訂正公開買付届出書

【提出】
2021/11/17 9:16
【資料】
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脚注、表紙

(注1) 本書中の「公開買付者」とは、SBI地銀ホールディングス株式会社をいいます。
(注2) 本書中の「対象者」とは、株式会社新生銀行をいいます。
(注3) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和と必ずしも一致いたしません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の「令」とは、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注6) 本書中の「府令」とは、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第38号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注7) 本書中の「株券等」とは、株式等に係る権利をいいます。
(注8) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注9) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は日時を意味します。
(注10) 本書の提出に係る公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)は、法で定められた手続及び情報開示基準に従い実施されるものです。

対象者名

株式会社新生銀行

買付け等をする株券等の種類

普通株式

買付け等の目的

(1)本公開買付けの概要
公開買付者は、SBIHDグループ(下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「① 本公開買付けの目的及び背景」の「ア SBIHDらの概要」にて定義しております。以下同じです。)に属する企業やSBIHDグループの投資先企業が有する商品・サービス・ノウハウ等を活用しつつ、地域金融機関に直接出資することで、地域金融機関の収益力強化とそれに伴う企業価値向上を図ることを主な目的として、2015年8月25日に設立された、SBIホールディングス株式会社(以下「SBIHD」といい、公開買付者と併せて「SBIHDら」といいます。)が、本書提出日現在、その発行済株式の全てを所有する株式会社です。本書提出日現在、公開買付者は対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)を100株(所有割合(注):0.00%)所有しております。また、公開買付者の完全親会社であるSBIHDは、本書提出日現在、対象者株式42,737,700株(所有割合:20.32%)を所有する主要株主である筆頭株主です。この度、SBIHDらは、対象者の業績を改善し企業価値を回復・向上すべく、①対象者をSBIHDの連結子会社としSBIHDグループと対象者グループ(下記にて定義しております。)の間の事業上の提携関係を構築・強化すること、及び、②対象者の役員の全部又は一部を変更し、最適な役員体制を実現することを可能にする議決権を確保すること、並びに、③本公開買付けにより、公開買付者が、上記①の対象者を連結子会社化するために必要な対象者株式又は上記②の対象者の役員の全部又は一部を変更し、最適な役員体制を実現することを可能にする議決権を確保するために必要な対象者株式を取得できない場合でも、将来的な上記①及び②の目的達成に向けて、公開買付けにより対象者株式の所有割合を機動的に高めておくことを目的として、2021年9月9日付のSBIHDらにおける取締役会決議に基づきそれぞれ本公開買付けの実施に係る最終決定を一任されたSBIHD代表取締役社長の北尾吉孝及び公開買付者代表取締役の森田俊平において、同日、本公開買付けを実施することを決定いたしました。
なお、下記「6 株券等の取得に関する許可等」のとおり、SBIHDらは、それぞれ金融庁長官に対して、本公開買付けによる株式取得に関して、2021年8月13日付で、銀行法(昭和56年法律第59号。その後の改正を含みます。以下同じです。)に基づき必要となる認可の申請を行い、それぞれ同年9月9日付で各認可を取得しております。
(注) 「所有割合」とは、対象者が2021年9月3日に提出した「自己株券買付状況報告書(法第24条の6第1項に基づくもの)」(以下「対象者自己株券買付状況報告書」といいます。)に記載された2021年8月31日現在の対象者の発行済株式総数(259,034,689株)から、対象者が所有する同日現在の自己株式数(48,724,159株)を控除した株式数(210,310,530株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、別途の記載がある場合を除き、比率の計算において同様に計算しております。)をいいます。以下同様とします。
SBIHDは、対象者グループ(対象者及び子会社161社(うち株式会社アプラスフィナンシャル、昭和リース株式会社、新生フィナンシャル株式会社及び新生インベストメント&ファイナンス株式会社等の連結子会社88社、非連結子会社73社)、及び関連会社39社により構成される企業集団(会社数は2021年3月31日現在)を指し、以下「対象者グループ」といいます。)が有するカードローンをはじめとする消費者金融関連ビジネス、ストラクチャードファイナンスビジネス、クレジット投資、プライベートエクイティ投資をはじめとする対象者グループの主力事業である事業分野を高く評価しており、SBIHDグループ及び対象者グループ(以下「両グループ」といいます。)の経営資源を有機的に組み合わせることができれば顧客の利便性向上につながり、両グループの企業価値向上を図ることができると考えたことから、下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「① 本公開買付けの目的及び背景」の「ウ 本公開買付けを実施する理由」のとおり、2019年4月2日より対象者株式の市場買付けを開始するとともに、2019年8月に対象者との資本業務提携の可能性について検討を開始し、対象者に対して継続的に資本業務提携に関する提案を行ってきましたが、地方創生に関する提携については一定の進展が見られたものの、証券業務を含む両グループのシナジーの発揮が期待できる分野に関する提携については対象者から前向きな回答を得られず、現在に至っております。
こうした中で、SBIHDらは、下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「① 本公開買付けの目的及び背景」の「ウ 本公開買付けを実施する理由」のとおり、対象者においては2016年3月期以降ほとんどの事業年度において対象者公表の計画値が未達であり、実質業務純益及び親会社株主に帰属する当期純利益においては減少傾向が続いているものの、対象者の経営陣はかかる状況に対し抜本的な対応策を講じていないと考えております。また、SBIHDらは、対象者の意思決定の適切性や機動性が欠如している一因は、取締役会メンバーの中には、特定の外資系証券会社等、社外取締役の出身母体に偏りがあるように見受けられる面もあるなどの対象者の役員体制にあるものと考えておりますが、自発的に役員体制を見直し、ガバナンス機能の回復に努めることを対象者に期待することは難しい状況にあると考えております。
こうした状況を踏まえ、SBIHDらは、①対象者の主要株主としての立場から、対象者の業績を改善し、企業価値を回復・向上すべく、適切な施策を早期に実施することが急務であると判断するに至り、②かかる施策の早期実施のためには、(ⅰ)対象者株式の所有割合を高めて対象者をSBIHDの連結子会社とし、現状の所有割合では実現できていない対象者との真摯な議論を通じて対象者グループとの事業上の提携関係を構築・強化する必要があるとともに、(ⅱ)対象者の役員の全部又は一部を変更し、最適な役員体制を実現することを可能とする議決権を確保する必要があると判断し、また、(ⅲ)本公開買付けによって、公開買付者が、上記(ⅰ)及び(ⅱ)の目的を達成するために必要な対象者株式を取得できない場合でも、将来的な上記(ⅰ)及び(ⅱ)の目的達成に向けて、公開買付けにより対象者株式の所有割合を機動的に高めておくことが望ましいと判断した上で、SBIHDらは、本公開買付けを実施することを決定いたしました。なお、SBIHDらは、両グループの事業上の連携がシナジー効果を生み両グループの企業価値向上に繋がると考えております(両グループの事業上の連携により期待されるシナジーの詳細については、下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「① 本公開買付けの目的及び背景」の「ウ 本公開買付けを実施する理由」をご参照ください。)。
SBIHDらは、かかる本公開買付けの目的を踏まえて、本公開買付けにおける買付予定数の上限を、①投資金額の合理性の観点からは、SBIHDが採用する国際会計基準に照らし、対象者が連結子会社になりうる水準(注)を超える対象者株式を取得する必要は必ずしもないこと、②本公開買付けの結果、SBIHDらの現所有分を加味した議決権割合が50.00%を超える場合、SBIHDが銀行持株会社となることについての銀行法第52条の17第1項に定める内閣総理大臣の認可(以下「銀行持株会社認可」といいます。)を含む各種法令上の許可等の取得が必要となりうることを勘案すると、本書提出日現在においては、議決権割合が50.00%を超えない範囲で対象者株式の所有割合を速やかに高めるのが望ましいと考えられたことから、58,211,300株(所有割合にして27.68%、SBIHDらの現所有分を加味した所有割合にして48.00%)に設定しております。本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の上限58,211,300株を超える場合には、その超える部分の全部又は一部の買付け等を行わないものとし、法第27条の13第5項及び府令第32条に規定するあん分比例の方式により、株券等の買付け等に係る受渡しその他の決済を行います。なお、SBIHDらは、本公開買付けにより(ⅰ)対象者をSBIHDの連結子会社とすること及び(ⅱ)対象者の役員の全部又は一部を変更し、最適な役員体制を実現することを可能にする議決権を確保することを企図しているところ、本公開買付けによって、公開買付者が、上記(ⅰ)及び(ⅱ)の目的を達成するために必要な対象者株式を取得できない場合でも、SBIHDらは、将来的な上記(ⅰ)及び(ⅱ)の目的達成に向けて、対象者株式を可能な限り取得しておきたいという意向を有しており、また、公開買付者による本公開買付けについて、対象者の一般株主が対象者のガバナンスの改善及びSBIHDグループとの事業上の連携を通じたシナジー効果による株価上昇による利益を享受するまでには一定の時間を要するところ、対象者株主に対して十分な情報に基づく適切な判断機会を提供した上で、本公開買付けに応募し対象者株式の売却を希望される対象者の株主の皆様に対して売却機会を提供することが、対象者株主の利益確保の観点から適切と考えたことから、本公開買付けにおいては買付予定数の下限を設定しておりません。したがって、応募株券等の総数が買付予定数の上限(58,211,300株)以下の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行います。また、本公開買付けによって、公開買付者が、上記(ⅰ)及び(ⅱ)の目的を達成するために必要な対象者株式を取得できなかった場合には、下記「(3)対象者株式の追加取得の予定の有無」のとおり、SBIHDらは、上記(ⅰ)及び(ⅱ)の目的達成に向けて必要な範囲で、市場内取引その他の方法により対象者株式を追加で取得することを予定しておりますが、その手法、条件、実施時期及び適否について本公開買付け成立後の市場株価の動向、対象者や対象者の他の株主その他の関係者との協議状況、SBIHDらにおける資金調達の可否等を踏まえて決定した上で、取得する方針です。
なお、対象者の総議決権数に変動が生じたことによって、本公開買付けによる買付け等の後においてSBIHDらが所有する対象者株式に係る議決権割合が50.00%を超えるおそれが生じた場合には、銀行持株会社認可を含む各種法令上の許可等を取得することが必要となりうることから、当該議決権割合が50.00%を超えるおそれを払拭するために必要な限度で、対象者株式を速やかに処分することを検討する可能性があります。
(注) SBIHDが採用する国際会計基準においては、実質的な支配力をベースにして連結判定をしております。そのため、SBIHDが対象者を連結子会社化するために必要な議決権割合については、SBIHDの監査法人と協議の上で、主に対象者の過去の株主総会における議決権行使割合及び他の議決権保有者の保有の規模及び分散状況などを参考の上で判断しております。
また、本書提出日時点において、SBIHDらは、対象者との間で本公開買付けに関する事前の協議を行っておらず、対象者が本公開買付けに賛同するか否かは確認できておりませんでした。本書提出日までに、SBIHDらが対象者との間で本公開買付けに関する事前の協議を行わなかったのは、①下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「① 本公開買付けの目的及び背景」の「ウ 本公開買付けを実施する理由」の「(ア)本公開買付けに至る経緯」のとおり、SBIHDは、対象者に対して継続的に資本業務提携に関する提案を行ってきましたが、地方創生に関する提携については一定の進展が見られたものの、証券業務を含む両グループのシナジーの発揮が期待できる分野に関する提携については対象者から前向きな回答を得られておらず、また、これまでの対象者の対応に鑑みて進展が得られるとは見込めない状況であったことから、SBIHDらが対象者との間で本公開買付けに関する事前の協議を改めて申し入れても、前向きな協議が実現するとは見込まれなかったことや、②事前の協議を行った場合、未確定の情報の漏洩により市場株価が乱高下する状況を招く可能性があることを踏まえたものです。かかる観点から、SBIHDらとしては、本公開買付けに対する賛同を得るために対象者との間で協議を行っていくよりも、本公開買付けを直ちに実施することの方が、対象者グループ及びSBIHDグループ双方の企業価値向上との関係で望ましいと判断し、本公開買付けの開始を決定しております。
その後、2021年9月17日、対象者より、「SBI地銀ホールディングス株式会社からの当行株式を対象とする公開買付けの開始を受けた、株主意思確認を必須前提とする買収防衛策の導入に関するお知らせ」、「SBI地銀ホールディングス株式会社による当行株式に対する公開買付けに関する意見表明(留保)のお知らせ」、及び「臨時株主総会招集及び新株予約権無償割当てに係る基準日設定に関するお知らせ」(総称して以下「9月17日付対象者プレス」といいます。)において、本公開買付けに対する意見の表明を留保すること、対象者において本公開買付けを受けて買収防衛策(以下「対象者買収防衛策」といいます。)を導入したこと、対象者買収防衛策に基づき一定の条件の下で株主総会による承認を前提に新株予約権の無償割当てがなされうること、等が取締役会で決議されたこと、が公表されました。また、同日、本公開買付けに関し意見表明報告書が提出され、本公開買付けに関してSBIHDらに対する質問がなされるとともに、対象者より、同日付「公開買付期間終了日の延長の要請」と題する書面(以下「9月17日付対象者書面」といいます。)を受領し、対象者買収防衛策に基づく対象者の株主意思確認総会の開催の確実を期すために、2021年9月30日の正午までに本公開買付けの公開買付期間を2021年12月8日まで延長することを要請されました。
前記のとおり、SBIHDらは、本公開買付けによる対象者株式の取得及び必要な範囲での対象者株式の追加取得により、①対象者をSBIHDの連結子会社とし、SBIHDグループと対象者グループの間の事業上の提携関係を構築・強化すること、及び②対象者の役員の全部又は一部を変更し、最適な役員体制を実現することが、対象者の企業価値を回復・向上することに繋がり、対象者の株主の皆様、従業員の皆様、預金者及び取引先の皆様等、幅広いステークホルダーの皆様の利益に資するものと考えております。
また、対象者の株主の皆様が本公開買付けに対して理解をいただけるか否かについては、本来本公開買付けに対する応募判断によってなされるべきであり、また、本公開買付けに際しては、それが成就した場合における対象者の企業価値の回復・向上に向けた方針も、対象者の株主の皆様が十分にご理解できるよう、本書において明確に開示されていることから、対象者による上記対応は、対象者の経営陣の保身により本公開買付けに応募し売却を希望される対象者の株主の皆様から売却機会を奪うことになりかねない、若しくは無益に時間稼ぎを行うに過ぎない、対象者の株主の皆様の利益を著しく損なうものであると受け止めざるを得ず、大変遺憾に思います。
なお、本公開買付けにおける買付け等の期間については当初から30営業日と、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、公開買付期間を比較的長期に設定しており、対象者の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会が既に確保されていることに加え、対象者の株主の皆様のご判断に必要な情報は、本書における開示内容に加え、法第27条の10第11項及び令第13条の2第2項に従い、対象者から提出された意見表明報告書に添付された公開買付者に対する質問事項について、公開買付者が2021年9月28日付で提出した法第27条の10第11項及び府令第25条第3項に規定される対質問回答報告書(以下「9月28日付対質問回答報告書」といいます。)の記載内容によって、十分にご提供できるものと考えております。したがって、適法かつ十分な公開買付期間を確保しているにもかかわらず、対象者が同期間の延長を求めていることは単なる時間稼ぎとしか考えられず、時間軸の観点からも対象者の株主の皆様の利益を著しく損なうものであると考えております。
対象者による上記対応は、対象者の株主の皆様にとってのプレミアムを加えた価格での売却機会や本公開買付けに賛同いただける対象者の株主の皆様にとってのシナジーの価値享受の機会を奪うことになりかねないものであり、SBIHDらの2021年9月17日付「株式会社新生銀行株式(証券コード:8303)に対する公開買付けに関して」において公表したとおり、SBIHDらとしては、買収防衛策に基づく新株予約権の無償割当の差止めを求める仮処分の申立て、対象者の取締役の善管注意義務違反を問う法的措置に加え、本公開買付けの成否にかかわらず、臨時株主総会の招集請求又は対象者が開催する株主総会における株主提案を行い、対象者の企業価値の回復・向上に向けて現取締役の構成を刷新すべく取締役選任議案等を提案することを検討しております。また、今後、既存株主の持株比率を低下させるような第三者割当増資や、第三者との経営統合等の経営陣の保身のために実施される対抗策が発表される場合には、本公開買付けの撤回を含む様々な対応を検討せざるを得ないこととなりますが、その結果として、対象者の株主の皆様にとってのプレミアムを加えた価格での保有株式の売却機会や賛同いただける対象者の株主の皆様にとってのシナジーの価値享受の機会が失われることになる可能性があると考えております。
SBIHDらは、対象者の企業価値回復・向上に関する上記の考えにつき、対象者の株主の皆様をはじめとした各ステークホルダーの皆様にご理解いただけるよう対象者からの質問に対して2021年9月28日に回答いたしました。回答内容の詳細については9月28日付対質問回答報告書をご参照ください。
また、SBIHDらは、公開買付者の2021年9月24日付「株式会社新生銀行(証券コード:8303)からの「公開買付期間終了日の延長の要請」に対する当社の対応について」において公表したとおり、9月17日付対象者プレス及び9月17日付対象者書面の内容を検討した結果、同月24日付で9月17日付対象者書面に対する回答書(以下「9月24日付SBIHDら回答書」といいます。)及び対象者に対する質問を対象者に送付しました。
9月24日付SBIHDら回答書において、前記のとおり、SBIHDらは、今回のSBIHDらによる本公開買付けによるご提案は、対象者の株主の皆様、従業員の皆様、預金者及び取引先の皆様等、幅広いステークホルダーの皆様の利益に資するものと確信していること、対象者株主の皆様が本公開買付けに対してご理解をいただけるか否かについては、本来本公開買付けに対する応募判断によってなされるべきであり、本書や9月28日付対質問回答報告書における情報提供を通じて対象者株主の皆様が本公開買付けに対する応募の是非を判断するために必要十分な情報を提供することに加え、公開買付期間も法令に定められた最短期間である20営業日よりも長期である30営業日に設定しており、対象者株主の皆様の十分な検討期間を確保していること、本公開買付けに対して対象者が対象者買収防衛策を導入すること自体が不当であり、対象者買収防衛策は対象者経営陣が自己保身のために導入したものである疑いが強いものと考えており、対象者買収防衛策の適法性については引き続き検証していることを対象者に伝えております。また、対象者による公開買付期間の延長要請に対して、SBIHDらは、対象者買収防衛策が対象者経営陣の自己保身のために不当に利用され、かえって対象者の企業価値ないし株主の皆様の共同の利益が毀損される事態にならないよう強く求める所存であり、対象者がSBIHDらによる公開買付期間の延長を行うための期限として要請してきた2021年9月30日の2営業日前である2021年9月28日までに、対象者において、①対象者株主の皆様がSBIHDらによる本公開買付けに応募するかを判断する上で重要性の低い追加質問等は行わず、いたずらに検討期間を延ばさないこと、②対象者取締役会が対抗措置の発動について株主意思確認総会で賛否を問う場合には、本公開買付けが「企業価値および会社の利益ひいては株主の共同の利益を著しく毀損する」と判断される具体的な根拠を説明すること、③株主意思確認総会を開催するとしても、実務上可能な限り最短のタイミングで開催すること、④株主意思確認総会を開催するとしても、公正な形で開催すること、という対象者の全ての株主の保護と株主利益に資する4つの項目の遵守を対象者のプレスリリースにて公表した場合においては、公開買付期間を2021年11月24日まで(50営業日まで)延長する旨を表明しつつ、当該4つの項目のうち遵守をお約束いただけない項目がある場合には、2021年9月28日までにその理由について明確かつ詳細にご説明いただきつつ、対象者のプレスリリースにて公表いただくよう要請しておりました。当該4つの項目の詳細を含む9月24日付SBIHDら回答書の内容及び対象者に対する質問の詳細については、SBIHDらが2021年9月24日付で公表した「株式会社新生銀行(証券コード:8303)からの「公開買付期間終了日の延長の要請」に対する当社の対応について」をご参照ください。なお、SBIHDらは、本公開買付けに対して対象者が対象者買収防衛策を導入すること自体が不当であり、対象者買収防衛策は対象者経営陣が自己保身のために導入したものである疑いが強いものと引き続き考えておりますが、①対象者株主の判断に必要な情報が対象者から開示されず、不公正・不適切な形で株主意思確認総会が開催された場合には、歪められた株主の意思に基づき対抗措置が発動されてしまうおそれも否定できず、その場合、本公開買付けの目的が達成できず、かえって対象者株主の皆様を含む対象者の全てのステークホルダーの皆様の利益が害されることになることや、②対象者により不必要な時間稼ぎが行われた場合には、本公開買付けに応募して早期にその保有する対象者株式を売却することや本公開買付けの早期完了を通じた対象者グループとSBIHDグループとの事業上の連携等による対象者の企業価値の回復・向上の早期発現を望まれている対象者株主の利益が害されることとなることを踏まえ、このような事態を避けるべく、対象者がいずれにせよ株主意思確認総会を開催する意向であるということであれば、対象者株主の判断に必要な情報が適切に開示された上で、公正かつ適切な形で早期に開催されるべきであると考え、この点を確保するために上記4つの項目を遵守いただくことを前提に上記の範囲で公開買付期間の延長に応じることを提案しておりました。そして、2021年9月28日までに対象者において合理的な理由なくSBIHDらが求める対応を行わない場合には、SBIHDらは公開買付期間の延長を行わない予定でおりました。
これに対して、対象者は、2021年9月27日に公表した「当行からの公開買付期間の延長要請に対するSBI地銀ホールディングス株式会社からの回答状況に関するお知らせ」において、SBIHDらの提示した4つの項目についていずれも遵守することを拒否ないしは態度を明確にしない、という対応をとる一方、公開買付期間を60営業日とするという公開買付者に対する延長要請を引き続き維持するとしています。
かかる対象者の対応を踏まえ、SBIHDらは、対象者買収防衛策は対象者経営陣が自己保身のために導入したものである疑いがより一層強くなったものと考えており、対象者買収防衛策が対象者経営陣の自己保身のために不当に利用され、かえって対象者の企業価値ないし株主の皆様の共同の利益が毀損される事態にならないよう引き続き強く求める所存ですが、対象者がSBIHDらが求める対応を行わないことにつき合理的な理由が認められないものの、対象者が一方的に提示した期限内にSBIHDらが公開買付期間の延長に応じないことをもって、対象者によって対象者買収防衛策に基づく対抗措置の一部が暫定的に発動される可能性があることから、対象者の株主をはじめとしたステークホルダーの皆様に無用な混乱を生じさせないためにも、止むを得ず対象者からの要請に応じ、2021年9月29日付で、公開買付期間の終了日を2021年12月8日まで延長することを決定しました。
なお、SBIHDらは、9月28日付対質問回答報告書の中でも、対象者の全ての株主の利益の保護のため、対象者に対し、上記4つの項目の遵守を改めて強く要請しております。とりわけ、対象者が株主意思確認総会を行う場合において、これが不公正な形で開催されると、株主の意思が歪められ、かえって対象者株主の利益が害されることになりますので、このような事態にならないよう、株主意思確認総会を開催するとしても、株主意思確認総会は公正な形で開催することをお約束いただくことは極めて重要であり、例えば、9月17日付対象者プレスでも既に明らかにされていますが、株主意思確認総会における決議は会社法上の普通決議によることとし、決議要件の基礎からSBIHDらを外すことや、株主意思確認総会の基準日までに、対象者株主その他の者に対象者株式を取得するよう要請したり働き掛けたりすること等、対象者の株主全体の意思が株主意思確認総会において公正に反映されないこととなるような行為を行わないことを引き続き対象者に強く要請してまいります。
また、SBIHDらとしては、対象者の買収防衛策上、SBIHDらが公開買付期間の延長に応じた場合には、対象者取締役会が本公開買付けが「企業価値および会社の利益ひいては株主の共同の利益を著しく毀損する」と判断する場合に限って対抗措置の発動について株主意思確認総会の賛否を問う形になっているものと理解しております。本書に既に記載し、また、9月28日付対質問回答報告書において追加で情報提供した、本公開買付けが成就した場合における対象者の企業価値の回復・向上に向けた具体的な方策や少数株主の皆様の保護のための具体的な方策の内容等を踏まえれば、そもそも本公開買付けが「企業価値および会社の利益ひいては株主の共同の利益を著しく毀損する」ものでないことは明白と考えておりますが、万が一、対象者取締役会が本公開買付けが「企業価値および会社の利益ひいては株主の共同の利益を著しく毀損する」ため本公開買付けに対して対抗措置を発動すべきであると判断し、株主意思確認総会の開催を決議される場合は、そのように判断する具体的な根拠を明確かつ詳細にご提示いただくよう、併せて引き続き要請してまいります。
さらに、SBIHDらは、9月17日付対象者書面に対し、9月24日付SBIHDら回答書内において、SBIHDらのみならず対象者の全ての株主の保護と株主利益に資する3つの質問項目(以下「9月24日付SBIHDら質問項目」といいます。)を対象者に対して提示しておりますが、これに対し対象者は2021年9月27日付の「当行からの公開買付期間の延長要請に対するSBI地銀ホールディングス株式会社からの回答状況に関するお知らせ」において、「公開買付者らは一方的に短期間の回答期限を設定していますが、株主の皆様によるご検討・ご判断に資するという観点からは、公開買付けにおける手続き外で回答を行うのではなく、公開買付けにおける法定の手続に従い公開買付者から当行の質問に対する回答を受領した後、その内容とも合わせ、当行取締役会が本公開買付けを検討・評価し最終的な意見を取りまとめるにあたって、貴重なご指摘として参考にさせていただきます」として迅速に回答する姿勢を見せておりません。かかる姿勢は、十分な時間と情報を確保するために公開買付期間を延長することを要請してきた対象者の考えと矛盾するものと考えております。また、当該質問の対象は、対象者経営陣としてこれまでに十分議論・検討していることが当然の事項であり、そのため回答に時間を要するものではないと思われるところ、回答期限はSBIHDらが対応した法定の回答期限である5営業日と同じ期間であり、さらに質問数が3問に留まることも考慮すると、回答期限までに回答されない合理的な理由はないように思われます。加えて対象者が9月24日付SBIHDら質問項目に対する回答を適時に且つ適切な形で公表されることは、対象者の株主の皆様が、対象者の現経営陣による企業価値向上策とSBIHDらが提案する施策のいずれが対象者の全てのステークホルダーの皆様にとって望ましいものであるかについて適切なご判断を下していただくという観点で、対象者の株主を含むすべてのステークホルダーの皆様の利益に適うものと確信しており、こちらにつきましては、2021年9月24日付SBIHDら回答書でお願いしたとおり、2021年10月1日正午を目途にご回答いただくよう、対象者に強く要請してまいりました。
