訂正公開買付届出書
- 【提出】
- 2020/07/29 13:03
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脚注、表紙
(注1) 本書中の「公開買付者」とは、リテールインベストメントカンパニー合同会社をいいます。
(注2) 本書中の「対象者」とは、株式会社ファミリーマートをいいます。
(注3) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和と必ずしも一致しません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の「令」とは、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注6) 本書中の「府令」とは、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第38号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注7) 本書中の「株券等」とは、株式に係る権利をいいます。
(注8) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注9) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は日時を指すものとします。
(注10) 本書の提出に係る公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)は、法で定められた手続及び情報開示基準に従い実施されるものですが、これらの手続及び基準は、米国における手続及び情報開示基準とは必ずしも同じではありません。また、公開買付者及び対象者は米国外で設立された法人であり、その役員及び取締役も米国居住者ではないため、米国の証券関連法を根拠として主張しうる権利又は要求を行使することが困難となる可能性があります。また、米国の証券関連法の違反を根拠として、米国外の法人並びにその役員及び取締役に対して、米国外の裁判所において法的手続を開始することができない可能性があります。さらに、米国外の法人並びに当該法人の子会社及び関連会社に米国の裁判所の管轄が認められるとは限りません。
(注11) 本公開買付けに関する全ての手続は、特段の記載がない限り、全て日本語において行われるものとします。本公開買付けに関する書類の全部又は一部は英語により作成されますが、当該英語の書類と日本語の書類との間に齟齬が存在した場合には、日本語の書類が優先するものとします。
(注12) 本書中の記載には、「将来に関する記述」が含まれています。既知若しくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果が「将来に関する記述」として明示的又は黙示的に示された予測等と大きく異なることがあります。公開買付者又はその関連会社は、「将来に関する記述」として明示的又は黙示的に示された予測等が結果的に正しくなることを何ら約束するものではありません。本書中の「将来に関する記述」は、本書提出日の時点で公開買付者が有する情報をもとに作成されたものであり、法令又は金融商品取引所規則で義務付けられている場合を除き、公開買付者又はその関連会社は、将来の事象や状況を反映するために、その記述を更新又は修正する義務を負うものではありません。
(注13) 公開買付者、公開買付者の親会社のファイナンシャル・アドバイザー、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び公開買付代理人(これらの関連者を含みます。)は、それらの通常の業務の範囲において、日本の金融商品取引関連法規制及びその他適用ある法令上許容される範囲で、米国1934年証券取引所法規則14e-5(b)の要件に従い、対象者株式を自己又は顧客の勘定で、本公開買付けの開始前、又は本公開買付けの買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)中に本公開買付けによらず買付け等又はそれに向けた行為を行う可能性があります。そのような買付け等に関する情報が日本で開示された場合には、当該買付け等を行った者のウェブサイト(又はその他の開示方法)においても英文で開示が行われます。
(注2) 本書中の「対象者」とは、株式会社ファミリーマートをいいます。
(注3) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和と必ずしも一致しません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の「令」とは、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注6) 本書中の「府令」とは、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第38号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注7) 本書中の「株券等」とは、株式に係る権利をいいます。
(注8) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注9) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は日時を指すものとします。
(注10) 本書の提出に係る公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)は、法で定められた手続及び情報開示基準に従い実施されるものですが、これらの手続及び基準は、米国における手続及び情報開示基準とは必ずしも同じではありません。また、公開買付者及び対象者は米国外で設立された法人であり、その役員及び取締役も米国居住者ではないため、米国の証券関連法を根拠として主張しうる権利又は要求を行使することが困難となる可能性があります。また、米国の証券関連法の違反を根拠として、米国外の法人並びにその役員及び取締役に対して、米国外の裁判所において法的手続を開始することができない可能性があります。さらに、米国外の法人並びに当該法人の子会社及び関連会社に米国の裁判所の管轄が認められるとは限りません。
(注11) 本公開買付けに関する全ての手続は、特段の記載がない限り、全て日本語において行われるものとします。本公開買付けに関する書類の全部又は一部は英語により作成されますが、当該英語の書類と日本語の書類との間に齟齬が存在した場合には、日本語の書類が優先するものとします。
(注12) 本書中の記載には、「将来に関する記述」が含まれています。既知若しくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果が「将来に関する記述」として明示的又は黙示的に示された予測等と大きく異なることがあります。公開買付者又はその関連会社は、「将来に関する記述」として明示的又は黙示的に示された予測等が結果的に正しくなることを何ら約束するものではありません。本書中の「将来に関する記述」は、本書提出日の時点で公開買付者が有する情報をもとに作成されたものであり、法令又は金融商品取引所規則で義務付けられている場合を除き、公開買付者又はその関連会社は、将来の事象や状況を反映するために、その記述を更新又は修正する義務を負うものではありません。
(注13) 公開買付者、公開買付者の親会社のファイナンシャル・アドバイザー、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び公開買付代理人(これらの関連者を含みます。)は、それらの通常の業務の範囲において、日本の金融商品取引関連法規制及びその他適用ある法令上許容される範囲で、米国1934年証券取引所法規則14e-5(b)の要件に従い、対象者株式を自己又は顧客の勘定で、本公開買付けの開始前、又は本公開買付けの買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)中に本公開買付けによらず買付け等又はそれに向けた行為を行う可能性があります。そのような買付け等に関する情報が日本で開示された場合には、当該買付け等を行った者のウェブサイト(又はその他の開示方法)においても英文で開示が行われます。
対象者名
株式会社ファミリーマート
買付け等をする株券等の種類
普通株式
買付け等の目的
(1)本公開買付けの概要
公開買付者は、本公開買付けを通じて対象者の株券等を取得及び所有することを主な目的として、2020年3月18日に設立された、伊藤忠商事株式会社(以下「伊藤忠商事」といいます。)及び東京センチュリー株式会社(以下「東京センチュリー」といいます。)がそれぞれ99%、1%を出資する合同会社です。本書提出日現在、公開買付者は株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第一部(以下「東証一部」といいます。)に上場している対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)を所有しておりませんが、公開買付者の親会社である伊藤忠商事は、本書提出日現在、対象者株式210,029,184株(所有割合(注1):41.50%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の計算において同じとします。)を、また、伊藤忠商事の完全子会社である伊藤忠リテールインベストメント合同会社(以下「IRI」といい、伊藤忠商事と合わせて「伊藤忠商事ら」といいます。)は、本書提出日現在、対象者株式43,521,600株(所有割合:8.60%)を所有しており、伊藤忠商事らは対象者株式を合計で253,550,784株(所有割合:50.10%)所有しておりました。伊藤忠商事は、2020年7月21日、IRIから対象者株式43,521,600株の交付を受け、2020年7月21日現在、対象者株式253,550,784株(所有割合:50.10%)を所有しており、伊藤忠商事は対象者を連結子会社としております。なお、IRIは、2020年7月21日現在、対象者株式を所有しておりません。また、東京センチュリーは、本書提出日現在、対象者株式を22,792株(所有割合:0.00%)所有しております。
(注1) 「所有割合」とは、対象者が2020年5月29日に提出した第39期有価証券報告書(以下「対象者有価証券報告書」といいます。)に記載された2020年2月29日現在の発行済株式総数(506,849,252株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(741,180株)を控除した株式数(506,108,072株)に対する割合をいいます。
公開買付者は、対象者株式(伊藤忠商事らが所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得するため、本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を対象者株式1株当たり2,300円として、本公開買付けを実施することを決定いたしました。本公開買付けは、以下に記載のとおり、対象者の株主を伊藤忠商事及び公開買付者の全部又は一部のみとする非公開化を目的とする一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として実施されます。なお、IRIは、IRIと伊藤忠商事との間の2020年7月8日付の出資の払戻し等に関する契約(以下「本出資払戻契約」といいます。)に従い、2020年7月21日、伊藤忠商事からIRIに対する出資の一部(注2)の払戻しにより、所有する対象者株式の全て(43,521,600株(所有割合:8.60%))を伊藤忠商事に交付いたしました(スキーム概要は後記「(本取引のスキーム図)」をご参照ください。)(注3)・(注4)。公開買付者が、本公開買付けにより対象者株式(伊藤忠商事らが所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、後記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の対象者の株主を伊藤忠商事及び公開買付者のみとするための一連の手続を実施することを予定しており、当該手続が実行された場合には、全国農業協同組合連合会(以下「全農」といいます。)及び農林中央金庫(以下「農中」といいます。)(注5)と対象者、東京センチュリーと対象者の関係性を強化すべく、後記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 本公開買付け後の経営方針」の「I.全農・農中株式譲渡」に記載の取引(以下「全農・農中株式譲渡」といいます。)及び「Ⅱ.東京センチュリー直接所有化取引」に記載の取引(以下「東京センチュリー直接所有化取引」といい、「全農・農中株式譲渡」と併せて、以下「本取引後対象者株式譲渡等」といいます。)を行うことが予定されており、本取引後対象者株式譲渡等が行われた後に各当事者が所有する対象者株式の割合は、伊藤忠商事及び公開買付者が合計で約94.70%、全農及び農中が合計で4.90%(注6)、東京センチュリーが約0.40%となる予定です(本取引のスキーム概要は後記「(本取引のスキーム図)」をご参照ください。)。
なお、本公開買付けに際して、公開買付者は、伊藤忠商事らより、その所有する対象者株式の全てについて本公開買付けに応募しない旨の表明を、東京センチュリーより、その所有する対象者株式の全てについて本公開買付けに応募する旨の表明を、それぞれ受けております。
(注2) 具体的には、IRIから伊藤忠商事に対して、対象者株式43,521,600株を交付いたしましたが、当該交付を受けることに対して、伊藤忠商事はIRIに対していかなる対価も支払っておりません。なお、合同会社が出資の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じとします。)上、剰余金額又は出資の価額の減少額のいずれか少ない額を超えてはならないものとされているため、IRIは対象者株式43,521,600株の伊藤忠商事への交付に際して、当該株式の帳簿価額以上の金額に相当する額について伊藤忠商事の出資の価額を減少させる必要があることを踏まえ、IRIは出資の払戻しの時点(2020年7月21日)における伊藤忠商事の出資の価額120,001百万円(百万円未満を四捨五入。以下、伊藤忠商事の出資の価額について同じとします。)を119,970百万円(百万円未満を四捨五入。以下、伊藤忠商事の出資の価額の減少額について同じとします。)減少させることにより、31百万円に減少させました。かかる伊藤忠商事の出資の価額の減少額(119,970百万円)は、上記の会社法上の規制を踏まえて、IRIが所有する対象者株式43,521,600株の同社における2020年7月8日現在の帳簿価額と同額としているものであり、本書提出日現在における対象者株式の価値を勘案して決定された額ではなく、本公開買付価格とは無関係です。なお、この出資の価額の減少額をIRIから伊藤忠商事に対して交付された対象者株式43,521,600株で除した金額は、2,756.56円(小数点以下第三位を四捨五入。)ですが、そもそも出資の価額は、伊藤忠商事がIRIに過去に払い込んだ金銭等の額を意味する数値に過ぎず、当該数値を減少させることは、伊藤忠商事がIRIに対して何らかの財産的価値を交付したことを意味せず、伊藤忠商事がIRIに対する何らかの財産的価値を放棄したことも意味しません。IRIの社員は伊藤忠商事のみであるため、上記の出資の価額の減少によって、伊藤忠商事のIRIに対する持分割合が減少することもありません。このように、出資の価額の減少額は、対象者株式43,521,600株の交付を受けることの対価として伊藤忠商事がIRIに対して交付する財産的価値を意味するものではなく、上記の会社法上の規制を遵守するために決定される数値に過ぎないため、出資の価額の減少額をIRIから伊藤忠商事に対して交付された対象者株式43,521,600株で除した金額が本公開買付価格と合致しないことは、公開買付価格の均一性(法第27条の2第3項)の趣旨に反するものではありません。詳細は、後記「(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本出資払戻契約」及び後記「第3公開買付者及びその特別関係者による株券等の所有状況及び取引状況」の「4届出書の提出日以後に株券等の買付け等を行う旨の契約」をご参照ください。
(注3) 公開買付者が本公開買付けにより伊藤忠商事らが所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式以外の対象者株式の全てを取得できなかった場合、本公開買付けの成立後に、後記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、対象者の株主を伊藤忠商事及び公開買付者のみとするための一連の手続を実施することを予定しておりますが、当該手続の時点でIRIが対象者株式を所有している場合、当該手続において、会社法第180条に基づく株式の併合(以下「株式併合」といいます。)の結果、IRIが所有する対象者株式が1株未満となってしまい、売却を強制される可能性があり、その場合には、会計・税務上の影響が伊藤忠商事又はIRIに生じる可能性があります(帳簿価額より高い価格の場合には、IRIに会計・税務上の益が生じる可能性があり、伊藤忠商事における対象者株式の会計上・税務上の簿価は高くなる可能性があります。帳簿価額より低い価格の場合にはIRIに会計・税務上の損が生じる可能性があり、伊藤忠商事における対象者株式の会計上・税務上の簿価が低くなる可能性があります)。しかし、以下に述べるとおり、本取引及び本取引後対象者株式譲渡等の実行の前後を通じて、伊藤忠商事及び伊藤忠商事がその持分の全てを所有するIRIが合計で253,550,784株(所有割合:50.10%)を所有するという実態には変更がないにもかかわらず、会計・税務上の影響が伊藤忠商事又はIRIに生じるという事態は避ける必要があることから、IRIから伊藤忠商事に対する対象者株式43,521,600株の交付を行いました。本取引及び本取引後対象者株式譲渡等の実行の前後を通じて、伊藤忠商事及び伊藤忠商事がその持分の全てを所有するIRIが合計で253,550,784株(所有割合:50.10%)を所有するという実態に変更がないことを、具体的に説明すると以下のとおりです。すなわち、(ⅰ)本書提出日現在、伊藤忠商事らが所有する対象者株式(253,550,784株)に係る所有割合は50.10%であるところ、(ⅱ)(a)本取引及び本取引後対象者株式譲渡等の実施後における伊藤忠商事及び公開買付者(本取引後対象者株式譲渡等の実行後においては、伊藤忠商事が公開買付者の持分の全てを所有)が所有することとなる対象者株式の割合(約94.70%)から、(b)本取引によって伊藤忠商事が追加的に直接又は間接に取得することとなる対象者株式の割合約44.60%を控除すると約50.10%となり、本取引及び本取引後対象者株式譲渡等の実行の前後を通じて、伊藤忠商事及び伊藤忠商事がその持分の全てを所有するIRIが合計で253,550,784株(所有割合:50.10%)を所有するという実態に変更はありません。なお、上記(b)における、本取引によって伊藤忠商事が追加的に直接又は間接に取得する対象者株式の割合(約44.60%)は、本公開買い付けにおける買付予定数(252,557,288株)に係る所有割合(49.90%)から、全農・農中株式譲渡により譲渡する対象者株式の割合(4.90%)及び東京センチュリー直接所有化取引において東京センチュリーが所有することとなる対象者株式の割合(約0.40%)を減じて計算しております。
(注4) 伊藤忠商事は、2019年7月21日の前日以前からIRIの全ての持分を所有しており、IRIは1年以上継続して伊藤忠商事の形式的特別関係者であるため(法第27条の2第7項第1号及び府令第3条第1項)、法第27条の2第1項但書き及び府令第3条第1項に基づき、伊藤忠商事は、公開買付けによらずに、IRIから、2020年7月21日、対象者株式43,521,600株の交付を受けることができます。また、伊藤忠商事は、2020年7月8日、IRIとの間で本出資払戻契約を締結し、公開買付けによらないで、伊藤忠商事が、IRIから、2020年7月21日、対象者株式43,521,600株の交付を受ける旨合意しておりますので、法第27条の5但書き及び同条第1号に基づき、伊藤忠商事は、法第27条の5本文の適用を受けることなく、IRIから、2020年7月21日、対象者株式43,521,600株の交付を受けることができます。詳細は、後記「(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本出資払戻契約」及び後記「第3公開買付者及びその特別関係者による株券等の所有状況及び取引状況」の「4 届出書の提出日以後に株券等の買付け等を行う旨の契約」をご参照ください。
(注5) 全農及び農中は、本書提出日現在、対象者株式を所有しておりません。
(注6) 後記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 本公開買付け後の経営方針」の「I 全農・農中株式譲渡」に記載のとおり、全農及び農中がそれぞれ譲り受ける対象者株式の内訳は、全農及び農中が決定し(なお、全農及び農中のいずれかが譲り受ける対象者株式数がゼロとならないように決定されます。)、伊藤忠商事に対して通知することとされております。全農は、2020年7月29日、総代会を開催し、伊藤忠商事並びに全農及び農中の間で締結している2020年7月8日付「基本契約書」(以下「本基本契約」といいます。)に基づき全農が公開買付者から譲り受ける対象者株式に係る譲渡対価の額を100億円とする旨の決議を行い、全農及び農中は、2020年7月29日、本基本契約に基づき、全農及び農中が譲り受ける対象者株式の内訳を、全農が0.86%(譲受け時点における対象者株式の総数に対する割合)、農中が4.04%(譲受け時点における対象者株式の総数に対する割合)とする旨を伊藤忠商事に対して通知いたしました。その結果、全農及び農中は、本基本契約に基づき、対象者の非公開化後、公開買付者から、それぞれ、全農が、当該時点における対象者株式の総数の0.86%に相当する数の対象者株式(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、4,347,826株(所有割合:0.86%))を、農中が、当該時点における対象者株式の総数の4.04%に相当する数の対象者株式(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、20,451,470株(所有割合:4.04%))を譲り受ける予定です。なお、全農及び農中が当該譲受けに関して支払う対価の額は、それぞれ9,999,999,800円及び47,038,381,000円であり(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、1株当たり2,300円)、また、全農及び農中は、当該対価以外に、本取引のために必要な実費のうち全農及び農中にて負担する金額として伊藤忠商事並びに全農及び農中の間で別途合意する金額を負担いたします。
公開買付者は、前記のとおり、対象者の非公開化を目的として本公開買付けを実施いたしますが、それぞれ以下の理由により、本公開買付けにおいて、買付予定数の上限を設定せず、また、買付予定数の下限を50,114,060株(所有割合:9.90%)と設定しております。そのため、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わず、他方、応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行います。
なお、買付予定数の下限は、本公開買付けが成立した場合に伊藤忠商事及び公開買付者の所有割合が60%以上となるよう設定したものであります。
① 買付予定数の上限を設定していない理由
公開買付者は、対象者を非公開化することを目的として、対象者株式(伊藤忠商事らが所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得するために本公開買付けを実施いたしますので、本公開買付けにおいて買付予定数の上限は設定しておりません。
② 買付予定数の下限を50,114,060株と設定している理由
公開買付者は、前記のとおり、対象者を非公開化することを目的として本公開買付けを実施いたします。もっとも、公開買付者は以下に述べる理由により、対象者の非公開化という本公開買付けの目的を達成する可能性を最大化しつつ、対象者の一般株主の応募判断の結果を一定程度尊重するため、本公開買付けが成立した場合に伊藤忠商事及び公開買付者の所有割合が60%以上となるように、買付予定数の下限を設定することといたしました。
公開買付者は、2019年6月に経済産業省により策定された「公正なM&Aの在り方に関する指針」において「特に近年の我が国の資本市場の動向としてパッシブ・インデックス運用ファンド(注7)の規模が拡大しているところ、その中には、取引条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わない投資家も存在する」と指摘されているとおり、対象者株式を所有するETF(上場投資信託)やその他のパッシブ・インデックス運用ファンドの中には公開買付けの条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わない方針の者が存在しているものと考えております。そして、公開買付者は、株価指数等の指数(インデックス)との連動を目指して運用されるETFのうち東京証券取引所に上場しているETF(以下「東証上場ETF」といいます。)が対象者株式の約20.19%(注8)を所有していることを確認しており、東証上場ETFについては、その性質上、インデックスへの連動性を重視していることから、取引条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わないことを基本方針としているものと推測しております。また、東証上場ETF以外にも対象者株式を所有するパッシブ・インデックス運用ファンド(以下「東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンド」といいます。)も存在しております。東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンドが所有する直近の対象者株式の合計数は公開情報からは把握することができません。そこで、公開買付者は、公開買付者の親会社である伊藤忠商事のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)に対し、東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンドが所有する対象者株式数がどの程度と見込まれるかを、公表情報及び金融市場等の各種データ提供サービスを行う情報ベンダーによるデータベース情報を踏まえて推計することを依頼したところ、正確な把握は不可能であり、また厳密な推計は困難であるものの、対象者株式の約10%程度を東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンドが所有している可能性があるとの試算が示されました。そして、公開買付者においては、東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンドも、パッシブ・インデックス運用ファンドである以上、基本的にはインデックスへの連動性を重視して運用されるものと推測しており、したがって、取引条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わない方針をとるものが多いものと推測しております。
以上を踏まえ、公開買付者としては、取引条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わないおそれのある投資家が対象者株式の約30%程度を所有しているおそれがあると分析しております。そのため、公開買付者は、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であるか否かの判断に従って本公開買付けに応募するか否かを決定する対象者の株主(伊藤忠商事ら及び公開買付者を含みません。)が所有する対象者株式は、100%から伊藤忠商事らの所有割合50.10%を減じた約50%から、前記約30%を減じた約20%程度に留まると考えており、そのような中で、伊藤忠商事ら及び公開買付者の所有割合が3分の2となるような下限を設定すると、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であると判断する対象者の株主(伊藤忠商事ら及び公開買付者を含みます。)の所有割合が3分の2を超える場合であっても、結果として本取引が成立せずに対象者の株主の皆様に合理的な売却機会を提供することとなる本取引が阻害されてしまう可能性が十分にあると判断しております。
他方、公開買付者は、前記の分析をもとに、公開買付者が、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であるか否かの判断に従って本公開買付けに応募するか否かを決定する対象者の株主が所有していると推測している約20%の対象者株式のうちの半数程度の応募があった場合にのみ、本公開買付けが成立するような買付予定数の下限を設定することで、対象者の一般株主の応募判断の結果を一定程度尊重することが望ましいと考えるに至りました。
以上のような考えの下、公開買付者は、対象者の非公開化という本公開買付けの目的を達成する可能性を最大化しつつ、対象者の一般株主の応募判断の結果を一定程度尊重すべく、本公開買付けにおいて買付予定数の下限を50,114,060株と設定することといたしました。なお、50,114,060株の応募があった場合、本公開買付け後における伊藤忠商事及び公開買付者が所有する対象者株式数は合計303,664,844株(所有割合:60.00%)となります。
(注7) パッシブ・インデックス運用ファンドとは、株式をはじめとする投資対象資産の市場のベンチマークとなる株価指数等の指数(インデックス)と投資成果が連動することを目的として運用することにより、市場平均並みの収益率を確保することを目指すファンドを意味します。
(注8) 対象者有価証券報告書に記載された2020年2月29日現在の発行済株式総数(506,849,252株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(741,180株)を控除した株式数(506,108,072株)に対する、2020年7月6日現在における東証上場ETFが所有する対象者株式数(102,183千株(千株未満を四捨五入。))の割合に基づいております。
また、対象者が2020年7月8日に公表した「親会社である伊藤忠商事株式会社の子会社であるリテールインベストメントカンパニー合同会社による当社株券等に対する公開買付けに係る意見表明に関するお知らせ」(以下「対象者開示」といいます。)によれば、対象者は本取引及び本取引後対象者株式譲渡等が対象者の企業価値の向上に資するものであると判断し、同日開催の対象者取締役会において、本公開買付けについて賛同する旨の意見を表明するとともに、2,300円という本公開買付価格は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2020年7月7日の東証一部における対象者株式の終値1,766円に対して30.24%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じとします。)、2020年7月7日から直近1ヶ月間(2020年6月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値1,908円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)に対し20.55%、同直近3ヶ月間(2020年4月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値1,878円に対して22.47%、同直近6ヶ月間(2020年1月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値2,068円に対し11.22%のプレミアムが付されており、対象者の一般株主に対し投資回収機会を提供する観点では対象者株式の現在の市場価格に対して一定のプレミアムが付されていると考えられることから合理性を欠く水準にあるとはいえないものの、2010年以降に発表された非公開化を目的とした買付規模が500億円以上の他の公開買付けの事例におけるプレミアムの水準(平均値は、公表日の前営業日比36.9%、直近1ヶ月間の終値単純平均比39.2%、直近3ヶ月間の終値単純平均比39.0%、直近6ヶ月間の終値単純平均比36.8%)と比較し十分なプレミアムが付されているとは認められない等、対象者の一般株主の皆様に本公開買付けへの応募を積極的に推奨することができる水準には達していないとの結論に達したため、本公開買付けに応募することを推奨することの是非については中立の立場をとった上で、最終的に株主の皆様の判断に委ねる旨の決議を行ったとのことです。
伊藤忠商事及び対象者は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響について対象者との議論を重ねる中で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が過去に類例のない事象ということもあり、具体的な影響額に関する双方の見立てが異なっていたため、本公開買付けの公開買付価格について合意に至らなかったものの(詳細は、「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」をご参照ください。)、伊藤忠商事及び公開買付者としては、本公開買付価格が対象者の事業に照らして合理的な価格であり、かつ対象者の一般株主にも合理的な売却機会を提供することとなると考えております。また、伊藤忠商事及び公開買付者は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により対象者の足元の業績が落ち込む中で、一刻も早く対象者を非公開化し、伊藤忠商事グループ(伊藤忠商事並びに対象者を含むその連結子会社204社及び持分法適用関連会社85社(2020年6月30日現在)から成る企業グループ。以下同じとします。)として全体最適の観点で、制約のない経営資源の再配分を行わなければ、対象者の企業価値がますます棄損されることが懸念されると考えております。以上の理由により、伊藤忠商事及び公開買付者は、対象者の応募推奨を得られなくても、早急に対象者の非公開化の実現に向けた取引を開始することが必要だと考え、本書提出日より、本公開買付けを本公開買付価格により実施することといたしました。
対象者開示によれば、前記対象者取締役会決議は、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑦ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されているとのことです。
(本取引のスキーム図)
■ 現状
伊藤忠商事とIRIは、本書提出日現在、対象者株式をそれぞれ210,029,184株(所有割合:41.50%)、43,521,600株(所有割合:8.60%)所有。また、東京センチュリーは、本書提出日現在、対象者株式を22,792株(所有割合:0.00%)所有。なお、東京センチュリーは伊藤忠商事の持分法適用関連会社(伊藤忠商事は、2020年7月7日現在、東京センチュリーの普通株式を35,733,900株(東京センチュリーの総株主の議決権に対する割合:29.30%(小数点以下第三位四捨五入。以下総株主の議決権の数に対する割合の計算において同じとします。))所有)。
■ 公開買付者の設立及び本公開買付けの実施
伊藤忠商事及び東京センチュリーがそれぞれ99%、1%を出資して2020年3月18日付で設立した公開買付者が、対象者株式(伊藤忠商事らが所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得するため、本公開買付けを実施。
■ IRIから伊藤忠商事に対する出資の払戻し
IRIは、IRIと伊藤忠商事との間の2020年7月8日付の本出資払戻契約に従い、2020年7月21日、伊藤忠商事からIRIに対する出資の一部の払戻しによりIRIが所有する対象者株式43,521,600株(所有割合:8.60%)を伊藤忠商事に交付。
■ 本公開買付けの決済並びに対象者の株主を伊藤忠商事及び公開買付者のみとするための手続(公開買付者が本公開買付けにより伊藤忠商事らが所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式以外の対象者株式の全てを取得できなかった場合)
本公開買付けの成立後、本公開買付けの決済開始日までの間に、本公開買付けの決済資金として、公開買付者は(ⅰ)伊藤忠商事からの出資、(ⅱ)伊藤忠商事の完全子会社である伊藤忠トレジャリー株式会社からの融資、(ⅲ)東京センチュリーからの出資、(ⅳ)農中からの融資により資金調達を実施。
また、公開買付者が本公開買付けにより伊藤忠商事らが所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式以外の対象者株式の全てを取得できなかった場合、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、対象者の株主を伊藤忠商事及び公開買付者のみとするために、対象者株式につき株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを、会社法第297条第1項に基づき、対象者に請求する予定。また、公開買付者は、かかる請求の後遅滞なく招集の手続が行われると見込まれない場合には、会社法第297条第4項第1号に基づき、株主総会の招集の許可を得るため裁判所に対して申立てを行う予定。なお、対象者は、前記請求を受けた場合、公開買付者からの本臨時株主総会の招集請求及び株式併合議案の株主提案に応じて本臨時株主総会の招集の手続を実施することを予定しているとのこと。
本臨時株主総会における当該議案が可決された場合、当該株式併合に伴う任意売却(1株に満たない端数の合計数に相当する対象者株式の買取り)後における対象者の資本構成等は下記のとおりとなる予定。
■ 戦略パートナーへの対象者株式の譲渡
公開買付者は、対象者の株主を伊藤忠商事及び公開買付者のみとするための一連の手続が実行された場合、全農及び農中に対し、当該時点における対象者株式の総数の4.90%に相当する数の対象者株式を譲渡(全農・農中株式譲渡)。また、東京センチュリーが、当該時点において所有する公開買付者の持分に代えて、当該時点における対象者株式の総数の約0.40%に相当する数の対象者株式を取得するための取引(東京センチュリー直接所有化取引)を実行。なお、全農は農中の会員(出資者)でありますが、その出資割合は2%未満、その所有する議決権割合は1%未満であり、全農と農中との間に支配関係は存在しません。全農及び農中並びに東京センチュリーに関する、(ⅰ)各者の状況(継続開示会社たる各者に関する事項)、(ⅱ)公開買付者との関係、(ⅲ)譲受けの目的、及び(ⅳ)本書提出日現在において所有する対象者株式の数については、後記「(7)その他」をご参照ください。
(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針
① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
(ⅰ)本公開買付けの背景及び理由
公開買付者の親会社である伊藤忠商事は、1950年7月に株式会社大阪証券取引所及び東京証券取引所に株式を上場しております。伊藤忠商事は、伊藤忠商事グループを構成しており、国内外のネットワークを通じて、繊維カンパニー、機械カンパニー、金属カンパニー、エネルギー・化学品カンパニー、食料カンパニー、住生活カンパニー、情報・金融カンパニー、第8カンパニー(注1)がそれぞれ人々の暮らしを支える様々な商品やサービスを提供するため、原料等の川上から川下のコンシューマービジネスまでを包括的に事業領域とし、多角的なビジネスを展開しております。伊藤忠商事は、2019年7月に「第8カンパニー」を新設し、コンビニエンスストア「ファミリーマート」を中心とした、生活消費分野に強みを持つ伊藤忠商事の様々なビジネス基盤を最大限活用しながら、異業種融合・カンパニー横断の取り組みを加速させ、市場や消費者のニーズに対応した「マーケットインの発想」による新たなビジネスの創出・客先開拓を行っております。
(注1) カンパニーとは伊藤忠商事内にある事業部門を、独立性を高めた一つの会社とみなした組織です。それぞれのカンパニーに経営資源と権限を委譲することで、カンパニーが責任を持って迅速かつ柔軟な経営を行い、それぞれの分野のニーズに対応した事業を展開しております。
他方、対象者(当時の商号は、株式会社ファミリーマート)は、1987年12月に東京証券取引所に株式を上場しております。1978年3月に株式会社西友ストアー(現・合同会社西友)が、フランチャイズ・システムによるコンビニエンスストア事業を開始し、1981年9月に株式会社ジョナスが、株式会社西友ストアーから営業と資産の譲渡を受け、商号を株式会社ファミリーマートに変更し事業を開始いたしました。対象者は、1987年12月に東京証券取引所の市場第二部に株式上場し、1989年8月に東証一部銘柄に指定されました。対象者(当時の商号は、株式会社ファミリーマート)は、2016年9月に、ユニーグループ・ホールディングス株式会社との間で、対象者を存続会社とする吸収合併による経営統合(以下「本経営統合」といいます。)を行い、対象者の子会社であった株式会社サークルKサンクス(当時の商号)との間で、対象者(本経営統合に伴い、2016年9月に、ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社に商号変更)を吸収分割会社とする吸収分割(以下「本吸収分割」といいます。)を行い、対象者のコンビニエンスストア事業を株式会社サークルKサンクス(本吸収分割に伴い、2016年9月に、株式会社ファミリーマートに商号変更)に承継させたことにより、対象者を持株会社とする純粋持株会社体制へ移行しました。ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社は、総合スーパー「アピタ」「ピアゴ」を主力とした総合小売業と「ファミリーマート」「サークルKサンクス」のコンビニエンスストア事業を展開するとともに、2016年9月に株式会社名古屋証券取引所第一部に株式上場(2019年11月に上場廃止)しました。その後、対象者は、2019年9月に、対象者の子会社であった株式会社ファミリーマート(本吸収分割前の商号は株式会社サークルKサンクス)との間で、対象者を存続会社とする吸収合併を行い、それに伴い対象者は株式会社ファミリーマートに商号変更しております。現在の対象者は、「ファミリーマート」を主力としたコンビニエンスストア事業及びその周辺事業を展開しております。
公開買付者の親会社である伊藤忠商事は、その連結子会社であったファミリーコーポレーション株式会社(以下「ファミリーコーポレーション」といいます。)(注2)が、1998年2月に本経営統合前の対象者(当時の商号は株式会社ファミリーマート)の株式28,620,000株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:29.74%)を株式会社西友より取得して対象者の筆頭株主となり、対象者が伊藤忠商事の持分法適用関連会社となって以来、効率的な物流運営・商品開発等、様々な分野で対象者との取り組みを推進してきました。ファミリーコーポレーションは、その後、1999年3月に伊藤忠商事より871,200株(当時の総株主の議決権に対する割合:0.91%)を、2000年4月に市場取得の方法により450,000株(当時の総株主の議決権に対する割合:0.46%)を、それぞれ取得したことにより対象者株式29,941,200株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:31.46%)を所有するに至り、2009年9月には、伊藤忠商事が対象者との連携を密にすることを目的として、ファミリーコーポレーションより、ファミリーコーポレーションの所有する対象者株式の全て(29,941,200株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:31.46%))を取得し、対象者株式を直接に所有することとし、その結果、伊藤忠商事が対象者の筆頭株主となりました。2009年9月時点で、伊藤忠商事及びその子会社(伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(38,332株。当時の総株主の議決権に対する割合:0.04%)、株式会社日本アクセス(以下「日本アクセス」といいます。)(42,976株。当時の総株主の議決権に対する割合:0.05%))が所有する対象者株式の合計は、30,022,508株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:31.55%)となりました。その後も、伊藤忠商事は、主に市場買付けにより対象者株式(2016年9月までの商号は株式会社ファミリーマート、2016年9月以降の商号はユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社)を取得し(注3)、2018年4月には、対象者株式52,507,296株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:41.50%)を所有するに至りました。
さらに、2018年8月には、我が国の小売業界における、総人口の減少による市場規模の縮小や、Eコマースの市場規模の拡大を含めた業態を超えた競争環境の激化、消費者の低価格志向の継続、店舗や物流における人手不足等の厳しい経営環境と、消費者ニーズの多様化や選別消費の傾向といった市場の変化に対応し、対象者の持続的成長を実現するために、経営の高度化により対象者の事業基盤をより一層強化し、伊藤忠商事と対象者がより強固かつ一体的な関係を構築し、両者の経営資源やノウハウをより緊密に相互補完・有効活用することを目的に、IRIによる対象者株式に対する公開買付け(1株当たりの公開買付価格は、11,000円。なお、後記の株式分割前の価格になります。)を実施し、対象者株式10,880,400株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:8.60%)を取得しており、これに伴い伊藤忠商事は対象者を連結子会社化いたしました。
なお、対象者は、2019年2月に普通株式1株につき4株の割合での株式分割(以下「本株式分割」といいます。)を実施しており、その結果、伊藤忠商事の所有する対象者株式が210,029,184株(所有割合:41.50%)、IRIの所有する対象者株式が43,521,600株(所有割合:8.60%)、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社の所有する対象者株式が153,328株(所有割合:0.03%)、日本アクセスの所有する対象者株式が402,498株(所有割合:0.08%)、伊藤忠食品株式会社の所有する対象者株式が370,636株(所有割合:0.07%)、伊藤忠リーテイルリンク株式会社の所有する対象者株式が5,182株(所有割合:0.00%)、株式会社ドルチェの所有する対象者株式が42,939株(所有割合:0.01%)となり、現在に至っております。
(注2) ファミリーコーポレーションは、当時伊藤忠商事の連結子会社であった西野商事株式会社(以下「西野商事」といいます。)の子会社として1988年3月31日に設立された食品関連の物流業務受託及びセンター運営業を営む会社であり、1998年2月、株式会社西友及びそのグループ会社から対象者株式28,620,000株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:29.74%)を相対譲渡により取得いたしました。伊藤忠商事は、2002年9月18日付で、西野商事が所有していたファミリーコーポレーションの株式(同社の発行済株式総数の約95%)を取得し、同社を直接保有の子会社としております。ファミリーコーポレーションは、前記のとおり1998年2月に対象者株式(当時の商号は株式会社ファミリーマート)を取得して以降、伊藤忠商事の連結子会社として、対象者(当時の商号は株式会社ファミリーマート)より物流業務を受託しておりましたが、2011年3月に、伊藤忠商事の連結子会社であった日本アクセスを吸収合併存続会社、ファミリーコーポレーションを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行ったことにより解散しております。
(注3) 伊藤忠商事は、2014年7月7日から同年12月19日の間に5,070,300株(当時の総株主の議決権に対する割合:5.42%相当)、2016年2月5日から同年5月24日の間に6,400,000株(当時の総株主の議決権に対する割合:6.74%相当)、2016年10月20日から2017年5月25日の間に4,700,000株(当時の総株主の議決権に対する割合:3.72%相当)、2017年10月13日から2018年2月6日の間及び2018年2月7日から同年4月19日の間に5,430,900株(当時の総株主の議決権に対する割合:4.33%相当)、市場内で対象者株式を取得しております。市場買付けによる取得の他、伊藤忠商事は、2016年9月に本経営統合に係る吸収合併に際して、ユニーグループ・ホールディングスの株主として、対象者株式964,896株(2016年11月当時の所有割合:0.76%)の割当てを受けております。なお、2016年11月当時の所有割合とは、対象者が2017年1月13日に提出した四半期報告書に記載された2016年11月30日現在の発行済株式総数(126,712,313株)から、対象者が2017年1月10日に公表した「平成29年2月期 第3四半期決算短信[日本基準](連結)」に記載された2016年11月30日現在の対象者が所有する自己株式数(68,506株)を控除した株式数(126,643,807株)に対する割合をいいます。
また、対象者は再建の途上にあったGMS事業(注4)を営むユニー株式会社の株式の全てを、2019年1月、株式会社ドンキホーテホールディングス(現、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)に譲渡することで、経営資源をコンビニエンスストア事業に集中し、コンビニエンスストア事業を展開している株式会社セブン-イレブン・ジャパン(以下「セブンイレブン」といいます。)や株式会社ローソン(以下「ローソン」といいます。)のホームページにおいて公表されている資料によれば、2020年2月期末時点の国内店舗数、全店売上規模(セブンイレブン:20,955店(全店売上高:50,102億円)、ファミリーマート:16,611店(全店売上高:29,650億円)、ローソン:14,444店(全店売上高:25,069億円))において、コンビニエンスストア業界2位となっており、その地位を盤石にするとともにさらなる成長を実現すべく様々な施策を実行して参りました。
(注4) GMSとは、ゼネラル・マーチャンダイズ・ストア(General Merchandise Store)の略で、日用的な食料品、衣料品、雑貨等を幅広く品揃えした大規模小売店・量販店を意味します。
こうした中、伊藤忠商事は対象者を連結子会社化した後も、引き続き対象者株式の上場を維持することにより、対象者の業界におけるステータスや中立的立場による商権維持、優秀な人材確保等の上場会社としてのメリットを享受し続けられるようにする一方で、伊藤忠商事からの人的支援や伊藤忠商事グループが保有するサプライチェーンの機能を積極的に提供することにより、対象者が多様化する消費者ニーズに対応し小売業界における厳しい競争に勝ち残り、持続的成長を実現するべく、伊藤忠商事グループと対象者との事業シナジーの顕在化に向けた取り組みを進めて参りました。
他方、伊藤忠商事は商社という業態の特性上、事業領域が多岐にわたり、必ずしもそれぞれの事業領域において対象者と利益が一致するわけではなく、伊藤忠商事及び対象者がともに上場会社として独立した事業運営を行っている現状では、対象者を除く伊藤忠商事グループ各社と対象者との間における、経営資源やノウハウの緊密な相互補完・有効活用に際し、その有用性、取引としての客観的な公正性について対象者の少数株主の利益をも考慮した慎重な検討を要することから、双方のコスト構造等の十分な情報共有や人的・物的な経営資源の再配分が行われないこと等の一定の制約が生じ、伊藤忠商事グループ一体となって迅速な意思決定を推し進めていくことが十分に実行できていないと認識しております。具体的な事例の一つとして、伊藤忠商事の完全子会社である日本アクセスが対象者の取扱いの大部分を受託している物流業務の合理化とそれによる物流コスト削減の取り組みがあります。
伊藤忠商事は、対象者事業のコスト構造において物流・製造というサプライチェーンの占める割合は極めて大きい一方、昨今のドライバー不足やEコマース需要拡大による人件費増等の上昇圧力により物流費が高騰・高止まりしていると認識しております。伊藤忠商事は、この物流コストの問題は、対象者及び伊藤忠商事グループが一体となって解決に向けて取り組むべき重要な経営課題と捉え、日本アクセスとともに物流効率の改善による物流コスト削減の取り組みを進めて参りました。その過程において、伊藤忠商事は、対象者の物流コストを本質的に削減するには、原材料調達から製造、在庫、店舗への配送に至るまでの物流に関わる各段階において、無駄を排除するサプライチェーンの全体最適の実現が必要であり、そのためには、対象者の発注情報や、物流製造各社のヒト・配送車のシフト、在庫情報等の取得が不可欠との認識を有しております。しかしながら、対象者が上場会社である現状においては、上場会社としての「部分最適」と、対象者を含む伊藤忠商事グループの「全体最適」が緊張関係にあるため、伊藤忠商事及び日本アクセスが対象者から物流コスト等に関する充分な情報を取得するには制約があり、同時に、伊藤忠商事が上場子会社である対象者に対して、伊藤忠商事グループとして事業ポートフォリオ戦略の実行や経営資源の再配分を行うことは、伊藤忠商事グループの資本コストを踏まえた全体最適の観点に立てば、それによる利益の一部は伊藤忠商事グループ外に流出してしまうことになるといった問題が指摘される可能性があり、機動的・効率的なグループ経営を実現することで伊藤忠商事グループとしての企業価値の最大化を図ることが困難な状況にあります。その結果として、伊藤忠商事は、対象者における物流の合理化とそれによる物流コスト削減の取り組みは、未だ十分な成果を出すには至っていないと考えております。
伊藤忠商事が対象者を連結子会社化して以降現在までの間、国内のコンビニエンスストア業界を取り巻く環境は、後記Ⅰ及びⅡ記載のとおり変化しております。また、日本フランチャイズチェーン協会によれば、2019年12月末の全国のコンビニエンスストア店舗数は前年末差123店舗減り、比較可能な2005年以降初めて年末の店舗数が減少に転じました。コンビニエンスストア業界における売上高の上位3社による店舗の売上高でみると2011年度の全店平均日商(1店舗・1日当たりの売上高)はセブンイレブンで66万9,000円、ファミリーマートで53万1,000円、ローソンで54万7,000円であったのが、2018年度にはそれぞれ65万6,000円、53万円、53万1,000円に減少していることに加え、コンビニエンスストア業界における売上高の上位3社の2020年2月期末の店舗の純増数の合計が前期比45店増にとどまり、記録のある1980年2月期以降で最低となり、業界として厳しい状況に直面しております。対象者においてもサークルK・サンクスとのブランド統合により想定していた店舗総数の増加や転換店の日商(コンビニエンスストア1店舗・1日当たりの売上高)向上効果は一定程度得られたものの、ますます厳しくなる小売業界で勝ち抜くためには、先んじて組織のスリム化・業務効率化を進め、チェーン全体の競争力を高める必要があると判断し、2019年11月には組織運営上支障のない範囲で早期希望退職者募集を行うこととし、2020年2月期末に対象者の全社員の約7%に当たる1,025名の社員が早期退職することとなりました。
Ⅰ.コンビニエンスストア事業のビジネスモデルの見直しが迫られていること
これまで対象者を含むコンビニエンスストア業界は新規出店とサービスの拡大により成長を持続し、国内の小売業界における勝ち組と称されてきました。しかしながら近年は、出店数を維持するために加盟店との契約形態は多様化し、サービスの拡大は店舗オペレーションをより一層複雑化いたしました。その結果、コンビニエンスストアの利便性は高まり、生活インフラとして欠かせない存在となる一方、チェーンを跨ぐ競争は激化し加盟店の負荷は相対的に増しました。こうした状況に長引くデフレや深刻な人手不足等が相まって、今日の24時間営業問題、フードロス問題、さらには加盟店従業員の社会保険未加入問題等コンビニエンスストアの抱える様々な経営課題が、業界内だけにとどまらない社会問題としてクローズアップされることとなっており、コンビニエンスストア事業のビジネスモデルそのものが見直しを迫られている状態にあります。
さらに、2020年1月中国湖北省武漢で発生し、その後日本を含む世界中に感染が拡大した、伊藤忠商事の見立てとして未だ終息の見通しが立っていないと思われる新型コロナウイルス感染症の感染拡大により生じた消費者の生活様式と購買に関わる行動変容は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が収まった後も完全に元に戻ることはなくある程度常態化することが推測されます。具体的には、テレワークの定着、非接触型の接客、及び目的別の購買チャネルの使い分け等です。こうした行動変容はコンビニエンスストア事業がこれまで前提としていた出店立地、決済手段、及び商品構成等の大幅な変更を迫ることにもなりつつあります。
Ⅱ.Eコマースの急拡大により事業領域が侵食されつつあること
他方、Eコマースは着実に市場規模を拡大し、次々と新しいサービスを提供することでその利便性を増しております。2019年は消費税増税のタイミングに合わせた国によるキャッシュレス決済導入推奨の施策もあり、様々な事業体がモバイルペイメントのサービスをスタートし、モバイルペイメントサービスであるPayPayやLINE Payが、それぞれヤフー株式会社及びLINE株式会社のWebサイトで公表されておりますとおり、100億円から300億円規模の販促費をかけたキャンペーンを行う等によりそのエコシステムに利用者の囲い込みを図る等、コンビニエンスストア業界を含む小売業界における競合はもはやリアルとデジタルの垣根を超え、対象者の親会社の所有者に帰属する当期純利益(以下、「連結純利益」といいます。)(2020年2月期435億円)に相当する投資も伴わなければ勝ち残りが容易でない程に熾烈さを増していると、伊藤忠商事は認識しております。さらに国外を見れば、アマゾン社に代表されるプラットフォーマーは、食品スーパー等のリアル店舗と次々に資本・業務提携を行い、幅広い取引先とEコマースにより得た顧客データ(例えば、アマゾン社の開示資料によれば、顧客数は、アマゾンプライム会員に限っても、2018年4月時点で全世界で1億人を超えており、Consumer Intelligence Research Partners, LLCの調査によれば、2019年12月末時点で、米国のみのアマゾンプライム会員は約1.12億人であると推計されております。)に基づくマーケティング戦略に惜しみなく経営資源を投入し、対象者の事業領域を侵食しつつあります。また、こうしたプラットフォーマーと呼ばれるインターネット勢は、自社のプラットフォームを訪れた消費者に対し、その消費者の過去の閲覧履歴や購買履歴に基づき、「ターゲティング広告」と呼ばれる手法で、その消費者に向けたピンポイントの購買推奨を行うことで、消費者のいわゆる「ついで買い」を促しております。消費者は、インターネット勢のプラットフォームを活用することで、リアルの実店舗に足を運ぶことなく、気になった商品があればインターネット上で価格の比較を行ったり、遠方でしか手に入らない商品を購入すること等が可能となっております。伊藤忠商事としては、このようなプラットフォーマーと呼ばれるインターネット勢の取り組みは、1980年~2000年の間に生まれたいわゆる「ミレニアル世代」と呼ばれる最初のデジタル世代が消費者層の中心となること等による消費者の嗜好の多様化とも相まって、Eコマースの急拡大につながっているものと認識しております。
