有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/06/19 15:06
【資料】
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【項目】
99項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)経営方針
当社では、インクジェット技術を世の中、日本社会、市民生活の発展の為に普及させることを企業目標として「一、インクジェット技術を世の中、日本社会、市民生活の発展の為に普及させる 一、企業人として恥ずかしくない立派な人格、人間形成をめざす 一、我々の責務を果たし、生活を豊かにし日本一の出力企業をめざす」、企業理念として「より良い働きを通じて 全従業員の物心両面の幸せを創造し 社会へ貢献しよう」を掲げております。
また、「社員を喜ばし お客様を喜ばす」ことを事業理念としており、お客様からの様々なご要望に対して、即
時、かつ細やかにお応えし、お客様からの信頼を得ることにより、売上拡大と収益性の向上を目指しております。
こうして当社の事業理念を浸透させ、事業基盤をより強化発展させることにより、広告産業を通して、日本社会、世の中を明るくするために社会貢献に寄与してまいります。
(2)経営戦略
当社は顧客からの受注に基づき、業務用の大判インクジェットプリンターを使用し、プリント・加工・納品までを一貫して行うインクジェット出力事業を行っております。広告代理店、広告制作会社、印刷会社、デザイン会社等から発注される「販売促進用広告物の制作」、及びゲーム機メーカーが取り扱うプリントシール機の外装カーテン、並びにインテリアメーカーやインテリア専門商社が取り扱う内装壁紙や床材等の「生活資材・製品制作」を主たる事業としております。大阪、東京、横浜、福岡に拠点を置き、得意先様からの様々な要望にお応えするため、プリンターや加工マシンの生産体制の拡大と顧客・販路の拡大をこれまで行ってまいりました。24時間生産体制にて、短納期の注文や緊急案件にも対応できることが当社の強みでもあります。「短納期」と「ワンストップサービス」をキーワードに、他社よりも質の高いサービス、付加価値の高いサービスを提供することが、当社の主たる経営戦略であります。
なお、当社は経営ビジョンの実現に向けて、中期成長戦略を策定し、飛躍的な成長を目指しております。令和元年10月期を初年度とする三カ年の中期経営計画を策定しており、最終年度の令和3年10月期については、売上高38億5,000万円、経常利益8億8,498万円を目標としております。目標を達成するために、以下の二つを中期経営方針として掲げ、売上高成長率10%を目指してまいります。
①基幹収益事業の加速・拡大
収益性が高く、最も得意とする「広告業界」への事業領域を加速・拡大させる。
②成長事業への積極的投資
インテリア製品を主とする「生活産業」への事業推進と、3Dプリントや建材製品を主とする「工業製品」への事業推進を積極的に行っていく。
(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、継続的な事業拡大及び、持続的な利益成長の観点から成長性や効率性の向上に取り組んでおり、「売上高」と「売上高成長率」及び「売上高経常利益率」を重要な経営指標として位置づけており、継続的な利益体質を構築することを目標としております。
(4)経営環境
現在のわが国経済は、政府の経済政策などにより雇用・所得環境の改善が消費を支え、設備投資も底堅く、緩やかな回復基調で推移しております。一方、米国の経済政策運営や、アジアの諸外国の経済情勢や政治動向の影響などにより、海外の政治・経済情勢に不安を抱える状況で推移し、景気の先行きについては不透明な状況が続いております。広告印刷業界におきましては、他社との受注獲得競争が続き、それに伴う価格競争の激化などの影響を受け、全体を通しては、経営環境は厳しさを増しております。
このような状況の中、当社は、お客様のニーズに応えるべく、営業力・提案力の強化を更に図り、これにより業績好調な主力広告主から、当社の顧客である広告代理店へ発注された案件の確保に努めてまいります。さらに付加価値の高い分野の新規顧客の開拓深耕にも一層注力していき、事業拡大を加速させてまいります。
