有価証券届出書(新規公開時)

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2020/03/04 15:00
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事業等のリスク

当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。併せて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社が考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 事業環境に由来するリスクについて
① インターネット関連市場について
当社は、インターネットメディア事業を主たる事業対象としているため、インターネットの活用シーンの多様化、利用可能な端末の増加等のインターネットのさらなる普及が成長のための基本的な条件と考えております。インターネットの利用は日常生活の中でごく当たり前のことにはなってきましたが、今後どのように進展していくかについては不透明な部分もあります。
インターネットに関する何らかの弊害の発生や利用等に関する新たな規制の導入、その他予想しなかった要因によって、今後の普及に大きな変化が生じた場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 広告市場について
インターネットメディア事業が対象とするインターネット広告市場は拡大基調にあり、インターネット広告はテレビメディアに次ぐ広告媒体として急速に成長し、今後も当該市場は拡大を続けていくものと想定されております。
しかしながら、企業の広告宣伝活動は景気動向の影響を受けやすく、またインターネット広告は今後も他の広告媒体との競合が継続していくと考えられることから、今後においてこれらの状況に変化が生じた場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また当社は、ユーザーにスマートフォン向けアプリを提供しており、Apple Inc.及びGoogle Inc.の両社が運営するプラットフォームにアプリを提供することが当社サービス提供の重要な前提条件であります。これらのプラットフォーム事業者の事業戦略や方針の転換並びに動向によっては、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 技術革新について
当社が事業を展開するインターネット業界においては、事業に関連する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が速く、それに基づく新サービスの導入を行ってまいりました。当社はこれらの変化に対応するため、技術者の確保や必要な研修活動を行っておりますが、これらが想定通りに進まない場合等、変化に対する適切な対応に支障が生じた場合、当社の業界における競争力が低下し、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、インターネットユーザーの多くは、検索エンジンを利用して必要な情報を入手しております。当社のサービスにおきましても、集客の一定割合は検索エンジンを経由しております。検索エンジンからの集客は、表示結果に左右される側面があり、その表示順位に関しては各検索エンジンの運営者側の仕様によって異なります。当社におきましても、検索エンジンに適切な順位で表示されるように必要な対策を講じておりますが、各検索エンジンの運営者側の仕様変更などにより、集客に大きな影響を与える場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 競合について
「トクバイ」はチラシ・買い物情報サービスとして小売企業の獲得において先行しているものと認識しております。しかし、今後、資本力、マーケティング力、幅広い顧客基盤、高い知名度や専門性を有する企業等の参入及びその拡大が生じ、競争の激化による顧客の流出やコストの増加等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
このような環境において、当社が今後においても優位性を発揮し、企業価値の維持向上が図れるか否かについては不確実な面があることから、競合他社や競合サイトの影響により当社の競争優位性が低下した場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 法的規制について
当社事業を規制する主な法規制として、(ア)特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)(イ)不正アクセス行為の禁止等に関する法律(以下「不正アクセス禁止法」という。)及び(ウ)不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」という。)があります。
当社はプロバイダ責任制限法における「特定電気通信役務提供者」に該当し、不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信による情報の流通において他人の権利の侵害があった場合に、権利を侵害された者に対して、権利を侵害した情報を発信した者に関する情報を開示する義務を課されております。また、権利を侵害した情報を当社が媒介としたことを理由として、不法行為に基づく損害賠償請求を受ける可能性もあり、これらの点に関し訴訟等の紛争が発生する可能性もあります。さらに、当社には、不正アクセス禁止法における「アクセス管理者」として、努力義務ながら、不正アクセス行為からの一定の防御措置を講ずる義務が課されております。
また、景品表示法において、当社のチラシ・買い物情報サービス「トクバイ」に掲載される店舗のチラシにおける優良誤認表示の規制等については、チラシの掲載主体が小売企業であることから、不適切な投稿がなされたことをもって、直ちに当社が景品表示法違反の責任を追及される可能性は低いと考えております。また、当社においては不適切な投稿を通報する仕組みを設け、通報を受け次第、速やかに対応する体制を整えることで対処しております。しかし不適切な投稿がなされたことを知りながら、これに適切に対応しなかった場合、当該不作為について法的責任が発生する可能性があります。