このように、消費者の嗜好や購買チャネルが多様化し、対面業界が過去に例を見ないスピードで変化する経営環境の下、従来からの企業主体で商品の企画・開発・提供を行い、「良いものであれば売れる」の発想で、自社の強みや技術を活かした商品展開を行う「プロダクトアウト」による商品・縦割り組織だけでは適切な対応が困難との判断から、伊藤忠商事は、2019年7月に「第8カンパニー」を新設し、生活消費分野に強みを有する伊藤忠商事の様々なビジネス基盤を最大限活用して市場や消費者のニーズに応える「マーケットインの発想」により、新たなビジネスへの転換を図って参りました。具体的には、訪日中国人富裕層をターゲットとしたインバウンド観光事業に関連する業務提携、ゲームAI(ファイナルファンタジー、マジモン等のトップゲームの開発メンバーが所属)・ブロックチェーン(日本人チーム初の「Ethereum」世界大会世界トップ10に選出)・画像認識AI(Facebook主催の画像認識コンペで世界3位受賞)において世界最高レベルの技術を結集した人型AIエージェントを手掛けるクーガー株式会社(以下、「クーガー社」といいます。)への出資等を行いましたが、従来の「プロダクトアウト」型商社ビジネスを大きく転換していくにはまだまだスピード感が足りないと考えております。
今後、業態を超えた小売りビジネスの大きな変化はさらに加速するものと思われ、将来予測がますます困難となってきております。
他方、対象者によれば、対象者の属する小売業界を取り巻く環境は、業態を超えた競争環境の激化や根強い節約志向による消費マインドの低下及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響等によって、先行きは依然として不透明な状況が続くものと見込まれ、消費者ニーズも多様化しており、新たな発想による商品・サービスの創造が求められていることに加え、安全で安心な食の提供や環境問題への対応等、企業の社会的責任が増大していることから、こうした難局を乗り越えて厳しい競争環境を勝ち抜くため、対象者グループの経営資源を結集し、独自の価値を提供することで成長の機会を模索していたとのことです。具体的には、対象者グループにおいては、「加盟店支援の着実な実行」「収益力の強化」「新型コロナウイルス感染症拡大への対応」「金融・デジタル戦略の推進」「株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスとの協業推進」の各取り組みについて実行しているとのことです。このように、対象者の属する小売業では限られた市場の中で質を高めるビジネスモデルに変わってきており、環境の変化に対して大胆かつスピード感を持って対応することが求められるようになってきているなか、対象者は、対象者の既存の事業領域に加えて、管理部門、デジタル、海外展開の分野に関して、伊藤忠商事グループをはじめ、対象者グループ外の企業との連携により、多様な経営資源等を活用することが対象者の成長の源泉になると考えているとのことです。そのような中で、対象者と伊藤忠商事がともに上場会社として独立した事業運営を行っている現状では、対象者を除く伊藤忠商事グループ各社と対象者との間における、経営資源やノウハウの緊密な相互補完・有効活用に際し、その有用性、取引としての客観的な公正性について対象者の少数株主の利益をも考慮した慎重な検討を要することから、迅速な意思決定を行うことが困難な状況にあり、また、双方のコスト構造等の情報の共有に一定の制約がある中での意思決定となることから、人的・物的な経営資源の再配分による最適化が達成されない可能性があるとの認識を有していたとのことです。
また、伊藤忠商事は、経済産業省が2019年6月28日付で公表した「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」も踏まえ、その保有する各上場子会社につき、上場子会社として維持することが最適なものであるか否かを取締役を含めた全社の重要会議の際に検討するとともに、グループ全体の企業統治の健全性・公正性担保に向けて真摯に取り組んでおります。そのような取り組みの中で、伊藤忠商事は、対象者に関する前記のような事業環境に鑑み、対象者が熾烈な競争を勝ち残り持続的な成長を実現するには、対象者を上場子会社として維持するのではなく、今こそ対象者に伊藤忠商事グループの経営資源をさらに再配分し、対象者と伊藤忠商事とがより一体となった上で、従来のビジネスモデルの継続にとどまらず新たなビジネスモデルへの転換にも果敢に挑み、市場環境の急激な変化に機動的かつ迅速に対応していくことが不可欠であり、同時に、伊藤忠商事グループの生活消費分野最大の消費者接点を持つ対象者の全国に広がる16,500店の店舗網と1日当たり約1,500万人の来店客を元にデジタルプラットフォームを作り、新たなサービスの提供やビジネスモデルの確立するとともに、強みである消費者接点をさらに活用すべく、伊藤忠商事グループの次世代・新技術導入の実践の場として2019年7月に新設した「第8カンパニー」を通じ、伊藤忠商事の様々なビジネス基盤を最大限活用し、対象者のサプライチェーンの最適化・効率化、電子決済に代表されるITを駆使した次世代化に取り組み、対象者を中心に伊藤忠商事グループの生活消費分野ビジネスのいわゆるデジタルトランスフォーメーションを実現することが、伊藤忠商事の強みとしてきた生活消費分野をより強固なものにすると考えておりました。またこのような考えは、前記のとおり対象者における課題認識とも一致しており、対象者及び対象者を含む伊藤忠商事グループ全体としての中長期的な企業価値の向上にとって最適な選択であると考えるに至っております。もっとも、伊藤忠商事としては、中長期的な成長の観点にたてば、伊藤忠商事グループの経営資源を対象者にさらに再配分し、対象者のビジネスモデルの果敢な転換を図ることは、対象者を含む伊藤忠商事グループ全体の企業価値の向上に資するものと考えるものの、短期的には、対象者のビジネスモデル転換に伴う対象者の負担が、対象者の既存ビジネスから得られる収益を大きく圧迫することにもなりかねず、対象者の一般株主の皆様の利益にそぐわない可能性があると考えております。
そのため、伊藤忠商事としては、2019年9月上旬に、対象者を非公開化することで、対象者の一般株主の皆様に対して適切かつ合理的な対象者株式の売却機会を提供することにより、こうした抜本的な施策により対象者の一般株主の皆様の利益が損なわれないようにする一方、伊藤忠商事及び対象者が現在の親会社と上場子会社としての相互に独立した経営体制を超えて、グループ一体となって両者の経営資源やノウハウの相互活用を一層促進し、迅速に意思決定を進めていくことで、対象者の短期的利益に直結せずとも対象者を含む伊藤忠商事グループ全体を中長期的に成長させることにつながる抜本的な施策を行い、より大きく踏み込んだ提携関係を構築することが、対象者を含めた伊藤忠商事グループ全体の企業価値の向上のために必要であると考えるに至り、対象者の非公開化の初期的検討を開始いたしました。2020年1月上旬には、対象者から独立した第三者評価機関としてファイナンシャル・アドバイザーである野村證券を、対象者から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を選任し、対象者の非公開化に係る協議・交渉を行う体制を構築した上で、2020年2月上旬、対象者に対し、対象者の非公開化に関する検討を開始したい旨の初期的な打診を行いました。その後、伊藤忠商事は、2020年2月上旬以降、想定されるシナジーに関する検討を進め、2020年2月17日、対象者に対し、伊藤忠商事が本取引を申し入れた背景や非公開化後に実現したいと考える事業戦略等を記載した本取引に関する初期的提案書を提出いたしました。2020年2月上旬の初期的打診及び同年2月17日の初期的提案の際は、伊藤忠商事グループのみが株主となる選択肢も含めて検討を行った上で、伊藤忠商事は、対象者とのビジネスを通じた企業価値の向上に資するスキームとして、伊藤忠商事のみが出資し、又は状況に応じて対象者とのビジネス関係を構築できる伊藤忠商事グループ外の者が少数株主として出資する可能性のあるSPCが対象者株式の公開買付けを実行した後、株式併合によるスクイーズ・アウト手続により対象者を非公開化するスキームを提案しておりました。なお、当該提案に際し、伊藤忠商事は、対象者に対し、伊藤忠商事グループ外の第三者が少数株主として当該SPCに出資する可能性があり、第三者の出資により対象者の非公開化のための伊藤忠商事の資金負担を抑制できる一方で、非公開化後における伊藤忠商事グループの対象者株式の所有割合が低くなること等の伊藤忠商事にとってのメリット及びデメリット、第三者の出資及びそれに伴う提携等により対象者の企業価値の向上に資するかどうか等も踏まえて、伊藤忠商事が第三者と協議し、伊藤忠商事及び第三者の意向が合致した場合には、第三者が少数株主として当該SPCに出資することを前提とした提案を再度行うことも、併せて伝えておりました。伊藤忠商事は、対象者に対してかかる提案を行う一方で、並行して、非公開化後の対象者における事業戦略を速やかにかつ着実に実現する上で必要な戦略パートナーとして、対象者と既存の取引関係があり、かつシナジー創出の蓋然性が高いという観点において全農及び農中並びに東京センチュリーと接触し、これら3者と本公開買付けのスキーム及び非公開化後の対象者における経営方針について協議して参りました。
伊藤忠商事並びに全農及び農中は、営業面では全農及び伊藤忠商事が食料カンパニーにおける北米穀物集荷の共同事業(CGB Enterprises, Inc.)を行っているほか、対象者の中食・惣菜の原材料を含め伊藤忠商事グループと多岐に渡って協業関係にあり、ファイナンス面では農中が伊藤忠商事グループの親密な取引金融機関の1社であるという関係にあります。こうした従来からの取り組みを背景に、伊藤忠商事が対象者の非公開化の検討を開始した後、2020年1月下旬に、同じグループ内に食料カンパニーとの取引関係のある全農を持ち、商品供給等で対象者のビジネス面でのシナジーを創出できる戦略パートナーに発展する可能性を目論み、まずは本取引に要する資金に係る資金提供の可能性について農中に打診をしたところ、全農を含める形で、ファイナンシャルスポンサーとしてではなく、戦略パートナーとして対象者に資本参加することにより対象者の非公開化に参画したいという旨の意向を示されました。全農及び農中のかかる意向を踏まえ、伊藤忠商事は、2020年2月上旬、全農及び農中が戦略パートナーとして対象者に資本参加することの可否及び方法についての検討並びに全農及び農中との協議を開始いたしました。かかる検討及び協議を通じて、2020年2月下旬までに、伊藤忠商事並びに全農及び農中は、全農及び農中が対象者に戦略パートナーとして資本参加することにより、①商品供給、②地域活性及び③海外戦略の面において対象者とのシナジー創出が可能であると考えるに至りました。そのため、伊藤忠商事並びに全農及び農中は、全農及び農中が、対象者株式の公開買付けを行う伊藤忠商事のSPCに出資する方法により、対象者に資本参加するスキームを第1候補として、対象者に対して、対象者の非公開化に関する提案を改めて行うこととし、当該提案以降も、最終的な出資比率等の条件や、資本提携によるシナジーに関して、継続して検討及び協議を行うことといたしました。
東京センチュリーは、対象者の店舗や付帯設備に対するリース等の取引を通じて、伊藤忠商事が対象者を持分法適用関連会社とした1998年2月当時より、対象者を重要な事業パートナーと位置づけ、伊藤忠商事グループとの取引の拡大や伊藤忠商事の国内及び海外ネットワークを活用した協業等の取り組みを行っておりました。伊藤忠商事は、伊藤忠商事グループと東京センチュリーとの間に取引及び資本関係があり、伊藤忠商事グループの国内及び海外ネットワークを活用した協業を伊藤忠商事グループと東京センチュリーの間で行っていることに加え、東京センチュリーが提供する情報通信機器を筆頭とする国内リース事業分野、法人・個人向けオートリースにレンタカーを加えた国内オート事業分野等、多岐にわたる事業領域と金融の枠を超えた「金融×サービス×事業」の3軸融合による経験値と既成概念にとらわれない多様なサービスが、本取引の実行後に対象者のビジネスモデルを転換する各施策において重要な役割を果たすとの考えから、2020年2月中旬、東京センチュリーの経営陣に対し、対象者の非公開化にあたり伊藤忠商事が既に対象者との取引関係があり、かつ将来的に東京センチュリーの「金融×サービス×事業」の3軸融合による経験値と既成概念にとらわれない多様なサービスが対象者におけるビジネス強化につながることの説明を行ったところ、伊藤忠商事の考えに賛同いただき、対象者に資本参加することにより対象者の非公開化に参画したい旨の意向を示されましたので、2020年2月中旬、伊藤忠商事及び東京センチュリーは、東京センチュリーが対象者に資本参加することについての検討及び協議を開始いたしました。東京センチュリーは、リース事業に限らず、様々な新しい金融サービスの提供により、パートナー企業とともに「循環型経済社会の実現への貢献」を目指しており、伊藤忠商事としては、地域社会において欠かせない「インフラ」となっている対象者が目指す、地域から必要とされ、かつ人や地域に寄り添うことで進化し続ける地域密着型の事業において、東京センチュリーが店舗ごとにおける付帯設備の最適配分を行う仕組みを構築する等の様々なソリューションをもたらすことにより、コストの削減を含めた新しい価値を生み出すシナジーが期待できると考えております。
以上のとおり、伊藤忠商事は、2020年2月下旬、全農及び農中は国産のサプライソースを活かした生鮮品の供給を可能とし、東京センチュリーが、対象者の店舗付帯設備の配分を最適化することによるコスト削減等を行うことを可能とするため、全農及び農中並びに東京センチュリーが非公開化後の対象者における事業戦略を速やかにかつ着実に実現する上で必要な戦略パートナーとして適切であると考えるに至り、また資本提携を行うことで、全農及び農中並びに東京センチュリーがより踏み込んだ形で対象者に対して人的リソース等の経営資源の投入を図り、シナジーの実現を図れるものと考えております。なお、全農及び農中が対象者に資本参加することで、全農及び農中におけるそれぞれの所有割合の大小にかかわらず、全農は主に商品供給面、農中は金融サービスの提供等で対象者と踏み込んだ形で戦略的なビジネス構築ができるものと考えております。なお、伊藤忠商事、全農及び農中並びに東京センチュリーは、①公開買付けの手続コストを抑制し、②公開買付け後のスクイーズ・アウトにおいて全農、農中又は東京センチュリーがスクイーズ・アウトの対象となる可能性を小さくするため、伊藤忠商事、全農及び農中並びに東京センチュリーが共同でSPCに出資し、SPCが直接の公開買付けの主体となるスキームを第1候補として検討しておりました。
伊藤忠商事は、このような全農及び農中並びに東京センチュリーとの間での検討及び協議の結果を踏まえて、本取引の諸条件についてさらに具体的な検討を進め、2020年3月2日、対象者の非公開化に関する正式提案書(当該提案書に基づく正式提案を以下「3月2日付正式提案」といいます。)を対象者に対して提出し、本公開買付価格を2,600円とすること、公開買付けの期間を2020年4月13日から2020年5月26日とすることを対象者に対して提案いたしました。なお、3月2日付正式提案においては、対象者株式の本公開買付けを行う伊藤忠商事のSPCに全農及び農中が出資する方法により、全農及び農中が対象者に資本参加するスキームを前提としておりましたが、当該時点においては東京センチュリーとの検討及び協議を開始したばかりであり、東京センチュリーが対象者に資本参加することの確度が高くなかったため、東京センチュリーが対象者に資本参加することは前提としておりませんでした。
伊藤忠商事は、3月2日付正式提案以降も、全農及び農中との間で、全農及び農中が対象者に資本参加する方法及び条件や資本提携によるシナジー等について検討及び協議を行っておりましたが、2020年3月上旬、全農及び農中から、①対象者の非公開化後における全農及び農中の対象者に対する出資割合を5%未満とすること、②全農における正式機関決定後(注5)・(注6)に対象者に資本参加するために、全農及び農中は、対象者の非公開化が完了する前に伊藤忠商事のSPCに出資は行わず、非公開化が完了した後に対象者株式を譲り受けるスキームとすること、③全農及び農中の最終的な出資割合に相当する金銭を農中から伊藤忠商事のSPCへ融資することが可能であることについての意向表明を受けました。また、伊藤忠商事は、3月2日付正式提案以降も、東京センチュリーとの間で、東京センチュリーが対象者に資本参加することについて引き続き検討及び協議を行っておりましたが、東京センチュリーが、リース事業に限らず、様々な新しい金融サービスの提供により、パートナー企業とともに「循環型経済社会の実現への貢献」を目指していることも踏まえ、伊藤忠商事及び東京センチュリーは、地域社会において欠かせない「インフラ」となっている対象者が目指す事業においても、東京センチュリーが様々なソリューションをもたらすことにより、対象者への資本参加を行うことで単なる取引関係から踏み込んだ、対象者と一体となった新たなサービスの創造等、新しい価値を生み出すシナジーが期待できると考えるに至りました。その後、伊藤忠商事は、2020年3月上旬、東京センチュリーから、①対象者の非公開化のために投資可能な資金は50億円であること、②対象者への資本参加の方法として伊藤忠商事のSPCに対して出資することでよいこと、③非公開化後においては対象者株式の直接所有を希望することを内容とする意向表明を受けました。
(注5) 全農は、2020年7月8日、経営管理委員会を開催し、本基本契約の締結について承認しておりますので、本書提出日現在、全農・農中株式譲渡における全農の譲受け比率(内訳)を除き、全農・農中株式譲渡について正式な機関決定を行っております。また、全農は、2020年7月29日、総代会を開催し、本基本契約に基づき全農が公開買付者から譲り受ける対象者株式に係る譲渡対価の額を100億円とする旨の決議を行い、全農及び農中は、2020年7月29日、本基本契約に基づき、全農及び農中が譲り受ける対象者株式の内訳を、全農が0.86%(譲受け時点における対象者株式の総数に対する割合)、農中が4.04%(譲受け時点における対象者株式の総数に対する割合)とする旨を伊藤忠商事に対して通知いたしました。その結果、全農及び農中は、本基本契約に基づき、対象者の非公開化後、公開買付者から、それぞれ、全農が、当該時点における対象者株式の総数の0.86%に相当する数の対象者株式(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、4,347,826株(所有割合:0.86%))を、農中が、当該時点における対象者株式の総数の4.04%に相当する数の対象者株式(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、20,451,470株(所有割合:4.04%))を譲り受ける予定です。なお、全農及び農中が当該譲受けに関して支払う対価の額は、それぞれ9,999,999,800円及び47,038,381,000円であり(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、1株当たり2,300円)、また、全農及び農中は、当該対価以外に、本取引のために必要な実費のうち全農及び農中にて負担する金額として伊藤忠商事並びに全農及び農中の間で別途合意する金額を負担いたします。
(注6) なお、農中は、2020年7月6日、理事会を開催し、全農の総代会において全農・農中株式譲渡における全農の譲受け比率(内訳)が決議された場合、それに応じて全農・農中株式譲渡における農中の譲受け比率(内訳)を決定する旨決議しており、全農・農中株式譲渡について正式な機関決定を行っております。
このような全農及び農中の意向並びに東京センチュリーの意向も踏まえ、伊藤忠商事は、全農及び農中並びに東京センチュリーとの間で、全農及び農中並びに東京センチュリーが対象者に資本参加する方法及び条件や、対象者との資本提携によるシナジーについて検討及び協議を行い、伊藤忠商事は、2020年3月中旬、全農及び農中並びに東京センチュリーによる資本参加が非公開化後の対象者における事業戦略を速やかにかつ着実に実現する上で適切であるとの考えに至りました。すなわち、伊藤忠商事、全農及び農中並びに東京センチュリーは、対象者と資本提携を行うことで、全農及び農中並びに東京センチュリーがより踏み込んだ形で人的リソース等の経営資源を対象者に投入することが可能となる一方で、全農及び農中並びに東京センチュリーがビジネス面での対象者とのシナジー創出を資本参加の主な目的としていることから、伊藤忠商事が主体性をもって対象者との密な相互補完・有効活用を実現する上での情報共有や人的・物的な経営資源の再配分を行うことに注力することができ、また、全農及び農中がそれぞれの所有割合の大小にかかわらず、資本参加を行い対象者との関係を強化することでシナジーの実現を図れるとの考えに至りました。そのため、伊藤忠商事は、前記「(1)本公開買付けの概要」の「(本取引のスキーム図)」に記載の内容のスキームを対象者に提案することといたしました。なお、伊藤忠商事は、資金調達に関しては、東京センチュリーからの出資及び農中からの融資以外にもその他対象者と資本関係を有することでビジネス面でのシナジー創出のポテンシャルを持つと見られる企業が他にいないか、市場調査を行う等、様々な選択肢を検討いたしましたが、対象者に資本参加する戦略パートナーとしては、全農及び農中並びに東京センチュリーとの間でそれぞれ検討及び協議を開始した時点で、対象者において扱っていない商品のサプライソースを確保している全農及び融資のみならず、対象者と親和性があると見られる金融窓口サービス等を展開する農中並びに既に取引関係を有し、対象者におけるビジネスの土台となる設備や車両をリースし、かつ新たな金融サービスを手掛ける東京センチュリーがそれぞれ適切であるのではないかという想定の下、全農及び農中並びに東京センチュリーを第1候補としており、結果として合意に至ったため、全農及び農中並びに東京センチュリー以外の伊藤忠商事グループ外の第三者との間で、戦略パートナーとしての対象者に資本参加することに関し、協議等は行っておりません。
伊藤忠商事は、2020年3月17日、前記「(1)本公開買付けの概要」の「(本取引のスキーム図)」に記載の内容のスキームに前提を変更することを内容とする提案書を対象者に対して提出するとともに、対象者が設置した特別委員会を通じて、2020年3月上旬から同年4月上旬にかけて対象者と協議を重ねる過程の中で全農及び農中との資本提携により、①商品供給、②地域活性及び③海外戦略の面において対象者とのシナジー創出が可能であり、また東京センチュリーの、金融の枠を超えた「金融×サービス×事業」の3軸融合による経験値と既成概念にとらわれない多様なサービスが、対象者のビジネスモデルを転換する各施策において重要な役割を果たすという伊藤忠商事、全農及び農中並びに東京センチュリーの考えを説明しております。
そして2020年4月上旬には、伊藤忠商事及び公開買付者並びに対象者は、本取引による伊藤忠商事グループ及び対象者の関係強化によって、以下のような取り組みや効果を期待することができ、対象者の成長力と収益力のさらなる強化により一体となって取り組み、対象者の中長期的な企業価値の向上を図ることが可能となるのみならず、伊藤忠商事グループの事業領域である生活消費分野における従来型のバリューチェーンに変革をもたらすことができる可能性があることから、伊藤忠商事グループの企業価値の向上をも図ることが可能であるとの認識を共有するに至りました。なお、本公開買付けが成立した場合であっても、本臨時株主総会で株式併合議案が否決されたときには、対象者の非公開化が達成されない可能性がございますが、伊藤忠商事及び公開買付者は、対象者の一般株主の皆様においても、本取引による対象者の非公開化が対象者の中長期的な企業価値の向上をもたらすことをご理解いただき、その趣旨にご賛同いただけるものと考えておりますので、対象者の非公開化がなされない場合の伊藤忠商事グループ及び対象者が既存で取り組んでいるビジネス以外でのシナジー等に関する検討は行っておりません。なお、伊藤忠商事及び公開買付者は、対象者の非公開化が達成されない場合であっても、引き続き対象者との間で対象者の企業価値の向上に向けた施策を、両社が独立した上場会社として実行可能な範囲で講じていく所存です。
Ⅰ.伊藤忠商事グループの総合力を活用した対象者のさらなる事業基盤の強化
伊藤忠商事は従来、対象者を伊藤忠商事の強みである生活消費分野における最重要基盤と位置づけ、伊藤忠商事グループのネットワーク、リソースの積極活用による対象者の事業基盤強化に注力して参りました。さらには、対象者を含む伊藤忠商事グループの全体最適の観点から、2019年7月に新設した「第8カンパニー」を通じ、伊藤忠商事の様々なビジネス基盤を最大限活用し、市場や消費者のニーズに応える「マーケットインの発想」により、対象者の事業根幹であるサプライチェーンの最適化・効率化、電子決済に代表されるITを駆使した次世代化の取り組み等に、一層コミットし取り組んでおります。他方、24時間営業問題、深刻な人手不足、フードロス問題等、対象者を取り巻く環境は厳しさを増し、それらへの対応は予断を許さない状況にあります。伊藤忠商事は従来の取り組みからさらに踏み込み、これまで以上に伊藤忠商事グループと対象者のそれぞれの経営資源等の相互活用を一層促進するとともに、伊藤忠商事グループ一体となって迅速に意思決定を進めていくことによって、先進的な次世代技術を取り入れた既存オペレーションの効率化や消費者接点の最大活用を実現し、社会問題化しつつあるこれらの課題ひとつひとつに伊藤忠商事グループ全体として真摯に向き合い、解決を図ります。さらに、2018年度より取り組んできた「ビジネスの次世代化」の一環として、伊藤忠商事グループの生活消費バリューチェーンのデジタル化とデータ活用を目的に構想し構築してきた伊藤忠商事グループ横断の「データ・マネージメント・プラットフォーム(DMP)」(注7)を活用し、対象者の豊富な消費者接点から得られる様々なデータと、対象者の収益において中心的な位置づけにある中食商品の製造から配送に至る各段階に関わるデータを有機的に統合することで、需要予測に基づく最適なサプライチェーンを再構築し、物流合理化による物流コストの削減や次世代技術の活用による対象者のフランチャイズ加盟者のオペレーションの省力化等対象者の既存のビジネスモデルをより高効率で収益性の高いものへと進化させて参ります。
(注7) DMPとは、「Data Management Platform」の略称です。伊藤忠商事グループにおいては、サプライチェーンにおける発注・在庫・物流データ、顧客の購買データ・行動データなど、グループ企業が持つデータを横断的に連携・分析する仕組みを示す用語として用いております。また、具体的には、伊藤忠商事は、生活消費関連を中心に多数のグループ企業を抱え、サプライチェーン全体に関与する事業を展開しているため、DMPを構築・活用し、発注・在庫・物流の最適化、対象者の店舗網を活用した広告・金融、次世代店舗などの消費者接点の強化といった領域でのグループ間のデータ連携を実現させて参ります。
Ⅱ.伊藤忠商事グループの総合力を活用した対象者の新しいビジネスモデルの創出
伊藤忠商事は、Eコマースの台頭、コンビニエンスストア市場の飽和等が謳われている中、対象者が持つファミリーマート約16,500店舗に日々約1,500万人もの消費者が訪れる消費者接点の強みに改めて着目し、対象者のビジネスモデルを再定義すると同時に、非公開化により一体となることで伊藤忠商事の持つ経営資源や次世代技術を持つスタートアップを含めた企業とのネットワークを最大限に活用し、リアルとデジタルの融合による新たなビジネスモデルを創出いたします。具体的には、伊藤忠商事が対象者の一部店舗を実証実験の場とし、伊藤忠商事のネットワークの中からクーガー社が開発した人型AI技術等のAIやブロックチェーン等を活用した世界中の先進的次世代技術を積極的に取り入れた効率的かつ機動的を意味するリーン・アンド・アジャイルな検証を絶えず繰り返すことで、人型AIによる店舗接客等により店舗既存業務のさらなる合理化・効率化を図り加盟店負担を軽減しつつ、店舗での荷物受け取りロッカーや最寄りの店舗から消費者のもとへ商品を届けるラストワンマイル配送等消費者により利便性の高いサービスのご提供を実現いたします。1日に約1,500万人もの消費者が訪れる全国約16,500の店舗網には、Eコマースにはない地域に密着したリアル店舗ならではの購買に関わる消費者接点が存在いたします。このリアル店舗の強みと、デジタルプラットフォーマーが得意とするデジタルの汎用性を融合することで、店舗の枠を超えた新しいマーケットプレイスを提供して参ります。さらに、将来的には国内外の戦略パートナーと対象者を含む「デジタルJV」を組成することで、従来の物販・サービスという枠に捉われない新たな付加価値を創造し、小売業界における従来の労働集約型ビジネスモデルからの大胆な転換を図っていく構想も検討して参ります。
Ⅲ.伊藤忠商事グループの総合力を活用した対象者の新たな海外事業展開
伊藤忠商事は、対象者が、従来の発想や常識に捉われず、国ごとの小売市場の成長過程に即してその国に適応するモデルを構築し導入する必要があるものと考えております。その実現のために、対象者の経営資源やノウハウに加えて伊藤忠商事グループのネットワークの中から、小売といった枠組みに縛られずデジタルや新技術といった領域で強みを発揮するパートナーとも提携していくことが不可欠になってくるものと考えております。具体的には、伊藤忠商事の戦略提携先である海外パートナーを通じ、次の成長市場と当該市場における成長の鍵となるテクノロジーを見極め、各国においてそれぞれ適切なパートナーと提携できるように支援することにより、海外での事業展開を対象者の新たな成長のドライバーとすることが可能になると考えております。対象者の非公開化を行うことで伊藤忠商事グループの持つグローバルなネットワークをシームレスに対象者と融合し、海外における先進的な技術を取り入れ、来店客の購買行動をデータ分析する事により来店客一人一人の購買行動に合わせた商品プロモーションの展開、需要予測の精度向上によるロスの削減、新商品の開発等、新たな形態の小売業であるニューリテールの技術やテクノロジーを対象者のビジネスに取り入れることが可能となります。
また、伊藤忠商事は、前記の議論と並行して本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件や本取引のスキーム、本公開買付けから非公開化までのスケジュールについても対象者が設置した特別委員会を通じて複数回の協議・交渉を重ね、さらに、全農及び農中並びに東京センチュリーとも本取引の諸条件及び非公開化後の対象者における経営方針について引き続き協議して参りました。
具体的には、伊藤忠商事は、2020年3月6日、対象者から事業計画を受領し、同日以降、その分析を行っておりました。しかしながら、2020年3月2日には18人であった国内の新型コロナウイルス感染症の新規感染者(1日当たり)が、2020年3月20日には54人、2020年3月28日には202人になる等、3月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の感染者数が急速に増加したことを受けて、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年3月28日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が対象者の業績の短期的な悪化につながるのみならず、中長期的にも対象者の業績に悪影響を与え、対象者の前記事業計画の達成可能性にも重大な影響を与える可能性があるため、本公開買付価格を含む取引条件を再検討する必要があると考えるに至りました。これらの結果を総合的に勘案した上で、2020年3月28日、伊藤忠商事及び公開買付者は、ファイナンシャル・アドバイザーである野村證券を通じて、対象者に対し、本公開買付価格の水準を2,000円程度とする旨の提案(以下「3月28日付提案」といいます。)を行いつつ、引き続き新型コロナウイルス感染症の感染拡大が対象者の事業に与える影響の分析等を行うことといたしました。3月28日付提案に対し、公開買付者は、対象者から、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による株価の騰落は一時的なものである可能性もあり、そのような提案は承服できないとして、提案内容の再検討の要請を受け、その後も対象者との間で協議を重ねました。しかしながら、その後も新型コロナウイルス感染症の感染域は拡大を続け、国内の感染者数も減少に転じる兆しが見えず、マクロ経済に関する様々な指標も悪化する等、新型コロナウイルス感染症による事業への影響の規模やそれが及ぶ期間、ひいては対象者の本源的価値にもたらすインパクトについての将来的な見通しが困難な状況となりました。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による本公開買付価格の前提となる対象者の事業への影響、すなわち新型コロナウイルス感染症の影響が及ぶ期間や対象者の店舗の売上にもたらすインパクト、及び在宅期間が長引くことによるコンビニエンスストアからEコマース等への消費者行動の構造的なシフトによる対象者のビジネスモデルにもたらす影響等に関して、これが一時的な影響にすぎない可能性があるとする対象者と、中長期的な影響を及ぼすおそれがあるとする伊藤忠商事及び公開買付者の双方の考え方に乖離があったことから、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年4月3日、3月2日付正式提案で提示した2020年4月13日に本公開買付けを開始することを見送り、協議を継続することを希望する旨、及びその後の協議において3月2日付正式提案で提示した本公開買付価格である2,600円の維持を前提とすることが難しいことを対象者へ通知いたしました。
その後、対象者は2020年4月13日に2021年2月期の業績予想を発表しましたが、当該業績予想では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響について発表時点で想定しうる売上影響を織り込んでいるものの、その後の動向次第では変動する可能性があるとされており、伊藤忠商事及び公開買付者はその影響が十分に検討されたものではないと考えておりました。他方、2020年4月7日に新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令され、これに伴う外出自粛要請の影響もあり、対象者の店舗における日商や来店客数が対前年比で大幅に下回る状況が継続し、対象者の足下の業績への悪影響が確認されることとなりました。これらの事情も踏まえ、伊藤忠商事及び公開買付者としては、対象者の2021年2月期の業績に悪影響が生じる可能性が高まり、また新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響下において生じたコンビニエンスストアからEコマース等異業種への消費者のシフトが構造的なものであり、中長期的に対象者における店舗売上の減少等、事業に悪影響を及ぼすおそれがあり、対象者の企業価値が毀損する可能性があることも踏まえ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が今後長期化するおそれもある中で、一刻も早い段階で本取引を実行し、伊藤忠商事グループ及び対象者の関係強化によって、前記ⅠないしⅢで述べたような諸施策に早急に取り組む必要があると判断いたしました。また、新型コロナウイルス感染症の患者数の増加ペースも減少傾向となり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が対象者の事業に与える短期的な影響のみならず、中長期的に与える影響についても従前よりは精緻に見込める状況となったため、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年5月14日、本公開買付価格を2,200円とすること、及び公開買付けの開始日を2020年6月の可能な限り早いタイミングとすることを対象者との面談で提案(以下「5月14日付提案」といいます。)いたしました。これに対して、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年5月26日に対象者の要請により面談を行い、主に新型コロナウイルス感染症の感染拡大が対象者の事業に与える影響に関する伊藤忠商事及び公開買付者の考え方についてヒアリングを受け、2020年6月5日に対象者から、ファイナンシャル・アドバイザーによる財務的見地からの助言とそれに基づく協議に加え、直近株価及び一定期間の平均株価に対するプレミアム水準及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が出る前の株価水準等を総合的に勘案した結果、5月14日付提案における提案価格である2,200円は承服できず、本公開買付価格の引き上げを要請するとの回答を受けました。その後、時間の経過に伴い対象者の業績に対する新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が顕在化したことを受け、対象者において事業計画の更新の検討がなされ、2020年6月10日、伊藤忠商事及び公開買付者は対象者より新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を織り込んだ事業計画の提示を受けました。これを受け、伊藤忠商事及び公開買付者は、当該事業計画の妥当性及び実現可能性について改めて検証を行うとともに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が日商や来店客数等を通じて対象者の事業に及ぼす影響の度合いやそれが及ぶ期間等に係る伊藤忠商事及び公開買付者としての独自の見通しを事業計画の数値に反映いたしました。伊藤忠商事及び公開買付者は、それに基づいて改めて本公開買付価格の検討を行い、ファイナンシャル・アドバイザーからの対象者の価値評価に関するアドバイス及びそれに関する議論も踏まえて、2020年6月26日、本公開買付価格を2,300円とすることを対象者に対して提案(以下「6月26日付提案」といいます。)いたしました。なお、6月26日付提案においては、本公開買付けにおける買付予定数の下限を設定しないことを前提としておりました。
これに対して、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年6月26日、対象者から、引き続き本公開買付価格の引き上げの要請を受けるとともに、当時の伊藤忠商事及び公開買付者の提案は買付予定数の下限が付されていないものであったところ、一般株主の意向を可能な限り反映するために、買付予定数の下限を「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」の水準(100%から伊藤忠商事らの所有割合50.10%を減じた49.90%の半数である所有割合24.95%)に設定することについて要請を受けました。伊藤忠商事及び公開買付者は、かかる要請を受けて、2020年6月26日、対象者に対して、買付予定数の下限を50,114,060株(所有割合:9.90%)と設定することを提案し、2020年6月29日、買付予定数の下限を50,114,060株(所有割合:9.90%)と設定する根拠について説明いたしました。これに対して、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年6月30日、対象者から、当該下限の設定により、買収者と重要な利害関係を共通にしない株主の過半数が取引条件に満足しているかといういわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」の趣旨が反映されているといえるかに関して合理的に確信することができないとして、本公開買付価格の引き上げ及び買付予定数の下限を伊藤忠商事グループの所有割合を含めて3分の2を超える水準に設定することを要請され、本公開買付価格(2,300円)及び買付予定数の下限(50,114,060株)の下では、対象者として株主の皆様にスクイーズ・アウトの条件やその理由を合理的に説明することができないとして、対象者以外の者の請求又は要請なく、対象者が、株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを会社提案議案として付議する臨時株主総会を招集し、その他スクイーズ・アウトに必要な手続を実行することは難しい旨の連絡を受けました。その後も、伊藤忠商事及び公開買付者は対象者との間で協議・交渉を重ね、2020年7月2日、本公開買付価格及び買付予定数の下限を引き上げず、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者が会社法第180条に基づき対象者株式の株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会を招集することを、会社法第297条第1項に基づき、本公開買付けの決済の完了後速やかに対象者の取締役に請求し、本公開買付けの決済の開始日後の近接する日が本臨時株主総会の基準日となるように、基準日設定公告を行うことを要請することを最終的に提案(以下「最終提案」といいます。)いたしました。最終提案に対し、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年7月3日、対象者から、本取引により対象者が非公開化されることによって、対象者の企業価値が中長期的には向上すると考えているため本公開買付けに対しては賛同するが、2,300円という本公開買付価格は、東証一部における対象者株式の終値1,766円に対して30.24%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じとします。)、2020年7月7日から直近1ヶ月間(2020年6月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値1,908円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)に対し20.55%、同直近3ヶ月間(2020年4月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値1,878円に対して22.47%、同直近6ヶ月間(2020年1月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値2,068円に対し11.22%のプレミアムが付されており、対象者の一般株主に対し投資回収機会を提供する観点では、対象者株式の現在の市場価格に対して一定のプレミアムが付されていると考えられることから合理性を欠く水準にあるとはいえないものの、2010年以降に発表された非公開化を目的とした買付規模が500億円以上の他の公開買付けの事例におけるプレミアムの水準(平均値は、公表日の前営業日比36.9%、直近1ヶ月間の終値単純平均比39.2%、直近3ヶ月間の終値単純平均比39.0%、直近6ヶ月間の終値単純平均比36.8%)と比較し十分なプレミアムが付されているとは認められない等、対象者の一般株主の皆様に本公開買付けへの応募を積極的に推奨することができる水準には達していないとの結論に達したため、本公開買付けに応募することを推奨することの是非については中立の立場をとった上で、最終的に株主の皆様の判断に委ねるのが相当であると判断した旨の回答を得ました。そこで、伊藤忠商事及び公開買付者は、本取引を早急に実行する必要がある点を考慮しつつ、対象者による対象者の株主への応募推奨を得ていないものの、対象者も本取引による対象者の非公開化の意義に賛同している点を踏まえ、2020年7月8日開催の取締役会において、本公開買付けを含む本取引を実施することを決議いたしました。
従来、伊藤忠商事は「店舗オペレーションといった小売業の本質部分は商社の発想では難しい」という観点から、店舗オペレーションといった小売業の本質部分についてはファミリーマートという「小売業のプロフェッショナル」に任せ、経営の独立性を尊重する考え方を表明して参りました。この考え方は根本的には変わっておりませんが、昨今の対象者を含む国内コンビニエンスストア業界やEコマース等の小売業界全体におけるグローバルで非連続的な変化に対し、より多角的な観点で柔軟性と機動性を持ちつつ、時には人型AI技術や荷物受け取りロッカー等を対象者の16,500店舗に導入する等の対象者の連結純利益に相当する規模の先行投資を行うといった痛みも伴う変革にも躊躇なく対応できるよう、本公開買付けによる対象者の非公開化を実施することにより対象者の経営により深くコミットして参ります。また、財務指標等に関しては、全社ベース・ターゲットを遵守して管理していくとともに、グループ事業ポートフォリオの最適化と対象者を中心とした生活消費事業のデジタルトランスフォーメーションに資する事業再編・資本政策等も検討して参ります。
(ⅱ)対象者における意思決定の過程及び理由
対象者開示によれば、我が国の小売業界においては、総人口の減少による市場規模の縮小、Eコマースの市場規模の拡大やドラッグストア等他業態との垣根の喪失による業態を超えた競争環境の激化、消費者の低価格志向の継続、店舗や物流における人手不足等の厳しい経営環境に加え、消費者ニーズの多様化や選別消費の傾向が一層進んでおり、対象者を取り巻く環境は厳しさを増しているとのことです。このような状況において、対象者は、既存店の質の向上を図るとともに、リアルの店舗網を活かして、店舗売上以外の新たな成長戦略の実行及び既存のビジネスモデルの転換を経営課題として認識していたとのことです。
そのような中、前記「(ⅰ)本公開買付けの背景及び理由」に記載のとおり、対象者は、2020年2月上旬、伊藤忠商事から、対象者の非公開化のための本取引に関する検討を開始したい旨の初期的な打診を受けたとのことです。これを受けて、対象者は、対象者が伊藤忠商事の連結子会社であり、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、対象者の法務アドバイザーである森・濱田松本法律事務所の助言を踏まえ、直ちに、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象者の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討・交渉等を行う体制の構築を開始したとのことです。
具体的には、対象者は、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり特別委員会の設置に向けた準備を進めた上で、2020年2月17日に伊藤忠商事から初期的提案書を受領した直後の同月19日付の対象者取締役会の書面決議により、対象者の社外取締役である伊澤正氏、髙岡美佳氏、関根近子氏の3名から構成される特別委員会(当該特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容等については、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置」をご参照ください。)を設置し、特別委員会に対し、①(a)対象者の企業価値の向上に資するかという観点から、本取引の是非について検討・判断するとともに、(b)対象者の一般株主の皆様の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性について検討・判断した上で、本公開買付けについて対象者取締役会が賛同するべきか否か、及び、対象者の一般株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否かを検討し、対象者取締役会に勧告を行うこと、並びに、②対象者取締役会における本取引についての決定が、対象者の少数株主の皆様にとって不利益なものでないかを検討し、対象者取締役会に意見を述べること(以下①と②を合わせて「本諮問事項」といいます。)を諮問し、これらの点についての意見を対象者に提出することを委嘱したとのことです。また、対象者取締役会は、対象者取締役会における本公開買付けに関する意思決定については、本公開買付けへの賛否を含め、特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、及び特別委員会が取引条件につき妥当でないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しないこととすることを決議するとともに、特別委員会に対し、取引条件等について必要に応じて公開買付者と交渉を行うこと、本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、自らの財務若しくは法務等のアドバイザーを選任すること(この場合の費用は対象者が負担するものとされているとのことです。)、並びに対象者の役職員から本公開買付けの検討及び判断に必要な情報を受領することについて権限を付与することを決議しているとのことです。なお、特別委員会は、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、前記の権限に基づき、独自の法務アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を、独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関としてPwCアドバイザリー合同会社(以下「PwC」といいます。)を、それぞれ選任したとのことです。
また、対象者は、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、特別委員会において、対象者の法務アドバイザーである森・濱田松本法律事務所及び対象者のファイナンシャル・アドバイザーであるメリルリンチ日本証券株式会社(以下「メリルリンチ日本証券」といいます。)について、伊藤忠商事、公開買付者、対象者、全農及び農中並びに東京センチュリーからの独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けているとのことです。
さらに、対象者は、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑥ 対象者における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、伊藤忠商事、公開買付者、対象者、全農及び農中並びに東京センチュリーから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を対象者の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性の観点から問題がないことについて特別委員会の承認を得ているとのことです。
その上で、対象者は、森・濱田松本法律事務所から本取引における手続の公正性を担保するための対応を含むガイダンスその他法的助言を受けるとともに、メリルリンチ日本証券から対象者株式の価値算定結果に関する株式価値算定書の提供その他の財務的見地からの助言を受け、これらを踏まえ、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に協議及び検討を行ったとのことです。
また、対象者は、2020年3月2日、伊藤忠商事より、本公開買付価格を2,600円とすることを含む3月2日付正式提案を受領し、それ以降、伊藤忠商事との間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件についても継続的に協議及び交渉を行ったとのことです。
もっとも、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、対象者の株価を含む市場株価が急激に騰落し、また対象者の2021年2月期の業績見通しも不透明となったため、伊藤忠商事及び公開買付者より、2020年3月28日に本公開買付価格を2,000円程度とする旨の提案を受領したとのことです。それに対し、対象者は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による株価の騰落は一時的なものである可能性もあり、そのような提案は承服できないとして、提案内容の再検討を要請したとのことです。その後も、対象者並びに伊藤忠商事及び公開買付者の間で協議を重ねた結果、2020年4月3日、新型コロナウイルス感染症が対象者の事業に与える影響等が判明した段階で再度本取引に関する検討・交渉を再開することとしたとのことです。その後、緊急事態宣言発出後1か月が経過し、同宣言の解除の見通しが示され、新型コロナウイルス感染症の対象者の事業に与える影響も一定程度判明してきたため、2020年5月中旬、対象者は、伊藤忠商事及び公開買付者との検討・交渉を再開したとのことです。
対象者は、伊藤忠商事及び公開買付者より、2020年5月14日に本公開買付価格を2,200円とする旨の5月14日付提案を受領し、それ以降、伊藤忠商事及び公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件についても継続的に協議及び交渉を行ったとのことです。具体的には、2020年6月5日、対象者は、伊藤忠商事及び公開買付者に対し、ファイナンシャル・アドバイザーによる財務的見地からの助言とそれに基づく協議に加え、直近株価及び一定期間の平均株価に対するプレミアム水準及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が出る前の株価水準等を総合的に勘案した結果、5月14日付提案における提案価格である2,200円は承服できず本公開買付価格を引き上げるよう要請するとともに、2020年6月10日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を織り込んだ事業計画を提示したとのことです。その後、2020年6月26日、対象者は、伊藤忠商事及び公開買付者から本公開買付価格を2,300円とする旨の6月26日付提案を受領したとのことです。対象者は6月26日付提案に対し、本公開買付価格の引き上げ及び「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」の水準(100%から伊藤忠商事らの所有割合50.10%を減じた49.90%の半数である所有割合24.95%)となる買付予定数の下限の設定を要請し、交渉を重ねましたが、2020年7月2日、伊藤忠商事及び公開買付者から本公開買付価格を引き上げることは難しい旨及び買付予定数の下限を50,114,060株(所有割合:9.90%)とする旨の最終提案を受領したとのことです。
以上のとおり、対象者としては、対象者から独立したリーガル・アドバイザー及びファイナンシャル・アドバイザーの助言を受け、特別委員会からも継続的に助言を受ける等意思決定の公正性及び透明性を確保した上で、伊藤忠商事から本取引の提案を受けて以来本公開買付価格の引き上げを一貫して要請するとともに、本公開買付けの買付予定数の下限を合理的な株式数とするよう、伊藤忠商事及び公開買付者の6月26日付提案において本公開買付けにおいて買付予定数の下限を設定しないことが前提とされていたのに対して、一般株主の意向を可能な限り反映するため買付予定数の下限を「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」の水準(100%から伊藤忠商事らの所有割合50.10%を減じた49.90%の半数である所有割合24.95%)に設定することを要請し、かかる要請を受けて、伊藤忠商事及び公開買付者から買付予定数の下限を50,114,060株(所有割合:9.90%)と設定するとの提案を受けたのに対して、2020年6月30日、当該下限の設定により、買収者と重要な利害関係を共通にしない株主の過半数が取引条件に満足しているかといういわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」の趣旨が反映されているといえるかに関して合理的に確信することができないとして、買付予定数の下限を伊藤忠商事グループの所有割合を含めて3分の2を超える水準に設定することを要請しており、対象者の一般株主の利益のために継続的に交渉を続けたとのことですが、最終提案を受け、本取引により対象者の企業価値の向上が見込まれるという意味において本公開買付けに賛同する旨の意見を表明する一方で、本公開買付価格及び本公開買付けの買付予定数の下限の株式数を勘案し、対象者株式の現在の市場価格に対して一定のプレミアムが付されていると考えており、対象者の一般株主に対し投資回収機会を提供する観点で合理性を欠く水準にあるとはいえないものの、2010年以降に発表された非公開化を目的とした買付規模が500億円以上の他の公開買付けの事例におけるプレミアムの水準(平均値は、公表日の前営業日比36.9%、直近1ヶ月間の終値単純平均比39.2%、直近3ヶ月間の終値単純平均比39.0%、直近6ヶ月間の終値単純平均比36.8%)と比較し十分なプレミアムが付されているとは認められない等、対象者の一般株主の皆様に本公開買付けへの応募を積極的に推奨することができる水準には達していないとの結論に達したため、本公開買付けに応募することを推奨することの是非については中立の立場をとった上で、最終的に株主の皆様の判断に委ねる旨判断したとのことです(交渉経緯の詳細については、前記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅰ)本公開買付けの背景及び理由」をご参照ください。)。
以上の検討・交渉過程において、対象者は、随時、特別委員会に対して報告を行い、必要に応じて特別委員会の承認を得ているとのことです。具体的には、まず、本取引に係る交渉方針について、特別委員会に対して事前に説明を行い、特別委員会の承認を受けているとのことです。また、公開買付者に対して提示し、また、メリルリンチ日本証券及びPwCが対象者株式の価値算定において基礎とする事業計画案を対象者が作成するにあたり、事前に作成方針について特別委員会に対して説明を行い、また、その作成過程においても、特別委員会に対して複数回、作成中の事業計画案の内容、重要な前提条件及び進捗状況等について説明を行うとともに、最終的な事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について特別委員会の確認を受け、特別委員会の承認を受けているとのことです。さらに、伊藤忠商事及び公開買付者より本公開買付価格についての提案や本公開買付けの条件についての提案を受領した際には、その都度、特別委員会に対して報告を行い、対応方針及び伊藤忠商事及び公開買付者との交渉方針等について特別委員会の指示や要請を受け、これに従って対応を行っているとのことです。
そして、対象者は、2020年7月8日、特別委員会から、①対象者取締役会は、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、本公開買付けに応募するか否かは対象者の株主の判断に委ねる旨の意見を表明することが妥当であると考えられる旨、②(a)対象者取締役会が、本公開買付けに賛同するとともに、本公開買付けに応募するか否かは対象者の株主の判断に委ねる旨の意見を決定することは、対象者の一般株主にとって不利益なものではないと考えられる旨、及び(b)対象者取締役会が、本取引において予定されている方法によることを前提に、本公開買付け成立後の株式併合による対象者の非公開化についての決定することは、対象者の一般株主にとって不利益ではないと考えられる旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けたとのことです(本答申書の概要については、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置」をご参照ください。)。なお、対象者は、本答申書と併せて、特別委員会から、特別委員会が2020年7月7日付でPwCから提出を受けた対象者株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(PwC)」といいます。)の提出も受けたとのことです(本株式価値算定書(PwC)の概要については、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑤ 特別委員会における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。)。
以上の経緯の下で、対象者は、2020年7月8日開催の対象者取締役会において、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言、メリルリンチ日本証券から受けた財務的見地からの助言及び同日付で提出を受けた対象者株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)」といいます。)の内容、並びに特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(PwC)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行ったとのことです。