また、9月17日付対象者プレスにおいて示された、対象者が対象者買収防衛策に係る対抗措置を発動する場合に割り当てられる甲種新株予約権及び乙種新株予約権1個あたりの目的となる株式の数について、対象者が2021年9月24日に提出した訂正発行登録書に係る添付書類の「自己株券買付状況」に記載された対象者の同月22日時点の対象者の発行済株式総数(259,034,689株)及び対象者が所有する同日時点の自己株式数(50,393,559株)を前提とすると、対象者の株主(自己株式を除く)の皆様が保有する対象者株式(208,641,130株)に対して1株当たり対象者株式1株が交付されると対象者の発行済株式総数が対象者の発行可能株式総数(4億株)を超えてしまうため、株主総会における特別決議による発行可能株式総数を変更する旨の定款変更を経ることなく新株予約権1個につき目的となる株式1株の割当は不可能であるとSBIHDらは考えております。対象者が対象者買収防衛策に基づく対抗措置を発動する場合に割当を予定している甲種新株予約権及び乙種新株予約権1個あたりの目的となる株式の数は、対抗措置の発動に伴いSBIHDらに発生する影響の程度を把握するだけでなく、本公開買付けに応じるかを判断する上で対象者の株主の皆様にとって重要な情報となることから、9月28日付対質問回答報告書において、新たに対象者に対し、当該甲種新株予約権及び乙種新株予約権1個あたりの目的となる株式の数を、明確かつ早急にお示しいただくよう要請しております。
なお、SBIHDらは、本書において、既に対象者の株主の皆様が本公開買付けの応募を判断する上で十分な形で情報提供をしておりますが、対象者が2021年9月17日付で提出した意見表明報告書における大量の質問に対しても、真摯に検討の上、9月28日付対質問回答報告書の中で合理的な範囲で最大限具体的且つ詳細に回答を行い、また、追加的な情報提供も行いました。そのため、対象者の株主の皆様を含む幅広いステークホルダーの皆様には、対象者の企業価値の回復・向上に関するSBIHDらの具体的な施策について十分ご理解いただけるだけの情報提供を尽くしたものと考えております。他方で、対象者の株主の皆様に、対象者の現経営陣による企業価値向上策とSBIHDらが提案する施策のいずれが対象者の全てのステークホルダーの皆様にとって望ましいものであるかについて適切なご判断を下していただく上では、9月24日付SBIHDら質問項目に対する対象者の回答を通じて対象者の現経営陣に自らの企業価値向上策をお示しいただくことが必須であり、これが果たされれば、対象者の株主の皆様がSBIHDらの本公開買付けの提案を支持するかどうか判断するための素地は整うと考えております。また、上記のとおり、SBIHDらは、公開買付期間の終了日を2021年12月8日まで延長することを既に決定しておりますので、対象者の株主の皆様の熟慮期間の確保という点も、対象者の希望どおりに実現することが確定しております。さらに、SBIHDらは、本書において示していた本公開買付け成立後の少数株主の皆様の保護の方策に加えて、9月28日付対質問回答報告書の中で、新たに本公開買付けの成立後のガバナンス体制として独立社外取締役が取締役総数の過半数となる体制を確保しつつ、本公開買付けにより対象者がSBIHDの連結子会社となった場合には、SBIHDグループと対象者との取引に関しては、対象者においてSBIHDグループから独立した委員からなる特別委員会を設け、同委員会において事前の審査及び事後のモニタリングを行うことで利益相反管理体制に遺漏無きを期すという立場を明らかにしており、かかる徹底した利益相反管理体制を通じて、本公開買付け後においても、対象者の少数株主の皆様の利益は適切に保護されることが明らかであると考えております。このような状況を踏まえますと、SBIHDらは、対象者買収防衛策は既にその目的を失っていると考えておりますが、それでもなお対象者が対象者買収防衛策を維持し、対抗措置を発動する可能性を示唆する場合には、対象者買収防衛策が対象者経営陣の自己保身のために導入されたものであるとの疑いがより一層明らかとなり、対象者買収防衛策の適法性には強い疑問を抱かざるを得ないと考えております。
SBIHDらとしては、上記で一部記載しておりますとおり、対象者が2021年9月17日付で公表した「SBI地銀ホールディングス株式会社からの当行株式を対象とする公開買付けの開始を受けた、株主意思確認を必須前提とする買収防衛策の導入に関するお知らせ」によると、SBIHDらが公開買付期間の延長に応じた場合には、対象者の取締役会が本公開買付けが「企業価値および会社の利益ひいては株主の共同の利益を著しく毀損する」と判断する場合に限って対抗措置の発動について株主意思確認総会の賛否を問う形になっているものと理解しております。SBIHDらは本書において、対象者の企業価値の回復・向上に関する具体的な施策について、既に対象者の株主の皆様が十分にご理解できる形で情報提供をしておりますが、さらに対象者の質問に対して9月28日付対質問回答報告書において追加で情報提供いたしました。一方で、対象者の株主の皆様が、対象者による対象者買収防衛策の導入及びこれに基づく対抗措置の発動に賛成し本公開買付けを阻止するか否かを判断するためには、2016年3月期以降の対象者の過去業績がほとんどの事業年度において公表された計画値に対し未達となっていることや、巨額の公的資金が注入されてから20年以上経過しても返済されていないことについて、その要因をどのように分析し、かつ返済に向けてどのような対策をこれまで講じてきたのか、また今後講じようとしているのか、さらに対象者の経営陣が現時点で考えている企業価値向上策についての詳細情報についても同様に提供されるべきであり、これらを踏まえて対象者の現経営陣による企業価値向上策とSBIHDらが提案する施策のいずれが、対象者の全てのステークホルダーの皆様にとって望ましいものであるかを対象者の株主の皆様にご判断いただく必要があると引き続き考えております。
9月24日付SBIHDら回答書内において、対象者に対して提示した質問の趣旨は、上記のとおり、対象者の経営陣が考える対象者の企業価値向上策についてより具体的かつ詳細にご説明いただくことであり、当該質問に適切にご回答いただくことが、対象者の株主の皆様が適切なご判断を下すためには必須であると確信しております。
そのような中で、対象者は、2021年10月21日付で、「SBI地銀ホールディングス株式会社による当行株式に対する公開買付けに関する意見表明(反対、但し賛同のための条件を提示)のお知らせ」及び「SBI地銀ホールディングス株式会社からの当行株式を対象とする公開買付けに関する臨時株主総会の開催に関するお知らせ」(総称して以下「10月21日付対象者プレス」といいます。)を公表し、(ア)本公開買付けに対して反対の意見を表明すること、但し、(イ)2021年11月19日までに、以下の賛同要件が満たされた場合(具体的には、SBIHDらが賛同要件①及び②の遵守を表明し、対象者とSBIHDらが賛同要件①及び②を盛り込んだ覚書を締結した場合)は賛同の意見の表明をすること(但し、対象者株主の共同の利益の最大化にとってより資すると対象者が考える第三者からの提案が存在する場合を除く。)を取締役会で決議したことを公表しました。
<賛同要件>① 本公開買付けについて買付予定数の上限のない公開買付けとすること(又は、買付予定数の上限及び下限のない公開買付け(以下「第2回公開買付け」といいます。)を2022年6月8日(又は、SBIHDらとの協議の上、2022年6月8日以降の日で対象者が指定する日)までに開始すること)
② 本公開買付価格(下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「① 本公開買付けの目的及び背景」の「ウ 本公開買付けを実施する理由」の「(ウ)本公開買付けを実施するに至った理由」にて定義しております。)(第2回公開買付けが開始する場合には当該公開買付けにおける公開買付価格を含む。)を、対象者取締役会がフィナンシャル・アドバイザーの価値算定結果等に照らし対象者の本源的価値を反映した価格であると評価・判断できる水準まで引き上げること
また、10月21日付対象者プレスにおいては、上記に加えて、対象者が、対象者買収防衛策に基づく対抗措置としての新株予約権の無償割当て(以下「本新株予約権無償割当て」といいます。)に関して、対象者の株主の総体的な意思を確認するための臨時株主総会(すなわち、対象者買収防衛策上の株主意思確認総会)を開催すること(注)、但し、上記の賛同要件①及び②が、株主意思確認総会の開催日の3営業日前(2021年11月19日)までに充足される場合(具体的には、SBIHDらが賛同要件①及び②の遵守を表明し、対象者とSBIHDらが賛同要件①及び②を盛り込んだ覚書を締結した場合)、対象者は、本新株予約権無償割当てを行わないこと、及びそれに伴い株主意思確認総会の開催を中止することとする(但し、対象者株主の共同の利益の最大化にとってより資すると対象者が考える第三者からの提案が存在する場合を除く。)旨、並びに、対象者としては、上記株主意思確認総会においては、SBIHDらによる議決権の行使についても、これを受け付ける予定である旨が公表されました。2021年10月21日付で対象者が提出した本公開買付けに対する意見表明報告書の訂正報告書においても、上記の10月21日付対象者プレスの内容と同様の内容が記載されております。
(注)10月21日付対象者プレスにおいて、対象者は、上記株主意思確認総会を2021年11月25日に開催し、その目的事項(上記臨時株主総会における決議事項)を本新株予約権無償割当ての件とすることを公表しています。
10月21日付対象者プレスによると、対象者取締役会は、本公開買付けは実質的な支配権の取得を企図していながら買付数に上限のある部分買付けであり、残存株主に不利益が生じるおそれがあること、及び本公開買付価格は、プレミアムを加重平均した場合には低水準であり、また対象者の本源的価値を反映した価格と考えられないことから、本公開買付けに反対する旨を決議したとのことです。
しかしながら、SBIHDらは、総合金融サービスを営んでいる企業であり、事業上のシナジー効果を発揮することを通じて、対象者株主として対象者の企業価値の回復・向上を図るという正当な目的を有しております。また、SBIHDらは、本書や対象者からの質問事項への回答等を通じて、本公開買付け成立後の対象者の具体的な企業価値向上策を示しており、また、SBIHDらが、かかる対象者の企業価値向上策を実際に実現できる能力を十分に有していることは、SBIHDグループが、長年に亘り総合的な金融サービスを手がけ、実績を出している事業会社グループであることや過去のSBIHDグループと金融機関との資本提携の実績に照らしても明らかであると考えております。上記に加え、銀行法上のアームズ・レングス・ルール等の厳格な規制や、本書や9月28日付対質問回答報告書で明示している本公開買付け成立後の利益相反管理体制を備えることにより、対象者の少数株主の皆様の保護を図る予定であり、対象者株主の皆様の利益は十分に確保されると確信しております。したがって、SBIHDらとしては、対象者の主張するような、本公開買付け成立後に残存する少数株主の皆様に不利益が生じるおそれはそもそも存在せず、本公開買付けが対象者の企業価値及び対象者の利益ひいては対象者の株主共同の利益を毀損するものではないことは明白であると考えております。
そもそも、日本における公開買付制度上、買付後の所有割合に上限を設けることは許容されており、当該上限を付したことのみをもって本公開買付けの正当性を否定することは、日本における公開買付けの制度そのものを否定することになると、SBIHDらは考えております。本公開買付けにおいて上限設定が必要となる理由は、本書に記載のとおり、投資金額の合理性の観点から、SBIHDが採用する国際会計基準に照らし、対象者が連結子会社になりうる水準を超える対象者株式を取得する必要は必ずしもないこと、及び、上限設定をしない場合、SBIHDが銀行持株会社となることについて銀行法上の許可等が必要となり、対象者株式の所有割合を速やかに高め、経営刷新を図ることが難しくなることにあり、恣意性のない正当なものと、SBIHDらは考えております。したがって、賛同要件①について、SBIHDらとして、本公開買付けにおける上限設定の撤廃は受け入れることはできません。
また、対象者株式の過去の推移を踏まえると、本公開買付価格は十分なプレミアム水準を確保しているとSBIHDらは考えており、賛同要件②について、SBIHDらとしては本公開買付価格を引き上げるつもりはありません。
SBIHDらとしては、本公開買付けは、本公開買付価格に反映されたプレミアムを直ちに享受されたい対象者の株主の皆様には本公開買付けに応募することでかかるプレミアムを享受する機会を提供し、SBIHDらと共に本公開買付け成立後の対象者の企業価値の向上による利益を享受されたい対象者の株主の皆様には本公開買付けには応募せずかかる利益を享受する機会をご提供するものであると考えております。
したがって、SBIHDらとして、対象者が示す賛同要件①及び②が充足される形で本公開買付けを実施する予定はありません。
以上を踏まえると、対象者が本公開買付けに反対の意見を表明し、対象者買収防衛策に基づく対抗措置の発動を決議する株主意思確認総会を開催することは、対象者の株主の皆様に必要のない混乱を招くものとSBIHDらは考えております。にもかかわらず、対象者が株主意思確認総会を開催する場合には、SBIHDらは、2021年11月25日に予定されている対象者の株主意思確認総会(以下「本件株主意思確認総会」といいます。)において、対象者が提案する「新株予約権の無償割当ての件」(以下「買収防衛策関連議案」といいます。)に反対の議決権を行使する予定です。なお、SBIHDらは、本件株主意思確認総会において買収防衛策関連議案が否決された場合には、当該事実の発生に伴い必要となる本書に係る訂正届出書を提出の上で法令上可能な最短の公開買付期間の満了をもって、本公開買付けを終了し、応募株券等の決済を行う予定です。他方で、株主意思確認総会において買収防衛策関連議案が可決・承認された場合は、SBIHDらとして、買収防衛策関連議案に対する対象者株主の皆様の賛否の状況や、対象者における誤った情報発信の有無・状況、株主意思確認総会の手続に適正を欠く点がないかなどの検討を踏まえて、本新株予約権無償割当ての差止めを求める仮処分命令の申立てその他の対象者買収防衛策の効力を争う法的措置(以下「本法的措置」といいます。)を講じることも検討しておりました。また、SBIHDらは、①株主意思確認総会において買収防衛策関連議案が可決・承認され、かつ、対象者により本新株予約権無償割当てに係る決定がなされた場合であって、かつ、②(ⅰ)本法的措置を講じないとSBIHDらが判断した場合、又は、(ⅱ)本法的措置に係る手続の状況、裁判所の判断内容その他の事情から、本法的措置によって公開買付期間の末日までに本新株予約権無償割当ての差止め等ができずその効力が発生する見込みであるとSBIHDらが判断した場合には、本新株予約権無償割当ての決定を撤回事由(令第14条第1項第1号カに該当)として、本公開買付けを撤回する方針でおりました。SBIHDらとしては、本書及び9月28日付対質問回答報告書並びにSBIHDらが2021年11月12日付で公表した「預金保険機構からの質問に対する回答について」及び「株式会社新生銀行(証券コード:8303)の買収防衛策に対する議決権行使助言会社のレポート発行を受けた公開買付けに関する補足説明」における開示内容によって、改めて対象者の株主の皆様が本公開買付けを支持するかどうかを判断するために必要な情報を十分に提供できたと考えるに至ったため、同日、SBIHDらとして、これらの開示内容を踏まえて対象者の株主の皆様にご判断いただいた結果として、本件株主意思確認総会において、買収防衛策関連議案が可決され、対象者買収防衛策が発動された場合には、本公開買付けを撤回することを方針とするに至りました。またその場合、SBIHDらが現在保有している対象者株式に関してはマーケットの状況を踏まえ、売却・継続所有を含む様々な選択肢を検討してまいります(なお、現時点では方針は未定です)。
なお、SBIHDらとしては、株主意思確認総会の開催にあたって、対象者の株主の皆様によるご検討・ご判断に資するために必要な情報提供を適時に行うことは対象者経営陣の当然の責務と考えていることから、SBIHDらは9月24日付SBIHDら質問項目について可及的速やかにご回答いただくよう要請してきましたが、10月21日付対象者プレスにおける対象者の回答においては未だ具体的な回答は行われていないと考えておりますので、引き続き対象者に具体的に回答いただくよう求めております。
SBIHDらは、上記の対象者の対応を踏まえると、事業上の提携関係を構築・強化することに向けた前向きな協議を行うためには、本公開買付けを通じて対象者株式の所有割合を高めることが不可欠であると判断していることから、引き続き、対象者との協議については本公開買付け成立後に行うことを予定しております。
さらに、SBIHDらは、2021年11月12日付で「預金保険機構からの質問に対する回答について」を公表し、本公開買付けに関して、2021年11月5日に預金保険機構が公表した、「ご質問書」における3つの質問について回答いたしました。当該3つの質問、及び、それに対するSBIHDらの回答においても記載しているSBIHDらの考えは以下のとおりです。
SBIHDグループは、経営理念の一つとして「金融イノベーター」であることを掲げ、従来の金融のあり方に変革を与え、インターネットの持つ爆発的な価格破壊力を利用し、より顧客便益性を高める金融サービスを提供することを目指しております。下記にてご説明申し上げますとおり、対象者においては、強みのあるプロダクト・サービスを複数抱えているものの、十分な収益化が実現できておらず、この点が市場での評価にも表れているものと考えております。本公開買付けを通じてSBIHDが対象者を連結子会社化することで、対象者がSBIHDグループの銀行事業を率いる中核会社となり、SBIHDグループが有するインターネットを活用したノウハウや経験を十分活用いただき、事業シナジーを発揮して伝統的な銀行モデルから脱却し、ひいては約3,500億円の公的資金返済につなげていただくよう対象者の企業価値向上を図ることが本公開買付けの最大の目的です。あわせて、多様な事業を営むSBIHDグループ各社と連携しながらシナジー効果を発揮し、SBIHDグループ自体の企業価値向上にも資することが可能であると考えております。なお、本書及び9月28日付対質問回答報告書においてもご説明致しておりますように、対象者の独立性及び少数株主の方との利益相反性に関しましては、遺漏無きを期す前提でございます。
<預金保険機構からの質問>1.9月28日付対質問回答報告書別紙37ページ<公開買付者の回答>④において、「SBIHDグループの資本業務提携先を含めた提携先の地域金融機関との連携やその他の地域金融機関との連携については、(中略)地域金融機関との協業を進めることにより、より深く各地域の事業支援や地域経済の活性化にご活躍いただけるものと確信しております。」とあるが、SBIHDらの資本業務提携先の地域金融機関と対象者の協業により両者にどのようなシナジー効果があるのか、特に対象者の企業価値向上の観点からどのような貢献が見込まれるのかお示しいただきたい。
SBIHDグループと対象者は事業ポートフォリオの補完性が高く、ノンバンク機能に強みを有する対象者が商品及びサービスの提供者としてSBIHDグループが各地域金融機関と構成するプラットフォーム・ネットワークに加わり、ノンバンクサービスのニーズはあるが自行にその機能を有していない地域金融機関と協業することで、主として法人業務を中心に、双方に新たな収益獲得の機会をもたらし、対象者の企業価値向上に資すると考えています。対象者においても約9割の地方銀行との取引実績があるとのことではありますが、社会的使命の一つとして地方創生に取り組み、地方創生を推進する地方創生パートナーズ(下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「① 本公開買付けの目的及び背景」の「ア SBIHDらの概要」にて定義しております。以下同じです。)をリードするSBIHDグループは、資本業務提携先に限らず幅広い地域金融機関とのネットワークを有する唯一無二の存在であり、対象者の企業価値向上の観点からは、かかるSBIHDグループの地域金融機関へのネットワークを活用してビジネスにつなげることで、対象者の収益機会を拡大することにつながることになると考えております。
以下に、いくつかの分野で具体的に例示します。
① ストラクチャードファイナンスの強化
本書及び9月28日付対質問回答報告書別紙に記載のとおり、SBIHDらは、対象者においては、不動産、太陽光、バイオマス、海底送電線、風力発電、上場インフラ法人、地熱発電、船舶、ヘルスケアといった多様な資産を対象とするストラクチャードファイナンスを展開できる強みを有しているものと理解しており、また、対象者は、中期経営計画においては、単独でのストラクチャードファイナンスの組成のみならず、地域金融機関等と共同してシニアローンを提供するなど、地域金融機関とのパートナーシップを注力分野の一つとしています。一方で、対象者の当該セグメント利益は2018年度の120億円から2020年度は45億円と大きく減少している状況です。対象者によると、プロジェクトファイナンスや不動産ノンリコースファイナンスは、現在は大手の地方銀行が主たる顧客であるとのことですが、対象者のノウハウ・実績を踏まえると、顧客属性を大手の地方銀行に限定することなく、顧客自身のリスク判断と丁寧な説明を前提としたうえで、更に幅広い地域金融機関に商品提供を行うことができ、これにより対象者にとっても提供できるファイナンスのキャパシティが増大し、収益機会も増えるものと考えております。SBIHDグループの資本業務提携先をはじめとする地域金融機関においては、収益力強化のためかかるシンジケートローン(各種アセットクラスへのファイナンスにおけるシニアローンや、買収ファイナンスにおけるLBOローンなど)への参加ニーズは強く、また、例えば対象者にとって中核事業の一つである不動産ファイナンスにおいても、地域金融機関の顧客が関与している地方の優良不動産へ対象者のファイナンス機能を提供することで、対象者の新たな収益機会に繋がり得ると考えております。このように、SBIHDグループが対象者のプロダクトと資本業務提携先をはじめとする地域金融機関をつなぐことで、双方に収益機会が創出されるものと考えております。
② プリンシパルトランザクションにおける連携
対象者グループのプリンシパルトランザクションズ事業は、中堅・中小企業を対象にプライベートエクイティ業務、事業承継業務などを行っておりますが、そのセグメント利益は2018年度の53億円から2020年度の34億円へと減少傾向です。SBIHDグループにおいても、SBIインベストメント株式会社をはじめとして様々なアセットマネジメント事業を展開しておりますので、投資機会の連携やノウハウの共有等を通じて相互に生産性を向上させることが期待できるとともに、SBIHDグループの資本業務提携先をはじめとする地域金融機関の顧客企業に対する支援策の一つとして、例えば、対象者が地域金融機関の顧客企業のために組成するシンジケートローンへの地域金融機関の参加といった形で、対象者が有する商品・サービス及び資金力が活用できれば、対象者にとっては新たな投資案件となるとともに、地域金融機関にとっては顧客企業の活性化・成長支援につながるという意味で、双方にとって新たな収益機会を生むものと考えております。対象者は、良好なリスクリターンが見込める投資機会は限定的であると述べられておりますが、SBIHDグループは、投資先の発掘力、フルハンズオン型支援体制の構築ノウハウを有しております。例えば、SBIインベストメント株式会社における2021年3月期のディールソーシング実績はソーシング2,350社、デューディリジェンス415社、投資実行78社、2021年9月末までの投資実行累計1,023社と幅広くソーシング(事業会社と共同で設立したコーポレートベンチャーキャピタルファンドを含む)を行っており、成長分野への投資ノウハウや投資先の企業の事業ステージに応じた戦略立案、役員派遣、内部管理体制の構築、海外進出支援等のフルハンズオン形式による積極的な支援を行っておりますので、SBIHDらとの協業を通じて、対象者が有しないSBIHDグループ内の独自の支援体制を活用することが可能となり、企業価値向上につながるものと考えております。
③ リース事業の強化
対象者の連結子会社である昭和リース株式会社は、大手総合リース会社との競合が比較的少ない中堅・中小企業を中心に営業活動を展開し、各メーカー・商社など幅広いサプライヤーと密接な関係を構築していることから相応の競争力がある会社と理解しておりますが、営業資産残高は、2019年度末に5,655億円であるのに対し、2020年度末には5,546億円と減少傾向となっています。当然のことながら優越的地位の濫用とならないようにすると共に、公正な条件とすることを前提に、SBIHDグループの資本業務提携先をはじめとする地域金融機関の取引先へ導入機会を積極的に提供することで、地域金融機関にとっては顧客企業の活性化・成長支援につながるものと考えております。また、SBIHDグループでは航空機や船舶等のオペレーティングリース商品を組成し富裕層向けに提供しており、当該商品を対象者グループの顧客にも提供することで、対象者では取扱商品が拡大し顧客利便性が向上するとともに営業基盤の拡大となり、企業価値向上につながるものと考えております。
④ 事業承継に係るビジネスでの連携
SBIHDグループでは後継者問題を抱える日本国内の中小企業への投資を目的とした事業承継ファンドを設立しております。当該ファンドの出資先及び事業承継問題を抱える地域金融機関の顧客企業に対して、対象者が融資やM&A仲介等のサービスを提供することによって事業承継問題を抱える企業の今後の事業継続と業容拡大を支援することを考えております。これによって対象者と地域金融機関の双方のビジネスの拡大が図ることができるものと期待しております。
このように、SBIHDグループの資本業務提携先をはじめとする地域金融機関と対象者の協業により対象者の企業価値向上に貢献し得ると考えておりますが、SBIHDらにおいてはこれまでの実績としても、SBIHDグループが出資している各地域金融機関において、SBIHDグループからの出資後、以下のとおり業績の改善を実現しております(2020年3月期以前に資本業務提携を行った先)。
<コア業務純益>(注)(単位:億円)
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(注) コア業務純益=実質業務純益-国債等債券損益
なお、SBIHDグループは地域金融機関との「連合構想」を推進しております。また、地方創生を推進するための活動主体として地方創生パートナーズを設立しており、対象者も株主として参画いただいております。対象者に地域金融機関への出資をご検討いただくことは、現時点では想定しておりませんが、地方創生に資する場合、かつ対象者の収益力改善と企業価値向上に資すると考えられる場合で、特に自己資本比率等の財務健全性に支障がなく、対象者の少数株主にとって不利益をもたらさないと対象者の取締役会において判断される場合には、その時点で相手先となる地域金融機関の意向を踏まえて、地域金融機関への出資も一案と考えられます。
<預金保険機構からの質問>2.対象者がSBIHDグループに入ることによってSBIHDグループに生じる企業価値の向上についてどのように考えているかお示しいただきたい。また、その企業価値の向上について対象者の少数株主も利益を享受するために、SBIHDグループ内での対象者の位置づけについて今後のグループ内での資本関係を含めてどのようにお考えかお示しいただきたい。
SBIHDグループは、SBIHD傘下に金融サービス事業、アセットマネジメント事業、バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業にわたる多種多様な事業を抱え、2021年度上半期においては全ての事業セグメントにおける売上高が過去最高を更新するなど、急成長を続ける企業体です。一方で、対象者は、SBIHDグループが有しておらず事業補完が期待できるノンバンク事業に強みを持ち、フルバンキングで幅広いプロダクトを有するため、対象者にはSBIHDグループの中核銀行として、多様な事業を営むSBIHDグループ各社と連携しながら各機能を提供いただき、シナジー効果を通じてSBIHDグループの企業価値の向上につながることを想定しております。
すなわち、本公開買付けによる対象者株式の追加取得により、対象者が連結子会社としてSBIHDグループに入ることで、対象者グループとSBIHDグループの経営資源の有機的結合が実現され、協業による相互の事業分野の補完、クロスセルによる顧客基盤の拡大と収益力の強化等を通じて、両グループのシナジー効果を強力に働かせることが可能となります。SBIHDグループは、三井住友信託銀行との合弁会社(双方50%出資)のインターネット専業銀行である住信SBIネット銀行株式会社を有しておりますが、同行は2021年10月8日に上場申請を行っており、上場が承認された場合には上場に伴うSBIHD持分比率の低下が見込まれ、また、自主性・独立性を高めた事業運営を実施することになります。インターネット専業銀行である住信SBIネット銀行と実店舗を持つ対象者とは事業形態や商品のアプローチ、商品性に違いがあり、対象者のグループへの参加はSBIHDグループにとって全く新しい成長ステージに入っていくことを意味します。
