有価証券届出書(新規公開時)

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2019/09/19 15:00
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コーポレート・ガバナンスの状況

(1) 【コーポレート・ガバナンスの状況】
① 企業統治の体制
a.コーポレート・ガバナンスに対する基本的な考え方
当社では、「コーポレート・ガバナンス」を、「株主、従業員、取引先、取引先医療機関の患者様、消費者、地域社会等、すべてのステークホルダーの利益の総和を最大限に尊重し、公平かつ迅速な情報開示を行う」事と、「革新的・持続的な成長と長期安定的な企業価値の拡大を達成する」事とを同時に達成するための組織体制と企業倫理醸成の仕組み作りと位置付けております。
当社は、「すべての人生に、再生医療を。」をコーポレート・ミッションに掲げ、経営目標である「再生医療業の産業化推進と同業での新たな価値創造」を達成するために「コーポレート・ガバナンス」の充実が経営の最重要課題の一つと認識しております。
b.現状の企業統治の体制を採用している理由
当社は、当社事業に精通した取締役を中心とする取締役会が経営の基本方針や重要な業務の執行を自ら決定し、強い法的権限を有する監査役が独立した立場から取締役の職務執行を監査する体制が、経営の効率性と健全性を確保するために有効であると判断し、監査役会設置会社を採用しております。
c.会社の機関の内容及び内部統制システムの整備
(a) 会社の機関の基本説明
当社は、監査役会設置会社であり、取締役会及び監査役会を設置しております。また、取締役会又は監査役会の機能を補完する機関として経営会議とコンプライアンス・リスク協議会を設置しております。各機関の内容は以下のとおりです。
イ.取締役会
取締役会は取締役4名(うち社外取締役1名)で構成され、当社経営管理の意思決定機関として法令・定款に定められた事項のほか、経営の基本方針並びに重要な事項を決定するとともに、取締役の業務執行状況 の監督を行っております。取締役会は原則毎月1回定期的に開催するほか、必要に応じて臨時開催し、迅速かつ効率的な意思決定を行える体制としております。
ロ. 監査役会
監査役会は社外監査役3名(うち1名は常勤監査役)で構成され、業務監査及び会計監査を行う機関として、監査の方針、監査計画の策定、監査の方法など監査役の職務の執行に関する決定を行っております。各監査役は、監査に関する重要な報告を受け協議を行い、又は決議し経営の監視及び監査を行っております。監査役会は、原則毎月1回定期的に開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、監査実施状況・監査結果等の検討等、監査役相互の情報共有により有効かつ効率的な監査を行える体制としております。
ハ. 経営会議
経営会議は、社長を議長とし、社長を含む業務執行取締役3名及び執行役員3名の合計6名で構成され、取締役会決議により委任された事項、取締役会への上程議案、その他経営上重要な事項として社規則で定められた事項を決議しています。経営会議は、原則月1回以上、議案の発生都度、随時開催し、構成員の他、常勤監査役がオブザーバーとして出席するとともに、個別議案に関係する従業員が必要に応じ出席しております。
ニ. コンプライアンス・リスク協議会
コンプライアンス・リスク協議会は、社長、業務執行取締役、執行役員、その他社長が指名する役職員により構成され、原則として隔月1回開催されています。コンプライアンス・リスク協議会には、構成員の他、常勤監査役及び顧問弁護士が出席し、社長の諮問を受けて、部門横断組織としてコンプライアンス及び経営上のリスクにおいて種々勘案すべき事項及び行動計画等について協議し、社長に対し必要な答申・報告・立案を行っています。
(b) コーポレート・ガバナンスの体制
当社のコーポレート・ガバナンス体制を図示すると以下のとおりとなります。

(c) 内部統制システムの整備の状況
当社は、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合する事を確保するための体制、その他株式会社の業務並びに当該株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法令で定める内部統制システムの整備に関して、取締役会の決議により、以下のとおり体制の整備をしております。
イ.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合する事を確保するための体制
・ 「コンプライアンス規程」を定め、コンプライアンス推進体制や役職員の遵守事項などを明文化する事により、コンプライアンスに対する意識の醸成とその遵守徹底を図っております。
・ コンプライアンス・リスク協議会において、当社事業の関連するすべての法令を洗い出し、それらのリスク評価とリスク低減策を定期的に実施・策定し、モニタリングしております。同協議会には顧問弁護士がアドバイザーとして出席し、専門的知見で適宜助言を受けております。
・ 常勤監査役が取締役会のみならず、経営会議、コンプライアンス・リスク協議会に出席し、役職員の職務執行状況をタイムリーに把握し、必要に応じて助言を行っております。
ロ.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
・ 「文書保管管理規程」を定め、各種議事録やその他の重要文書等の取締役の職務執行に係る情報は適切に保存、管理しております。
・ 文書管理の責任部署は経営管理本部とし、経営管理本部は文書の保存と閲覧権限を適切に設定し、情報管理を行うとともに、取締役及び監査役からの要請に基づき、速やかに必要文書を閲覧に供する事ができる体制としております。