その結果、前記「(ⅰ)本公開買付けの背景及び理由」に記載のとおり、対象者としても、本取引による非公開化により、対象者及びその子会社24社、関連会社及び共同支配企業20社の計44社(2020年2月29日現在)から成る企業グループ(以下「対象者グループ」といいます。)とその他伊藤忠商事グループ各社やその緊密関係先との間の密な連携・協働や外部ネットワークの相互乗り入れ等を円滑かつ効率的に実施することが可能になり、市場環境が急激に変化し業態を超えた競争が激化している小売業界において、従来のバリューチェーンに変革をもたらす新しいビジネスモデルへの転換を追求することにより、対象者グループ、対象者グループを含めた伊藤忠商事グループ全体の双方について、さらなる企業価値の向上が可能になるものとの結論に至ったとのことです。
具体的には、対象者は、本取引の結果、対象者が非公開化されることにより、これまで以上に伊藤忠商事グループと対象者のそれぞれの経営資源等の相互活用を一層促進するとともに、伊藤忠商事グループ一体となって迅速に意思決定を進めていくことが可能になると説明を受けており、これにより、社会問題化しつつある24時間営業問題、深刻な人手不足問題、フードロス問題等課題のひとつひとつに真摯に向き合い解決を図ることが可能となり、また、従来のバリューチェーン全体を見直し再構築することで、対象者の既存のビジネスモデルをより高効率で収益性の高いものへと進化させることができると考えているとのことです。
また、対象者は、Eコマースの台頭、コンビニエンスストア市場の飽和等が謳われている中、約16,500店舗に日々約1,500万人もの消費者が訪れる消費者接点の強みに改めて着目し、対象者のビジネスモデルを再定義することで、リアルとデジタルの融合による新たなビジネスモデルを創出できると考えているとのことです。具体的には、対象者は、伊藤忠商事のネットワークの中から世界中の先進的次世代技術を積極的に取り入れた検証を絶えず繰り返すことで、店舗既存業務のさらなる合理化・効率化を図り加盟店負担を軽減しつつ、消費者により利便性の高いサービスの提供を目指すとのことです。また、対象者は、リアル店舗の強みと、デジタルプラットフォーマーが得意とするデジタルの汎用性を融合すべく、将来的には国内外の戦略パートナーと対象者を含む「デジタルJV」を組成することで、従来の物販・サービスという枠に捉われない新たな付加価値を創造し、小売業界における従来の労働集約型ビジネスモデルからの大胆な転換を図っていく構想も検討する予定としているとのことです。
さらに、対象者ではこれまで日本におけるコンビニエンスストア事業の成功体験を海外へ横展開することで、人口減により市場の伸びに限界を迎えつつある国内から、海外へと成長の軸足を移そうと試みていたとのことです。しかしながら、中国に代表されるように、海外の小売業態は日本とは全く異なった独自の進化を遂げているとのことです。具体的には、アリババに代表されるインターネットを駆使したプラットフォーマーの出現により、コンビニエンスストアに代表される近代的小売業態が普及するよりも遥かに早いスピードで、消費者はどこに住んでいてもリアル店舗に足を運ぶことなく商品を手にすることが出来るようになったとのことです。こうした実情に鑑み、従来の発想や常識に捉われず、国ごとの小売市場の成長過程に即してその国に適応するモデルを構築し導入する必要があるとのことです。その実現のために、対象者は、その経営資源やノウハウに加えて伊藤忠商事グループのネットワークの中から、小売といった枠組みに縛られずデジタルや新技術といった領域で強みを発揮するパートナーとも提携していくことが不可欠になってくるものと考えているとのことです。具体的には、伊藤忠商事の戦略提携先である海外パートナーを通じ、次の成長市場とそこにおける成長の鍵となるテクノロジーを見極め、各国においてそれぞれに適切なパートナーと提携することにより、海外での事業展開を対象者の新たな成長のドライバーとすることが可能となると考えているとのことです。
対象者は、対象者が置かれた厳しい競争環境の中で、対象者の中長期的な企業価値の向上を図るためには、前記の各施策を早期に実施することが必要であると考えているものの、前記の各施策の早期の実施のためには投資を先行する必要が生じるため、短期的には対象者の業績が悪化する可能性があるとのことです。もっとも、対象者が上場している間は、対象者の株主の皆様の利益を追求する必要があることから、そのような可能性のある投資を同時にかつ迅速に実行することは難しい状況にあるとのことです。
また、対象者は、前記の各施策を含めた対象者の中長期的な企業価値の向上のための施策を実施するには、今まで以上に伊藤忠商事グループの経営資源を投入してもらうとともに、伊藤忠商事グループ全体として機動的な経営施策を実行していく必要があると考えているものの、前記のとおり、伊藤忠商事より対象者が上場している間は、対象者の情報の取得や経営資源の投入に一定の制約が生じるとの説明を受けているとのことです。したがって、伊藤忠商事グループの経営資源の投入、また、全体としての機動的な経営施策の実行により、対象者の企業価値を中長期的に向上させるためには、本取引を実施することにより、対象者が非公開化されることが必要であると考えているとのことです。なお、対象者は、現時点において、全農及び農中並びに東京センチュリーとの間で、本取引後の対象者の在り方に対する協議・検討を行っていないとのことですが、伊藤忠商事より受けている説明を前提とすれば、全農及び農中による①商品供給、②地域活性及び③海外戦略における各施策の実行を受けることは、対象者の企業価値の向上につながるものと考えており、また、東京センチュリーとの間でリースしている店舗付帯設備を全体的に管理、運用を行うことができる仕組みが構築され、コスト削減が図られることは、同様に対象者の企業価値の向上につながるものと考えているとのことです。また、対象者は、本公開買付けには本公開買付け後の公開買付者及び伊藤忠商事の所有割合が60%となる買付予定数の下限が付されており、本公開買付けが成立しても非公開化が行われない可能性があるものの、伊藤忠商事が対象者の親会社となって以降に開催された2019年2月期及び2020年2月期の対象者の株主総会における議決権行使比率が、それぞれ91.85%及び93.67%であることを勘案すれば、所有割合が60%であっても実質的に出席株主の3分の2に近い議決権を保有しており、また、本公開買付けに応募しなかった株主が賛成の議決権行使をすることもあり得る(例えば、伊藤忠商事は、東証上場ETFや東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンドは公開買付けに応募せずとも株式併合に係る株主総会議案には賛成する可能性があると見込んでいる。)ことを勘案すると、株式併合が可決されず、非公開化が行われない可能性は高くないと考えているとのことです。なお、上記株式併合が可決されず、非公開化が行われない場合であっても、引き続き親会社である伊藤忠商事との間で対象者の企業価値の向上に向けた施策を、両社が独立した上場会社として実行可能な範囲で講じていく所存であるとのことです。
前記のとおり、対象者は、本取引により対象者が非公開化されることによって、対象者の企業価値が中長期的には向上すると考えているとのことですが、他方、本公開買付価格である1株当たり2,300円は、(ⅰ)メリルリンチ日本証券から取得した本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の算定結果のレンジに入っており、また、(ⅱ)本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2020年7月7日の東証一部における対象者株式の終値1,766円に対して30.24%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じとします。)、2020年7月7日から直近1ヶ月間(2020年6月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値1,908円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)に対し20.55%、同直近3ヶ月間(2020年4月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値1,878円に対し22.47%、同直近6ヶ月間(2020年1月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値2,068円に対し11.22%のプレミアムが加算されたものであり、対象者の一般株主に対し投資回収機会を提供する観点では対象者株式の現在の市場価格に対して一定のプレミアムが付されていると考えられることから合理性を欠く水準にあるとはいえないものの、(ⅲ)2010年以降に発表された非公開化を目的とした買付規模が500億円以上の他の公開買付けの事例におけるプレミアムの水準(平均値は、公表日の前営業日比36.9%、直近1ヶ月間の終値単純平均比39.2%、直近3ヶ月間の終値単純平均比39.0%、直近6ヶ月間の終値単純平均比36.8%)と比較し十分なプレミアムが付されているとは認められず、特別委員会の第三者評価機関であるPwCから取得した本株式価値算定書(PwC)に基づくPwCによる対象者株式の価値算定結果のうち、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー方式(以下「DCF方式」といいます。)による算定結果のレンジの下限である2,472円を上回っていないため、対象者の一般株主の皆様に本公開買付けへの応募を積極的に推奨することができる水準には達していないとの結論に達し、本公開買付けに応募することを推奨することの是非については中立の立場をとった上で、最終的に株主の皆様の判断に委ねるのが相当であると判断したとのことです。
以上より、対象者は、本取引が対象者の企業価値の向上に資するものであると判断し、2020年7月8日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、本公開買付けに応募するか否かについては、株主の皆様のご判断に委ねる旨を決議を行ったとのことです。
当該取締役会の意思決定過程の詳細については、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑦ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
② 本公開買付け後の経営方針
伊藤忠商事は従前より伊藤忠商事の強みである非資源分野、特に生活消費分野の強化に取り組んで参りました。2020年度経営計画においても、「強みのある分野でのタイミングを捉えた戦略的投資と着実な資産入替の実行」を掲げ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、経済及び経営環境が激変し先が見通しづらい状況下においても、将来の成長戦略に資する分野及び事業には競合他社に先駆けて、迅速に施策を実行していく所存です。
伊藤忠商事グループにおいて、対象者の事業はその中でも中核をなす事業であり、本公開買付け後においてその重要性は高まりますが、伊藤忠商事は、基本的に対象者の現状の経営体制を尊重する方針です。本書提出日現在、対象者の取締役12名のうち伊藤忠商事出身の取締役が4名おりますが、伊藤忠商事は、伊藤忠商事のグループ経営に関する管理規程に則り、対象者の経営執行の自主性を尊重しつつ、伊藤忠商事グループとして、対象者の事業を支援して参ります。なお、非公開化後の具体的な体制は決まっていないものの、現状の経営体制を尊重する前提で協議を行い、決定する方針です。また、現時点では、戦略パートナーである全農及び農中並びに東京センチュリーから対象者に役員を派遣する予定はありません。
具体的な方法は現在検討中ですが、伊藤忠商事及び公開買付者並びに対象者は、以下の事項について合意しております。
ⅰ 地域に根差した店舗づくりとサプライチェーン最適化による収益力強化
ⅱ デジタルトランスフォーメーションの推進による新たな収益の具現化
ⅲ 海外戦略の再構築による新たな市場開拓
また、伊藤忠商事は、全農及び農中との間で、非公開化後の対象者における経営方針について協議しており、伊藤忠商事グループ、全農及び農中並びに対象者の協力により、①商品供給、②地域活性及び③海外戦略の面において対象者とのシナジー創出が可能と考えております。伊藤忠商事並びに全農及び農中は、現時点において、①全農及び農中が持つ国内の生産基盤を活かした対象者店舗での産直農産品の販売及び中食原材料の供給、②金融等のJAサービス業務と対象者の店舗サービスを組み合わせた相互送客、並びに③対象者の海外店舗網を活用した全農及び農中の国産農畜産物の輸出促進等をシナジー創出のための施策として想定しており、これらの取り組みは、対象者とフランチャイズ契約を結んでいる加盟店に対する政策発表会や対象者のホームページ等において「地域異常密着」を掲げる対象者と方向性が一致しているものと考えております。なお、後記「(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本基本契約」に記載のとおり、本取引後、伊藤忠商事、全農及び農中並びに対象者で具体的な内容に関して協議の上、伊藤忠商事、全農及び農中並びに対象者との間でシナジー創出のための施策に関する契約(以下「本業務提携契約」といいます。)を締結する意向を伊藤忠商事並びに全農及び農中は有しております。
さらに、伊藤忠商事は、東京センチュリーとの間で、非公開化後の対象者における経営方針について協議しており、東京センチュリーと対象者との間の既存の取引関係の効率化や、東京センチュリーの多岐にわたる事業領域と金融の枠を超えたクリエイティブな発想を持つ多様なサービスの活用により対象者がリースしている店舗付帯設備を全体的に管理、運用を行うことができる仕組みを構築し、店舗ごとの設備の最適配分を図りコスト削減につなげる等対象者のビジネスモデルの転換を推進し、対象者とのシナジー創出が可能と考えております。
なお、全農及び農中並びに東京センチュリーはいずれも、対象者の非公開化後において、対象者の経営そのものには直接関与しない旨表明しており、対象者の株主として契約上の拒否権も有しません。
公開買付者は、本公開買付けの成立後に、後記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の一連の手続を実施することにより、対象者の株主を伊藤忠商事及び公開買付者のみとすることを予定しておりますが、かかる手続の完了後、全農及び農中と対象者、東京センチュリーと対象者の関係性を強化すべく、以下の各取引を実行する予定です。以下の各取引のいずれもが実行された場合、伊藤忠商事及び公開買付者、全農及び農中並びに東京センチュリーがそれぞれ所有する対象者株式の割合は、約94.70%、4.90%、約0.40%となる予定です。
Ⅰ.全農・農中株式譲渡
本基本契約に従い、対象者の非公開化後、公開買付者から、全農及び農中に対し、合計で、当該時点における対象者株式の総数の4.90%に相当する数の対象者株式を約570億円で譲渡する予定です(全農・農中株式譲渡)。当該譲渡の対価は、本書提出日現在の対象者株式1株当たりに換算すると、対象者株式24,799,296株(所有割合:4.90%)に本公開買付価格を乗じた額となり、また、全農及び農中は、当該対価以外に、本取引のために必要な実費のうち全農及び農中にて負担する金額として伊藤忠商事並びに全農及び農中との間で別途合意する金額を負担いたします。
また、本基本契約において、全農及び農中が譲り受ける対象者株式の内訳は、全農及び農中が決定し(なお、全農及び農中のいずれかが譲り受ける対象者株式数がゼロとならないように決定されます。)、伊藤忠商事に対して通知することとされております。全農は、2020年7月29日、総代会を開催し、本基本契約に基づき全農が公開買付者から譲り受ける対象者株式に係る譲渡対価の額を100億円とする旨の決議を行い、全農及び農中は、2020年7月29日、本基本契約に基づき、全農及び農中が譲り受ける対象者株式の内訳を、全農が0.86%(譲受け時点における対象者株式の総数に対する割合)、農中が4.04%(譲受け時点における対象者株式の総数に対する割合)とする旨を伊藤忠商事に対して通知いたしました。その結果、全農及び農中は、本基本契約に基づき、対象者の非公開化後、公開買付者から、それぞれ、全農が、当該時点における対象者株式の総数の0.86%に相当する数の対象者株式(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、4,347,826株(所有割合:0.86%))を、農中が、当該時点における対象者株式の総数の4.04%に相当する数の対象者株式(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、20,451,470株(所有割合:4.04%))を譲り受ける予定です。なお、全農及び農中が当該譲受けに関して支払う対価の額は、それぞれ9,999,999,800円及び47,038,381,000円であり(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、1株当たり2,300円)、また、全農及び農中は、当該対価以外に、本取引のために必要な実費のうち全農及び農中にて負担する金額として伊藤忠商事並びに全農及び農中の間で別途合意する金額を負担いたします。
なお、本基本契約の詳細は後記「(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本基本契約」を、全農及び農中に関する、(ⅰ)各者の状況(継続開示会社たる各者に関する事項)、(ⅱ)公開買付者との関係、(ⅲ)譲受けの目的、及び(ⅳ)本書提出日現在において所有する対象者株式の数については、後記「(7)その他」を、それぞれご参照ください。
Ⅱ.東京センチュリー直接所有化取引
伊藤忠商事及び東京センチュリー間で締結している2020年3月31日付社員間契約書(以下「本社員間契約」といいます。)に従い、対象者の非公開化後、伊藤忠商事及び東京センチュリーは、東京センチュリーが、当該時点において所有する公開買付者の持分に代えて、当該時点における対象者株式の総数の約0.40%に相当する数の対象者株式を取得するための取引を実行する予定です(東京センチュリー直接所有化取引)。当該取得のために東京センチュリーが支出する金額は、本書提出日現在の対象者株式1株当たりに換算すると、(ⅰ)本公開買付価格に、(ⅱ)(a)「8 買付け等に要する資金」の「(1)買付け等に要する資金等」の「買付手数料」に記載の額とその他の本取引のために必要な費用として伊藤忠商事と東京センチュリーとの間で別途合意する額を本公開買付けにおける買付予定数(252,557,288株)で除した額に、(b)東京センチュリー直接所有化取引によって、東京センチュリーが取得することとなる対象者株式数の対象者株式総数に対する割合である約0.40%を乗じた額を加えた合計額となります。
なお、本社員間契約の詳細は後記「(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本社員間契約」を、東京センチュリーに関する、(ⅰ)各者の状況(継続開示会社たる各者に関する事項)、(ⅱ)公開買付者との関係、(ⅲ)譲受けの目的、及び(ⅳ)本書提出日現在において所有する対象者株式の数については、後記「(7)その他」を、それぞれご参照ください。
(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
① 本基本契約
伊藤忠商事は、全農及び農中との間で、本取引及び全農・農中株式譲渡に関し、本基本契約を締結しております。
本基本契約において、伊藤忠商事並びに全農及び農中は、(1)農中が公開買付者に対し、本農中融資契約に従い、融資を実行すること(以下「本農中融資」といいます。)(2)本取引後、伊藤忠商事、全農及び農中並びに対象者で具体的な内容に関して協議の上、伊藤忠商事、全農及び農中並びに対象者間で本業務提携契約を締結すること、(3)①伊藤忠商事並びに全農及び農中と対象者との間で本業務提携契約が締結されていること、②本農中融資が完済されることが合理的に見込まれていること等を条件として、全農・農中株式譲渡を実行すること、及び(4)全農及び農中は、伊藤忠商事の承認を得ない限り、第三者に対して、その所有する対象者株式の譲渡その他一切の処分を行うことができないことについて合意しております。
② 本社員間契約
伊藤忠商事は、東京センチュリーとの間で、本社員間契約を締結し、本取引及び東京センチュリー直接所有化取引を実施すること、東京センチュリー直接所有化取引の完了までの間、公開買付者が同取引に不必要な利益配当を行わないことを合意しております。
なお、本社員間契約において、伊藤忠商事及び東京センチュリーは、東京センチュリーが所有する対象者株式について、本公開買付けへの応募又は不応募について合意しておりませんが、公開買付者は、東京センチュリーから、東京センチュリーが所有する対象者株式について、本公開買付けへ応募する旨の表明を受けております。
③ 本出資払戻契約
伊藤忠商事は、IRIとの間で、2020年7月8日、本出資払戻契約を締結し、当該契約に基づき、出資の払戻しの時点(2020年7月21日)における伊藤忠商事の出資の価額120,001百万円を119,970百万円減少させることにより31百万円に減少させ、IRIから伊藤忠商事に対して、対象者株式43,521,600株を交付することを合意しております。当該契約に基づき、2020年7月21日、IRIは伊藤忠商事に対して、対象者株式43,521,600株を交付いたしましたが、IRIから当該交付を受けることに対して、伊藤忠商事はIRIに対していかなる対価も支払っておりません。なお、合同会社が出資の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額は、会社法上、剰余金額又は出資の価額の減少額のいずれか少ない額を超えてはならないものとされているため、IRIは対象者株式43,521,600株の伊藤忠商事への交付に際して、当該株式の帳簿価額以上の金額に相当する額について伊藤忠商事の出資の価額を減少させる必要があることを踏まえ、IRIは出資の払戻しの時点(2020年7月21日)における伊藤忠商事の出資の価額120,001百万円を119,970百万円減少させることにより、31百万円に減少させました。かかる伊藤忠商事の出資の価額の減少額(119,970百万円)は、上記の会社法上の規制を踏まえて、IRIが所有する対象者株式43,521,600株の同社における2020年7月8日現在の帳簿価額と同額としているものであり、本書提出日現在における対象者株式の価値を勘案して決定された額ではなく、本公開買付価格とは無関係です。なお、この出資の価額の減少額をIRIから伊藤忠商事に対して交付された対象者株式43,521,600株で除した金額は、2,756.56円(小数点以下第三位を四捨五入。)ですが、そもそも出資の価額は、伊藤忠商事がIRIに過去に払い込んだ金銭等の額を意味する数値に過ぎず、当該数値を減少させることは、伊藤忠商事がIRIに対して何らかの財産的価値を交付したことを意味せず、伊藤忠商事がIRIに対する何らかの財産的価値を放棄したことも意味しません。IRIの社員は伊藤忠商事のみであるため、上記の出資の価額の減少によって、伊藤忠商事のIRIに対する持分割合が減少することもありません。このように、出資の価額の減少額は、対象者株式43,521,600株の交付を受けることの対価として伊藤忠商事がIRIに対して交付する財産的価値を意味するものではなく、上記の会社法上の規制を遵守するために決定される数値に過ぎないため、出資の価額の減少額をIRIから伊藤忠商事に対して交付された対象者株式43,521,600株で除した金額が本公開買付価格と合致しないことは、公開買付価格の均一性の趣旨(法第27条の2第3項)に反するものではありません。
(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
対象者は、公開買付者の親会社である伊藤忠商事の連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置として、以下の措置を実施しております。
なお、以下の記載のうち、対象者において実施した措置については、対象者から受けた説明に基づくものです。
① 伊藤忠商事における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得
② 対象者における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得
③ 対象者における独立した特別委員会の設置
④ 対象者における独立した法務アドバイザーからの助言の取得
⑤ 特別委員会における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得
⑥ 対象者における独立した検討体制の構築
⑦ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
⑧ 対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
以上の詳細については、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、前記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにおいて伊藤忠商事及び公開買付者らが、対象者株式の全てを取得できなかった場合には、本公開買付け成立後、以下の方法により、対象者株式の全ての取得を目的とした手続を実施することを予定しております。
対象者は、本公開買付けの本公開買付価格及び買付予定数の下限の下では、対象者として株主の皆様にスクイーズ・アウトの条件やその理由を合理的に説明することができないため、対象者以外の者の請求又は要請なく、株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを会社提案議案として付議する臨時株主総会を招集することその他スクイーズ・アウトに必要な手続を行わないこととしているとのことです。本公開買付けの成立後、公開買付者は、会社法第180条に基づき対象者株式の株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会を招集することを、会社法第297条第1項に基づき、本公開買付けの決済の完了後速やかに対象者の取締役に請求する予定です。また、公開買付者は、かかる請求の後遅滞なく招集の手続が行われると見込まれない場合には、会社法第297条第4項第1号に基づき、株主総会の招集の許可を得るため裁判所に対して申立てを行う予定です。さらに、公開買付者は、対象者の企業価値の向上の観点から、本臨時株主総会を可能な限り早期に開催することが望ましいと考えており、本公開買付けの決済の開始日後の近接する日が本臨時株主総会の基準日となるように、基準日設定公告を行うことを要請する予定です。公開買付者は、本公開買付け後に伊藤忠商事及び公開買付者が所有する対象者の議決権が対象者の総議決権の3分の2を下回る場合であっても、これらの請求及び要請を行うことを予定しております。これに対し、対象者は、本公開買付けの公開買付価格及び買付予定数の下限の下では、対象者として株主の皆様にスクイーズ・アウトの条件やその理由を合理的に説明することができないため対象者主導でのスクイーズ・アウト手続の実行は行わないこととしているとのことです。一方で、対象者は本取引の実施が対象者の企業価値の向上に資するものと考えていること、本臨時株主総会の招集を裁判所の決定に委ねる場合には時間と費用を要するためかえって対象者の一般株主の利益に反するおそれがあることから、本公開買付けが成立し、本公開買付け後に公開買付者より前記請求及び要請を受けた場合、本公開買付けの成立後速やかに株主に判断機会を提供するという観点から、公開買付者からの本臨時株主総会の招集請求及び株式併合議案の株主提案に応じて本臨時株主総会の招集の手続を実施することを予定しているとのことです。なお、伊藤忠商事及び公開買付者は、本臨時株主総会において前記各議案に賛成する予定です。
本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、対象者の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の対象者株式を所有することとなります。株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、対象者の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じとします。)に相当する対象者株式を対象者又は伊藤忠商事若しくは公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。公開買付者は、当該端数の合計数に相当する対象者株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう設定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを対象者に要請する予定です。また、対象者株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、伊藤忠商事及び公開買付者の全部又は一部のみが対象者株式の全て(対象者が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(伊藤忠商事及び公開買付者並びに対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となるように決定される予定です。
株式併合がなされた場合であって、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、対象者の株主は、対象者に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められております。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における対象者の一般株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。
前記の手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況等によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、伊藤忠商事及び公開買付者は、本公開買付け後、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(伊藤忠商事及び公開買付者並びに対象者を除きます。)に対して、最終的に金銭を交付する方法が採用されるよう対応する予定であり、その場合に当該対象者の株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該対象者の株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定するよう対応する予定です。もっとも、株式併合についての株式買取請求に関する価格の決定の申立てがなされた場合において、株式買取請求に関する価格は、最終的に裁判所が判断することになります。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、対象者と協議の上、公開買付者によって決定次第、公開買付者若しくは伊藤忠商事又は対象者が速やかに公表する予定です。なお、本公開買付けへの応募又は前記の各手続における税務上の取扱いについては、対象者の一般株主の皆様が自らの責任にて税務専門家にご確認ください。
なお、本臨時株主総会において株式併合の議案が否決された場合でも、伊藤忠商事としては、再度対象者に対する公開買付けを実施する、対象者株式を引き受ける等何らかの形で引き続き対象者の非公開化の可能性を目指す意向はございますが、対象者株式の追加取得等を進めるか否か及び進める場合の具体的な方法は、本公開買付けにおける応募状況やその後の市場株価の動向、本臨時株主総会における株式併合の議案への賛否の程度、改めて対象者の賛同を得ることができるか等を勘案の上、検討していくこととなるものと考えており、現時点においては、伊藤忠商事及び公開買付者が対象者株式を追加で取得する具体的な予定はありません。
(6)上場廃止となる見込み及びその事由
対象者株式は、本書提出日現在、東証一部に上場されていますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付けを行う株券等の数に上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従って、対象者株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、前記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の手続を実行することとなった場合には、上場廃止基準に該当し、対象者株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、対象者株式を東京証券取引所において取引することができなくなります。
(7)その他
前記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 本公開買付け後の経営方針」の「Ⅰ.全農・農中株式譲渡」及び「Ⅱ.東京センチュリー直接所有化取引」に記載のとおり、公開買付者は、対象者の非公開化後、全農及び農中に対し、対象者株式の譲渡を行い、また、東京センチュリーが対象者株式を所有することとなる取引を行うことを予定しておりますが、全農及び農中並びに東京センチュリーに関する、(ⅰ)各者の状況(継続開示会社たる各者に関する事項)、(ⅱ)公開買付者との関係、(ⅲ)譲受けの目的、及び(ⅳ)本書提出日現在において所有する対象者株式の数については以下のとおりです。
① 農中
(ⅰ)農中の状況
(a)団体の沿革
(b)団体の目的及び事業の内容
団体の目的
農中は、農業協同組合、森林組合、漁業協同組合その他の農林水産業者の協同組織を基盤とする金融機関として農林中央金庫法(平成13年法律第93号)その他の法律に定める業務を行い、これらの協同組織のために金融の円滑を図ることにより、農林水産業の発展に寄与し、もって国民経済の発展に資することを目的とする。
事業内容
1 農中は、次に掲げる業務を営むものとする。
(1)会員の預金の受入れ
(2)会員に対する資金の貸付け又は手形の割引
(3)為替取引
2 農中は、前項各号に掲げる業務のほか、次に掲げる業務を営むことができる。
(1)会員以外の者に預金又は定期預金の受入れ
(2)会員以外の次に掲げる者に対する資金の貸付け又は手形の割引
イ 定款第6条に規定する者
ロ 農林水産業を営む者であって農林中央金庫法第54条第3項2号の規定に基づき主務省令で定められたもの
ハ 国
ニ 銀行その他の金融機関
ホ 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第28条第8項に規定する有価証券関連業を営む者(同法第2条第12項に規定する金融商品仲介業者のうち主務省令で定めるものに該当する者を除く)
(3)主務大臣の認可を受けて行う会員以外の者(前号に掲げる者を除く)に対する資金の貸付け又は手形の割引
3 農中は、前2項の規定により行う業務のほか、当該業務に付随する債務の補償又は手形の引受けその他の業務を営むことができる。
4 農中は、第1項各号に掲げる業務の遂行を妨げない限度において、次に掲げる業務を営むことができる。
(1)金融商品取引法第33条第2項各号に掲げる有価証券又は取引について、同項各号に定める行為を行う業務(前項により行う業務を除く)
(2)金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和18年法律第43号)第1条第1項に規定する信託業務
(3)信託法(平成18年法律第108号)第3条第3号に規定する信託にかかる事務
(4)算定割当量(地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号)第2条第6項に規定する算定割当量その他これに類似するものをいう)を取得し、若しくは譲渡することを内容とする契約の締結又はその媒介、取次ぎ若しくは代理を行う業務(第3項により営む業務を除く)であって、主務省令で定めるもの
5 農中は、第1項から第4項までの業務のほか、農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律(平成8年法律第118号)その他の法律の規定により農中が行うことが認められた業務を営むことができる。
6 農中は、第1項から第5項までの業務およびこれらに付帯する業務のほか、他の業務を営むことができない。
(c)団体の出資若しくは寄付又はこれらに類するものの額
資本金 4兆151億9,883万円
(d)役員の役名、職名、氏名(生年月日)及び職歴
(ⅱ)公開買付者との関係
(ⅲ)譲受けの目的
前記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、対象者と農中との間の資本関係を構築することで、対象者の事業を発展させることを目的としております。
(ⅳ)本書提出日現在において所有する対象者株式の数
農中は、本書提出日現在において、対象者株式を所有しておりません。
② 全農
(ⅰ)全農の状況
(a)団体の沿革
(b)団体の目的及び事業の内容
全農は「会員が協同して事業の振興をはかり、その構成員である組合員の農業の生産効率をあげ、経済状態を改善し、社会的地位の向上に寄与すること」を目的として、主に以下の事業を行っています。
・生産資材・生活用品の供給と共同利用施設の設置
・農畜産物の運搬・加工・貯蔵又は販売
・農業技術・農業経営向上のための教育
・連合農業倉庫の経営
・家畜市場の設置
・畜産生産基盤並びに畜産ブランド維持のため農業経営
・運送事業
・建築設計及び工事監理
・海外の農協組織と提携した農業の開発協力
(c)団体の出資若しくは寄付又はこれらに類するものの額
全農は、762の正会員と161の准会員からの出資を受けており、2020年3月31日現在の出資総額は115,255,100,000円となっております。
(d)役員の役名、職名、氏名(生年月日)及び職歴
(ⅱ)公開買付者との関係
(ⅲ)譲受けの目的
前記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、対象者と全農との間の資本関係を構築することで、対象者の事業を発展させることを目的としております。
(ⅳ)本書提出日現在において所有する対象者株式の数
全農は、本書提出日現在において、対象者株式を所有しておりません。
③ 東京センチュリー
(ⅰ)継続開示会社たる東京センチュリーに関する事項
(a)東京センチュリーが提出した書類
イ 有価証券報告書及びその添付書類
第51期(自2019年4月1日 至2020年3月31日)有価証券報告書を2020年6月22日関東財務局長に提出
ロ 四半期報告書又は半期報告書
第52期(自2020年4月1日 至2021年3月31日)第1四半期報告書を2020年8月5日関東財務局長に提出予定
ハ 訂正報告書
該当事項はありません。
(b)前記書類を縦覧に供している場所
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
東京センチュリー株式会社本店
(東京都千代田区神田練塀町3番地)
東京センチュリー株式会社大宮支店
(埼玉県さいたま市大宮区錦町682番地2)
東京センチュリー株式会社横浜支店
(神奈川県横浜市西区北幸二丁目8番4号)
東京センチュリー株式会社名古屋営業部
(愛知県名古屋市中区栄二丁目1番1号)
東京センチュリー株式会社大阪営業部
(大阪府大阪市中央区本町三丁目5番7号)
東京センチュリー株式会社神戸支店
(兵庫県神戸市中央区三宮町二丁目5番1号)
(ⅱ)公開買付者との関係
(ⅲ)譲受けの目的
前記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、対象者と東京センチュリーとの間の資本関係を構築することで、対象者の事業を発展させることを目的としております。
(ⅳ)本書提出日現在において所有する対象者株式の数
東京センチュリーは、本書提出日現在、対象者株式を22,792株所有しております。
公開買付者は、本公開買付けを通じて対象者の株券等を取得及び所有することを主な目的として、2020年3月18日に設立された、伊藤忠商事株式会社(以下「伊藤忠商事」といいます。)及び東京センチュリー株式会社(以下「東京センチュリー」といいます。)がそれぞれ99%、1%を出資する合同会社です。本書提出日現在、公開買付者は株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第一部(以下「東証一部」といいます。)に上場している対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)を所有しておりませんが、公開買付者の親会社である伊藤忠商事は、本書提出日現在、対象者株式210,029,184株(所有割合(注1):41.50%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の計算において同じとします。)を、また、伊藤忠商事の完全子会社である伊藤忠リテールインベストメント合同会社(以下「IRI」といい、伊藤忠商事と合わせて「伊藤忠商事ら」といいます。)は、本書提出日現在、対象者株式43,521,600株(所有割合:8.60%)を所有しており、伊藤忠商事らは対象者株式を合計で253,550,784株(所有割合:50.10%)所有しておりました。伊藤忠商事は、2020年7月21日、IRIから対象者株式43,521,600株の交付を受け、2020年7月21日現在、対象者株式253,550,784株(所有割合:50.10%)を所有しており、伊藤忠商事は対象者を連結子会社としております。なお、IRIは、2020年7月21日現在、対象者株式を所有しておりません。また、東京センチュリーは、本書提出日現在、対象者株式を22,792株(所有割合:0.00%)所有しております。
(注1) 「所有割合」とは、対象者が2020年5月29日に提出した第39期有価証券報告書(以下「対象者有価証券報告書」といいます。)に記載された2020年2月29日現在の発行済株式総数(506,849,252株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(741,180株)を控除した株式数(506,108,072株)に対する割合をいいます。
公開買付者は、対象者株式(伊藤忠商事らが所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得するため、本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を対象者株式1株当たり2,300円として、本公開買付けを実施することを決定いたしました。本公開買付けは、以下に記載のとおり、対象者の株主を伊藤忠商事及び公開買付者の全部又は一部のみとする非公開化を目的とする一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として実施されます。なお、IRIは、IRIと伊藤忠商事との間の2020年7月8日付の出資の払戻し等に関する契約(以下「本出資払戻契約」といいます。)に従い、2020年7月21日、伊藤忠商事からIRIに対する出資の一部(注2)の払戻しにより、所有する対象者株式の全て(43,521,600株(所有割合:8.60%))を伊藤忠商事に交付いたしました(スキーム概要は後記「(本取引のスキーム図)」をご参照ください。)(注3)・(注4)。公開買付者が、本公開買付けにより対象者株式(伊藤忠商事らが所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、後記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の対象者の株主を伊藤忠商事及び公開買付者のみとするための一連の手続を実施することを予定しており、当該手続が実行された場合には、全国農業協同組合連合会(以下「全農」といいます。)及び農林中央金庫(以下「農中」といいます。)(注5)と対象者、東京センチュリーと対象者の関係性を強化すべく、後記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 本公開買付け後の経営方針」の「I.全農・農中株式譲渡」に記載の取引(以下「全農・農中株式譲渡」といいます。)及び「Ⅱ.東京センチュリー直接所有化取引」に記載の取引(以下「東京センチュリー直接所有化取引」といい、「全農・農中株式譲渡」と併せて、以下「本取引後対象者株式譲渡等」といいます。)を行うことが予定されており、本取引後対象者株式譲渡等が行われた後に各当事者が所有する対象者株式の割合は、伊藤忠商事及び公開買付者が合計で約94.70%、全農及び農中が合計で4.90%(注6)、東京センチュリーが約0.40%となる予定です(本取引のスキーム概要は後記「(本取引のスキーム図)」をご参照ください。)。
なお、本公開買付けに際して、公開買付者は、伊藤忠商事らより、その所有する対象者株式の全てについて本公開買付けに応募しない旨の表明を、東京センチュリーより、その所有する対象者株式の全てについて本公開買付けに応募する旨の表明を、それぞれ受けております。
(注2) 具体的には、IRIから伊藤忠商事に対して、対象者株式43,521,600株を交付いたしましたが、当該交付を受けることに対して、伊藤忠商事はIRIに対していかなる対価も支払っておりません。なお、合同会社が出資の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じとします。)上、剰余金額又は出資の価額の減少額のいずれか少ない額を超えてはならないものとされているため、IRIは対象者株式43,521,600株の伊藤忠商事への交付に際して、当該株式の帳簿価額以上の金額に相当する額について伊藤忠商事の出資の価額を減少させる必要があることを踏まえ、IRIは出資の払戻しの時点(2020年7月21日)における伊藤忠商事の出資の価額120,001百万円(百万円未満を四捨五入。以下、伊藤忠商事の出資の価額について同じとします。)を119,970百万円(百万円未満を四捨五入。以下、伊藤忠商事の出資の価額の減少額について同じとします。)減少させることにより、31百万円に減少させました。かかる伊藤忠商事の出資の価額の減少額(119,970百万円)は、上記の会社法上の規制を踏まえて、IRIが所有する対象者株式43,521,600株の同社における2020年7月8日現在の帳簿価額と同額としているものであり、本書提出日現在における対象者株式の価値を勘案して決定された額ではなく、本公開買付価格とは無関係です。なお、この出資の価額の減少額をIRIから伊藤忠商事に対して交付された対象者株式43,521,600株で除した金額は、2,756.56円(小数点以下第三位を四捨五入。)ですが、そもそも出資の価額は、伊藤忠商事がIRIに過去に払い込んだ金銭等の額を意味する数値に過ぎず、当該数値を減少させることは、伊藤忠商事がIRIに対して何らかの財産的価値を交付したことを意味せず、伊藤忠商事がIRIに対する何らかの財産的価値を放棄したことも意味しません。IRIの社員は伊藤忠商事のみであるため、上記の出資の価額の減少によって、伊藤忠商事のIRIに対する持分割合が減少することもありません。このように、出資の価額の減少額は、対象者株式43,521,600株の交付を受けることの対価として伊藤忠商事がIRIに対して交付する財産的価値を意味するものではなく、上記の会社法上の規制を遵守するために決定される数値に過ぎないため、出資の価額の減少額をIRIから伊藤忠商事に対して交付された対象者株式43,521,600株で除した金額が本公開買付価格と合致しないことは、公開買付価格の均一性(法第27条の2第3項)の趣旨に反するものではありません。詳細は、後記「(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本出資払戻契約」及び後記「第3公開買付者及びその特別関係者による株券等の所有状況及び取引状況」の「4届出書の提出日以後に株券等の買付け等を行う旨の契約」をご参照ください。
(注3) 公開買付者が本公開買付けにより伊藤忠商事らが所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式以外の対象者株式の全てを取得できなかった場合、本公開買付けの成立後に、後記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、対象者の株主を伊藤忠商事及び公開買付者のみとするための一連の手続を実施することを予定しておりますが、当該手続の時点でIRIが対象者株式を所有している場合、当該手続において、会社法第180条に基づく株式の併合(以下「株式併合」といいます。)の結果、IRIが所有する対象者株式が1株未満となってしまい、売却を強制される可能性があり、その場合には、会計・税務上の影響が伊藤忠商事又はIRIに生じる可能性があります(帳簿価額より高い価格の場合には、IRIに会計・税務上の益が生じる可能性があり、伊藤忠商事における対象者株式の会計上・税務上の簿価は高くなる可能性があります。帳簿価額より低い価格の場合にはIRIに会計・税務上の損が生じる可能性があり、伊藤忠商事における対象者株式の会計上・税務上の簿価が低くなる可能性があります)。しかし、以下に述べるとおり、本取引及び本取引後対象者株式譲渡等の実行の前後を通じて、伊藤忠商事及び伊藤忠商事がその持分の全てを所有するIRIが合計で253,550,784株(所有割合:50.10%)を所有するという実態には変更がないにもかかわらず、会計・税務上の影響が伊藤忠商事又はIRIに生じるという事態は避ける必要があることから、IRIから伊藤忠商事に対する対象者株式43,521,600株の交付を行いました。本取引及び本取引後対象者株式譲渡等の実行の前後を通じて、伊藤忠商事及び伊藤忠商事がその持分の全てを所有するIRIが合計で253,550,784株(所有割合:50.10%)を所有するという実態に変更がないことを、具体的に説明すると以下のとおりです。すなわち、(ⅰ)本書提出日現在、伊藤忠商事らが所有する対象者株式(253,550,784株)に係る所有割合は50.10%であるところ、(ⅱ)(a)本取引及び本取引後対象者株式譲渡等の実施後における伊藤忠商事及び公開買付者(本取引後対象者株式譲渡等の実行後においては、伊藤忠商事が公開買付者の持分の全てを所有)が所有することとなる対象者株式の割合(約94.70%)から、(b)本取引によって伊藤忠商事が追加的に直接又は間接に取得することとなる対象者株式の割合約44.60%を控除すると約50.10%となり、本取引及び本取引後対象者株式譲渡等の実行の前後を通じて、伊藤忠商事及び伊藤忠商事がその持分の全てを所有するIRIが合計で253,550,784株(所有割合:50.10%)を所有するという実態に変更はありません。なお、上記(b)における、本取引によって伊藤忠商事が追加的に直接又は間接に取得する対象者株式の割合(約44.60%)は、本公開買い付けにおける買付予定数(252,557,288株)に係る所有割合(49.90%)から、全農・農中株式譲渡により譲渡する対象者株式の割合(4.90%)及び東京センチュリー直接所有化取引において東京センチュリーが所有することとなる対象者株式の割合(約0.40%)を減じて計算しております。
(注4) 伊藤忠商事は、2019年7月21日の前日以前からIRIの全ての持分を所有しており、IRIは1年以上継続して伊藤忠商事の形式的特別関係者であるため(法第27条の2第7項第1号及び府令第3条第1項)、法第27条の2第1項但書き及び府令第3条第1項に基づき、伊藤忠商事は、公開買付けによらずに、IRIから、2020年7月21日、対象者株式43,521,600株の交付を受けることができます。また、伊藤忠商事は、2020年7月8日、IRIとの間で本出資払戻契約を締結し、公開買付けによらないで、伊藤忠商事が、IRIから、2020年7月21日、対象者株式43,521,600株の交付を受ける旨合意しておりますので、法第27条の5但書き及び同条第1号に基づき、伊藤忠商事は、法第27条の5本文の適用を受けることなく、IRIから、2020年7月21日、対象者株式43,521,600株の交付を受けることができます。詳細は、後記「(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本出資払戻契約」及び後記「第3公開買付者及びその特別関係者による株券等の所有状況及び取引状況」の「4 届出書の提出日以後に株券等の買付け等を行う旨の契約」をご参照ください。
(注5) 全農及び農中は、本書提出日現在、対象者株式を所有しておりません。
(注6) 後記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 本公開買付け後の経営方針」の「I 全農・農中株式譲渡」に記載のとおり、全農及び農中がそれぞれ譲り受ける対象者株式の内訳は、全農及び農中が決定し(なお、全農及び農中のいずれかが譲り受ける対象者株式数がゼロとならないように決定されます。)、伊藤忠商事に対して通知することとされております。全農は、2020年7月29日、総代会を開催し、伊藤忠商事並びに全農及び農中の間で締結している2020年7月8日付「基本契約書」(以下「本基本契約」といいます。)に基づき全農が公開買付者から譲り受ける対象者株式に係る譲渡対価の額を100億円とする旨の決議を行い、全農及び農中は、2020年7月29日、本基本契約に基づき、全農及び農中が譲り受ける対象者株式の内訳を、全農が0.86%(譲受け時点における対象者株式の総数に対する割合)、農中が4.04%(譲受け時点における対象者株式の総数に対する割合)とする旨を伊藤忠商事に対して通知いたしました。その結果、全農及び農中は、本基本契約に基づき、対象者の非公開化後、公開買付者から、それぞれ、全農が、当該時点における対象者株式の総数の0.86%に相当する数の対象者株式(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、4,347,826株(所有割合:0.86%))を、農中が、当該時点における対象者株式の総数の4.04%に相当する数の対象者株式(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、20,451,470株(所有割合:4.04%))を譲り受ける予定です。なお、全農及び農中が当該譲受けに関して支払う対価の額は、それぞれ9,999,999,800円及び47,038,381,000円であり(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、1株当たり2,300円)、また、全農及び農中は、当該対価以外に、本取引のために必要な実費のうち全農及び農中にて負担する金額として伊藤忠商事並びに全農及び農中の間で別途合意する金額を負担いたします。
公開買付者は、前記のとおり、対象者の非公開化を目的として本公開買付けを実施いたしますが、それぞれ以下の理由により、本公開買付けにおいて、買付予定数の上限を設定せず、また、買付予定数の下限を50,114,060株(所有割合:9.90%)と設定しております。そのため、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わず、他方、応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行います。
なお、買付予定数の下限は、本公開買付けが成立した場合に伊藤忠商事及び公開買付者の所有割合が60%以上となるよう設定したものであります。
① 買付予定数の上限を設定していない理由
公開買付者は、対象者を非公開化することを目的として、対象者株式(伊藤忠商事らが所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得するために本公開買付けを実施いたしますので、本公開買付けにおいて買付予定数の上限は設定しておりません。
② 買付予定数の下限を50,114,060株と設定している理由
公開買付者は、前記のとおり、対象者を非公開化することを目的として本公開買付けを実施いたします。もっとも、公開買付者は以下に述べる理由により、対象者の非公開化という本公開買付けの目的を達成する可能性を最大化しつつ、対象者の一般株主の応募判断の結果を一定程度尊重するため、本公開買付けが成立した場合に伊藤忠商事及び公開買付者の所有割合が60%以上となるように、買付予定数の下限を設定することといたしました。
公開買付者は、2019年6月に経済産業省により策定された「公正なM&Aの在り方に関する指針」において「特に近年の我が国の資本市場の動向としてパッシブ・インデックス運用ファンド(注7)の規模が拡大しているところ、その中には、取引条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わない投資家も存在する」と指摘されているとおり、対象者株式を所有するETF(上場投資信託)やその他のパッシブ・インデックス運用ファンドの中には公開買付けの条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わない方針の者が存在しているものと考えております。そして、公開買付者は、株価指数等の指数(インデックス)との連動を目指して運用されるETFのうち東京証券取引所に上場しているETF(以下「東証上場ETF」といいます。)が対象者株式の約20.19%(注8)を所有していることを確認しており、東証上場ETFについては、その性質上、インデックスへの連動性を重視していることから、取引条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わないことを基本方針としているものと推測しております。また、東証上場ETF以外にも対象者株式を所有するパッシブ・インデックス運用ファンド(以下「東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンド」といいます。)も存在しております。東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンドが所有する直近の対象者株式の合計数は公開情報からは把握することができません。そこで、公開買付者は、公開買付者の親会社である伊藤忠商事のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)に対し、東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンドが所有する対象者株式数がどの程度と見込まれるかを、公表情報及び金融市場等の各種データ提供サービスを行う情報ベンダーによるデータベース情報を踏まえて推計することを依頼したところ、正確な把握は不可能であり、また厳密な推計は困難であるものの、対象者株式の約10%程度を東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンドが所有している可能性があるとの試算が示されました。そして、公開買付者においては、東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンドも、パッシブ・インデックス運用ファンドである以上、基本的にはインデックスへの連動性を重視して運用されるものと推測しており、したがって、取引条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わない方針をとるものが多いものと推測しております。
以上を踏まえ、公開買付者としては、取引条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わないおそれのある投資家が対象者株式の約30%程度を所有しているおそれがあると分析しております。そのため、公開買付者は、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であるか否かの判断に従って本公開買付けに応募するか否かを決定する対象者の株主(伊藤忠商事ら及び公開買付者を含みません。)が所有する対象者株式は、100%から伊藤忠商事らの所有割合50.10%を減じた約50%から、前記約30%を減じた約20%程度に留まると考えており、そのような中で、伊藤忠商事ら及び公開買付者の所有割合が3分の2となるような下限を設定すると、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であると判断する対象者の株主(伊藤忠商事ら及び公開買付者を含みます。)の所有割合が3分の2を超える場合であっても、結果として本取引が成立せずに対象者の株主の皆様に合理的な売却機会を提供することとなる本取引が阻害されてしまう可能性が十分にあると判断しております。
