有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2023/03/15 15:00
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149項目

事業等のリスク

当社グループの事業運営に関し、会社による制御が困難な外部要因や市場環境、事業に影響を与える法規制等のリスクについて以下に記載します。ここに記載するリスクは実際に発生する可能性が高くないものも含まれておりますが、当社が経営判断する際に検討すべき事項であるとともに、投資家の投資判断に資すると認識するため記載するものであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
発生可能性については3年以内に発生する頻度・確率より評価し、影響度については発生した際に当社グループ連結営業利益に与える影響より評価しております。また、文中において発生する可能性のある時期について言及がないものについては、中長期を見込んでおります。
なお、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」に記載のとおり、当社グループは、安全・コンプライアンス委員会を設置し、当社グループの業務におけるコンプライアンス上の危機及び問題を監視するとともに、コンプライアンスに係る取り組みの推進のほか、リスク管理の全体的推進に努めております。
(1) インターネット関連事業について
[発生可能性:低、影響度:高]
当社グループは、インターネットを媒体として多様なサービスを展開しておりますが、インターネットやスマートデバイスの更なる普及・利用拡大、関連市場の拡大等を背景として、従来オフラインで提供されてきたサービスがオンラインに置き換わっており、インターネットサービスがより生活において身近な存在になっております。
しかしながら、インターネット通信環境の悪化、スマートデバイスの普及の著しい鈍化、不正使用等の弊害の発生、新たな法的規制の導入等、予期せぬ要因により今後の当社サービスの拡大を阻害するような状況が生じた場合、また、広告収入を主体とするメディアサービスにおいては景気変動の影響を受けるため景況感が悪化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 規制リスクについて
[発生可能性:中、影響度:中]
インターネットという通信環境を基盤として様々なサービスを提供しているインターネット業界は、近年急速に発展した業界でもあり、無限の可能性を秘めた市場と言える一方で、将来の見通しが難しい分野であります。そのため、業界が進展するに従って、新たな規制が設けられ、又は既存の規制が強化された場合、費用負担の増大や自由な経営が制限されることが想定され、業績及び今後の事業展開に影響を与えるリスクがあると考えられます。
当社グループは、法規制の新設・改正や社会的な意識水準の変化を捉えるためにグループ安全・コンプライアンス委員会を運営し、また顧問弁護士と十分に連携を取ることにより、対応策を適時的確に実行できる社内管理体制の強化に努めております。
現在、当社グループが提供するサービスに関係する主な法令等の規制は次のとおりであります。
①「個人情報の保護に関する法律」
ブロードバンド事業等において個人情報を取得、収集しているため、当該法律の規程に則って作成したプライバシーポリシーを有し、その遵守に努めておりますが、大規模な個人情報の漏洩等の事故が生じた場合に、信用の失墜や損害賠償責任の発生、営業の継続が困難な状況に陥るなど、経営に著しい影響を及ぼすリスクがあります。
②「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」
電気通信による情報の流通において他人の権利の侵害があったとき、損害賠償責任及び情報発信者についての情報開示義務を負う場合があり、事業運営や経営に著しい影響を及ぼすリスクがあります。
③「不正競争防止法」、「不当景品類及び不当表示防止法」
プラットフォーム事業のメディアにおける広告掲載において、関連法規を遵守すべく、広告主からの受注案件であっても掲載を中止するなど、収益機会を逸することが考えられます。また、掲載した広告に対して第三者からのクレームや損害賠償請求等の訴えを受ける可能性があり、経営に著しい影響を及ぼすリスクがあります。また、当社サービスに関する広告掲載において、関連法規に違反した場合、社会的な信用の失墜を含め、当該サービスの終了や課徴金の支払いなど経営に著しい影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループは、当該法令の遵守並びに高品質かつ関連性の高い広告の掲載の実現を目的として、広告掲載基準を設けております。(https://ad.excite.co.jp/regulation/)
④「医療法、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
