有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/03/23 15:02
【資料】
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【項目】
158項目

事業等のリスク

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。
当社グループはこれらのリスクの発生可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針です。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)経済情勢の変動について
当社グループの事業は、景気、個人消費、金利、地価・不動産需要、各種税制及び補助制度等の動向により影響を受けております。景気の急速な悪化や個人消費の冷え込み、大幅な金利上昇、不動産需給の悪化、住宅税制の変更等が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
特に、「不動産開発・販売事業」及び「マンション事業」について、上記要因等により購入者の購買意欲の減退が生じた場合、分譲・販売物件にかかる販売不振、価格低下、販売期間の長期化や完成在庫の増加等が生じる可能性があります。また、「不動産開発・賃貸事業」については、同様にテナント企業等の出店意欲の低下や出店政策変更による賃貸需要の減退や賃料低下が生じる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業用地の仕入について
当社グループの事業展開においては、賃貸又は分譲販売に用いる優良な事業用地を取得することが重要であり、取引事業者や金融機関等からの不動産物件情報に基づき、個別物件毎の立地、周辺環境、価格、顧客ニーズ等を踏まえた事業化・商品化を検討し、収益性等を考慮の上で物件取得を行っております。
今後において、良質な物件情報入手が困難となる場合、地価上昇その他の要因により収益性確保が可能な物件が減少した場合、その他何らかの要因により事業用地取得が困難となった場合、当社グループの事業展開の制約要因となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)原材料・資材価格等の変動について
当社グループの事業展開においては、戸建住宅及びマンション等の建築において、木材・鉄材・セメント等の各種原材料・資材等を使用しております。それらの仕入価格は市場価格の変動により影響を受けており、今後において、原材料市況や需給、為替等の変動により仕入価格が高騰した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)外注業者の活用について
当社グループの各事業においては、開発用地のプランニング、開発許可申請、造成工事にかかる設計施工等について外注企業を活用しております。また、「不動産開発・販売事業」においては、戸建住宅建築等に際して、自社にて設計業務及び管理者(監理技術者・主任技術者)配置による施工管理業務を行うほか、施工工事等は外注企業を活用しており、「マンション事業」においては、設計から施工までの各工程について外注により対応しております。当社グループの事業運営において、外注活用の重要性は高いことから、外注企業の確保及び育成に努めております。
今後の事業展開において、外注企業にかかる十分なリソース確保が困難となった場合には、当社グループの事業拡大の制約要因となる可能性があるほか、外注企業の経営不振や請負契約の不履行、設計・施工上の不具合の発生やその他予期せぬ事象が発生した場合には、工事等の中断又は大幅な遅延、建設コストの上昇等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)瑕疵担保について
新築住宅物件及びマンション物件については、宅地建物取引業法及び住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づき、売主に対して物件引渡後10年間にかかる瑕疵担保責任が課せられております。
当社グループは、開発、分譲及び販売等を行う不動産物件にかかる品質管理に留意した事業展開を推進しており、土壌汚染、使用建材、耐火・耐震性能及び施工品質等について、自社及び第三者機関の検査等を含むチェック体制を構築しております。
今後において、当社グループが供給する不動産物件について、販売・引渡し後において、上記事項を含む何らかの瑕疵が判明した場合、当社グループの事業及び不動産物件等に対する信頼性低下や損害賠償請求の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)賃貸不動産にかかる稼働率について
当社グループが展開する不動産賃貸においては、商業施設やオフィスビル物件における主要テナント企業の出店戦略変更等に伴う退去や、居住用物件における入居者獲得競争の激化等により、賃貸不動産にかかる稼働率に低下が生じる可能性があります。また、代替テナント等の確保のため賃料引下げが必要となる場合もあり、これら要因による収益性低下が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)大型開発案件について
当社グループは、現在、兵庫県西宮市において用地取得~造成工事~販売まで約5年に及ぶ開発プロジェクトに取り組んでおり、今後も比較的規模の大きな案件の取扱いを強化していく方針であります。
大規模開発には、用地取得等にかかる多額の投資が必要であるほか、開発許可取得や各種関係者の調整や工事等の多くの業務プロセスが必要であり、プロジェクトの中止や遅延が発生するリスクを有しております。また、著しい販売不振が生じた場合には、販売促進のための費用増加や値引施策の実施等により採算悪化が生じるリスクがあり、これらリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(8)近畿エリアに集中した営業展開について
当社グループの営業地域は、和歌山県を中心とした近畿エリアに集中しております。当該地域において、地域経済の悪化や人口動態に変化が生じた場合、台風や地震等の大規模災害による影響が発生した場合、当該エリアにおける不動産市況等に影響が生じ、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは、当該地域を中心として事業エリア拡大を推進していく方針でありますが、新たな営業エリアにおける競合や事業実績が限定的であること等に起因して、当社グループの想定する事業拡大が実現出来ない可能性があり、営業拠点分散に伴う業務効率の悪化等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)人材の確保について
当社グループの事業は、専門的な知識及び経験に加えて、不動産取引に係るソリューション提供や調整能力、高いコミュニケーション能力を有する人材が重要な要素であります。
今後における事業拡大を図るため、優秀な人材の確保及び育成が必要であると考えておりますが、これらが計画通り進まない場合又は現在在籍する人材の流出が生じた場合には、当社グループ事業展開に影響が生じ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)法的規制について
当社グループは、不動産業、建設業、介護事業、飲食業、温泉業を展開しており、事業活動において、「宅地建物取引業法」、「建設業法」、「建築基準法」、「都市計画法」、「国土利用計画法」、「借地借家法」、「介護保険法」、「公衆浴場法」、「食品衛生法」及び関連法令等による法的規制を受けております。
当社グループの事業に関係する許認可は下表のとおりであります。当社グループは、法令遵守に留意した事業展開を行っており、現時点において当該許認可等が取消しとなる事由は発生しておりませんが、今後において何らかの理由により、当該許認可等が取り消される又はこれらの更新が認められない場合には、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに、経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
また、将来において、当社グループの事業に関連する法規制等が改廃された場合や新たな法的規制が設けられた場合には、事業展開において制約要因となる可能性があります。
(当社)
許認可の名称有効期限取消条項
宅地建物取引業(免許)自 2018年10月19日
至 2023年10月18日
宅地建物取引業法 第5条
一般建築業(許可)自 2016年6月6日
至 2021年6月5日
建設業法 第7条・第8条
特定建築業(許可)自 2016年6月6日
至 2021年6月5日
建設業法 第15条・第17条
一級建築士事務所(登録)自 2015年7月3日
至 2020年7月2日
建築士法 第23条の4
賃貸住宅管理業者自 2017年2月7日
至 2022年2月6日
賃貸住宅管理業者登録規程 第6条・第7条
公衆浴場営業許可公衆浴場法 第7条