他方、公開買付者は、前記の分析をもとに、公開買付者が、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であるか否かの判断に従って本公開買付けに応募するか否かを決定する対象者の株主が所有していると推測している約20%の対象者株式のうちの半数程度の応募があった場合にのみ、本公開買付けが成立するような買付予定数の下限を設定することで、対象者の一般株主の応募判断の結果を一定程度尊重することが望ましいと考えるに至りました。
以上のような考えの下、公開買付者は、対象者の非公開化という本公開買付けの目的を達成する可能性を最大化しつつ、対象者の一般株主の応募判断の結果を一定程度尊重すべく、本公開買付けにおいて買付予定数の下限を50,114,060株と設定することといたしました。なお、50,114,060株の応募があった場合、本公開買付け後における伊藤忠商事及び公開買付者が所有する対象者株式数は合計303,664,844株(所有割合:60.00%)となります。
(注7) パッシブ・インデックス運用ファンドとは、株式をはじめとする投資対象資産の市場のベンチマークとなる株価指数等の指数(インデックス)と投資成果が連動することを目的として運用することにより、市場平均並みの収益率を確保することを目指すファンドを意味します。
(注8) 対象者有価証券報告書に記載された2020年2月29日現在の発行済株式総数(506,849,252株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(741,180株)を控除した株式数(506,108,072株)に対する、2020年7月6日現在における東証上場ETFが所有する対象者株式数(102,183千株(千株未満を四捨五入。))の割合に基づいております。
また、対象者が2020年7月8日に公表した「親会社である伊藤忠商事株式会社の子会社であるリテールインベストメントカンパニー合同会社による当社株券等に対する公開買付けに係る意見表明に関するお知らせ」(以下「対象者開示」といいます。)によれば、対象者は本取引及び本取引後対象者株式譲渡等が対象者の企業価値の向上に資するものであると判断し、同日開催の対象者取締役会において、本公開買付けについて賛同する旨の意見を表明するとともに、2,300円という本公開買付価格は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2020年7月7日の東証一部における対象者株式の終値1,766円に対して30.24%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じとします。)、2020年7月7日から直近1ヶ月間(2020年6月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値1,908円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)に対し20.55%、同直近3ヶ月間(2020年4月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値1,878円に対して22.47%、同直近6ヶ月間(2020年1月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値2,068円に対し11.22%のプレミアムが付されており、対象者の一般株主に対し投資回収機会を提供する観点では対象者株式の現在の市場価格に対して一定のプレミアムが付されていると考えられることから合理性を欠く水準にあるとはいえないものの、2010年以降に発表された非公開化を目的とした買付規模が500億円以上の他の公開買付けの事例におけるプレミアムの水準(平均値は、公表日の前営業日比36.9%、直近1ヶ月間の終値単純平均比39.2%、直近3ヶ月間の終値単純平均比39.0%、直近6ヶ月間の終値単純平均比36.8%)と比較し十分なプレミアムが付されているとは認められない等、対象者の一般株主の皆様に本公開買付けへの応募を積極的に推奨することができる水準には達していないとの結論に達したため、本公開買付けに応募することを推奨することの是非については中立の立場をとった上で、最終的に株主の皆様の判断に委ねる旨の決議を行ったとのことです。
伊藤忠商事及び対象者は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響について対象者との議論を重ねる中で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が過去に類例のない事象ということもあり、具体的な影響額に関する双方の見立てが異なっていたため、本公開買付けの公開買付価格について合意に至らなかったものの(詳細は、「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」をご参照ください。)、伊藤忠商事及び公開買付者としては、本公開買付価格が対象者の事業に照らして合理的な価格であり、かつ対象者の一般株主にも合理的な売却機会を提供することとなると考えております。また、伊藤忠商事及び公開買付者は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により対象者の足元の業績が落ち込む中で、一刻も早く対象者を非公開化し、伊藤忠商事グループ(伊藤忠商事並びに対象者を含むその連結子会社204社及び持分法適用関連会社85社(2020年6月30日現在)から成る企業グループ。以下同じとします。)として全体最適の観点で、制約のない経営資源の再配分を行わなければ、対象者の企業価値がますます棄損されることが懸念されると考えております。以上の理由により、伊藤忠商事及び公開買付者は、対象者の応募推奨を得られなくても、早急に対象者の非公開化の実現に向けた取引を開始することが必要だと考え、本書提出日より、本公開買付けを本公開買付価格により実施することといたしました。
対象者開示によれば、前記対象者取締役会決議は、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑦ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されているとのことです。
(本取引のスキーム図)
■ 現状
伊藤忠商事とIRIは、本書提出日現在、対象者株式をそれぞれ210,029,184株(所有割合:41.50%)、43,521,600株(所有割合:8.60%)所有。また、東京センチュリーは、本書提出日現在、対象者株式を22,792株(所有割合:0.00%)所有。なお、東京センチュリーは伊藤忠商事の持分法適用関連会社(伊藤忠商事は、2020年7月7日現在、東京センチュリーの普通株式を35,733,900株(東京センチュリーの総株主の議決権に対する割合:29.30%(小数点以下第三位四捨五入。以下総株主の議決権の数に対する割合の計算において同じとします。))所有)。
■ 公開買付者の設立及び本公開買付けの実施
伊藤忠商事及び東京センチュリーがそれぞれ99%、1%を出資して2020年3月18日付で設立した公開買付者が、対象者株式(伊藤忠商事らが所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得するため、本公開買付けを実施。
■ IRIから伊藤忠商事に対する出資の払戻し
IRIは、IRIと伊藤忠商事との間の2020年7月8日付の本出資払戻契約に従い、2020年7月21日、伊藤忠商事からIRIに対する出資の一部の払戻しによりIRIが所有する対象者株式43,521,600株(所有割合:8.60%)を伊藤忠商事に交付。
■ 本公開買付けの決済並びに対象者の株主を伊藤忠商事及び公開買付者のみとするための手続(公開買付者が本公開買付けにより伊藤忠商事らが所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式以外の対象者株式の全てを取得できなかった場合)
本公開買付けの成立後、本公開買付けの決済開始日までの間に、本公開買付けの決済資金として、公開買付者は(ⅰ)伊藤忠商事からの出資、(ⅱ)伊藤忠商事の完全子会社である伊藤忠トレジャリー株式会社からの融資、(ⅲ)東京センチュリーからの出資、(ⅳ)農中からの融資により資金調達を実施。
また、公開買付者が本公開買付けにより伊藤忠商事らが所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式以外の対象者株式の全てを取得できなかった場合、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、対象者の株主を伊藤忠商事及び公開買付者のみとするために、対象者株式につき株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを、会社法第297条第1項に基づき、対象者に請求する予定。また、公開買付者は、かかる請求の後遅滞なく招集の手続が行われると見込まれない場合には、会社法第297条第4項第1号に基づき、株主総会の招集の許可を得るため裁判所に対して申立てを行う予定。なお、対象者は、前記請求を受けた場合、公開買付者からの本臨時株主総会の招集請求及び株式併合議案の株主提案に応じて本臨時株主総会の招集の手続を実施することを予定しているとのこと。
本臨時株主総会における当該議案が可決された場合、当該株式併合に伴う任意売却(1株に満たない端数の合計数に相当する対象者株式の買取り)後における対象者の資本構成等は下記のとおりとなる予定。
■ 戦略パートナーへの対象者株式の譲渡
公開買付者は、対象者の株主を伊藤忠商事及び公開買付者のみとするための一連の手続が実行された場合、全農及び農中に対し、当該時点における対象者株式の総数の4.90%に相当する数の対象者株式を譲渡(全農・農中株式譲渡)。また、東京センチュリーが、当該時点において所有する公開買付者の持分に代えて、当該時点における対象者株式の総数の約0.40%に相当する数の対象者株式を取得するための取引(東京センチュリー直接所有化取引)を実行。なお、全農は農中の会員(出資者)でありますが、その出資割合は2%未満、その所有する議決権割合は1%未満であり、全農と農中との間に支配関係は存在しません。全農及び農中並びに東京センチュリーに関する、(ⅰ)各者の状況(継続開示会社たる各者に関する事項)、(ⅱ)公開買付者との関係、(ⅲ)譲受けの目的、及び(ⅳ)本書提出日現在において所有する対象者株式の数については、後記「(7)その他」をご参照ください。
(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針
① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
(ⅰ)本公開買付けの背景及び理由
公開買付者の親会社である伊藤忠商事は、1950年7月に株式会社大阪証券取引所及び東京証券取引所に株式を上場しております。伊藤忠商事は、伊藤忠商事グループを構成しており、国内外のネットワークを通じて、繊維カンパニー、機械カンパニー、金属カンパニー、エネルギー・化学品カンパニー、食料カンパニー、住生活カンパニー、情報・金融カンパニー、第8カンパニー(注1)がそれぞれ人々の暮らしを支える様々な商品やサービスを提供するため、原料等の川上から川下のコンシューマービジネスまでを包括的に事業領域とし、多角的なビジネスを展開しております。伊藤忠商事は、2019年7月に「第8カンパニー」を新設し、コンビニエンスストア「ファミリーマート」を中心とした、生活消費分野に強みを持つ伊藤忠商事の様々なビジネス基盤を最大限活用しながら、異業種融合・カンパニー横断の取り組みを加速させ、市場や消費者のニーズに対応した「マーケットインの発想」による新たなビジネスの創出・客先開拓を行っております。
(注1) カンパニーとは伊藤忠商事内にある事業部門を、独立性を高めた一つの会社とみなした組織です。それぞれのカンパニーに経営資源と権限を委譲することで、カンパニーが責任を持って迅速かつ柔軟な経営を行い、それぞれの分野のニーズに対応した事業を展開しております。
他方、対象者(当時の商号は、株式会社ファミリーマート)は、1987年12月に東京証券取引所に株式を上場しております。1978年3月に株式会社西友ストアー(現・合同会社西友)が、フランチャイズ・システムによるコンビニエンスストア事業を開始し、1981年9月に株式会社ジョナスが、株式会社西友ストアーから営業と資産の譲渡を受け、商号を株式会社ファミリーマートに変更し事業を開始いたしました。対象者は、1987年12月に東京証券取引所の市場第二部に株式上場し、1989年8月に東証一部銘柄に指定されました。対象者(当時の商号は、株式会社ファミリーマート)は、2016年9月に、ユニーグループ・ホールディングス株式会社との間で、対象者を存続会社とする吸収合併による経営統合(以下「本経営統合」といいます。)を行い、対象者の子会社であった株式会社サークルKサンクス(当時の商号)との間で、対象者(本経営統合に伴い、2016年9月に、ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社に商号変更)を吸収分割会社とする吸収分割(以下「本吸収分割」といいます。)を行い、対象者のコンビニエンスストア事業を株式会社サークルKサンクス(本吸収分割に伴い、2016年9月に、株式会社ファミリーマートに商号変更)に承継させたことにより、対象者を持株会社とする純粋持株会社体制へ移行しました。ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社は、総合スーパー「アピタ」「ピアゴ」を主力とした総合小売業と「ファミリーマート」「サークルKサンクス」のコンビニエンスストア事業を展開するとともに、2016年9月に株式会社名古屋証券取引所第一部に株式上場(2019年11月に上場廃止)しました。その後、対象者は、2019年9月に、対象者の子会社であった株式会社ファミリーマート(本吸収分割前の商号は株式会社サークルKサンクス)との間で、対象者を存続会社とする吸収合併を行い、それに伴い対象者は株式会社ファミリーマートに商号変更しております。現在の対象者は、「ファミリーマート」を主力としたコンビニエンスストア事業及びその周辺事業を展開しております。
公開買付者の親会社である伊藤忠商事は、その連結子会社であったファミリーコーポレーション株式会社(以下「ファミリーコーポレーション」といいます。)(注2)が、1998年2月に本経営統合前の対象者(当時の商号は株式会社ファミリーマート)の株式28,620,000株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:29.74%)を株式会社西友より取得して対象者の筆頭株主となり、対象者が伊藤忠商事の持分法適用関連会社となって以来、効率的な物流運営・商品開発等、様々な分野で対象者との取り組みを推進してきました。ファミリーコーポレーションは、その後、1999年3月に伊藤忠商事より871,200株(当時の総株主の議決権に対する割合:0.91%)を、2000年4月に市場取得の方法により450,000株(当時の総株主の議決権に対する割合:0.46%)を、それぞれ取得したことにより対象者株式29,941,200株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:31.46%)を所有するに至り、2009年9月には、伊藤忠商事が対象者との連携を密にすることを目的として、ファミリーコーポレーションより、ファミリーコーポレーションの所有する対象者株式の全て(29,941,200株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:31.46%))を取得し、対象者株式を直接に所有することとし、その結果、伊藤忠商事が対象者の筆頭株主となりました。2009年9月時点で、伊藤忠商事及びその子会社(伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(38,332株。当時の総株主の議決権に対する割合:0.04%)、株式会社日本アクセス(以下「日本アクセス」といいます。)(42,976株。当時の総株主の議決権に対する割合:0.05%))が所有する対象者株式の合計は、30,022,508株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:31.55%)となりました。その後も、伊藤忠商事は、主に市場買付けにより対象者株式(2016年9月までの商号は株式会社ファミリーマート、2016年9月以降の商号はユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社)を取得し(注3)、2018年4月には、対象者株式52,507,296株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:41.50%)を所有するに至りました。
さらに、2018年8月には、我が国の小売業界における、総人口の減少による市場規模の縮小や、Eコマースの市場規模の拡大を含めた業態を超えた競争環境の激化、消費者の低価格志向の継続、店舗や物流における人手不足等の厳しい経営環境と、消費者ニーズの多様化や選別消費の傾向といった市場の変化に対応し、対象者の持続的成長を実現するために、経営の高度化により対象者の事業基盤をより一層強化し、伊藤忠商事と対象者がより強固かつ一体的な関係を構築し、両者の経営資源やノウハウをより緊密に相互補完・有効活用することを目的に、IRIによる対象者株式に対する公開買付け(1株当たりの公開買付価格は、11,000円。なお、後記の株式分割前の価格になります。)を実施し、対象者株式10,880,400株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:8.60%)を取得しており、これに伴い伊藤忠商事は対象者を連結子会社化いたしました。
なお、対象者は、2019年2月に普通株式1株につき4株の割合での株式分割(以下「本株式分割」といいます。)を実施しており、その結果、伊藤忠商事の所有する対象者株式が210,029,184株(所有割合:41.50%)、IRIの所有する対象者株式が43,521,600株(所有割合:8.60%)、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社の所有する対象者株式が153,328株(所有割合:0.03%)、日本アクセスの所有する対象者株式が402,498株(所有割合:0.08%)、伊藤忠食品株式会社の所有する対象者株式が370,636株(所有割合:0.07%)、伊藤忠リーテイルリンク株式会社の所有する対象者株式が5,182株(所有割合:0.00%)、株式会社ドルチェの所有する対象者株式が42,939株(所有割合:0.01%)となり、現在に至っております。
(注2) ファミリーコーポレーションは、当時伊藤忠商事の連結子会社であった西野商事株式会社(以下「西野商事」といいます。)の子会社として1988年3月31日に設立された食品関連の物流業務受託及びセンター運営業を営む会社であり、1998年2月、株式会社西友及びそのグループ会社から対象者株式28,620,000株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:29.74%)を相対譲渡により取得いたしました。伊藤忠商事は、2002年9月18日付で、西野商事が所有していたファミリーコーポレーションの株式(同社の発行済株式総数の約95%)を取得し、同社を直接保有の子会社としております。ファミリーコーポレーションは、前記のとおり1998年2月に対象者株式(当時の商号は株式会社ファミリーマート)を取得して以降、伊藤忠商事の連結子会社として、対象者(当時の商号は株式会社ファミリーマート)より物流業務を受託しておりましたが、2011年3月に、伊藤忠商事の連結子会社であった日本アクセスを吸収合併存続会社、ファミリーコーポレーションを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行ったことにより解散しております。
(注3) 伊藤忠商事は、2014年7月7日から同年12月19日の間に5,070,300株(当時の総株主の議決権に対する割合:5.42%相当)、2016年2月5日から同年5月24日の間に6,400,000株(当時の総株主の議決権に対する割合:6.74%相当)、2016年10月20日から2017年5月25日の間に4,700,000株(当時の総株主の議決権に対する割合:3.72%相当)、2017年10月13日から2018年2月6日の間及び2018年2月7日から同年4月19日の間に5,430,900株(当時の総株主の議決権に対する割合:4.33%相当)、市場内で対象者株式を取得しております。市場買付けによる取得の他、伊藤忠商事は、2016年9月に本経営統合に係る吸収合併に際して、ユニーグループ・ホールディングスの株主として、対象者株式964,896株(2016年11月当時の所有割合:0.76%)の割当てを受けております。なお、2016年11月当時の所有割合とは、対象者が2017年1月13日に提出した四半期報告書に記載された2016年11月30日現在の発行済株式総数(126,712,313株)から、対象者が2017年1月10日に公表した「平成29年2月期 第3四半期決算短信[日本基準](連結)」に記載された2016年11月30日現在の対象者が所有する自己株式数(68,506株)を控除した株式数(126,643,807株)に対する割合をいいます。
また、対象者は再建の途上にあったGMS事業(注4)を営むユニー株式会社の株式の全てを、2019年1月、株式会社ドンキホーテホールディングス(現、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)に譲渡することで、経営資源をコンビニエンスストア事業に集中し、コンビニエンスストア事業を展開している株式会社セブン-イレブン・ジャパン(以下「セブンイレブン」といいます。)や株式会社ローソン(以下「ローソン」といいます。)のホームページにおいて公表されている資料によれば、2020年2月期末時点の国内店舗数、全店売上規模(セブンイレブン:20,955店(全店売上高:50,102億円)、ファミリーマート:16,611店(全店売上高:29,650億円)、ローソン:14,444店(全店売上高:25,069億円))において、コンビニエンスストア業界2位となっており、その地位を盤石にするとともにさらなる成長を実現すべく様々な施策を実行して参りました。
(注4) GMSとは、ゼネラル・マーチャンダイズ・ストア(General Merchandise Store)の略で、日用的な食料品、衣料品、雑貨等を幅広く品揃えした大規模小売店・量販店を意味します。
こうした中、伊藤忠商事は対象者を連結子会社化した後も、引き続き対象者株式の上場を維持することにより、対象者の業界におけるステータスや中立的立場による商権維持、優秀な人材確保等の上場会社としてのメリットを享受し続けられるようにする一方で、伊藤忠商事からの人的支援や伊藤忠商事グループが保有するサプライチェーンの機能を積極的に提供することにより、対象者が多様化する消費者ニーズに対応し小売業界における厳しい競争に勝ち残り、持続的成長を実現するべく、伊藤忠商事グループと対象者との事業シナジーの顕在化に向けた取り組みを進めて参りました。
他方、伊藤忠商事は商社という業態の特性上、事業領域が多岐にわたり、必ずしもそれぞれの事業領域において対象者と利益が一致するわけではなく、伊藤忠商事及び対象者がともに上場会社として独立した事業運営を行っている現状では、対象者を除く伊藤忠商事グループ各社と対象者との間における、経営資源やノウハウの緊密な相互補完・有効活用に際し、その有用性、取引としての客観的な公正性について対象者の少数株主の利益をも考慮した慎重な検討を要することから、双方のコスト構造等の十分な情報共有や人的・物的な経営資源の再配分が行われないこと等の一定の制約が生じ、伊藤忠商事グループ一体となって迅速な意思決定を推し進めていくことが十分に実行できていないと認識しております。具体的な事例の一つとして、伊藤忠商事の完全子会社である日本アクセスが対象者の取扱いの大部分を受託している物流業務の合理化とそれによる物流コスト削減の取り組みがあります。
伊藤忠商事は、対象者事業のコスト構造において物流・製造というサプライチェーンの占める割合は極めて大きい一方、昨今のドライバー不足やEコマース需要拡大による人件費増等の上昇圧力により物流費が高騰・高止まりしていると認識しております。伊藤忠商事は、この物流コストの問題は、対象者及び伊藤忠商事グループが一体となって解決に向けて取り組むべき重要な経営課題と捉え、日本アクセスとともに物流効率の改善による物流コスト削減の取り組みを進めて参りました。その過程において、伊藤忠商事は、対象者の物流コストを本質的に削減するには、原材料調達から製造、在庫、店舗への配送に至るまでの物流に関わる各段階において、無駄を排除するサプライチェーンの全体最適の実現が必要であり、そのためには、対象者の発注情報や、物流製造各社のヒト・配送車のシフト、在庫情報等の取得が不可欠との認識を有しております。しかしながら、対象者が上場会社である現状においては、上場会社としての「部分最適」と、対象者を含む伊藤忠商事グループの「全体最適」が緊張関係にあるため、伊藤忠商事及び日本アクセスが対象者から物流コスト等に関する充分な情報を取得するには制約があり、同時に、伊藤忠商事が上場子会社である対象者に対して、伊藤忠商事グループとして事業ポートフォリオ戦略の実行や経営資源の再配分を行うことは、伊藤忠商事グループの資本コストを踏まえた全体最適の観点に立てば、それによる利益の一部は伊藤忠商事グループ外に流出してしまうことになるといった問題が指摘される可能性があり、機動的・効率的なグループ経営を実現することで伊藤忠商事グループとしての企業価値の最大化を図ることが困難な状況にあります。その結果として、伊藤忠商事は、対象者における物流の合理化とそれによる物流コスト削減の取り組みは、未だ十分な成果を出すには至っていないと考えております。
伊藤忠商事が対象者を連結子会社化して以降現在までの間、国内のコンビニエンスストア業界を取り巻く環境は、後記Ⅰ及びⅡ記載のとおり変化しております。また、日本フランチャイズチェーン協会によれば、2019年12月末の全国のコンビニエンスストア店舗数は前年末差123店舗減り、比較可能な2005年以降初めて年末の店舗数が減少に転じました。コンビニエンスストア業界における売上高の上位3社による店舗の売上高でみると2011年度の全店平均日商(1店舗・1日当たりの売上高)はセブンイレブンで66万9,000円、ファミリーマートで53万1,000円、ローソンで54万7,000円であったのが、2018年度にはそれぞれ65万6,000円、53万円、53万1,000円に減少していることに加え、コンビニエンスストア業界における売上高の上位3社の2020年2月期末の店舗の純増数の合計が前期比45店増にとどまり、記録のある1980年2月期以降で最低となり、業界として厳しい状況に直面しております。対象者においてもサークルK・サンクスとのブランド統合により想定していた店舗総数の増加や転換店の日商(コンビニエンスストア1店舗・1日当たりの売上高)向上効果は一定程度得られたものの、ますます厳しくなる小売業界で勝ち抜くためには、先んじて組織のスリム化・業務効率化を進め、チェーン全体の競争力を高める必要があると判断し、2019年11月には組織運営上支障のない範囲で早期希望退職者募集を行うこととし、2020年2月期末に対象者の全社員の約7%に当たる1,025名の社員が早期退職することとなりました。
Ⅰ.コンビニエンスストア事業のビジネスモデルの見直しが迫られていること
これまで対象者を含むコンビニエンスストア業界は新規出店とサービスの拡大により成長を持続し、国内の小売業界における勝ち組と称されてきました。しかしながら近年は、出店数を維持するために加盟店との契約形態は多様化し、サービスの拡大は店舗オペレーションをより一層複雑化いたしました。その結果、コンビニエンスストアの利便性は高まり、生活インフラとして欠かせない存在となる一方、チェーンを跨ぐ競争は激化し加盟店の負荷は相対的に増しました。こうした状況に長引くデフレや深刻な人手不足等が相まって、今日の24時間営業問題、フードロス問題、さらには加盟店従業員の社会保険未加入問題等コンビニエンスストアの抱える様々な経営課題が、業界内だけにとどまらない社会問題としてクローズアップされることとなっており、コンビニエンスストア事業のビジネスモデルそのものが見直しを迫られている状態にあります。
さらに、2020年1月中国湖北省武漢で発生し、その後日本を含む世界中に感染が拡大した、伊藤忠商事の見立てとして未だ終息の見通しが立っていないと思われる新型コロナウイルス感染症の感染拡大により生じた消費者の生活様式と購買に関わる行動変容は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が収まった後も完全に元に戻ることはなくある程度常態化することが推測されます。具体的には、テレワークの定着、非接触型の接客、及び目的別の購買チャネルの使い分け等です。こうした行動変容はコンビニエンスストア事業がこれまで前提としていた出店立地、決済手段、及び商品構成等の大幅な変更を迫ることにもなりつつあります。
Ⅱ.Eコマースの急拡大により事業領域が侵食されつつあること
他方、Eコマースは着実に市場規模を拡大し、次々と新しいサービスを提供することでその利便性を増しております。2019年は消費税増税のタイミングに合わせた国によるキャッシュレス決済導入推奨の施策もあり、様々な事業体がモバイルペイメントのサービスをスタートし、モバイルペイメントサービスであるPayPayやLINE Payが、それぞれヤフー株式会社及びLINE株式会社のWebサイトで公表されておりますとおり、100億円から300億円規模の販促費をかけたキャンペーンを行う等によりそのエコシステムに利用者の囲い込みを図る等、コンビニエンスストア業界を含む小売業界における競合はもはやリアルとデジタルの垣根を超え、対象者の親会社の所有者に帰属する当期純利益(以下、「連結純利益」といいます。)(2020年2月期435億円)に相当する投資も伴わなければ勝ち残りが容易でない程に熾烈さを増していると、伊藤忠商事は認識しております。さらに国外を見れば、アマゾン社に代表されるプラットフォーマーは、食品スーパー等のリアル店舗と次々に資本・業務提携を行い、幅広い取引先とEコマースにより得た顧客データ(例えば、アマゾン社の開示資料によれば、顧客数は、アマゾンプライム会員に限っても、2018年4月時点で全世界で1億人を超えており、Consumer Intelligence Research Partners, LLCの調査によれば、2019年12月末時点で、米国のみのアマゾンプライム会員は約1.12億人であると推計されております。)に基づくマーケティング戦略に惜しみなく経営資源を投入し、対象者の事業領域を侵食しつつあります。また、こうしたプラットフォーマーと呼ばれるインターネット勢は、自社のプラットフォームを訪れた消費者に対し、その消費者の過去の閲覧履歴や購買履歴に基づき、「ターゲティング広告」と呼ばれる手法で、その消費者に向けたピンポイントの購買推奨を行うことで、消費者のいわゆる「ついで買い」を促しております。消費者は、インターネット勢のプラットフォームを活用することで、リアルの実店舗に足を運ぶことなく、気になった商品があればインターネット上で価格の比較を行ったり、遠方でしか手に入らない商品を購入すること等が可能となっております。伊藤忠商事としては、このようなプラットフォーマーと呼ばれるインターネット勢の取り組みは、1980年~2000年の間に生まれたいわゆる「ミレニアル世代」と呼ばれる最初のデジタル世代が消費者層の中心となること等による消費者の嗜好の多様化とも相まって、Eコマースの急拡大につながっているものと認識しております。
このように、消費者の嗜好や購買チャネルが多様化し、対面業界が過去に例を見ないスピードで変化する経営環境の下、従来からの企業主体で商品の企画・開発・提供を行い、「良いものであれば売れる」の発想で、自社の強みや技術を活かした商品展開を行う「プロダクトアウト」による商品・縦割り組織だけでは適切な対応が困難との判断から、伊藤忠商事は、2019年7月に「第8カンパニー」を新設し、生活消費分野に強みを有する伊藤忠商事の様々なビジネス基盤を最大限活用して市場や消費者のニーズに応える「マーケットインの発想」により、新たなビジネスへの転換を図って参りました。具体的には、訪日中国人富裕層をターゲットとしたインバウンド観光事業に関連する業務提携、ゲームAI(ファイナルファンタジー、マジモン等のトップゲームの開発メンバーが所属)・ブロックチェーン(日本人チーム初の「Ethereum」世界大会世界トップ10に選出)・画像認識AI(Facebook主催の画像認識コンペで世界3位受賞)において世界最高レベルの技術を結集した人型AIエージェントを手掛けるクーガー株式会社(以下、「クーガー社」といいます。)への出資等を行いましたが、従来の「プロダクトアウト」型商社ビジネスを大きく転換していくにはまだまだスピード感が足りないと考えております。
今後、業態を超えた小売りビジネスの大きな変化はさらに加速するものと思われ、将来予測がますます困難となってきております。
他方、対象者によれば、対象者の属する小売業界を取り巻く環境は、業態を超えた競争環境の激化や根強い節約志向による消費マインドの低下及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響等によって、先行きは依然として不透明な状況が続くものと見込まれ、消費者ニーズも多様化しており、新たな発想による商品・サービスの創造が求められていることに加え、安全で安心な食の提供や環境問題への対応等、企業の社会的責任が増大していることから、こうした難局を乗り越えて厳しい競争環境を勝ち抜くため、対象者グループの経営資源を結集し、独自の価値を提供することで成長の機会を模索していたとのことです。具体的には、対象者グループにおいては、「加盟店支援の着実な実行」「収益力の強化」「新型コロナウイルス感染症拡大への対応」「金融・デジタル戦略の推進」「株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスとの協業推進」の各取り組みについて実行しているとのことです。このように、対象者の属する小売業では限られた市場の中で質を高めるビジネスモデルに変わってきており、環境の変化に対して大胆かつスピード感を持って対応することが求められるようになってきているなか、対象者は、対象者の既存の事業領域に加えて、管理部門、デジタル、海外展開の分野に関して、伊藤忠商事グループをはじめ、対象者グループ外の企業との連携により、多様な経営資源等を活用することが対象者の成長の源泉になると考えているとのことです。そのような中で、対象者と伊藤忠商事がともに上場会社として独立した事業運営を行っている現状では、対象者を除く伊藤忠商事グループ各社と対象者との間における、経営資源やノウハウの緊密な相互補完・有効活用に際し、その有用性、取引としての客観的な公正性について対象者の少数株主の利益をも考慮した慎重な検討を要することから、迅速な意思決定を行うことが困難な状況にあり、また、双方のコスト構造等の情報の共有に一定の制約がある中での意思決定となることから、人的・物的な経営資源の再配分による最適化が達成されない可能性があるとの認識を有していたとのことです。
また、伊藤忠商事は、経済産業省が2019年6月28日付で公表した「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」も踏まえ、その保有する各上場子会社につき、上場子会社として維持することが最適なものであるか否かを取締役を含めた全社の重要会議の際に検討するとともに、グループ全体の企業統治の健全性・公正性担保に向けて真摯に取り組んでおります。そのような取り組みの中で、伊藤忠商事は、対象者に関する前記のような事業環境に鑑み、対象者が熾烈な競争を勝ち残り持続的な成長を実現するには、対象者を上場子会社として維持するのではなく、今こそ対象者に伊藤忠商事グループの経営資源をさらに再配分し、対象者と伊藤忠商事とがより一体となった上で、従来のビジネスモデルの継続にとどまらず新たなビジネスモデルへの転換にも果敢に挑み、市場環境の急激な変化に機動的かつ迅速に対応していくことが不可欠であり、同時に、伊藤忠商事グループの生活消費分野最大の消費者接点を持つ対象者の全国に広がる16,500店の店舗網と1日当たり約1,500万人の来店客を元にデジタルプラットフォームを作り、新たなサービスの提供やビジネスモデルの確立するとともに、強みである消費者接点をさらに活用すべく、伊藤忠商事グループの次世代・新技術導入の実践の場として2019年7月に新設した「第8カンパニー」を通じ、伊藤忠商事の様々なビジネス基盤を最大限活用し、対象者のサプライチェーンの最適化・効率化、電子決済に代表されるITを駆使した次世代化に取り組み、対象者を中心に伊藤忠商事グループの生活消費分野ビジネスのいわゆるデジタルトランスフォーメーションを実現することが、伊藤忠商事の強みとしてきた生活消費分野をより強固なものにすると考えておりました。またこのような考えは、前記のとおり対象者における課題認識とも一致しており、対象者及び対象者を含む伊藤忠商事グループ全体としての中長期的な企業価値の向上にとって最適な選択であると考えるに至っております。もっとも、伊藤忠商事としては、中長期的な成長の観点にたてば、伊藤忠商事グループの経営資源を対象者にさらに再配分し、対象者のビジネスモデルの果敢な転換を図ることは、対象者を含む伊藤忠商事グループ全体の企業価値の向上に資するものと考えるものの、短期的には、対象者のビジネスモデル転換に伴う対象者の負担が、対象者の既存ビジネスから得られる収益を大きく圧迫することにもなりかねず、対象者の一般株主の皆様の利益にそぐわない可能性があると考えております。
そのため、伊藤忠商事としては、2019年9月上旬に、対象者を非公開化することで、対象者の一般株主の皆様に対して適切かつ合理的な対象者株式の売却機会を提供することにより、こうした抜本的な施策により対象者の一般株主の皆様の利益が損なわれないようにする一方、伊藤忠商事及び対象者が現在の親会社と上場子会社としての相互に独立した経営体制を超えて、グループ一体となって両者の経営資源やノウハウの相互活用を一層促進し、迅速に意思決定を進めていくことで、対象者の短期的利益に直結せずとも対象者を含む伊藤忠商事グループ全体を中長期的に成長させることにつながる抜本的な施策を行い、より大きく踏み込んだ提携関係を構築することが、対象者を含めた伊藤忠商事グループ全体の企業価値の向上のために必要であると考えるに至り、対象者の非公開化の初期的検討を開始いたしました。2020年1月上旬には、対象者から独立した第三者評価機関としてファイナンシャル・アドバイザーである野村證券を、対象者から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を選任し、対象者の非公開化に係る協議・交渉を行う体制を構築した上で、2020年2月上旬、対象者に対し、対象者の非公開化に関する検討を開始したい旨の初期的な打診を行いました。その後、伊藤忠商事は、2020年2月上旬以降、想定されるシナジーに関する検討を進め、2020年2月17日、対象者に対し、伊藤忠商事が本取引を申し入れた背景や非公開化後に実現したいと考える事業戦略等を記載した本取引に関する初期的提案書を提出いたしました。2020年2月上旬の初期的打診及び同年2月17日の初期的提案の際は、伊藤忠商事グループのみが株主となる選択肢も含めて検討を行った上で、伊藤忠商事は、対象者とのビジネスを通じた企業価値の向上に資するスキームとして、伊藤忠商事のみが出資し、又は状況に応じて対象者とのビジネス関係を構築できる伊藤忠商事グループ外の者が少数株主として出資する可能性のあるSPCが対象者株式の公開買付けを実行した後、株式併合によるスクイーズ・アウト手続により対象者を非公開化するスキームを提案しておりました。なお、当該提案に際し、伊藤忠商事は、対象者に対し、伊藤忠商事グループ外の第三者が少数株主として当該SPCに出資する可能性があり、第三者の出資により対象者の非公開化のための伊藤忠商事の資金負担を抑制できる一方で、非公開化後における伊藤忠商事グループの対象者株式の所有割合が低くなること等の伊藤忠商事にとってのメリット及びデメリット、第三者の出資及びそれに伴う提携等により対象者の企業価値の向上に資するかどうか等も踏まえて、伊藤忠商事が第三者と協議し、伊藤忠商事及び第三者の意向が合致した場合には、第三者が少数株主として当該SPCに出資することを前提とした提案を再度行うことも、併せて伝えておりました。伊藤忠商事は、対象者に対してかかる提案を行う一方で、並行して、非公開化後の対象者における事業戦略を速やかにかつ着実に実現する上で必要な戦略パートナーとして、対象者と既存の取引関係があり、かつシナジー創出の蓋然性が高いという観点において全農及び農中並びに東京センチュリーと接触し、これら3者と本公開買付けのスキーム及び非公開化後の対象者における経営方針について協議して参りました。
伊藤忠商事並びに全農及び農中は、営業面では全農及び伊藤忠商事が食料カンパニーにおける北米穀物集荷の共同事業(CGB Enterprises, Inc.)を行っているほか、対象者の中食・惣菜の原材料を含め伊藤忠商事グループと多岐に渡って協業関係にあり、ファイナンス面では農中が伊藤忠商事グループの親密な取引金融機関の1社であるという関係にあります。こうした従来からの取り組みを背景に、伊藤忠商事が対象者の非公開化の検討を開始した後、2020年1月下旬に、同じグループ内に食料カンパニーとの取引関係のある全農を持ち、商品供給等で対象者のビジネス面でのシナジーを創出できる戦略パートナーに発展する可能性を目論み、まずは本取引に要する資金に係る資金提供の可能性について農中に打診をしたところ、全農を含める形で、ファイナンシャルスポンサーとしてではなく、戦略パートナーとして対象者に資本参加することにより対象者の非公開化に参画したいという旨の意向を示されました。全農及び農中のかかる意向を踏まえ、伊藤忠商事は、2020年2月上旬、全農及び農中が戦略パートナーとして対象者に資本参加することの可否及び方法についての検討並びに全農及び農中との協議を開始いたしました。かかる検討及び協議を通じて、2020年2月下旬までに、伊藤忠商事並びに全農及び農中は、全農及び農中が対象者に戦略パートナーとして資本参加することにより、①商品供給、②地域活性及び③海外戦略の面において対象者とのシナジー創出が可能であると考えるに至りました。そのため、伊藤忠商事並びに全農及び農中は、全農及び農中が、対象者株式の公開買付けを行う伊藤忠商事のSPCに出資する方法により、対象者に資本参加するスキームを第1候補として、対象者に対して、対象者の非公開化に関する提案を改めて行うこととし、当該提案以降も、最終的な出資比率等の条件や、資本提携によるシナジーに関して、継続して検討及び協議を行うことといたしました。
東京センチュリーは、対象者の店舗や付帯設備に対するリース等の取引を通じて、伊藤忠商事が対象者を持分法適用関連会社とした1998年2月当時より、対象者を重要な事業パートナーと位置づけ、伊藤忠商事グループとの取引の拡大や伊藤忠商事の国内及び海外ネットワークを活用した協業等の取り組みを行っておりました。伊藤忠商事は、伊藤忠商事グループと東京センチュリーとの間に取引及び資本関係があり、伊藤忠商事グループの国内及び海外ネットワークを活用した協業を伊藤忠商事グループと東京センチュリーの間で行っていることに加え、東京センチュリーが提供する情報通信機器を筆頭とする国内リース事業分野、法人・個人向けオートリースにレンタカーを加えた国内オート事業分野等、多岐にわたる事業領域と金融の枠を超えた「金融×サービス×事業」の3軸融合による経験値と既成概念にとらわれない多様なサービスが、本取引の実行後に対象者のビジネスモデルを転換する各施策において重要な役割を果たすとの考えから、2020年2月中旬、東京センチュリーの経営陣に対し、対象者の非公開化にあたり伊藤忠商事が既に対象者との取引関係があり、かつ将来的に東京センチュリーの「金融×サービス×事業」の3軸融合による経験値と既成概念にとらわれない多様なサービスが対象者におけるビジネス強化につながることの説明を行ったところ、伊藤忠商事の考えに賛同いただき、対象者に資本参加することにより対象者の非公開化に参画したい旨の意向を示されましたので、2020年2月中旬、伊藤忠商事及び東京センチュリーは、東京センチュリーが対象者に資本参加することについての検討及び協議を開始いたしました。東京センチュリーは、リース事業に限らず、様々な新しい金融サービスの提供により、パートナー企業とともに「循環型経済社会の実現への貢献」を目指しており、伊藤忠商事としては、地域社会において欠かせない「インフラ」となっている対象者が目指す、地域から必要とされ、かつ人や地域に寄り添うことで進化し続ける地域密着型の事業において、東京センチュリーが店舗ごとにおける付帯設備の最適配分を行う仕組みを構築する等の様々なソリューションをもたらすことにより、コストの削減を含めた新しい価値を生み出すシナジーが期待できると考えております。
以上のとおり、伊藤忠商事は、2020年2月下旬、全農及び農中は国産のサプライソースを活かした生鮮品の供給を可能とし、東京センチュリーが、対象者の店舗付帯設備の配分を最適化することによるコスト削減等を行うことを可能とするため、全農及び農中並びに東京センチュリーが非公開化後の対象者における事業戦略を速やかにかつ着実に実現する上で必要な戦略パートナーとして適切であると考えるに至り、また資本提携を行うことで、全農及び農中並びに東京センチュリーがより踏み込んだ形で対象者に対して人的リソース等の経営資源の投入を図り、シナジーの実現を図れるものと考えております。なお、全農及び農中が対象者に資本参加することで、全農及び農中におけるそれぞれの所有割合の大小にかかわらず、全農は主に商品供給面、農中は金融サービスの提供等で対象者と踏み込んだ形で戦略的なビジネス構築ができるものと考えております。なお、伊藤忠商事、全農及び農中並びに東京センチュリーは、①公開買付けの手続コストを抑制し、②公開買付け後のスクイーズ・アウトにおいて全農、農中又は東京センチュリーがスクイーズ・アウトの対象となる可能性を小さくするため、伊藤忠商事、全農及び農中並びに東京センチュリーが共同でSPCに出資し、SPCが直接の公開買付けの主体となるスキームを第1候補として検討しておりました。
伊藤忠商事は、このような全農及び農中並びに東京センチュリーとの間での検討及び協議の結果を踏まえて、本取引の諸条件についてさらに具体的な検討を進め、2020年3月2日、対象者の非公開化に関する正式提案書(当該提案書に基づく正式提案を以下「3月2日付正式提案」といいます。)を対象者に対して提出し、本公開買付価格を2,600円とすること、公開買付けの期間を2020年4月13日から2020年5月26日とすることを対象者に対して提案いたしました。なお、3月2日付正式提案においては、対象者株式の本公開買付けを行う伊藤忠商事のSPCに全農及び農中が出資する方法により、全農及び農中が対象者に資本参加するスキームを前提としておりましたが、当該時点においては東京センチュリーとの検討及び協議を開始したばかりであり、東京センチュリーが対象者に資本参加することの確度が高くなかったため、東京センチュリーが対象者に資本参加することは前提としておりませんでした。
伊藤忠商事は、3月2日付正式提案以降も、全農及び農中との間で、全農及び農中が対象者に資本参加する方法及び条件や資本提携によるシナジー等について検討及び協議を行っておりましたが、2020年3月上旬、全農及び農中から、①対象者の非公開化後における全農及び農中の対象者に対する出資割合を5%未満とすること、②全農における正式機関決定後(注5)・(注6)に対象者に資本参加するために、全農及び農中は、対象者の非公開化が完了する前に伊藤忠商事のSPCに出資は行わず、非公開化が完了した後に対象者株式を譲り受けるスキームとすること、③全農及び農中の最終的な出資割合に相当する金銭を農中から伊藤忠商事のSPCへ融資することが可能であることについての意向表明を受けました。また、伊藤忠商事は、3月2日付正式提案以降も、東京センチュリーとの間で、東京センチュリーが対象者に資本参加することについて引き続き検討及び協議を行っておりましたが、東京センチュリーが、リース事業に限らず、様々な新しい金融サービスの提供により、パートナー企業とともに「循環型経済社会の実現への貢献」を目指していることも踏まえ、伊藤忠商事及び東京センチュリーは、地域社会において欠かせない「インフラ」となっている対象者が目指す事業においても、東京センチュリーが様々なソリューションをもたらすことにより、対象者への資本参加を行うことで単なる取引関係から踏み込んだ、対象者と一体となった新たなサービスの創造等、新しい価値を生み出すシナジーが期待できると考えるに至りました。その後、伊藤忠商事は、2020年3月上旬、東京センチュリーから、①対象者の非公開化のために投資可能な資金は50億円であること、②対象者への資本参加の方法として伊藤忠商事のSPCに対して出資することでよいこと、③非公開化後においては対象者株式の直接所有を希望することを内容とする意向表明を受けました。
(注5) 全農は、2020年7月8日、経営管理委員会を開催し、本基本契約の締結について承認しておりますので、本書提出日現在、全農・農中株式譲渡における全農の譲受け比率(内訳)を除き、全農・農中株式譲渡について正式な機関決定を行っております。また、全農は、2020年7月29日、総代会を開催し、本基本契約に基づき全農が公開買付者から譲り受ける対象者株式に係る譲渡対価の額を100億円とする旨の決議を行い、全農及び農中は、2020年7月29日、本基本契約に基づき、全農及び農中が譲り受ける対象者株式の内訳を、全農が0.86%(譲受け時点における対象者株式の総数に対する割合)、農中が4.04%(譲受け時点における対象者株式の総数に対する割合)とする旨を伊藤忠商事に対して通知いたしました。その結果、全農及び農中は、本基本契約に基づき、対象者の非公開化後、公開買付者から、それぞれ、全農が、当該時点における対象者株式の総数の0.86%に相当する数の対象者株式(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、4,347,826株(所有割合:0.86%))を、農中が、当該時点における対象者株式の総数の4.04%に相当する数の対象者株式(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、20,451,470株(所有割合:4.04%))を譲り受ける予定です。なお、全農及び農中が当該譲受けに関して支払う対価の額は、それぞれ9,999,999,800円及び47,038,381,000円であり(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、1株当たり2,300円)、また、全農及び農中は、当該対価以外に、本取引のために必要な実費のうち全農及び農中にて負担する金額として伊藤忠商事並びに全農及び農中の間で別途合意する金額を負担いたします。
(注6) なお、農中は、2020年7月6日、理事会を開催し、全農の総代会において全農・農中株式譲渡における全農の譲受け比率(内訳)が決議された場合、それに応じて全農・農中株式譲渡における農中の譲受け比率(内訳)を決定する旨決議しており、全農・農中株式譲渡について正式な機関決定を行っております。
このような全農及び農中の意向並びに東京センチュリーの意向も踏まえ、伊藤忠商事は、全農及び農中並びに東京センチュリーとの間で、全農及び農中並びに東京センチュリーが対象者に資本参加する方法及び条件や、対象者との資本提携によるシナジーについて検討及び協議を行い、伊藤忠商事は、2020年3月中旬、全農及び農中並びに東京センチュリーによる資本参加が非公開化後の対象者における事業戦略を速やかにかつ着実に実現する上で適切であるとの考えに至りました。すなわち、伊藤忠商事、全農及び農中並びに東京センチュリーは、対象者と資本提携を行うことで、全農及び農中並びに東京センチュリーがより踏み込んだ形で人的リソース等の経営資源を対象者に投入することが可能となる一方で、全農及び農中並びに東京センチュリーがビジネス面での対象者とのシナジー創出を資本参加の主な目的としていることから、伊藤忠商事が主体性をもって対象者との密な相互補完・有効活用を実現する上での情報共有や人的・物的な経営資源の再配分を行うことに注力することができ、また、全農及び農中がそれぞれの所有割合の大小にかかわらず、資本参加を行い対象者との関係を強化することでシナジーの実現を図れるとの考えに至りました。そのため、伊藤忠商事は、前記「(1)本公開買付けの概要」の「(本取引のスキーム図)」に記載の内容のスキームを対象者に提案することといたしました。なお、伊藤忠商事は、資金調達に関しては、東京センチュリーからの出資及び農中からの融資以外にもその他対象者と資本関係を有することでビジネス面でのシナジー創出のポテンシャルを持つと見られる企業が他にいないか、市場調査を行う等、様々な選択肢を検討いたしましたが、対象者に資本参加する戦略パートナーとしては、全農及び農中並びに東京センチュリーとの間でそれぞれ検討及び協議を開始した時点で、対象者において扱っていない商品のサプライソースを確保している全農及び融資のみならず、対象者と親和性があると見られる金融窓口サービス等を展開する農中並びに既に取引関係を有し、対象者におけるビジネスの土台となる設備や車両をリースし、かつ新たな金融サービスを手掛ける東京センチュリーがそれぞれ適切であるのではないかという想定の下、全農及び農中並びに東京センチュリーを第1候補としており、結果として合意に至ったため、全農及び農中並びに東京センチュリー以外の伊藤忠商事グループ外の第三者との間で、戦略パートナーとしての対象者に資本参加することに関し、協議等は行っておりません。
伊藤忠商事は、2020年3月17日、前記「(1)本公開買付けの概要」の「(本取引のスキーム図)」に記載の内容のスキームに前提を変更することを内容とする提案書を対象者に対して提出するとともに、対象者が設置した特別委員会を通じて、2020年3月上旬から同年4月上旬にかけて対象者と協議を重ねる過程の中で全農及び農中との資本提携により、①商品供給、②地域活性及び③海外戦略の面において対象者とのシナジー創出が可能であり、また東京センチュリーの、金融の枠を超えた「金融×サービス×事業」の3軸融合による経験値と既成概念にとらわれない多様なサービスが、対象者のビジネスモデルを転換する各施策において重要な役割を果たすという伊藤忠商事、全農及び農中並びに東京センチュリーの考えを説明しております。
そして2020年4月上旬には、伊藤忠商事及び公開買付者並びに対象者は、本取引による伊藤忠商事グループ及び対象者の関係強化によって、以下のような取り組みや効果を期待することができ、対象者の成長力と収益力のさらなる強化により一体となって取り組み、対象者の中長期的な企業価値の向上を図ることが可能となるのみならず、伊藤忠商事グループの事業領域である生活消費分野における従来型のバリューチェーンに変革をもたらすことができる可能性があることから、伊藤忠商事グループの企業価値の向上をも図ることが可能であるとの認識を共有するに至りました。なお、本公開買付けが成立した場合であっても、本臨時株主総会で株式併合議案が否決されたときには、対象者の非公開化が達成されない可能性がございますが、伊藤忠商事及び公開買付者は、対象者の一般株主の皆様においても、本取引による対象者の非公開化が対象者の中長期的な企業価値の向上をもたらすことをご理解いただき、その趣旨にご賛同いただけるものと考えておりますので、対象者の非公開化がなされない場合の伊藤忠商事グループ及び対象者が既存で取り組んでいるビジネス以外でのシナジー等に関する検討は行っておりません。なお、伊藤忠商事及び公開買付者は、対象者の非公開化が達成されない場合であっても、引き続き対象者との間で対象者の企業価値の向上に向けた施策を、両社が独立した上場会社として実行可能な範囲で講じていく所存です。
Ⅰ.伊藤忠商事グループの総合力を活用した対象者のさらなる事業基盤の強化
伊藤忠商事は従来、対象者を伊藤忠商事の強みである生活消費分野における最重要基盤と位置づけ、伊藤忠商事グループのネットワーク、リソースの積極活用による対象者の事業基盤強化に注力して参りました。さらには、対象者を含む伊藤忠商事グループの全体最適の観点から、2019年7月に新設した「第8カンパニー」を通じ、伊藤忠商事の様々なビジネス基盤を最大限活用し、市場や消費者のニーズに応える「マーケットインの発想」により、対象者の事業根幹であるサプライチェーンの最適化・効率化、電子決済に代表されるITを駆使した次世代化の取り組み等に、一層コミットし取り組んでおります。他方、24時間営業問題、深刻な人手不足、フードロス問題等、対象者を取り巻く環境は厳しさを増し、それらへの対応は予断を許さない状況にあります。伊藤忠商事は従来の取り組みからさらに踏み込み、これまで以上に伊藤忠商事グループと対象者のそれぞれの経営資源等の相互活用を一層促進するとともに、伊藤忠商事グループ一体となって迅速に意思決定を進めていくことによって、先進的な次世代技術を取り入れた既存オペレーションの効率化や消費者接点の最大活用を実現し、社会問題化しつつあるこれらの課題ひとつひとつに伊藤忠商事グループ全体として真摯に向き合い、解決を図ります。さらに、2018年度より取り組んできた「ビジネスの次世代化」の一環として、伊藤忠商事グループの生活消費バリューチェーンのデジタル化とデータ活用を目的に構想し構築してきた伊藤忠商事グループ横断の「データ・マネージメント・プラットフォーム(DMP)」(注7)を活用し、対象者の豊富な消費者接点から得られる様々なデータと、対象者の収益において中心的な位置づけにある中食商品の製造から配送に至る各段階に関わるデータを有機的に統合することで、需要予測に基づく最適なサプライチェーンを再構築し、物流合理化による物流コストの削減や次世代技術の活用による対象者のフランチャイズ加盟者のオペレーションの省力化等対象者の既存のビジネスモデルをより高効率で収益性の高いものへと進化させて参ります。
(注7) DMPとは、「Data Management Platform」の略称です。伊藤忠商事グループにおいては、サプライチェーンにおける発注・在庫・物流データ、顧客の購買データ・行動データなど、グループ企業が持つデータを横断的に連携・分析する仕組みを示す用語として用いております。また、具体的には、伊藤忠商事は、生活消費関連を中心に多数のグループ企業を抱え、サプライチェーン全体に関与する事業を展開しているため、DMPを構築・活用し、発注・在庫・物流の最適化、対象者の店舗網を活用した広告・金融、次世代店舗などの消費者接点の強化といった領域でのグループ間のデータ連携を実現させて参ります。
Ⅱ.伊藤忠商事グループの総合力を活用した対象者の新しいビジネスモデルの創出
伊藤忠商事は、Eコマースの台頭、コンビニエンスストア市場の飽和等が謳われている中、対象者が持つファミリーマート約16,500店舗に日々約1,500万人もの消費者が訪れる消費者接点の強みに改めて着目し、対象者のビジネスモデルを再定義すると同時に、非公開化により一体となることで伊藤忠商事の持つ経営資源や次世代技術を持つスタートアップを含めた企業とのネットワークを最大限に活用し、リアルとデジタルの融合による新たなビジネスモデルを創出いたします。具体的には、伊藤忠商事が対象者の一部店舗を実証実験の場とし、伊藤忠商事のネットワークの中からクーガー社が開発した人型AI技術等のAIやブロックチェーン等を活用した世界中の先進的次世代技術を積極的に取り入れた効率的かつ機動的を意味するリーン・アンド・アジャイルな検証を絶えず繰り返すことで、人型AIによる店舗接客等により店舗既存業務のさらなる合理化・効率化を図り加盟店負担を軽減しつつ、店舗での荷物受け取りロッカーや最寄りの店舗から消費者のもとへ商品を届けるラストワンマイル配送等消費者により利便性の高いサービスのご提供を実現いたします。1日に約1,500万人もの消費者が訪れる全国約16,500の店舗網には、Eコマースにはない地域に密着したリアル店舗ならではの購買に関わる消費者接点が存在いたします。このリアル店舗の強みと、デジタルプラットフォーマーが得意とするデジタルの汎用性を融合することで、店舗の枠を超えた新しいマーケットプレイスを提供して参ります。さらに、将来的には国内外の戦略パートナーと対象者を含む「デジタルJV」を組成することで、従来の物販・サービスという枠に捉われない新たな付加価値を創造し、小売業界における従来の労働集約型ビジネスモデルからの大胆な転換を図っていく構想も検討して参ります。
Ⅲ.伊藤忠商事グループの総合力を活用した対象者の新たな海外事業展開
