有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/08/21 15:01
【資料】
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【項目】
86項目

事業等のリスク

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきまして、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。
(1) 景気動向及び産業動向の変動による影響
企業を取り巻く環境の動きにより、企業の景気による影響を受ける可能性があります。当社のHPC事業は大学官公庁や企業等に科学技術計算用コンピュータを販売しておりますが、顧客の研究開発投資需要等に影響を受けます。また、CTO事業が販売する産業用コンピュータは顧客の設備投資需要等に影響を受けます。そのため、経済情勢の変化に伴い事業環境が悪化し、顧客企業の業績へ悪影響を及ぼした場合、当社の過去の実績にもございましたが、顧客の研究開発に関する投資計画や、設備投資に関する投資計画が縮小し、両事業の売上が減少するなど当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(2) 内部管理体制
当社は、企業価値の持続的な増大を図るためにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令順守の徹底が必要と認識しております。当社では内部管理体制の充実に努めておりますが、今後の事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(3) 技術革新への対応
当社の事業領域であるコンピューティング関連市場は全世界で研究開発が進んでおり、技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。当社はそうした技術革新に対応できる体制づくりに努めておりますが、今後において技術革新のスピードに適時に対応できない場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(4) 特定の人物への依存
当社代表取締役である小野鉄平は、当社の事業推進に極めて重要な役割を果たしております。当社では小野鉄平に過度に依存しない事業体制の構築を目指し人材の育成及び強化に注力しておりますが、何らかの理由により小野鉄平が業務執行できない事態となった場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(5) 特定仕入先への依存 当社のHPC事業の主要仕入先は、米国のSuper Micro Computer,Inc.であります。同社とは代理店契約を締結し、当該契約に基づき安定供給を受けているものの、同社の技術水準の相対的低下に伴う商品力低下等、取引関係が継続困難になった場合には、受注に対する仕入に関し、代替先を探すことになります。代替候補は存在するものの、必要な数量の確保、納期調整、仕入コストの増加等への対応にかかる時間コストが発生する可能性があり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(6) 部品の調達 当社のビジネスにおいて、十分な品質の部品等をタイムリー且つ必要数量入手する事は不可欠であります。急激な部品価格の高騰(例えばメモリー等)や供給不足等が発生した場合、原価上昇リスクや部品確保が困難となり製品出荷の遅延リスクが生じることがあり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 製品の欠陥等、製造物責任 当社は、製品の品質安定に細心の注意を払っておりますが、予測不能な製品及び使用している部品等の欠陥又は不具合により、納入先顧客から損害賠償を請求される可能性があります。一定額の損害保険に加入し、リスク回避策を講じておりますが、補償額を超える損害が発生した場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 業績の編重
当社の販売動向には次の理由により季節変動があります。科学技術計算用コンピュータの主要顧客は、大学公官庁又は大企業であり、受注が急増する年度末の1月~3月に売上高及び営業利益が集中する傾向にあります。従いまして、四半期会計期間毎の業績について、第3四半期会計期間の比重が高くなる傾向にあります。
なお、2018年6月期の当社の売上高及び営業利益の四半期会計期間毎の推移は以下のとおりとなります。
2018年6月期
第1四半期
2018年6月期
第2四半期
2018年6月期
第3四半期
2018年6月期
第4四半期
売上高(千円)787,084805,4961,721,406739,100
営業利益(千円)12,09416,759246,1057,259

(注)上記の売上高及び営業利益は、太陽有限責任監査法人の四半期レビューを受けたものではありません。
(9) 法的規制
当社が事業活動を行うに際して、会社法・金融商品取引法・税法・外為法を含む貿易関連諸法、下請法などの各種法的規制の適用を受けております。当社の事業に関連する法的規制等が新設や改正された場合、当社の現在又は将来の事業活動が大きく制約される可能性や、コストの増加を招く可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 減損損失の可能性
当社は、国内に工場や新製品のベンチマーク取得の為のサーバ設備等を有しており、各種の固定資産を有しております。事業環境の変化等の事由により、これら資産の経済価値が低下し減損処理を行った場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 自然災害、事故等
当社では、自然災害、事故等に備え、サーバデータの定期的バックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、大地震等の自然災害が発生した場合、当社設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生して、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(12) 小規模組織であること
当社は小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制となっております。当社では、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、人員の増強及び内部管理体制や業務執行体制の一層の充実を図っていく方針ではありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(13) 資金使途
当社は東京証券取引所マザーズへの上場に伴う公募増資資金に関しましては、自社利用ソフトウェアの開発を含む設備投資、エンジニア等の人件費に充当する予定でおります。しかしながら、新規事業の発足や経営環境の変化等の理由により、投資効果が期待通りの成果を上げられない場合や、より投資効果が見込める使途等が生じた場合には、現時点の資金使途計画以外の使途に充当する可能性があります。なお、資金使途を変更する決議を行った場合には、適時開示を行う方針であります。
(14) 配当政策
当社は、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら、内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。将来的には、各期の経営成績及び財政状態を勘案しながら株主に対して利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
(15) 訴訟等
当社では、これまでに訴訟は発生しておりません。しかしながら、将来において当社の取締役、従業員の法令違 反等の有無にかかわらず、予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。係る訴訟が発生した場合には、その内容や賠償金額によって、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(16) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化
当社は取締役、監査役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しており、本書提出日における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は7.2%となっております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社の株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権が希薄化する可能性があります。
(17) カントリーリスク/為替変動
当社は製品の大部分を海外から購入しており、主な仕入先は台湾であります。そのため、当該地域に関係する市場リスク、信用リスク及び地政学的リスクや為替レートの大幅な変動等が当社の仕入れに影響を与え、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(18) 情報セキュリティ
当社のコンピュータ及びネットワークシステムは、適切なセキュリティ対策を講じて外部からの不正アクセスなどを回避するよう努めております。
しかしながら、各サービスへの急激なアクセス増加に伴う負荷や自然災害等に起因するデータセンターへの電力供給の停止等、予測不可能な要因によってシステムが停止した場合や、コンピュータ・ウイルスやハッカーの侵入によりシステム障害が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。