なお、下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「② 本公開買付け成立後の経営方針」に記載のとおり、本公開買付け成立後、今後の状況も勘案の上、現在SBIHDが保有する対象者株式の全持分を公開買付者に移管する予定です。その結果、公開買付者がSBIHDグループにおける対象者の全株式を保有することとなります。
① 株式会社SBI証券との銀証連携を通じた企業価値向上
(ⅰ)リテール分野での連携(同時口座開設、預金連携、金融商品仲介など)
SBI証券(下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「① 本公開買付けの目的及び背景」の「ア SBIHDらの概要」にて定義しております。以下同じです。)は、株式、投信、FXなど様々な金融商品を取り扱っており、オンライン証券として、個人株式委託売買代金シェア、預り資産残高、営業利益いずれも競合他社比トップ(2021年度上半期実績)となっているとともに、銀行との同時口座開設や預金連携を行っている実績・ノウハウを有しております。対象者のリテール口座において、かかるSBI証券との間で、口座の同時開設や預金連携等が実現することで、対象者顧客における利便性が向上するとともに、SBI証券の顧客からの対象者への送客も実現でき、近年減少傾向である対象者のリテール口座数増加につながると考えております。また、対象者においては、窓口で投信を販売しており、投資信託の預り資産残高は2018年度の3,184億円から2020年度の2,563億円へと減少傾向であるところ、SBI証券との金融商品仲介業にかかる提携によって、販売できる商品等が増え、対象者の顧客に対して幅広い提案を行うことができるようになり、収益強化につながると考えております。さらに、対象者子会社が組成した仕組債や投資信託等をSBIHDグループのリテール顧客へ販売することを通じて収益強化に貢献できると考えております。対象者は、リテール口座の増加のみでは必ずしも利益水準の増加に繋がらないと述べておりますが、上記のようにSBI証券と対象者との銀証連携は、顧客利便性を大きく高めつつ相互送客によりリテール顧客の増加を図ることで、収益の質と量を同時に高め、両社の企業価値向上につながるものと考えております。
(ⅱ)法人カバレッジの強化
SBI証券においては事業法人顧客との関係を強化しており、既に高い引受関与率を誇るIPO(新規公開)に加えて、PO(公募・売出)や債券引受などにも注力するとともに、M&Aアドバイザリー部門を強化し、多角的な提案を行う体制を構築しています。一方、対象者の法人営業においては業務粗利益が2018年度の168億円から2020年度には149億円に減少するなど、収益が低下傾向となっております。SBI証券の事業法人顧客に対して対象者の銀行サービスを提供することで、銀証連携した事業法人に対する包括的なカバレッジ体制が実現し、両社の収益及び企業価値向上につながるものと考えております。
② SBIHDグループのノウハウを活用した対象者事業の強化
(ⅰ)消費者金融(小口ファイナンス)分野での連携
SBIHDグループは、SBI証券において25歳以下の顧客を対象に国内現物株式の手数料の実質無料化を行っているほか、投資初心者や若年層をターゲットにしたスマートフォンでの取引に特化した株式会社SBIネオモバイル証券を設立し、SBI FXトレード株式会社におけるFX取引、SBI VCトレード株式会社における暗号資産取引などのサービスを手掛けています。一方、対象者グループにおいては、「レイクALSA」、「カードローンエル」等の無担保ローンや個品割賦、信用保証や家賃保証、クレジットカードやプリペイドカード等の事業を行っております。これらのSBIHDグループのネット証券やスマホ証券分野と対象者の小口ファイナンス分野とにおいては、いずれも顧客層が若く、顧客ニーズに応じた商品の相互供給・送客(クロスセル)を行うことにより若年層の顧客にも収益基盤を拡大する収益機会があると考えております。また、かかる若年顧客層は、将来的なライフイベントでの収益機会を生み、長期的な収益力の向上に寄与すると理解しております。
また、SBI証券は、資産形成を目指す顧客層の決済の便宜に資するものとして、2021年6月からクレジットカードで投資信託を積立購入することが可能なサービスを提供しており、約半年間で数万件の送客を実現しております。このようなクレジットカードを利用した投資信託の積立購入については、クレジットカードを日常的な決済のために利用する顧客層のみならず、資産形成を目指す層にアプローチできるという点で対象者の既存顧客層とは重複が少ないと考えられ、また、株式会社アプラスが最も多く発行しているクレジットカードがTポイントプログラムとの提携カードであり、SBI証券が同プログラムを導入しているという親和性も考え合わせると、株式会社アプラスにおけるクレジットカード顧客及びその利用の拡大に資すると考えております。
さらに、資金ニーズのある新規顧客の獲得費用及び与信費用の低減が課題となる中で、精度の高い与信判断やマーケティング等を実現するためにはビッグデータを保有することも重要であると考えており、クロスセルを通じて両社のデータが蓄積されることで、対象者グループにおいても与信判断やマーケティングの精度が高まり、コストの削減に寄与すると理解しております。
このように、銀証連携によるシナジー効果は様々な観点で考えられ、両社の収益及び企業価値向上につながるものと考えております。
(ⅱ)SBIアセットマネジメント・グループ、SBIリクイディティ・マーケットでの資金運用による年間収益の改善
対象者の有価証券の運用は満期保有債券(国債)を含めた国債、社債、外債を中心とし株式保有が非常に少ない、極めてオーソドックスな運用ポートフォリオと推察しております。その一方で、運用利回りは2021年3月期において0.58%と大きく低下している状況であり、今後の債券の償還スケジュールを加味すると更なる利回りの低下が予想されます。対象者における現状の銀行勘定金利リスク管理(IRRBB:4.4%)や規制資本比率(11.3%)なども勘案すると、利回り改善の余地は大きいと考えられ、SBIHDグループの資産運用会社であるSBIアセットマネジメント・グループ株式会社の知見も活用して、対象者の有価証券ポートフォリオの入れ替え等を行うことで、十分な自己資本水準及び資産運用の安全性を堅持しつつ、運用収益の向上が可能であるものと考えております。
また、SBIHDの子会社でグループ為替事業を統括するSBIリクイディティ・マーケット株式会社は、欧米・国内の主要金融機関31社のカウンターパーティを有しており、SBI証券、SBI FXトレード株式会社等のリテール顧客向けFXのほか、グループ内の実需(外貨調達、オプション・デリバティブを用いた運用、ヘッジ等)やファンド、国内外金融機関(地域金融機関等を含む)などからの多様な為替フローを取り扱っており、年間外国為替総取引金額(2020年度)で10兆ドルを超えるまでになっていることから、その豊富な取引流動性をもとに、価格競争力のあるスプレッドでの為替取引機会を提供することで、対象者及び対象者を通じて為替取引を行う取引先の外国為替取引コストの抑制が可能となることなどが考えられます。
(ⅲ)SBIHDグループの有する住宅ローン関連のノウハウ提供による、リテールビジネスの再強化
対象者においてもリテール顧客向けに住宅ローンを提供しておりますが、過去長期にわたりその残高はほぼ横ばいとなっております。一方、SBIHDグループにおける住宅ローン取り扱い残高は着実に伸長しております。SBIHDグループは住宅ローンプロダクトに関する深い知見とノウハウを有しており、これらの知見・ノウハウを対象者のリテール事業にも活用することで、かつて高い顧客満足度を誇った対象者のリテール事業を再強化し、収益の柱とすることが可能であるものと考えております。
(ⅳ)株式担保ローンの開発・提供
利益相反管理及び取引条件の公正性を前提として、株券等を担保に貸し出しを行う株券担保ローンでの協業や、対象者と株式会社NTTドコモが行っているドコモユーザーに対する貸付に関するサービスと同様のサービスをSBIHDグループの顧客に対して開発提供すること等を通じて、相応のクロスセル効果、シナジー効果を発揮できると考えております。
(ⅴ)共同店舗運営による金融商品仲介での収益貢献
SBIHDグループにおいては、資本業務提携先を含む地域金融機関とSBIマネープラザを共同店舗として運営(14行22店舗)しており、その預り残高や収益は飛躍的に拡大しております。かかる実績のある取り組みを対象者(22支店・3出張所)と行うことで、金融商品仲介を通じた新たな収益機会を対象者にも生み出し得るものと考えております。
上記のようなシナジー創出が双方に見込まれる各種施策の推進により、現時点においてはSBIHDグループに入ることで対象者に下記のような収益拡大及び企業価値向上が見込まれるものと初期的に考えております。
<業務粗利益>(単位:億円)
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<実質業務純益>(単位:億円)
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<親会社株主に帰属する当期純利益>(単位:億円)
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また、以下のとおり工藤英之氏の社長就任日である2015年6月以来、対象者(旧日本長期信用銀行 1952年設立)の時価総額は約半分となっている一方で、SBIHD(1999年設立)の時価総額は約1.8倍まで成長しております。SBIHDらとしては、公開買付者と対象者との最大の違いは経営思想、経営戦略及びその実行力の差であると考えており、市場からもこの点が評価されてきたと自負しております。
<対象者とSBIHDの時価総額の推移>0101010_005.png(注):2015/6/17時点の時価総額を100%として指数化して表示
<ご参考:住信SBIネット銀行、SBI貯蓄銀行の業績推移>住信SBIネット銀行
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SBI貯蓄銀行
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一方、本公開買付け後においても上場企業として存続する対象者の少数株主の皆様への配慮、特に、上記のような取り組みを通じて対象者としての企業価値向上も実現され、少数株主の皆様へもシナジー効果の果実が正当に分配されることは当然であるものと考えております。
SBIHDらといたしましては、対象者の機関銀行化や同行の少数株主利益の毀損といった事態は、決して発生してはならないものと認識しており、そのような疑念を生じさせるような所作に及ぶことは全く想定しておりませんが、そうした事態が万一にも発生することのないようにするために徹底した利益相反管理を行うという観点から、下記のような体制を採ることを想定しています。すなわち、対象者とSBIHDグループとの間の重要な取引の決定に際しては、当該取引が対象者の少数株主にとって不利益をもたらさないかについて過半数の独立社外取締役を含む独立性を保った対象者の取締役会において慎重に審議・検討を行うとともに、アームズ・レングス・ルールを原則とし、市場規律に基づき取引条件を適切に決定し、またSBIHDグループの社内取締役又は従業員及び、それらの経歴を有する者などSBIHDグループと関係の深い役員はSBIHDグループと対象者との間の取引について対象者内の意思決定に関与しないなど、SBIHDグループとの十分な利益相反管理体制を敷くことで対応することを想定している他、本公開買付けにより対象者がSBIHDの連結子会社となった場合には、SBIHDグループと対象者との取引に関しては、対象者において独立した委員からなる特別委員会を設け、同委員会において事前の審査及び事後のモニタリングを行うことで利益相反管理体制に遺漏無きを期すこととしたいと考えております。SBIHDグループ内においても利益相反管理体制は徹底しておりますが、対象者グループとの間の取引について厳格な手続きを採ることは、対象者にとっての利益拡大ひいては少数株主の利益拡大に資することはあってもこれを減殺するものではないと考えております。
このように、対象者にはSBIHDグループにおける中核企業の一つとなっていただき、シナジー効果によりSBIHDグループとして利益を享受するのみならず、対象者の企業価値も向上するとともに、その利益は少数株主の皆様にも正当に分配されることをお約束いたします。
<預金保険機構からの質問>3.対象者の取締役会の構成については、少数株主を含めた株主全体の利益を代表するものになるかが極めて重要であるほか、金融機関としての安定性の観点からも極めて重要であると考えられる。この点、SBIHDらは、3人の取締役候補を推薦した上で、独立社外取締役を取締役会の過半とするとしているが、独立社外取締役を真に独立したものとするための選定方法や、社内登用の可能性を含め、SBIHDらが支配株主となった場合の対象者の取締役会の構成にかかる見解をお示しいただきたい。
下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「② 本公開買付け成立後の経営方針」に記載のとおり、守秘性の観点から、本公開買付けの公表・開始前には対象者の社外取締役候補者となりうる人物との十分な接触を行っていないため、現時点においては独立社外取締役の具体的候補者名を挙げることはできませんが、ガバナンス体制強化の観点から独立社外取締役が取締役総数の過半数となる体制といたします。
また、独立社外取締役がSBIHDグループから真に独立した人物で構成されることを担保すべく、独立社外取締役が過半数を占める対象者の任意の指名報酬委員会等において、取締役候補者を推薦する体制を採用いたします。
なお、SBIHDらは、本公開買付けが成功した場合(本公開買付けに上限又は上限を超える応募があった場合、及び本公開買付けに対する対象者の他の株主の皆様の反応を踏まえて、SBIHDらが提案する対象者の役員選任議案について対象者の他の株主の皆様の賛同を得て可決できる可能性が高いと判断できる場合をいいます。以下同じです。)は、対象者の企業価値向上を可能とする新たな役員体制を構築するため、臨時株主総会の招集を請求し、対象者の役員選任議案を諮る予定です。同株主総会において取締役候補者として推薦する業務執行取締役3名については下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「② 本公開買付け成立後の経営方針」に記載のとおりですが、独立社外取締役の候補者については、SBIHDらの独自の裁量で選定するのではなく、本公開買付け成立後速やかに、対象者とSBIHDらとで独立社外取締役選定委員会を組成した上で透明かつ客観的なプロセスを経て選定することを対象者に提案する予定です。同委員会は、SBIHDら及び対象者の現任取締役から独立し、十分な識見を有し、公正・中立と客観的に評価される人物を法曹界から招き委員長とし、SBIHDら及び対象者がそれぞれ1名ずつ推薦する委員によって構成することを想定しております。かかる委員会において、株式会社東京証券取引所の「コーポレートガバナンス・コード」及び経済産業省の「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」を尊重しつつ独立社外取締役の候補者を選定することにより、当該臨時株主総会における独立社外取締役選定の公正性・中立性を担保することを考えております。
また、対象者の持続的成長と企業価値の最大化、また対象者の円滑な事業継続の観点から、対象者のステークホルダーの意向も踏まえながら、独立社外取締役の過半数を維持しつつ、SBIHDらが既に提案しております業務執行取締役(社内取締役)に加え対象者の業務執行者からも若干名の業務執行取締役の選任を行うことは十分ありうるものと考えております。
なお、前記のとおり、SBIHDらとしましては、本件株主意思確認総会において、買収防衛策関連議案が対象者の株主の皆様によって可決され、対象者買収防衛策が発動された場合には、本公開買付けを撤回いたします。またその場合、SBIHDらが現在保有している対象者株式に関してはマーケットの状況を踏まえ、売却・継続所有を含む様々な選択肢を検討してまいります(なお、現時点では方針は未定です)。SBIHDらは明確にシナジーを示し十分なプレミアムを含む公開買付価格を提示した戦略的投資家であるとSBIHDらは考えております。SBIHDらにおいては、対象者買収防衛策はかかる公開買付者による資本市場における正当な取引を、経営者の保身目的で否定することを企図したものであると引き続き考えております。本公開買付けが成功した場合は、臨時株主総会において対象者の企業価値向上を可能とする新たな役員体制を構築し、SBIHDグループと対象者グループの間の事業上の提携関係の構築・強化を含む具体的な企業価値向上策に関する検討を対象者と開始し、利益相反防止体制を前提に対象者に十分検討をいただいた上で、順次実行する予定です。
なお、本書に記載の通り、SBIHDらが本公開買付けにおける買付予定数の上限をSBIHDらが既に保有する持分と合わせて48%となる株式数にした理由は、対象者における早期の経営改善が急務である中、銀行持株会社認可を取得する場合には一定の時間が必要であるため、経営刷新を早急に図ることが難しくなると判断したためです。このため、本公開買付けが成功した場合には、SBIHDらとしてはまずは対象者の企業価値向上に向けた努力に注力いたしますが、新たな役員体制の下で対象者の企業価値向上への道筋がついた段階で、関連当局の理解が得られれば、必要な銀行持株会社認可を取得した上で、一般株主の利益に十分配慮した形で、過半数以上の株式を取得することを検討する考えです。
また、SBIHDらは、本公開買付けに関して、本件株主意思確認総会の議案である買収防衛策関連議案について、議決権行使助言会社であるGlass Lewis & Co., LLC(以下「グラスルイス」といいます。)が2021年11月5日に、Institutional Shareholder Services Inc.(以下「ISS」といい、グラスルイスと併せて「ISSら」といいます。)が同月8日にそれぞれ「賛成」を推奨する旨のレポート(以下「レポート」といいます。)を発行されたことを受け、本公開買付けに関して補足説明をしております。当該補足説明の概要は以下のとおりです。
SBIHDらとしては、対象者が提示した買収防衛策関連議案に基づく買収防衛策の発動は、対象者の株主の皆様にとってのプレミアムを加えた価格での売却機会や本公開買付けに賛同いただける対象者の株主の皆様にとってのシナジーの価値享受の機会を奪うことになりかねないものであり、対象者の株主の皆様の利益を著しく損なうものであると受け止めざるを得ず、また、以下の理由からISSらの賛成推奨には十分な根拠がないものと考えており、買収防衛策関連議案に対して「賛成」を推奨する旨のレポートを発行されたことは大変遺憾に思います。
1.ISSらの賛成推奨の内容及びSBIHDらの基本的な見解
ISSらは、次に掲げる点を根拠に、買収防衛策関連議案について賛成推奨をしていますが、SBIHDらは、後記2で詳しくご説明するとおり、ISSらの賛成推奨には十分な根拠がないものと考えております。
(ISSらが示している賛成推奨の根拠)
(1)対象者が本公開買付けに賛同するための2つの条件は妥当であり、対象者買収防衛策はより良い条件をSBIHDから引き出すものとして機能
(2)部分買付けにより支配権を獲得することに対する懸念
(3)本公開買付け成立後の事業計画の具体性及び公的資金の返済計画に対する懸念
(4)SBIHDらの子会社に対するガバナンス及びコンプライアンスに対する懸念
(5)経営陣及び取締役会の構成に対する懸念
2.SBIHDらの見解
(1)対象者が本公開買付けに賛同するための2つの条件は妥当であり、対象者買収防衛策はより良い条件をSBIHDから引き出すものとして機能
ISSは対象者が本公開買付けに賛同の意見を表明するための2つの要件(上記賛同要件①及び②)は、いずれも妥当なものであり、対象者買収防衛策は株主にとってより良い条件をSBIHDから引き出すものとして機能すると主張されています。
しかしながら、上記のとおり、SBIHDらが本公開買付けにおける買付予定数の上限をSBIHDらが既に保有する持分と合わせて48%となる株式数にした理由は、対象者における早期の経営改善が急務である中、銀行持株会社認可を取得する場合には一定の時間が必要であるため、経営刷新を早急に図ることが難しくなると判断したためです。したがって、本公開買付けにおける買付予定数の上限設定の撤廃は受け入れることはできません。SBIHDらは、本公開買付けが成功した場合は、臨時株主総会において対象者の企業価値向上を可能とする新たな役員体制を構築し、SBIHDグループと対象者グループの間の事業上の提携関係の構築・強化を含む具体的な企業価値向上策に関する検討を対象者と開始し、利益相反防止体制を前提に対象者に十分検討をいただいた上で、順次実行する予定です。SBIHDらとしてはまずは対象者の企業価値向上に向けた努力に注力いたしますが、新たな役員体制の下で対象者の企業価値向上への道筋がついた段階で、関連当局の理解が得られれば、必要な銀行持株会社認可を取得した上で、一般株主の利益に十分配慮した形で、過半数以上の株式を取得することを検討する考えです。
また、対象者株式の過去の市場株価の推移を踏まえると、本公開買付価格は十分なプレミアム水準を確保しており、また、対象者が主張する対象者の「本源的価値」の具体的な水準やその根拠も明らかでない以上、SBIHDらとしては本公開買付価格を引き上げるつもりはありません。なお、ISSは、本公開買付けの買付価格に付されたプレミアムについて、SBIHDら以外の対象者株主にとっての本公開買付価格に対する実質的なプレミアムに換算すると13%に留まる点を指摘しております。しかしながら、全ての株主が本公開買付けに応募する訳ではない点を踏まえると、このような実質的なプレミアムという考え方は合理的なものではなく、不適切であると考えております。
このような賛同要件をSBIHDらが受け入れることはおよそ困難であることは対象者取締役会も認識していたはずであり、対象者が当該条件を本公開買付けに賛同するための要件としたのは、対象者に本公開買付けのより良い条件について交渉することを真に意図していたとは到底考えらません。したがって、対象者取締役会が賛同要件を提示した真の意図は、自己保身目的で導入した買収防衛策の実態を隠すためであると考えられ、また、SBIHDらが受け入れ難い条件をあえて提示してSBIHDらにこれを拒ませる形にすることよって、買収防衛策関連議案に対する対象者株主の皆様の賛同の議決権行使を得るための材料にすることを意図したものであると考えております。なお、SBIHDらとしましては、買収防衛策関連議案が本件株主意思確認総会において対象者の株主の皆様によって可決され、対象者買収防衛策が発動された場合には、本公開買付けを撤回いたします。またその場合、SBIHDらが現在保有している対象者株式に関してはマーケットの状況を踏まえ、売却・継続所有を含む様々な選択肢を検討してまいります(なお、現時点では方針は未定です)。
(2)部分買付けにより支配権を獲得することに対する懸念
ISSは本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定している点について、本公開買付けに応募しない株主は、流動性が大幅に低下した上場企業の少数株主の立場に置かれると指摘しております。しかしながら、株式会社日本証券取引所グループによれば、現存の東証株価指数(以下「TOPIX」といいます。)構成銘柄は選択市場にかかわらず、一定期間継続採用されることとなっており、かつ、流通株式時価総額が100億円以上であれば2025年1月末以降も継続してTOPIXの構成銘柄となりますが、対象者株式の流通株式時価総額は上記の基準を十分に満たしております。また、仮に新たにプライム市場インデックスが誕生した場合であっても、当該インデックスを採用する機関投資家の動向は、現時点では明らかではありません。さらに、現在までTOPIXが広く市場関係者に利用されてきた点を踏まえると、プライム市場インデックスが設定された場合であっても、TOPIXを参照する取引量が大幅に減少することは想定しがたい状況であると考えます。このような状況に鑑みると、対象者株式の流動性の観点からも、本公開買付けにより対象者の株主の皆様の利益が毀損される可能性は限定的と思われます。また、部分買付けにより財務的な負担を回避して対象者を支配しようとしているとの指摘がございますが、上記のとおり、SBIHDらが本公開買付けにおける買付予定数の上限をSBIHDらが既に保有する持分と合わせて48%となる株式数にした理由は、対象者における早期の経営改善が急務である中、銀行持株会社認可を取得する場合には一定の時間が必要であるため、経営刷新を早急に図ることが難しくなると判断したためです。
SBIHDらは、本公開買付けが成功した場合は、対象者の臨時株主総会において対象者の企業価値向上を可能とする新たな役員体制を構築し、SBIHDグループと対象者グループの間の事業上の提携関係の構築・強化を含む具体的な企業価値向上策に関する検討を対象者と開始し、利益相反防止体制を前提に対象者に十分検討をいただいた上で、順次実行する予定です。SBIHDらとしてはまずは対象者の企業価値向上に向けた努力に注力いたしますが、新たな役員体制の下で対象者の企業価値向上への道筋がついた段階で、関連当局の理解が得られれば、必要な銀行持株会社認可を取得した上で、一般株主の利益に十分配慮した形で、過半数以上の株式を取得することを検討する考えです。
(3)本公開買付け成立後の事業計画の具体性及び公的資金の返済計画に対する懸念
ISSは本公開買付けが成立し、SBIHDが対象者を連結子会社とした後の具体的な計画を提示できておらず、対象者の株主の皆様に不確実性をもたらすと指摘しております。また、SBIHDらの事業計画は具体的ではなく、公的資金返済のための株価を実現する時間軸が不明瞭と指摘しております。グラスルイスについても、SBIHDグループと対象者グループとの事業上の連携によって期待されるシナジーは定量化されておらず、対象者の株主の皆様が本公開買付けによるアップサイドを理解できないと指摘しております。また、SBIHDらが批判する対象者の公的資金について、SBIHDらも対象者同様、具体的な返済計画を示していないと指摘しております。
しかしながら、SBIHDらが2021年11月12日付で公表した「預金保険機構からの質問に対する回答について」においてSBIHDらが示したように、本公開買付けによる対象者株式の追加取得により、対象者が連結子会社としてSBIHDグループに入ることで、対象者グループとSBIHDグループの経営資源の有機的結合が実現され、協業による相互の事業分野の補完、クロスセルによる顧客基盤の拡大と収益力の強化等を通じて、両グループの以下のようなシナジー効果を強力に働かせることが可能となると理解しております。
① SBI証券との銀証連携を通じた企業価値向上
(ⅰ)リテール分野での連携を通じた企業価値向上(同時口座開設、預金連携、金融商品仲介など)
(ⅱ)法人カバレッジの強化
② SBIHDグループのノウハウを活用した対象者事業の強化
(ⅰ)消費者金融(小口ファイナンス)分野での連携
(ⅱ)SBIアセットマネジメント・グループ、SBIリクイディティ・マーケットでの資金運用による年間収益の改善
(ⅲ)SBIHDグループの有する住宅ローン関連のノウハウ提供による、リテールビジネスの再強化
(ⅳ)株式担保ローンの開発・提供
(ⅴ)共同店舗運営による金融商品仲介での収益貢献
これらの取り組みの実現によって、SBIHDグループにとっても直接的あるいは間接的にシナジーを享受することを想定しております。上記シナジー効果の定量化やシナジー発現の時間軸については、本公開買付け成立後に、対象者の経営陣のみならず、従業員の皆様とも時間をかけて議論していく必要がありますが、現時点においてはSBIHDグループに入ることで対象者に下記のような収益拡大及び企業価値向上が見込まれるものと初期的に考えております。なお、当然のことながら、こうした事業上の連携は、対象者において採用される利益相反防止措置を通じて、対象者の少数株主の利益に適うとの判断が対象者においてなされた場合に限り実施されます。
<業務粗利益>(単位:億円)
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<実質業務純益>(単位:億円)
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<親会社株主に帰属する当期純利益>(単位:億円)
