有価証券届出書(新規公開時)

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2020/03/25 15:00
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【項目】
145項目

事業等のリスク

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項につきましても、投資者の投資判断上重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、本文中における将来に関する事項は、提出日現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合は迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
(1) 事業環境に関する事項
①経済環境の変化等について
当社グループの事業は、対面決済、すなわち消費者が商品やサービスの提供を受ける現場において、対価をキャッシュレスで支払う行為を対象としているため、各種店舗や施設、イベント会場等に向けた決済端末の販売を行っております。決済端末を設置する加盟店は多種多様に及び、リスクの分散が図られていると考えておりますが、景気悪化のほか紛争、事件、事故、災害、異常気象、感染症のまん延等の要因により、大規模な店舗や施設の開発計画が変更になり、また大規模イベントが中止になるなど、大口の販売計画を見直す必要が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。ただし当社グループではこのような場合でも影響を最小限にすべく、販売計画の進捗管理を徹底し、代替案を含む新規の案件積上げに注力しております。
また、決済代行サービスは、経済環境の変化及び雇用情勢の悪化に起因する個人消費の低迷に影響を受けます。消費税増税、所得税率や固定資産税等の引上げ及び社会保険料の負担増等のほか、上記の経済環境悪化要因によって、個人の消費に対する抑制心理が働いた場合、クレジットカード決済等の取扱高減少により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②市場の競争激化について
近年、キャッシュレス決済市場においては、各国際ブランドのクレジットカード決済にとどまらず、多様な決済手段(デビット、各種電子マネー、各種ポイントカード、銀聯)が登場しております。さらに、訪日外国人のニーズに対応した新たな決済手段(Apple Pay、QRコード決済)、中国系決済手段(AliPay、WeChatPay)も登場しております。加えて、東京オリンピック・パラリンピックの開催決定以降、行政主導でキャッシュレス社会の実現に拍車がかかっており、これらの多種多様な決済手段への対応が求められております。
当社グループは、このような状況の中、お客様のニーズに合致した端末やサービスの開発・提供等を通じ、競合会社との差別化を実現し、成長性と収益性を確保する方針です。
しかしながら、競争の激化に伴い、当社の施策が想定どおりに奏功しない場合、収益を確保できず、優良取引先との取引状況に変化を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③法令による規制について
提出日現在において、当社グループが国内において対面決済サービス事業を行う上で、適用を受ける特定の法規制等はございません。ただし、会社法をはじめとする会社経営に関わる一般的な法令諸規制や個人情報保護法の適用を受けております。決済代行サービスにおいては、2018年6月1日に「割賦販売法の一部を改正する法律」(「改正割賦販売法」)が施行され、当改正に伴う加盟店に対する管理等が強化されました。現状、当改正が当社グループの業績に直接影響を及ぼすものではありませんが、同法がさらに改正され加盟店管理に対する更なる強化が実施された場合、その内容によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の重要な契約の締結先であるクレジットカード会社は、犯罪収益移転防止法の適用を受けており、当社の加盟店の中には特定商取引法の適用を受ける先があります。これらの法律の適用を受ける当社グループの取引先が法令に違反した場合や行政の指示・指導により事業に制約を受けた場合、当社グループが取扱う決済件数や決済金額の変動等を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、現時点の法規制等に従って業務を遂行しており、また、弁護士や外部諸団体を通じて新たな法規制及び加盟店を含めた取引関係先の法規制改正の情報を直ちに入手できる体制を整えております。
しかしながら、今後クレジットカード業界に関する規制、及び当社グループのお客様である加盟店の事業に関連する規制等の制定により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業活動に関する事項
①決済端末の調達、販売について
当社は、ビジネスの起点である決済端末について、主に海外メーカーから仕入れております。当社は、複数の海外メーカーと調達契約を締結することで、購買ルートの分散を図っておりますが、自然災害、感染症等の要因によりメーカーにおいて決済端末の生産体制に支障を生じるような事態が発生した場合のほか、当該海外メーカーが日本市場から撤退、又は他社に買収され、これまでの事業戦略が見直しされるなど、予期せぬ事象の発生によって決済端末の調達が困難になり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、決済処理に関する次世代プラットフォームの提供や、新たな決済手段への対応を行うためには、新型の決済端末や端末に搭載するアプリケーションの開発・導入が必要となる場合があります。特に三井住友カード株式会社との協業で提供する次世代プラットフォームにかかる新型の決済端末については、国内の決済端末メーカーと連携して、事前に十分な開発期間を設け、複数の稼働テストも実施した上で導入する予定ですが、新型決済端末又はアプリケーションにかかる開発の遅れ、不具合発生等により、決済端末の販売が想定どおりに進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②加盟店の開拓活動について