プラットフォーム事業におけるD2Cサービス及びマウスピース歯科矯正サービスにおいて、サービス上の表示について同法及び関するガイドラインに基づき厳正にチェックを行い法令順守に努めておりますが、将来的にかかる法令の変更又は新たな法令の施行等があった場合には、事業活動が制限される可能性があります。
当社グループは、当該法令を専門とする弁護士や外部専門家に相談できる体制を整備することでリスクの低減を図っております。
⑤ 知的財産権
コンテンツ(情報の内容)の取扱いにおいて他人の知的財産権を守る義務があり、もし他人の知的財産権を侵害した場合には損害賠償請求あるいは使用差止請求等の訴えを受けることがあり、事業活動や経営に著しい影響を及ぼすリスクがあります。
⑥ プライバシー権
インターネット技術を用いたサービスは、インタラクティブ性を伴うことから、利用者の閲覧履歴情報が把握できるなど、プライバシー権への配慮を要することがあります。履歴情報などの利用に関して利用者からのクレームや差止請求を受ける可能性があり、履歴情報を利用したサービスの事業活動に影響を及ぼすリスクがあります。
⑦ 電気通信事業法
ブロードバンド事業において、電気通信事業法により電気通信事業者として次のとおり届出を行い受理されております。現在において、法令違反の要件及び主な許認可取消事由の該当はありませんが、万が一、電気通信事故等により許認可が取消された場合には、事業活動に影響を及ぼすリスクがあります。
a.許認可等の名称
取得年月日許認可等の名称所管官庁等許認可等の内容
2001年4月26日届出電気通信事業者(届出)総務省届出電気通信事業者
A-13-04494

b.許認可等の有効期限
許認可等の名称有効期限
届出電気通信事業者電気通信事業の廃止または法人の解散まで有効

c.許認可等の法令違反の要件及び主な許認可取消事由
許認可等の名称法令違反の要件及び主な許認可取消事由
届出電気通信事業者主な法令違反の要件
(主な消費者保護ルール)
①契約後の書面交付
②電気通信業務の休廃止の周知
③電気通信事故に関する報告

⑧ その他
「特定商取引に関する法律」、「古物営業法」、「消費者契約法」などの適用を受ける事業があります。
(3) 内部管理体制に係るリスクについて
[発生可能性:中、影響度:中]
当社グループは、グループ企業価値の持続的な増大を図るためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、及び健全な倫理観に基づく法令順守の徹底が必要と考えており、内部管理体制の充実に継続的に努めております。
しかしながら、事業の急速な拡大等の理由により、内部管理体制の構築の十分性が確保できない状況が生じる場合には、プロジェクト管理をはじめとした適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 特定経営者への依存及び人材確保に係るリスクについて
[発生可能性:低、影響度:中]
当社グループは、人材採用及び人材育成を重要な経営課題と位置付けており、インターネット業界における優位性を確保すべく、人材採用と人材育成に関する各種施策を継続的に講じております。十分な人材確保が困難となる場合や、急激な人材採用によりグループの協業、連携体制の維持が困難となる可能性は低いと予想しておりますが、生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、特定経営者に依存しない体制構築のために、経営方針や事業戦略の決定等、取締役会等における役員間の相互の情報共有を図る経営組織を整備・運用しており、発生可能性は低いと認識しております。しかしながら、代表取締役を含む役員、幹部社員等の専門的な知識、技術、経験を有している役職員が、何らかの理由によって退任、退職し、後任者の採用が困難となった場合、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 情報セキュリティの脆弱性、不正利用のリスクについて
[発生可能性:低、影響度:高]
通信ネットワークを前提とした事業モデルである以上、セキュリティに関しては、非常に重視しており、「情報セキュリティガイドライン」を整備し、システムやデータ等の保護に努め、セキュリティインシデントの予防対策、発生時の影響を最小限に抑える対策として定期的バックアップ、稼働状況の常時監視、不正アクセス防止のためのセキュリティ強化を講じています。しかしながら、技術的な限界、費用対効果の観点からの制約、想定以上のアクセス増加による一時的な負荷増大、サイバー攻撃や不正アクセス、予期せぬ障害等によって起こりうる、重要情報データの漏洩、コンピュータプログラムの不正改ざん、システムダウン等を完全に回避することは困難であります。
また、他人になりすましたアクセスや他人のクレジットカードを利用するなど、不正な行為への対応に苦慮することがあります。こうした状況が過度に生じた場合、第三者からの賠償責任請求、当社グループの信用下落、収益機会の損失等により、事業運営や経営に著しい影響を及ぼすリスクがあります。