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また、対象者及びその大株主である預金保険機構及び整理回収機構と協議できていない段階であるため具体的なコメントは差し控えさせていただきますが、上記で示した、対象者との事業上の連携によるシナジー効果を発揮することにより対象者の企業価値を高めることが公的資金の返済に向けた本質的なアプローチであると考えております。なお、ISSは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社及び株式会社プルータス・コンサルティングの企業価値評価によると、SBIHDらが提示した公開買付価格2,000円は非常に低いことについて指摘しておりますが、当該企業価値の算定においては対象者の事業計画を基に算定を行っているものの、過去7期のほとんどの事業年度において対象者公表の計画値が未達であることを踏まえると、当該指摘は妥当ではないと考えております。
(4)SBIHDらの子会社に対するガバナンス及びコンプライアンスに対する懸念
ISSは、SBIHDらが対象者の支配権を獲得しつつ、対象者が引き続き上場し続ける点について、親子上場問題に関する我が国のガバナンスの議論に反するものであると指摘しております。しかしながら、新規上場によって親子上場となる事例もあるなど、親子上場そのものが我が国において規制されているものではなく、親子上場の場合、より慎重なガバナンス体制の構築が重要であって、ISSによる指摘は親子上場という事実のみを捉えた不十分なものと考えております。なお、SBIHDらは、機関銀行化や対象者の少数株主利益の毀損といった事態は、決して発生してはならないものと認識しており、そのような疑念を生じさせるような所作に及ぶことは全く想定しておりませんが、そうした事態が万一にも発生することのないようにするために徹底した利益相反管理を行うという観点から、下記のような体制を採ることを想定しています。すなわち、対象者とSBIHDグループとの間の重要な取引の決定に際しては、当該取引が対象者の少数株主にとって不利益をもたらさないかについて過半数の独立社外取締役を含む独立性を保った対象者の取締役会において慎重に審議・検討を行うとともに、アームズ・レングス・ルールを原則とし、市場規律に基づき取引条件を適切に決定し、またSBIHDグループの社内取締役又は従業員及び、それらの経歴を有する者などSBIHDグループと関係の深い役員はSBIHDグループと対象者との間の取引について対象者内の意思決定に関与しないなど、SBIHDグループとの十分な利益相反管理体制を敷くことで対応することを想定している他、本公開買付けにより対象者がSBIHDの連結子会社となった場合には、SBIHDグループと対象者との取引に関しては、対象者において独立した委員からなる特別委員会を設け、同委員会において事前の審査及び事後のモニタリングを行うことで利益相反管理体制に遺漏無きを期すこととしたいと考えております。これに対し、グラスルイスは、このような徹底した利益相反管理体制を敷き、リソースを割くことによって、効率性の低下や追加的な費用が生じると指摘しております。しかしながら、SBIHDグループにおいてはモーニングスター株式会社及びSBIインシュアランスグループ株式会社が上場しており、これらの上場子会社においても、十分な利益相反管理体制を構築した実績があることを踏まえると、当該指摘はあたらないと考えております。
またISSは、2021年6月8日に関東財務局がSBIHDの子会社のSBIソーシャルレンディング株式会社(以下「SBISL」といいます。)に対し行政処分を行ったことを挙げ、SBIHDの子会社を管理・監督する能力に懸念があると指摘しております。しかしながら、SBISLと対象者では事業の規模が大きく異なり、仮に本公開買付けが成立し、対象者がSBIHDの連結子会社となった場合、グループ内における重要性がSBISLと対象者では大きく異なります。また、上記のとおり、SBIHDは上場子会社において、十分な利益相反管理体制を構築している実績もございます。さらには、2021年6月8日にSBIHDが公表した「SBIソーシャルレンディングの事案をうけた当社グループの再発防止への取り組みについて」において示したとおり、SBISLが設置した第三者委員会による調査報告書の内容等を踏まえ、リスク管理を中心とする内部管理体制の強化を図る取り組みを推進しております。具体的には当該事案の問題の発生要因を分析して新たにリスク評価重点項目を抽出し、それらの項目と関連性を有する子会社との間でリスク要因を定期的に評価・分析し、その改善状況をモニタリングするための新たなリスク評価機関を立ち上げております。また、SBIHDグループは新たな事業領域に積極的に挑戦する企業文化を有しており、そのため、業歴が浅く、業容や運用資産等を急拡大させている連結子会社がありますが、そのような連結子会社における内部管理体制の更なる強化のため、SBIHD人事部門がグループ各社の人材ニーズ等についてグループ横断的に情報収集し、必要な役職員の派遣や配属を重点的に行っております。このような内部管理体制のより一層の強化・充実に継続的に取り組むことで、SBISLの事案と同様の事案の再発防止に努めており、SBIHDが子会社を管理・監督する能力に懸念があるとの指摘はあたらないと考えております。
(5)経営陣及び取締役会の構成に対する懸念
ISSは対象者の現在の取締役会について、7人の取締役のうち5人が社外取締役であることをもって、対象者の取締役会の独立性は明らかに高いと主張しております。しかしながら、本書に記載のとおり、SBIHDらとしては、対象者の取締役会メンバーの中には、ゴールドマン・サックス証券株式会社やマネックスグループ株式会社など、社外取締役の出身母体に特定の偏りがあるように見受けられる面もあり、現在の対象者の役員体制の妥当性について疑問を抱いており、2021年6月の対象者の定時株主総会におきましては、工藤英之氏の他、社外取締役のアーネスト M.比嘉氏、槇原純氏及び村山利栄氏の再任について反対票を投じております。特定の出身母体に偏っていることは現経営体制に限ったことではなく、工藤英之氏が代表取締役社長に就任してから本書提出日までに社外取締役として在籍した実績のある計8名のうち、現任の槇原純氏、村山利栄氏及び2019年8月退任のJ.クリストファー フラワーズ氏の3名がゴールドマン・サックス証券株式会社(グループ会社含む)、現任の槇原純氏及び2020年6月退任の川本裕子氏の2名がマネックスグループ株式会社と、計4名の方がゴールドマン・サックス証券株式会社またはマネックスグループ株式会社との関係を有しております。このように社外取締役が特定の出身母体に偏っていることで、公正かつ活発な議論が期待できず、中立性も損なわれると思われるため、経営及びガバナンスの両面から問題と考えております。
またISSは、SBIHDらが下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「② 本公開買付け成立後の経営方針」に記載した3名の取締役候補について対象者のビジネスに関する経験が十分ではないと指摘しております。しかしながら、川島克哉氏はSBIHDグループの金融サービス事業の中核を担うSBI証券や住信SBIネット銀行株式会社などで重要な役職を歴任し、経営全般に関する幅広い見識と豊富な経験を有し、五味廣文氏は金融行政に深く携わってきた経験、畑尾勝巳氏は旧株式会社東京銀行(現株式会社三菱UFJ銀行)で要職を経験し、現在SBIHDの子会社でロシアの商業銀行であるSBI Bankの取締役会会長を務めるなど、いずれも対象者のビジネスに関する十分な経験を有しており、ISSの主張はあたらないと考えております。
下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「② 本公開買付け成立後の経営方針」に記載のとおり、守秘性の観点から、本公開買付けの公表・開始前には対象者の社外取締役候補者となりうる人物との十分な接触を行っていないため、現時点においては独立社外取締役の具体的候補者名を挙げることはできませんが、ガバナンス体制強化の観点から独立社外取締役が取締役総数の過半数となる体制とする考えです。また、独立社外取締役がSBIHDらから真に独立した人物で構成されることを担保すべく、独立社外取締役が過半数を占める任意の指名報酬委員会において、取締役候補者を選定する体制を採用いたします。
なお、SBIHDらは、本公開買付けが成功した場合は、臨時株主総会の招集を請求し、対象者の役員選任議案を諮る予定です。同株主総会において取締役候補者として推薦する業務執行取締役3名については下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「② 本公開買付け成立後の経営方針」に記載のとおりですが、独立社外取締役の候補者については、SBIHDらの独自の裁量で選定するのではなく、本公開買付け成立後速やかに、対象者とSBIHDらとで独立社外取締役選定委員会を組成した上で透明かつ客観的なプロセスを経て選定することを対象者に提案する予定です。同委員会は、SBIHDら及び対象者の現任取締役から独立し、十分な識見を有し、公正・中立と客観的に評価される人物を法曹界から招き委員長とし、SBIHDら及び対象者がそれぞれ1名ずつ推薦する委員によって構成することを想定しております。かかる委員会において、東京証券取引所の「コーポレートガバナンス・コード」及び経済産業省の「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」を尊重しつつ独立社外取締役の候補者を選定することにより、当該臨時株主総会における独立社外取締役選定の公正性・中立性を担保することを考えております。
また、対象者の持続的成長と企業価値の最大化、また対象者従業員のモチベーション向上の観点から、対象者のステークホルダーの意向も踏まえながら、独立社外取締役の過半数を維持しつつ、SBIHDらが既に提案しております業務執行取締役(社内取締役)に加え対象者の業務執行者からも若干名の業務執行取締役の選任を行うことはありうるものと考えております。
一方で、ISSは、近年の対象者の業績を考慮した場合、経営陣又はその監督機関の変更が有益である可能性があると指摘しています。本書に記載のとおり、本公開買付けの目的の一つは対象者の役員の全部又は一部を変更し、最適な役員体制を実現することを可能にする議決権を確保することにあります。したがって、最適な役員体制を実現することを目的とした本公開買付けの成立を阻む対象者の買収防衛策関連議案について「賛成」を推奨することは、役員体制を一新する機会を株主の皆様から奪い、株主の皆様の共同の利益に資さないと考えております。
このようにSBIHDらとしては議決権行使助言会社各社によって発行されたレポートの論拠は、いずれも対象者の議案に「賛成」を推奨するには不十分なものと考えており、株主の皆様には本件株主意思確認総会において、対象者の現経営陣による企業価値向上策とSBIHDらが提案する施策のいずれが対象者の全てのステークホルダーの皆様にとって望ましいものであるか、SBIHDらの本公開買付けの提案を支持するかどうかを踏まえて、買収防衛策関連議案への賛否について適切なご判断を下していただきたいと考えております。
なお、上記のとおり、SBIHDらとしましては、買収防衛策関連議案が本件株主意思確認総会において対象者の株主の皆様によって可決され、対象者買収防衛策が発動された場合には、本公開買付けを撤回いたします。またその場合、SBIHDらが現在保有している対象者株式に関してはマーケットの状況を踏まえ、売却・継続所有を含む様々な選択肢を検討してまいります(なお、現時点では方針は未定です)。SBIHDらは明確にシナジーを示し十分なプレミアムを含む公開買付価格を提示した戦略的投資家であるとSBIHDらは考えております。SBIHDらにおいては、対象者買収防衛策はかかる公開買付者による資本市場における正当な取引を、経営者の保身目的で否定することを企図したものであると引き続き考えております。
なお、本公開買付けは対象者の上場廃止を企図するものではなく、本公開買付け成立後においても対象者の上場は維持される予定です。
(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針
① 本公開買付けの目的及び背景
ア SBIHDらの概要
公開買付者の完全親会社であるSBIHDは、ベンチャー・キャピタル事業を行うために、ソフトバンク・ファイナンス株式会社(現ソフトバンク株式会社)の子会社として1999年7月に設立されました。2000年12月には大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場に株式を上場し、その後、2002年2月に株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第一部に株式を上場いたしました。2003年6月にはイー・トレード株式会社との合併により、イー・トレード証券株式会社(現株式会社SBI証券(以下「SBI証券」といいます。))を子会社化いたしました。2005年7月にはSBIホールディングス株式会社に商号変更し、ファンド運営事業等を分割してSBIベンチャーズ株式会社に承継し、同社の商号をソフトバンク・インベストメント株式会社(現SBIインベストメント株式会社)に変更いたしました。2006年8月にソフトバンク株式会社との資本関係が解消され、現在に至っております。
SBIHD並びにSBIHDの子会社(2021年3月31日現在299社)及び持分法適用会社(同40社)から構成される企業グループ(以下「SBIHDグループ」といいます。)は、証券・銀行・保険を中心に金融商品や関連するサービスの提供等を行う「金融サービス事業」、投資事業、海外金融サービス事業、資産運用サービス事業を行う「アセットマネジメント事業」、医薬品、健康食品及び化粧品等の開発・販売や、メディカルインフォマティクス事業を行う「バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業」を中心に事業を行っております。
現在SBIHDは多くの企業とのアライアンスを進めており、スマートフォン向け金融サービス等のデジタル分野の他、様々な事業分野の拡充を進めております。また、社会的使命の一つとして地方創生に寄与すべく地域金融機関との関係強化の他、地方創生を推進する統括会社(地方創生パートナーズ株式会社(以下「地方創生パートナーズ」といいます。))を数社のパートナー企業と共に設立し、地域金融機関との共通システムの提供や地方経済の活性化を推進する機能提供、ベンチャー企業等の投融資等を行う会社の設立、様々な業界からの新たな出資パートナーの受入れを行っています。さらに、フィンテックの進展等による異業種参入が加速し、銀行機能のアンバンドリング化が進む中、同機能をパートナー企業に提供するネオバンク構想を強力に推進しています。
他方で、公開買付者は、商号をER6株式会社とし、2015年8月25日にSBIHDグループ傘下の会社として設立されました。その後、公開買付者は、2019年7月にSBI Bank Holdings株式会社に、2020年4月にSBI地銀ホールディングス株式会社にそれぞれ商号変更を行い、現在に至っており、地域金融機関に直接出資することで、地域金融機関の収益力強化とそれに伴う企業価値向上を図ることを主な事業目的としております。
公開買付者は上記の目的のため、主にSBIHDグループのアセットマネジメント会社への運用資産の委託、金融商品仲介業者であるSBIマネープラザ株式会社との共同店舗の推進など、SBIHDグループに属する企業やSBIHDグループの投資先企業が有する商品・サービス・ノウハウなどの活用機会を提供しております。
イ 対象者の概要
対象者の有価証券報告書等の公開情報によれば、対象者は1952年12月に株式会社日本長期信用銀行として設立され、1970年4月には東京証券取引所及び大阪証券取引所に株式上場したものの、その後1998年10月に金融再生法に基づき特別公的管理が開始され、東京証券取引所及び大阪証券取引所において上場廃止となりました。その後、ニュー・エルティーシービー・パートナーズ・シー・ヴィが2000年3月に対象者の経営権を取得し、対象者は2000年6月に行名を株式会社新生銀行に変更し、2004年2月には東京証券取引所市場第一部に株式上場しました。
対象者は2019年より中期経営戦略「金融 リ・デザイン」を策定し、「価値共創による成長追求」と「ケイパビリティ強化・活用」を基本戦略とし、対象者の強みと他社のサービスとを融合することでより顧客にとって使いやすいビジネスを生み出していくことを目指しています。特に、4つの注力分野を掲げており、①個人及び小規模事業者を対象とした少額かつ高頻度の与信(融資)・決済を行うビジネスである小口ファイナンス(個人ビジネス)において、従来強みを有していたマーケティング、与信判断、回収におけるデータ分析・活用や堅牢なオペレーションに加え、他社サービスとの融合やパートナーへの機能提供、デジタル技術の活用によるサービス高度化に取り組むこと、②機関投資家向けビジネスにおいては、機関投資家とのネットワークや信託等のストラクチャリング力、幅広いアセットに関する知見等を活かし、リアルアセット(再生可能エネルギー、インフラ、不動産等)へのオルタナティブ投資に関する多様なサービスを、幅広い機関投資家に対してワンストップで提供すること、③組織戦略として、ビジネス面での一層のグループ融合を進めるべく、グループワイドで法人と個人の顧客ごとに事業戦略・企画機能を一体化し、顧客ニーズ・課題に対してグループ一体で最適なソリューションを提供すること、④生産性改革として、店舗チャネル・オフィススペースの効率化、経費構造改革の実行、デジタル技術や働き方改革による効率化によって、さらなる聖域なき経費構造改革を推進することを目指しています。
ウ 本公開買付けを実施する理由
(ア)本公開買付けに至る経緯
上記「イ 対象者の概要」のとおり、対象者は「価値共創による成長追求」を基本戦略としており、また、下記「(ウ)本公開買付けを実施するに至った理由」のとおり、SBIHDグループと対象者グループの事業が相互補完的であり、両グループの経営資源を有機的に組み合わせることができれば顧客の利便性向上につながり、両グループの企業価値向上を図ることができると考えたことから、SBIHDは、2019年4月2日から同年8月28日までの期間において断続的に対象者株式11,281,100株(所有割合:5.36%;当該時点の所有割合(注):4.66%)を市場内取引により所有するに至りました。
(注) 「当該時点の所有割合」とは、対象者が2019年8月1日に提出した「自己株券買付状況報告書(法第24条の6第1項に基づくもの)」に記載された対象者が所有する2019年7月31日現在の発行済株式総数(259,034,689株)から、対象者が所有する同日現在の自己株式数(16,782,472株)を控除した株式数(242,252,217株)に対する割合をいいます。
その後、SBIHDにおいて、2019年8月上旬に対象者との資本業務提携の可能性について検討を開始し、同年9月上旬、SBIHD経営陣が対象者社長に対して、対象者を連結子会社又は持分法適用関連会社としてSBIHDグループの中核的企業として位置付けるため、関連当局の許認可取得を前提に議決権割合にして最大で33.4%から48%の範囲で対象者株式を取得すること及び、①両グループの経営資源を有機的に結合し総合金融グループを目指すこと、②個人分野、法人分野でのアライアンス強化、③協業による相互の事業分野の補完、④クロスセルによる顧客基盤の拡大と収益力の強化、等を骨子とした、具体的には、対象者のリテールバンキング、コンシューマーファイナンス等の事業及びSBIグループの証券、FX、暗号資産取引等の各事業間における相互送客やサービス連携、SBI証券の機関投資家・地域金融機関の顧客基盤を通じた対象者のストラクチャードファイナンス等のローン債権の販売、対象者と共同でのSBIネオファイナンシャルサービシーズ株式会社を中心とした拡張性のある機能的なAPI基盤の活用を通じた地域金融機関の支援等の資本業務提携に係る提案を行い、また、そのためにSBIHDが対象者株式の公開買付けを実施するためのデューディリジェンス実施のための協力の依頼等を行いました。
2019年9月下旬には、再度、SBIHD経営陣と対象者社長との間で面談し、対象者からは、提案された提携には賛同することができず、提案された連結子会社となる以外のスキームについて検討したいとの回答があり、また、同年11月中旬には、SBIHD経営陣と対象者社長との間で面談し、SBIHDの資本業務提携の提案に対して、SBIHDが大株主になることについて対象者の取締役会から反対意見が出ており、現時点では資本業務提携契約を締結することはできない一方で、別途議論されている、地方創生の実現を目指す複数のパートナーと一緒に地域経済の活性化に直接的に貢献するための地方創生推進の企画・立案機能を持つ共同出資会社(現地方創生パートナーズ)への参画であれば、検討を進めることができ、またその検討過程で両グループの親和性について確認したいとの回答がありました。
上記の対象者の返答を受け、2019年11月中旬から2020年10月上旬にかけて、SBIHDグループとしては下記のとおり、上記の資本業務提携に関しての提案に対する回答で前向きな返答が得られた地方創生における連携に関する協議を行いつつ、証券業務分野における提携の可能性など個別業務に関する議論は継続して行うことで、引き続き資本業務提携の可能性について模索しておりました。他方で、同期間において、SBIHDは、将来的な株価の上昇による値上がり益の実現及び配当収入により、対象者株式に対する投資から得られる投資利益の向上を目的として、2020年1月7日には対象株式13,004,000株(所有割合:6.18%;当該時点の所有割合(注1):5.51%)を所有するに至りました。また、2020年3月上旬以降同年12月下旬までの間において対象者の株価が低調に推移していたことから、SBIHDは、対象者株式をその平均取得簿価を下回る市場株価で買い進め、その平均取得簿価を引き下げました。その結果、同年12月21日にはSBIHDの所有する対象者株式が29,260,500株(所有割合:13.91%;当該時点の所有割合(注2):13.32%)に至りました。
(注1) 「当該時点の所有割合」とは、対象者が2020年1月8日に提出した「自己株券買付状況報告書(法第24条の6第1項に基づくもの)」に記載された対象者が所有する2019年12月31日現在の発行済株式総数(259,034,689株)から、対象者が所有する同日現在の自己株式数(22,992,589株)を控除した株式数(236,042,100株)に対する割合をいいます。
(注2) 「当該時点の所有割合」とは、対象者が2020年12月3日に提出した「自己株券買付状況報告書(法第24条の6第1項に基づくもの)」に記載された対象者が所有する2020年11月30日現在の発行済株式総数(259,034,689株)から、対象者が所有する同日現在の自己株式数(39,355,070株)を控除した株式数(219,679,619株)に対する割合をいいます。
また、同期間において、SBIHDとしては、2019年11月中旬以降、地方創生の実現を目指す複数のパートナーと一緒に地域経済の活性化に直接的に貢献するための地方創生推進の企画・立案機能を持つ共同出資会社での提携について協議を実施し、SBIHD及び対象者は2020年6月8日付「地方創生を推進する共同会社設立に向けた検討開始について」において公表しておりますとおり、同日付で、SBIHD及び対象者を含めた金融機関3社との間で地方創生パートナーズの設立に関する合意が成立し、設立に向けての本格的な検討を開始いたしました。その後、SBIHD及び対象者は2020年8月27日付「地方創生パートナーズ株式会社の共同設立について」において公表しておりますとおり、SBIHD及び対象者を含めた金融機関4社との間で地方創生パートナーズを2020年8月31日付で設立するに至りました。
一方、同期間において、証券業務分野における提携の可能性についても、SBIHDの完全子会社であるSBI証券は2019年11月中旬から2020年10月上旬にかけて対象者と協議を行っておりましたが、当該SBI証券の提案に対しては対象者より何らの連絡もなく、その後、2021年1月27日に、対象者、新生証券株式会社(以下「新生証券」といいます。)及びマネックス証券株式会社(以下「マネックス証券」といいます。)より「マネックス証券と新生銀行グループによる金融商品仲介業務における包括的業務提携に関する基本合意書締結のお知らせ」が発表され、当該マネックス証券との包括業務提携の対象に、SBI証券が提案していた提携業務が含まれていたことから、かかるマネックス証券との包括業務提携の公表によって当該SBI証券の提案が受け入れられなかったことを認識いたしました。その後、対象者、新生証券及びマネックス証券が2021年3月24日付「マネックス証券と新生銀行グループによる金融商品仲介業務における包括的業務提携に関する最終契約書締結のお知らせ」にて発表したとおり、対象者、新生証券及びマネックス証券は、同日に正式契約に至っております。
SBIHDは、上記の状況を受けて、将来的に、対象者グループとの事業提携関係を推進するためには、これまでの対象者の消極的な姿勢も踏まえて、対象者株式の所有割合を増加させることが有効であること、また、対象者株式に対する投資から得られる投資利益の向上を目的として、対象者株式の所有割合を増加させるのが望ましいと判断したことから、2021年1月28日から同年3月下旬にかけて、対象者株式を市場内においてさらに追加的に取得し、同年3月26日には、対象者株式42,737,800株を所有するに至っており、当該時点の所有割合(注)は19.85%となっております。その後、対象者の自己株式取得により、所有割合が20.32%に上昇しております。
(注) 「当該時点の所有割合」とは、対象者が2021年4月5日に提出した「自己株券買付状況報告書(法第24条の6第1項に基づくもの)」に記載された対象者が所有する2021年3月31日現在の発行済株式総数(259,034,689株)から、対象者が所有する同日現在の自己株式数(43,743,170株)を控除した株式数(215,291,519株)に対する割合をいいます。
その後、SBIHDは、下記「(イ)対象者の現状及び問題点」のとおり、対象者の第21期定時株主総会に上程された取締役の選任議案において現任取締役のうち工藤英之氏、アーネストM. 比嘉氏、槇原純氏及び村山利栄氏の再任に対して反対の議決権を行使しております。それに対して、SBIHDは、2021年7月上旬に、対象者から、議決権行使の理由や事業提携について対話を求める書面を受領しておりますが、上記「(1)本公開買付けの概要」のとおり、従前のSBIHDとの資本業務提携に関する提案やSBI証券との証券業務に関する提携の提案に対する反応等を踏まえると、現経営陣と事業提携の協議をしても従前の議論からは発展は見込めないと考えたこと、協議の内容によってはインサイダー情報受領のリスクがあると判断したことから、本書提出日現在、SBIHDは対象者からの当該書面に対して返答しておりません。
(イ)対象者の現状及び問題点
対象者における過去7期の連結ベースの業績推移は下記のとおりです。2016年3月期以降業務粗利益、実質業務純益、親会社株主に帰属する当期純利益いずれにおいてもほとんどの事業年度において対象者公表の計画値が未達であり、実質業務純益及び親会社株主に帰属する当期純利益においては、減少傾向が続いております。SBIHDらは、対象者の業績が伸び悩んでいる主な要因としては、日本銀行の金融緩和政策による低金利環境のほか、営業性資産の低成長、高い経費率、与信関係費用の高止まりなどが挙げられると考えておりますが、対象者の経営陣はかかる状況に対し何ら抜本的な対応策を講じていないものと考えております。
単位:百万円2015年
3月期
2016年
3月期
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
業務粗利益
実績値
(前年同期比)
235,300
(115.9%)
216,600
(92.1%)
228,500
(105.5%)
232,000
(101.5%)
229,700
(99.0%)
239,900
(104.4%)
221,900
(92.5%)
計画値
(前年同期比)
240,000
(111.6%)
270,000
(112.5%)
236,000
(87.4%)
246,000
(104.2%)
258,000
(104.9%)
243,000
(94.2%)
227,500
(93.6%)
計画値と
実績値の差
△4,700△53,400△7,500△14,000△28,300△3,100△5,600
実質業務純益
実績値
(前年同期比)
93,600
(133.5%)
76,000
(81.2%)
86,000
(113.2%)
89,400
(104.0%)
84,900
(95.0%)
90,400
(106.5%)
72,200
(79.9%)
計画値
(前年同期比)
100,000
(125.0%)
125,000
(125.0%)
90,000
(72.0%)
99,000
(110.0%)
109,000
(110.1%)
91,000
(83.5%)
76,000
(83.5%)
計画値と
実績値の差
△6,400△49,000△4,000△9,600△24,100△600△3,800
親会社株主に帰属する当期純利益
実績値
(前年同期比)
67,800
(164.2%)
60,900
(89.8%)
50,700
(83.3%)
51,400
(101.4%)
52,300
(101.8%)
45,500
(87.0%)
45,100
(99.1%)
計画値
(前年同期比)
55,000
(114.6%)
70,000
(127.3%)
55,000
(78.6%)
61,000
(110.9%)
64,000
(104.9%)
53,000
(82.8%)
34,000
(64.2%)
計画値と
実績値の差
12,800△9,100△4,300△9,600△11,700△7,50011,100