伊藤忠商事は、対象者が、従来の発想や常識に捉われず、国ごとの小売市場の成長過程に即してその国に適応するモデルを構築し導入する必要があるものと考えております。その実現のために、対象者の経営資源やノウハウに加えて伊藤忠商事グループのネットワークの中から、小売といった枠組みに縛られずデジタルや新技術といった領域で強みを発揮するパートナーとも提携していくことが不可欠になってくるものと考えております。具体的には、伊藤忠商事の戦略提携先である海外パートナーを通じ、次の成長市場と当該市場における成長の鍵となるテクノロジーを見極め、各国においてそれぞれ適切なパートナーと提携できるように支援することにより、海外での事業展開を対象者の新たな成長のドライバーとすることが可能になると考えております。対象者の非公開化を行うことで伊藤忠商事グループの持つグローバルなネットワークをシームレスに対象者と融合し、海外における先進的な技術を取り入れ、来店客の購買行動をデータ分析する事により来店客一人一人の購買行動に合わせた商品プロモーションの展開、需要予測の精度向上によるロスの削減、新商品の開発等、新たな形態の小売業であるニューリテールの技術やテクノロジーを対象者のビジネスに取り入れることが可能となります。
また、伊藤忠商事は、前記の議論と並行して本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件や本取引のスキーム、本公開買付けから非公開化までのスケジュールについても対象者が設置した特別委員会を通じて複数回の協議・交渉を重ね、さらに、全農及び農中並びに東京センチュリーとも本取引の諸条件及び非公開化後の対象者における経営方針について引き続き協議して参りました。
具体的には、伊藤忠商事は、2020年3月6日、対象者から事業計画を受領し、同日以降、その分析を行っておりました。しかしながら、2020年3月2日には18人であった国内の新型コロナウイルス感染症の新規感染者(1日当たり)が、2020年3月20日には54人、2020年3月28日には202人になる等、3月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の感染者数が急速に増加したことを受けて、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年3月28日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が対象者の業績の短期的な悪化につながるのみならず、中長期的にも対象者の業績に悪影響を与え、対象者の前記事業計画の達成可能性にも重大な影響を与える可能性があるため、本公開買付価格を含む取引条件を再検討する必要があると考えるに至りました。これらの結果を総合的に勘案した上で、2020年3月28日、伊藤忠商事及び公開買付者は、ファイナンシャル・アドバイザーである野村證券を通じて、対象者に対し、本公開買付価格の水準を2,000円程度とする旨の提案(以下「3月28日付提案」といいます。)を行いつつ、引き続き新型コロナウイルス感染症の感染拡大が対象者の事業に与える影響の分析等を行うことといたしました。3月28日付提案に対し、公開買付者は、対象者から、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による株価の騰落は一時的なものである可能性もあり、そのような提案は承服できないとして、提案内容の再検討の要請を受け、その後も対象者との間で協議を重ねました。しかしながら、その後も新型コロナウイルス感染症の感染域は拡大を続け、国内の感染者数も減少に転じる兆しが見えず、マクロ経済に関する様々な指標も悪化する等、新型コロナウイルス感染症による事業への影響の規模やそれが及ぶ期間、ひいては対象者の本源的価値にもたらすインパクトについての将来的な見通しが困難な状況となりました。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による本公開買付価格の前提となる対象者の事業への影響、すなわち新型コロナウイルス感染症の影響が及ぶ期間や対象者の店舗の売上にもたらすインパクト、及び在宅期間が長引くことによるコンビニエンスストアからEコマース等への消費者行動の構造的なシフトによる対象者のビジネスモデルにもたらす影響等に関して、これが一時的な影響にすぎない可能性があるとする対象者と、中長期的な影響を及ぼすおそれがあるとする伊藤忠商事及び公開買付者の双方の考え方に乖離があったことから、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年4月3日、3月2日付正式提案で提示した2020年4月13日に本公開買付けを開始することを見送り、協議を継続することを希望する旨、及びその後の協議において3月2日付正式提案で提示した本公開買付価格である2,600円の維持を前提とすることが難しいことを対象者へ通知いたしました。
その後、対象者は2020年4月13日に2021年2月期の業績予想を発表しましたが、当該業績予想では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響について発表時点で想定しうる売上影響を織り込んでいるものの、その後の動向次第では変動する可能性があるとされており、伊藤忠商事及び公開買付者はその影響が十分に検討されたものではないと考えておりました。他方、2020年4月7日に新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令され、これに伴う外出自粛要請の影響もあり、対象者の店舗における日商や来店客数が対前年比で大幅に下回る状況が継続し、対象者の足下の業績への悪影響が確認されることとなりました。これらの事情も踏まえ、伊藤忠商事及び公開買付者としては、対象者の2021年2月期の業績に悪影響が生じる可能性が高まり、また新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響下において生じたコンビニエンスストアからEコマース等異業種への消費者のシフトが構造的なものであり、中長期的に対象者における店舗売上の減少等、事業に悪影響を及ぼすおそれがあり、対象者の企業価値が毀損する可能性があることも踏まえ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が今後長期化するおそれもある中で、一刻も早い段階で本取引を実行し、伊藤忠商事グループ及び対象者の関係強化によって、前記ⅠないしⅢで述べたような諸施策に早急に取り組む必要があると判断いたしました。また、新型コロナウイルス感染症の患者数の増加ペースも減少傾向となり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が対象者の事業に与える短期的な影響のみならず、中長期的に与える影響についても従前よりは精緻に見込める状況となったため、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年5月14日、本公開買付価格を2,200円とすること、及び公開買付けの開始日を2020年6月の可能な限り早いタイミングとすることを対象者との面談で提案(以下「5月14日付提案」といいます。)いたしました。これに対して、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年5月26日に対象者の要請により面談を行い、主に新型コロナウイルス感染症の感染拡大が対象者の事業に与える影響に関する伊藤忠商事及び公開買付者の考え方についてヒアリングを受け、2020年6月5日に対象者から、ファイナンシャル・アドバイザーによる財務的見地からの助言とそれに基づく協議に加え、直近株価及び一定期間の平均株価に対するプレミアム水準及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が出る前の株価水準等を総合的に勘案した結果、5月14日付提案における提案価格である2,200円は承服できず、本公開買付価格の引き上げを要請するとの回答を受けました。その後、時間の経過に伴い対象者の業績に対する新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が顕在化したことを受け、対象者において事業計画の更新の検討がなされ、2020年6月10日、伊藤忠商事及び公開買付者は対象者より新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を織り込んだ事業計画の提示を受けました。これを受け、伊藤忠商事及び公開買付者は、当該事業計画の妥当性及び実現可能性について改めて検証を行うとともに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が日商や来店客数等を通じて対象者の事業に及ぼす影響の度合いやそれが及ぶ期間等に係る伊藤忠商事及び公開買付者としての独自の見通しを事業計画の数値に反映いたしました。伊藤忠商事及び公開買付者は、それに基づいて改めて本公開買付価格の検討を行い、ファイナンシャル・アドバイザーからの対象者の価値評価に関するアドバイス及びそれに関する議論も踏まえて、2020年6月26日、本公開買付価格を2,300円とすることを対象者に対して提案(以下「6月26日付提案」といいます。)いたしました。なお、6月26日付提案においては、本公開買付けにおける買付予定数の下限を設定しないことを前提としておりました。
これに対して、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年6月26日、対象者から、引き続き本公開買付価格の引き上げの要請を受けるとともに、当時の伊藤忠商事及び公開買付者の提案は買付予定数の下限が付されていないものであったところ、一般株主の意向を可能な限り反映するために、買付予定数の下限を「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」の水準(100%から伊藤忠商事らの所有割合50.10%を減じた49.90%の半数である所有割合24.95%)に設定することについて要請を受けました。伊藤忠商事及び公開買付者は、かかる要請を受けて、2020年6月26日、対象者に対して、買付予定数の下限を50,114,060株(所有割合:9.90%)と設定することを提案し、2020年6月29日、買付予定数の下限を50,114,060株(所有割合:9.90%)と設定する根拠について説明いたしました。これに対して、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年6月30日、対象者から、当該下限の設定により、買収者と重要な利害関係を共通にしない株主の過半数が取引条件に満足しているかといういわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」の趣旨が反映されているといえるかに関して合理的に確信することができないとして、本公開買付価格の引き上げ及び買付予定数の下限を伊藤忠商事グループの所有割合を含めて3分の2を超える水準に設定することを要請され、本公開買付価格(2,300円)及び買付予定数の下限(50,114,060株)の下では、対象者として株主の皆様にスクイーズ・アウトの条件やその理由を合理的に説明することができないとして、対象者以外の者の請求又は要請なく、対象者が、株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを会社提案議案として付議する臨時株主総会を招集し、その他スクイーズ・アウトに必要な手続を実行することは難しい旨の連絡を受けました。その後も、伊藤忠商事及び公開買付者は対象者との間で協議・交渉を重ね、2020年7月2日、本公開買付価格及び買付予定数の下限を引き上げず、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者が会社法第180条に基づき対象者株式の株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会を招集することを、会社法第297条第1項に基づき、本公開買付けの決済の完了後速やかに対象者の取締役に請求し、本公開買付けの決済の開始日後の近接する日が本臨時株主総会の基準日となるように、基準日設定公告を行うことを要請することを最終的に提案(以下「最終提案」といいます。)いたしました。最終提案に対し、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年7月3日、対象者から、本取引により対象者が非公開化されることによって、対象者の企業価値が中長期的には向上すると考えているため本公開買付けに対しては賛同するが、2,300円という本公開買付価格は、東証一部における対象者株式の終値1,766円に対して30.24%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じとします。)、2020年7月7日から直近1ヶ月間(2020年6月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値1,908円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)に対し20.55%、同直近3ヶ月間(2020年4月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値1,878円に対して22.47%、同直近6ヶ月間(2020年1月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値2,068円に対し11.22%のプレミアムが付されており、対象者の一般株主に対し投資回収機会を提供する観点では、対象者株式の現在の市場価格に対して一定のプレミアムが付されていると考えられることから合理性を欠く水準にあるとはいえないものの、2010年以降に発表された非公開化を目的とした買付規模が500億円以上の他の公開買付けの事例におけるプレミアムの水準(平均値は、公表日の前営業日比36.9%、直近1ヶ月間の終値単純平均比39.2%、直近3ヶ月間の終値単純平均比39.0%、直近6ヶ月間の終値単純平均比36.8%)と比較し十分なプレミアムが付されているとは認められない等、対象者の一般株主の皆様に本公開買付けへの応募を積極的に推奨することができる水準には達していないとの結論に達したため、本公開買付けに応募することを推奨することの是非については中立の立場をとった上で、最終的に株主の皆様の判断に委ねるのが相当であると判断した旨の回答を得ました。そこで、伊藤忠商事及び公開買付者は、本取引を早急に実行する必要がある点を考慮しつつ、対象者による対象者の株主への応募推奨を得ていないものの、対象者も本取引による対象者の非公開化の意義に賛同している点を踏まえ、2020年7月8日開催の取締役会において、本公開買付けを含む本取引を実施することを決議いたしました。
従来、伊藤忠商事は「店舗オペレーションといった小売業の本質部分は商社の発想では難しい」という観点から、店舗オペレーションといった小売業の本質部分についてはファミリーマートという「小売業のプロフェッショナル」に任せ、経営の独立性を尊重する考え方を表明して参りました。この考え方は根本的には変わっておりませんが、昨今の対象者を含む国内コンビニエンスストア業界やEコマース等の小売業界全体におけるグローバルで非連続的な変化に対し、より多角的な観点で柔軟性と機動性を持ちつつ、時には人型AI技術や荷物受け取りロッカー等を対象者の16,500店舗に導入する等の対象者の連結純利益に相当する規模の先行投資を行うといった痛みも伴う変革にも躊躇なく対応できるよう、本公開買付けによる対象者の非公開化を実施することにより対象者の経営により深くコミットして参ります。また、財務指標等に関しては、全社ベース・ターゲットを遵守して管理していくとともに、グループ事業ポートフォリオの最適化と対象者を中心とした生活消費事業のデジタルトランスフォーメーションに資する事業再編・資本政策等も検討して参ります。
(ⅱ)対象者における意思決定の過程及び理由
対象者開示によれば、我が国の小売業界においては、総人口の減少による市場規模の縮小、Eコマースの市場規模の拡大やドラッグストア等他業態との垣根の喪失による業態を超えた競争環境の激化、消費者の低価格志向の継続、店舗や物流における人手不足等の厳しい経営環境に加え、消費者ニーズの多様化や選別消費の傾向が一層進んでおり、対象者を取り巻く環境は厳しさを増しているとのことです。このような状況において、対象者は、既存店の質の向上を図るとともに、リアルの店舗網を活かして、店舗売上以外の新たな成長戦略の実行及び既存のビジネスモデルの転換を経営課題として認識していたとのことです。
そのような中、前記「(ⅰ)本公開買付けの背景及び理由」に記載のとおり、対象者は、2020年2月上旬、伊藤忠商事から、対象者の非公開化のための本取引に関する検討を開始したい旨の初期的な打診を受けたとのことです。これを受けて、対象者は、対象者が伊藤忠商事の連結子会社であり、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、対象者の法務アドバイザーである森・濱田松本法律事務所の助言を踏まえ、直ちに、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象者の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討・交渉等を行う体制の構築を開始したとのことです。
具体的には、対象者は、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり特別委員会の設置に向けた準備を進めた上で、2020年2月17日に伊藤忠商事から初期的提案書を受領した直後の同月19日付の対象者取締役会の書面決議により、対象者の社外取締役である伊澤正氏、髙岡美佳氏、関根近子氏の3名から構成される特別委員会(当該特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容等については、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置」をご参照ください。)を設置し、特別委員会に対し、①(a)対象者の企業価値の向上に資するかという観点から、本取引の是非について検討・判断するとともに、(b)対象者の一般株主の皆様の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性について検討・判断した上で、本公開買付けについて対象者取締役会が賛同するべきか否か、及び、対象者の一般株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否かを検討し、対象者取締役会に勧告を行うこと、並びに、②対象者取締役会における本取引についての決定が、対象者の少数株主の皆様にとって不利益なものでないかを検討し、対象者取締役会に意見を述べること(以下①と②を合わせて「本諮問事項」といいます。)を諮問し、これらの点についての意見を対象者に提出することを委嘱したとのことです。また、対象者取締役会は、対象者取締役会における本公開買付けに関する意思決定については、本公開買付けへの賛否を含め、特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、及び特別委員会が取引条件につき妥当でないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しないこととすることを決議するとともに、特別委員会に対し、取引条件等について必要に応じて公開買付者と交渉を行うこと、本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、自らの財務若しくは法務等のアドバイザーを選任すること(この場合の費用は対象者が負担するものとされているとのことです。)、並びに対象者の役職員から本公開買付けの検討及び判断に必要な情報を受領することについて権限を付与することを決議しているとのことです。なお、特別委員会は、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、前記の権限に基づき、独自の法務アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を、独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関としてPwCアドバイザリー合同会社(以下「PwC」といいます。)を、それぞれ選任したとのことです。
また、対象者は、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、特別委員会において、対象者の法務アドバイザーである森・濱田松本法律事務所及び対象者のファイナンシャル・アドバイザーであるメリルリンチ日本証券株式会社(以下「メリルリンチ日本証券」といいます。)について、伊藤忠商事、公開買付者、対象者、全農及び農中並びに東京センチュリーからの独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けているとのことです。
さらに、対象者は、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑥ 対象者における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、伊藤忠商事、公開買付者、対象者、全農及び農中並びに東京センチュリーから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を対象者の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性の観点から問題がないことについて特別委員会の承認を得ているとのことです。
その上で、対象者は、森・濱田松本法律事務所から本取引における手続の公正性を担保するための対応を含むガイダンスその他法的助言を受けるとともに、メリルリンチ日本証券から対象者株式の価値算定結果に関する株式価値算定書の提供その他の財務的見地からの助言を受け、これらを踏まえ、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に協議及び検討を行ったとのことです。
また、対象者は、2020年3月2日、伊藤忠商事より、本公開買付価格を2,600円とすることを含む3月2日付正式提案を受領し、それ以降、伊藤忠商事との間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件についても継続的に協議及び交渉を行ったとのことです。
もっとも、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、対象者の株価を含む市場株価が急激に騰落し、また対象者の2021年2月期の業績見通しも不透明となったため、伊藤忠商事及び公開買付者より、2020年3月28日に本公開買付価格を2,000円程度とする旨の提案を受領したとのことです。それに対し、対象者は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による株価の騰落は一時的なものである可能性もあり、そのような提案は承服できないとして、提案内容の再検討を要請したとのことです。その後も、対象者並びに伊藤忠商事及び公開買付者の間で協議を重ねた結果、2020年4月3日、新型コロナウイルス感染症が対象者の事業に与える影響等が判明した段階で再度本取引に関する検討・交渉を再開することとしたとのことです。その後、緊急事態宣言発出後1か月が経過し、同宣言の解除の見通しが示され、新型コロナウイルス感染症の対象者の事業に与える影響も一定程度判明してきたため、2020年5月中旬、対象者は、伊藤忠商事及び公開買付者との検討・交渉を再開したとのことです。
対象者は、伊藤忠商事及び公開買付者より、2020年5月14日に本公開買付価格を2,200円とする旨の5月14日付提案を受領し、それ以降、伊藤忠商事及び公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件についても継続的に協議及び交渉を行ったとのことです。具体的には、2020年6月5日、対象者は、伊藤忠商事及び公開買付者に対し、ファイナンシャル・アドバイザーによる財務的見地からの助言とそれに基づく協議に加え、直近株価及び一定期間の平均株価に対するプレミアム水準及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が出る前の株価水準等を総合的に勘案した結果、5月14日付提案における提案価格である2,200円は承服できず本公開買付価格を引き上げるよう要請するとともに、2020年6月10日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を織り込んだ事業計画を提示したとのことです。その後、2020年6月26日、対象者は、伊藤忠商事及び公開買付者から本公開買付価格を2,300円とする旨の6月26日付提案を受領したとのことです。対象者は6月26日付提案に対し、本公開買付価格の引き上げ及び「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」の水準(100%から伊藤忠商事らの所有割合50.10%を減じた49.90%の半数である所有割合24.95%)となる買付予定数の下限の設定を要請し、交渉を重ねましたが、2020年7月2日、伊藤忠商事及び公開買付者から本公開買付価格を引き上げることは難しい旨及び買付予定数の下限を50,114,060株(所有割合:9.90%)とする旨の最終提案を受領したとのことです。
以上のとおり、対象者としては、対象者から独立したリーガル・アドバイザー及びファイナンシャル・アドバイザーの助言を受け、特別委員会からも継続的に助言を受ける等意思決定の公正性及び透明性を確保した上で、伊藤忠商事から本取引の提案を受けて以来本公開買付価格の引き上げを一貫して要請するとともに、本公開買付けの買付予定数の下限を合理的な株式数とするよう、伊藤忠商事及び公開買付者の6月26日付提案において本公開買付けにおいて買付予定数の下限を設定しないことが前提とされていたのに対して、一般株主の意向を可能な限り反映するため買付予定数の下限を「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」の水準(100%から伊藤忠商事らの所有割合50.10%を減じた49.90%の半数である所有割合24.95%)に設定することを要請し、かかる要請を受けて、伊藤忠商事及び公開買付者から買付予定数の下限を50,114,060株(所有割合:9.90%)と設定するとの提案を受けたのに対して、2020年6月30日、当該下限の設定により、買収者と重要な利害関係を共通にしない株主の過半数が取引条件に満足しているかといういわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」の趣旨が反映されているといえるかに関して合理的に確信することができないとして、買付予定数の下限を伊藤忠商事グループの所有割合を含めて3分の2を超える水準に設定することを要請しており、対象者の一般株主の利益のために継続的に交渉を続けたとのことですが、最終提案を受け、本取引により対象者の企業価値の向上が見込まれるという意味において本公開買付けに賛同する旨の意見を表明する一方で、本公開買付価格及び本公開買付けの買付予定数の下限の株式数を勘案し、対象者株式の現在の市場価格に対して一定のプレミアムが付されていると考えており、対象者の一般株主に対し投資回収機会を提供する観点で合理性を欠く水準にあるとはいえないものの、2010年以降に発表された非公開化を目的とした買付規模が500億円以上の他の公開買付けの事例におけるプレミアムの水準(平均値は、公表日の前営業日比36.9%、直近1ヶ月間の終値単純平均比39.2%、直近3ヶ月間の終値単純平均比39.0%、直近6ヶ月間の終値単純平均比36.8%)と比較し十分なプレミアムが付されているとは認められない等、対象者の一般株主の皆様に本公開買付けへの応募を積極的に推奨することができる水準には達していないとの結論に達したため、本公開買付けに応募することを推奨することの是非については中立の立場をとった上で、最終的に株主の皆様の判断に委ねる旨判断したとのことです(交渉経緯の詳細については、前記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅰ)本公開買付けの背景及び理由」をご参照ください。)。
以上の検討・交渉過程において、対象者は、随時、特別委員会に対して報告を行い、必要に応じて特別委員会の承認を得ているとのことです。具体的には、まず、本取引に係る交渉方針について、特別委員会に対して事前に説明を行い、特別委員会の承認を受けているとのことです。また、公開買付者に対して提示し、また、メリルリンチ日本証券及びPwCが対象者株式の価値算定において基礎とする事業計画案を対象者が作成するにあたり、事前に作成方針について特別委員会に対して説明を行い、また、その作成過程においても、特別委員会に対して複数回、作成中の事業計画案の内容、重要な前提条件及び進捗状況等について説明を行うとともに、最終的な事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について特別委員会の確認を受け、特別委員会の承認を受けているとのことです。さらに、伊藤忠商事及び公開買付者より本公開買付価格についての提案や本公開買付けの条件についての提案を受領した際には、その都度、特別委員会に対して報告を行い、対応方針及び伊藤忠商事及び公開買付者との交渉方針等について特別委員会の指示や要請を受け、これに従って対応を行っているとのことです。
そして、対象者は、2020年7月8日、特別委員会から、①対象者取締役会は、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、本公開買付けに応募するか否かは対象者の株主の判断に委ねる旨の意見を表明することが妥当であると考えられる旨、②(a)対象者取締役会が、本公開買付けに賛同するとともに、本公開買付けに応募するか否かは対象者の株主の判断に委ねる旨の意見を決定することは、対象者の一般株主にとって不利益なものではないと考えられる旨、及び(b)対象者取締役会が、本取引において予定されている方法によることを前提に、本公開買付け成立後の株式併合による対象者の非公開化についての決定することは、対象者の一般株主にとって不利益ではないと考えられる旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けたとのことです(本答申書の概要については、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置」をご参照ください。)。なお、対象者は、本答申書と併せて、特別委員会から、特別委員会が2020年7月7日付でPwCから提出を受けた対象者株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(PwC)」といいます。)の提出も受けたとのことです(本株式価値算定書(PwC)の概要については、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑤ 特別委員会における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。)。
以上の経緯の下で、対象者は、2020年7月8日開催の対象者取締役会において、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言、メリルリンチ日本証券から受けた財務的見地からの助言及び同日付で提出を受けた対象者株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)」といいます。)の内容、並びに特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(PwC)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行ったとのことです。
その結果、前記「(ⅰ)本公開買付けの背景及び理由」に記載のとおり、対象者としても、本取引による非公開化により、対象者及びその子会社24社、関連会社及び共同支配企業20社の計44社(2020年2月29日現在)から成る企業グループ(以下「対象者グループ」といいます。)とその他伊藤忠商事グループ各社やその緊密関係先との間の密な連携・協働や外部ネットワークの相互乗り入れ等を円滑かつ効率的に実施することが可能になり、市場環境が急激に変化し業態を超えた競争が激化している小売業界において、従来のバリューチェーンに変革をもたらす新しいビジネスモデルへの転換を追求することにより、対象者グループ、対象者グループを含めた伊藤忠商事グループ全体の双方について、さらなる企業価値の向上が可能になるものとの結論に至ったとのことです。
具体的には、対象者は、本取引の結果、対象者が非公開化されることにより、これまで以上に伊藤忠商事グループと対象者のそれぞれの経営資源等の相互活用を一層促進するとともに、伊藤忠商事グループ一体となって迅速に意思決定を進めていくことが可能になると説明を受けており、これにより、社会問題化しつつある24時間営業問題、深刻な人手不足問題、フードロス問題等課題のひとつひとつに真摯に向き合い解決を図ることが可能となり、また、従来のバリューチェーン全体を見直し再構築することで、対象者の既存のビジネスモデルをより高効率で収益性の高いものへと進化させることができると考えているとのことです。
また、対象者は、Eコマースの台頭、コンビニエンスストア市場の飽和等が謳われている中、約16,500店舗に日々約1,500万人もの消費者が訪れる消費者接点の強みに改めて着目し、対象者のビジネスモデルを再定義することで、リアルとデジタルの融合による新たなビジネスモデルを創出できると考えているとのことです。具体的には、対象者は、伊藤忠商事のネットワークの中から世界中の先進的次世代技術を積極的に取り入れた検証を絶えず繰り返すことで、店舗既存業務のさらなる合理化・効率化を図り加盟店負担を軽減しつつ、消費者により利便性の高いサービスの提供を目指すとのことです。また、対象者は、リアル店舗の強みと、デジタルプラットフォーマーが得意とするデジタルの汎用性を融合すべく、将来的には国内外の戦略パートナーと対象者を含む「デジタルJV」を組成することで、従来の物販・サービスという枠に捉われない新たな付加価値を創造し、小売業界における従来の労働集約型ビジネスモデルからの大胆な転換を図っていく構想も検討する予定としているとのことです。
さらに、対象者ではこれまで日本におけるコンビニエンスストア事業の成功体験を海外へ横展開することで、人口減により市場の伸びに限界を迎えつつある国内から、海外へと成長の軸足を移そうと試みていたとのことです。しかしながら、中国に代表されるように、海外の小売業態は日本とは全く異なった独自の進化を遂げているとのことです。具体的には、アリババに代表されるインターネットを駆使したプラットフォーマーの出現により、コンビニエンスストアに代表される近代的小売業態が普及するよりも遥かに早いスピードで、消費者はどこに住んでいてもリアル店舗に足を運ぶことなく商品を手にすることが出来るようになったとのことです。こうした実情に鑑み、従来の発想や常識に捉われず、国ごとの小売市場の成長過程に即してその国に適応するモデルを構築し導入する必要があるとのことです。その実現のために、対象者は、その経営資源やノウハウに加えて伊藤忠商事グループのネットワークの中から、小売といった枠組みに縛られずデジタルや新技術といった領域で強みを発揮するパートナーとも提携していくことが不可欠になってくるものと考えているとのことです。具体的には、伊藤忠商事の戦略提携先である海外パートナーを通じ、次の成長市場とそこにおける成長の鍵となるテクノロジーを見極め、各国においてそれぞれに適切なパートナーと提携することにより、海外での事業展開を対象者の新たな成長のドライバーとすることが可能となると考えているとのことです。
対象者は、対象者が置かれた厳しい競争環境の中で、対象者の中長期的な企業価値の向上を図るためには、前記の各施策を早期に実施することが必要であると考えているものの、前記の各施策の早期の実施のためには投資を先行する必要が生じるため、短期的には対象者の業績が悪化する可能性があるとのことです。もっとも、対象者が上場している間は、対象者の株主の皆様の利益を追求する必要があることから、そのような可能性のある投資を同時にかつ迅速に実行することは難しい状況にあるとのことです。
また、対象者は、前記の各施策を含めた対象者の中長期的な企業価値の向上のための施策を実施するには、今まで以上に伊藤忠商事グループの経営資源を投入してもらうとともに、伊藤忠商事グループ全体として機動的な経営施策を実行していく必要があると考えているものの、前記のとおり、伊藤忠商事より対象者が上場している間は、対象者の情報の取得や経営資源の投入に一定の制約が生じるとの説明を受けているとのことです。したがって、伊藤忠商事グループの経営資源の投入、また、全体としての機動的な経営施策の実行により、対象者の企業価値を中長期的に向上させるためには、本取引を実施することにより、対象者が非公開化されることが必要であると考えているとのことです。なお、対象者は、現時点において、全農及び農中並びに東京センチュリーとの間で、本取引後の対象者の在り方に対する協議・検討を行っていないとのことですが、伊藤忠商事より受けている説明を前提とすれば、全農及び農中による①商品供給、②地域活性及び③海外戦略における各施策の実行を受けることは、対象者の企業価値の向上につながるものと考えており、また、東京センチュリーとの間でリースしている店舗付帯設備を全体的に管理、運用を行うことができる仕組みが構築され、コスト削減が図られることは、同様に対象者の企業価値の向上につながるものと考えているとのことです。また、対象者は、本公開買付けには本公開買付け後の公開買付者及び伊藤忠商事の所有割合が60%となる買付予定数の下限が付されており、本公開買付けが成立しても非公開化が行われない可能性があるものの、伊藤忠商事が対象者の親会社となって以降に開催された2019年2月期及び2020年2月期の対象者の株主総会における議決権行使比率が、それぞれ91.85%及び93.67%であることを勘案すれば、所有割合が60%であっても実質的に出席株主の3分の2に近い議決権を保有しており、また、本公開買付けに応募しなかった株主が賛成の議決権行使をすることもあり得る(例えば、伊藤忠商事は、東証上場ETFや東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンドは公開買付けに応募せずとも株式併合に係る株主総会議案には賛成する可能性があると見込んでいる。)ことを勘案すると、株式併合が可決されず、非公開化が行われない可能性は高くないと考えているとのことです。なお、上記株式併合が可決されず、非公開化が行われない場合であっても、引き続き親会社である伊藤忠商事との間で対象者の企業価値の向上に向けた施策を、両社が独立した上場会社として実行可能な範囲で講じていく所存であるとのことです。
前記のとおり、対象者は、本取引により対象者が非公開化されることによって、対象者の企業価値が中長期的には向上すると考えているとのことですが、他方、本公開買付価格である1株当たり2,300円は、(ⅰ)メリルリンチ日本証券から取得した本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の算定結果のレンジに入っており、また、(ⅱ)本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2020年7月7日の東証一部における対象者株式の終値1,766円に対して30.24%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じとします。)、2020年7月7日から直近1ヶ月間(2020年6月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値1,908円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)に対し20.55%、同直近3ヶ月間(2020年4月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値1,878円に対し22.47%、同直近6ヶ月間(2020年1月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値2,068円に対し11.22%のプレミアムが加算されたものであり、対象者の一般株主に対し投資回収機会を提供する観点では対象者株式の現在の市場価格に対して一定のプレミアムが付されていると考えられることから合理性を欠く水準にあるとはいえないものの、(ⅲ)2010年以降に発表された非公開化を目的とした買付規模が500億円以上の他の公開買付けの事例におけるプレミアムの水準(平均値は、公表日の前営業日比36.9%、直近1ヶ月間の終値単純平均比39.2%、直近3ヶ月間の終値単純平均比39.0%、直近6ヶ月間の終値単純平均比36.8%)と比較し十分なプレミアムが付されているとは認められず、特別委員会の第三者評価機関であるPwCから取得した本株式価値算定書(PwC)に基づくPwCによる対象者株式の価値算定結果のうち、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー方式(以下「DCF方式」といいます。)による算定結果のレンジの下限である2,472円を上回っていないため、対象者の一般株主の皆様に本公開買付けへの応募を積極的に推奨することができる水準には達していないとの結論に達し、本公開買付けに応募することを推奨することの是非については中立の立場をとった上で、最終的に株主の皆様の判断に委ねるのが相当であると判断したとのことです。
以上より、対象者は、本取引が対象者の企業価値の向上に資するものであると判断し、2020年7月8日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、本公開買付けに応募するか否かについては、株主の皆様のご判断に委ねる旨を決議を行ったとのことです。
当該取締役会の意思決定過程の詳細については、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑦ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
② 本公開買付け後の経営方針
伊藤忠商事は従前より伊藤忠商事の強みである非資源分野、特に生活消費分野の強化に取り組んで参りました。2020年度経営計画においても、「強みのある分野でのタイミングを捉えた戦略的投資と着実な資産入替の実行」を掲げ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、経済及び経営環境が激変し先が見通しづらい状況下においても、将来の成長戦略に資する分野及び事業には競合他社に先駆けて、迅速に施策を実行していく所存です。
伊藤忠商事グループにおいて、対象者の事業はその中でも中核をなす事業であり、本公開買付け後においてその重要性は高まりますが、伊藤忠商事は、基本的に対象者の現状の経営体制を尊重する方針です。本書提出日現在、対象者の取締役12名のうち伊藤忠商事出身の取締役が4名おりますが、伊藤忠商事は、伊藤忠商事のグループ経営に関する管理規程に則り、対象者の経営執行の自主性を尊重しつつ、伊藤忠商事グループとして、対象者の事業を支援して参ります。なお、非公開化後の具体的な体制は決まっていないものの、現状の経営体制を尊重する前提で協議を行い、決定する方針です。また、現時点では、戦略パートナーである全農及び農中並びに東京センチュリーから対象者に役員を派遣する予定はありません。
具体的な方法は現在検討中ですが、伊藤忠商事及び公開買付者並びに対象者は、以下の事項について合意しております。
ⅰ 地域に根差した店舗づくりとサプライチェーン最適化による収益力強化
ⅱ デジタルトランスフォーメーションの推進による新たな収益の具現化
ⅲ 海外戦略の再構築による新たな市場開拓
また、伊藤忠商事は、全農及び農中との間で、非公開化後の対象者における経営方針について協議しており、伊藤忠商事グループ、全農及び農中並びに対象者の協力により、①商品供給、②地域活性及び③海外戦略の面において対象者とのシナジー創出が可能と考えております。伊藤忠商事並びに全農及び農中は、現時点において、①全農及び農中が持つ国内の生産基盤を活かした対象者店舗での産直農産品の販売及び中食原材料の供給、②金融等のJAサービス業務と対象者の店舗サービスを組み合わせた相互送客、並びに③対象者の海外店舗網を活用した全農及び農中の国産農畜産物の輸出促進等をシナジー創出のための施策として想定しており、これらの取り組みは、対象者とフランチャイズ契約を結んでいる加盟店に対する政策発表会や対象者のホームページ等において「地域異常密着」を掲げる対象者と方向性が一致しているものと考えております。なお、後記「(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本基本契約」に記載のとおり、本取引後、伊藤忠商事、全農及び農中並びに対象者で具体的な内容に関して協議の上、伊藤忠商事、全農及び農中並びに対象者との間でシナジー創出のための施策に関する契約(以下「本業務提携契約」といいます。)を締結する意向を伊藤忠商事並びに全農及び農中は有しております。
さらに、伊藤忠商事は、東京センチュリーとの間で、非公開化後の対象者における経営方針について協議しており、東京センチュリーと対象者との間の既存の取引関係の効率化や、東京センチュリーの多岐にわたる事業領域と金融の枠を超えたクリエイティブな発想を持つ多様なサービスの活用により対象者がリースしている店舗付帯設備を全体的に管理、運用を行うことができる仕組みを構築し、店舗ごとの設備の最適配分を図りコスト削減につなげる等対象者のビジネスモデルの転換を推進し、対象者とのシナジー創出が可能と考えております。
なお、全農及び農中並びに東京センチュリーはいずれも、対象者の非公開化後において、対象者の経営そのものには直接関与しない旨表明しており、対象者の株主として契約上の拒否権も有しません。
公開買付者は、本公開買付けの成立後に、後記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の一連の手続を実施することにより、対象者の株主を伊藤忠商事及び公開買付者のみとすることを予定しておりますが、かかる手続の完了後、全農及び農中と対象者、東京センチュリーと対象者の関係性を強化すべく、以下の各取引を実行する予定です。以下の各取引のいずれもが実行された場合、伊藤忠商事及び公開買付者、全農及び農中並びに東京センチュリーがそれぞれ所有する対象者株式の割合は、約94.70%、4.90%、約0.40%となる予定です。
Ⅰ.全農・農中株式譲渡
本基本契約に従い、対象者の非公開化後、公開買付者から、全農及び農中に対し、合計で、当該時点における対象者株式の総数の4.90%に相当する数の対象者株式を約570億円で譲渡する予定です(全農・農中株式譲渡)。当該譲渡の対価は、本書提出日現在の対象者株式1株当たりに換算すると、対象者株式24,799,296株(所有割合:4.90%)に本公開買付価格を乗じた額となり、また、全農及び農中は、当該対価以外に、本取引のために必要な実費のうち全農及び農中にて負担する金額として伊藤忠商事並びに全農及び農中との間で別途合意する金額を負担いたします。
また、本基本契約において、全農及び農中が譲り受ける対象者株式の内訳は、全農及び農中が決定し(なお、全農及び農中のいずれかが譲り受ける対象者株式数がゼロとならないように決定されます。)、伊藤忠商事に対して通知することとされております。全農は、2020年7月29日、総代会を開催し、本基本契約に基づき全農が公開買付者から譲り受ける対象者株式に係る譲渡対価の額を100億円とする旨の決議を行い、全農及び農中は、2020年7月29日、本基本契約に基づき、全農及び農中が譲り受ける対象者株式の内訳を、全農が0.86%(譲受け時点における対象者株式の総数に対する割合)、農中が4.04%(譲受け時点における対象者株式の総数に対する割合)とする旨を伊藤忠商事に対して通知いたしました。その結果、全農及び農中は、本基本契約に基づき、対象者の非公開化後、公開買付者から、それぞれ、全農が、当該時点における対象者株式の総数の0.86%に相当する数の対象者株式(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、4,347,826株(所有割合:0.86%))を、農中が、当該時点における対象者株式の総数の4.04%に相当する数の対象者株式(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、20,451,470株(所有割合:4.04%))を譲り受ける予定です。なお、全農及び農中が当該譲受けに関して支払う対価の額は、それぞれ9,999,999,800円及び47,038,381,000円であり(本書提出日現在の対象者株式の数に換算すると、1株当たり2,300円)、また、全農及び農中は、当該対価以外に、本取引のために必要な実費のうち全農及び農中にて負担する金額として伊藤忠商事並びに全農及び農中の間で別途合意する金額を負担いたします。
なお、本基本契約の詳細は後記「(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本基本契約」を、全農及び農中に関する、(ⅰ)各者の状況(継続開示会社たる各者に関する事項)、(ⅱ)公開買付者との関係、(ⅲ)譲受けの目的、及び(ⅳ)本書提出日現在において所有する対象者株式の数については、後記「(7)その他」を、それぞれご参照ください。
Ⅱ.東京センチュリー直接所有化取引
伊藤忠商事及び東京センチュリー間で締結している2020年3月31日付社員間契約書(以下「本社員間契約」といいます。)に従い、対象者の非公開化後、伊藤忠商事及び東京センチュリーは、東京センチュリーが、当該時点において所有する公開買付者の持分に代えて、当該時点における対象者株式の総数の約0.40%に相当する数の対象者株式を取得するための取引を実行する予定です(東京センチュリー直接所有化取引)。当該取得のために東京センチュリーが支出する金額は、本書提出日現在の対象者株式1株当たりに換算すると、(ⅰ)本公開買付価格に、(ⅱ)(a)「8 買付け等に要する資金」の「(1)買付け等に要する資金等」の「買付手数料」に記載の額とその他の本取引のために必要な費用として伊藤忠商事と東京センチュリーとの間で別途合意する額を本公開買付けにおける買付予定数(252,557,288株)で除した額に、(b)東京センチュリー直接所有化取引によって、東京センチュリーが取得することとなる対象者株式数の対象者株式総数に対する割合である約0.40%を乗じた額を加えた合計額となります。
なお、本社員間契約の詳細は後記「(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本社員間契約」を、東京センチュリーに関する、(ⅰ)各者の状況(継続開示会社たる各者に関する事項)、(ⅱ)公開買付者との関係、(ⅲ)譲受けの目的、及び(ⅳ)本書提出日現在において所有する対象者株式の数については、後記「(7)その他」を、それぞれご参照ください。
(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
① 本基本契約
伊藤忠商事は、全農及び農中との間で、本取引及び全農・農中株式譲渡に関し、本基本契約を締結しております。
本基本契約において、伊藤忠商事並びに全農及び農中は、(1)農中が公開買付者に対し、本農中融資契約に従い、融資を実行すること(以下「本農中融資」といいます。)(2)本取引後、伊藤忠商事、全農及び農中並びに対象者で具体的な内容に関して協議の上、伊藤忠商事、全農及び農中並びに対象者間で本業務提携契約を締結すること、(3)①伊藤忠商事並びに全農及び農中と対象者との間で本業務提携契約が締結されていること、②本農中融資が完済されることが合理的に見込まれていること等を条件として、全農・農中株式譲渡を実行すること、及び(4)全農及び農中は、伊藤忠商事の承認を得ない限り、第三者に対して、その所有する対象者株式の譲渡その他一切の処分を行うことができないことについて合意しております。
② 本社員間契約
伊藤忠商事は、東京センチュリーとの間で、本社員間契約を締結し、本取引及び東京センチュリー直接所有化取引を実施すること、東京センチュリー直接所有化取引の完了までの間、公開買付者が同取引に不必要な利益配当を行わないことを合意しております。
なお、本社員間契約において、伊藤忠商事及び東京センチュリーは、東京センチュリーが所有する対象者株式について、本公開買付けへの応募又は不応募について合意しておりませんが、公開買付者は、東京センチュリーから、東京センチュリーが所有する対象者株式について、本公開買付けへ応募する旨の表明を受けております。
③ 本出資払戻契約
伊藤忠商事は、IRIとの間で、2020年7月8日、本出資払戻契約を締結し、当該契約に基づき、出資の払戻しの時点(2020年7月21日)における伊藤忠商事の出資の価額120,001百万円を119,970百万円減少させることにより31百万円に減少させ、IRIから伊藤忠商事に対して、対象者株式43,521,600株を交付することを合意しております。当該契約に基づき、2020年7月21日、IRIは伊藤忠商事に対して、対象者株式43,521,600株を交付いたしましたが、IRIから当該交付を受けることに対して、伊藤忠商事はIRIに対していかなる対価も支払っておりません。なお、合同会社が出資の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額は、会社法上、剰余金額又は出資の価額の減少額のいずれか少ない額を超えてはならないものとされているため、IRIは対象者株式43,521,600株の伊藤忠商事への交付に際して、当該株式の帳簿価額以上の金額に相当する額について伊藤忠商事の出資の価額を減少させる必要があることを踏まえ、IRIは出資の払戻しの時点(2020年7月21日)における伊藤忠商事の出資の価額120,001百万円を119,970百万円減少させることにより、31百万円に減少させました。かかる伊藤忠商事の出資の価額の減少額(119,970百万円)は、上記の会社法上の規制を踏まえて、IRIが所有する対象者株式43,521,600株の同社における2020年7月8日現在の帳簿価額と同額としているものであり、本書提出日現在における対象者株式の価値を勘案して決定された額ではなく、本公開買付価格とは無関係です。なお、この出資の価額の減少額をIRIから伊藤忠商事に対して交付された対象者株式43,521,600株で除した金額は、2,756.56円(小数点以下第三位を四捨五入。)ですが、そもそも出資の価額は、伊藤忠商事がIRIに過去に払い込んだ金銭等の額を意味する数値に過ぎず、当該数値を減少させることは、伊藤忠商事がIRIに対して何らかの財産的価値を交付したことを意味せず、伊藤忠商事がIRIに対する何らかの財産的価値を放棄したことも意味しません。IRIの社員は伊藤忠商事のみであるため、上記の出資の価額の減少によって、伊藤忠商事のIRIに対する持分割合が減少することもありません。このように、出資の価額の減少額は、対象者株式43,521,600株の交付を受けることの対価として伊藤忠商事がIRIに対して交付する財産的価値を意味するものではなく、上記の会社法上の規制を遵守するために決定される数値に過ぎないため、出資の価額の減少額をIRIから伊藤忠商事に対して交付された対象者株式43,521,600株で除した金額が本公開買付価格と合致しないことは、公開買付価格の均一性の趣旨(法第27条の2第3項)に反するものではありません。
(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
対象者は、公開買付者の親会社である伊藤忠商事の連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置として、以下の措置を実施しております。
なお、以下の記載のうち、対象者において実施した措置については、対象者から受けた説明に基づくものです。
① 伊藤忠商事における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得
② 対象者における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得
③ 対象者における独立した特別委員会の設置
④ 対象者における独立した法務アドバイザーからの助言の取得
⑤ 特別委員会における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得
⑥ 対象者における独立した検討体制の構築
⑦ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
⑧ 対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
以上の詳細については、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、前記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにおいて伊藤忠商事及び公開買付者らが、対象者株式の全てを取得できなかった場合には、本公開買付け成立後、以下の方法により、対象者株式の全ての取得を目的とした手続を実施することを予定しております。
対象者は、本公開買付けの本公開買付価格及び買付予定数の下限の下では、対象者として株主の皆様にスクイーズ・アウトの条件やその理由を合理的に説明することができないため、対象者以外の者の請求又は要請なく、株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを会社提案議案として付議する臨時株主総会を招集することその他スクイーズ・アウトに必要な手続を行わないこととしているとのことです。本公開買付けの成立後、公開買付者は、会社法第180条に基づき対象者株式の株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会を招集することを、会社法第297条第1項に基づき、本公開買付けの決済の完了後速やかに対象者の取締役に請求する予定です。また、公開買付者は、かかる請求の後遅滞なく招集の手続が行われると見込まれない場合には、会社法第297条第4項第1号に基づき、株主総会の招集の許可を得るため裁判所に対して申立てを行う予定です。さらに、公開買付者は、対象者の企業価値の向上の観点から、本臨時株主総会を可能な限り早期に開催することが望ましいと考えており、本公開買付けの決済の開始日後の近接する日が本臨時株主総会の基準日となるように、基準日設定公告を行うことを要請する予定です。公開買付者は、本公開買付け後に伊藤忠商事及び公開買付者が所有する対象者の議決権が対象者の総議決権の3分の2を下回る場合であっても、これらの請求及び要請を行うことを予定しております。これに対し、対象者は、本公開買付けの公開買付価格及び買付予定数の下限の下では、対象者として株主の皆様にスクイーズ・アウトの条件やその理由を合理的に説明することができないため対象者主導でのスクイーズ・アウト手続の実行は行わないこととしているとのことです。一方で、対象者は本取引の実施が対象者の企業価値の向上に資するものと考えていること、本臨時株主総会の招集を裁判所の決定に委ねる場合には時間と費用を要するためかえって対象者の一般株主の利益に反するおそれがあることから、本公開買付けが成立し、本公開買付け後に公開買付者より前記請求及び要請を受けた場合、本公開買付けの成立後速やかに株主に判断機会を提供するという観点から、公開買付者からの本臨時株主総会の招集請求及び株式併合議案の株主提案に応じて本臨時株主総会の招集の手続を実施することを予定しているとのことです。なお、伊藤忠商事及び公開買付者は、本臨時株主総会において前記各議案に賛成する予定です。