ハ.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・ 「リスク管理規程」を定め、当社の抱える諸リスクの分類、評価、対応、モニタリング方法等を明確化し、リスクに対する管理体制を構築しています。
・ コンプライアンス・リスク協議会において、「リスク管理規程」に基づき会社に発生し得るリスクを洗い出し、それぞれのリスクごとに「重大性」と「発生頻度」でマトリックス評価の上、リスク受容度を測定、その軽重に応じた対応策を実施する事としています。また、実施した対応策の進捗や効果についても同協議会においてモニタリングする事としています。
ニ.取締役の職務の執行が効率的に行われる事を確保するための体制
・ 「取締役会規程」、「経営会議規程」及び「組織規程」において、取締役会、経営会議、社長及び業務執行取締役の決議・承認事項並びに職務権限を明確にし、それぞれの会議体の議案が適切に配分されるようにしております。また、経営会議の議案の内容及びその採否の結果は毎月実施される定時取締役会において報告され、経営上の重要な事項は取締役及び監査役に共有される体制としております。
・ 取締役会及び経営会議の事務局を経営管理本部とし、経営管理本部はそれぞれの議案資料の取り纏めと事前配布などにより、議論が効率的に行われるようサポート業務を実施しております。取締役会議案資料につきましては、社外取締役を含め遅くとも会議の3日前までに議案資料を送付、取締役からの要請等必要に応じて資料の事前説明を行う体制としております。
ホ.監査の使用人に関する事項及び当該使用人の取締役会からの独立性に関する事項
・ 「監査役監査基準」及び「内部統制システムに係る監査の実施基準」により、監査役会は監査役の職務を補助すべき使用人を置く事を取締役会に要請できる旨定めています。また、監査役より監査業務に必要な情報の提供又は業務の指示を受けた使用人は当該指示の執行にあたり、取締役の指揮命令を受けないものとしております。
ヘ.取締役及び使用人が監査役に報告するための体制
・ 監査役は取締役会、経営会議、コンプライアンス・リスク協議会に出席し、また、稟議書など社内決裁書類を閲覧できる権限を有し、会社経営上重要な事項を常に取締役と情報共有できる体制としております。
・ 「監査役会規程」において、監査役会は取締役及び使用人に対し必要な情報を求める事ができる旨規定しております。
ト.監査役への報告をした者が当該報告をした事を理由として不利な取扱いを受けない事を確保するための体制
・ 「監査役監査基準」、「内部統制システムに係る監査の実施基準」及び「内部通報制度規程」において、監査役へ報告した者が当該報告をした事を理由として、会社及び取締役は不利な取扱いを行ってはならない旨を定めております。
チ.監査役の職務の執行について生じる費用債務の処理に係る方針に関する事項
・ 「監査役監査基準」及び「内部統制システムに係る監査の実施基準」において、監査役会は監査役の職務の執行について生じる費用を会社に請求できる旨を定めております。
リ.その他監査役の監査が実効的に行われる事を確保するための体制
・ 監査役はすべて社外監査役であり、独立・中立的な立場で実効的な監査を実施できる体制としています。また、「監査役会規程」において、常勤監査役は職務上知り得た情報を非常勤監査役と共有する旨規定しております。
・ 監査役は、経営会議、コンプライアンス・リスク協議会に出席し必要な情報を聴取するとともに、適宜、社長、業務執行取締役と意見交換を行い相互の意思疎通を図っております。
・ 監査役は、会計監査人及び内部監査担当者と定期的及び必要に応じて随時、情報及び意見交換を行い、それぞれの監査活動の連携、実効性及び効率性の確保を行っております。
② 内部監査及び監査役監査
(a) 内部監査
・ 当社の内部監査は「内部監査基本規程」に基づき実施しております。当社は小規模組織であり、内部監査専門部門は設置していませんが、監査責任者である経営管理本部長の指揮のもと、合計5名にて内部監査を実施しております。なお、監査対象が経営管理本部主管業務の場合、社長は経営管理本部長以外の役職員を当該監査責任者とする事としており、再生医療事業本部長がその任にあたっております。また、必要に応じて個別監査の実施を社長の承認により外部専門機関に委託できる事としております。
・ 毎年、期初に、監査責任者は内部監査方針及び年度監査計画を立案し、社長の承認を取得したうえで取締役会に報告しております。個別監査は、当該年度監査計画に基づき行われ、監査責任者は実施計画を被監査部門に通知し個別監査を実施しております。監査の結果及び改善指示の内容及び被監査部門による改善活動の状況は、監査責任者から社長及び監査役に報告され監査の実効性を確保しております。
(b) 監査役監査
・ 当社の監査役監査は、「監査役監査基準」及び「内部統制システムに係る監査の実施基準」に基づき監査を実施しております。常勤監査役が経営会議やコンプライアンス・リスク協議会等の重要な会議に出席して必要に応じて意見を述べる事ができる体制をとっております。
・ 監査役は、稟議書などの決裁書面についても常時閲覧できる体制になっており監査機能の強化を図るとともに、監査役会において監査役間の情報共有を行い監査の実効性向上を図っております。なお、会計監査人及び内部監査部門から監査結果の報告を受けるほか、定期的・臨時的な情報・意見の交換を行うなど、監査役・会計監査人・内部監査部門間で緊密な連携をとっております。
③ 社外取締役及び社外監査役について
(a) 社外取締役
当社の取締役4名のうち、社外取締役は村上憲郎の1名であります。
社外取締役村上憲郎は、世界的IT企業をはじめ、複数の企業の代表取締役を経験しており、その高い見識をもって当社経営において適切な助言・提言をいただく事を期待し、社外取締役として選任しております。同氏及びその兼務先と当社との間に重要な利害関係はありません。
