有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/01/22 15:00
【資料】
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【項目】
102項目

業績等の概要

(1) 業績
第16期連結会計年度(自 平成29年3月1日 至 平成30年2月28日)
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀による各種金融緩和政策により、雇用・所得環境の改善がみられるなど緩やかな回復基調が続きました。その一方で、アメリカ、EU、中国等の海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響や、国内の人手不足感の高まりや物価ののび悩み等、懸念材料が多く存在しております。
このような中、国内情報サービス市場におきましては、企業業績が改善傾向にある製造業等からの案件ニーズに加え、政府による働き方改革の推進により、人手不足を解消するための企業側でのIT投資意欲は引き続き堅調に推移しています。クラウドやビッグデータ活用等のIT活用の多様化や政府の新経済対策でも挙げられたサイバーセキュリティ対策の強化等、新規需要もみられています。大手各社は、事業拡大に向けて、提携・買収等による海外市場への展開や、IoT関連の総合的なITソリューションの提供等、成長が見込まれる分野への取組に注力していました。
このような状況のもと、当社グループは「我々の技術・知識・ノウハウを最高に発揮し、お客様の価値向上と社会の発展に貢献します。」という経営理念を掲げ、ツールソリューション事業を着実に伸ばしていくとともに、その事業を支えるクラウドサービス及びソフトウェア開発の拡大にも努めてまいりました。主力商品であるAtlassian製品では、継続したマーケティング活動により顧客からのお問い合わせ件数を順調に伸ばし、新規案件の獲得やクラウドサービスの安定した顧客確保にもつなげることができました。
Atlassian製品以外でも、Alfresco製品の販売促進に力を入れ、Alfresco関連サービスや最新情報などを発信する専用ホームページの公開や、サポートサービス体制の強化にも取り組みました。結果、Alfresco製品でも新規の顧客獲得を達成しています。
この結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高1,728,256千円、営業利益130,847千円、経常利益は129,827千円、親会社株主に帰属する当期純利益は93,145千円となりました。
当社は、平成28年9月28日開催の第14期定時株主総会決議により、決算期を6月30日から2月末日に変更しました。従って第15期は、平成28年7月1日から平成29年2月28日までの8ヶ月間となっております。このため、前年同期比については記載しておりません。
なお、当社グループはツールソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
第17期第3四半期連結累計期間(自 平成30年3月1日 至 平成30年11月30日)
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、緩やかな回復が続いています。輸出はおおむね横ばいとなっているものの、企業収益が過去最高を記録する中で設備投資が増加するとともに、雇用・所得環境の改善により個人消費の持ち直しが続くなど、経済の好循環は着実に回りつつあります。今後についても、雇用・所得環境の改善が続く中、各種政策の効果もあって、景気は緩やかに回復していくことが見込まれます。
情報サービスでは、人・モノ・組織・地域などあらゆるものを「つなげる」ことで新たな価値創造を実現するICT(注)を利活用して、需要喚起、生産性向上、社会・労働参加を促進することで、人口減少時代における持続的成長を図ることができると考えます。
インターネット技術や各種センサー・テクノロジーの進化等を背景に、パソコンやスマートフォンなど従来のイ ンターネット接続端末に加え、家電や自動車、ビルや工場など、世界中の様々なモノがインターネットへつながる IoT時代が到来しています。世界のIoTデバイス数の動向をみると、2017年時点で稼働数が多いのはスマートフォンや通信機器などの「通信」が挙げられます。ただし、それら「通信」に分類されるIoTデバイス数は市場が成熟しているため、今後は、相対的に低成長が見込まれます。今後は、コネクテッドカーの普及によりIoT化の進展が見込まれる「自動車・輸送機器」、デジタルヘルスケアの市場が拡大している「医療」、スマート工場やスマートシティが拡大する「産業用途(工場、インフラ、物流)」などに分類されるIoTデバイス数の高成長が予測されます。
階層毎の市場について、グローバルレベルでの市場規模と成長性を概観すると、全体的には、「ネットワーク」、「端末」といった下位の階層の市場は、既に世界的に普及している固定・移動体ネットワークサービスを中心としてその規模は大きいですが、成長率の観点からはとりわけ「端末」の階層は低く、スマートフォンを中心に急速に成長してきた「人」向けデバイスの成長は今後鈍化することが予想されます。他方「コンテンツ・アプリケーション」や「プラットフォーム」の上位の階層の市場は、現在の市場規模は前述の下位の階層と比べて小さいものの、成長率が高いことから、今後ICT産業の付加価値は全体的に上位の階層の関連へとよりシフトしていく可能性が高くなっています。
売上推移を見ると、ライセンス&SI業務を中心に好調で、特に大手製造業のお客様の新規、アップグレード(現在使用中のライセンスのユーザー数を増やして契約更新することを言います)の案件が多く、業績に大きく貢献しました。また、Alfresco製品のライセンス販売も実績が出てきており、当社の課題であるAtlassian製品以外の事業拡大にも大きなインパクトをもたらしました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の連結の業績は、売上高は1,763,801千円、営業利益244,713千円、経常利益266,108千円、親会社株主に帰属する四半期純利益は177,674千円となりました。
なお、当社グループはツールソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
注.ICT(Information and Communication Technology)
情報・通信に関する技術の総称。従来から使われている「IT(Information Technology)」に代わる言葉として使われている。海外では、ITよりICTのほうが一般的。
(2) キャッシュ・フローの状況
第16期連結会計年度(自 平成29年3月1日 至 平成30年2月28日)
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、114,794千円増加し、403,059千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、収入は101,521千円となりました。これは主に、売上債権の増加143,129千円があったものの、仕入債務の増加82,514千円と税金等調整前当期純利益129,827千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出は18,312千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出10,983千円、敷金の差入による支出8,758千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、収入は30,000千円となりました。これは、短期借入れによる収入30,000千円があったことによるものであります。