(注) 計画値は、2015年3月期及び2016年3月期は対象者が2013年3月18日に公表した第二次中期経営計画数値、2017年3月期、2018年3月期及び2019年3月期は対象者が2016年1月29日に公表した第三次中期経営計画数値、2020年3月期は対象者が2019年5月5日に公表した「2018年度通期 決算・ビジネスハイライト」で開示されている2019年度損益計画数値、2021年3月期は対象者が2020年11月12日に公表した「決算・ビジネスハイライト 2020年度中間期決算」で開示されている2021年度損益計画数値を使用しております。
また、SBIHDらとしては、取締役会メンバーの中には、ゴールドマン・サックス証券株式会社やマネックスグループ株式会社など、社外取締役の出身母体に特定の偏りがあるように見受けられる面もあるなど、現在の対象者の役員体制の妥当性についても疑問を抱いております。これまでの対象者との議論を通じて、SBIHDらは対象者の意思決定の適切性や機動性が欠如している一因は、対象者の役員体制にあるものと考えておりますが、2019年11月中旬のSBIHDとの資本業務提携に関しての提案において、対象者の取締役会はSBIHDが大株主となることに反対意見を表明するのみで対象者の企業価値向上に資する可能性のある当該資本業務提携について真摯に検討を行わず、大株主の出現により現在の経営体制が変更されることを単に回避したいのではないかと認識しうる対応であったことから、自発的に役員体制を見直し、ガバナンス機能の回復に努めることを対象者に期待することは難しい状況にあるものと判断するに至り、かかる考えの下で、SBIHDは、対象者の第21期定時株主総会に上程された取締役の選任議案において現任取締役の一部の再任に対して反対の議決権を行使しております。
なお、SBIHDらにおいては、対象者が未だに公的資金の返済への目途がつけられていない点も対象者の経営課題であると共に国民財産保全の観点から大きな社会的課題であると認識しております。そのため、本公開買付け成立後、下記「② 本公開買付け成立後の経営方針」のとおり、最適な役員体制を実現し、また、対象者の独立性を最大限尊重した上で下記「(ウ)本公開買付けを実施するに至った理由」の(a)から(f)のとおり、SBIHDらは対象者グループとの事業上の連携を通じて対象者の収益力を高め、株価を向上させることを通じて、公的資金返済への目途をつけてまいりたいと考えております。もっとも、SBIHDらとしては、対象者が公的資金を返済できていない現状に鑑みると、現況の株価水準では公的資金の返済が可能な水準に達していないと認識しており、また、政府の「確保目標額」を出発点とする考え方や公的資金注入額を出発点とする考え方など様々な算出方法が議論され報道されていることは承知しておりますが、対象者並びにその大株主である預金保険機構及び株式会社整理回収機構(以下「整理回収機構」といいます。)と協議を行っていないため、明確な水準は把握しておりません。公的資金返済の方針については、対象者並びに預金保険機構及び整理回収機構と協議・合意した内容はなく、また、SBIHDらにおいても内部的に具体的な返済方針については本書提出日現在未定となっております。公的資金返済に向けた具体的方針については、本公開買付け成立後に対象者並びに預金保険機構及び整理回収機構と協議する予定です。
(ウ)本公開買付けを実施するに至った理由
こうした状況を踏まえ、SBIHDらは、①対象者の主要株主としての立場から、対象者の業績を改善し、企業価値を回復・向上すべく、適切な施策を早期に実施することが急務であると判断するに至り、②かかる施策の早期実施のためには、(ⅰ)対象者株式の所有割合を高めて対象者をSBIHDの連結子会社とし、現状の所有割合では実現できていない対象者との真摯な議論を通じて対象者グループとの事業上の提携関係を構築・強化する必要があるとともに、(ⅱ)対象者の役員の全部又は一部を変更し、最適な役員体制を実現することを可能にする議決権を確保する必要があると判断し、また、(ⅲ)本公開買付けによって、公開買付者が、上記(ⅰ)及び(ⅱ)の目的を達成するために必要な対象者株式を取得できない場合でも、将来的な上記(ⅰ)及び(ⅱ)の目的達成に向けて、公開買付けにより対象者株式の所有割合を機動的に高めておくことが望ましいと判断いたしました。そして、2021年8月上旬から、フィナンシャル・アドバイザーであるシティグループ証券株式会社(以下「シティグループ証券」といいます。)とリーガル・アドバイザーである西村あさひ法律事務所とともに、本公開買付けの本格的な検討を開始し、SBIHDが採用する国際会計基準に照らし、対象者が連結子会社になりうる水準や、SBIHDらにおいて本公開買付けのために必要となる投資金額の合理性の観点、本公開買付けの結果、SBIHDらの現所有分を加味した議決権割合が50.00%を超える場合に銀行持株会社認可を含む各種法令上の許可等の取得が必要となりうることも総合的に勘案の上、買付予定の株券等の数等の諸条件を決定いたしました。また、本公開買付けの本格的な検討を開始した2021年8月上旬に、SBIHDらは、SBIHDらが対象者の事業に関して有する知見をもとに、対象者の直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、株式価値の算定の前提となる対象者の2021年3月期から2026年3月期までの期間の事業計画の作成及び本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)の本格的検討を開始するとともに、SBIHDらは、本公開買付価格を決定するに際し、SBIHDら及び対象者から独立した第三者算定機関としてシティグループ証券に対して、対象者の株式価値の算定を依頼し、SBIHDらは、シティグループ証券から2021年9月8日に本株式価値算定書(下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の基礎」にて定義しております。以下同じです。)を取得いたしました。その後、SBIHDらは、本株式価値算定書に記載された市場株価法、類似会社比較法、DDM法の株式価値の範囲を踏まえ、本公開買付価格を検討したところ、市場株価法による範囲に対して十分なプレミアムを確保すること、類似会社比較法による範囲の上限に近い水準を確保すること、DDM法の範囲内であること、本公開買付けに対する応募の見通し、対象者経営陣からの賛同を事前に取り付けていないことから、より多くの対象者の株主の皆様に応募いただくために十分なプレミアム水準を確保することを勘案し、2021年9月9日、本公開買付価格を1株当たり2,000円とすることを決定いたしました。なお、過去に行われた発行者以外の者による上場維持を前提とした公開買付けの事例において付与されたプレミアム分析につきましては、参考として初期的な分析を行ったものの、プレミアムは各事例の当時の市場株価や公開買付者が妥当と考える各事例の対象者の本源的価値の水準によって異なりうることから、直接的に比較することは不可能と判断し、本公開買付価格の検討上は考慮しておりません。
上記の検討を踏まえて、SBIHDは、対象者株式の追加取得を迅速かつ機動的に実行するとともに、SBIHDグループにおいて地域金融機関に対する出資を行っている公開買付者を通じて対象者株式の追加取得を目指すこととし、SBIHDらは、2021年9月9日付のSBIHDらにおける取締役会決議に基づきそれぞれ本公開買付けの実施に係る最終決定を一任されたSBIHD代表取締役社長の北尾吉孝及び公開買付者代表取締役の森田俊平において、同日、本公開買付けを実施することを決定いたしました。SBIHDらは、下記に述べる対象者グループとの事業上の連携がシナジー効果を生み両グループの企業価値向上に繋がると考えております。
なお、公開買付者は、地域金融機関への直接の出資を通じ、地域金融機関の収益力強化とそれに伴う企業価値向上を図ることを主な事業目的としておりますが、対象者がSBIHDグループが進める地方創生プロジェクトに関する重要なパートナーであることを勘案し、SBIHDグループにおいて、金融機関との事業提携を推進する法人である公開買付者を本公開買付けの買付主体としております。
SBIHDらとしては、対象者グループが競争力のある商品・サービスを複数有しており、対象者グループとの事業上の連携によって、大要以下のような点にシナジー効果が期待でき、対象者及びSBIHDの両企業の企業価値向上につながるものと考えております。また、これらのシナジー効果による企業価値向上は、両企業の株主の利益のみならず、従業員の皆様、預金者及び取引先の皆様等、幅広いステークホルダーの皆様の利益に資するものと考えております。金融業においては人材こそが価値の源泉であり、特に対象者においては、小口ファイナンスやストラクチャードファイナンスなど専門性の高い分野において優秀な人材を多数抱えていることから、これらの従業員の皆様の雇用を守ることは当然ながら、提携に伴う業務拡大において必要不可欠な存在であると考えており、SBIHDらとしては更なる活躍の場を提供させていただきたいと考えております。また、重要な社会インフラである対象者の収益が改善し経営が安定することは、預金者の皆様及び取引先の皆様の利益にも資するものと考えております。
(a)リテール口座と証券分野における連携
SBIHDグループはSBI証券がグループ中核会社であり、SBIHDグループが有する証券口座数は2021年6月末時点において約726万4,000口座(注1)となっております。また、個人株式委託売買代金においても、2021年6月末において43.6%(注1、2)のシェア(含むSBIネオトレード証券株式会社分)を有しております。証券事業においては、株式、投信、FXなど様々な金融商品を取り扱っており、対象者銀行口座・証券口座の同時開設や預金連携等が実現できれば対象者顧客における利便性が更に向上するとともに、SBI証券の顧客からの対象者への送客も実現できます。かかる新規個人顧客の獲得は、リテール口座数において2021年6月末時点で約307万口座にとどまり直近減少傾向である対象者リテール顧客の増加につながり、対象者グループの個人顧客からの収益強化の起点になりうるものと考えております。
(注1) SBIHDが2021年7月29日に公表した「2022年3月期第1四半期SBIホールディングス決算説明会資料」。
(注2) 各社個人株式委託売買代金÷{個人株式委託売買代金(二市場1,2部等)+ETF/REIT売買代金}にて算出。
(b)小口ファイナンスにおける連携
SBIHDグループは、SBI証券において25歳以下の顧客を対象に国内現物株式の手数料の実質無料化(国内株式現物手数料をキャッシュバックすることにより実質無料化、未成年口座のお客さまの国内株式現物手数料は月間1万円を上限としてキャッシュバック)を行っているほか、投資初心者や若年層をターゲットにしたスマートフォンでの取引に特化した株式会社SBIネオモバイル証券を設立し、SBI FXトレード株式会社におけるFX取引、SBI VCトレード株式会社における暗号資産取引等のサービスを手掛けております。一方、対象者グループにおいては、「レイクALSA」、「ノーローン」、「カードローンエル」等の無担保ローンや個品割賦、信用保証や家賃保証、クレジットカードやプリペイドカード等の事業を有しております。これらの両グループの事業においては、顧客層が若いものと捉えており、かつ、商品が重複していないことから、商品の相互供給・送客(クロスセル)に大きな収益機会があり、また若い顧客層を相互に取り込むことで顧客層を厚くし、顧客の将来的なライフイベントでの収益機会を生み、長期的な収益力の向上に寄与すると理解しております。また、小口ファイナンス分野においては、資金ニーズのある新規顧客の獲得費用及び与信費用の低減が課題となる中で、精度の高い与信判断やマーケティング等を実現するためにはビッグデータを保有することも重要であると考えており、クロスセルを通じて両社のデータが蓄積されることで、与信判断やマーケティングの精度が高まり、コストの削減に寄与すると理解しております。
(c)ストラクチャードファイナンスにおける連携
対象者においては、不動産、太陽光、バイオマス、海底送電線、風力発電、上場インフラ法人、地熱発電、船舶、ヘルスケアといった多様な資産を対象とするストラクチャードファイナンスを展開できる強みを有しておりますが、中期経営計画においては、単独でのストラクチャードファイナンスの組成のみならず、地域金融機関等と共同してシニアローンを提供するなど、価値共創に向けた地域金融機関とのパートナーシップを注力分野として掲げております。SBIHDグループの資本業務提携・業務提携先である地域金融機関とのネットワークを有効活用し、対象者の提供する商品を販売することで、対象者の収益機会を拡大することができるものと考えております。
(d)プリンシパルトランザクションズにおける連携
SBIHDグループにおいては、SBIインベストメント株式会社をはじめとして様々なアセットマネジメント事業を展開しておりますが、対象者グループにおいてもプリンシパルトランザクションズ事業を有しており、中堅・中小企業を対象にプライベートエクイティ業務、事業承継業務などを行っております。投資機会の連携やノウハウの共有等を通じて相互に生産性を向上させることが期待されるとともに、SBIHDが提携する地域金融機関の顧客企業に対する支援策の一つとして、例えば、地域金融機関が、対象者が組成するシンジケートローンへの参加、対象者の顧客基盤を活かした融資機会の提供といった対象者が有する商品・サービス及び資金力が活用できれば、当該顧客企業のみならず、対象者にとっても新たな収益機会を生むものと考えております。
(e)市場営業・トレジャリー(注)における連携
為替取引に関して、SBIHDの子会社であるSBIリクイディティ・マーケット株式会社は、欧米・国内の主要金融機関31社とカウンターパーティ関係を構築していることに加え、FX口座数にして150万口座を越えるSBIHDグループの顧客やグループ外のFX業者が同社を活用することにより、外国為替の豊富な取引流動性を持っていることで価格競争力のあるスプレッドでの為替取引機会を顧客に対して提供しており、実際に、SBIHDグループのFX事業者であるSBIFXトレード株式会社では低スプレッドでの為替取引機会を顧客に対して提供しております。同社を活用することで、SBIHDグループは外貨調達、外貨ヘッジ等の外国為替取引に係るコストを従来に比べ抑制することができていることから、同様に、対象者の為替取引の取引先に比較検討機会が増えることにより、対象者の外国為替取引コストを従来よりも抑制することができると考えております。
(注) 対象者が2021年6月24日に提出した第21期有価証券報告書(以下「対象者有価証券報告書」といいます。)によれば、「ALM業務、資本性を含む資金調達業務」を意味します。
(f)リース事業における連携
対象者の連結子会社である昭和リース株式会社においては、建設機械、工場設備、情報通信、環境エネルギー、ヘルスケア、不動産等幅広いリース関連商品を提供しております。リース事業においては、SBIHDグループの取引先やSBIHDの資本業務提携・業務提携先である地域金融機関の取引先へ昭和リース株式会社のリース関連商品を提供することで対象者としては営業基盤を拡大することができると考えております。
以上のとおり、両グループの事業上の親和性は非常に高いものと考えており、相互に様々な収益機会を生むことができるものと確信しておりますが、本公開買付けを通じて所有割合を引き上げた後、対象者の経営陣へ事業上の連携に関する議論を行うことを提案し、迅速に実行に移すことを提案する予定です。
② 本公開買付け成立後の経営方針
SBIHDらは、上記「① 本公開買付けの目的及び背景」の「ウ 本公開買付けを実施する理由」のとおり、対象者の企業価値の回復・向上のための施策の早期実施のためには、対象者の役員の全部又は一部を変更し、最適な役員体制を実現することが必要であると考えており、そのため、SBIHDらは、本公開買付け成立後にSBIHDらが所有する対象者株式の所有割合及び本公開買付け成立後の対象者の経営陣との協議において示される対象者の経営陣の意向を考慮した上で、対象者の持続的成長と企業価値の最大化を実現するに適した人材により対象者の役員が構成されるような体制となるように対象者と協議する予定です。
かかる役員体制として、具体的には、SBIHDらからも独立した独立社外取締役を対象者の取締役総数の過半数とすると共に、本書提出日現在においては、本公開買付けの守秘性の観点から、本公開買付けの公表・開始前に対象者の役員候補者となりうる人物との十分な接触ができていない中で、SBIHDグループの金融サービス事業の中核を担うSBI証券や住信SBIネット銀行株式会社などで重要な役職を歴任し、経営全般に関する幅広い見識と豊富な経験を有する川島克哉氏を代表取締役社長候補、金融行政に深く携わってきた経験を有する元金融庁長官の五味廣文氏を取締役会長候補、旧株式会社東京銀行(現株式会社三菱UFJ銀行)で要職を経験し、現在SBIHDの子会社でロシアの商業銀行であるSBI Bankの取締役会会長を務める畑尾勝巳氏を取締役候補として推薦することを考えており、これらの者からは内諾を得ております。なお、川島克哉氏は、SBIHDの代表取締役副社長を務めており、五味廣文氏は、複数の会社の社外役員を務めているほか、SBIHDの元社外取締役(2019年6月退任)であり、現在SBIHDの経営諮問委員会の経営諮問委員(非常勤)を務めております。上記3名が対象者の取締役となる場合には、SBIHDグループ側の取締役又は経営諮問委員の職務から退く予定です。また、本書提出日現在、対象者の第21期定時株主総会に上程された取締役の選任議案においてSBIHDが再任に対して反対の議決権を行使した取締役である工藤英之氏、アーネスト M.比嘉氏、槇原純氏及び村山利栄氏について、再任について反対というSBIHDの方針に変更はありません。
SBIHDらは、2021年11月5日に預金保険機構が公表した「ご質問書」において「対象者の独立社外取締役を真に独立したものとするための選定方法」について質問を受け、当該質問への回答内容を検討した結果、同月12日に、SBIHDらから独立した公正・中立な独立社外取締役を選任するためには、SBIHDらの独自の裁量で選定するのではなく、本公開買付け成立後速やかに、対象者とSBIHDらとで独立社外取締役選定委員会を組成した上で透明かつ客観的なプロセスを経て選定することが極めて重要であると考えるに至り、かかる独立社外取締役選定委員会による選定を対象者に提案することといたしました。同委員会は、SBIHDら及び対象者の現任取締役から独立し、十分な識見を有し、公正・中立と客観的に評価される人物を法曹界から招き委員長とし、SBIHDら及び対象者がそれぞれ1名ずつ推薦する委員によって構成することを想定しております。かかる委員会において、東京証券取引所の「コーポレートガバナンス・コード」及び経済産業省の「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」を尊重しつつ独立社外取締役の候補者を選定することにより、当該臨時株主総会における独立社外取締役選定の公正性・中立性を担保することを考えております。
また、対象者の持続的成長と企業価値の最大化、また対象者の円滑な事業継続の観点から、対象者のステークホルダーの意向も踏まえながら、独立社外取締役の過半数を維持しつつ、SBIHDらが既に提案しております業務執行取締役(社内取締役)に加え対象者の業務執行者からも若干名の業務執行取締役の選任を行うことは十分ありうるものと考えております。
なお、9月17日付対象者プレスにおいて公表された対象者による本公開買付けに対する対応を踏まえ、SBIHDらとしては、SBIHDらの2021年9月17日付「株式会社新生銀行株式(証券コード:8303)に対する公開買付けに関して」において公表したとおり、SBIHDらは、本公開買付けの成否にかかわらず、臨時株主総会の招集請求又は対象者が開催する株主総会における株主提案を行い、対象者の企業価値の回復・向上に向けて現取締役の構成を刷新すべく取締役選任議案等を提案することも検討し、その結果、9月24日付SBIHDら回答書においては、SBIHDらとして、対象者買収防衛策が対象者株主の利益のために導入されたものではなく、対象者経営陣の自己保身目的で導入されたものであったものと判断した場合には、対象者取締役の刷新を目的とした臨時株主総会の招集請求等のあらゆる手段を講じて、対象者の企業価値ないし株主の皆様の共同の利益を守る意向であることを対象者に回答いたしました。また、SBIHDらは、本公開買付け成立までに対象者取締役の刷新を目的とした臨時株主総会の招集請求等を行わなかった場合でも、本公開買付け成立後に行う対象者との対象者の役員体制に関する協議について対象者と合意に至れない場合には、本公開買付けに上限又は上限を超える応募があった場合には、対象者の役員の全部又は一部を変更するために対象者の臨時株主総会の招集請求を行うこと、及び、それ以外の場合にも本公開買付けに対する対象者の他の株主の皆様の反応を踏まえて、SBIHDらが提案する役員選任議案について他の株主の皆様の賛同を得て可決できる可能性が高いと判断できる場合には、対象者の臨時株主総会の招集請求を行うことを予定しておりました。SBIHDらは、どのような場合に役員選任議案を諮る対象者の臨時株主総会の招集請求を行うこととするかについて更に検討を重ねた結果、2021年11月12日に、本件株主意思確認総会が予定されている中で、対象者の株主をはじめとしたステークホルダーの皆様に無用な混乱を生じさせないためにも、同総会前に対象者取締役の刷新を目的とした臨時株主総会の招集請求は行うことはせず、本公開買付けが成功した場合には、対象者の企業価値向上を可能とする新たな役員体制を構築するため、対象者の臨時株主総会の招集請求を行い、対象者の役員選任議案を諮ることを方針とするに至りました。この際、上記のとおり、当該臨時株主総会において取締役候補者として推薦する独立社外取締役の候補者を選定すべく、対象者とSBIHDらとで独立社外取締役選定委員会を組成することを対象者に提案する予定です。
また、前記のとおり、本公開買付けの守秘性の観点から、本公開買付けの公表・開始前には対象者の社外取締役候補者となりうる人物との十分な接触を行っていないため、現時点においては役員体制を変更した後における独立社外取締役の具体的候補者を挙げることはできませんが、ガバナンス体制強化の観点から独立社外取締役が取締役総数の過半数となる体制とする考えであり、また、上記のとおり、独立社外取締役の候補者を選定すべく、対象者とSBIHDらとで独立社外取締役選定委員会を組成することを対象者に提案する予定です。このようにして新たな役員体制を整えた上で、対象者とSBIHDグループとの間の重要な取引の決定に際しては、当該取引が対象者の少数株主にとって不利益をもたらさないかについて過半数の独立社外取締役を含む独立性を保った対象者の取締役会において慎重に審議・検討を行うとともに、アームズ・レングス・ルールに則り、市場規律に基づき取引条件を適切に決定するなど、SBIHDグループとの十分な利益相反管理体制を敷きつつ、対象者の金融機関としての業務の適切性及び財務の健全性を維持するために、SBIHDグループとの間の一定の金額基準以上の取引は事前協議事項として、SBIHDにおいてもその内容について適切にモニタリングできるような体制を整えることを考えております。なお、SBIHDグループの社内取締役又は従業員及び、それらの経歴を有する者などSBIHDグループと関係の深い役員については、SBIHDグループと対象者との間の取引についての対象者内での意思決定に関与しない予定です。また、対象者における開示情報から、対象者におかれては、主要株主との関係において銀行法で求められる独立性の確保を図るため、同じく社内規程に基づき、利益相反が生じる可能性があると判断された取引を行うときは取締役会の判断を求めるプロセスを構築しているものと理解しております。対象者が何らかの特別組織などを用いて、事前審査及び事後のモニタリングを行う仕組みを有しているか、SBIHDらでは承知しておりませんが、SBIHDらとしては、本公開買付けにより対象者がSBIHDの連結子会社となった場合には、SBIHDグループと対象者との取引に関しては、対象者において、SBIHDグループから独立した委員からなる特別委員会を設け、同委員会において事前の審査及び事後のモニタリングを行うことで利益相反管理体制に遺漏無きを期すこととしたいと考えております。SBIHDらとしては、かかる徹底した利益相反管理体制を通じて、少数株主の利益は適切に保護されるものと考えており、本公開買付けは強圧性を有するものではないと考えております。加えて、独立社外取締役がSBIHDグループから真に独立した人物で構成されることを担保すべく、独立社外取締役が過半数を占める対象者の任意の指名報酬委員会等において、取締役候補者を推薦する体制を採用いたします。これらの方策を通じて、対象者の銀行業務の公共性を踏まえて、対象者の独立性を最大限尊重し、機関銀行化などの問題が生じないよう配慮しつつ、SBIHDグループと対象者グループの経営資源を組み合わせることで対象者グループの収益力強化を目指したいと考えております。
なお、上記「① 本公開買付けの目的及び背景」の「ウ 本公開買付けを実施する理由」の「(ウ)本公開買付けを実施するに至った理由」のとおり、SBIHDらは、対象者がSBIHDグループが進める地方創生プロジェクトに関する重要なパートナーであることを勘案し、SBIHDグループにおいて、地域金融機関への直接の出資を通じ当該金融機関との事業提携を推進する法人である公開買付者が、対象者株式の一括管理を行う主体として適切であると考えていることから、SBIHDが所有している対象者株式は、今後の状況も勘案の上、2022年3月末までに公開買付者に移管することを予定しております。
(3)対象者株式の追加取得の予定の有無
上記「(1)本公開買付けの概要」のとおり、SBIHDらは、本公開買付けにより、(ⅰ)対象者をSBIHDの連結子会社とすること及び(ⅱ)対象者の役員の全部又は一部を変更し、最適な役員体制を実現することを可能にするための議決権を確保することを企図しているところ、本公開買付けによって、公開買付者が、上記(ⅰ)及び(ⅱ)の目的を達成するために必要な対象者株式を取得できた場合には、SBIHDらは、本書提出日現在、本公開買付け成立後に対象者の株券等を追加で取得することは予定しておりません。
一方、本公開買付けによって、公開買付者が、上記(ⅰ)及び(ⅱ)の目的を達成するために必要な株式を取得できなかった場合には、SBIHDらは、上記(ⅰ)及び(ⅱ)の目的達成に向けて必要な範囲で、市場内取引その他の方法により対象者株式を追加で取得することを予定しておりますが、その手法、条件、実施時期及び適否について本公開買付け成立後の市場株価の動向、対象者や対象者の他の株主その他の関係者との協議状況、SBIHDらにおける資金調達の可否等を踏まえて決定した上で、取得する方針です。
(4)本公開買付けに係る重要な合意等
該当事項はありません。
(5)上場廃止となる見込みがある旨及びその事由
対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所市場第一部に上場しております。本公開買付けは、対象者株式の上場廃止を企図したものではなく、本公開買付け成立後も引き続き対象者株式の上場を維持する方針であることから、買付予定数の上限(58,211,300株)を設定しておりますので、本公開買付け成立後にSBIHDらが所有することとなる対象者株式の数は、最大で100,949,100株(所有割合:48.00%)にとどまる予定です。したがって、本公開買付け成立後も、対象者株式は、引き続き東京証券取引所市場第一部における上場が維持される予定です。