本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、対象者の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の対象者株式を所有することとなります。株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、対象者の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じとします。)に相当する対象者株式を対象者又は伊藤忠商事若しくは公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。公開買付者は、当該端数の合計数に相当する対象者株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう設定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを対象者に要請する予定です。また、対象者株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、伊藤忠商事及び公開買付者の全部又は一部のみが対象者株式の全て(対象者が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(伊藤忠商事及び公開買付者並びに対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となるように決定される予定です。
株式併合がなされた場合であって、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、対象者の株主は、対象者に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められております。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における対象者の一般株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。
前記の手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況等によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、伊藤忠商事及び公開買付者は、本公開買付け後、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(伊藤忠商事及び公開買付者並びに対象者を除きます。)に対して、最終的に金銭を交付する方法が採用されるよう対応する予定であり、その場合に当該対象者の株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該対象者の株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定するよう対応する予定です。もっとも、株式併合についての株式買取請求に関する価格の決定の申立てがなされた場合において、株式買取請求に関する価格は、最終的に裁判所が判断することになります。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、対象者と協議の上、公開買付者によって決定次第、公開買付者若しくは伊藤忠商事又は対象者が速やかに公表する予定です。なお、本公開買付けへの応募又は前記の各手続における税務上の取扱いについては、対象者の一般株主の皆様が自らの責任にて税務専門家にご確認ください。
なお、本臨時株主総会において株式併合の議案が否決された場合でも、伊藤忠商事としては、再度対象者に対する公開買付けを実施する、対象者株式を引き受ける等何らかの形で引き続き対象者の非公開化の可能性を目指す意向はございますが、対象者株式の追加取得等を進めるか否か及び進める場合の具体的な方法は、本公開買付けにおける応募状況やその後の市場株価の動向、本臨時株主総会における株式併合の議案への賛否の程度、改めて対象者の賛同を得ることができるか等を勘案の上、検討していくこととなるものと考えており、現時点においては、伊藤忠商事及び公開買付者が対象者株式を追加で取得する具体的な予定はありません。
(6)上場廃止となる見込み及びその事由
対象者株式は、本書提出日現在、東証一部に上場されていますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付けを行う株券等の数に上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従って、対象者株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、前記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の手続を実行することとなった場合には、上場廃止基準に該当し、対象者株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、対象者株式を東京証券取引所において取引することができなくなります。
(7)その他
前記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 本公開買付け後の経営方針」の「Ⅰ.全農・農中株式譲渡」及び「Ⅱ.東京センチュリー直接所有化取引」に記載のとおり、公開買付者は、対象者の非公開化後、全農及び農中に対し、対象者株式の譲渡を行い、また、東京センチュリーが対象者株式を所有することとなる取引を行うことを予定しておりますが、全農及び農中並びに東京センチュリーに関する、(ⅰ)各者の状況(継続開示会社たる各者に関する事項)、(ⅱ)公開買付者との関係、(ⅲ)譲受けの目的、及び(ⅳ)本書提出日現在において所有する対象者株式の数については以下のとおりです。
① 農中
(ⅰ)農中の状況
(a)団体の沿革
年月 | 概要 |
1923年12月20日 | 産業組合中央金庫設立 |
1943年9月15日 | 農林中央金庫への改称 |
2002年1月1日 | 再編強化法(農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律)施行 |
(b)団体の目的及び事業の内容
団体の目的
農中は、農業協同組合、森林組合、漁業協同組合その他の農林水産業者の協同組織を基盤とする金融機関として農林中央金庫法(平成13年法律第93号)その他の法律に定める業務を行い、これらの協同組織のために金融の円滑を図ることにより、農林水産業の発展に寄与し、もって国民経済の発展に資することを目的とする。
事業内容
1 農中は、次に掲げる業務を営むものとする。
(1)会員の預金の受入れ
(2)会員に対する資金の貸付け又は手形の割引
(3)為替取引
2 農中は、前項各号に掲げる業務のほか、次に掲げる業務を営むことができる。
(1)会員以外の者に預金又は定期預金の受入れ
(2)会員以外の次に掲げる者に対する資金の貸付け又は手形の割引
イ 定款第6条に規定する者
ロ 農林水産業を営む者であって農林中央金庫法第54条第3項2号の規定に基づき主務省令で定められたもの
ハ 国
ニ 銀行その他の金融機関
ホ 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第28条第8項に規定する有価証券関連業を営む者(同法第2条第12項に規定する金融商品仲介業者のうち主務省令で定めるものに該当する者を除く)
(3)主務大臣の認可を受けて行う会員以外の者(前号に掲げる者を除く)に対する資金の貸付け又は手形の割引
3 農中は、前2項の規定により行う業務のほか、当該業務に付随する債務の補償又は手形の引受けその他の業務を営むことができる。
4 農中は、第1項各号に掲げる業務の遂行を妨げない限度において、次に掲げる業務を営むことができる。
(1)金融商品取引法第33条第2項各号に掲げる有価証券又は取引について、同項各号に定める行為を行う業務(前項により行う業務を除く)
(2)金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和18年法律第43号)第1条第1項に規定する信託業務
(3)信託法(平成18年法律第108号)第3条第3号に規定する信託にかかる事務
(4)算定割当量(地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号)第2条第6項に規定する算定割当量その他これに類似するものをいう)を取得し、若しくは譲渡することを内容とする契約の締結又はその媒介、取次ぎ若しくは代理を行う業務(第3項により営む業務を除く)であって、主務省令で定めるもの
5 農中は、第1項から第4項までの業務のほか、農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律(平成8年法律第118号)その他の法律の規定により農中が行うことが認められた業務を営むことができる。
6 農中は、第1項から第5項までの業務およびこれらに付帯する業務のほか、他の業務を営むことができない。
(c)団体の出資若しくは寄付又はこれらに類するものの額
資本金 4兆151億9,883万円
(d)役員の役名、職名、氏名(生年月日)及び職歴
2020年7月8日現在 |
役名/職名 | 氏名 | 生年月日 | 職歴 | |
代表理事 | 奥 和登 | 1959年2月26日 | 1997年7月 | 静岡支店業務第一課長 |
1999年9月 | 組織整備対策部部長代理 | |||
2003年7月 | 総合企画部副部長 | |||
2004年6月 | 総合企画部企画開発室長兼副部長 | |||
2007年6月 | JAバンク統括部長 | |||
2009年6月 | 総合企画部長 | |||
2011年6月 | 常務理事 | |||
2013年6月 | 専務理事 | |||
2016年6月 | 同 コーポレート本部長 | |||
2017年6月 | 代表理事専務コーポレート本部長 | |||
2018年4月 | 代表理事専務 | |||
2018年6月 | 同 理事長兼経営管理委員 | |||
代表理事 | 大竹 和彦 | 1959年4月16日 | 1997年3月 | 国際金融部部長代理 |
1998年7月 | 資金為替部部長代理 | |||
2000年1月 | 人事部人事課長 | |||
2002年7月 | 青森支店長 | |||
2003年12月 | 推進統括部副部長 | |||
2004年7月 | JAバンク統括部副部長 | |||
2005年6月 | 総合企画部副部長 | |||
2007年1月 | 総務部主任考査役 | |||
2007年6月 | 人事部長 | |||
2009年6月 | 大阪支店長 | |||
2011年6月 | 常務理事 | |||
2015年6月 | 専務理事 | |||
2016年6月 | 同 リテール事業本部長 | |||
2017年6月 | 代表理事専務リテール事業本部長 | |||
2018年4月 | 同 コーポレート本部長 | |||
2018年6月 | 同 兼経営管理委員コーポレート本部長 | |||
代表理事 | 後藤 彰三 | 1959年7月8日 | 1998年4月 | 証券業務部部長代理 |
2001年4月 | 企画管理部企画管理課長 | |||
2003年6月 | 熊本支店長 | |||
2005年2月 | 水産部副部長 | |||
2007年7月 | JAバンク統括部副部長 | |||
2008年6月 | JAバンク再編強化部長 | |||
2009年7月 | JAバンク経営指導部長 | |||
2010年6月 | JAバンク統括部長 | |||
2011年6月 | 大阪支店長 | |||
2013年6月 | 常務理事 | |||
2017年7月 | 常務執行役員 | |||
2018年4月 | 専務執行役員リテール事業本部長 | |||
2018年6月 | 代表理事専務リテール事業本部長 |
役名/職名 | 氏名 | 生年月日 | 職歴 | |
代表理事 | 新分 敬人 | 1963年3月2日 | 2000年1月 | 資金為替部部長代理 |
2002年7月 | 債券投資部部長代理 | |||
2003年6月 | 企画管理部企画管理課長 | |||
2006年7月 | 債券投資部副部長 | |||
2008年6月 | 企画管理部副部長 | |||
2009年6月 | 債券投資部長 | |||
2012年6月 | 開発投資部長 | |||
2014年6月 | 常務理事 | |||
2017年7月 | 常務執行役員 | |||
2018年4月 | 専務執行役員グローバル・インベストメンツ本部長 | |||
2018年6月 | 代表理事専務グローバル・インベストメンツ本部長 | |||
代表理事 | 金丸 哲也 | 1964年4月12日 | 2001年4月 | 開発投資部部長代理 |
2004年7月 | 総合企画部総括課長 | |||
2008年7月 | 投融資企画部事業戦略室長兼副部長 | |||
2008年10月 | 総合企画部資本政策室長兼副部長兼投融資企画部事業戦略室長兼副部長 | |||
2009年7月 | 総合企画部副部長兼拠点戦略室長 | |||
2010年6月 | 出向(JA三井リース株式会社) | |||
2011年6月 | 秘書役 | |||
2013年6月 | 総合企画部長 | |||
2016年6月 | 常務理事 | |||
2017年7月 | 常務執行役員 | |||
2018年4月 | 専務執行役員食農法人営業本部長 | |||
2018年6月 | 代表理事専務食農法人営業本部長 |
(ⅱ)公開買付者との関係
資本関係 | 特筆すべき事項はありません。 |
人的関係 | 特筆すべき事項はありません。 |
取引関係 | 特筆すべき事項はありません。 |
(ⅲ)譲受けの目的
前記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、対象者と農中との間の資本関係を構築することで、対象者の事業を発展させることを目的としております。
(ⅳ)本書提出日現在において所有する対象者株式の数
農中は、本書提出日現在において、対象者株式を所有しておりません。
② 全農
(ⅰ)全農の状況
(a)団体の沿革
年月 | 概要 |
1972年3月 | 全国販売農業協同組合連合会と全国購買農業協同組合連合会が合併し、全国農業協同組合連合会を設立。本所所在地を東京都千代田区大手町一丁目8番3号とした。 |
2009年5月 | 本所所在地を東京都千代田区大手町一丁目3番1号へ移転した。 |
(b)団体の目的及び事業の内容
全農は「会員が協同して事業の振興をはかり、その構成員である組合員の農業の生産効率をあげ、経済状態を改善し、社会的地位の向上に寄与すること」を目的として、主に以下の事業を行っています。
・生産資材・生活用品の供給と共同利用施設の設置
・農畜産物の運搬・加工・貯蔵又は販売
・農業技術・農業経営向上のための教育
・連合農業倉庫の経営
・家畜市場の設置
・畜産生産基盤並びに畜産ブランド維持のため農業経営
・運送事業
・建築設計及び工事監理
・海外の農協組織と提携した農業の開発協力
(c)団体の出資若しくは寄付又はこれらに類するものの額
全農は、762の正会員と161の准会員からの出資を受けており、2020年3月31日現在の出資総額は115,255,100,000円となっております。
(d)役員の役名、職名、氏名(生年月日)及び職歴
2020年7月8日現在 |
役名及び職名 | 氏名 | 生年月日 | 職歴 | |
代表理事理事長 | 山﨑 周二 | 1954年6月13日 | 1978年4月 | 全国農業協同組合連合会入会 |
2007年1月 | 全国農業協同組合連合会本所肥料農薬部部長 | |||
2011年7月 | 全国農業協同組合連合会常務理事 | |||
2017年7月 | 全国農業協同組合連合会代表理事専務 | |||
2019年7月 | 全国農業協同組合連合会代表理事理事長(現任) | |||
代表理事専務 | 野口 栄 | 1957年7月14日 | 1981年4月 | 全国農業協同組合連合会入会 |
2011年8月 | 全国農業協同組合連合会本所燃料部部長 | |||
2015年7月 | 全国農業協同組合連合会常務理事 | |||
2019年7月 | 全国農業協同組合連合会代表理事専務(現任) | |||
代表理事専務 | 桑田 義文 | 1960年10月23日 | 1978年4月 | 全国農業協同組合連合会入会 |
2012年7月 | 全国農業協同組合連合会本所畜産生産部部長 | |||
2014年8月 | 全国農業協同組合連合会本所畜産総合対策部部長 | |||
2015年7月 | 全国農業協同組合連合会常務理事 | |||
2019年7月 | 全国農業協同組合連合会代表理事専務(現任) | |||
常務理事 | 吉見 均 | 1956年12月3日 | 1980年4月 | 新潟県経済農業協同組合連合会入会 |
2001年4月 | 全国農業協同組合連合会新潟県本部東京事務所長 | |||
2010年2月 | 全国農業協同組合連合会新潟県本部県本部長 | |||
2015年7月 | 全国農業協同組合連合会常務理事(現任) | |||
常務理事 | 安田 忠孝 | 1960年9月18日 | 1983年4月 | 全国農業協同組合連合会入会 |
2014年2月 | 全国農業協同組合連合会本所生産資材部部長 | |||
2015年7月 | 全国農業協同組合連合会参事 | |||
2017年7月 | 全国農業協同組合連合会常務理事(現任) | |||
常務理事 | 久保 省三 | 1957年9月29日 | 1980年4月 | 全国農業協同組合連合会入会 |
2014年2月 | 全国農業協同組合連合会本所営農販売企画部部長 | |||
2017年4月 | 全国農業協同組合連合会本所耕種総合対策部部長 | |||
2017年7月 | 全国農業協同組合連合会常務理事(現任) | |||
常務理事 | 高尾 雅之 | 1963年1月31日 | 1985年4月 | 全国農業協同組合連合会入会 |
2016年4月 | 全国農業協同組合連合会本所米穀部部長 | |||
2017年7月 | 全国農業協同組合連合会常務理事(現任) |
役名及び職名 | 氏名 | 生年月日 | 職歴 | |
常務理事 | 竹本 尚史 | 1961年4月28日 | 1985年4月 | 岡山県経済農業協同組合連合会入会 |
2001年4月 | 全国農業協同組合連合会岡山県本部生産資材部 | |||
2017年4月 | 全国農業協同組合連合会岡山県本部県本部長 | |||
2019年7月 | 全国農業協同組合連合会常務理事(現任) | |||
常務理事 | 倉重 徳也 | 1962年5月3日 | 1986年4月 | 福岡県購買販売農業協同組合連合会入会 |
2005年4月 | 全国農業協同組合連合会福岡県本部農機燃料部 | |||
2017年4月 | 全国農業協同組合連合会福岡県本部県本部長 | |||
2019年7月 | 全国農業協同組合連合会常務理事(現任) | |||
常務理事 | 齊藤 良樹 | 1960年10月11日 | 1984年4月 | 全国農業協同組合連合会入会 |
2014年8月 | 全国農業協同組合連合会本所畜産生産部部長 | |||
2019年7月 | 全国農業協同組合連合会常務理事(現任) | |||
監事 | 榎本 健蔵 | 1958年3月11日 | 1980年 | 全国農業協同組合連合会入会 |
2007年 | 全国農業協同組合連合会法務・コンプライアンス部長 | |||
2010年 | 全国農業協同組合連合会畜産総合対策部長 | |||
2014年 | 全国農業協同組合連合会監事(現任) | |||
監事 | 大河原 秀一郎 | 1959年7月30日 | 1978年 | 全国農業協同組合連合会入会 |
2013年 | 全国農業協同組合連合会経理部長 | |||
2017年 | 全国農業協同組合連合会総合企画部長 | |||
2019年 | 全国農業協同組合連合会監事(現任) | |||
監事 | 大西 茂志 | 1955年8月2日 | 1979年 | 全国農業協同組合連合会入会 |
2010年 | 全国農業協同組合連合会営農販売企画部部長 | |||
2011年 | 全国農業協同組合中央会常務理事 | |||
2017年 | 全国農業協同組合連合会監事(現任) | |||
監事 | 小宮山 澄枝 | 1960年2月20日 | 1987年 | 弁護士登録(東京弁護士会) |
2006年 | 小宮山澄枝法律事務所開設 | |||
2017年 | 全国農業協同組合連合会監事(現任) | |||
監事 | 原田 昌平 | 1957年9月19日 | 1984年 | 公認会計士登録 |
2012年 | 新日本有限責任監査法人常務理事 | |||
2017年 | 全国農業協同組合連合会監事(現任) | |||
監事 | 秋川 健次 | 1954年10月1日 | 2011年 | 三井物産株式会社 執行役員情報産業本部長 |
2013年 | 三井石油開発株式会社常勤監査役 | |||
2017年 | 全国農業協同組合連合会監事(現任) |
(ⅱ)公開買付者との関係
資本関係 | 特筆すべき事項はありません。 |
人的関係 | 特筆すべき事項はありません。 |
取引関係 | 特筆すべき事項はありません。 |
(ⅲ)譲受けの目的
前記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、対象者と全農との間の資本関係を構築することで、対象者の事業を発展させることを目的としております。
(ⅳ)本書提出日現在において所有する対象者株式の数
全農は、本書提出日現在において、対象者株式を所有しておりません。
③ 東京センチュリー
(ⅰ)継続開示会社たる東京センチュリーに関する事項
(a)東京センチュリーが提出した書類
イ 有価証券報告書及びその添付書類
第51期(自2019年4月1日 至2020年3月31日)有価証券報告書を2020年6月22日関東財務局長に提出
ロ 四半期報告書又は半期報告書
第52期(自2020年4月1日 至2021年3月31日)第1四半期報告書を2020年8月5日関東財務局長に提出予定
ハ 訂正報告書
該当事項はありません。
(b)前記書類を縦覧に供している場所
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
東京センチュリー株式会社本店
(東京都千代田区神田練塀町3番地)
東京センチュリー株式会社大宮支店
(埼玉県さいたま市大宮区錦町682番地2)
東京センチュリー株式会社横浜支店
(神奈川県横浜市西区北幸二丁目8番4号)
東京センチュリー株式会社名古屋営業部
(愛知県名古屋市中区栄二丁目1番1号)
東京センチュリー株式会社大阪営業部
(大阪府大阪市中央区本町三丁目5番7号)
東京センチュリー株式会社神戸支店
(兵庫県神戸市中央区三宮町二丁目5番1号)
(ⅱ)公開買付者との関係
資本関係 | 特筆すべき事項はありません。 |
人的関係 | 特筆すべき事項はありません。 |
取引関係 | 特筆すべき事項はありません。 |
(ⅲ)譲受けの目的
前記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、対象者と東京センチュリーとの間の資本関係を構築することで、対象者の事業を発展させることを目的としております。
(ⅳ)本書提出日現在において所有する対象者株式の数
東京センチュリーは、本書提出日現在、対象者株式を22,792株所有しております。
届出当初の期間
①【届出当初の期間】
買付け等の期間 | 2020年7月9日(木曜日)から2020年8月24日(月曜日)まで(30営業日) |
公告日 | 2020年7月9日(木曜日) |
公告掲載新聞名 | 電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。 電子公告アドレス (https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/) |
買付け等の価格
(2)【買付け等の価格】
(注1) 野村證券は、対象者株式価値の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。対象者及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。対象者の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、伊藤忠商事の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村證券の算定は、2020年7月7日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、伊藤忠商事の取締役会が対象者株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
(注2) 前記の本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)は、対象者の取締役会がその立場において本公開買付価格を財務的見地から検討することに関連し、かつ、かかる検討を目的として対象者の取締役会に対してその便宜のために提出されたものとのことです。本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)は、本取引に関連して関係当事者のいかなる種類の証券の保有者、債権者その他の利害関係者が受領する対価について、何ら意見又は見解を表明するものではないとのことです。本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)は、本公開買付価格の公正性又は本取引の条件その他の側面若しくは結果(本取引の形態若しくはストラクチャー又は本取引その他の点に関してなされた契約、取り決め若しくは合意その他に関する条件若しくは結果を含みますがこれらに限られないとのことです。)について、何ら意見又は見解を表明するものではなく、また、対象者にとり採用可能であるか若しくは実行する可能性のある他の戦略又は取引と比較した場合における本取引の相対的な利点又は本取引の推進若しくは実施に関する業務上の意思決定について、何ら意見又は見解を表明するものではないとのことです。また、本取引又はそれに関連する事項について、対象者の株主の皆様に対して本公開買付けに応募すること又はしないこと、対象者の株主の皆様がどのように議決権を行使し又は行動すべきかについて何ら意見を述べ又は推奨するものでもないとのことです。また、メリルリンチ日本証券は、対象者の同意に基づき、対象者その他のエンティティ及び本取引(本取引により想定されている利益を含むとのことです。)に関する法律、規制、会計、税務その他の類似の点についても何ら意見又は見解を表明しておらず、対象者による評価に依拠しているとのことです。また、メリルリンチ日本証券は、対象者の同意に基づき、対象者が全家便利商店股份有限公司の株式の保有分の一部を売却することを予定している取引(以下「台湾ファミリーマート取引」といいます。)について何らの意見又は見解も表明しておらず、対象者による評価に依拠しているとのことです。さらに、本取引の当事者の役員、取締役又は従業員に対するいかなる報酬の金額、性質その他の側面に関する、本公開買付価格その他の点との比較における公正性(財務的か否かを問わないとのことです。)について、何らの意見又は見解も表明するものではないとのことです。本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)は、本取引が公表又は開始された後を含むいずれかの時点において対象者株式が取引されるべき価格に関して何ら意見を述べるものでもないとのことです。
本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)を作成し、その基礎となる評価分析を行うにあたり、メリルリンチ日本証券は、対象者の事業及び財務に関する一定範囲の公開情報並びに対象者の経営陣からメリルリンチ日本証券に対して提供され又は同社が対象者経営陣と協議した対象者の事業及び財務に関する対象者社内情報(本連結財務予測を含むとのことです。)について検討を行っていますが、メリルリンチ日本証券は、かかる情報その他の公開されている又は同社に対して提供され若しくは同社が別途検討若しくは協議した財務その他の情報及びデータについて独自の検証を行うことなく、それらが正確かつ完全であることを前提とし、かつその正確性及び完全性に依拠しており、また当該情報又はデータがいかなる重要な点においても不正確となる又は誤解を招くおそれのあるものとなるような事実又は状況を認識していないという対象者の経営陣の表明に依拠しているとのことです。さらに、メリルリンチ日本証券は、本連結財務予測について、それが対象者の将来の業績に関する対象者の経営陣による現時点で入手可能な最善の予測と誠実な判断を反映し、合理的に作成されたものである旨の表明を対象者より受けており、対象者の了解を得た上で、そのことを前提としているとのことです。特に、台湾ファミリーマート取引に関して、メリルリンチ日本証券は、当該分析を行うに際し、かかる取引が対象者に及ぼす影響について対象者から提供された情報に依拠しているとのことです。本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)は、必然的に、(当該分析に別段の記載がある場合を除き)本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の日付現在の金融、経済、為替、市場その他の条件及び情勢を前提としており、かつ、同日現在においてメリルリンチ日本証券が入手可能な情報に基づいているとのことです。クレジット市場、金融市場及び株式市場は非常に不安定な状況が継続しておりますが、メリルリンチ日本証券は、かかる不安定な状況が対象者、公開買付者又は本取引に与える潜在的影響について何ら意見又は見解を述べるものではないとのことです。本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の日付以降に発生する事象が本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の内容に影響を与える可能性がありますが、メリルリンチ日本証券は、本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)を更新、改訂又は再確認する義務を負うものでないことが了解されているとのことです。
上述のとおり、上記のメリルリンチ日本証券による分析の記載は、同社が上記の本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)に関連して対象者の取締役会に提示した主要な財務分析の概要であり、本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)に関連してメリルリンチ日本証券が行った全ての分析を網羅するものではないとのことです。本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の作成及びその基礎となる分析は、各財務分析手法の適切性及び関連性並びに各手法の特定の状況への適用に関する様々な判断を伴う複雑な分析過程であり、したがって、その一部の分析結果又は要約を記載することは必ずしも適切ではないとのことです。メリルリンチ日本証券による分析は全体として考慮される必要があるとのことです。さらに、あらゆる分析及び考慮された要因又は分析に関する説明のための記載全てを考慮することなく一部の分析や要因のみを抽出したり表形式で記載された情報のみに着目することは、メリルリンチ日本証券による分析及び意見の基礎をなす過程についての誤解又は不完全な理解をもたらすおそれがあるとのことです。ある特定の分析が上記概要において言及されていることは、当該分析が同概要に記載の他の分析よりも重視されたことを意味するものではないとのことです。
メリルリンチ日本証券は、分析を行うにあたり、業界の業績、一般的な事業・経済の情勢及びその他の事項を考慮しておりますが、その多くは公開買付者及び対象者により制御できないものとのことです。メリルリンチ日本証券による分析の基礎をなす対象者の将来の業績に関する予測は、必ずしも実際の価値や将来の結果を示すものではなく、実際の価値や将来の結果は、当該予測と比較して大幅に良好なものとなる又は悪化したものとなる可能性があるとのことです。メリルリンチ日本証券の分析は、本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の分析の一環としてなされたものであり、本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の提出に関連して対象者の取締役会に対して提供されたものとのことです。メリルリンチ日本証券の分析は、鑑定を意図したものではなく、企業が実際に売却される場合の価格又は何らかの証券が取引された若しくは将来取引される可能性のある価格を示すものでもないとのことです。したがって、上記の分析に使用された予測及び同分析から導かれる評価レンジには重大な不確実性が本質的に伴うものであり、それらが対象者の実際の価値に関するメリルリンチ日本証券の見解を示すものと解釈されるべきではないとのことです。
本公開買付価格は、ファイナンシャル・アドバイザーではなく、公開買付者及び対象者(又は特別委員会)の交渉により決定されたものであり、対象者の取締役会により承認されたものとのことです。本公開買付けに対し賛同意見の表明を実施することの決定は、もっぱら対象者の取締役会によってなされたものであり、本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)は、上述のとおり、対象者の取締役会が本取引を検討するに際して考慮された多くの要因の一つにすぎず、対象者の取締役会又は経営陣の本取引又は本公開買付価格についての見解を決定付ける要因と解釈されてはならないとのことです。
メリルリンチ日本証券は、対象者又はその他のエンティティの資産又は負債(偶発的なものか否かを問わないとのことです。)について独自の鑑定又は評価を行っておらず、また、かかる鑑定又は評価を提供されていないとのことです。また、同社は、対象者又はその他のエンティティの財産又は資産の実地の見分も行っていないとのことです。メリルリンチ日本証券は、破産、支払不能又はこれらに類似する事項に関する州法、連邦法その他の法令の下でも、対象者又はその他のエンティティの支払能力又は公正価値について評価を行っていないとのことです。
メリルリンチ日本証券は、本取引に関して対象者のファイナンシャル・アドバイザーを務め、かかるサービスに対し手数料(その相当部分が、本取引の完了を条件としているとのことです。)を受領するとのことです。また、対象者は、同社の関与に関してメリルリンチ日本証券が負担する費用及び同社の関与から発生する一定の責任について同社に補償することを合意しているとのことです。
メリルリンチ日本証券及び同社の関係会社は、フルサービスの証券会社かつ商業銀行であり、幅広い企業、政府機関及び個人に対して、投資銀行業務、コーポレート及びプライベート・バンキング業務、資産及び投資運用、資金調達及び財務アドバイザリー・サービス並びにその他商業サービス及び商品の提供を行うとともに、証券、商品及びデリバティブ取引、外国為替その他仲介業務、及び自己勘定投資に従事しているとのことです。メリルリンチ日本証券及び同社の関係会社は、その通常の業務の過程において、公開買付者及び対象者並びにそれぞれの関係会社の株式、債券等の証券又はその他の金融商品(デリバティブ、銀行融資又はその他の債務を含むとのことです。)について、自己又は顧客の勘定において投資し、それらに投資するファンドを運用し、それらのロング・ポジション若しくはショート・ポジションを取得若しくは保有し、かかるポジションにつき資金を提供し、売買し、又はその他の方法で取引を実行することがあるとのことです。
メリルリンチ日本証券及び同社の関係会社は、対象者及びその関係会社に対して、投資銀行サービス、商業銀行サービスその他の金融サービスを過去において提供しており、また現在もそのようなサービスを提供し又は将来においても提供する可能性があり、かかるサービスの提供に対して手数料を受領しており、また将来においても手数料を受領する可能性があるとのことです。さらに、メリルリンチ日本証券及び同社の関係会社は、過去において公開買付者及びその関係会社に対して投資銀行サービス、商業銀行サービスその他の金融サービスを提供しており、また現在もそのようなサービスを提供し又は将来においても提供する可能性があり、かかるサービスの提供に対して手数料を受領しており、また将来においても手数料を受領する可能性があるとのことです。
メリルリンチ日本証券は、法律、会計又は税務に関連する助言は行っていないとのことです。
(注3) PwCは、対象者の株式価値の算定に際して、対象者から提供を受けた情報及び一般に公開されている情報を原則としてそのまま採用し、それらの情報が全て正確かつ完全なものであること、対象者の株式価値の算定に重要な影響を与える可能性がある事実でPwCに対して未公開の事実がないこと等の種々の前提を置いており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証は行っていないとのことです。また、対象者及びその関係会社の資産又は負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含むとのことです。)については、独自に評価、鑑定又は査定は行っておらず、第三者機関への評価、鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。加えて、対象者から提出された財務予測(事業計画及びその他の情報を含むとのことです。)については、現時点で得られる最善の予測と判断に基づき、対象者の経営陣によって合理的に作成されたことを前提としているとのことです。PwCの算定結果は、2020年7月7日現在までの情報及び経済条件を反映したものとのことです。
株券 | 1株につき金2,300円 |
新株予約権証券 | ― |
新株予約権付社債券 | ― |
株券等信託受益証券 ( ) | ― |
株券等預託証券 ( ) | ― |
算定の基礎 | 伊藤忠商事は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、伊藤忠商事及び対象者から独立した第三者評価機関として、伊藤忠商事のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券に対して、対象者株式の株式価値の算定を依頼いたしました。 |
野村證券は、対象者の財務状況、対象者株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から採用すべき算定手法を検討した結果、対象者が継続企業であるとの前提の下、市場株価平均法、類似会社比較法及びDCF法を用いて、対象者株式の株式価値の算定を行い、伊藤忠商事は、野村證券から2020年7月7日に株式価値算定書(以下「本買付者側株式価値算定書」といいます。)を取得いたしました。 | |
なお、野村證券は、公開買付者、伊藤忠商事及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有しておりません。また、伊藤忠商事は、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。 | |
野村證券により前記各手法において算定された対象者株式の1株当たり株式価値の範囲は、それぞれ以下のとおりです(注1)。 | |
市場株価平均法:1,766円~2,068円 | |
類似会社比較法: 946円~1,951円 | |
DCF法 :1,701円~2,749円 | |
市場株価平均法では、2020年7月7日を基準日として、東証一部における対象者株式の基準日終値1,766円、直近5営業日の終値単純平均値1,777円(小数点以下を四捨五入。以下同じとします。)、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,908円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,878円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値2,068円をもとに、対象者株式の1株当たり株式価値の範囲を1,766円から2,068円までと分析しております。 | |
類似会社比較法では、対象者と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、対象者株式の株式価値を算定し、対象者株式の1株当たり株式価値の範囲は、946円から1,951円までと分析しております。 | |
DCF法では、対象者から提供され伊藤忠商事が確認した2021年2月期から2025年2月期までの事業計画、直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した2021年2月期以降の対象者の将来の収益予想に基づき、対象者が将来生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の企業価値や株式価値を分析し、対象者株式の1株当たり株式価値の範囲を1,701円から2,749円までと分析しております。 | |
なお、DCF法の前提とした対象者の事業計画について、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれておりません。また、当該事業計画は、本取引の実行を前提としたものではなく、本取引の実行により実現することが期待されるシナジーについては、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該事業計画には加味されていないとのことです。 |
伊藤忠商事は、本買付者側株式価値算定書に記載された算定内容・結果を踏まえつつ、対象者取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、対象者株式の市場株価の動向、過去の発行者以外の者による株券等の公開買付けの事例(親会社による上場子会社の完全子会社化を前提とした公開買付けの事例)において付与されたプレミアムの実例及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、2020年7月8日、本公開買付価格を2,300円とすることを決定いたしました。 | |
なお、本公開買付価格は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2020年7月7日の対象者株式の東証一部における終値1,766円に対して30.24%%「(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じとします。)」、過去1ヶ月間(2020年6月8日から2020年7月7日まで)の普通取引終値の単純平均値1,908円に対して20.55%、過去3ヶ月間(2020年4月8日から2020年7月7日まで)の普通取引終値の単純平均値1,878円に対して22.47%、過去6ヶ月間(2020年1月8日から2020年7月7日まで)の普通取引終値の単純平均値2,068円に対して11.22%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となります。 | |
なお、2018年7月にIRIが実施した対象者株式の公開買付けにおける公開買付価格(2,750円(本株式分割を考慮して、前回の公開買付価格である11,000円を4で除している。))と本公開買付価格(2,300円)との差額(450円)につきましては、対象者株式の株価水準が変動したこと(2018年7月実施の公開買付けの公表日の前営業日である2018年4月18日の対象者株式の終値2,505円(本株式分割を考慮して、2018年4月18日の対象者株式の終値10,020円を4で除している。)に対して、本公開買付け公表日の前営業日である2020年7月7日の株価終値は1,766円)に加えて、本公開買付価格に対するプレミアム水準(2018年7月実施の本公開買付けの公開買付価格(2,750円)の、当該公開買付けの公表日の前営業日である2018年4月18日の株価終値2,505円(本株式分割を考慮して、2018年4月18日の対象者の普通株式の終値10,020円を4で除している。)に対するプレミアムが9.78%であったところ、本公開買付けにおける公開買付価格(2,300円)の、本公開買付け公表日の前営業日である2020年7月7日の株価終値1,766円に対するプレミアムは30.24%と相違があること、並びに、2018年7月実施の公開買付け及び本公開買付けのそれぞれにおいて、当該各時点の対象者事業計画及びそれを踏まえた対象者株式に関する株式価値算定結果が変動したことにより生じたものとなります。また、本公開買付価格は、本書提出日の前営業日である2020年7月8日の対象者株式の東証一部における終値1,754円に対して31.13%のプレミアムを加えた金額となります。 | |
算定の経緯 | (本公開買付価格の決定に至る経緯) |
① 第三者評価機関からの株式価値算定書の取得 | |
伊藤忠商事は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、伊藤忠商事及び対象者から独立した第三者評価機関として伊藤忠商事のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券に対象者株式の株式価値の算定を依頼いたしました。 | |
② 当該意見の概要 | |
野村證券は、市場株価平均法、類似会社比較法及びDCF法の各手法を用いて対象者株式の株式価値の算定を行っており、各手法において算定された対象者株式の1株当たり株式価値の範囲は、それぞれ以下のとおりです。 | |
市場株価平均法:1,766円~2,068円 | |
類似会社比較法: 946円~1,951円 | |
DCF法 :1,701円~2,749円 | |
③ 当該意見を踏まえて本公開買付価格を決定するに至った経緯 | |
伊藤忠商事は、本買付者側株式価値算定書に記載された算定内容・結果のうち、特に本公開買付価格がDCF法の算定結果のレンジ内に収まっていること、対象者に対するデュー・ディリジェンスの結果、対象者取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、対象者株式の市場株価の動向、過去の発行者以外の者による株券等の公開買付けの事例において付与されたプレミアムの実例及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、2020年7月8日開催の取締役会において、本公開買付価格を2,300円とすることを決定いたしました。詳細は、前記「算定の基礎」をご参照ください。 |
(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置) | |
対象者は、公開買付者の親会社である伊藤忠商事の連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当すること並びに伊藤忠商事と対象者の間の人事及び業務上の継続的な関係に鑑み、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置として、以下の措置を実施しております。 | |
以下の記載のうち、対象者において実施した措置については、対象者から受けた説明に基づくものです。 | |
① 伊藤忠商事における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得 | |
伊藤忠商事は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、伊藤忠商事及び対象者から独立した第三者評価機関として伊藤忠商事のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券に対象者株式価値の算定を依頼いたしました。伊藤忠商事が野村證券から取得した対象者株式価値の算定結果に関する公開買付者算定書の詳細については、前記「算定の基礎」をご参照ください。 | |
② 対象者における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得 | |
(ⅰ)算定機関の名称並びに対象者及び公開買付者との関係 | |
対象者は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付者及び対象者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関であるメリルリンチ日本証券に対し、対象者株式の株式価値の算定及び付随する財務分析を依頼し、2020年7月8日付で、後記(注2)に記載の前提条件その他一定の条件の下で、本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)を取得したとのことです。メリルリンチ日本証券は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有していないとのことです。なお、対象者は、メリルリンチ日本証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得していないとのことです。 | |
なお、本取引に係るメリルリンチ日本証券の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬及び本取引の完了を条件に支払われる成功報酬とされているとのことです。対象者は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が成立した場合又は不成立となった場合に対象者が負担することとなる報酬の条件等も勘案の上、上記の報酬体系によりメリルリンチ日本証券を対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関として選任したとのことです。 | |
(ⅱ)算定の概要 | |
メリルリンチ日本証券は、対象者の株式価値の各種評価手法を検討し、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの判断に基づき、対象者株式が東証一部に上場していることから市場株価分析を、対象者に比較的類似性があると判断される上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較分析を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにディスカウンテッド・キャッシュ・フロー分析(以下「DCF分析」といいます。)を算定手法として用いて、後記(注2)に記載の前提条件その他一定の条件の下に対象者株式の株式価値分析を行っているとのことです。メリルリンチ日本証券によれば、採用した手法及び当該手法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。メリルリンチ日本証券による本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の作成及びその基礎となる評価分析に関する前提条件、留意事項等については、後記(注2)をご参照ください。 | |
市場株価分析 :1,766円から2,068円 | |
類似会社比較分析:1,824円から2,922円 | |
DCF分析 :2,054円から3,432円 |
市場株価分析では、2020年7月7日を算定基準日として、東証一部における対象者株式の基準日終値1,766円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,908円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,878円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値2,068円を基に、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を1,766円から2,068円までと算定しているとのことです。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
類似会社比較分析では、完全に類似していないものの、分析の目的のために対象者と比較的類似する事業を手がける複数の上場企業の市場株価と収益等を示す財務指標との比較を通じて、対象者の株式価値を分析したとのことです。時価総額及び事業規模、事業展開地域及び対象者との事業構造の類似性等を総合的に勘案し、比較的類似性があると判断される類似上場会社として、株式会社セブン&アイ・ホールディングス、株式会社ローソン、株式会社ニトリホールディングス、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス、ウエルシアホールディングス株式会社及び株式会社ツルハホールディングスを選定した上で、株式価値に対するPERを用いて算定し、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を1,824円から2,922円までと算定しているとのことです。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
DCF分析では、対象者が作成した2021年2月期第2四半期から2025年2月期までの財務予測(フリー・キャッシュ・フローを含む。)をもとに、当該フリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り戻して企業価値や株式価値を分析し、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を2,054円から3,432円までと算定しているとのことです。なお、割引率(加重平均資本コスト)については、株式価値評価実務において一般的に用いられているCAPM(資本資産価格モデル)理論に基づき分析を行っており、主要事業につき3.25%~4.00%を採用しており、台湾ファミリーマート事業につき3.25%~4.00%を採用しているとのことです。継続価値の算定については永久成長率法を採用し、対象者との協議・確認を経て永久成長率を主要事業につき-0.25%~0.25%、台湾ファミリーマート事業につき1.50%~2.00%としているとのことです。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
メリルリンチ日本証券がDCF分析による分析の前提とした、対象者が提供した事業計画に基づく連結財務予測(以下「本連結財務予測」といいます。)は、以下のとおりとのことです。なお、本連結財務予測については、後記「③ 対象者における独立した特別委員会の設置」の「(ⅱ)検討の経緯」に記載のとおり、特別委員会がその内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しているとのことです。なお、上記DCF分析の基礎とした事業計画については、大幅な増減益を見込んでいないとのことです。また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において見積もることが困難であるため、本連結財務予測には加味されていないとのことです。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
(単位:億円) | |||||||||||||||||||||||||||||||
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③ 対象者における独立した特別委員会の設置 | |
(ⅰ)設置等の経緯 | |
前記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅱ)対象者における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、対象者は、2020年2月19日付の取締役会の書面決議により、特別委員会を設置いたしましたが、かかる特別委員会の設置に先立ち、対象者は、2020年2月17日に伊藤忠商事から対象者の非公開化に関する検討を開始したい旨の初期的な打診を受けた後、直ちに、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象者の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討・交渉等を行う体制を構築するため、森・濱田松本法律事務所の助言も得つつ、その時点の対象者の独立社外取締役の全員に対して、伊藤忠商事から上記打診を受けた旨、及び本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当するため、本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、特別委員会の設置をはじめとする本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正さを担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を個別に説明したとのことです。また、対象者は、同年2月25日には、その時点の対象者の独立社外取締役の全員である伊澤正氏(対象者社外取締役、一般財団法人日中経済協会理事長)、髙岡美佳氏(対象者社外取締役、立教大学経営学部教授)及び関根近子氏(対象者社外取締役、株式会社Bマインド代表取締役)による会合を開催し、改めて、伊藤忠商事から上記打診を受けた旨を説明するとともに、森・濱田松本法律事務所より、本取引においては構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題に対応するために手続の公正性を十分に担保する必要がある旨、並びに特別委員会の役割等についての説明が行われ、質疑応答を行っているとのことです。また、対象者は、並行して、森・濱田松本法律事務所の助言を得つつ、特別委員会の委員の候補となる対象者の独立社外取締役の独立性及び適格性等についても確認を行ったとのことです。その上で、対象者は、伊藤忠商事からの独立性を有すること、及び本取引の成否に関して一般株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認した上で、上記会合に出席したその時点の対象者の独立社外取締役と協議し、また、森・濱田松本法律事務所の助言を得て、伊澤正氏、髙岡美佳氏及び関根近子氏の3名を特別委員会の委員の候補として選定したとのことです。 | |
その上で、対象者は、前記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅱ)対象者における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2020年2月17日に伊藤忠商事から初期的提案書を受領した直後である同月19日付の臨時取締役会の書面決議により特別委員会を設置するとともに、特別委員会に対し、本諮問事項を諮問し、本諮問事項についての意見を対象者に提出することを委嘱したとのことです。また、対象者取締役会は、対象者取締役会における本公開買付けに関する意思決定については、本公開買付けへの賛否を含め、特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、及び特別委員会が取引条件が妥当でないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しないこととすることを決議するとともに、特別委員会に対し、取引条件等について必要に応じて公開買付者と交渉を行うこと、本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、自らの財務又は法務等のアドバイザーを選任すること(この場合の費用は対象者が負担するものとされているとのことです。)、並びに対象者の役職員から本公開買付けの検討及び判断に必要な情報を受領することについて権限を付与することを決議しているとのことです。 | |
なお、特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、固定額の報酬を支払うものとされているとのことです。 |
(ⅱ)検討の経緯 | |
特別委員会は、2020年2月25日より同年7月8日までの間に合計27回、合計約28時間にわたって開催されたほか、各会日間においても電子メールを通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項についての協議及び検討を行ったとのことです。 | |
具体的には、特別委員会は、まず、複数のリーガル・アドバイザー並びにファイナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関の候補者の独立性及び専門性・実績等を検討の上、公開買付者、伊藤忠商事、東京センチュリー、全農、農中及び対象者から独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を、伊藤忠商事、東京センチュリー、全農、農中及び対象者から独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関としてPwCを選任したとのことです。特別委員会は、中村・角田・松本法律事務所と伊藤忠商事、東京センチュリー、全農及び対象者との間には過去3年間において取引関係はなく、農中との間には過去3年間において取引関係はあるが取引金額が多額でないことを確認しているとのことです。また、PwCと伊藤忠商事、東京センチュリー、全農、農中又は対象者との間に過去3年間において取引関係はあるが取引金額が多額でないこと及び社内の情報遮断に対する体制を構築していることを確認しているとのことです。 | |
