有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/09/03 15:01
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90項目

事業内容

当社は 「Smart Work, Smart Life」の理念のもと、 AIなど先進のテクノロジーや第5世代(5G)移動通信システムを活用して、企業のさらなる業務効率向上と、働く従業員の多様な働き方の革新を支援するテクノロジーカンパニーです。
当社は、当該理念を達成するために顧客企業における生産性向上に資するサービスを展開しており、企業向けに、コミュニケーションを通じてEngagementを高めるためのビジネスコミュニケーションプラットフォーム事業を行っております。
当社サービスはEngagementを高めるために、①顧客企業とエンドユーザーの保有するモバイル端末とのコミュニケーションを高めるための「メッセージングサービス」、②顧客企業内のコミュニケーションにフォーカスする「ビジネスチャットサービス」及び③その他のサービスとして当該コミュニケーションの品質向上のためのAIによる分析等を行う「AI Analyticsサービス」等を提供しております。
(1)メッセージングサービス
メッセージングサービスは、主にB2Cビジネスを営む国内外の事業者に対して、エンドユーザーの保有するモバイル端末にSMS(注1)の配信を行うための配信プラットフォームサービスであります。
SMSは、電話、メール、DM(郵便)などの従来のコミュニケーション手段に比べて、比較的安価な費用で一般消費者とのコミュニケーションが行えることから、様々な用途で利用されており、主な利用用途は以下の通りです。
利用用途内容
本人認証Webサービスにおける本人確認に使用
業務連絡登録派遣スタッフへの募集案内や面接日の連絡
重要事項の連絡、
事前通知予約確認連絡、各種往訪日の連絡、商品の出荷通知
プロモーションキャンペーン等の通知
督促滞納者への督促

顧客企業のニーズに合わせて柔軟な提案を可能にするプランを取り揃えており、双方向のSMS配信(注2)が可能な機能や、配信者情報を表記する機能、決済機能、自動応答機能などがあります。
当社と契約した顧客企業は、当社の配信管理画面を操作またはAPI(注3)により携帯電話事業者の回線を介して一般消費者の持つ携帯端末にSMSを配信することができます。APIにおいては、SMS専用プロトコルであるSMPP(注4)接続も可能となります。
当該サービスのビジネスモデルは、顧客企業、販売会社(以下、販社という)、アグリゲーター(注5)と契約締結し、初期等のカスタマイズ料と配信通数等に応じた月額の利用料の収益を計上し、携帯電話事業者に対するSMS配信に係る利用料とサーバー利用料等を費用に計上します。
携帯電話事業者が認める正規配信ルートによりSMS配信サービスを提供するにはすべての携帯電話事業者(注6)と直接契約締結する必要があり、当社は直接契約を締結しております。
また、SMSの次世代規格ともいわれるRCS(注7)について、法人向け+メッセージ(注8)配信サービス「AIX Message RCS」の無料トライアル受付を2019年5月に開始し、本サービス提供開始時期は未定であります。
なお、メッセージングサービスのプラットフォームの名称は以下の通りです。
プラットフォーム名称内容
AIX Message SMSSMS配信プラットフォーム
AIX Message RCSRCS配信プラットフォーム

*SMS配信プラットフォームの名称を2019年5月に「AOSSMS」から「AIX Message SMS」へ変更しております。
(2)ビジネスチャットサービス
ビジネスチャットは、企業における業務連絡やビジネス上のコミュニケーションを行うための利用を想定したサービスであります。
当社は、自社及び外注先を活用して、ビジネスチャットサービスである「InCircle」を提供しております。当該サービスを顧客に直接販売、または販社を介して顧客に間接的に販売しております。
「InCircle」は、シンプルな操作性に加えて、端末、通信経路、サーバーと三段階にわたって暗号化されており、セキュアなビジネスチャットになります。
サービスの提供形態としましては、SaaS版(Software as a Service)によるサービスの提供の他、顧客企業の保有するサーバーにインストールして利用するオンプレミス型、OEM提供があります。
また、「InCircle」はチャットボット機能を活用し、文書管理アプリや名刺管理アプリ等、外部のさまざまな業務ツールと連携しており、これらの機能を活用することによって、日々の業務を効率化することができます。
主な顧客の利用シーンは以下の通りです。
顧客業種利用シーン
新聞社取材情報の共有
建設会社現場情報の共有
金融機関障害情報の共有
小売業店舗情報の共有

ビジネスチャットサービスのビジネスモデルは、顧客企業または販社と契約締結し、初期設定やカスタマイズによる収入と利用者ID数に応じた月額利用料を収益計上しており、サーバー利用料等を費用として計上しております。
(3)AI Analyticsサービス
当社は、AI技術を活用したEngagementを高めるための研究を行っております。
この研究をもとに、ビジネスチャット上に蓄積されたメッセージデータやHR関連データの分析を行い、離職率の低下・ハイパフォーマーの発掘・効率的なチーム構成支援等、業界固有の課題に特化したAI Analyticsの開発・提供を構想しており、その第一弾として、2019年3月より某人材派遣大手に対して離職防止ソリューションサービス「People Engagement Cloud」を提供開始しました。
当該サービスは、顧客企業にあるビジネスチャットのメッセージデータを当社AIエンジンによって分析し、スコアを算出してファイルを提供することで、顧客企業の課題解決につながる提案をしております。
当該ビジネスモデルは、導入・カスタマイズによる収入とライセンス数などに応じた月額利用料を収益計上しており、サーバー利用料等を費用として計上しております。
(4)その他
上記3つのサービスに該当しないサービスについては、その他サービスにしており、2018年12月期においてはシステム開発を行いました。
(注1)SMS:ショートメッセージサービス。相手先の電話番号だけで文字情報を送受信できるサービス。
(注2)双方向のSMS配信:企業から一般消費者への一方的なSMS配信だけでなく、一般消費者からの返信が可能な配信。
(注3)API:アプリケーションプログラミングインターフェース。ソフトウエアが連携することが可能になる仕様。
(注4)SMPP:Short Message Peer-to-Peer。ショートメッセージデータを転送するための業界標準プロトコル。
(注5)アグリゲーター:SMS配信需要をとりまとめて、大量のSMS配信を行う企業であり、主に海外アグリゲーター。
(注6)携帯電話事業者:株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社、ソフトバンク株式会社などの携帯会社。
(注7)RCS:Rich Communication Services。GSMA(注9)で世界的に標準化されている次世代メッセージングサービスの国際規格。
(注8)+メッセージ:KDDI、NTTドコモ、ソフトバンクの携帯3キャリアが中心となって提供する、RCSに準拠した次世代メッセージングサービス。電話番号を宛先にして、動画や音声などのリッチコンテンツのほか、画像やスタンプ、最大2,370文字のメッセージなどの送受信が可能になり、法人向け機能の拡充により、企業にとって全く新しいユーザーコミュニケーションの実現を可能にするデジタルツールとして注目されるサービス。
(注9)GSMA:携帯通信事業者の業界団体「GSM Association」の略称。2Gの通信方式「GSM」の普及を目的として1995年に設立され、約800社の携帯電話事業者を中心に、220か国から1,000社以上が参加している業界最大の団体。
[事業系統図]
当社の事業系統図は以下のとおりであります。
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