届出当初の期間

①【届出当初の期間】
買付け等の期間2021年9月10日(金曜日)から2021年12月8日(水曜日)まで(60営業日)
公告日2021年9月10日(金曜日)
公告掲載新聞名電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。
電子公告アドレス
(https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/)

買付け等の価格

(2)【買付け等の価格】
株券普通株式 1株につき金2,000円
新株予約権証券
新株予約権付社債券
株券等信託受益証券
( )
株券等預託証券
( )
算定の基礎SBIHDらは、本公開買付価格を決定するに際して、SBIHDら及び対象者から独立した第三者算定機関としてのフィナンシャル・アドバイザーであるシティグループ証券に対し、対象者の株式価値の算定を依頼いたしました。シティグループ証券は、SBIHDらの関連当事者には該当しません。また、案件について伏せたうえで複数の金融機関にSBIHDに対する本公開買付けに係る決済及び諸費用の支払に要する資金の貸付けについて打診を行った中で、金融機関側での実施の可否や条件を踏まえた結果、シティグループ証券のグループ企業であるシティバンク、エヌ・エイ東京支店(以下「シティバンク」といいます。)を貸付人として選定しました。シティバンクは公開買付者が本公開買付けに係る決済及び諸費用の支払に要する資金をSBIHDが公開買付者に対して貸し付ける資金等を、SBIHDに対して貸し付けることを予定しておりますが、シティグループ証券は法第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号。その後の改正を含みます。以下「金商業等府令」といいます。)第70条の4の定めに従い、シティバンクとの間に情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施していることを踏まえて算定機関として選定され、シティバンクの貸付人の地位とは独立した立場で、対象者の株式価値の算定を行っております。
シティグループ証券は、複数の株式価値算定手法の中から対象者の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者の市場株価の動向を勘案した市場株価法、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較法による対象者株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、また、将来の事業活動の状況を評価に反映するため、対象者が事業を安定的に行う上で必要となる自己資本比率を仮定し、その自己資本比率から算出される自己資本を維持するために必要な内部留保等を考慮した後の株主に帰属する利益を株主資本コストで現在価値に割り引くことで株式価値を分析する手法であり、金融機関の評価に広く利用される配当割引モデル(Dividend Discount Model)法(以下「DDM法」といいます。)を用いて対象者株式の価値算定を行い、SBIHDらは、2021年9月8日付でシティグループ証券から株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)を取得しております。なお、SBIHDらは、シティグループ証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
本株式価値算定書によると、採用した手法及び当該手法に基づいて算定された対象者株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。
市場株価法 :1,416円から1,591円
類似会社比較法:1,602円から2,198円
DDM法 :1,650円から2,584円
市場株価法では、本公開買付けに係るSBIHDらの取締役会決議日の前営業日である2021年9月8日を基準日として、東京証券取引所市場第一部における対象者株式の、同日までの直近1ヵ月間(2021年8月10日から2021年9月8日)の終値の単純平均値1,416円(小数点以下四捨五入。以下、市場株価の終値の単純平均値の計算において同じです。)、同日までの直近3ヵ月間(2021年6月9日から2021年9月8日)の終値の単純平均値1,460円及び同日までの直近6ヵ月間(2021年3月9日から2021年9月8日)の終値の単純平均値1,591円を基に、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,416円から1,591円までと算定しております。
類似会社比較法では、対象者が営む銀行事業、消費者金融事業、リース事業に類似する事業に従事すると判断される類似上場会社を比較対象として参照し、市場株価に対する一株当たり株主資本の倍率を用いて、対象者の株式価値を算定し、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲は、1,602円から2,198円までと分析しております。

DDM法では、SBIHDらが対象者の事業に関して有する知見をもとに、対象者の直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が2021年3月期から2026年3月期において事業を安定的に行う上で必要となる自己資本比率を仮定し、その自己資本比率から算出される自己資本を維持するために必要な内部留保等を考慮した後の株主に帰属する利益を株主資本コストで現在価値に割り引いて対象者株式の株式価値を算定し、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を、1,650円から2,584円までと分析しております。なお、上記事業計画に基づく財務予測には大幅な増減益を見込んでいる事業年度はありません。また、本公開買付けにより実現することが期待されるシナジー効果については、本公開買付けの開始時点においては、対象者とのシナジー実現の蓋然性や時間軸が見通しづらいため、反映しておりません。
SBIHDらは、シティグループ証券から取得した本株式価値算定書に記載された市場株価法、類似会社比較法、DDM法の株式価値の範囲を踏まえ、本公開買付価格を検討したところ、市場株価法による範囲に対して十分なプレミアムを確保すること、類似会社比較法による範囲の上限に近い水準を確保すること、DDM法の範囲内であること、本公開買付けに対する応募の見通し、対象者経営陣からの賛同を事前に取り付けていないことから、より多くの対象者の株主の皆様に応募いただくために十分なプレミアム水準を確保することを勘案し、2021年9月9日に、本公開買付価格を1株当たり2,000円とすることを決定いたしました。なお、過去に行われた発行者以外の者による上場維持を前提とした公開買付けの事例において付与されたプレミアム分析につきましては、参考として初期的な分析を行ったものの、プレミアムは各事例の当時の市場株価や公開買付者が妥当と考える各事例の対象者の本源的価値の水準によって異なりうることから、直接的に比較することは不可能と判断し、本公開買付価格の検討上は考慮しておりません。
本公開買付価格である2,000円は、本公開買付けを実施することについての公表日の前営業日である2021年9月8日の東京証券取引所市場一部における対象者株式の終値1,453円に対して37.65%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの数値(%)について同じです。)のプレミアムを加えた価格、過去1ヵ月間(2021年8月10日から2021年9月8日)の終値単純平均値1,416円(小数点以下四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して41.25%のプレミアムを加えた価格、過去3ヵ月間(2021年6月9日から2021年9月8日)の終値単純平均値1,460円に対して36.95%のプレミアムを加えた価格、過去6ヵ月間(2021年3月9日から2021年9月8日)の終値単純平均値1,591円に対して25.71%のプレミアムを加えた価格です。また、本書提出日の前営業日である2021年9月9日の東京証券取引所一部における対象者株式の終値1,440円に対して38.89%のプレミアムを加えた価格となります。
SBIHDは2021年1月28日から同年3月下旬にかけて、市場取引の方法により、当時の市場価格にて対象者株式を取得していますが、当該市場取引は東京証券取引所市場第一部における競争売買により行われており、本公開買付けと異なり、プレミアムは付与されておりません。
また、公開買付者は、2021年9月9日を取得日として、SBIHDから相対取引により、対象者株式100株を1株当たり1,418円(同月7日の東京証券取引所市場第一部における対象者株式の終値)で取得しております。本公開買付価格(2,000円)と当該取得価格(1,418円)の間には、582円の差異が生じておりますが、これは、当該株式取得の時点以降の対象者株式の株価の動向に加えて、当該株式取得は、100%親子会社間の株式譲渡によるものであって、本公開買付けと異なり、プレミアムが付与されていないためです。
算定の経緯(本公開買付価格の決定に至る経緯)
SBIHDは、上記「3 買付け等の目的」の「(1)本公開買付けの概要」のとおり、対象者グループが有するカードローンをはじめとする消費者金融関連ビジネス、ストラクチャードファイナンスビジネス、クレジット投資、プライベートエクイティ投資をはじめとする対象者グループの主力事業である事業分野を高く評価しており、両グループの経営資源を有機的に組み合わせることができれば顧客の利便性向上につながり、両グループにとっての企業価値向上を図ることができると考えたことから、2019年4月2日より対象者株式の市場買付けを開始するとともに、2019年8月に対象者との資本業務提携の可能性について検討を開始し、対象者に対して継続的に資本業務提携に関する提案を行ってきましたが、地方創生に関する提携については一定の進展が見られたものの、証券業務を含む両グループのシナジーの発揮が期待できる分野に関する提携については対象者から前向きな回答を得られず、現在に至っております。

こうした中で、SBIHDらは、対象者においては2016年3月期以降ほとんどの事業年度において対象者公表の計画値が未達であり、実質業務純益及び親会社株主に帰属する当期純利益においては減少傾向が続いているものの、対象者の経営陣はかかる状況に対し抜本的な対応策を講じていないと考えております。また、SBIHDらは、対象者の意思決定の適切性や機動性が欠如している一因は、取締役会メンバーの中には、ゴールドマン・サックス証券株式会社やマネックスグループ株式会社など、社外取締役の出身母体に偏りがあるように見受けられる面もあるなどの対象者の役員体制にあるものと考えておりますが、自発的に役員体制を見直し、ガバナンス機能の回復に努めることを対象者に期待することは難しい状況にあると考えております。
こうした状況を踏まえ、SBIHDらは、対象者の業績を改善し企業価値を回復・向上すべく、(ⅰ)対象者をSBIHDの連結子会社としSBIHDグループと対象者グループの間の事業上の提携関係を構築・強化すること、及び、(ⅱ)対象者の役員の全部又は一部を変更し、最適な役員体制を実現することを可能とする議決権を確保すること、並びに、(ⅲ)本公開買付けによって、公開買付者が、上記(ⅰ)及び(ⅱ)の目的を達成するために必要な対象者株式を取得できない場合でも、将来的な上記(ⅰ)及び(ⅱ)の目的達成に向けて、公開買付けにより対象者株式の所有割合を機動的に高めておくことを目的として、2021年9月9日付のSBIHDらにおける取締役会決議に基づきそれぞれ本公開買付けの実施に係る最終決定を一任されたSBIHD代表取締役社長の北尾吉孝及び公開買付者代表取締役の森田俊平において、同日、本公開買付けを実施すること、及び、以下の経緯により本公開買付価格を2,000円とすることを決定いたしました。
(ⅰ)算定の際に意見を聴取した第三者の名称
SBIHDらは、本公開買付価格を決定するに際し、SBIHDら及び対象者から独立した第三者算定機関としてシティグループ証券に対して、対象者の株式価値の算定を依頼しており、SBIHDらは、シティグループ証券から2021年9月8日に本株式価値算定書を取得しております。シティグループ証券はSBIHDら及び対象者の関係当事者には該当しません。また、案件について伏せたうえで複数の金融機関にSBIHDに対する本公開買付けに係る決済及び諸費用の支払に要する資金の貸付けについて打診を行った中で、金融機関側での実施の可否や条件を踏まえた結果、シティグループ証券のグループ企業であるシティバンクを貸付人として選定しました。シティバンクは公開買付者が本公開買付けに係る決済及び諸費用の支払に要する資金をSBIHDが公開買付者に対して貸し付ける資金等を、SBIHDに対して貸し付けることを予定しておりますが、シティグループ証券は法第36条第2項及び金商業等府令第70条の4の定めに従い、シティバンクとの間に情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施していることを踏まえて算定機関として選定され、シティバンクの貸付人の地位とは独立した立場で、対象者の株式価値の算定を行っております。なお、SBIHDらは、シティグループ証券から本公開買付価格の公平性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
(ⅱ)当該意見の概要
本株式価値算定書によると、採用した手法及び当該手法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。
市場株価法 :1,416円から1,591円
類似会社比較法:1,602円から2,198円
DDM法 :1,650円から2,584円
(ⅲ)当該意見を踏まえて本公開買付価格を決定するに至った経緯
SBIHDらは、本株式価値算定書に記載された市場株価法、類似会社比較法、DDM法の株式価値の範囲を踏まえ、本公開買付価格を検討したところ、市場株価法による範囲に対して十分なプレミアムを確保すること、類似会社比較法による範囲の上限に近い水準を確保すること、DDM法の範囲内であること、本公開買付けに対する応募の見通し、対象者経営陣からの賛同を事前に取り付けていないことから、より多くの対象者の株主の皆様に応募いただくために十分なプレミアム水準を確保することを勘案し、2021年9月9日、本公開買付価格を1株当たり2,000円とすることを決定いたしました。

