有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/07/03 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
129項目

事業等のリスク

当社の事業展開においてリスク要因となる可能性があり、経営成績、財務状況及び投資家の判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を記載しております。
当社は、下記リスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めておりますが、当社株式に関する投資判断は、本項目及び本項目以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があります。
なお、本文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経済動向及び市場環境による影響
経済動向や情報サービス市場環境の変動により、企業の情報システムへの投資抑制、予想を超える価格競争の激化、技術革新への対応が遅れる等の事態が発生した場合、また、法律、税制、会計制度等の各種規制・制度や電力、通信等の社会基盤の変動により事業環境が悪化した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)特定顧客への依存度について
当社は、東芝グループ、日立グループ、キオクシアグループを重要顧客として長年にわたり取引を継続しております。従って、当該顧客の事業方針、経営状況等が当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
相手先第3期事業年度
(自 2017年12月1日
至 2018年11月30日)
第4期事業年度
(自 2018年12月1日
至 2019年11月30日)
第5期第2四半期累計期間
(自 2019年12月1日
至 2020年5月31日)
販売高
(千円)
割合
(%)
販売高
(千円)
割合
(%)
販売高
(千円)
割合
(%)
東芝グループ709,52133.3758,54733.0351,41631.6
日立グループ650,54230.5635,17227.6303,39227.3
キオクシアグループ159,3147.5369,91916.1192,34617.3

※ 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(3)見積り違い及び納期遅延等の発生
案件の作業工程等に基づき必要工数やコストを予測し、見積りを行っておりますが、仕様変更や追加作業に起因する作業工数の増大により実績が見積りを超えた場合、低採算又は採算割れとなる可能性があります。また、予め定めた期日までに顧客に対して作業を完了・納品できなかった場合には損害遅延金、最終的に作業完了・納品ができなかった場合には損害賠償が発生し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)人材の確保について
当社の事業は、技術専門性及び人間性に富んだ技術者により支えられており、優秀な人材の確保と育成及び、定着率が最も重要な命題となります。人材の確保に関しては、IT開発事業の伸びからIT人材不足が懸念され中長期的に困難になることが予想されます。採用において計画どおり優秀な人材を確保できない場合や離職により技術者が大幅に減少した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)国立大学法人東北大学との共同研究について
当社は、国立大学法人東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センターとの間で、以下の共同研究を行っております。
①次世代メモリの制御ソフトウエアに関する共同研究
②次世代メモリの応用ソフトウエアに関する共同研究
当社の先進技術ソリューションカテゴリーに属する事業は、当該共同研究の成果に依存する部分があります。そのため、本研究の成果が想定どおりに進まない場合には、本カテゴリーに属する事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、研究成果に係る知的財産権につきましては、契約上、同法人が所有することになっておりますが、当社はその実施権について優先交渉権を有することになっております。
(6)法的規制について
a. 下請代金支払遅延等防止法(下請法)
当社が委託先に対し業務の一部を外注するにあたり、下請代金支払遅延等防止法(下請法)の適用を受け、3条書面の交付、5条書類の作成等、下請代金支払遅延の防止が求められる場合があります。下請法に違反した場合、公正取引委員会による勧告・指導に加え、罰金刑が科されるおそれがあります。当社では、コンプライアンス規程を制定し、当社の役職員が遵守すべき法的規制の周知徹底を図り、内部通報制度の導入等によって速やかに法令違反行為等の情報を収集する体制を構築しております。しかしながら、法令に抵触する事態が発生した場合、当社の社会的信用が著しく失墜し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
b. 労働者派遣法及び関係諸法令
当社の事業の一部である技術者派遣事業は、労働者派遣法に基づいて事業を営んでおり、労働者派遣法及び関係諸法令による法的規制を受けております。当社では、コンプライアンスを徹底し、リスク・コンプライアンス委員会、内部監査により関係諸法令の遵守状況の把握・監視等に努めており、事業の遂行に支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、労働者派遣法に定める派遣事業主としての欠格事由に該当した場合や、法令に違反する事由が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、将来これらの法令ならびに関連諸法令が社会情勢の変化などに伴って、改正や解釈の変更等があり、それらが当社の事業運営に不利な影響を及ぼすものであった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
許認可等の名称有効期限関連する法令登録の交付者取消事由等
一般労働者派遣事業許可2024年10月労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律厚生労働大臣労働者派遣法第6条に定める欠格事由(注)に抵触した場合

(注) 労働者派遣法第6条に定められている主な欠格事由としては、当社役員又は当社派遣元責任者が禁固以上の刑や関係諸法令に違反し罰金刑に処せられ5年を経過していない場合、成年被後見人、被保佐人又は破産者となり復権を得ていない場合、労働者派遣事業の許可取り消し後5年を経過していない場合等であります。
(7)業務請負(委託)契約に基づく瑕疵担保責任について
当社が行う受託開発サービスは、業務請負(委託)契約となっており、設計・開発を請負って完成すべき業務の遂行や成果物に対して対価を受領しております。したがって業務請負(委託)契約で完成すべき業務や成果物に係る瑕疵担保責任や製造物責任などの追及を受ける可能性があるため、当社では、これら瑕疵担保責任や製造物責任に係るリスクを軽減するために、個別契約(注文書)において、完成すべき業務や成果物の仕様、検収方法を明確に定義しております。しかし、当該追及を受けた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)情報管理について
当社の事業においては、顧客企業の製品開発やシステム開発業務に従事しており、多くの個人情報・機密情報を扱っております。当社はISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の取得等により、規程の整備と共に全従業員に対して入社時及び定期的に個人情報・機密情報の取扱いに関する啓発・教育・周知徹底を行い、また内部監査を実施することにより情報管理の強化を行っております。しかしながら、取引先内(顧客企業内)にて勤務する技術社員が知り得た顧客情報や個人情報が故意又は過失により外部へ流出し、当社の管理責任問題、法律的リスク(訴訟等)、風評被害等が生じた場合、当社の社会的信用等の失墜や多額の賠償金支払い等、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
登録の名称登録の内容有効期限
ISMS認証基準(Ver.2.0)情報セキュリティマネジメントシステム
登録番号:JUSE-IR-165
2021年3月23日

(9)法規制等に関するリスク
当社は、各種法令・規制等の遵守は極めて重要な企業の責務と認識の上、法令遵守の徹底を図っております。しかしながら、こうした対策を行ったとしても当社の事業活動に関連して、第三者から訴訟や法的手続が行われるリスクを完全に回避することはできず、これらの結果によっては、信用失墜若しくは予期せぬ多額の損害賠償責任を負うなど当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社では、役員、従業員及び社外協力者に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。本書提出日時点において、これらの新株予約権による潜在株数が157,300株であり、発行済株式総数の9.95%に相当しております。
これらの新株予約権が行使された場合には、当社株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
(11)新型コロナウィルスへの対策について
当社は新型コロナウィルスの感染拡大を受け、役員、従業員ならびに関係者の感染リスクの軽減及び安全確保を目的として4月より在宅勤務及びフレックス勤務のコアタイム撤廃、ネットミーティングの活用を推進しております。また、提出日現在では、新型コロナウィルスの直接的な影響による派遣契約の打ち切りや請負契約の案件取消は発生しておりません。しかしながら、感染の拡大等により、国民生活及び経済環境への影響が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。