有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2018/11/19 15:00
【資料】
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【項目】
84項目

対処すべき課題

■経営方針
当社は「われわれは在庫に関わる“人”、“もの”、“金”、“時間”、“情報”を最適化するITソリューションを提供し、限りある資源を有効活用することで、広く社会に貢献するために存在している。」を基本理念、「世界中の無駄を10%削減する」をビジョンとし、需要予測型自動発注システム等の製品・サービスを提供しております。
■経営環境
当社の主要ターゲットである小売業は、少子化による人手不足の深刻化、最低賃金の増額による人件費上昇、店舗数飽和による売上高向上余力減少等の影響により、省力化・無人化が最優先課題となってきております。そのため、省力化の実現が可能な当社の自動発注システムに対するニーズが高まっており、今後もさらなる市場拡大が見込めます。
当社は、食品スーパーマーケット向けの導入実績が数多くある強みを活かし、まずは以下3ステップで食品流通業におけるデマンド・チェーン・マネジメントを構築することを目指しております。
1.食品スーパーマーケットを中心とした食品小売業のシェア率40%(注)獲得
2.食品卸売等中間流通業のシェア率拡大
3.食品製造業・原材料業向けのサービスを拡大し、「sinops」で食品流通業のデマンド・チェーン・マネジメント実現
次に、医薬・雑貨・アパレル等の他業界へのサービス展開を強化します。また、コンビニ向けの事業展開も視野に入っており、国内基盤を強固なものとする計画です。
その後、海外展開している日系企業を中心に海外サービスも展開し、ビジョンである「世界中の無駄を10%削減する」の達成を目指しております。
■対処すべき課題
当社は、以下4点を重要な経営課題と認識しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1)全国でのシェア率向上
当社のターゲットは、在庫最適の問題を抱える小売業、卸売業、製造業の全ての企業が対象です。特に小売業における売上高400億円以上の企業が主要ターゲットであり、小売市場における当社の需要予測型自動発注システム「sinops-R」は多数の顧客に導入いただいております。今後は、すでにシェア率30%以上を占める関西圏・四国圏以外にも、2017年度に新規開設した東京営業所を中心に、国内最大商圏である関東圏やその他東日本エリアでのシェア率を伸ばす活動をしております。また、海外展開も視野に入れており、具体的に次の2つに対応する準備を進めております。1つ目は、海外展開している日系企業向けへのサービス提供、2つ目は食品に対するシビアさを持った国の企業からのオファーへの対応準備を進めております。
(2)食品業界以外でのデマンド・チェーン・マネジメント実現
当社では、小売業・卸売業・製造業の在庫に関わる情報を一気通貫でつなげるデマンド・チェーン・マネジメントの確立を目指しております。現在は食品小売業でのシェア率を11.7%から40%以上にすることに注力し、食品業界でのデマンド・チェーン・マネジメント実現に向けての取組みを開始しております。今後、食品業界のみならず、医薬品・雑貨・衣類業界等々あらゆる業界でデマンド・チェーン・マネジメント構築を展開していくための準備を進めております。
(3)製品・サービス品質向上
当社は、日配・パン・惣菜等の難易度が高い商品カテゴリーにおける自動発注システム導入を成功させ、競合他社と差別化を図ってまいりました。その一方で、当社の製品・サービスの高度化に伴い、当社サービスの導入難易度が高くなってきていることが問題となってきております。そこで、製品そのものの抜本的な見直しやパートナー企業との提携を強化することで、導入難易度の低下、操作性向上、24時間のサポートサービス体制の実現といったサービス品質向上に努めております。
(4)優秀な人材の確保及び育成
当社はより一層の事業拡大のため、毎年10~20%程度を増員する計画を立てております。また、一部の人材に集中していたノウハウの全社共有、教育制度の充実、評価制度の見直し等を行い、組織としての人材育成力の強化を積極的に推進しております。
(注)シェア率は、以下計算式で算出しております。
シェア率(%)=「sinops」導入企業の年間売上高計÷ターゲット企業の年間売上高計
※ターゲット企業とは、ダイヤモンド・チェーンストア「1000社ランキング」に掲載されている売上高400億円以上の企業(百貨店、コンビニ、ディスカウントストアを除く)