(b) 社外監査役
当社の監査役3名はすべて社外監査役であります。
社外監査役山下公央は、長年に亘る大手銀行での勤務経験から財務及び会計に関する相当程度の知見を有し、また同銀行でのリスク管理及びコンプライアンスを担当する執行役員や複数の企業での取締役及び監査役経験を有していることから、当社の実効性のある監査及び適切な内部統制構築への貢献を期待し常勤監査役に選任しております。同氏及びその兼務先と当社との間に重要な利害関係はありません。
社外監査役小山秀夫は、医療・病院管理研究所での勤務や大学教授としての長年に亘る経験により医療経営学に対する高い見識を有しており、当社経営への適切な監督を期待し社外監査役として選任しております。なお、同氏及びその兼務先と当社との間に重要な利害関係はありません。
社外監査役尾﨑恒康は、弁護士としての専門的な知識と豊富な経験を有しており、客観的・専門的な視点での問題把握と意見具申により、当社経営の適切な監督を期待し社外監査役として選任しております。なお、同氏及びその兼務先と当社との間に重要な利害関係はありません。
(b) 独立性に関する基準及び方針
当社は、社外取締役又は社外監査役の選任にあたり、その独立性に関する基準又は方針として明確に定めた規定等はありませんが、東京証券取引所が定めている独立役員に関する判断基準を参考のうえ、一般株主と利益相反の生じるおそれがなく、高い見識に基づいた客観的な意見が期待でき、監督・監査機能の強化に適する人材を選定する事を基本方針としております。
④ 役員報酬の内容
(a) 当社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
役員区分報酬等の総額
(千円)
報酬等の種類別の総額(千円)対象となる
役員の員数
(名)
基本報酬ストック
オプション
賞与退職慰労金
取締役
(社外取締役を除く。)
49,90047,5002,4004
監査役
(社外監査役を除く。)
社外役員14,40014,4003

(注) 1.使用人兼務取締役の使用人給与は支給しておりません。
2.個別報酬等の金額は記載せず合計額のみを記載しております。
3.上記には2018年1月31日付で退任した取締役1名を含んでおります。
(b) 提出会社の役員ごとの報酬等の総額等
報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載しておりません。
(c) 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針
当社は、取締役報酬を固定報酬と変動報酬で構成され、変動報酬は会社業績と個人の貢献度により決定する事としておりますが、本書提出日現在、役員の報酬等の額及びその算定方法の決定に関する詳細な方針は定めておりません。それぞれの職務内容、短期業績連動や中長期的な企業価値向上に向けたインセンティブ付与などを踏まえ、今後検討してまいります。
⑤ 株式の保有状況
該当事項はありません。
⑥ 会計監査の状況
当社は、EY新日本有限責任監査法人と監査契約を締結しております。当事業年度において会計監査業務を執行した公認会計士の氏名、監査業務に係る補助者の構成等は以下のとおりであります。
なお、継続監査年数については7年以内であるため記載を省略しております。
会計監査業務を執行した公認会計士の氏名
公認会計士 工藤雄一
公認会計士 奥谷績
会計監査業務に係る補助者の構成
公認会計士6名 その他7名
⑦ 株主総会決議事項を取締役会で決議する事ができるとした事項
(a) 取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠った事による取締役(取締役であった者を含む)及び監査役(監査役であった者を含む)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除する事ができる旨、及び、会社法第427条第1項の規定により、任務を怠った事による損害賠償責任を限定する契約を締結する事ができる旨、定款に定めています。これは、取締役及び監査役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備する事を目的とするものです。
(b) 剰余金の配当等
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議により定める事ができる旨を定款に定めています。これは、当社の剰余金の配当等に関する基本方針に従い、機動的な決定を行う事を目的とするものです。
(c) 自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得する事ができる旨を定款に定めています。これは、経営環境の変化に迅速に対応し、機動的な資本政策を遂行する事を目的とするものです。
⑧ 取締役の定数
当社の取締役は、7名以内とする旨を定款で定めております。
⑨ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議については、議決権を行使する事ができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらない旨を定めております。
⑩ 株主総会の特別決議の要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行う事を目的として、会社法第309条第2項に定める特別決議について、議決権を行使する事ができる株主の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めております。