また、特別委員会は、対象者のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任を承認しており、また、独立性及び専門性を検討の上、対象者のファイナンシャル・アドバイザーとしてメリルリンチ日本証券の選任を承認したとのことです。さらに、特別委員会は、西脇幹雄取締役が伊藤忠商事出身者であるものの、対象者の経理財務本部長の役職にあり、対象者における定量面での検討に精通しており、対象者の事業計画の策定やこれに基づく対象者の企業価値の算定に不可欠であるため、その他の公正性を担保するための措置が講じられていることを前提に、伊藤忠商事との直接の交渉は控え、交渉に必要な事業計画の策定にのみ関与するという形で、伊藤忠商事との交渉における西脇幹雄取締役の役割を可能な限り限定的とすること、その他対象者が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含むとのことです。)に独立性の観点から問題がないことについて確認の上、承認をしたとのことです。 | |
その上で、特別委員会は、中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言及び森・濱田松本法律事務所から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を担保するために講ずるべき措置について審議・検討を行っているとのことです。 | |
また、特別委員会は、伊藤忠商事に対して、伊藤忠商事における小売業の位置付けと将来のビジョン、その中における対象者の役割、本取引によるシナジーの内容及び現状の資本構成ではなく非公開化が必要な理由、本取引後の対象者の経営方針及び中期経営計画についての考え方、この時期を選択した理由及び本公開買付価格についての考え方、本取引後の人事政策及びガバナンスについての考え方、上場廃止のデメリットについての考え方、本取引の手続・条件等について、書面による質問を行い、伊藤忠商事から回答を受領するとともに、これらの事項について、伊藤忠商事の第8カンパニープレジデントその他担当者からも直接説明を受け、質疑応答を行っているとのことです。 | |
また、特別委員会は、対象者の代表取締役会長である髙柳浩二及び代表取締役社長である澤田貴司は本取引の検討には参加していないものの、情報収集の観点から両氏に対して特別委員会への出席を求め、対象者グループにおける小売業の将来ビジョンと本取引の関係、対象者を非公開化することが必要な理由及び本取引によるシナジー、この時期に本取引が実施されることについての考え方、上場廃止のデメリット、本取引以外の他の選択肢の有無・内容等について対象者経営陣としての意見及び関連する情報を聴取するとともに、これらの事項について質疑応答及び審議・検討を行っているとのことです。 |
また、特別委員会は、対象者が本取引のために事業計画を作成するにあたり、事前に対象者から作成方針について説明を受け、また、その作成過程においても、複数回、事業計画案の内容、重要な前提条件及び進捗状況等について説明を受けるとともに、PwCから受けた財務的見地からの助言も踏まえつつ、最終的な事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について合理性を確認し、承認をしているとのことです。その上で、上記「(3)算定に関する事項」の「① 対象者における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得」及び「② 特別委員会における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、PwC及びメリルリンチ日本証券は、対象者が作成した2021年2月期第2四半期から2025年2月期の事業計画を前提として対象者株式の価値算定を実施しておりますが、特別委員会は、PwCからPwCが実施した対象者株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件(DCF分析又はDCF方式における割引率の計算根拠及び類似会社比較分析又は類似会社比準方式法における類似会社の選定理由を含むとのことです。)(以下「算定方法等」と総称します。)について説明を受け、また、特別委員会からの要請に基づく対象者の依頼によりメリルリンチ日本証券から受けたメリルリンチ日本証券が実施した対象者株式の価値算定に係る算定方法等についての説明も踏まえて、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認しているとのことです。 また、特別委員会は、対象者がメリルリンチ日本証券から受けた財務的見地からの助言も踏まえて決定した、公開買付者からできる限り有利な取引条件を引き出すために、相互に独立した当事者間のM&Aで行われる一般的な交渉プロセスに即して十分な交渉を実施することを含む本取引に係る交渉方針について、対象者から事前に説明を受け、また、PwCから受けた財務的見地からの助言も踏まえ、その内容を審議・検討した上で、承認を行うとともに、2020年3月2日に伊藤忠商事より本公開買付価格を1株当たり2,600円とする最初の提案を受領して以降、対象者が伊藤忠商事から価格提案を受領する都度、対象者から適時にその内容について報告を受け、対象者がメリルリンチ日本証券から受けた財務的見地からの助言を踏まえた対象者の見解を聴取するとともに、PwCから受けた財務的見地からの助言も踏まえてその内容を審議・検討した上で、伊藤忠商事に対して本公開買付価格のさらなる引上げを要請すべき旨、及び、その際、本取引によるシナジーを十分に反映した価格を提示するよう要請すべき旨を対象者に指示・要請する等、対象者と伊藤忠商事との間の本公開買付価格に関する協議・交渉過程において中心的な位置付けで関与し、その結果、対象者は7月2日に公開買付者より本公開買付価格を1株当たり2,300円とすることを含む最終提案を受けるに至っているとのことです。 さらに、特別委員会は、森・濱田松本法律事務所から、複数回、対象者が開示又は提出予定の本公開買付けに係る対象者開示及び意見表明報告書の各ドラフトの内容について説明を受け、中村・角田・松本法律事務所から助言を受けつつ、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しているとのことです。 | |
(ⅲ)判断内容 | |
特別委員会は、以上の経緯の下で、中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言、並びにPwCから受けた財務的見地からの助言、2020年7月7日付でPwCから提出を受けた本株式価値算定書(PwC)の内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、同日付で、対象者取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しているとのことです。 | |
(a)答申内容 | |
ⅰ 対象者取締役会は、本公開買付けについて賛同するとともに、本公開買付けに応募するか否かは対象者株主の判断に委ねる旨の意見を表明することが妥当であると考えられる。 |
ⅱ 対象者取締役会が、本公開買付けについて賛同するとともに、本公開買付けに応募するか否かは対象者株主の判断に委ねる旨の意見を決定することは、対象者の少数株主にとって不利益ではないと考えられる。また、対象者取締役会が、本取引において予定されている方法によることを前提に、本公開買付け成立後の株式併合による対象者の非公開化についての決定をすることは、対象者の少数株主にとって不利益ではないと考えられる。 | |
(b)検討 | |
ⅰ 以下の点より、本取引は対象者の企業価値の向上に資するものであると考える。 | |
・対象者の属する小売業界を取り巻く環境は、業態を超えた競争環境の激化や根強い節約志向による消費マインドの低下及び新型コロナウイルス感染症拡大の影響等から、先行きは依然として不透明な状況が続くものと見込まれる。また、消費者ニーズも多様化しており、新たな発想による商品・サービスの創造が求められていることに加え、安全で安心な食の提供や環境問題への対応等、企業の社会的責任が増大している。 | |
・こうした難局を乗り越えて厳しい競争環境を勝ち抜くため、対象者グループは、経営資源を結集し、独自の価値を提供することで成長の機会を模索している。具体的には、対象者グループにおいては、「加盟店支援の着実な実行」「収益力の強化」「新型コロナウイルス感染症拡大への対応」「金融・デジタル戦略の推進」「株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスとの協業推進」の各取り組みについて実行しているところである。 | |
・伊藤忠商事から受けた本取引後の各施策については、対象者は既に伊藤忠商事の子会社であり、現在の資本構成の下でも実施可能なのではないかとの点が問題となり得るが、伊藤忠商事によれば、同社の商社という業態特性上、事業領域が多岐にわたり、必ずしもそれぞれの事業領域において対象者と利益が一致するわけではなく、伊藤忠商事と対象者がともに上場会社として独立した事業運営を行っている現状では、対象者を除く伊藤忠商事グループ各社と対象者との間における、経営資源やノウハウの緊密な相互補完・有効活用に際し、その有用性、取引としての客観的な公正性について対象者の少数株主の利益をも考慮した慎重な検討を要することから、双方のコスト構造等の十分な情報共有や人的・物的な経営資源の再配分が行われない等の一定の制約が生じており、本取引を通じて非公開化することにより、両者の経営資源やノウハウの相互活用を一層促進し、伊藤忠商事グループ一体となって迅速に意思決定を進めていくことで、対象者の短期的利益に直結せずとも対象者を含む伊藤忠商事グループ全体を中長期的に成長させることにつながる抜本的な施策を行い、より大きく踏み込んだ提携関係を構築することが可能となるとのことである。 | |
・また、新型コロナウイルス感染症の影響が必ずしも完全に明らかになっているわけではないこの時期に本取引を実施する理由については、もともと伊藤忠商事としては、新型コロナウイルス感染症の問題が生じる前から、コンビニエンスストア事業はビジネスモデルの見直しが迫られており、Eコマースの急拡大により事業領域が侵食されつつあるとの認識を有していたところ、新型コロナウイルス感染症の影響から対象者がV字回復するためには伊藤忠商事の支援が必要であり、伊藤忠商事が提案する「デジタルJV構想」も、新型コロナウイルス感染症の影響が客観的に明確になるまで待っていたのでは手遅れであり、今こそ本取引を実現することが必要であると考えているとのことである。 |
・伊藤忠商事からの提案に対し、対象者の経営陣からは、①小売業については限られた市場の中で質を高めるビジネスモデルに変わってきており、本取引による非公開化により、管理部門やデジタル、海外展開の分野に関して伊藤忠商事の豊富な人材・リソースが投入され、対象者の人材・リソースが多様化することは対象者の成長の源泉になること、②本取引により非公開化されれば意思決定のスピードが上がること、③伊藤忠商事から提案された各施策の一部は、既に現在の資本構成の下においても着手しているものであるが、本取引による非公開化により、経営の意思決定の自由度が高まり、よりスピード感をもって各施策を進めることが可能となること等から、本取引による非公開化及びその後の施策は、対象者の企業価値の向上に資するものと考えているとの見解が示された。 | |
・他方、本取引のデメリットとしては、本取引による非公開化により従業員や加盟店のモチベーションが低下すること等も抽象的には懸念されるところ、対象者の経営陣によれば、従業員や加盟店が本取引をどのように受け止めるかについては考慮が必要であり、従業員や加盟店との間で十分なコミュニケーションをとり、本取引の意義を説明する必要があると考えているとのことであるが、それ以外に具体的なデメリットは特段想定されないとのことである。 | |
・このように、対象者の経営陣からは、本取引及びその後の施策は対象者の企業価値の向上に資するとの見解が示されているところ、これらの見解に特に不合理な点はなく、特別委員会としても、本取引に関して伊藤忠商事から提案された具体的な施策は、対象者グループのデジタル戦略の推進や、海外、特に中国への展開に資するものであり、対象者の企業価値の向上に資するものであると考える。 | |
ⅱ 本取引においては、①対象者において独立した特別委員会が設置され、有効に機能したものと認められること、②特別委員会及び対象者は、外部専門家の独立した専門的助言を取得しているものと認められること、③特別委員会及び対象者は、本取引についての判断の基礎として、専門性を有する独立した第三者評価機関からの株式価値算定報告書の取得をしているものと認められること、④対象者においては、利害関係を有する取締役等を可能な限り本取引の検討・交渉過程から除外し、伊藤忠商事から独立した立場で検討・交渉等を行うことができる体制が構築されていたものと認められること、⑤本公開買付けにおいてはいわゆる間接的なマーケット・チェックが行われているものと認められること、⑥本公開買付けにおいては一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会が確保される予定であると認められること、⑦本取引においては、2019年6月に経済産業省により策定された「公正なM&Aの在り方に関する指針」において望ましいとされる実務上の対応がなされており、強圧性が排除されているものと認められることから、一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されているものと認められる。 | |
また、本公開買付けにおいては、マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)条件の設定はなされていないものの、本公開買付けが成立した場合に公開買付者及び伊藤忠商事の所有割合が60%以上となるように買付予定数の下限が設定されている。かかる下限は、相当程度の一般株主の応募がなければ本公開買付けが成立しないという意味において、一定程度の公正性担保措置として機能すると考えられるものの、当該下限の株式数に関して合理的な根拠が確認できない点がある点で、マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)の趣旨に鑑みた下限の設定として十分なものとは言えないと考えられる。もっとも、本取引においては、他に十分な公正性担保措置が講じられていることからすれば、マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)が設定されておらず、その趣旨に鑑みた下限の設定として十分なものとは言えないとしても、それのみにより本取引における手続の公正性が損なわれるものではないと考えられる。 |
ⅲ 本取引の取引条件の妥当性について、以下の点より、本取引における買収方法及び買収対価の種類は合理性があると認められるが、本公開買付価格は、対象者の一般株主に投資回収機会を提供する観点では一定の合理性があり、妥当性を欠くものとは認められないものの、一般株主に対し本公開買付けへの応募を積極的に推奨できる水準の価格に達しているとまでは認められない。 | |
・本取引の買収の方法について、一段階目として本公開買付けを行い、二段階目として株式併合を行う方法は、本取引のような非公開化の取引においては一般的に採用されている方法である。また、買収対価の種類については、伊藤忠商事と対象者の事業が異なること及び伊藤忠商事の株価が下落するリスクを負うことを回避できることから、対象者の一般株主にとっては伊藤忠商事の株式を対価とする一段階取引ではなく、一段階目として現金を対価とする公開買付けを行い、二段階目として現金による端数処理を行う株式併合の方法によることにも合理性があると考えられる。 | |
・本株式価値算定書(PwC)におけるDCF方式、本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)におけるDCF分析による算定の基礎とされている対象者の事業計画の策定目的、策定手続及び内容につき特に不合理な点はないと認められる。 | |
・本株式価値算定書(PwC)について、算定の方法及び内容のいずれにおいても不合理な点は認められず、信用できるものと判断するところ、本公開買付価格は、本株式価値算定書(PwC)の市場株価基準方式及び類似会社比準方式による算定結果のレンジの上限を上回るものの、DCF方式による算定結果のレンジの下限を下回る価格であることが認められる。 | |
・本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の内容は、算定の方法及び内容のいずれにおいても恣意性は認められず、信用できるものと判断するところ、本公開買付価格は、本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の市場株価分析による算定結果のレンジの上限を上回り、類似会社比較分析及びDCF分析による算定結果のレンジの範囲内の価格であると認められる。 | |
・本公開買付価格は市場価格に一定のプレミアムが付されたものではあるが、当該プレミアムは、類似事例(2010年以降に発表された非公開化を目的とした買付規模が500億円以上の他の公開買付けの事例)の平均値及び中央値をいずれも下回っており、類似事例に比べて十分なプレミアムが付されているとまでは認められない。 | |
・特別委員会は、対象者と伊藤忠商事との間の公開買付価格等の本取引の取引条件に関する協議・交渉過程において実質的に関与しており、一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われる状況、すなわち独立当事者間取引と同視し得る状況が確保された上で、真摯な交渉が実施されたものの、最終的に伊藤忠商事との間で公開買付価格についての合意には至らなかった。 | |
・本公開買付価格は、対象者株式の市場株価に対して一定のプレミアムが付されているという意味において少数株主にとって不利益ではないと考えられる。また、それに加えて、特別委員会において、対象者から独立した第三者評価機関として承認したメリルリンチ日本証券により作成され、かつ、特別委員会において、上記のとおり算定方法及び算定内容に特に不合理な点は認められず、信用できるものと判断した本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)のDCF分析による算定結果のレンジの範囲内に入っていること等からすれば、対象者の一般株主に投資回収機会を提供する観点では一定の合理性があり、妥当性を欠くものとは認められない。もっとも、本公開買付価格は、本株式価値算定書(PwC)のDCF方式の算定結果のレンジの下限を下回る価格であること、類似案件に比べて対象者株式の市場株価に対して十分なプレミアムが付されているとまでは認められないこと等からすれば、本公開買付価格は、一般株主に対し本公開買付けへの応募を積極的に推奨できる水準の価格に達しているとまでは認められない。 |
ⅳ 上記ⅰのとおり、本公開買付けを含む本取引及びその後の施策は対象者の企業価値の向上に資するものと認められることから、対象者取締役会は、本公開買付けについて賛同することが妥当であると考えられる。もっとも、本取引においては、上記ⅱのとおり、一般株主利益を確保するための公正な手続が実施されており、上記ⅲのとおり、本取引の買収方法及び買収対価の種類は合理性があると認められるとともに、本公開買付価格は対象者の一般株主に投資回収機会を提供する観点では一定の合理性があり、妥当性を欠くものとは認められないが、本公開買付価格が一般株主に対し本公開買付けへの応募を積極的に推奨できる水準の価格に達しているとまでは認められないことから、対象者取締役会として対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することまではできず、本公開買付けに応募するか否かは対象者株主の判断に委ねることが妥当であると考えられる。 | |
ⅴ 上記ⅰのとおり、本取引及びその後の施策は、対象者の企業価値の向上に資するものと認められることから、対象者取締役会が本公開買付けについて賛同する旨の意見を表明する旨を決定することは、対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。また、上記ⅱのとおり、本取引においては一般株主の利益を確保するために公正な手続が実施されており、上記ⅲのとおり、本取引の取引条件については、買収方法及び買収対価の種類は合理性があると認められる。本公開買付価格は、一般株主に対し本公開買付けへの応募を積極的に推奨できる水準の価格に達しているとまでは認められないが、対象者の一般株主に対して投資回収機会を提供する観点では一定の合理性があり、妥当性を欠くとまでは認められないことからすれば、対象者取締役会が対象者株主に対して本公開買付けへの応募を積極的に推奨するのではなく、その根拠も開示した上で本公開買付けに応募するか否かは対象者株主の判断に委ねる旨を決定することは、対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。また、本公開買付けが成立した後における対象者の非公開化は、本公開買付けの成立後、公開買付者が株式併合を行うこと等を付議議案として臨時株主総会の招集請求等を行い、当該臨時株主総会において株式併合議案が承認された場合には、伊藤忠商事及び公開買付者以外の株主に対して、1株当たり本公開買付価格と同額の金銭が交付されることによって行われる予定であるところ、対象者は、公開買付者から臨時株主総会の招集請求等を受けた場合には、それに応じて株式併合議案を株主提案として付議する臨時株主総会の招集を実施することを予定している。このように、本公開買付け後の対象者の非公開化が公開買付者の主導で行われ、対象者の役割が限定されていること等を前提とすれば、上記ⅰのとおり、本取引及びその後の施策は対象者の企業価値の向上に資すると考えられること、株式併合に際して株主に交付される予定の金銭の額も本公開買付価格と同額であることからすれば、対象者の一般株主に対して投資回収機会を提供する観点では一定の合理性があり、妥当性を欠くものとは認められないこと、対象者が公開買付者による臨時株主総会の招集請求等に応じず、臨時株主総会の招集を裁判所の決定に委ねる場合には、時間と費用を要するためかえって対象者の少数株主の利益に反するおそれがあること、及び、株式併合に反対する株主は対象者に対して株式の買取請求を行い、裁判所に対して株式の価格決定の申立てを行うことができること等から、対象者取締役会が、本取引における本公開買付け成立後の株式併合による対象者の非公開化についての決定をすることは、対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。なお、本公開買付けには本公開買付け後の公開買付者及び伊藤忠商事の所有割合が60%となるような買付予定数の下限が付されており、本公開買付けが成立しても非公開化が行われない可能性もある。この点については、過去の対象者株主総会における出席率等を勘案すれば、60%であっても実質的に出席株主の3分の2に近い割合であり、本公開買付けに応募しなかった株主が賛成の議決権行使をすることもあり得る(例えば、伊藤忠商事は、公開買付けに応募せずとも株式併合に係る株主総会議案には賛成する東証上場ETFや東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンドが存在すると見込んでいるとのことである。)ことを勘案すると、株式併合が可決されず、非公開化が行われない可能性はそれほど高くないと認められる。したがって、対象者株主を著しく不安定な立場に置くものとまでは言えないものと考えられる。 |
④ 対象者における独立した法務アドバイザーからの助言の取得 | |
対象者は、手続の公正性に関する専門的助言を得るため、前記「③ 対象者における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、公開買付者、伊藤忠商事、東京センチュリー、全農、農中及び対象者から独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を担保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る対象者の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けているとのことです。 | |
なお、森・濱田松本法律事務所は、公開買付者、伊藤忠商事、東京センチュリー、全農、農中及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有していないとのことです。 | |
⑤ 特別委員会における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得 | |
(ⅰ)算定機関の名称並びに対象者及び公開買付者との関係 | |
特別委員会は、本諮問事項について検討するにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の妥当性を確保するために、公開買付者及び対象者から独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関であるPwCに対し、対象者株式の価値算定を依頼し、2020年7月7日付で、本株式価値算定書(PwC)を取得したとのことです。 | |
なお、対象者取締役会は、前記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅱ)対象者における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2020年7月8日、特別委員会から本答申書の提出を受けた際、併せて本株式価値算定書(PwC)の提出を受けており、本株式価値算定書(PwC)の内容も踏まえて、後記「⑦ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の決議を実施しているとのことです。 | |
PwCは、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有していないとのことです。なお、対象者は、PwCから本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得していないとのことです。 | |
前記「③ 対象者における独立した特別委員会の設置」の「(ⅱ)検討の経緯」に記載のとおり、特別委員会は、複数のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関の候補者の独立性及び専門性・実績等を検討の上、PwCを独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関として選任しているとのことです。また、本取引に係るPwCの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。 | |
(ⅱ)算定の概要 | |
PwCは、対象者株式の価値算定にあたり必要となる情報を収集・検討するため、対象者の経営陣から事業の現状及び将来の見通し等の情報を取得して説明を受け、それらの情報を踏まえて、後記(注3)に記載の前提条件その他一定の条件の下で対象者株式の価値算定を行っているとのことです。 | |
PwCは、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者の財務状況、対象者株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、対象者株式について市場株価が存在することから市場株価基準方式を、上場類似会社との比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比準方式を、また、将来の事業活動の状況を株式価値算定に反映するためにDCF方式を用いて対象者株式の1株当たりの価値の算定を行ったとのことです。 |
PwCが上記各手法に基づき算定した対象者株式の1株当たりの価値はそれぞれ以下のとおりとのことです。 | |
市場株価基準方式:1,766円から2,068円 | |
類似会社比準方式:1,694円から2,168円 | |
DCF方式 :2,472円から3,040円 | |
市場株価基準方式では、2020年7月7日を基準日として、東京証券取引所市場第一部における対象者株式の基準日終値1,766円、並びに算定基準日までの1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間における株価終値平均値(1ヶ月間:1,908円、3ヶ月間:1,878円、6ヶ月間:2,068円(小数点以下を四捨五入。))を分析した上で、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を、1,766円から2,068円までと算定しているとのことです。 | |
類似会社比準方式では、対象者と比較的類似する事業を営む上場企業の市場株価と収益性等を示す財務指標との比較を通じて対象者株式の株式価値を分析したとのことです。対象者と同様にコンビニエンスストア事業が主要事業である日本の上場企業のうち、株式時価総額、事業規模及び事業展開地域等との類似性を総合的に勘案し、比較的類似性があると判断される上場類似企業として株式会社セブン&アイ・ホールディングス及び株式会社ローソンを選定した上で、PERを用いて対象者株式の1株当たりの価値の範囲を、1,694円から2,168円までと算定しているとのことです。 | |
DCF方式では、対象者が作成した2021年2月期第2四半期から2025年2月期までの事業計画、対象者へのインタビュー、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が2021年2月期第2四半期以降、将来生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の企業価値を分析し、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を、2,472円から3,040円までと分析しているとのことです。割引率(加重平均資本コスト)は、3.31%~3.91%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長法を採用し、永久成長率を0%として算定しているとのことです。 | |
PwCがDCF方式による分析の前提とした、対象者が提供した本連結財務予測の具体的な数値は前記「② 対象者における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」に記載のとおりとのことです。 | |
⑥ 対象者における独立した検討体制の構築 | |
前記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅱ)対象者における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、対象者は、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を対象者の社内に構築したとのことです。具体的には、対象者は、2020年2月17日に伊藤忠商事から対象者の非公開化に関する検討を開始したい旨の初期的な打診を受けた後直ちに、対象者と伊藤忠商事との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程、及び対象者株式の価値評価の基礎となる事業計画の作成過程においては、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、伊藤忠商事出身者である西脇幹雄取締役及び事業計画の作成過程に必須であった伊藤忠商事からの出向者数名の関与を除き、現に伊藤忠商事グループ各社の役職員を兼任する対象者の役職員のみならず、過去に伊藤忠商事グループ各社の役職員であった対象者の役職員も関与しないこととし、また、事業計画の策定に関与していた伊藤忠商事からの出向者についても、本取引に係る取引条件に関する交渉過程においては、関与させないこととしており、かかる取扱いを継続しているとのことです。具体的には、本取引に係る検討に際しては、伊藤忠商事グループから独立している加藤利夫取締役、塚本直吉取締役、髙橋順取締役に加え、伊藤忠商事グループから2年以上前に転籍している西脇幹雄取締役が、交渉担当取締役として関与することとしているとのことです。また、かかる取扱いを含めて、対象者の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含むとのことです。)に独立性の観点から問題がないことについては、特別委員会の承認を得ているとのことです。 |
なお、対象者の取締役のうち、西脇幹雄取締役は、1982年の伊藤忠商事への入社時から2018年まで伊藤忠商事に在籍しておりましたが、西脇幹雄取締役は現在対象者の経理財務本部長の役職にあり、対象者における定量面での検討に精通しており、対象者の事業計画の策定やこれに基づく対象者の企業価値の算定に不可欠であることから、独立した特別委員会を設置し、公正性を担保するための措置を講じることを踏まえ、伊藤忠商事との直接の交渉は控え、交渉に必要な事業計画の策定にのみ関与するという形で、伊藤忠商事との交渉における西脇幹雄取締役の役割を可能な限り限定的とするよう、交渉担当役員の相互牽制や特別委員会からのモニタリングにおいて最大限留意することを条件として、特別委員会への出席を含め、本取引に係る検討に参加しているとのことです。 | |
⑦ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見 | |
対象者取締役会は、前記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅱ)対象者における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言、メリルリンチ日本証券から受けた財務的見地からの助言及び本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の内容、並びに特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(PwC)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討したとのことです。 | |
その結果、対象者は、前記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅱ)対象者における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けを含む本取引は対象者の企業価値の向上に資するものの、(ⅱ)本公開買付価格である2,300円は、対象者の一般株主に投資回収機会を提供する観点では一定の合理性があり、妥当性を欠くものとは認められないものの、一般株主に対し本公開買付けへの応募を積極的に推奨できる水準の価格に達しているとまでは認められないと判断し、2020年7月8日開催の対象者取締役会において、審議及び決議に参加した対象者の取締役全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、株主の皆様に対して本公開買付けに応募するか否かについては、株主の皆様のご判断に委ねることを決議したとのことです。 | |
上記2020年7月8日開催の対象者取締役会においては、対象者の取締役12名のうち、髙柳浩二取締役、久保勲取締役、西脇幹雄取締役は伊藤忠商事の出身者であり、澤田貴司取締役は伊藤忠商事在籍時より20年以上が経過しているものの、伊藤忠商事の従業員の地位を過去有していたことから、本取引における構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、髙柳浩二取締役、久保勲取締役、西脇幹雄取締役及び澤田貴司取締役を除く8名の取締役において審議の上、全員一致により上記の決議を行ったとのことです。 | |
また、上記の取締役会に出席した監査役(監査役4名中、出席監査役3名(うち社外監査役2名))の全員が上記決議につき異議はない旨の意見を述べているとのことです。 |
なお、対象者の取締役のうち、髙柳浩二取締役、久保勲取締役、西脇幹雄取締役及び澤田貴司取締役の4名は、本取引における構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記2020年7月8日開催の対象者取締役会を含む本取引に係る対象者取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、西脇幹雄氏を除き、対象者の立場で本取引の検討、本取引に係る伊藤忠商事との協議及び交渉に参加していないとのことです。なお、西脇幹雄取締役については、上記「⑥ 対象者における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、1982年の伊藤忠商事への入社時から2018年の対象者への入社時まで伊藤忠商事に在籍しておりましたが、現在対象者の経理財務本部長の役職にあり、対象者における定量面での検討に精通しており、対象者の事業計画の策定やこれに基づく対象者の企業価値の算定に不可欠であることから、独立した特別委員会を設置し、公正性を担保するための措置を講じることを踏まえ、伊藤忠商事との直接の交渉を控え、交渉に必要な事業計画の策定にのみ関与するという形で、伊藤忠商事との交渉における西脇幹雄取締役の役割を可能な限り限定的とするよう交渉担当役員の相互牽制や特別委員会からのモニタリングにおいて最大限留意することを条件として、本取引に係る検討に参加しているとのことです。 | |
また、対象者の監査役である中出邦弘氏は、伊藤忠商事の出身者であるため、上記の取締役会の審議には一切参加しておらず、上記の取締役会の決議に対して意見を述べることを差し控えているとのことです。 | |
⑧ 対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置 | |
公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、比較的長期間である30営業日としております。公開買付期間を比較的長期に設定することにより、対象者の一般株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の適正性も担保することを企図しております。さらに、公開買付者と対象者は、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が対象者との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意は一切行っておらず、前記公開買付期間の設定と合わせ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保にも配慮しております。 |
(注1) 野村證券は、対象者株式価値の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。対象者及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。対象者の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、伊藤忠商事の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村證券の算定は、2020年7月7日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、伊藤忠商事の取締役会が対象者株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
(注2) 前記の本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)は、対象者の取締役会がその立場において本公開買付価格を財務的見地から検討することに関連し、かつ、かかる検討を目的として対象者の取締役会に対してその便宜のために提出されたものとのことです。本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)は、本取引に関連して関係当事者のいかなる種類の証券の保有者、債権者その他の利害関係者が受領する対価について、何ら意見又は見解を表明するものではないとのことです。本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)は、本公開買付価格の公正性又は本取引の条件その他の側面若しくは結果(本取引の形態若しくはストラクチャー又は本取引その他の点に関してなされた契約、取り決め若しくは合意その他に関する条件若しくは結果を含みますがこれらに限られないとのことです。)について、何ら意見又は見解を表明するものではなく、また、対象者にとり採用可能であるか若しくは実行する可能性のある他の戦略又は取引と比較した場合における本取引の相対的な利点又は本取引の推進若しくは実施に関する業務上の意思決定について、何ら意見又は見解を表明するものではないとのことです。また、本取引又はそれに関連する事項について、対象者の株主の皆様に対して本公開買付けに応募すること又はしないこと、対象者の株主の皆様がどのように議決権を行使し又は行動すべきかについて何ら意見を述べ又は推奨するものでもないとのことです。また、メリルリンチ日本証券は、対象者の同意に基づき、対象者その他のエンティティ及び本取引(本取引により想定されている利益を含むとのことです。)に関する法律、規制、会計、税務その他の類似の点についても何ら意見又は見解を表明しておらず、対象者による評価に依拠しているとのことです。また、メリルリンチ日本証券は、対象者の同意に基づき、対象者が全家便利商店股份有限公司の株式の保有分の一部を売却することを予定している取引(以下「台湾ファミリーマート取引」といいます。)について何らの意見又は見解も表明しておらず、対象者による評価に依拠しているとのことです。さらに、本取引の当事者の役員、取締役又は従業員に対するいかなる報酬の金額、性質その他の側面に関する、本公開買付価格その他の点との比較における公正性(財務的か否かを問わないとのことです。)について、何らの意見又は見解も表明するものではないとのことです。本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)は、本取引が公表又は開始された後を含むいずれかの時点において対象者株式が取引されるべき価格に関して何ら意見を述べるものでもないとのことです。
本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)を作成し、その基礎となる評価分析を行うにあたり、メリルリンチ日本証券は、対象者の事業及び財務に関する一定範囲の公開情報並びに対象者の経営陣からメリルリンチ日本証券に対して提供され又は同社が対象者経営陣と協議した対象者の事業及び財務に関する対象者社内情報(本連結財務予測を含むとのことです。)について検討を行っていますが、メリルリンチ日本証券は、かかる情報その他の公開されている又は同社に対して提供され若しくは同社が別途検討若しくは協議した財務その他の情報及びデータについて独自の検証を行うことなく、それらが正確かつ完全であることを前提とし、かつその正確性及び完全性に依拠しており、また当該情報又はデータがいかなる重要な点においても不正確となる又は誤解を招くおそれのあるものとなるような事実又は状況を認識していないという対象者の経営陣の表明に依拠しているとのことです。さらに、メリルリンチ日本証券は、本連結財務予測について、それが対象者の将来の業績に関する対象者の経営陣による現時点で入手可能な最善の予測と誠実な判断を反映し、合理的に作成されたものである旨の表明を対象者より受けており、対象者の了解を得た上で、そのことを前提としているとのことです。特に、台湾ファミリーマート取引に関して、メリルリンチ日本証券は、当該分析を行うに際し、かかる取引が対象者に及ぼす影響について対象者から提供された情報に依拠しているとのことです。本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)は、必然的に、(当該分析に別段の記載がある場合を除き)本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の日付現在の金融、経済、為替、市場その他の条件及び情勢を前提としており、かつ、同日現在においてメリルリンチ日本証券が入手可能な情報に基づいているとのことです。クレジット市場、金融市場及び株式市場は非常に不安定な状況が継続しておりますが、メリルリンチ日本証券は、かかる不安定な状況が対象者、公開買付者又は本取引に与える潜在的影響について何ら意見又は見解を述べるものではないとのことです。本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の日付以降に発生する事象が本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の内容に影響を与える可能性がありますが、メリルリンチ日本証券は、本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)を更新、改訂又は再確認する義務を負うものでないことが了解されているとのことです。
上述のとおり、上記のメリルリンチ日本証券による分析の記載は、同社が上記の本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)に関連して対象者の取締役会に提示した主要な財務分析の概要であり、本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)に関連してメリルリンチ日本証券が行った全ての分析を網羅するものではないとのことです。本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の作成及びその基礎となる分析は、各財務分析手法の適切性及び関連性並びに各手法の特定の状況への適用に関する様々な判断を伴う複雑な分析過程であり、したがって、その一部の分析結果又は要約を記載することは必ずしも適切ではないとのことです。メリルリンチ日本証券による分析は全体として考慮される必要があるとのことです。さらに、あらゆる分析及び考慮された要因又は分析に関する説明のための記載全てを考慮することなく一部の分析や要因のみを抽出したり表形式で記載された情報のみに着目することは、メリルリンチ日本証券による分析及び意見の基礎をなす過程についての誤解又は不完全な理解をもたらすおそれがあるとのことです。ある特定の分析が上記概要において言及されていることは、当該分析が同概要に記載の他の分析よりも重視されたことを意味するものではないとのことです。
メリルリンチ日本証券は、分析を行うにあたり、業界の業績、一般的な事業・経済の情勢及びその他の事項を考慮しておりますが、その多くは公開買付者及び対象者により制御できないものとのことです。メリルリンチ日本証券による分析の基礎をなす対象者の将来の業績に関する予測は、必ずしも実際の価値や将来の結果を示すものではなく、実際の価値や将来の結果は、当該予測と比較して大幅に良好なものとなる又は悪化したものとなる可能性があるとのことです。メリルリンチ日本証券の分析は、本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の分析の一環としてなされたものであり、本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の提出に関連して対象者の取締役会に対して提供されたものとのことです。メリルリンチ日本証券の分析は、鑑定を意図したものではなく、企業が実際に売却される場合の価格又は何らかの証券が取引された若しくは将来取引される可能性のある価格を示すものでもないとのことです。したがって、上記の分析に使用された予測及び同分析から導かれる評価レンジには重大な不確実性が本質的に伴うものであり、それらが対象者の実際の価値に関するメリルリンチ日本証券の見解を示すものと解釈されるべきではないとのことです。
本公開買付価格は、ファイナンシャル・アドバイザーではなく、公開買付者及び対象者(又は特別委員会)の交渉により決定されたものであり、対象者の取締役会により承認されたものとのことです。本公開買付けに対し賛同意見の表明を実施することの決定は、もっぱら対象者の取締役会によってなされたものであり、本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)は、上述のとおり、対象者の取締役会が本取引を検討するに際して考慮された多くの要因の一つにすぎず、対象者の取締役会又は経営陣の本取引又は本公開買付価格についての見解を決定付ける要因と解釈されてはならないとのことです。
メリルリンチ日本証券は、対象者又はその他のエンティティの資産又は負債(偶発的なものか否かを問わないとのことです。)について独自の鑑定又は評価を行っておらず、また、かかる鑑定又は評価を提供されていないとのことです。また、同社は、対象者又はその他のエンティティの財産又は資産の実地の見分も行っていないとのことです。メリルリンチ日本証券は、破産、支払不能又はこれらに類似する事項に関する州法、連邦法その他の法令の下でも、対象者又はその他のエンティティの支払能力又は公正価値について評価を行っていないとのことです。
メリルリンチ日本証券は、本取引に関して対象者のファイナンシャル・アドバイザーを務め、かかるサービスに対し手数料(その相当部分が、本取引の完了を条件としているとのことです。)を受領するとのことです。また、対象者は、同社の関与に関してメリルリンチ日本証券が負担する費用及び同社の関与から発生する一定の責任について同社に補償することを合意しているとのことです。
メリルリンチ日本証券及び同社の関係会社は、フルサービスの証券会社かつ商業銀行であり、幅広い企業、政府機関及び個人に対して、投資銀行業務、コーポレート及びプライベート・バンキング業務、資産及び投資運用、資金調達及び財務アドバイザリー・サービス並びにその他商業サービス及び商品の提供を行うとともに、証券、商品及びデリバティブ取引、外国為替その他仲介業務、及び自己勘定投資に従事しているとのことです。メリルリンチ日本証券及び同社の関係会社は、その通常の業務の過程において、公開買付者及び対象者並びにそれぞれの関係会社の株式、債券等の証券又はその他の金融商品(デリバティブ、銀行融資又はその他の債務を含むとのことです。)について、自己又は顧客の勘定において投資し、それらに投資するファンドを運用し、それらのロング・ポジション若しくはショート・ポジションを取得若しくは保有し、かかるポジションにつき資金を提供し、売買し、又はその他の方法で取引を実行することがあるとのことです。
メリルリンチ日本証券及び同社の関係会社は、対象者及びその関係会社に対して、投資銀行サービス、商業銀行サービスその他の金融サービスを過去において提供しており、また現在もそのようなサービスを提供し又は将来においても提供する可能性があり、かかるサービスの提供に対して手数料を受領しており、また将来においても手数料を受領する可能性があるとのことです。さらに、メリルリンチ日本証券及び同社の関係会社は、過去において公開買付者及びその関係会社に対して投資銀行サービス、商業銀行サービスその他の金融サービスを提供しており、また現在もそのようなサービスを提供し又は将来においても提供する可能性があり、かかるサービスの提供に対して手数料を受領しており、また将来においても手数料を受領する可能性があるとのことです。
メリルリンチ日本証券は、法律、会計又は税務に関連する助言は行っていないとのことです。
(注3) PwCは、対象者の株式価値の算定に際して、対象者から提供を受けた情報及び一般に公開されている情報を原則としてそのまま採用し、それらの情報が全て正確かつ完全なものであること、対象者の株式価値の算定に重要な影響を与える可能性がある事実でPwCに対して未公開の事実がないこと等の種々の前提を置いており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証は行っていないとのことです。また、対象者及びその関係会社の資産又は負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含むとのことです。)については、独自に評価、鑑定又は査定は行っておらず、第三者機関への評価、鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。加えて、対象者から提出された財務予測(事業計画及びその他の情報を含むとのことです。)については、現時点で得られる最善の予測と判断に基づき、対象者の経営陣によって合理的に作成されたことを前提としているとのことです。PwCの算定結果は、2020年7月7日現在までの情報及び経済条件を反映したものとのことです。
買付予定の株券等の数
(3)【買付予定の株券等の数】
(注1) 応募株券等の総数が買付予定数の下限(50,114,060株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(50,114,060株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。
(注2) 本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておりませんので、買付予定数は本公開買付けにより公開買付者が取得する対象者の株券等の最大数である対象者株式数(252,557,288株)を記載しております。買付予定の株券等の数は、前記「買付予定数」欄に記載しているとおり、対象者有価証券報告書に記載された2020年2月29日現在の対象者の発行済株式総数(506,849,252株)から、本書提出日現在本公開買付けに応募する予定のない伊藤忠商事らが所有する対象者株式数(253,550,784株)及び対象者が公開買付者に通知した2020年2月29日現在の対象者が所有する自己株式数(741,180株)を控除したものになります。
(注3) 単元未満株式も本公開買付けの対象としております。なお、会社法に従って株主による単元未満株式買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続に従い公開買付期間中に自己の株式を買い取ることがあります。
(注4) 本公開買付けを通じて、対象者が所有する自己株式を取得する予定はありません。
買付予定数 | 買付予定数の下限 | 買付予定数の上限 |
252,557,288(株) | 50,114,060(株) | ―(株) |
(注1) 応募株券等の総数が買付予定数の下限(50,114,060株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(50,114,060株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。
(注2) 本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておりませんので、買付予定数は本公開買付けにより公開買付者が取得する対象者の株券等の最大数である対象者株式数(252,557,288株)を記載しております。買付予定の株券等の数は、前記「買付予定数」欄に記載しているとおり、対象者有価証券報告書に記載された2020年2月29日現在の対象者の発行済株式総数(506,849,252株)から、本書提出日現在本公開買付けに応募する予定のない伊藤忠商事らが所有する対象者株式数(253,550,784株)及び対象者が公開買付者に通知した2020年2月29日現在の対象者が所有する自己株式数(741,180株)を控除したものになります。
(注3) 単元未満株式も本公開買付けの対象としております。なお、会社法に従って株主による単元未満株式買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続に従い公開買付期間中に自己の株式を買い取ることがあります。
(注4) 本公開買付けを通じて、対象者が所有する自己株式を取得する予定はありません。
買付け等を行った後における株券等所有割合
区分 | 議決権の数 |
買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a) | 2,525,572 |
aのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(b) | - |
bのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(c) | - |
公開買付者の所有株券等に係る議決権の数(2020年7月9日現在)(個)(d) | - |
dのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(e) | - |
eのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(f) | - |
特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2020年7月21日現在)(個)(g) | 2,535,734 |
gのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(h) | - |
hのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(i) | - |
対象者の総株主等の議決権の数(2020年2月29日現在)(個)(j) | 5,053,977 |
買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合 (a/j)(%) | 49.90 |
買付け等を行った後における株券等所有割合 ((a+d+g)/(j+(b-c)+(e-f)+(h-i))×100)(%) | 100.00 |
(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定の株券等の数に係る議決権の数を記載しております。
(注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2020年7月21日現在)(個)(g)」は、各特別関係者が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。
(注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2020年2月29日現在)(個)(j)」は、対象者有価証券報告書に記載された2020年2月29日現在の対象者の総株主の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの)です。但し、単元未満株式も本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、対象者有価証券報告書に記載された2020年2月29日現在の発行済株式総数(506,849,252株)から同日現在の対象者が所有する自己株式数(741,180株)を控除した株式数(506,108,072株)に係る議決権の数(5,061,080個)を分母として計算しております。
(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、小数点以下第三位を四捨五入しております。
(注5) 東京センチュリーが所有する対象者株式も本公開買付けの対象としているため、「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」(2,525,572個)に、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2020年7月21日現在)(個)(g)」(2,535,734個)から東京センチュリーの所有する対象者株式(22,792株)に係る議決権の数(227個)を控除した数(2,535,507個)を加えた数(5,061,079個)を分子として計算しております。前記「3 買付け等の目的」の「(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本出資払戻契約」及び後記「第3 公開買付者及びその特別関係者による株券等の所有状況及び取引状況」の「4 届出書の提出日以後に株券等の買付け等を行う旨の契約」に記載のとおり、本出資払戻契約に従って、伊藤忠商事がIRIの所有する対象者株式の交付を受けたため、買付け等を行った後における株券等所有割合は100.00%になりました。