その他、インターネット上の情報流通や電子商取引のあり方等については現在も様々な議論がなされており、インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されてきている状況にあり、今後、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット関連事業を営む事業者を規制対象として、新たな法令等の制定や既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業内容に由来するリスクについて
① 「トクバイ」への依存について
当社は、「トクバイ」を運営しておりますが、チラシ・買い物情報サービスとして、小売企業で販売されている各々の商品に係る特売情報等の掲載に特化したサイトとなっております。
当社におきましては、ユーザーの利便性の向上によるサービス利用者数の拡大、また「チラシ・販促」による課金のほか、クーポンや予約などへのサービスの対象範囲の拡大を検討すべき課題と認識しておりますが、新たな法規の導入等、予期しない事象によりサイトの利便性が低下した場合やサイト運営が不能になった場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の事業は、小売企業によるサイト機能の利用料から成っておりますが、小売企業の販促費の抑制、競合サービスの出現等の要因により、有料契約社数の増加が計画通りに推移しない可能性があります。このような場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は、「トクバイ」等のサービスブランドの認知向上を目指しております。しかしながら、サービス利用者数の拡大や認知向上のためのプロモーションが当社の期待通りに進まなかった場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
その他、インターネットの普及、物流システムの進化により、消費者が物品を購入するプロセスにおいて、インターネットを活用した購買機会は今後も増加する傾向にあります。インターネットを活用した購買に関する技術の発展や新たなサービスの登場により、生活者の日常的な購買に関するプロセスが大きく変化する場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 特定の取引先への依存について
当社は、インターネットメディア事業の単一セグメントで事業を展開しております。当社の売上の一部には、媒体運営会社であるGoogle Asia Pacific Pte.Ltd.が提供するアドネットワーク(インターネット広告のうち、広告媒体を多数集めて広告配信ネットワークを形成して広告を配信するサービス)からの収益があり、総売上高に占めるその割合は13.7%(2019年3月期実績)程度となっており、現状、当社は、同社との良好な取引関係維持に努めております。しかしながら、同社の事業方針の変更などが生じた場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 機能の充実について
当社は利用者のニーズに対応するため「トクバイ」における機能の拡充を進めております。しかしながら、今後において、有料機能の導入や利用者のニーズの的確な把握が困難となり、十分な機能の拡充に支障が生じた場合、利用者への訴求力の低下等により、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 継続的な設備投資について
当社は、今後の利用者数及びアクセス数の拡大に備え、継続的かつ柔軟にシステム上の対応措置を講じる方針を取っておりますが、当社の計画を上回る急激な利用者数及びアクセス数の増加等があった場合、クラウドサーバーの処理量に一定の負荷をかける機能開発の実装を行う場合もあります。このような事態が生じた場合には、サーバー利用料が大幅に変動することにより、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 新規事業等について
当社は、業容拡大に向けて小売向け事業に続く新たな専門サービスの創出を目指しております。現在、地域の観光協会や自治体との連携による地域のよりみち情報サービス「ロコナビ」にて新たなサービス価値の向上に努めておりますが、当該サービス以外の新規事業及び新規サービスへの投資を行う可能性があります。新規事業及び新規サービスにつきましては、予め回収可能性を十分に調査・検討し実行してまいりますが、安定収益を創出するにはある程度の期間を要する場合があり、その期間において人件費等の先行投資により一時的に利益率が低下し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、想定していた成果を上げることができない場合、撤退コストが発生することがあり、結果として当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 当社の事業体制について
① 人材の確保及び育成について
当社は、今後想定される業容拡大に伴い、継続した人材の確保が必要であると考えております。特に利用者向けサービスの構築及び運用面においては高度な技術スキルを要する人材が求められることから、サービス構築のために必要な人材を適切に確保するとともに、育成を行っていく必要があります。また、今後の業容拡大により受注獲得の機会が増加した場合、受注規模に応じた営業要員の確保が必要となります。
当社は、今後の業容拡大に応じて必要な人材の確保と育成に努めていく方針でありますが、必要な人材の確保が計画通りに進まなかった場合には、競争力の低下や業容拡大の制約要因が生じる可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 内部管理体制について
当社は、今後の事業運営及びその拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しており、当該強化を推進しております。