(6) 特定取引先への依存リスクについて
[発生可能性:低、影響度:高]
インターネット事業に不可欠な設備である通信環境やデータセンターを特定の他社に依存しており、当社の直接の管理下にない他社におけるシステムの損壊(災害等の事由を含む)などが生じた場合、事業に著しい支障が生じるリスクがあります。また設備以外においても、当社サービスを構成するコンテンツや機能につきまして、それぞれ特定の他社からの提供に頼っているものがあります。発生可能性は低いと想定されますが、それらのコンテンツや機能の提供が、突如、受けられなくなる場合や品質に低下を生じた場合など、事業運営や経営に著しい影響を及ぼすリスクがあります。
また、ブロードバンド事業において、提携電気通信者である東日本電信電話㈱、西日本電信電話㈱及び㈱インターネットイニシアティブとアクセス回線の提供に関する契約を締結し、当該アクセス回線の提供を受けております。今後、契約終了や契約内容変更などの事態が発生した場合、営業戦略や価格政策の見直しが必要になる可能性があり、その内容によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 競争リスクについて
[発生可能性:中、影響度:低]
インターネット業界は発展途上にあり、標準化された技術や比較的低廉な設備コストであるため、新規事業における参入障壁は低い状況にあります。当社グループでは、既存事業の深化及び新規事業の創出等に取り組み、競争力の向上を図っております。未知なる可能性と競争の激しさから、新規事業における安定した収益構造を確立し維持することは難しい特性を有しているため、リスクとして認識しておりますが、新規事業における当社グループの業績及び財政状態に与える影響は低いと想定しております。
(8) プラットフォーム事業課金サービス利用にかかる安全性・健全性について
[発生可能性:低、影響度:中]
当社は「電話占い」「お悩み相談室」等のカウンセリングサービスを運営しております。これらのサービスでは、ユーザーの個人的な悩みを占い師及びカウンセラーが個々でコミュニケーションをとっています。当社は、健全にご利用頂くために、当社の複数回にわたる面接を通過した占い師や有資格者等を中心としたカウンセラーを常駐させ、占い師・カウンセラーには禁止事項を明記した契約を締結しております。ユーザー側には利用規約にて禁止事項を遵守いただいており、これらの禁止事項を担保するためにもカスタマーサポートセンターは365日稼働とし、ユーザーからの問合せやクレームに対応し、占い師・カウンセラーには管理担当者をつけ、サービス向上のためにユーザーの声をフィードバックする機会を積極的に設け安全性向上に努めており、発生可能性は低いと認識しております。
現状はこれらの取組みにおいて2007年のサービス開始以降大きな問題は起こっておりませんが、これらのサービスは無形商材である個人の心の負担を軽減するサービスであることから、ユーザーと占い師・カウンセラーとの間でサービス品質等にかかる認識相違が生じる可能性があり、当該認識相違に起因するトラブル等が生じる可能性があります。当社の監視体制が有効に機能しない又は有効性が低下した結果、当社サービスにおいて重大なトラブルが発生又は増加した場合、安全性に懸念が生じ、信頼性の低下により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) メディアサービスに係るリスクについて
[発生可能性:中、影響度:中]
プラットフォーム事業が運営するWebメディア、コンテンツはグーグル等の検索エンジンからユーザーを集めております。検索エンジンからの集客を強化すべくSEO(Search Engine Optimization、検索エンジンからサイトに訪れる人を増やすことであり、Webサイトの成果を向上させる施策)等の必要な対策を行っておりますが、検索エンジン側がロジックを変更し、検索結果の表示順が変更された場合、Webメディア、コンテンツへの集客に影響が生じる可能性を認識しており、当社グループの業績に一定の影響を及ぼす可能性があります。
(10) 新規事業及び業容拡大に係るリスクについて
[発生可能性:低、影響度:中]
当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するために、積極的に新規事業・サービスに取り組んでいく方針であります。新規事業・サービスにつきましては、企画段階・開発段階において十分なモニタリングを実施するとともに、事業ポートフォリオのバランスを図ることでリスク低減を行っているため、発生可能性は低いと認識しておりますが、不確定要素が多く、新規事業・サービスの展開が想定どおりの進捗を見せない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、新規事業への取り組みに付随したシステム投資や広告宣伝費等の追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。
