有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/03/23 15:02
【資料】
PDFをみる
【項目】
158項目

事業内容

当社グループは、当社及び連結子会社(株式会社ウェルネス・コート及びユニハイムエステート株式会社)の計3社により構成されており、①主としてロードサイド店舗用地の企画開発・賃貸や既存収益不動産物件の取得及び賃貸等を行う「不動産開発・賃貸事業」、②主として住宅用地の企画開発・分譲販売及び住宅建築工事の請負を行う「不動産開発・販売事業」、③マンション物件の企画開発及び分譲販売を行う「マンション事業」、④介護事業や飲食事業等を行う「その他の事業」の4事業を展開しております。
当社グループの事業は、不動産関連領域において、不動産仕入~商品化~賃貸又は販売、管理業務等の関連サービスをワンストップで提供することを特徴としております。特に、商業用地や住宅用地等の開発業務において、顧客ニーズ又は不動産物件の特性に応じたソリューションや多様な出口戦略の提供等により、競合する事業者との差別化を図っております。
当社グループの事業における報告セグメントの概要は、以下の通りであります。なお、以下に示す区分は「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。
(1)不動産開発・賃貸事業
当該事業は、収益不動産の開発・取得及び賃貸を行う事業であり、主力である商業施設(主に事業用地)のほか、オフィスビル、共同住宅、駐車場等の賃貸により賃貸料収入を受領しております。
賃貸に供する収益不動産の選定については、長期保有を原則としており、短期的な地価変動は重視せず物件が生み出す長期的なキャッシュフローを重視した選定を行っております。また、長期的視点での用途変更(一定期間賃貸後に住宅・マンションとして開発分譲等)も視野に入れた展開も検討しております。収益不動産物件の保有については、自社保有を基本方針としておりますが、物件規模等に応じ地主より賃借した上でテナント企業に転貸するサブリース形態も展開しております。
なお、当該事業は、当社及びユニハイムエステート株式会社が展開しております。現在は、主に近畿圏を中心とした展開でありますが、近年において東海・関東地方における物件取得を実施しており、今後人口の集中する首都圏や有力な地方都市におけるエリア拡大を推進しております。
①事業用地(主に商業施設用地の開発案件)
不動産開発・賃貸事業における注力領域であり、商業地(郊外型ロードサイド店舗用地)等の当社開発物件等にかかる賃貸を主体とするほか、既存物件の取得及び顧客企業からのリースバックを目的とした取得物件にかかる賃貸等があります。
郊外型ロードサイド店舗等においては、複数の地主が保有する土地について、当社が購入又は賃借することにより一団の商業地として開発を行い、テナント企業に賃貸(一部転貸)する形態が主体であり、地主及びテナント企業の双方との間で事業用定期借地権(期間15年以上)設定を基本スキームとしており、賃貸収入の長期安定化を図っております。なお、当該取組みにおいては、商業施設にかかる建物設備については、テナント企業が自社にて建設するケースが多く、当社の投資負担が軽減されているほか、テナント企業の早期撤退リスクについて一定の低減が図られております。
なお、当該開発業務においては、地主やその賃借人等の複数の権利関係者間の調整が必要となり、物件開発にかかる手続き、工数及び期間が長期に及ぶケースが多く、当社は長年の取組みにおいて蓄積した専門知識・ノウハウ及び交渉力等を差別化要素として事業を展開しており、競合事業者の減少等から一定の収益確保を推進しております。
②その他(オフィスビル、共同住宅、駐車場、その他既存物件等)
オフィスビルや居住用マンション等の収益不動産からの賃料収入に加えて、時間貸駐車場の運営にかかる利用料収入による安定収入の獲得を図っております。
これら収益不動産については、既存物件を取得しており、中古不動産を取得した上でリノベーション等による価値向上を図ることで稼働率及び収益性の向上を図り、長期保有による安定収益確保を基本方針としております。
また、近年においては、賃貸用木造戸建住宅の供給を試験的に実施しており、今後の収益機会の拡大及び安定収入確保を推進しております。
(2)不動産開発・販売事業
当該事業は、主に住宅用地等の開発及び分譲販売並びに戸建住宅にかかる一般建築請負を行う事業であります。
住宅用地開発については、独自の土地情報ネットワークを活用した開発用地を取得するとともに、開発物件ごとの立地や地域特性を考慮した開発を志向しており、自社企画及び外注活用による宅地プランニング・開発許可取得・造成工事等により分譲物件としての開発を行っております。
住宅用地にかかる分譲販売は建築条件付販売を基本としており、自社営業にて住宅建築請負と併せて展開しております。また、自社開発物件等の一部は、地域特性に応じて、建築条件を付さない形態での販売を行っております。さらに、顧客ニーズに応じて自社物件以外の不動産仲介も行います。
当該事業における住宅建築請負は注文住宅を中心に展開しており、在来工法(木造軸組工法)を主体とした自社ブランドによる展開に加えて、株式会社LIXIL住宅研究所の展開する「GLホーム」フランチャイズ加盟による2x4工法による展開を併せて行うことにより、顧客の取込強化及び競合事業者との差別化を図っております。なお、建築工事については、自社による設計・施工管理及び外注活用により利益率を確保しております。
当該事業は、和歌山県(和歌山市、岩出市及び海南市)を中心として、10~30区画規模の開発物件を主体として展開しておりましたが、兵庫県西宮市における72区画の開発プロジェクト(夙川 St Terrace 秀麗の丘)をはじめとして、現在は、和歌山県外エリアにおける開発物件への取組み及び事業展開を強化しております。
また、時代のニーズ変化に応じた事業用地(倉庫用地、物流拠点等)の開発及び販売についても和歌山県を中心とした近畿圏において注力しております。
なお、当該事業は当社において展開しております。
(3)マンション事業
当該事業は、主にファミリー層向け分譲マンションの企画開発及び分譲販売を行う事業であります。
当該事業は、当社子会社であるユニハイムエステート株式会社が展開しており、自社ブランドである「ユニハイム」及び「ユニハイムエクシア」を中心として展開しており、「Only-I」という内装のオーダー対応等による商品競争力の向上を図った事業展開を推進しております。
マンション用地の取得は、設計会社や仲介業者からの情報提供によるものを主としておりますが、グループ内の担当者間で日常的に不動産情報を共有し、幅広い情報取得と情報数の確保に努めています。物件開発においては、当社グループにおける開発企画、設計及び建築・施工は外注活用にて行っており、販売活動については販売代理業者を活用することにより物件の地域性や特徴に応じた販売活動を展開しております。
当該事業は、大阪市を中心とした近畿圏エリアにおいて展開しております。
(4)その他の事業
当該事業は、当社子会社である株式会社ウェルネス・コートが展開しており、高齢者(シニア)向けマンションの賃貸・分譲・管理運営、訪問介護や居宅介護支援サービス、和食飲食店の運営及び温泉施設運営等を行っております。また、当社の不動産関連ビジネスに付随して、損害保険代理店業や、不動産管理業を行うほか、当社保有地にて太陽光発電による売電事業を展開しております。
当社グループの事業系統図は次のとおりです。
《事業系統図》

