有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/02/10 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
145項目
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、「私が変わる愛の経営「響働」」という経営理念に基づきコーポレート・ガバナンスに取り組んでおり、重要な業務執行を決定し、取締役の職務の執行を監督する取締役会と、取締役会から独立し、取締役の職務の執行を監査する監査役・監査役会によるコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。
事業の推進については、4事業本部(医薬事業本部・介護事業本部・保育事業本部・食品事業本部)が担当事業における経営管理を行っております。また、事業本部を支える会社全体の経営戦略機能を担う経営企画本部を設置し、中長期戦略の立案・推進により企業価値向上を図っています。併せて、経理・財務、人事、総務・法務、内部統制やコンプライアンス機能等、高度な専門性と経営マインドを備えた経営管理機能として管理本部を設置しております。
この4つの事業本部を基軸とした当社の事業体制に相応しい企業統治の体制を以下のとおり構築し、充実を図っています。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
a.企業統治の体制の概要及び採用理由
当社の企業統治の体制の概要は、以下のとおりです。会社法上の機関として、株主総会、取締役会、監査役会及び会計監査人を設置するとともに、日常的な監査機関として、内部監査室を設置し、これらの機関の相互連携によって、健全な企業統治の体制が実現できると判断し、本体制を採用しております。
当社は常勤監査役1名及び社外監査役2名から構成される監査役会を設置し、代表取締役社長・副社長以外では、基本的には各事業本部長が業務執行取締役となるほか、牽制機能となる2名の社外取締役を置く体制としております。また、監査役の独立性、牽制機能を高め、コーポレート・ガバナンス機能を強化することを目的に、監査役は、社内での経験を活かし主に業務監査を担当する常勤監査役1名と、税理士・公認会計士、及び弁護士と各分野に精通した社外監査役2名から構成される体制としております。業務執行取締役に対し、社外取締役が牽制を行い、また業務を熟知した常勤監査役及び専門家である社外監査役で構成される各監査役が 監査を行うことにより、効率的かつ効果的な企業統治の体制の構築を図っております。
当社の企業統治の体制は以下の図のとおりです。

<取締役会>取締役会は、取締役青木勇氏、青木文恵氏、青木茂氏、佐藤安紀子氏、関根秀明氏、齊藤彰一氏、及び高橋雅彦氏、並びに社外取締役河合輝欣氏及び梅津興三氏の9名(定数15名以内)構成しており、取締役社長が議長を務めます。原則として毎月1回の定例取締役会を開催しており、また必要に応じて臨時取締役会を開催しております。年度予算・中期経営計画・その他の重要な戦略の立案の監督と決定、並びに重要な業務執行の決定等を通じて経営全般に対する監督機能を発揮して経営の実効性と透明性を確保しております。また、当社の取締役は経営責任を明確にし、経営環境の変化に迅速に対応できるようにするため、任期を1年としています。
<監査役会>監査役会は、監査役足立正弘氏、並びに社外監査役遠山典夫氏、及び原正雄氏の3名(定数5名以内)で構成しており、その決議によって監査役の中から議長を定めることとし、各監査役による監査の実効性を確保するための体制を整備しています。監査役は、取締役会をはじめとする重要な会議に出席する等により、取締役の職務執行、及び取締役会の監督義務の履行状況についても監査をおこなっております。また、取締役会と連動して毎月監査役会を開催し、監査方針や監査計画を定めるとともに、監査に関する重要な事項について各監査役から報告を受け、協議または決議をおこなっております。
<指名・報酬委員会>指名・報酬委員会は、取締役会の監督機能を強化し、意思決定プロセスの透明性を高めるため、取締役及び重要な使用人の選任及び解任等、並びに取締役の報酬制度の審議を目的として、取締役会の諮問委員会として、取締役会の下に委員総数の過半数を社外役員とする指名・報酬委員会を設置しております。
なお、指名・報酬委員会は、取締役青木文恵氏、社外取締役河合輝欣、社外取締役梅津興三氏、及び社外監査役原正雄氏で構成しており、委員長は社外監査役原正雄氏が務めております。