なお、当社グループの新規事業・サービスに関する審査機能の強化を図るため、2022年3月に投資委員会を設置しました。投資委員会は、取締役会に付議する新規事業・サービスの審査を実施し、審査結果や主要論点を取締役会に報告することを役割としております。
(11) M&A及び資本業務提携による事業拡大に係るリスクについて
[発生可能性:高、影響度:中]
当社グループは、既存事業の強化や新たな事業領域の進出において、M&A及び資本業務提携は有効手段のひとつであると考えております。M&A等の実施に際しては、外部専門家の協力を仰ぎながら対象企業に対する詳細なデューデリジェンスを実施し、様々なリスクの低減を図る方針であります。
しかしながら、これらM&A及び資本業務提携は当初の予定どおり進捗できる保証がなく、また、経営環境や事業環境の変化によって、当初期待した効果が得られず戦略目的が達せられない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 大株主について
[発生可能性:中、影響度:低]
当社の筆頭株主であるCASK㈱は、当社の創業者であり代表取締役社長CEOである西條晋一の資産管理会社であり、CASK㈱と西條晋一は、本書提出日現在で当社発行済株式総数の76.99%を所有しております。CASK㈱及び西條晋一は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針でありますが、当社グループの意思決定について影響を及ぼし得る立場にあることから、支配株主の利益は、当社の他の株主の利益と一致しない可能性があります。
(13) 当社株式の流通株式比率について
[発生可能性:低、影響度:低]
当社は、東京証券取引所スタンダード市場への上場に際しては、公募増資によって当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は新規上場時において25.95%にとどまる見込みにあります。今後は、当社大株主への一部売出しの要請、ストックオプションの行使等により、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(14) 筆頭株主グループとの関係に係るリスクについて
[発生可能性:低、影響度:小]
2023年3月1日付で、XTech㈱は新設分割により、当社代表取締役社長CEOである西條晋一の財産管理を目的とした新会社(CASK㈱)を設立しております。この新設分割により、XTech㈱が所有していた当社普通株式の全株式はCASK㈱に承継されたため、XTech㈱は当社の親会社から外れております。
① 人的関係について
当社代表取締役社長CEOである西條晋一は、同氏の資産管理会社であるCASK㈱と合わせて本書提出日現在で当社発行済株式総数の76.99%を所有しております。一方で、当該会社とは別に同氏がその議決権の過半数を保有するXTech㈱があり、主に複数の事業会社に出資を行っております。各事業会社はそれぞれ独自で経営されており、それぞれの意思決定は各事業会社で行っております。なお、同氏はXTech㈱及びその出資先(以下「筆頭株主グループ」という。)の一つであるXTech Ventures㈱の取締役を兼職しております。その他、当社グループと筆頭株主グループとの間で、役員の兼職及び従業員の出向など人的な関係はありません。
② 取引関係について
2023年3月期連結会計年度における第3四半期迄の当社グループと筆頭株主グループとの間の1百万円以上の取引については下表のとおりであります。今後、筆頭株主グループとの取引については削減していく方針ですが、新たに取引を行う際には、事業上の必要性及び他社との取引条件等を比較し、当該取引の妥当性の検証を行い、取締役会において審議・検討による意見を尊重した上で、取引可否の判断を行っております。
(単位:千円)
会社名当社との関係取引の内容取引の金額
㈱ワンオブゼム西條晋一が議決権の過半数を保有するXTech㈱の関連会社事業運営・開発関連の業務委託29,567

③ 競合関係について
現在、筆頭株主グループには当社グループと競合する事業を営む会社はなく、筆頭株主グループとの間で当社グループの事業活動を阻害するような契約はありません。