買付予定の株券等の数

(3)【買付予定の株券等の数】
株券等の種類買付予定数買付予定数の下限買付予定数の上限
普通株式58,211,300(株)-(株)58,211,300(株)
合計58,211,300(株)-(株)58,211,300(株)

(注1) 応募株券等の総数が買付予定数の上限(58,211,300株)以下の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。応募株券等の総数が買付予定数の上限(58,211,300株)を超える場合は、その超える部分の全部又は一部の買付け等は行わないものとし、法第27条の13第5項及び府令第32条に規定するあん分比例の方式により、株券等の買付け等に係る受渡しその他の決済を行います。
(注2) 本公開買付けを通じて、対象者の所有する自己株式を取得する予定はありません。
(注3) 単元未満株式も本公開買付けの対象としております。なお、会社法に従って対象者の株主による単元未満株式買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続に従い、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)中に自己の株式を買い取ることがあります。

買付け等を行った後における株券等所有割合

区分議決権の数
買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)582,113
aのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(b)-
bのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(c)-
公開買付者の所有株券等に係る議決権の数(2021年9月10日現在)(個)(d)1
dのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(e)-
eのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(f)-
特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2021年9月10日現在)(個)(g)427,377
gのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(h)-
hのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(i)-
対象者の総株主等の議決権の数(2021年3月31日現在)(個)(j)2,152,652
買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合
(a/j)(%)
27.68
買付け等を行った後における株券等所有割合
((a+d+g)/(j+(b-c)+(e-f)+(h-i))×100)(%)
48.00

(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定の株券等の数(58,211,300株)に係る議決権の数を記載しております。
(注2) 「対象者の総株主等の議決権の数(2021年3月31日現在)(個)(j)」は、対象者有価証券報告書に記載された2021年3月31日現在の総株主の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの)です。但し、本公開買付けにおいては、単元未満株式(但し、対象者が所有する自己株式を除きます。)についても本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、対象者自己株券買付状況報告書に記載された2021年8月31日現在の対象者の発行済株式総数(259,034,689株)から、対象者が所有する同日現在の自己株式数(48,724,159株)を控除した株式数(210,310,530株)に係る議決権数(2,103,105個)を分母として計算しております。
(注3) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2021年9月10日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(但し、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。
(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」は、小数点以下第三位を四捨五入しております。

脚注、買付け等を行った後における株券等所有割合

(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定の株券等の数(58,211,300株)に係る議決権の数を記載しております。
(注2) 「対象者の総株主等の議決権の数(2021年3月31日現在)(個)(j)」は、対象者有価証券報告書に記載された2021年3月31日現在の総株主の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの)です。但し、本公開買付けにおいては、単元未満株式(但し、対象者が所有する自己株式を除きます。)についても本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、対象者自己株券買付状況報告書に記載された2021年8月31日現在の対象者の発行済株式総数(259,034,689株)から、対象者が所有する同日現在の自己株式数(48,724,159株)を控除した株式数(210,310,530株)に係る議決権数(2,103,105個)を分母として計算しております。
(注3) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2021年9月10日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(但し、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。
(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」は、小数点以下第三位を四捨五入しております。

株券等の種類

(1)【株券等の種類】
普通株式

根拠法令

(2)【根拠法令】
① 銀行法第52条の9第1項(対象者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有)
公開買付者は、対象者の主要株主基準値(銀行法第2条第9項で定義される総株主の議決権の100分の20をいいます。下記②及び③において同じです。)以上の数の議決権の保有者になろうとする者に該当するため、本公開買付けによる株式取得(以下「本株式取得」といいます。)については、公開買付者が、同法第52条の9第1項により、あらかじめ金融庁長官の認可(以下「本認可①」といいます。)を受けることが必要となります。
公開買付者は、金融庁長官に対して、本株式取得に関する本認可①の申請を行い、2021年9月9日付で、本認可①を取得しております。
② 銀行法第52条の9第1項(対象者の子会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有)
SBIHDは、子会社である公開買付者による本公開買付けを通じて対象者の子会社である新生信託銀行株式会社の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者になろうとする者に該当するため、本株式取得については、SBIHDが、同法第52条の9第1項により、あらかじめ金融庁長官の認可(以下「本認可②」といいます。)を受けることが必要となります。
なお、SBIHDは、金融庁長官に対して、本株式取得に関する本認可②の申請を行い、2021年9月9日付で、本認可②を取得しております。
③ 銀行法第52条の9第2項(対象者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有)
SBIHDは、対象者の2021年5月13日開催の取締役会決議に基づく自己株式取得により、遅くとも2021年7月末日までに対象者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者になった者であり、銀行法第52条の9第1項各号に掲げる取引又は行為以外の事由により対象者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者になった者に該当します。本株式取得自体に必要な許可等に該当しませんが、SBIHDが猶予期限日(銀行法第52条の9第2項で定義されます。)後も引き続き対象者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であるためには、SBIHDが、同法第52条の9第2項により、金融庁長官の認可(以下「本認可③」といいます。)を受けることが必要となります。
SBIHDは、金融庁長官に対して、本認可③の申請を行い、2021年9月9日付で、本認可③を取得しております。
④ 2000年金融サービス・市場法
SBIHDらは、本株式取得により対象者に係る保有株式割合又は議決権割合を20%未満から30%超に増加させることを通じて対象者の英国子会社であるShinsei International Limited(以下「英国子会社」といいます。)に対するコントロールを増加させることになるため、2000年金融・サービス市場法により、本株式取得による英国子会社のコントロールの増加について英国金融行為規制機構(以下「英国FCA」といいます。)の承認を取得することが必要となります。
SBIHDらは、英国FCAに対して本株式取得に関する承認に係る申請(以下「本英国FCA申請」といいます。)を行い、2021年8月27日付で本英国FCA申請に関する英国FCAの承認を取得しております。
なお、本英国FCA申請についての承認の有効期間は上記取得日から3ヵ月間とされていたところ、SBIHDらは、今般の公開買付期間の延長に向けた準備として、英国FCAに対して当該有効期間の延長の要請を行い、英国FCAから、当該有効期間を2021年12月27日まで延長する旨の2021年9月28日付の通知を受領いたしました。
今後も、本公開買付けに係る決済開始日までに当該承認の有効期間が満了する可能性が高まった場合には、SBIHDらは、英国FCAに対して有効期間の延長の要請を行います。当該要請にもかかわらず、有効期間の満了により当該承認が失効した場合には、下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(2)公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の令第14条第1項第4号に定める事情が生じた場合として、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。
⑤ ニュージーランド海外投資法
SBIHDらは、本株式取得により対象者のニュージーランド子会社であるUDC Finance Limited(以下「NZ子会社」といいます。)に係る間接的な保有株式割合が25%超となることを通じて、2005年ニュージーランド海外投資法に定めるニュージーランドの「重要な事業用資産」に投資をすることになるため、2005年ニュージーランド海外投資法及び2005年ニュージーランド海外投資規則により、本株式取得について海外投資局(Overseas Investment Office)(以下「本NZ海外投資局」といいます。)の承認を取得することが必要となります。
SBIHDらは、本NZ海外投資局に対して本株式取得に関する承認に係る申請(以下「本NZ海外投資申請」といいます。)を行い、2021年9月2日付で本NZ海外投資申請に関する本NZ海外投資局の承認を取得しております。
なお、公開買付期間(延長した場合を含みます。)満了の日の前日までに本NZ海外投資局から取得した本NZ海外投資申請についての承認が取り消された場合には、下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(2)公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の令第14条第1項第4号に定める事情が生じた場合として、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。
⑥ 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
対象者の2021年5月13日開催の取締役会決議に基づく自己株式取得により、遅くとも2021年7月末日までに、SBIHDが所有する対象者株式に係る議決権割合が20%を超えております。これにより、公開買付者及び公開買付者と同一の企業結合集団に属するSBIHDが所有する対象者株式に係る議決権割合が本株式取得によって20%を超えることにはならないため、公開買付者は、本株式取得に関して私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。その後の改正を含みます。以下「独占禁止法」といいます。)第10条第2項に定める計画を公正取引委員会にあらかじめ届け出る必要はありません。なお、公開買付者は、公正取引委員会と協議の上、公正取引委員会に対し、本株式取得に関する独占禁止法第10条第2項に定める計画の届出に準ずる届出を行った上で、公正取引委員会から、本株式取得が独占禁止法上問題となるものではない旨の連絡を受けております。

許可等の日付及び番号

(3)【許可等の日付及び番号】
国又は地域名許可等をした機関の名称許可等の日付許可等の番号
日本金融庁長官2021年9月9日金監督第2065号
2021年9月9日金監督第2065号
英国英国FCA2021年8月27日207509222
2021年9月28日207509222
ニュージーランド本NZ海外投資局2021年9月2日202100478

(注) 上記「(2)根拠法令」の「③ 銀行法第52条の9第2項(対象者の主要株主基準値以上の数の議決権の保有)」の本認可③及び「⑥ 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」の公正取引委員会からの本株式取得が独占禁止法上問題となるものではない旨の連絡は、本株式取得について必要となる許可等には該当しないため、上記表には記載しておりません。

応募の方法

(1)【応募の方法】
① 公開買付代理人
株式会社SBI証券 東京都港区六本木一丁目6番1号
② 本公開買付けに応募する株主(以下「応募株主等」といいます。)は、公開買付代理人のホームページ(https://www.sbisec.co.jp)画面から所要事項を入力することでWEB上にて公開買付期間の末日の午前9時までに申し込む方法、又は、公開買付代理人のホームページ(https://www.sbisec.co.jp)画面から公開買付応募申込書をご請求いただき、公開買付代理人から発送した「公開買付応募申込書」に所要事項を記載のうえ、公開買付代理人までご返送いただき申し込む方法、又は、公開買付代理人の本店若しくは営業所、若しくは公開買付代理人の担当者が駐在しているSBIマネープラザ株式会社の各部支店(注1)(以下「店頭応募窓口」といいます。場所等の詳細は公開買付代理人のホームページ(https://www.sbisec.co.jp)をご参照いただくか、公開買付代理人までご連絡のうえご確認ください。以下同様とします。)において、所定の「公開買付応募申込書」に所要事項を記載のうえ、公開買付期間の末日の午前9時までに申し込む方法にて、応募してください。応募の際には、本人確認書類が必要となる場合があります(注2)(店頭応募窓口にて申し込む場合、応募株主等は、応募の際に、「公開買付応募申込書」とともに、ご印鑑をご用意ください。)。なお、公開買付応募申込書を郵送される場合、下記③に記載する公開買付代理人に開設した応募株主等口座へ応募株券等の振替手続を完了した上で、公開買付応募申込書が、店頭応募窓口に公開買付期間の末日の午前9時までに到達することを条件とします。
③ 対象者株式の応募の受付にあたっては、応募株主等が公開買付代理人に開設した応募株主等名義の証券取引口座(以下「応募株主等口座」といいます。)に、応募する予定の株式が記載又は記録されている必要があります。そのため、応募する予定の対象者株式が、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等に開設された口座に記載又は記録されている場合(対象者の特別口座の口座管理機関である三井住友信託銀行株式会社に開設された特別口座に記載又は記録されている場合を含みます。)は、応募に先立ち、公開買付代理人に開設した応募株主等口座へ応募株券等の振替手続を完了していただく必要があります。なお、特別口座から、公開買付代理人の応募株主等口座に株券等の記録を振り替える手続の詳細につきましては、上記特別口座の口座管理機関にお問い合わせくださいますようお願い申し上げます。
④ 本公開買付けにおいて、公開買付代理人以外の金融商品取引業者を経由した応募の受付は行われません。
⑤ 公開買付代理人に証券取引口座を開設しておられない応募株主等には、新規に証券取引口座を開設していただく必要があります。証券取引口座を開設される場合には、本人確認書類(注2)が必要となります。
⑥ 外国の居住者である株主(法人株主を含みます。以下「外国人株主」といいます。)の場合、日本国内の常任代理人を通じて応募してください(常任代理人より、外国人株主の委任状又は契約書の原本証明付きの写しをご提出いただきます。)。また、本人確認書類(注2)をご提出いただく必要があります。
⑦ 日本の居住者である個人株主の場合、買付けられた株券等に係る売却代金と取得費等との差額は、原則として株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税の適用対象となります(注3)。
⑧ 応募の受付に際し、公開買付代理人より応募株主等に対して、公開買付応募申込の受付票を郵送により交付します。
⑨ 応募株券等の全部の買付け等が行われないこととなった場合、買付け等の行われなかった株券等は応募株主等に返還されます。
(注1) 店頭応募窓口は次のとおりとなります。
公開買付代理人の本店
公開買付代理人の営業所
大阪営業所 名古屋営業所 福岡営業所
なお、公開買付代理人の営業所は、SBIマネープラザ株式会社の支店(大阪支店、名古屋支店、福岡中央支店)に併設されております。
公開買付代理人の担当者が駐在しているSBIマネープラザ株式会社の各部支店
会津支店 熊谷中央支店 宇都宮中央支店 新宿中央支店 松本支店 伊那支店 名古屋支店 大阪支店 福岡中央支店 鹿児島中央支店
(注2) ご印鑑、マイナンバー(個人番号)又は法人番号及び本人確認書類等について
公開買付代理人である株式会社SBI証券において新規に証券取引口座を開設して応募される場合又は外国人株主等が常任代理人を通じて応募される場合には、ご印鑑が必要となるほか、次のマイナンバー(個人番号)又は法人番号を確認する書類及び本人確認書類等が必要になります。また、既に口座を有している場合であっても、住所変更、取引店変更、税務に係る手続等の都度、マイナンバー(個人番号)又は法人番号及び本人確認書類等が必要な場合があります。なお、マイナンバー(個人番号)を確認するために提出する書類により、必要となる本人確認書類が異なります。詳しくは、公開買付代理人のホームページ(https://www.sbisec.co.jp)、又は、店頭応募窓口にてご確認ください。
個人の場合
マイナンバー(個人番号)を確認するための書類と本人確認書類(氏名、住所、生年月日の全てを確認できるもの。発行日より6ヵ月以内のもの、また、有効期限のあるものはその期限内のもの。)が必要となります。
マイナンバー確認書類(コピー)本人確認書類(コピー)
マイナンバーカード(両面)不要
通知カード顔写真付き
(右記のいずれか1点)
運転免許証、住民基本台帳カード(写真付き)、在留カード、特別永住者証明書 等
顔写真なし
(右記のいずれか2点)
各種健康保険証、各種年金手帳、印鑑登録証明書、戸籍抄本、住民票の写し 等
マイナンバーの記載された住民票の写し「住民票の写し」「住民票記載事項証明書」以外の下記いずれか1点
運転免許証、住民基本台帳カード(写真付き)、在留カード、特別永住者証明書、各種健康保険証、各種年金手帳、印鑑登録証明書、戸籍抄本 等
マイナンバーの記載された住民票記載事項証明書

法人の場合
① 登記事項証明書及び印鑑証明書(両方の原本。発行日より6ヵ月以内のもので名称及び本店又は主たる事務所の所在地並びに事業内容を確認できるもの。)
② 法人自体の本人確認に加え、代表者及び代理人・取引担当者個人(契約締結の任に当たる者)の本人確認が必要となります。
③ 法人番号を確認するための書類として、「法人番号指定通知書」のコピー又は国税庁法人番号公表サイトで検索した結果画面を印刷したものが必要となります。
外国人株主の場合
外国人(居住者を除きます。)又は外国に本店若しくは主たる事務所を有する法人の場合、日本国政府の承認した外国政府又は権限のある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、居住者の本人確認書類に準じるもの、及び常任代理人との間の委任契約に係る契約書若しくは委任状等(当該外国人株主の氏名又は名称、代表者の氏名及び国外の所在地の記載のあるものに限ります。)の写しが必要となります。
なお、公開買付期間中に新規に取引口座を開設される場合は、公開買付代理人にお早目にご相談ください。
(注3) 株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税について(日本の居住者である個人株主の場合)
日本の居住者である個人株主の方につきましては、株式等の譲渡所得には、一般に申告分離課税が適用されます。税務上の具体的なご質問等は税理士などの専門家に各自ご相談いただき、ご自身でご判断いただきますようお願い申し上げます。

契約の解除の方法

(2)【契約の解除の方法】
応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除については、公開買付代理人のホームページ(https://www.sbisec.co.jp)画面から所要事項を入力する方法、又は、公開買付期間の末日の午前9時までに、公開買付代理人のカスタマーサービスセンター(電話番号:0120-104-214 携帯電話・PHSからは03-5562-7530)までご連絡いただき、解除手続を行ってください。
また、店頭応募窓口経由(対面取引口座)で応募された契約の解除をする場合は、公開買付期間の末日の午前9時までに、下記に指定する者の本店又は営業所、下記に指定する者の担当者が駐在しているSBIマネープラザ株式会社の各部支店に公開買付応募申込受付票(交付されている場合)を添付のうえ、本公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面(以下「解除書面」といいます。)を交付又は送付してください。但し、送付の場合は、解除書面が、店頭応募窓口に対し、公開買付期間の末日の午前9時までに到達することを条件とします。
解除書面を受領する権限を有する者
株式会社SBI証券 東京都港区六本木一丁目6番1号
(その他の株式会社SBI証券の営業所、又は株式会社SBI証券の担当者が駐在しているSBIマネープラザ株式会社の各部支店)

株券等の返還方法、応募及び契約の解除の方法

(3)【株券等の返還方法】
応募株主等が上記「(2)契約の解除の方法」に記載の方法により公開買付けに係る契約の解除を申し出た場合には、解除手続終了後速やかに、下記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還いたします。

株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地

(4)【株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】
株式会社SBI証券 東京都港区六本木一丁目6番1号

買付け等に要する資金等

(1)【買付け等に要する資金等】
買付代金(円)(a)116,422,600,000円
金銭以外の対価の種類
金銭以外の対価の総額
買付手数料(b)100,000,000円
その他(c)5,000,000円
合計(a)+(b)+(c)116,527,600,000円

(注1) 「買付代金(円)(a)」欄は、本公開買付けにおける買付予定数(58,211,300株)に、1株当たりの買付価格(2,000円)を乗じた金額です。
(注2) 「買付手数料(円)(b)」欄は、公開買付代理人に支払う手数料の見積額です。
(注3) 「その他(円)(c)」欄は、本公開買付けに関する公開買付開始公告についてのお知らせ掲載費及び公開買付説明書その他必要書類の印刷費等の諸費用につき、その見積額です。
(注4) 上記金額には、消費税等は含まれません。
(注5) その他公開買付代理人に支払われる諸経費及び弁護士報酬等がありますが、その額は本公開買付け終了後まで未定です。

金融機関以外、届出日以後に借入れを予定している資金

ロ【金融機関以外】
借入先の業種借入先の名称等借入契約の内容金額(千円)
金融業SBIHD
(東京都港区六本木一丁目6番1号)
買付け等に要する資金の借入れ(注1)
弁済期(未定):(注2)
金利(未定):(注2)
担保(未定):(注2)
59,300,000
計(c)59,300,000

(注1) 公開買付者は、上記金額の融資の裏付けとして、SBIHDから、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日までに、59,300,000,000円を限度して融資を行う用意がある旨の融資証明書を2021年9月9日付で取得しております。当該融資に係る前提条件は本書の添付書類である融資証明書に記載されております。
(注2) 本書の添付書類である融資証明書をご参照ください。

その他資金調達方法

④【その他資金調達方法】
内容金額(千円)
SBIHDによる出資(注)58,200,000
計(d)58,200,000

(注) 公開買付者は、上記金額の出資の裏付けとして、SBIHDから、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日までに、58,200,000,000円を上限として出資を行う用意がある旨の証明書を2021年9月9日付で取得しております。当該出資に係る前提条件は本書の添付書類である出資証明書に記載されております。

買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計

⑤【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計】
117,500,000千円((a)+(b)+(c)+(d))

買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地

(1)【買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】
株式会社SBI証券 東京都港区六本木一丁目6番1号

決済の開始日

(2)【決済の開始日】
2021年12月15日(水曜日)

決済の方法

(3)【決済の方法】
公開買付期間終了後遅滞なく、本公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の住所又は所在地宛に郵送します。
買付け等は、現金にて行います。買付けられた株券等に係る売却代金は、応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の指示により、決済の開始日以後遅滞なく、公開買付代理人から応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の指定した場所へ送金します。

株券等の返還方法、決済の方法

(4)【株券等の返還方法】
下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1)法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」又は「(2)公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき応募株券等の全部又は一部を買付けないこととなった場合には、公開買付期間末日の翌営業日(本公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日)以後速やかに、返還すべき株券等を返還します。株式については、公開買付代理人の応募株主等口座上で、返還すべき株式を応募が行われた直前の記録に戻すことにより返還します(株式を他の金融商品取引業者等に設定した応募株主等の口座に振り替える場合は、その旨指示してください。)。

法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容

(1)【法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容】
応募株券等の総数が買付予定数の上限(58,211,300株)以下の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。
応募株券等の総数が買付予定数の上限(58,211,300株)を超える場合は、その超える部分の全部又は一部の買付け等は行わないものとし、法第27条の13第5項及び府令第32条に規定するあん分比例の方式により、株券等の買付けに係る受渡しその他の決済を行います(各応募株券等の数に1単元(100株)未満の株数の部分がある場合、あん分比例の方式により計算される買付株数は各応募株券等の数を上限とします。)。
あん分比例の方式による計算の結果生じる1単元未満の株数を四捨五入して計算した各応募株主等からの買付株数の合計が買付予定数の上限に満たない場合は、買付予定数の上限以上になるまで、四捨五入の結果切捨てられた株数の多い応募株主等から順次、各応募株主等につき1単元(追加して1単元の買付け等を行うと応募株券等の数を超える場合は応募株券等の数までの数)の応募株券等の買付け等を行います。但し、切捨てられた株数の等しい複数の応募株主等全員からこの方法により買付け等を行うと買付予定数の上限を超えることとなる場合には、買付予定数の上限を下回らない範囲で、当該応募株主等の中から抽せんにより買付け等を行う株主等を決定します。
あん分比例の方式による計算の結果生じる1単元未満の株数を四捨五入して計算した各応募株主等からの買付株数の合計が買付予定数の上限を超える場合は、買付予定数の上限を下回らない数まで、四捨五入の結果切上げられた株数の多い応募株主等から順次、各応募株主等につき買付株数を1単元(あん分比例の方式により計算される買付株数に1単元未満の株数の部分がある場合は当該1単元未満の株数)減少させるものとします。但し、切上げられた株数の等しい複数の応募株主等全員からこの方法により買付株数を減少させると買付予定数の上限を下回ることとなる場合には、買付予定数の上限を下回らない範囲で、当該応募株主等の中から抽せんにより買付株数を減少させる株主等を決定します。
なお、あん分比例の方式による計算の結果、当該応募株主等の中から抽せんにより買付け等を行う株主を決定する場合や、当該応募株主等の中から抽せんにより買付株数を減少させる株主を決定する場合は、株式会社SBI証券で抽せんを実施します。