当社グループは、実際に端末を利用する加盟店に対して直接営業活動を行う場合もあるものの、主にはアクワイアリング事業者等に対して営業活動を行っております。したがって、当社グループの加盟店開拓はアクワイアリング事業者等の加盟店開拓力に依存しております。アクワイアリング事業者等とは日常より密に連携し、加盟店の動向や市場環境を把握するように努めておりますが、アクワイアリング事業者等における加盟店獲得活動に遅れ等が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③情報処理センターネットワークの利用について
当社グループは、クレジットカード決済において株式会社エヌ・ティ・ティ・データが運営するCAFIS、株式会社日本カードネットワークが運営するCARDNET、及び国際ブランドのVisaが提供するVisaNetを利用することにより、決済処理サービスを提供しています。万が一、これらのネットワークの一つにおいて利用が困難になる事態が発生した場合には、利用可能なネットワークに代替し接続することが可能ですが、ネットワーク障害や仕様変更に迅速に対応できない場合や多額の対応費用が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④情報システムへの依存について
当社グループの事業は、コンピュータシステムに高度に依存しており、各種データ処理等を行うデータセンターは、システム事業者に業務委託しております。そのデータセンターは、耐震・防災設備を施され、入出館管理でのセキュリティ対策も実施されております。また、システムは、フォルトトレラントと呼ばれる無停止システムを採用するとともに、バックアップ・データを確保して、適宜復元テストを行っております。また、定期的にマネジメントレベルでの会議を開催して、課題を共有して、運用の安全性を確保しております。しかしながら、想定を超えた災害等が発生した場合又は悪意のある攻撃を受けた場合には、システムに重大な支障が生じる可能性があり、システムの信頼性低下や、決済業務への支障を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤災害・テロ活動等のリスクについて
当社グループは災害やテロ活動等の発生を想定し、顧客及び社会に対する責務を最大限円滑に遂行するため、業務継続体制に関連する規程及び業務継続計画(BCP)を制定し、教育・訓練を実施しております。しかしながら、予想を超えた大規模自然災害やテロ活動等が発生した場合には、当社グループの事業運営または事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑥少人数組織であることについて
2020年2月末日現在、当社グループは従業員47名の少人数組織であり、内部管理体制も、人員規模に応じたものとなっております。また、少人数組織であるため、業務執行が特定の人物に依存している場合があります。今後も、事業規模の成長に応じて引き続き内部管理体制の強化を進めるとともに、役職員への情報共有や権限委譲により、業務執行体制の充実を図っていく方針であります。しかしながら、これらの施策が企図したとおりに進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦人材の確保について
当社グループのビジネスを支えている最大の資産は人材であり、各種サービスの品質向上、新規サービスの企画・開発のためには、優秀な人材の採用・育成・モチベーションアップが欠かせません。しかしながら、人材獲得競争の激化により、優秀な人材の獲得が困難となった場合、又は在職する人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧事務オペレーションリスクについて
当社グループは、社内規範や事務手続きの標準化及び文書化に取り組んでおりますが、当社グループの事業の急速な拡大に伴う事務量の増加により、事務手続きのミスが起こる可能性があります。日常より社内ルールの整備等を進め、作業負担の最適化に努めておりますが、当該手続きのミスに起因し取引先から訴訟等が提起された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 経営上の重要な契約に関する事項
①業務代行に関する契約について
当社グループは、クレジットカード会社と加盟店間の加盟店契約において、加盟店代理契約を各クレジットカード会社と締結しております。そのため当社グループでは、常日頃から主要クレジットカード会社とは緊密に連携をとっております。しかしながら、万一、クレジットカード会社から契約解除の申し出や条件変更等の接続制限がなされた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②包括加盟に関する契約について
当社グループは、加盟店のクレジットカード決済業務に係る事務を代行することを目的として、各クレジットカード会社と包括加盟に関する契約を締結しております。決済代行サービスにおいては、クレジットカード会社が加盟店に対して行う売上代金支払いを当社が代行して、当社グループの責任範囲で行います。当社グループと包括加盟店契約を締結している加盟店が不適切な販売等を行ったことが露見して、消費者がクレジットカード会社に対して債権買戻請求を行い、クレジットカード会社が請求額を消費者へ返還した場合、クレジットカード会社は当社グループとの加盟店契約に基づき、当社グループに対して債権買戻額を求償することとなります。この場合、当社グループはその額を加盟店へ求償しますが、加盟店の倒産等により、資金が回収できない場合には、その損害を被る可能性があります。