(ユニハイムエステート株式会社)
許認可の名称有効期限取消条項
宅地建物取引業(免許)自 2018年11月11日
至 2023年11月10日
宅地建物取引業法 第5条
一級建築士事務所(登録)自 2019年7月11日
至 2024年7月10日
建築士法 第23条の4

(株式会社ウェルネス・コート)
許認可の名称有効期限取消条項
訪問介護営業許可自 2019年8月1日
至 2025年7月31日
介護保険法 第77条
海南市介護予防・日常生活支援総合事業営業許可自 2017年4月1日
至 2021年3月31日
介護保険法 第77条
居宅介護支援営業許可自 2014年7月1日
至 2020年6月30日
介護保険法 第77条
介護予防・訪問看護自 2019年1月1日
至 2024年12月31日
介護保険法 第77条
地域密着型通所介護営業許可自 2016年9月1日
至 2022年8月31日
介護保険法 第77条
公衆浴場営業許可公衆浴場法 第7条
飲食店営業許可自 2015年6月29日
至 2021年6月30日
食品衛生法 第55条及び第56条


(11)個人情報の管理について
当社グループは、事業活動において顧客等の個人情報を取得しており、また、各種契約に際してはその性質上プライバシー性の高い情報を扱っております。当社グループは、個人情報の取り扱いにかかる社内規程及びマニュアルの整備及び運用を実施すること等により厳正な管理を行っておりますが、不測の事態により情報漏洩が発生した場合、信用低下や企業イメージの毀損、また損害賠償請求等により経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)物件引渡時期等による業績の変動について
当社グループの「不動産開発・販売事業」及び「マンション事業」においては、不動産売買契約後において顧客への物件引渡をもって売上を計上する引渡基準を採用しております。
当社グループの四半期業績は、物件の竣工や引渡しのタイミングにより売上及び利益が変動しており、大型開発物件の有無やそのタイミングにより大きく変動しております。当該要因から、四半期ごとの業績については、必ずしも他の四半期業績と同水準にはならず、また、各四半期業績の偏重度合は過年度のそれと同様になるとは限りません。
また、当社グループの計画に対して、販売活動や建築工事の遅延等に起因して、引渡時期が各決算期末を超える可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)有利子負債について
当社グループは、販売用不動産及び賃貸用不動産にかかる不動産取得資金について、主に金融機関借入により賄っております。また、事業成長を目的としてこれら投資を継続していることから、当社グループの連結総資産額に占める有利子負債の割合は、2018年3月期末76.1%、2019年3月期末71.6%と高水準となっております。
当該状況から、今後、金利の急激な上昇が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、金融情勢の急速な変動等の何らかの理由により将来における十分な資金調達が困難となる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態並びに事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(14)保有資産の減損について
当社グループの保有資産について、たな卸資産においては販売用不動産(仕掛含む)が、固定資産においては賃貸用不動産が、それぞれ多くを占めております。不動産市況の著しい悪化等によりこれらたな卸資産及び固定資産の価値が下落した場合、評価損の計上や減損処理が適用され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15)訴訟等について
当社グループの事業においては、不動産売買や賃貸借、事業用地開発、設計施工その他の各種取引、飲食や介護等にかかる各種サービス提供について、予期せぬトラブルや問題が生じるリスクがあり、その要因が当社グループに起因するか否かに拘らず、紛争等が発生する可能性があります。また、紛争等に対する対応が不適当であった場合等には、風評を含めた信頼性低下や訴訟に発展する可能性があり、場合によっては多額の費用負担が生じる可能性がある等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、2017年6月において、兵庫県西宮市における大規模宅地開発プロジェクトにかかる造成工事の差止め及び慰謝料の支払いを求める訴訟が提訴されておりました。当該訴訟は、当該開発により自然環境が失われること及び当該工事による騒音や振動で住環境を乱されること等を理由として、近隣住民を中心とした原告が提訴したものであります。
当社は、行政の開発許可に基づき当該工事を実施しており、必要と考えられる近隣説明及び協議等も実施しております。なお、当該開発プロジェクトは、2019年10月に造成工事が完了し、一部土地について顧客への販売引渡しを開始しております。
当該訴訟については、2019年12月において神戸地方裁判所より原告の請求棄却にかかる判決(第一審)が示されております。同月、原告より控訴がなされております。今後において当該訴訟が長期化した場合、当社グループの事業運営や信頼性等に影響が生じる可能性があるほか、訴訟結果により損害賠償請求等が生じる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。