また、当社といたしましては、制作体制の「アナログからデジタル化」を基本方針として掲げ、加工の機械化・高速化を図ることを重点的に行っております。最新鋭設備を調査し、加工のロボット化の仕組み化を加速させていきます。継続的に生産設備を更新し、生産効率を更に向上させることにより、価格や印刷品質における競争力を維持し、更に高めてゆく必要があるものと考えております。また、製品制作を各事業所に適切に割り振ることにより設備の稼働率を向上させ、収益性の改善にも努め、強固な経営基盤を築き、事業の拡大に努めてまいります。
(5)事業上の対処すべき課題
このような経営方針の下、当社が対処すべき主な課題は、以下の項目と認識しております。
①内部管理体制の強化
当社事業の継続的な発展のためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化は重要な問題であり、財務報告
の信頼性を確保するため、内部統制システムの適切な運用が重要であると認識しております。コーポレート・ガ
バナンスに関しては、ステークホルダーに対して経営の適正性や健全性を確保しつつも、さらに効率化された組
織体制の構築に向けて内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
②コンプライアンス体制の強化
当社は、法令、定款及び社内規程等の遵守は勿論のこと、日々の業務を適正かつ確実に遂行しており、誠実
な姿勢を企業行動の基本として、事故やトラブルを未然に防止する取り組みを強化してまいります。今後、更な
る事業拡大と企業価値の向上に向けて、引き続き日常業務における関連法令の遵守を徹底するとともに、内部監
査室を中心とした定期的なコンプライアンス研修の開催、各種取引の健全性の確保、情報の共有化、再発防止策
の策定などを行い、また、厳正な管理による社会の「公器」としての責任を重視した透明性のある管理体制の構
築を図ってまいります。
③認知度の向上
当社が今後も成長を続けていく上では、当社の認知度を向上させていくことが必要不可欠であると考えています。展示会の出展や参加、WEB広告を活用した露出等、販売促進活動を積極的に実施していく方針です。
④営業力の強化
当社が、事業拡大を進めていくにあたっては営業体制の強化が欠かせません。社内の営業人員の育成を加速させつつ、有能な人員の採用を強化していきます。また、協業先(得意先・仕入先)とのビジネス提携も積極的に行い、販売チャネルの拡充及び、営業活動により、より多くの新規顧客の獲得と既存顧客を深耕していくことで事業規模の大幅な拡大を図ってまいります。
⑤生産体制・技術力の強化
当社が、事業拡大を進めていくにあたっては生産体制の強化と技術力の向上が欠かせません。社内の制作人員
の育成を加速させると同時に、高度かつ専門的な知識を有する職種に関しては、有能な専門職の採用を強化して
いきます。また、方針として掲げている「アナログからデジタル化」を積極的に進めていくためにも、最新鋭機器を調査し、加工の機械化・高速化を図ると同時に、加工のロボット化の仕組み化を加速させていきます。
また、大阪・東京の都心部に自社のインクジェットファクトリーを持つことにより、自由度が高くなり、従来よりもさらに高いサービスを顧客に提供することが実現できると考えております。
⑥人材の確保と育成
当社は創業以来、優秀な人材を継続的に確保し、人格形成を育成することが最も重要な他社との差別化と認識しております。そのために当社では、従業員のプロフェッショナル化としてインクジェットに関する専門知識の習得を求めるだけでなく、すべての業務に携わる従業員に対し、自己研鑽を重ね、高い専門性を身に着けること、自律的に行動していくことを求めております。これにより、従業員個々の能力向上を図り、当社の人材レベルの向上、ひいてはサービスの質向上、維持に繋げていきたいと考えております。その実現には、人材に対する投資が必要不可欠であると考え、毎年策定する人員計画に教育研修を盛り込み、継続して人材のレベルアップに取り組んでおります。また併せて、経営理念やコンプライアンスに基づいた業務運営体制の徹底のため、リスク認識などに対する全社員の意識向上にも努めてまいります。