10年間(平成16年から平成26年)において60%以上上昇しており、都心回帰により市内中心部に人口流入が続いていることもあり、今後も上昇傾向が見込まれております。
このような環境も後押しとなり、当社の主力商品である低層賃貸マンションシリーズ「LEGALAND(リーガランド)」の販売を中心とした不動産ソリューション事業において、今後も東京都心10区及びターミナル駅徒歩10分などの当社が重点エリアとしている物件に対するニーズは多いため、販売数も概ね順調に推移するものと思われます。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社が今後、業容を拡大しつつより良い商品及びサービスを継続的に提供していくためには、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者として常に外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を把握し、それらに対する課題を認識するとともに最適な解決策を実施していく方針であります。