<内部監査室>内部監査室は、代表取締役社長直轄の専任組織として、内部監査計画書に基づき全事業所の監査を実施しております。内部監査室長は、内部監査結果を代表取締役社長に報告・承認後、「改善実施依頼書」により、被監査部門長に改善勧告を行い、改善勧告を受けた被監査部門長は、当該勧告に対して速やかに適切な措置を講じ、その結果を「改善実施報告書」をもって代表取締役社長に報告しております。内部監査室長は、報告された改善措置の状況を監査し、その有効性を評価しております。また、内部監査室長は、監査役会及び会計監査人と連携し、監査の効率的な実施に努めております。
<会計監査人>会計監査人として有限責任 あずさ監査法人を選任し、適正な会計処理及び経営の透明性を確保しております。内部監査室と監査役、会計監査人は、年間を通じて随時情報交換を行い監査機能の相互連携を高めております。
<執行部会>重要な経営課題を議論・周知することを目的として、原則として月1回の頻度で「執行部会」開催しております。「執行部会」は、代表取締役社長、取締役と各本部のスタッフ責任者で構成されております。
<業績検討会>中期経営計画及び年度経営計画と実績との差異分析を通じて経営効率の改善及び向上に資することを目的として「業績検討会」を、原則として月1回の頻度で開催しております。業績検討会は、代表取締役社長、取締役と各本部のスタッフ責任者で構成されております。
<リスク・コンプライアンス委員会>「リスク管理規程」、「コンプライアンス(法令順守)規程」及び「反社会的勢力対策規程」に基づき、公正・適切なリスク管理・コンプライアンス推進を行うため、「リスク・コンプライアンス委員会」を、原則として3ヵ月に1回の頻度で開催しております。
リスク・コンプライアンス委員会は、総務部に事務局を置き、代表取締役社長を委員長とし、全取締役、全監査役、内部監査室長、及び各本部のスタッフ責任者で構成されております。
本委員会においては、リスク管理・コンプライアンス推進に関する事項について、社内関連部署からの不適合報告、予兆管理、注意喚起、情報共有、対策検討等、必要な調査、審議を行うとともに社内教育を行っております。
③ 企業統治に関するその他の事項
a.内部統制システムの整備の状況
当社は経営の健全性や透明性を高めるために、有効な内部統制システムを構築することが重要であると考えており、その基盤として業務の適正性を確保するために必要なものの整備を、下記のとおり取締役会において決議しています。
1.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(1)取締役は、その担当職務の執行に係る以下の文書(電磁的記録を含む。)を、関連資料と併せて法令その他特別に定めのあるときのほかは保存期間を定めて保管するとともに、必要に応じて取締役及び監査役が閲覧可能な状態を維持する。
a. 株主総会議事録
b. 取締役会議事録
c. 執行部会議事録
d. 業績検討会議事録
e. 本部長会議事録
f. リスク・コンプライアンス委員会議事録
g. 開発会議議事録
h. 投資判定会議議事録
i. その他重要な会議体等の議事録
(2)上記(1)に定める文書の他、契約書、稟議書その他の文書については、「文書管理規程」に基づき適切に保存及び管理を行うものとする。
2.当社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1)取締役会は、「リスク管理規程」を当社の損失に関する危険管理の統括的規程と位置付け、また、個別の損失の危険に対応するために、諸規程を整備する。
(2)当社のリスク管理を担う機関として代表取締役社長を最高責任者に、管理本部担当取締役をリスク管理担当とし、リスク管理活動の推進を統括する。
(3)当社のリスク管理・コンプライアンス推進に関する事項について、社内関連部署からの不適合報告、予兆管理、注意喚起、及び全社共有・対策検討に対応し、かつ、機関決定に際し、適宜、必要な調査、審議、及び推進を行うことを目的として「リスク・コンプライアンス委員会」を設置する。
3.当社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1)取締役の職務の執行が効率的に行なわれることを確保するための体制の基礎として、取締役会を原則毎月開催するほか、必要に応じて適時臨時に開催する。
(2)取締役会の決定に基づく業務執行については、「取締役会規程」、「職務権限規程」、「業務分掌規程」、「職務権限一覧表(決裁基準)」等諸規程において、それぞれの責任者及びその権限、執行手続について定める。
4.当社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(1)取締役会は、業務執行の法令・定款への適合性を確保するため、監査役の出席のもと、原則として毎月開催され、経営に係る取締役の職務執行の監督を行う。