このようなリスクを回避するために、当社では加盟店の入会時にクレジットカード会社の審査とは別に、電話による本人確認、登記簿謄本・納税証明書の徴求、営業許可証の確認等を行うと共に、月毎に滞留債権管理を実施しております。併せて、クレジットカード会社から債権買戻請求発生の可能性ありとの連絡を受けた場合は、直に加盟店の状況を調査し、売上金を留保するなど必要な措置を講じております。しかしながら、債権買戻請求が確定し、加盟店から回収が出来ない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 親会社との関係に関する事項
当社グループの親会社であるGMOペイメントゲートウェイ株式会社(以下、「GMO-PG」という。)は、当社の発行済株式総数の64.88%(2020年2月末現在)を保有する筆頭株主であり、オンラインショッピングによるクレジットカード等の決済代行事業、金融関連事業、その他決済に付帯する事業を行っております。また、GMO-PGの親会社であるGMOインターネット株式会社は「すべての人にインターネット」というコーポレートスローガンのもと、インターネットインフラ事業、インターネット広告・メディア事業、インターネット金融事業、仮想通貨事業を行っております。
当社は、独自に経営方針・政策決定及び事業展開についての意思決定を行っております。しかしながら、上場後も同社の株式保有比率は過半数を超える見込みであり、同社は、当社の筆頭株主として基本事項に関する決定権又は拒否権を保有しているため、当社の意思決定に対して同社が影響を与える可能性があります。
①GMOインターネットグループにおける当社グループの位置付けについて
当社グループは、GMOインターネットグループにおいて、キャッシュレス決済市場における唯一の対面決済サービス事業を担う会社と位置付けられており、GMOインターネットグループ他社とは事業の棲み分けがなされております。
決済のキャッシュレス化・オンライン化の進行に伴い、当社グループが関わる決済ビジネスは、対面決済領域(当社グループ)と非対面決済領域(GMO-PG)が連携しながら大きな変化を遂げてきており、それに伴って事業機会も益々増大しております。
このような状況下においては、お互いが強みを発揮し事業成長を目指すことに加えグループシナジーの実現に最大限の努力をすることが親会社を含むグループ全体の成長、そして当社グループの成長率及び成功確度を高めることができるものと考えております。
当社は、上場により独自の資金調達手段を確保し、事業拡大を加速させる予定であります。しかし、GMOインターネットグループ及び親会社であるGMO-PGが、経営方針及び事業展開方針を変更した場合には、将来的に競合する可能性があり、当社の事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。

②GMOインターネットグループとの取引について
2019年9月期における、当社グループのGMOインターネットグループとの取引について、当社の連結収益に係る取引総額は397,261千円、費用に係る取引総額は88,826千円であります。親会社との取引については、一般株主との間に利益相反リスクが存在しますが、当社グループは実効的なガバナンス体制を構築することによって、一般株主の利益に十分配慮した対応を実施しております。また、これらのうち、取引金額が1百万円以上の取引内容は、以下のとおりであります。
(GMOインターネットグループとの主な取引)(2019年9月期)
属性会社等の名称所在地資本金
又は出資金
(千円)
事業の内容
又は職業
取引の内容取引金額
(千円)
親会社GMOペイメントゲートウェイ(株)東京都
渋谷区
4,712,900インターネットインフラ事業決済端末の販売等(売上)
(注1、2)
360,172
システム利用料等の受取(売上)(注1、2)13,480
業務受託売上(注1、2)2,700
賃借料等の支払(注3)30,599
人件費の支払(注4)8,411
受取報酬等(売上)(注2)20,824
サービス利用料等の支払い1,778
GMOインターネット(株)東京都
渋谷区
5,000,000総合インターネット事業広告宣伝費の支払(注5)9,537
通信サービスの利用料の支払(原価)(注6)8,702
同一の親会社を持つ会社親会社GMOクラウド(株)東京都
渋谷区
916,900インターネットインフラ事業サービス利用料の支払(注7)21,627
GMOデジタルラボ(株)東京都
渋谷区
34,550インターネットインフラ事業事務消耗品費の支払(注8)1,349

(注) 1.GMOペイメントゲートウェイ(株)との取引は、共通の外部顧客への販売について、同社を通じて受注・販売したものです。
2.売上高には、消費税等は含まれておりません。
3.本社事務所等の賃借料(水道光熱費等実費を含む)。
4.受入出向者の給与、実費負担分になります。
5.「GMO」商標権・ブランド使用料。
6.モバイル決済端末の通信料。
7.コールセンター業務の委託費用。
8.文具等、消耗品の購入代金になります。
当社が親会社等のグループと営業取引を行う場合には、新規取引開始時及び既存取引の継続時には、少数株主の保護の観点から、その他第三者との取引条件との比較の上、取引条件等の内容の適正性を慎重に検討して実施しております。
具体的には、第三者との取引条件と総合的に比較検討し、適正な条件であることを、親会社等から独立した立場の社外取締役も参加する取締役会にて確認した上で決議することとしております。また、親会社等のグループとのその他の取引については、実費のものを除いて、原則として行わない方針であります。仮に、企業価値の向上等の観点から当該取引を行う場合は、その他第三者との取引条件との比較の上、取引条件等の内容の適正性を慎重に検討して実施してまいります。具体的には、第三者との取引条件と総合的に比較検討し、適正な条件であることを、親会社等から独立した立場の社外取締役も参加する取締役会にて確認した上で決議することとしております。