当社代表取締役社長CEOである西條晋一がその議決権の過半数を保有するXTech㈱は、既存産業×テクノロジーで新規事業を創出するコンセプトのもと、各子会社や関連会社等の株式を保有しております。現在の保有先もしくは今後の保有先の事業内容によっては、筆頭株主グループと当社グループが営む事業が競合する可能性がありますが、当該競合リスクの発生防止、当社グループの利益及び独立性の確保を目的として、XTech㈱による子会社設立及び投資(XTech㈱が出資するXTech Ventures㈱が運営するファンドから行う投資を含む)を行うことにつきまして、当該検討中の投資先が投資後に、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則の定義において、子会社及び関連会社に該当し得る場合は、当社に対し、当該企業の企業情報等を提供することとしており、当社は事前に利益相反や競合性の観点から確認し、該当しないことを確認したうえで、XTech㈱及び筆頭株主グループは投資を実行又は新規事業を開始することとしております。なお、当社代表取締役社長CEOである西條晋一は、当社グループに専念しており、万が一、当社とXTech㈱及び筆頭株主グループ間で競合事業の開始が予見された場合においては、少数株主に配慮し当社グループの事業を優先する方針であります。なお、XTech㈱及び筆頭株主グループの一覧は以下の表のとおりです。
(2023年2月28日現在)
会社名事業内容
XTech㈱インターネット関連事業
スタートアップスタジオの運営
XEvent㈱イベント及び展示会の企画運営事業
XTalent㈱有料人材紹介事業
XTech Partners㈱コンサルティング事業
XTech Ventures㈱ベンチャーキャピタル事業
クロスポッケ㈱子ども向けギフトECサービス「みてねギフト」の開発・運営
クロスマート㈱個店飲食店と食材卸を繋ぐマーケットプレイス事業
GIO CLUB㈱旅行業、留学斡旋業
BizSuite㈱ベンチャー向け管理系業務のアウトソーシングサービス
Professional Studio㈱有料人材紹介事業
イークラウド㈱株式投資型クラウドファンディング事業
Radiotalk㈱無料音声配信サービス事業
㈱ワンオブゼムAR・AIを中心としたスマホ関連サービスの企画開発等


(15) 税務上の繰越欠損金に係るリスクについて
[発生可能性:高、影響度:低]
主要子会社であるエキサイト㈱の繰越欠損金は計画上2024年3月期に解消予定であり、繰越欠損金が解消された場合には、所定の税率に基づく納税負担が発生するため、当期純利益及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
(16) 無形固定資産の減損に関するリスクについて
[発生可能性:中、影響度:中]
当社は、のれん及びソフトウェア等の無形固定資産を有しております。事業計画や市場環境の変化により、当初設定した前提条件や仮定に変更が生じ収益性が著しく低下した場合、当該サービスの固定資産について減損処理を行うことがあります。減損処理を実施した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 保有投資有価証券の価値の変動に関するリスクについて
[発生可能性:中、影響度:低]
当社グループが保有する投資有価証券につきまして、株式市場の動向や有価証券発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合において、評価額の引き下げに伴う減損損失を計上し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(18) 財務制限条項に関するリスクについて
[発生可能性:低、影響度:低]
当社グループの事業資金の一部は、金融機関からの借入により調達しております。金融機関からの借入には財務制限条項(財務コベナンツ)が付されているものもあり、当該金融機関からの調達以降、本書提出日現在において財務制限条項には一度も抵触しておりませんが、仮に今後、当社の業績、財政状態等の要因でいずれかのコベナンツへの抵触が不可避な場合には、当該借入についての期限の利益を喪失し、借入金の一括返済を求められる可能性があります。
(19) 技術革新に係るリスクについて
[発生可能性:低、影響度:中]
当社グループは、最新技術に関する社員教育や新規技術の積極的な投入を行い、適時に独自のサービスを構築していく方針でありますが、急激な技術革新のスピードに適時に対応できない場合や、予想以上に開発等の費用が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(20) 自然災害等に係るリスクについて
[発生可能性:低、影響度:低]
当社の全てのサービスはインターネットを介して提供されております。安定的なサービスの運営を行うために、Amazon Web Services等のクラウドサービスの利用、セキュリティの強化、システム管理体制の構築等により、適切かつ速やかに危機対策、復旧対応を行う取り組みに努めており、発生可能性は低いと認識しております。また、通常時よりリモート環境での勤務を可能としており、自然災害や、感染症の流行による人的なリスクを最小限に抑えるように努めております。しかし、地震や台風等の自然災害、テロ行為といった事象が発生した場合、コンピュータシステムの停止、消失、システム障害、ネットワークの切断等損失が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。