公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法

(2)【公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法】
令第14条第1項第1号イ乃至リ及びル乃至ツ、第3号イ乃至チ及びヌ、第4号並びに同条第2項第3号乃至第6号に定める事情のいずれかが生じた場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。なお、①対象者の業務執行を決定する機関が、本公開買付けに係る決済の開始日前を基準日とする剰余金の配当(株主に交付される金銭その他の財産の額が、対象者の最近事業年度の末日における単体の貸借対照表上の純資産の帳簿価額の10%に相当する額(85,784,500,000円(注))未満であると見込まれるものを除きます。)を行うことについての決定をした場合(具体的な剰余金の配当の額を示さずに、本公開買付けに係る決済の開始日前を剰余金の配当の基準日とする旨を決定した場合を含みます。)、及び②対象者の業務執行を決定する機関が、自己株式の取得(株式を取得するのと引換えに交付する金銭その他の財産の額が、対象者の最近事業年度の末日における単体の貸借対照表上の純資産の帳簿価額の10%に相当する額(85,784,500,000円)未満であると見込まれるものを除きます。)を行うことについての決定をした場合に、令第14条第1項第1号ツに定める「イからソまでに掲げる事項に準ずる事項」に該当する場合として、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。令第14条第1項第3号ヌについては、同号イからリまでに掲げる事実に準ずる事実として、①対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合、及び、②対象者の重要な子会社に同号イからトまでの掲げる事実が発生した場合をいいます。
また、本英国FCA申請についての承認の有効期間は当該承認の取得日である2021年8月27日から3ヵ月間とされていたところ、SBIHDらは、今般の公開買付期間の延長に向けた準備として、英国FCAに対して当該有効期間の延長の要請を行い、英国FCAから、当該有効期間を2021年12月27日まで延長する旨の2021年9月28日付の通知を受領いたしました。
今後も、本公開買付けに係る決済開始日までに当該承認の有効期間が満了する可能性が高まった場合には、SBIHDらは、英国FCAに対して有効期間の延長の要請を行います。当該要請にもかかわらず、有効期間の満了により当該承認が失効した場合には、令第14条第1項第4号の「許可等」を得られなかった場合として、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。
また、公開買付期間(延長した場合を含みます。)満了の日の前日までに本NZ海外投資局から取得した本NZ海外投資申請についての承認が取り消された場合には、令第14条第1項第4号の「許可等」を得られなかった場合として、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。
撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。
(注) ご参考:株主に交付される金銭その他の財産の額が、対象者の最近事業年度の末日における単体の貸借対照表上の純資産の帳簿価額の10%に相当する額となる剰余金の配当が行われる場合、当該配当に係る基準日時点の対象者の発行済株式総数及び自己株式の数が本書記載のこれらの数と一致していると仮定すると、1株当たりの配当額は408円に相当します(具体的には、対象者有価証券報告書に記載された2021年3月31日における対象者の単体の貸借対照表上の純資産額857,845百万円の10%(百万円未満を切捨てて計算しています。)に相当する額である85,784,500,000円を、対象者自己株券買付状況報告書に記載された2021年8月31日現在の対象者の発行済株式総数(259,034,689株)から、対象者が所有する同日現在の自己株式数(48,724,159株)を控除した株式数(210,310,530株)で除し、1円未満の端数を切り上げて計算しています。)。

買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法

(3)【買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法】
法第27条の6第1項第1号の規定により、公開買付期間中に対象者が令第13条第1項に定める行為を行った場合には、府令第19条第1項の規定に定める基準に従い、買付け等の価格の引下げを行うことがあります。買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付け等を行います。

応募株主等の契約の解除権についての事項

(4)【応募株主等の契約の解除権についての事項】
応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除の方法については、上記「7 応募及び契約の解除の方法」の「(2)契約の解除の方法」に記載の方法によるものとします。
なお、公開買付者は応募株主等による契約の解除があった場合においても、損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求しません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。解除を申し出られた場合には、応募株券等は当該解除の申出に係る手続終了後速やかに上記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により返還します。

買付条件等の変更をした場合の開示の方法

(5)【買付条件等の変更をした場合の開示の方法】
公開買付者は、公開買付期間中、法第27条の6第1項及び令第13条第2項により禁止される場合を除き、買付条件等の変更を行うことがあります。買付条件等の変更を行おうとする場合は、その変更の内容等につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付け等を行います。

訂正届出書を提出した場合の開示の方法

(6)【訂正届出書を提出した場合の開示の方法】
訂正届出書を関東財務局長に提出した場合は、法第27条の8第11項但書に規定する場合を除き、直ちに、訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを、府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。但し、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付する方法により訂正します。

公開買付けの結果の開示の方法

(7)【公開買付けの結果の開示の方法】
本公開買付けの結果については、公開買付期間末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。

その他、その他買付け等の条件及び方法

(8)【その他】
本公開買付けは、直接間接を問わず、米国内において又は米国に向けて行われるものではなく、また、米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(ファクシミリ、電子メール、インターネット通信、テレックス及び電話を含みますが、これらに限りません。)を利用して行われるものでもなく、さらに米国の証券取引所施設を通じて行われるものでもありません。上記方法・手段により、若しくは上記施設を通じて、又は米国内から本公開買付けに応募することはできません。
また、本書又は関連する買付書類は、米国内において若しくは米国に向けて、又は米国内から、郵送その他の方法によって送付又は配布されるものではなく、かかる送付又は配布を行うことはできません。上記制限に直接又は間接に違反する本公開買付けへの応募はお受けできません。
本公開買付けへの応募に際し、応募株主等(外国人株主の場合は常任代理人)は公開買付代理人に対し、以下の表明及び保証を行うことを求められることがあります。
・応募株主等が応募の時点及び公開買付応募申込書送付の時点のいずれにおいても米国に所在していないこと
・本公開買付けに関するいかなる情報(その写しを含みます。)も、直接間接を問わず、米国内において若しくは米国に向けて、又は米国内から、これを受領したり送付したりしていないこと
・買付け等若しくは公開買付応募申込書の署名交付に関して、直接間接を問わず、米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(ファクシミリ、電子メール、インターネット通信、テレックス及び電話を含みますが、これらに限りません。)又は米国内の証券取引所施設を使用していないこと
・他の者の裁量権のない代理人又は受託者・受任者として行動する者ではないこと(当該他の者が買付け等に関する全ての指示を米国外から与えている場合を除きます。)。

会社の沿革

①【会社の沿革】
年月概要
2015年8月SBIHDの孫会社であるSBIファイナンシャルサポート株式会社により、商号をER6株式会社とし、本店所在地を東京都港区六本木一丁目6番1号、資本金を1百万円とする株式会社として設立
2019年7月SBIファイナンシャルサポート株式会社が公開買付者株式の全てをSBIHDの完全子会社であるSBI Hong Kong Holdings Co., Limitedに譲渡
2019年7月商号をSBI Bank Holdings株式会社に変更
2020年4月SBI Hong Kong Holdings Co., Limitedが公開買付者株式の全てをSBIHDに譲渡
2020年4月商号をSBI地銀ホールディングス株式会社に変更
2020年7月資本金を451百万円に増資
2020年9月資本金を2,201百万円に増資
2020年11月資本金を4,151百万円に増資
2021年2月資本金を100百万円に減資

会社の目的及び事業の内容、公開買付者の状況

②【会社の目的及び事業の内容】
会社の目的
次の事業を営むことを目的としております。
(1)有価証券等の保有、管理、運用および取得等の投資事業
(2)企業の営業譲渡、資産売買、資本参加、業務提携および合併に関する調査、企画並びにそれらの斡旋、仲介
(3)経営一般に関するコンサルティング
(4)会社の帳簿の記帳および決算に関する事務並びに経営、経理に関する診断および指導
(5)情報提供サービス業
(6)システムの開発、販売およびレンタル
(7)上記各号に附帯または関連する一切の業務
事業の内容
公開買付者は、地域金融機関の株式の保有、管理や、地域金融機関への投資検討・実行、投資後の地域金融機関のモニタリングを主たる事業としております。

資本金の額及び発行済株式の総数

③【資本金の額及び発行済株式の総数】
資本金の額発行済株式の総数
1億円166,040株

大株主、公開買付者の状況

④【大株主】
2021年9月10日現在

氏名又は名称住所又は所在地所有株式の数
(株)
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合
(%)
SBIホールディングス株式会社東京都港区六本木一丁目6番1号166,040100.00
166,040100.00

役員の職歴及び所有株式の数

⑤【役員の職歴及び所有株式の数】
2021年9月10日現在

役名職名氏名生年月日職歴所有株式数
(株)
代表取締役森田 俊平1974年12月31日1998年4月ソフトバンク株式会社(現ソフトバンクグループ株式会社)入社
1999年4月ソフトバンク・アカウンティング株式会社(現ソフトバンク株式会社)入社
2000年7月オフィスワーク株式会社(現SBIビジネス・ソリューションズ株式会社)代表取締役社長
2002年10月オフィスワーク・システムズ株式会社(現SBIビジネス・ソリューションズ株式会社)代表取締役社長
2005年11月株式会社ジェイシーエヌランド(現SBIビジネス・ソリューションズ株式会社)代表取締役社長
2009年6月SBIホールディングス株式会社取締役執行役員
2011年6月モーニングスター株式会社社外監査役
2011年10月SBIホールディングス株式会社取締役執行役員CFO
2012年5月SBIアートオークション株式会社代表取締役(現任)
2012年6月SBIファイナンシャルサービシーズ株式会社取締役
2012年6月SBIキャピタルマネジメント株式会社取締役
2012年6月SBIホールディングス株式会社取締役執行役員常務
2014年12月SBIポイント株式会社代表取締役(現任)
2016年6月SBIインキュベーション株式会社代表取締役(現任)
2017年6月SBIビジネス・ソリューションズ株式会社取締役(現任)
2017年6月SBIホールディングス株式会社取締役執行役員専務
2017年8月SBI Crypto株式会社取締役(現任)
2018年6月SBIホールディングス株式会社専務取締役(現任)
2018年11月SBI EVERSPIN株式会社代表取締役(現任)

役名職名氏名生年月日職歴所有株式数
(株)
2018年11月SBIセキュリティ・ソリューションズ株式会社取締役(現任)
2019年12月株式会社島根銀行 社外取締役(現任)
2020年4月公開買付者代表取締役(現任)
2021年6月SBIグローバルアセットマネジメント株式会社取締役(現任)
2021年6月SBIネオファイナンシャルサービシーズ株式会社取締役(現任)
取締役川島 克哉1963年3月30日1985年4月野村證券株式会社入社
1995年8月ソフトバンク株式会社(現ソフトバンクグループ株式会社)入社
1999年7月SBIホールディングス株式会社取締役
1999年10月ソフトバンク・フロンティア証券株式会社(現株式会社SBI証券)代表取締役社長
2000年11月ソフトバンク・ファイナンス株式会社(現ソフトバンク株式会社)代表取締役社長
2001年3月モーニングスター株式会社代表取締役社長
2005年12月イー・トレード証券株式会社(現株式会社SBI証券)取締役執行役員副社長
2006年4月株式会社SBI住信ネットバンク設立準備調査会社(現住信SBIネット銀行株式会社)代表取締役副社長
2007年9月住信SBIネット銀行株式会社代表取締役副社長COO
2011年8月同社代表取締役社長
2014年4月同社取締役
2014年4月SBIマネープラザ株式会社代表取締役社長
2014年6月株式会社SBI証券取締役(現任)
2014年6月SBIホールディングス株式会社代表取締役執行役員副社長

役名職名氏名生年月日職歴所有株式数
(株)
2015年4月SBIファイナンシャルサービシーズ株式会社取締役(現任)
2015年4月SBIキャピタルマネジメント株式会社代表取締役社長(現任)
2015年4月SBIインベストメント株式会社代表取締役執行役員社長(現任)
2015年9月株式会社SBI貯蓄銀行取締役(現任)
2017年5月住信SBIネット銀行株式会社取締役(現任)
2018年6月SBIホールディングス株式会社代表取締役副社長(現任)
2018年7月SBIネオファイナンシャルサービシーズ株式会社取締役
2019年2月SBI地域事業承継投資株式会社代表取締役社長(現任)
2019年3月マネータップ株式会社代表取締役社長(現任)
2020年7月公開買付者取締役(現任)
2021年6月SBIネオファイナンシャルサービシーズ株式会社代表取締役(現任)
取締役光延(入戸野) 真弓1981年1月17日2004年4月株式会社UFJ銀行(現株式会社三菱UFJ銀行) 入社
2012年7月SBIホールディングス株式会社入社 住信SBIネット銀行株式会社 出向
2019年6月SBIネオファイナンシャルサービシーズ株式会社 出向 執行役員
2020年6月SBIネオファイナンシャルサービシーズ株式会社 取締役(現任)
2020年7月公開買付者取締役(現任)
2021年5月株式会社まちのわ 代表取締役社長(現任)

役名職名氏名生年月日職歴所有株式数
(株)
取締役嶋井 謙介1973年11月8日1996年4月株式会社大和銀行(現株式会社りそな銀行)入社
2006年10月住友信託銀行株式会社(現三井住友信託銀行株式会社)入社
2007年2月株式会社SBI住信ネットバンク設立準備調査会社(現住信SBIネット銀行株式会社)出向
2012年6月住信SBIネット銀カード株式会社 取締役
2016年5月住信SBIネット銀行株式会社 執行役員(住宅ローンビジネス担当)
2017年9月KDDI株式会社 入社
2018年2月株式会社じぶん銀行(現auじぶん銀行株式会社)執行役員 住宅ローンユニット長
2020年6月SBIホールディングス株式会社 入社 SBIネオファイナンシャルサービシーズ株式会社 出向 執行役員
2021年4月SBIネオファイナンシャルサービシーズ株式会社 取締役(現任)
2021年4月公開買付者取締役(現任)
監査役
(非常勤)
望月 明美1954年6月10日1984年10月青山監査法人入所
1988年3月公認会計士登録
1996年8月監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)入所
2001年6月監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)社員(現 パートナーに名称変更)
2018年7月日本精工株式会社社外取締役監査委員会委員(現任)
2018年7月明星監査法人社員(現任)
2019年6月株式会社ツムラ取締役監査等委員(現任)
2020年7月公開買付者監査役(現任)
2020年8月地方創生パートナーズ株式会社 監査役(現任)
2020年8月SBI日本少額短期保険株式会社 監査役(現任)
2021年6月旭化成株式会社監査役(現任)

経理の状況、公開買付者の状況

(2)【経理の状況】
1.財務諸表の作成方法について
公開買付者の第6期事業年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づいて作成しております。
2.監査証明について
公開買付者の第6期事業年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)の財務諸表は、監査法人又は公認会計士の監査を受けておりません。
①【貸借対照表】
(単位:千円)
第6期事業年度
(2021年3月31日)
資産の部
流動資産
現金及び預金248,072
営業投資有価証券1,081,985
預け金(現金同等物)40,854
親会社未収入金7,978
流動資産合計1,378,890
固定資産
(投資その他の資産)
関連会社株式6,872,523
投資その他の資産合計6,872,523
固定資産合計6,872,523
資産合計8,251,414

(注) 記載金額は、千円未満を切捨てて表示しております。
(単位:千円)
第6期事業年度
(2021年3月31日)
負債の部
流動負債
未払法人税等791
未払金2,216
預り源泉税191
流動負債合計3,200
固定負債
長期繰延税金負債3,600
固定負債合計3,600
負債合計6,800
純資産の部
株主資本
資本金100,000
資本剰余金
資本準備金25,000
その他資本剰余金8,177,000
資本剰余金合計8,202,000
利益剰余金
その他利益剰余金△15,977
繰越利益剰余金△15,977
利益剰余金合計△15,977
株主資本合計8,286,022
評価・換算差額等
その他有価証券評価差額金△41,407
純資産合計8,244,614
負債純資産合計8,251,414

(注) 記載金額は、千円未満を切捨てて表示しております。
②【損益計算書】
(単位:千円)
第6期事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
営業収益13,817
営業費用33,896
営業利益△20,079
営業外収益
受取利息11
営業外収益合計11
営業外費用-
営業外費用合計-
経常利益△20,067
税引前当期純利益△20,067
法人税、住民税及び事業税△5,022
法人税等合計△5,022
当期純利益△15,045

(注) 記載金額は、千円未満を切捨てて表示しております。
③【株主資本等変動計算書】
第6期事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:千円)

株主資本
資本金資本準備金資本剰余金利益剰余金株主資本
合計
その他
資本剰余金
資本剰余金
合計
その他
利益剰余金
利益剰余金
合計
繰越
利益剰余金
当期首残高1,0001,000-1,000△932△9321,067
当期変動額------
新株の発行4,150,0004,150,000-4,150,000-8,300,000
資本金から剰余金への振替△4,051,000-4,051,0004,051,000---
準備金から剰余金への振替-△4,126,0004,126,000----
当期純利益-△15,045△15,045△15,045
株主資本以外の項目の当期変動額(純額)------
当期変動額合計99,00024,0008,177,0008,201,000△15,045△15,0458,284,954
当期末残高100,00025,0008,177,0008,202,000△15,977△15,9778,286,022

(注) 記載金額は、千円未満を切捨てて表示しております。
(単位:千円)

評価・換算差額等純資産合計
その他
有価証券
評価差額金
評価・換算
差額等合計
当期首残高001,067
当期変動額---
新株の発行--8,300,000
資本金から剰余金への振替---
準備金から剰余金への振替---
当期純利益--△15,045
株主資本以外の項目の当期変動額(純額)△41,407△41,407△41,407
当期変動額合計△41,407△41,4078,243,546
当期末残高△41,407△41,4078,244,614

(注) 記載金額は、千円未満を切捨てて表示しております。
[注記事項]
1.重要な会計方針に係る事項に関する注記
(1)資産の評価基準及び評価方法
(有価証券の評価基準及び評価方法)
① 関連会社株式
移動平均法による原価法によっております。
② その他有価証券
時価のあるもの
決算日の市場価格等に基づく時価法によっております(評価差額は全部純資産直入法によって処理し、売却原価は移動平均法により算定)。
時価のないもの
移動平均法による原価法によっております。
(2)その他計算書類の作成のための基本となる重要事項
① 消費税の会計処理
消費税及び地方消費税の会計処理は、税込方式によっております。
② 連結納税制度の適用
連結納税制度を適用しております。
2.株主資本等変動計算書に関する注記
第6期事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(1)発行済株式の数 166,040株
(2)当該事業年度の末日における自己株式の数
該当事項はありません。
(3)当該事業年度中に行った剰余金の配当に関する事項
該当事項はありません。
(4)当該事業年度の末日における当該株式会社が発行している新株予約権の目的となる株式の数
該当事項はありません。

公開買付者及び特別関係者による株券等の所有状況の合計

(1)【公開買付者及び特別関係者による株券等の所有状況の合計】
(2021年9月10日現在)

所有する株券等の数令第7条第1項第2号に該当する株券等の数令第7条第1項第3号に該当する株券等の数
株券427,378(個)―(個)―(個)
新株予約権証券
新株予約権付社債券
株券等信託受益証券( )
株券等預託証券( )
合計427,378
所有株券等の合計数427,378
(所有潜在株券等の合計数)(―)

公開買付者による株券等の所有状況

(2)【公開買付者による株券等の所有状況】
(2021年9月10日現在)

所有する株券等の数令第7条第1項第2号に該当する株券等の数令第7条第1項第3号に該当する株券等の数
株券1(個)―(個)―(個)
新株予約権証券
新株予約権付社債券
株券等信託受益証券( )
株券等預託証券( )
合計1
所有株券等の合計数1
(所有潜在株券等の合計数)(―)

特別関係者による株券等の所有状況(特別関係者合計)

(3)【特別関係者による株券等の所有状況(特別関係者合計)】
(2021年9月10日現在)

所有する株券等の数令第7条第1項第2号に該当する株券等の数令第7条第1項第3号に該当する株券等の数
株券427,377(個)―(個)―(個)
新株予約権証券
新株予約権付社債券
株券等信託受益証券( )
株券等預託証券( )
合計427,377
所有株券等の合計数427,377
(所有潜在株券等の合計数)(―)

特別関係者

①【特別関係者】
(2021年9月10日現在)

氏名又は名称SBIホールディングス株式会社
住所又は所在地東京都港区六本木一丁目6番1号
職業又は事業の内容株式等の保有を通じた企業グループの統括・運営等
連絡先連絡者 SBIホールディングス株式会社 財務部 鈴木 崇弘
連絡場所 東京都港区六本木一丁目6番1号
電話番号 03-6229-2175
公開買付者との関係公開買付者に対して特別資本関係を有する法人
公開買付者との間で共同して議決権を行使することを合意している者

所有株券等の数

②【所有株券等の数】
SBIホールディングス株式会社
(2021年9月10日現在)

所有する株券等の数令第7条第1項第2号に該当する株券等の数令第7条第1項第3号に該当する株券等の数
株券427,377(個)―(個)―(個)
新株予約権証券
新株予約権付社債券
株券等信託受益証券( )
株券等預託証券( )
合計427,377
所有株券等の合計数427,377
(所有潜在株券等の合計数)(―)

届出日前60日間の取引状況

(1)【届出日前60日間の取引状況】
氏名又は名称株券等の種類増加数減少数差引
公開買付者普通株式100株100株増加(注)

(注) 公開買付者は、2021年9月9日を取得日として、SBIHDから相対取引により、対象者株式100株を1株当たり1,418円(2021年9月7日の東京証券取引所市場第一部における対象者株式の終値)で取得しております。

公開買付者と対象者又はその役員との間の取引の有無及び内容

該当事項はありません。但し、公開買付者の完全親会社であるSBIHDは対象者と融資取引を行っており、2021年3月期末時点で合計90億円の借入残高があります。

株価の状況

金融商品取引所名又は認可金融商品取引業協会名東京証券取引所 第一部
月別2021年3月2021年4月2021年5月2021年6月2021年7月2021年8月2021年9月
最高株価(円)1,9931,8181,7781,7321,5061,5051,472
最低株価(円)1,5151,5481,5441,4511,4121,3411,373

(注) 2021年9月は、同月9日までの株価について記載しています。

継続開示会社たる対象者に関する事項

(1)【対象者が提出した書類】
①【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第20期(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)2020年6月18日 関東財務局長に提出
事業年度 第21期(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)2021年6月24日 関東財務局長に提出
②【四半期報告書又は半期報告書】
事業年度 第22期第1四半期(自 2021年4月1日 至 2021年6月30日)2021年8月12日 関東財務局長に提出
③【臨時報告書】
該当事項はありません。
④【訂正報告書】
該当事項はありません。
(2)【上記書類を縦覧に供している場所】
株式会社新生銀行
(東京都中央区日本橋室町二丁目4番3号)
株式会社新生銀行大阪支店
(大阪市北区小松原町2番4号)
株式会社新生銀行名古屋支店
(名古屋市中村区名駅三丁目28番12号)
株式会社新生銀行大宮支店
(さいたま市大宮区桜木町一丁目9番地1)
株式会社新生銀行柏支店
(千葉県柏市柏一丁目4番3号)
株式会社新生銀行横浜支店
(横浜市西区南幸一丁目1番1号)
株式会社新生銀行神戸支店
(神戸市中央区三宮町三丁目7番6号)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)