当社グループの事業展開の特徴について
①ストックビジネスとフロービジネスを併せ持つ事業形態
当社グループは、これまで蓄積してきた不動産開発業務に関するノウハウを基盤とした不動産賃貸(ストック)及び宅地販売・マンション販売等(フロー)を主軸として展開しています。長期的な視点で投資(仕入)を行い、時流の変化に応じて、長期の安定性(ストック)と短期の収益性(フロー)の両面を検討できる事業形態としています。
②優良な不動産(土地)物件の取得・確保のための取組み
当社グループでは、権利関係の複雑な案件や他社では活用が難しい案件など、これまで様々な不動産案件を手掛けてきたことから、不動産仲介業者からの情報提供だけでなく、直接の土地利用者や地権者など様々なルートで不動産情報が提供される情報ネットワークを有しております。
また、商業施設における既存テナントと定期的な情報交換を行っており、新規出店先に関する相談や用地取得の依頼を受けるなど既存取引先との関係による情報ルートの拡大も進めております。
③不動産開発にかかる取り組み
現在兵庫県西宮市にて総区画数72区画の開発プロジェクト(夙川 St Terrace 秀麗の丘)が進行中であり、2020年3月期より3期間に渡り引渡しを進めていく計画となっております。当社グループでは近畿圏を中心に商業用地開発や住宅用地の取得・開発を強化しており、今後エリア拡大や案件数確保に向けて、情報収集に注力していきます。