(2)取締役会は、外部的視点からの経営監視をその機能及び役割として期待し、社外役員を招聘する。
(3)取締役会は、業務執行の法令・定款への適合性を確保するため、監査役の出席のもと、原則として毎月開催され、経営に係る取締役の職務執行の監督を行う。
(4)取締役は内部監査室が定期的に実施する内部監査を通じて、当社の業務実施状況の実態を把握し、法令・定款及び社内規程に準拠して適正・妥当かつ合理的に行われているか、また、当社の制度・組織・諸規程が適正・妥当であるかを公正不偏に調査・検証することにより、会社財産の保全及び経営効率の向上を図る。
(5)監査役は独立した立場から当社の内部統制システムの整備・運用状況を含め、取締役の職務執行について監査する。
(6)当社のコンプライアンス推進体制につき「コンプライアンス(法令遵守)規定」を定め、コンプライアンス推進部門(内部監査室と管理本部)の決定・指示のもとコンプライアンス推進責任者(各事業本部長)が基本方針を各事業本部役職員に周知・徹底するとともに、随時研修する。
また、内部監査室、管理本部及び監査役会を公益通報窓口とする公益通報制度を設け、当社及び各部署ならびに役職員等による違反行為に関する通報をはじめ、あらゆる相談を受け付ける体制を構築する。
5.監査役がその職務を補助すべき使用人(以下補助使用人とする)を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
監査役がその職務を補助すべき監査役スタッフを置くことを求めたときは、必要に応じて代表取締役社長と協議の上、使用人から監査役スタッフを任命するものとする。
6.監査役の補助使用人の取締役からの独立性及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
(1)監査役スタッフの取締役からの独立性を確保するために、監査役は監査役スタッフに関して以下の事項を明確化するなどして、監査役スタッフの独立性の確保に努める
a 監査役スタッフの権限
b 監査役スタッフの属する組織
c 監査役の監査役スタッフに対する指揮命令権
d 監査役スタッフの人事異動、人事評価、懲戒処分等に対する監査役の同意権
(2)補助使用人は、その職務に関して取締役から指揮命令を受けない。また補助使用人の人事については監査役の同意を得ることとする。
7.取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制、その他の監査役への報告に関する体制
(1)当社の取締役及び使用人は、当社の業務または業績に影響を与える重要な事項がある場合は、監査役に直ちに報告する。前記に関わらず、監査役は、いつでも必要に応じて、当社の役員及び使用人に対して報告を求めることができる。
(2)取締役は、公益通報者保護法等の法令を遵守し、社内体制を整備し、適切に運用することにより、法令違反その他のコンプライアンス上の問題について監査役への適切な報告体制を確保する。
8.監査役へ報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
取締役は、7.(1)・(2)に掲げた、取締役及び使用人の監査役への報告に対して、それを理由に当該報告者が不利益な取扱いを受けることがないものとする。
9.監査役の職務の執行について生ずる費用の前払い又はその償還の手続、その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査役の職務の執行について生ずる費用に関しては、各監査役の請求に基づき当社の負担により精算するものとする。
10.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1)監査役は、取締役会、執行部会その他の重要な会議に出席し、当社の業務執行に関する報告を受けることができる。
(2)監査役は、監査役会が定めた「監査役監査規程」に基づき、取締役会への出席、業務状況の調査等を通じ、取締役の職務執行の監査を行うとともに、当社のコンプライアンス体制及びその運用に問題があると認めるときは、意見を述べて改善策の策定を求める。
(3)監査役は、自らの判断により、定期的に会計監査人より会計監査の結果を聴取するとともに意見交換を行い、必要に応じて会計監査人の監査に立会い、また、監査業務を執行した公認会計士と協議の場を持つなどして、会計監査人と相互の連携を高める。
11.反社会的勢力との取引排除に向けた基本的考え方及びその体制