しかしながら、今後において事業規模、人員及び組織体制に適した内部管理体制の構築に支障が生じた場合には、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 個人情報保護について
当社は、利用者の登録情報等の個人情報を取得し、利用しているため、個人情報の保護に関する法律が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。
当社は、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、保護管理体制の確立に努めており、個人情報管理規程を制定し、個人情報の取り扱いに関する業務フローを定めて厳格に管理するとともに、全従業員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びに当社に適用される関連ガイドラインの遵守に努めるとともに、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。
しかしながら、当社が保有する個人情報等につき漏洩、改ざん、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとはいえません。従って、これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うための相当なコストの負担、当社への損害賠償請求、当社の信用の低下等によって、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ システム障害について
当社サービスへのアクセスの急増等の一時的な過負荷や電力供給の停止、当社ソフトウエアの不具合、コンピュータウイルスや外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入、自然災害、事故等、当社の予測不可能な様々な要因によってコンピュータシステムがダウンした場合、当社の事業活動に支障を生じさせる可能性があります。また、コンピュータシステムにおける作動不能や欠陥に起因して、当社の信頼が失墜し取引停止等に至る場合や、当社に対する損害賠償請求が発生する場合も想定され、このような場合には当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 知的財産権について
当社は、当社が運営するサービスブランド「トクバイ」等に関する知的財産権の取得に努め、当社が使用する商標、技術、コンテンツ等についての保護を図っておりますが、当社の知的財産権が第三者の侵害から保護されない場合、又は知的財産権の保護のために多額の費用が発生する場合には当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が使用する技術、コンテンツについて、知的財産権の侵害を主張され、当該主張に対する防御又は紛争解決のための費用又は損失が発生し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ サイトの健全性及び適切性について
「トクバイ」では不特定多数の利用者同士が「クチコミ」等で独自にコミュニケーションを図っており、こうしたコミュニケーションにおいては、他人の知的財産権、名誉、プライバシー、その他の権利等の侵害が生じる危険性が存在しております。
このため、禁止事項を利用規約に明記するとともに、利用規約に基づいた利用がされていることを確認するためにユーザーサポート体制を整備し、「クチコミ」については事前に当社が内容を確認し、問題がないと判断したものだけを公開するとともに、利用規約に違反した利用者に対してはユーザーサポートから改善要請を行っているため、一定の健全性は維持されているものと認識しております。なお、利用規約に明記されている禁止事項の内容は以下となっております。
a.当社、他の利用者もしくは第三者の著作権、商標権等の知的財産権を侵害する行為、又は侵害するおそれのある行為
b.他の会員もしくは第三者の財産、プライバシーもしくは肖像権を侵害する行為、又は侵害するおそれのある行為
c.特定の個人の氏名・住所・電話番号・メールアドレスなど第三者が見て個人を特定できる情報
d.一人の利用者が複数のメールアドレスを利用して重複してIDを取得する行為
e.IDの使用を停止ないし無効にされた利用者に代わりIDを取得する行為
f.他の利用者、第三者を差別もしくは誹謗中傷し、又は他者の名誉又は信用を毀損する行為
g.アクセス可能なトクバイ又は他者の情報を改ざん、消去する行為
h.当社又は他者になりすます行為(詐称するためにメールヘッダ等の部分に細工を行う行為を含む)
i.本人の同意を得ることなく、又は詐欺的な手段(いわゆるフィッシング又はこれに類する手段を含む)により他者の利用者登録情報を取得する行為
j.当社が事前に書面によって承認した場合を除き、本サービスを使用して営業活動、営利を目的とした利用及びその準備を目的とした利用行為
k.サービスの運営を妨害する行為、他の会員又は第三者が主導する情報の交換又は共有を妨害する行為、信用の毀損又は財産権の侵害等のように当社、利用者又は他者に不利益を与える行為
l.上記行為の他、法令又は本利用規約に違反する行為、公序良俗に違反する行為
m.上記各号にいずれかに該当する行為(当該行為を他者が行っている場合を含む)が見られるデータ等への当該行為を助長する目的でリンクを張る行為
n.その他当社が利用者として不適当と判断した場合
しかしながら、急速な利用者の増加による規模拡大に対して、サービス内における不適切行為の有無等を完全に把握することは困難であり、サービス内においてトラブルが発生した場合には、規約の内容に関わらず、当社が法的責任を問われる可能性があります。一方、当社の法的責任が問われない場合においても、トラブルの発生自体がサイトのイメージ悪化を招き、当社の事業及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社では、「トクバイニュース」を始めとしたニュース等の記事を掲載しております。記事制作にあたっては、マニュアルを整備し、当該マニュアルに沿って適切に運用することにより記事の正確性を担保しておりますが、万一事実と異なる記事が掲載されたり、誤解を招く表現が掲載された場合、社会的信用が毀損され、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は、今後想定される業容拡大への対応も含めて、監視機能強化のためのユーザーサポートにかかる人員増強等、サービスの健全性や適切性の維持のために必要な対策を講じていく方針でありますが、これに伴うシステム対応や体制強化の遅延等が生じた場合や、対応のために想定以上に費用が増加した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 広告掲載について