③商標権について
当社グループは、2017年1月よりGMOインターネット株式会社と「GMO商標権・ブランド」使用許諾契約を締結しております。当該契約は、当社及び当社子会社であるグローバルカードシステム株式会社(以下、「GCS」という。)がGMOインターネット株式会社とそれぞれ締結しております。
当社は売上総利益の1%を、GCSは売上高の0.5%をブランド使用の対価として支払っております。
なお、2020年1月の契約更改により、ブランド使用等の対価は、当社は売上総利益の2.34%を、GCSは売上高の1.17%に変更されております。
④親会社等との役員の兼務関係について
2020年2月29日現在における当社の役員10名(取締役7名、監査役3名)のうち、GMOインターネットグループ会社の役員を兼ねる者は2名であり、豊富な経営及び監査経験から、当社事業に関する助言を得ることを目的として招聘したものであります。なお、当社における役職、氏名及び同社における役職は以下のとおりであります。
当社役職:非常勤取締役 吉岡 優
GMO-PG役職:常務執行役員 イノベーション・パートナーズ本部戦略事業統括部 統括部長
当社役職:非常勤監査役 飯沼 孝壮
GMO-PG役職:非常勤監査役

⑤親会社等の役職員による当社新株予約権の保有について
当社は、2010年1月にGMO-PGの持分法適用会社となりましたが、当時は極端な要員不足の状態であり、有能な人材を新たに採用するための利益計上もできていなかったため、同社の業務支援が必要でした。そのため、当時、当社の業務支援に当たっていた同社の役職員に対して、継続的な支援を期待して、当社第1回新株予約権を付与いたしました。なお、今後は、親会社等役職員の利益相反関係や当社の独立性に対して疑念を生じさせないために、原則として、親会社等役職員へのストック・オプション付与は行わない方針であります。
また、2016年12月に第2回新株予約権を発行し、発行時にGMO-PGからの出向中の者にも発行しましたが、対象者は、全員2017年1月1日付で当社に転籍しており、現時点でGMO-PG役職員である第2回新株予約権保有者はおりません。第3回新株予約権の発行の際には、親会社等役職員への発行は行っておりません。
⑥親会社等からの独立性の確保について
当社グループの事業展開にあたっては、親会社等の指示や承認に基づいて行うのではなく、一般株主と利益相反が生じるおそれのない独立役員、及び過半数を占める専任役員を中心とする経営陣の判断のもと、独自に意思決定して実行しております。
(5) その他
①配当政策について
当社の配当政策については、配当による株主各位への利益還元を経営の最重要政策の一つとして重視しております。また、将来に亘る社業の安定と発展のために内部留保を充実し、株主各位の利益を長期的に確保することも重要であると考えております。将来的な利益還元については、経営体質の強化と事業拡大のために必要な内部留保を確保しながら、継続的かつ安定的な配当を実施していく方針であります。
しかしながら、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定です。
②新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループは、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。2020年2月29日時点でこれらの新株予約権による潜在株式数は267,270株(発行済株式総数3,595,170株の7.43%)であり、今後もストック・オプション制度を活用していく方針であります。
これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
③ベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合等による株式リスクについて
2020年2月29日時点における当社の発行済株式総数は3,595,170株であり、ベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合等(以下、「VC等」という。)が652,410株を所有(所有割合18.15%)しております。一般的にVC等の保有目的は、当該株式の新規株式公開以降において、当該株式を売却し、キャピタルゲインを得ることにあります。そのため、当社の株式公開後、VC等が保有する当社株式の売却によって、当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、株価の形成に影響を及ぼす可能性があります。
④訴訟の可能性について
当社グループは、現時点において、係争中の訴訟を有してはおりません。しかしながら、今後、当社の事業分野において、第三者が当社より早く特許権・著作権・その他知的財産権が認められ、当社に対して高額の対価、損害賠償、又は使用差止等の請求を受けた場合や予期せぬトラブルの発生等により訴訟を提起された場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このような事実が判明したときは直ちに、事例に応じて、弁護士・弁理士等と連携し解決に努める体制が整っております。
⑤のれん及び顧客関連資産について
当社は、2016年9月にGCSのすべての株式を取得しており、のれん及び顧客関連資産を計上しております。当該のれん及び顧客関連資産については、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、同社の将来の収益性が低下した場合には、当該のれん及び顧客関連資産について減損損失を計上する必要が生じ、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。