取締役会は、反社会的勢力との関係を断絶することを「反社会的勢力対策規程」に定め、反社会的勢力との一切の関係を遮断し、暴力的または法的責任を超えた不当要求行為に組織を挙げて毅然と対応することを通じて、民事介入暴力、企業対象暴力に対して防衛するとともに、日本の関係法令及び行政指針を遵守し企業の社会的責任を全うし、断固たる態度で反社会的勢力を排除する。
b.リスク管理体制の整備の状況
当社では、お客様をはじめとする取引先、地域住民、株主、従業員等のステークホルダーの安心安全と、事業活動におけるコンプライアンスの確保、ならびに当社の経営資源の保全と業務の有効性・効率性の確保を通じ、事業目的の達成と持続的かつ安定的な発展をより適切かつ確実なものとすることを目的として「リスク管理規程」を定めております。
当社は、当該規程において、リスク管理の行動指針を以下のとおり規定しております。
(リスク管理行動指針)
1. 当社役職員は、リスク管理の基本目的を達成するため、その重要性に応じて事業経営と一体となったリスク管理を推進する。
2. 当社役職員は、社会と環境変化に伴うリスクの変化に応じた適切な方法により、リスク管理を推進する。
3. 当社役職員は、リスクの予兆の早期発見に努め、リスク情報および緊急事態の情報を上司および関連部署に速やかに報告し、組織的な対応をとる。
4. 緊急事態が発生した場合は、当社の役職員は前条に定めるリスク管理の基本目的を達成するため、責任ある行動をとらねばならない。
当社では、リスク管理を推進する体制として、事務局を管理本部総務部とし、管理本部長をリスク管理担当取締役及びリスク管理推進事務局長としております。
リスク管理担当取締役は、最高責任者である代表取締役社長を補佐し、リスク管理を統括し、随時リスク管理状況を執行部会、リスク・コンプライアンス委員会等、重要会議体に報告しております。また、リスク管理に関する教育啓発活動を計画的に指揮しております。
また、緊急事態への対応にあたり、人命尊重・地域の安全確保・被害損失を最小化するとの基本方針に基づき「緊急対策本部」を設置(緊急対策本部長は代表取締役社長)するとともに、必要に応じて社長が指名する取締役、管理本部、事業本部等にて構成する「緊急対策会議」(事務局長はリスク管理担当取締役、事務局を管理本部総務部)を設置します。
なお、緊急対策本部は、対策本部の運営全般ならびに情報の分析評価と被害等の拡大や再発等、今後の見通し及び対策の立案、実施方法の検討等に関する本部長の補佐を行うと共に、本部長により決定された対応方針、対策等についての関係部署に対する指示指導を行っております。
また、外部法律事務所との間で法律顧問契約を締結し、定期的(月1回程度)もしくは臨時に民事・刑事・会社法等法令に関連する諸事例の相談、内部統制に関するリスクのチェック、海外契約の法令チェック等アドバイスを受け、リスク管理・コンプライアンス遵守の取り組みを行っております。
c.責任限定契約の内容の概要
当社と社外取締役及び社外監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。
なお、当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が定める最低責任限度額としております。
d.取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議をもって同法第423条第1項の行為に関する取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の責任を法令の限度において免除することができる旨定款に定めております。これは、取締役及び監査役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。
e.取締役の定数
当社の定款において、取締役15名以内、監査役5名以内と定めております。
f.取締役の選任決議事項
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
g. 定款の定めにより取締役会で決議する事ができる事項とした株主総会決議事項
イ. 自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定に基づき、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするためであります。
ロ. 中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能にするためであります。
h.株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項の定めによる決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。