当社の運営する「トクバイ」に掲載される広告においては、広告代理店等が内容を精査していることに加え、当社独自の広告掲載基準による確認を実施し、法令や公序良俗に反するインターネット広告の排除に努めております。しかしながら、人為的な過失等の要因により当社が掲載したインターネット広告に瑕疵があった場合、広告掲載申込者や会員等からのクレームや損害賠償請求がなされる可能性は完全には否定できず、クレームや賠償請求を受けた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
またサービスのシステム障害等を理由として広告掲載が行われなかった場合には、広告掲載申込者からのクレームや損害賠償請求がなされる可能性は完全には否定できず、これらの場合にも、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) その他のリスクについて
① 社歴が浅いことについて
当社は、2016年7月に設立されており、設立後の経過期間は3年程度と社歴の浅い会社であります。したがって、過年度の経営成績は期間比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。
② 特定人物への依存について
当社の代表取締役である穐田誉輝は、当社の全事業に精通しており、経営戦略等の策定において重要な役割を果たしております。
また、同氏は、当社以外の企業に個人として出資し、また役員等に就任しております。同氏は代表取締役として当社の経営に専念しているものの、何らかの理由により同氏が当社の業務に専念できなくなった場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 関連当事者取引について
企業としての独立性の観点を踏まえ、関連当事者との取引は、本来不要な取引を強要されたり取引条件がゆがめられたりする懸念があり、株主の本来利益の流出などの観点から注意する必要性が高い取引といえることから当該取引の事業上の必要性と取引条件の妥当性等、取引内容について審議し、社内規程に定められた承認を得ることとし、取引の健全性及び適正性を確保する体制を築いております。しかしながら、万が一、取引内容を審議する機会が得られず、取引すべきでない取引を行った場合又は不当な条件の下で取引が行われた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 配当政策について
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、経営成績及び財政状態を勘案して、利益還元政策を決定していく所存であります。しかしながら、当社は第3期において当期純利益を計上しておりますが、未だ内部留保が充実しているとはいえず、創業以来配当を行っておりません。また、当社は現在、成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の業容拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元に繋がると考えております。
将来においては、各期の経営成績及び財政状態を勘案しながら、株主への利益還元を検討していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
⑤ 潜在株式の行使による当社株式価値の希薄化について
当社は、当社役員、従業員等に対し、当社の業績向上への意欲や士気を高めることを目的として、新株予約権付与によるストック・オプション制度を採用しております。本書提出日現在における新株予約権にかかる潜在株式数は487,200株であり、発行済株式総数の6.9%に相当しております。なお、今後におきましても、当社役員及び従業員の士気向上と優秀な人材確保を目的としてストック・オプションによる新株予約権の発行を検討しております。
これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、当社の1株当たりの株式価値は希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。
⑥ 調達資金の使途について
当社が計画している公募増資による調達資金の使途については、当社ブランドの認知向上及びユーザー数拡大に向けたキャンペーン等の販売促進費、折込チラシ領域の小売企業への販売促進等の活動を支えるための人件費及び採用費、地域情報サービスの成長に係る投資資金、地域等における広告代理事業に係る仕入等のための運転資金に充当する予定であります。
しかしながら、急速に変化する経営環境に柔軟に対応していくため、現時点における資金使途計画以外の使途へ充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って資金を使用したとしても、想定通りの投資効果を上げられない可能性があります。
⑦ 大株主について 当社の代表取締役である穐田誉輝は、当社の大株主であり、本書提出日現在で発行済株式総数の96.5%を所有しております。本株式の募集後も、引続き大株主となる見込みであります。
同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。
当社と致しましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同氏の株式が減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。