脚注、買付け等を行った後における株券等所有割合
(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定の株券等の数に係る議決権の数を記載しております。
(注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2020年7月21日現在)(個)(g)」は、各特別関係者が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。
(注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2020年2月29日現在)(個)(j)」は、対象者有価証券報告書に記載された2020年2月29日現在の対象者の総株主の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの)です。但し、単元未満株式も本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、対象者有価証券報告書に記載された2020年2月29日現在の発行済株式総数(506,849,252株)から同日現在の対象者が所有する自己株式数(741,180株)を控除した株式数(506,108,072株)に係る議決権の数(5,061,080個)を分母として計算しております。
(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、小数点以下第三位を四捨五入しております。
(注5) 東京センチュリーが所有する対象者株式も本公開買付けの対象としているため、「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」(2,525,572個)に、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2020年7月21日現在)(個)(g)」(2,535,734個)から東京センチュリーの所有する対象者株式(22,792株)に係る議決権の数(227個)を控除した数(2,535,507個)を加えた数(5,061,079個)を分子として計算しております。前記「3 買付け等の目的」の「(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本出資払戻契約」及び後記「第3 公開買付者及びその特別関係者による株券等の所有状況及び取引状況」の「4 届出書の提出日以後に株券等の買付け等を行う旨の契約」に記載のとおり、本出資払戻契約に従って、伊藤忠商事がIRIの所有する対象者株式の交付を受けたため、買付け等を行った後における株券等所有割合は100.00%になりました。
(注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2020年7月21日現在)(個)(g)」は、各特別関係者が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。
(注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2020年2月29日現在)(個)(j)」は、対象者有価証券報告書に記載された2020年2月29日現在の対象者の総株主の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの)です。但し、単元未満株式も本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、対象者有価証券報告書に記載された2020年2月29日現在の発行済株式総数(506,849,252株)から同日現在の対象者が所有する自己株式数(741,180株)を控除した株式数(506,108,072株)に係る議決権の数(5,061,080個)を分母として計算しております。
(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、小数点以下第三位を四捨五入しております。
(注5) 東京センチュリーが所有する対象者株式も本公開買付けの対象としているため、「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」(2,525,572個)に、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2020年7月21日現在)(個)(g)」(2,535,734個)から東京センチュリーの所有する対象者株式(22,792株)に係る議決権の数(227個)を控除した数(2,535,507個)を加えた数(5,061,079個)を分子として計算しております。前記「3 買付け等の目的」の「(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本出資払戻契約」及び後記「第3 公開買付者及びその特別関係者による株券等の所有状況及び取引状況」の「4 届出書の提出日以後に株券等の買付け等を行う旨の契約」に記載のとおり、本出資払戻契約に従って、伊藤忠商事がIRIの所有する対象者株式の交付を受けたため、買付け等を行った後における株券等所有割合は100.00%になりました。
応募の方法
(1)【応募の方法】
① 公開買付代理人
野村證券株式会社 東京都中央区日本橋一丁目9番1号
② 本公開買付けに係る株券等の買付け等の申込みに対する承諾又は売付け等の申込みをする方(以下「応募株主等」といいます。)は、公開買付代理人の本店又は全国各支店において、所定の「公開買付応募申込書」に所要事項を記載の上、公開買付期間末日の15時30分までに応募してください。応募の際には、ご印鑑、マイナンバー(個人番号)又は法人番号、本人確認書類等が必要になる場合があります(注1)。
オンラインサービス(公開買付代理人に口座をお持ちのお客様専用のオンラインサービス)による応募に関しては、オンラインサービス(https://hometrade.nomura.co.jp/)にて公開買付期間末日の15時30分までに手続を行ってください。なお、オンラインサービスによる応募には、応募株主等が公開買付代理人に設定した応募株主等名義の口座(以下「応募株主等口座」といいます。)におけるオンラインサービスのご利用申込みが必要です(注2)。
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止等の対応に伴い、公開買付期間中、店舗の店頭業務を一時休止する等の特別な対応を行っている可能性があります。詳細については、公開買付代理人の本店又は全国各支店にお問い合わせください。併せて、対象となる店舗、特別な対応等につきましては、公開買付代理人のホームページ(https://www.nomura.co.jp/)もご参照ください。
③ 株券等の応募の受付にあたっては、応募株主等口座に、応募する予定の株券等が記録されている必要があります。そのため、応募する予定の株券等が、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等に設定された口座に記録されている場合(対象者の特別口座の口座管理機関である三井住友信託銀行株式会社に設定された特別口座に記録されている場合を含みます。)は、応募に先立ち、応募株主等口座への振替手続を完了していただく必要があります。
④ 本公開買付けにおいては、公開買付代理人以外の金融商品取引業者を経由した応募の受付は行われません。
⑤ 外国の居住者であり、公開買付代理人にお取引可能な口座をお持ちでない株主等(法人株主等を含みます。以下「外国人株主等」といいます。)の場合、日本国内の常任代理人を通じて応募してください。オンラインサービスにおいては、外国の居住者は応募できません。
⑥ 日本の居住者である個人株主の場合、公開買付けにより売却された株券等に係る売却代金と取得費との差額は、原則として株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税の適用対象となります(注3)。
⑦ 応募株券等の全部の買付けが行われないこととなった場合、買付けの行われなかった株券等は応募株主等に返還されます。
(注1) ご印鑑、マイナンバー(個人番号)又は法人番号、本人確認書類等について
公開買付代理人である野村證券株式会社に新規に口座を開設する場合、ご印鑑が必要となるほか、マイナンバー(個人番号)又は法人番号及び本人確認書類等が必要になります。また、既に口座を有している場合であっても、住所変更、取引店変更、税務に係る手続等の都度、マイナンバー(個人番号)又は法人番号及び本人確認書類等が必要な場合があります。なお、マイナンバー(個人番号)を確認するために提出する書類により、必要となる本人確認書類が異なります。マイナンバー(個人番号)又は法人番号を確認するための書類及び本人確認書類の詳細につきましては、公開買付代理人にお尋ねください。
・個人の場合
マイナンバー(個人番号)提供時の必要書類
マイナンバー(個人番号)の提供に際しては、所定の「マイナンバー提供書」のほか、1.マイナンバー(個人番号)を確認するための書類と、2.本人確認書類が必要です。
1.マイナンバー(個人番号)を確認するための書類
個人番号カード、通知カード、マイナンバー(個人番号)の記載された住民票の写し、マイナンバー(個人番号)の記載された住民票記載事項証明書、のいずれか1点が必要です。
2.本人確認書類
A 顔写真付の本人確認書類
・有効期間内の原本のコピーの提出が必要
旅券(パスポート)、運転免許証、運転経歴証明書、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳、在留カード、特別永住者証明書
B 顔写真のない本人確認書類
・発行から6ヶ月以内の原本又はコピーの提出が必要
住民票の写し、住民票の記載事項証明書、印鑑登録証明書
・有効期間内の原本のコピーの提出が必要
健康保険証(各種)、国民年金手帳(氏名・住所・生年月日の記載があるもの)、福祉手帳(各種)
※本人確認書類(原本・コピー)は、以下2点を確認できる必要があります。
①本人確認書類そのものの有効期限 ②申込書に記載された住所・氏名・生年月日
※野村證券株式会社の店舗でお手続をされる場合は、原本をご提示いただき、その場での確認とさせていただきます。
※コピーの場合は、あらためて原本の提示をお願いする場合があります。
※野村證券株式会社より本人確認書類の記載住所に「取引に係る文書」を郵送し、ご本人様の確認をさせていただきます。
※新規口座開設、住所変更等の各種手続に係る本人確認書類を提出いただく場合、口座名義人様の本人確認書類に限りマイナンバー(個人番号)の提供に必要な書類を兼ねることができます(同じものを2枚以上提出いただく必要はありません。)。
・法人の場合
登記事項証明書、官公庁から発行された書類等の本人確認書類が必要になります。
※本人特定事項 ①名称 ②本店又は主たる事務所の所在地
※法人自体の本人確認に加え、代表者若しくは代理人・取引担当者個人(契約締結の任に当たる者)の本人確認が必要となります。
法人番号の提供に際しては、法人番号を確認するための書類として、「国税庁 法人番号公表サイト」で検索した結果画面を印刷したもの又は「法人番号指定通知書」のコピーが必要となります。また、所定の「法人番号提供書」が必要となる場合があります。
・外国人(居住者を除きます。)、外国に本店又は主たる事務所を有する法人の場合
日本国政府の承認した外国政府又は権限ある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、居住者の本人確認書類に準じるもの等の本人確認書類が必要になります。
(注2) オンラインサービスのご利用には、お申込みが必要です。オンラインサービスをお申込み後、パスワードがご登録住所に到着するまで約1週間かかりますのでお早めにお手続ください。公開買付期間末日近くである場合は、お取引店からの応募申込みの方がお手続に時間を要しません。
・個人の場合:オンラインサービスのログイン画面より新規申込を受付しております。若しくは、お取引店又はオンラインサービスサポートダイヤルまでご連絡ください。
・法人の場合:お取引店までご連絡ください。なお、法人の場合は代理人等のご登録がない法人に限りオンラインサービスによる応募が可能です。
(注3) 株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税について(個人株主の場合)
個人株主の方につきましては、株式等の譲渡所得等には原則として申告分離課税が適用されます。税務上の具体的なご質問等は税理士等の専門家にご相談いただき、ご自身でご判断いただきますようお願いします。
① 公開買付代理人
野村證券株式会社 東京都中央区日本橋一丁目9番1号
② 本公開買付けに係る株券等の買付け等の申込みに対する承諾又は売付け等の申込みをする方(以下「応募株主等」といいます。)は、公開買付代理人の本店又は全国各支店において、所定の「公開買付応募申込書」に所要事項を記載の上、公開買付期間末日の15時30分までに応募してください。応募の際には、ご印鑑、マイナンバー(個人番号)又は法人番号、本人確認書類等が必要になる場合があります(注1)。
オンラインサービス(公開買付代理人に口座をお持ちのお客様専用のオンラインサービス)による応募に関しては、オンラインサービス(https://hometrade.nomura.co.jp/)にて公開買付期間末日の15時30分までに手続を行ってください。なお、オンラインサービスによる応募には、応募株主等が公開買付代理人に設定した応募株主等名義の口座(以下「応募株主等口座」といいます。)におけるオンラインサービスのご利用申込みが必要です(注2)。
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止等の対応に伴い、公開買付期間中、店舗の店頭業務を一時休止する等の特別な対応を行っている可能性があります。詳細については、公開買付代理人の本店又は全国各支店にお問い合わせください。併せて、対象となる店舗、特別な対応等につきましては、公開買付代理人のホームページ(https://www.nomura.co.jp/)もご参照ください。
③ 株券等の応募の受付にあたっては、応募株主等口座に、応募する予定の株券等が記録されている必要があります。そのため、応募する予定の株券等が、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等に設定された口座に記録されている場合(対象者の特別口座の口座管理機関である三井住友信託銀行株式会社に設定された特別口座に記録されている場合を含みます。)は、応募に先立ち、応募株主等口座への振替手続を完了していただく必要があります。
④ 本公開買付けにおいては、公開買付代理人以外の金融商品取引業者を経由した応募の受付は行われません。
⑤ 外国の居住者であり、公開買付代理人にお取引可能な口座をお持ちでない株主等(法人株主等を含みます。以下「外国人株主等」といいます。)の場合、日本国内の常任代理人を通じて応募してください。オンラインサービスにおいては、外国の居住者は応募できません。
⑥ 日本の居住者である個人株主の場合、公開買付けにより売却された株券等に係る売却代金と取得費との差額は、原則として株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税の適用対象となります(注3)。
⑦ 応募株券等の全部の買付けが行われないこととなった場合、買付けの行われなかった株券等は応募株主等に返還されます。
(注1) ご印鑑、マイナンバー(個人番号)又は法人番号、本人確認書類等について
公開買付代理人である野村證券株式会社に新規に口座を開設する場合、ご印鑑が必要となるほか、マイナンバー(個人番号)又は法人番号及び本人確認書類等が必要になります。また、既に口座を有している場合であっても、住所変更、取引店変更、税務に係る手続等の都度、マイナンバー(個人番号)又は法人番号及び本人確認書類等が必要な場合があります。なお、マイナンバー(個人番号)を確認するために提出する書類により、必要となる本人確認書類が異なります。マイナンバー(個人番号)又は法人番号を確認するための書類及び本人確認書類の詳細につきましては、公開買付代理人にお尋ねください。
・個人の場合
マイナンバー(個人番号)提供時の必要書類
マイナンバー(個人番号)の提供に際しては、所定の「マイナンバー提供書」のほか、1.マイナンバー(個人番号)を確認するための書類と、2.本人確認書類が必要です。
1.マイナンバー(個人番号)を確認するための書類
個人番号カード、通知カード、マイナンバー(個人番号)の記載された住民票の写し、マイナンバー(個人番号)の記載された住民票記載事項証明書、のいずれか1点が必要です。
2.本人確認書類
マイナンバー(個人番号)を確認するための書類 | 必要な本人確認書類 |
個人番号カード | 不要 |
通知カード | Aのいずれか1点、又はBのうち2点 |
マイナンバー(個人番号)の記載された住民票の写し | A又はBのうち、「住民票の写し」「住民票記載事項証明書」以外の1点 |
マイナンバー(個人番号)の記載された住民票記載事項証明書 |
A 顔写真付の本人確認書類
・有効期間内の原本のコピーの提出が必要
旅券(パスポート)、運転免許証、運転経歴証明書、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳、在留カード、特別永住者証明書
B 顔写真のない本人確認書類
・発行から6ヶ月以内の原本又はコピーの提出が必要
住民票の写し、住民票の記載事項証明書、印鑑登録証明書
・有効期間内の原本のコピーの提出が必要
健康保険証(各種)、国民年金手帳(氏名・住所・生年月日の記載があるもの)、福祉手帳(各種)
※本人確認書類(原本・コピー)は、以下2点を確認できる必要があります。
①本人確認書類そのものの有効期限 ②申込書に記載された住所・氏名・生年月日
※野村證券株式会社の店舗でお手続をされる場合は、原本をご提示いただき、その場での確認とさせていただきます。
※コピーの場合は、あらためて原本の提示をお願いする場合があります。
※野村證券株式会社より本人確認書類の記載住所に「取引に係る文書」を郵送し、ご本人様の確認をさせていただきます。
※新規口座開設、住所変更等の各種手続に係る本人確認書類を提出いただく場合、口座名義人様の本人確認書類に限りマイナンバー(個人番号)の提供に必要な書類を兼ねることができます(同じものを2枚以上提出いただく必要はありません。)。
・法人の場合
登記事項証明書、官公庁から発行された書類等の本人確認書類が必要になります。
※本人特定事項 ①名称 ②本店又は主たる事務所の所在地
※法人自体の本人確認に加え、代表者若しくは代理人・取引担当者個人(契約締結の任に当たる者)の本人確認が必要となります。
法人番号の提供に際しては、法人番号を確認するための書類として、「国税庁 法人番号公表サイト」で検索した結果画面を印刷したもの又は「法人番号指定通知書」のコピーが必要となります。また、所定の「法人番号提供書」が必要となる場合があります。
・外国人(居住者を除きます。)、外国に本店又は主たる事務所を有する法人の場合
日本国政府の承認した外国政府又は権限ある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、居住者の本人確認書類に準じるもの等の本人確認書類が必要になります。
(注2) オンラインサービスのご利用には、お申込みが必要です。オンラインサービスをお申込み後、パスワードがご登録住所に到着するまで約1週間かかりますのでお早めにお手続ください。公開買付期間末日近くである場合は、お取引店からの応募申込みの方がお手続に時間を要しません。
・個人の場合:オンラインサービスのログイン画面より新規申込を受付しております。若しくは、お取引店又はオンラインサービスサポートダイヤルまでご連絡ください。
・法人の場合:お取引店までご連絡ください。なお、法人の場合は代理人等のご登録がない法人に限りオンラインサービスによる応募が可能です。
(注3) 株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税について(個人株主の場合)
個人株主の方につきましては、株式等の譲渡所得等には原則として申告分離課税が適用されます。税務上の具体的なご質問等は税理士等の専門家にご相談いただき、ご自身でご判断いただきますようお願いします。
契約の解除の方法
(2)【契約の解除の方法】
応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除をする場合は、公開買付期間末日の15時30分までに後記に指定する者の応募の受付を行った本店又は全国各支店に、公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面(以下「解除書面」といいます。)を交付又は送付してください。但し、送付の場合は、解除書面が公開買付期間末日の15時30分までに到達することを条件とします。
オンラインサービスで応募された契約の解除は、オンラインサービス(https://hometrade.nomura.co.jp/)上の操作又は解除書面の交付若しくは送付により行ってください。オンラインサービス上の操作による場合は当該画面上に記載される方法に従い、公開買付期間末日の15時30分までに解除手続を行ってください。なお、お取引店で応募された契約の解除に関しては、オンラインサービス上の操作による解除手続を行うことはできません。解除書面の交付又は送付による場合は、予め解除書面をお取引店に請求した上で、公開買付期間末日の15時30分までにお取引店に交付又は送付してください。但し、送付の場合は、解除書面が公開買付期間末日の15時30分までに到達することを条件とします。
※新型コロナウイルス感染症感染拡大防止等の対応に伴い、公開買付期間中、店舗の店頭業務を一時休止する等の特別な対応を行っている可能性があります。詳細については、公開買付代理人の本店又は全国各支店にお問い合わせください。併せて、対象となる店舗、特別な対応等につきましては、公開買付代理人のホームページ(https://www.nomura.co.jp/)もご参照ください。
解除書面を受領する権限を有する者
野村證券株式会社 東京都中央区日本橋一丁目9番1号
(その他の野村證券株式会社全国各支店)
応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除をする場合は、公開買付期間末日の15時30分までに後記に指定する者の応募の受付を行った本店又は全国各支店に、公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面(以下「解除書面」といいます。)を交付又は送付してください。但し、送付の場合は、解除書面が公開買付期間末日の15時30分までに到達することを条件とします。
オンラインサービスで応募された契約の解除は、オンラインサービス(https://hometrade.nomura.co.jp/)上の操作又は解除書面の交付若しくは送付により行ってください。オンラインサービス上の操作による場合は当該画面上に記載される方法に従い、公開買付期間末日の15時30分までに解除手続を行ってください。なお、お取引店で応募された契約の解除に関しては、オンラインサービス上の操作による解除手続を行うことはできません。解除書面の交付又は送付による場合は、予め解除書面をお取引店に請求した上で、公開買付期間末日の15時30分までにお取引店に交付又は送付してください。但し、送付の場合は、解除書面が公開買付期間末日の15時30分までに到達することを条件とします。
※新型コロナウイルス感染症感染拡大防止等の対応に伴い、公開買付期間中、店舗の店頭業務を一時休止する等の特別な対応を行っている可能性があります。詳細については、公開買付代理人の本店又は全国各支店にお問い合わせください。併せて、対象となる店舗、特別な対応等につきましては、公開買付代理人のホームページ(https://www.nomura.co.jp/)もご参照ください。
解除書面を受領する権限を有する者
野村證券株式会社 東京都中央区日本橋一丁目9番1号
(その他の野村證券株式会社全国各支店)
株券等の返還方法、応募及び契約の解除の方法
(3)【株券等の返還方法】
応募株主等が前記「(2)契約の解除の方法」に記載の方法により公開買付けに係る契約の解除を申し出た場合には、解除手続終了後速やかに、後記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還します。
応募株主等が前記「(2)契約の解除の方法」に記載の方法により公開買付けに係る契約の解除を申し出た場合には、解除手続終了後速やかに、後記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還します。
株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地
(4)【株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】
野村證券株式会社 東京都中央区日本橋一丁目9番1号
野村證券株式会社 東京都中央区日本橋一丁目9番1号
買付け等に要する資金等
(1)【買付け等に要する資金等】
(注1) 「買付代金(円)(a)」欄には、買付予定数(252,557,288株)に1株当たりの買付価格(2,300円)を乗じた金額を記載しております。
(注2) 「買付手数料(b)」欄には、公開買付代理人に支払う手数料の見積額を記載しております。
(注3) 「その他(c)」欄には、本公開買付けに関する公告及び公開買付説明書その他必要書類の印刷費その他諸費用につき、その見積額を記載しております。
(注4) その他公開買付代理人に支払われる諸経費及び弁護士報酬等がございますが、その額は未定です。
(注5) 前記金額には消費税等は含まれておりません。
買付代金(円)(a) | 580,881,762,400 |
金銭以外の対価の種類 | ― |
金銭以外の対価の総額 | ― |
買付手数料(b) | 640,000,000 |
その他(c) | 35,000,000 |
合計(a)+(b)+(c) | 581,556,762,400 |
(注1) 「買付代金(円)(a)」欄には、買付予定数(252,557,288株)に1株当たりの買付価格(2,300円)を乗じた金額を記載しております。
(注2) 「買付手数料(b)」欄には、公開買付代理人に支払う手数料の見積額を記載しております。
(注3) 「その他(c)」欄には、本公開買付けに関する公告及び公開買付説明書その他必要書類の印刷費その他諸費用につき、その見積額を記載しております。
(注4) その他公開買付代理人に支払われる諸経費及び弁護士報酬等がございますが、その額は未定です。
(注5) 前記金額には消費税等は含まれておりません。
金融機関、届出日以後に借入れを予定している資金
イ【金融機関】
(注) 公開買付者は、前記金額の融資の裏付けとして、農林中央金庫から、57,038,380,800円を限度として融資を行う用意がある旨の融資証明書を2020年7月7日付で取得しております。なお、当該融資の引受条件として、本書の添付資料である融資証明書記載のものが定められています。
借入先の業種 | 借入先の名称等 | 借入契約の内容 | 金額(千円) | |
1 | - | - | - | - |
2 | 協同組織金融業 | 農林中央金庫 (東京都千代田区有楽町一丁目13番2号) | 買付け等に要する資金に充当するための借入れ(注) 弁済期:請求書記載の返済予定日 金利 :全銀協TIBORを基準とする変動金利 担保 :なし | 57,038,380 |
計(b) | 57,038,380 |
(注) 公開買付者は、前記金額の融資の裏付けとして、農林中央金庫から、57,038,380,800円を限度として融資を行う用意がある旨の融資証明書を2020年7月7日付で取得しております。なお、当該融資の引受条件として、本書の添付資料である融資証明書記載のものが定められています。
金融機関以外、届出日以後に借入れを予定している資金
ロ【金融機関以外】
(注1) 伊藤忠トレジャリー株式会社は、伊藤忠商事が議決権の100%を所有する同社の子会社です。公開買付者は、前記金額の融資の裏付けとして、伊藤忠トレジャリー株式会社から、418,500,000,000円を限度として融資を行う用意がある旨の融資証明書を2020年7月8日付で取得しております。当該融資の貸付実行のための前提条件はありません。なお、公開買付者は、伊藤忠トレジャリー株式会社と伊藤忠商事グループ各社との間のグループ金融基本契約の締結状況及び伊藤忠商事の第96期(2019年4月1日~2020年3月31日)の有価証券報告書に記載された連結財務諸表の連結財政状態計算書を確認する方法により、伊藤忠トレジャリー株式会社が当該融資を行う資力が十分であることを確認しております。
(注2) 融資証明書をご参照ください。
借入先の業種 | 借入先の名称等 | 借入契約の内容 | 金額(千円) |
金融業 | 伊藤忠トレジャリー株式会社 (東京都港区北青山二丁目5番1号) | 買付け等に要する資金に充当するための借入れ(注1) (1)長期ターム貸付金 弁済期:(注2) 金利 :(注2) 担保 :(注2) (2)短期ターム貸付金 弁済期:(注2) 金利 :(注2) 担保 :(注2) | (1)長期ターム貸付金 415,500,000 (2)短期ターム貸付金 3,000,000 |
- | - | - | - |
計(c) | 418,500,000 |
(注1) 伊藤忠トレジャリー株式会社は、伊藤忠商事が議決権の100%を所有する同社の子会社です。公開買付者は、前記金額の融資の裏付けとして、伊藤忠トレジャリー株式会社から、418,500,000,000円を限度として融資を行う用意がある旨の融資証明書を2020年7月8日付で取得しております。当該融資の貸付実行のための前提条件はありません。なお、公開買付者は、伊藤忠トレジャリー株式会社と伊藤忠商事グループ各社との間のグループ金融基本契約の締結状況及び伊藤忠商事の第96期(2019年4月1日~2020年3月31日)の有価証券報告書に記載された連結財務諸表の連結財政状態計算書を確認する方法により、伊藤忠トレジャリー株式会社が当該融資を行う資力が十分であることを確認しております。
(注2) 融資証明書をご参照ください。
その他資金調達方法
④【その他資金調達方法】
(注1) 公開買付者は、前記金額の出資の裏付けとして、公開買付者の親会社である伊藤忠商事から103,900,000,000円を限度として出資を行う用意がある旨の出資証明書を2020年7月7日付で取得しております。当該出資の実行のための前提条件はありません。なお、公開買付者は、伊藤忠商事の第96期(2019年4月1日~2020年3月31日)の有価証券報告書を確認する方法により、伊藤忠商事が前記出資を行う資力が十分であることを確認しております。
(注2) 公開買付者は、前記金額の出資の裏付けとして、公開買付者の出資者である東京センチュリーから4,998,500,000円を限度として出資を行う用意がある旨の出資証明書を2020年7月7日付で取得しております。当該出資の実行のための前提条件はありません。なお、公開買付者は、東京センチュリーの第51期(2019年4月1日~2020年3月31日)の有価証券報告書に記載された連結財務諸表の連結財政状態計算書を確認する方法により、東京センチュリーが前記出資を行う資力が十分であることを確認しております。
内容 | 金額(千円) |
伊藤忠商事による出資(注1) (東京都港区北青山二丁目5番1号) | 103,900,000 |
東京センチュリーによる出資(注2) (東京都千代田区神田練塀町3番地) | 4,998,500 |
計(d) | 108,898,500 |
(注1) 公開買付者は、前記金額の出資の裏付けとして、公開買付者の親会社である伊藤忠商事から103,900,000,000円を限度として出資を行う用意がある旨の出資証明書を2020年7月7日付で取得しております。当該出資の実行のための前提条件はありません。なお、公開買付者は、伊藤忠商事の第96期(2019年4月1日~2020年3月31日)の有価証券報告書を確認する方法により、伊藤忠商事が前記出資を行う資力が十分であることを確認しております。
(注2) 公開買付者は、前記金額の出資の裏付けとして、公開買付者の出資者である東京センチュリーから4,998,500,000円を限度として出資を行う用意がある旨の出資証明書を2020年7月7日付で取得しております。当該出資の実行のための前提条件はありません。なお、公開買付者は、東京センチュリーの第51期(2019年4月1日~2020年3月31日)の有価証券報告書に記載された連結財務諸表の連結財政状態計算書を確認する方法により、東京センチュリーが前記出資を行う資力が十分であることを確認しております。
買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計
⑤【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計】
584,436,880千円((a)+(b)+(c)+(d))
584,436,880千円((a)+(b)+(c)+(d))
買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地
(1)【買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】
野村證券株式会社 東京都中央区日本橋一丁目9番1号
野村證券株式会社 東京都中央区日本橋一丁目9番1号
決済の開始日
(2)【決済の開始日】
2020年8月28日(金曜日)
2020年8月28日(金曜日)
決済の方法
(3)【決済の方法】
公開買付期間終了後遅滞なく、公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等(外国人株主等の場合は常任代理人)の住所宛に郵送します。
買付けは、金銭にて行います。応募株主等は公開買付けによる売却代金を、送金等の応募株主等が指示した方法により、決済の開始日以後遅滞なく受け取ることができます(送金手数料がかかる場合があります。)。
公開買付期間終了後遅滞なく、公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等(外国人株主等の場合は常任代理人)の住所宛に郵送します。
買付けは、金銭にて行います。応募株主等は公開買付けによる売却代金を、送金等の応募株主等が指示した方法により、決済の開始日以後遅滞なく受け取ることができます(送金手数料がかかる場合があります。)。
株券等の返還方法、決済の方法
(4)【株券等の返還方法】
後記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1)法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」及び「(2)公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき応募株券等の全部の買付け等を行わないこととなった場合には、公開買付期間末日の翌々営業日(公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日)以後速やかに、公開買付代理人の応募株主等口座上で、返還すべき株券等を応募が行われた直前の記録に戻すことにより返還します(株券等を他の金融商品取引業者等に設定した応募株主等の口座に振替える場合は、応募の受付をされた公開買付代理人の本店又は全国各支店にご確認ください。)。
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止等の対応に伴い、公開買付期間中、店舗の店頭業務を一時休止する等の特別な対応を行っている可能性があります。詳細については、公開買付代理人の本店又は全国各支店にお問い合わせください。併せて、対象となる店舗、特別な対応等につきましては、公開買付代理人のホームページ(https://www.nomura.co.jp/)もご参照ください。
後記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1)法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」及び「(2)公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき応募株券等の全部の買付け等を行わないこととなった場合には、公開買付期間末日の翌々営業日(公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日)以後速やかに、公開買付代理人の応募株主等口座上で、返還すべき株券等を応募が行われた直前の記録に戻すことにより返還します(株券等を他の金融商品取引業者等に設定した応募株主等の口座に振替える場合は、応募の受付をされた公開買付代理人の本店又は全国各支店にご確認ください。)。
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止等の対応に伴い、公開買付期間中、店舗の店頭業務を一時休止する等の特別な対応を行っている可能性があります。詳細については、公開買付代理人の本店又は全国各支店にお問い合わせください。併せて、対象となる店舗、特別な対応等につきましては、公開買付代理人のホームページ(https://www.nomura.co.jp/)もご参照ください。
法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容
(1)【法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容】
公開買付者は、応募株券等の総数が買付予定数の下限(50,114,060株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。公開買付者は、応募株券等の総数が買付予定数の下限(50,114,060株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。
公開買付者は、応募株券等の総数が買付予定数の下限(50,114,060株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。公開買付者は、応募株券等の総数が買付予定数の下限(50,114,060株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。
公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法
(2)【公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法】
令第14条第1項第1号イないしリ及びヲないしソ、第3号イないしチ及びヌ、並びに同条第2項第3号ないし第6号に定める事情のいずれかが生じた場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。なお、本公開買付けにおいて、令第14条第1項第3号ヌに定める「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」とは、①対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合であって、公開買付者が当該虚偽記載を知らず、かつ、相当の注意を用いたにもかかわらず知ることができなかった場合、及び、②対象者の重要な子会社に同号イからトまでに掲げる事実が発生した場合をいいます。
撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。
令第14条第1項第1号イないしリ及びヲないしソ、第3号イないしチ及びヌ、並びに同条第2項第3号ないし第6号に定める事情のいずれかが生じた場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。なお、本公開買付けにおいて、令第14条第1項第3号ヌに定める「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」とは、①対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合であって、公開買付者が当該虚偽記載を知らず、かつ、相当の注意を用いたにもかかわらず知ることができなかった場合、及び、②対象者の重要な子会社に同号イからトまでに掲げる事実が発生した場合をいいます。
撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。
買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法
(3)【買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法】
法第27条の6第1項第1号の規定により、公開買付期間中に対象者が令第13条第1項に定める行為を行った場合には、府令第19条第1項の規定に定める基準に従い、買付け等の価格の引下げを行うことがあります。買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付けを行います。
法第27条の6第1項第1号の規定により、公開買付期間中に対象者が令第13条第1項に定める行為を行った場合には、府令第19条第1項の規定に定める基準に従い、買付け等の価格の引下げを行うことがあります。買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付けを行います。
応募株主等の契約の解除権についての事項
(4)【応募株主等の契約の解除権についての事項】
応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも公開買付けに係る契約を解除することができます。解除の方法については、前記「7 応募及び契約の解除の方法」の「(2)契約の解除の方法」に記載の方法によるものとします。なお、公開買付者は、応募株主等による契約の解除があった場合においても、損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求することはありません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。
応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも公開買付けに係る契約を解除することができます。解除の方法については、前記「7 応募及び契約の解除の方法」の「(2)契約の解除の方法」に記載の方法によるものとします。なお、公開買付者は、応募株主等による契約の解除があった場合においても、損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求することはありません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。
買付条件等の変更をした場合の開示の方法
(5)【買付条件等の変更をした場合の開示の方法】
買付条件等の変更を行おうとする場合(但し、法第27条の6第1項及び令第13条に禁止される場合を除きます。)は、その変更の内容等につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付けを行います。
買付条件等の変更を行おうとする場合(但し、法第27条の6第1項及び令第13条に禁止される場合を除きます。)は、その変更の内容等につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付けを行います。
訂正届出書を提出した場合の開示の方法
(6)【訂正届出書を提出した場合の開示の方法】
訂正届出書を関東財務局長に提出した場合(但し、法第27条の8第11項但書に規定する場合を除きます。)は、直ちに、訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを、府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。但し、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付する方法により訂正します。
訂正届出書を関東財務局長に提出した場合(但し、法第27条の8第11項但書に規定する場合を除きます。)は、直ちに、訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを、府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。但し、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付する方法により訂正します。
公開買付けの結果の開示の方法
(7)【公開買付けの結果の開示の方法】
本公開買付けの結果については、公開買付期間末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。
本公開買付けの結果については、公開買付期間末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。
会社の沿革
①【会社の沿革】
年月 | 概要 |
2020年3月 | 商号をリテールインベストメントカンパニー合同会社とし、本店所在地を東京都港区北青山二丁目5番1号、資本金を100万円とする合同会社として設立。 |
会社の目的及び事業の内容、公開買付者の状況
②【会社の目的及び事業の内容】
会社の目的
次の事業を営むことを目的としております。
1.小売流通ビジネスに対する投融資
2.前号に付帯関連する一切の業務
事業の内容
公開買付者は、対象者の株券等を取得及び所有すること等を主たる事業としております。
会社の目的
次の事業を営むことを目的としております。
1.小売流通ビジネスに対する投融資
2.前号に付帯関連する一切の業務
事業の内容
公開買付者は、対象者の株券等を取得及び所有すること等を主たる事業としております。
資本金の額及び発行済株式の総数
③【資本金の額及び発行済株式の総数】
(注) 公開買付者は、前記「第1 公開買付要項」の「8 買付け等に要する資金」の「(2)買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等」の「④ その他資金調達方法」に記載のとおり、本決済開始日の2営業日前までに、伊藤忠商事から103,900,000,000円を上限とした出資を、東京センチュリーから4,998,500,000円を上限とした出資をそれぞれ受ける予定ですが、これによる公開買付者の資本金の増加は予定しておりません。
2020年7月9日現在 |
資本金の額 | 発行済株式の総数 |
1,000,000円 | ― |
(注) 公開買付者は、前記「第1 公開買付要項」の「8 買付け等に要する資金」の「(2)買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等」の「④ その他資金調達方法」に記載のとおり、本決済開始日の2営業日前までに、伊藤忠商事から103,900,000,000円を上限とした出資を、東京センチュリーから4,998,500,000円を上限とした出資をそれぞれ受ける予定ですが、これによる公開買付者の資本金の増加は予定しておりません。
大株主、公開買付者の状況
④【大株主】
(注) 公開買付者は合同会社であり、伊藤忠商事の出資額は金990,000円、東京センチュリーの出資額は金10,000円です。また、公開買付者の業務執行社員は、伊藤忠商事です。
2020年7月9日現在 |
氏名又は名称 | 住所又は所在地 | 所有株式数 (千株) | 発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合 (%) |
伊藤忠商事株式会社 | 大阪府大阪市北区梅田三丁目1番3号 | - | - |
東京センチュリー株式会社 | 東京都千代田区神田練塀町3番地 | - | - |
計 | - | - | - |
(注) 公開買付者は合同会社であり、伊藤忠商事の出資額は金990,000円、東京センチュリーの出資額は金10,000円です。また、公開買付者の業務執行社員は、伊藤忠商事です。
役員の職歴及び所有株式の数
⑤【役員の職歴及び所有株式の数】
2020年7月9日現在 |
役名 | 職名 | 氏名 | 生年月日 | 職歴 | 所有株式数 (千株) | |
職務執行者 | ― | 細見 研介 | 1962年12月31日 | 1986年4月 | 伊藤忠商事株式会社入社 | ― |
2002年4月 | 同社ブランドマーケティング事業部ブランドマーケティング第七課長 | |||||
2010年4月 | 同社ブランドマーケティング第三部長 | |||||
2014年4月 | 同社ブランドマーケティング第二部門長 | |||||
2015年4月 | 同社CP・CITIC戦略室長代行 | |||||
2017年4月 | 同社執行役員食品流通部門長 | |||||
2019年7月 | 第8カンパニープレジデント(現任) | |||||
2020年3月 | 公開買付者職務執行者(現任) | |||||
計 |
経理の状況、公開買付者の状況
(2)【経理の状況】
公開買付者の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。その後の改正を含みます。)に基づいて作成しております。
なお、公開買付者は、法第24条第1項に定める有価証券報告書を提出しなければならない会社には該当せず、また、合同会社であることから、公開買付者の財務諸表は、監査法人又は公認会計士の監査を受けておらず、また、会社法上の法定監査の対象とはなっておりません。また、公開買付者には子会社はありませんので、連結財務諸表は作成しておりません。
①【貸借対照表】
2019年度(2020年3月31日時点)貸借対照表
②【損益計算書】
2019年度(2020年3月18日から2020年3月31日まで)損益計算書
③【社員資本等変動計算書】
2019年度(2020年3月18日から2020年3月31日まで)社員資本等変動計算書
【注記事項】
1 重要な会計方針に係る事項に関する注記
2 貸借対照表に関する注記
公開買付者の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。その後の改正を含みます。)に基づいて作成しております。
なお、公開買付者は、法第24条第1項に定める有価証券報告書を提出しなければならない会社には該当せず、また、合同会社であることから、公開買付者の財務諸表は、監査法人又は公認会計士の監査を受けておらず、また、会社法上の法定監査の対象とはなっておりません。また、公開買付者には子会社はありませんので、連結財務諸表は作成しておりません。
①【貸借対照表】
2019年度(2020年3月31日時点)貸借対照表
(単位:円) |
(資産の部) | (負債の部) | ||
科目 | 金額 | 科目 | 金額 |
[流動資産] | 20,423,443 | [流動負債] | 20,007,013 |
現金・預金 | 1,000,000 | 未払費用 | 19,995,413 |
仮払金 | 19,423,443 | 未払法人税等 | 11,600 |
[固定資産] | 197,884 | 負債合計 | 20,007,013 |
(投資その他の資産) | 197,844 | (純資産の部) | |
繰延税金資産 | 197,844 | [株主資本] | 614,274 |
資本金 | 1,000,000 | ||
(利益剰余金) | △385,726 | ||
その他利益剰余金 | △385,726 | ||
繰越利益剰余金 | △385,726 | ||
純資産合計 | 614,274 | ||
資産合計 | 20,621,287 | 負債・純資産合計 | 20,621,287 |
②【損益計算書】
2019年度(2020年3月18日から2020年3月31日まで)損益計算書
(単位:円) |
科目 | 金額 | ||
[販売費及び一般管理費] | 529,320 | ||
営業損失金額 | △529,320 | ||
[営業外費用] | |||
雑損失 | 42,650 | ||
経常損失金額 | △571,970 | ||
税引前当期純損失金額 | △571,970 | ||
法人税、住民税及び事業税 | 11,600 | ||
法人税等調整額 | △197,844 | △186,244 | |
当期純損失金額 | △385,726 |
③【社員資本等変動計算書】
2019年度(2020年3月18日から2020年3月31日まで)社員資本等変動計算書
(単位:円) |
社員資本 | 純資産合計 | |||
資本金 | 利益剰余金 | 社員資本合計 | ||
当期首残高 | ||||
当期変動額 | ||||
設立出資 | 1,000,000 | 1,000,000 | 1,000,000 | |
当期純損失 | △385,726 | △385,726 | △385,726 | |
当期変動額合計 | 1,000,000 | △385,726 | 614,274 | 614,274 |
当期末残高 | 1,000,000 | △385,726 | 614,274 | 614,274 |
【注記事項】
1 重要な会計方針に係る事項に関する注記
2 貸借対照表に関する注記
公開買付者及び特別関係者による株券等の所有状況の合計
(1)【公開買付者及び特別関係者による株券等の所有状況の合計】
(2020年7月21日現在) |
所有する株券等の数 | 令第7条第1項第2号に該当する株券等の数 | 令第7条第1項第3号に該当する株券等の数 | |
株券 | 2,535,734(個) | ―(個) | ―(個) |
新株予約権証券 | ― | ― | |
新株予約権付社債券 | ― | ― | |
株券等信託受益証券( ) | ― | ― | |
株券等預託証券( ) | ― | ― | |
合計 | 2,535,734 | ||
所有株券等の合計数 | 2,535,734 | ― | ― |
(所有潜在株券等の合計数) | (―) | ― | ― |
特別関係者による株券等の所有状況(特別関係者合計)
(3)【特別関係者による株券等の所有状況(特別関係者合計)】
(2020年7月21日現在) |
所有する株券等の数 | 令第7条第1項第2号に該当する株券等の数 | 令第7条第1項第3号に該当する株券等の数 | |
株券 | 2,535,734(個) | ―(個) | ―(個) |
新株予約権証券 | ― | ― | ― |
新株予約権付社債券 | ― | ― | ― |
株券等信託受益証券( ) | ― | ― | ― |
株券等預託証券( ) | ― | ― | ― |
合計 | 2,535,734 | ― | ― |
所有株券等の合計数 | 2,535,734 | ― | ― |
(所有潜在株券等の合計数) | (―) | ― | ― |
特別関係者
①【特別関係者】
(2020年7月9日現在) |
氏名又は名称 | 伊藤忠商事株式会社 |
住所又は所在地 | 大阪府大阪市北区梅田三丁目1番3号 |
職業又は事業の内容 | 総合商社 |
連絡先 | 連絡者 伊藤忠商事株式会社 法務部 連絡場所 大阪府大阪市北区梅田三丁目1番3号 電話番号 03-3497-4075 |
公開買付者との関係 | 公開買付者に対して特別資本関係を有する法人 |
(2020年7月9日現在) |
氏名又は名称 | 東京センチュリー株式会社 |
住所又は所在地 | 東京都千代田区神田練塀町3番地 |
職業又は事業の内容 | 賃貸事業、割賦販売事業、営業貸付事業、その他の事業 |
連絡先 | 連絡者 東京センチュリー株式会社 広報IR部 連絡場所 東京都千代田区神田練塀町3番地 電話番号 03-5209-6710 |
公開買付者との関係 | 公開買付者に対して特別資本関係を有する法人 |
所有株券等の数
②【所有株券等の数】
伊藤忠商事株式会社
(注) 伊藤忠商事は、IRIとの間で、本出資払戻契約を締結し、当該契約に基づき、伊藤忠商事の出資の価額120,001百万円を119,970百万円減少させることにより31百万円に減少させ、伊藤忠商事は、2020年7月21日、IRIから対象者株式43,521,600株の交付を受けました。当該交付を受けた後における、伊藤忠商事の所有する株券の数及び所有株券等の合計数は2,535,507個となりました。詳細は、「第1 公開買付要項」の「(1)本公開買付けの概要」及び「(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本出資払戻契約」をご参照ください。
東京センチュリー株式会社
伊藤忠商事株式会社
(2020年7月21日現在) |
所有する株券等の数 | 令第7条第1項第2号に該当する株券等の数 | 令第7条第1項第3号に該当する株券等の数 | |
株券 | 2,535,507(個) | ―(個) | ―(個) |
新株予約権証券 | ― | ― | |
新株予約権付社債券 | ― | ― | |
株券等信託受益証券( ) | ― | ― | |
株券等預託証券( ) | ― | ― | |
合計 | 2,535,507 | ||
所有株券等の合計数 | 2,535,507 | ― | ― |
(所有潜在株券等の合計数) | (―) | ― | ― |
(注) 伊藤忠商事は、IRIとの間で、本出資払戻契約を締結し、当該契約に基づき、伊藤忠商事の出資の価額120,001百万円を119,970百万円減少させることにより31百万円に減少させ、伊藤忠商事は、2020年7月21日、IRIから対象者株式43,521,600株の交付を受けました。当該交付を受けた後における、伊藤忠商事の所有する株券の数及び所有株券等の合計数は2,535,507個となりました。詳細は、「第1 公開買付要項」の「(1)本公開買付けの概要」及び「(3)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本出資払戻契約」をご参照ください。
東京センチュリー株式会社
(2020年7月9日現在) |
所有する株券等の数 | 令第7条第1項第2号に該当する株券等の数 | 令第7条第1項第3号に該当する株券等の数 | |
株券 | 227(個) | ―(個) | ―(個) |
新株予約権証券 | ― | ― | |
新株予約権付社債券 | ― | ― | |
株券等信託受益証券( ) | ― | ― | |
株券等預託証券( ) | ― | ― | |
合計 | 227 | ||
所有株券等の合計数 | 227 | ― | ― |
(所有潜在株券等の合計数) | (―) | ― | ― |
届出書の提出日以後に株券等の買付け等を行う旨の契約
伊藤忠商事は、IRIとの間で、2020年7月8日、本出資払戻契約を締結し、当該契約に基づき、出資の払戻しの時点(2020年7月21日)における伊藤忠商事の出資の価額120,001百万円を119,970百万円(百万円未満を四捨五入。以下、伊藤忠商事の出資の価額の減少額について同じとします。)減少させることにより31百万円に減少させ、IRIから伊藤忠商事に対して、対象者株式43,521,600株を交付いたしました。伊藤忠商事は、IRIから当該交付を受けることに対して、伊藤忠商事はIRIに対していかなる対価も支払っておりません。なお、合同会社が出資の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額は、会社法上、剰余金額又は出資の価額の減少額のいずれか少ない額を超えてはならないものとされているため、IRIは対象者株式43,521,600株の伊藤忠商事への交付に際して、当該株式の帳簿価額以上の金額に相当する額について伊藤忠商事の出資の価額を減少させる必要があることを踏まえ、IRIは出資の払戻しの時点(2020年7月21日)における伊藤忠商事の出資の価額120,001百万円を119,970百万円減少させることにより、31百万円に減少させました。かかる伊藤忠商事の出資の価額の減少額(119,970百万円)は、上記の会社法上の規制を踏まえて、IRIが所有する対象者株式43,521,600株の同社における2020年7月8日現在の帳簿価額と同額としているものであり、本書提出日現在における対象者株式の価値を勘案して決定された額ではなく、本公開買付価格とは無関係です。なお、この出資の価額の減少額をIRIから伊藤忠商事に対して交付された対象者株式43,521,600株で除した金額は、2,756.56円(小数点以下第三位を四捨五入。)ですが、そもそも出資の価額は、伊藤忠商事がIRIに過去に払い込んだ金銭等の額を意味する数値に過ぎず、当該数値を減少させることは、伊藤忠商事がIRIに対して何らかの財産的価値を交付したことを意味せず、伊藤忠商事がIRIに対する何らかの財産的価値を放棄したことも意味しません。IRIの社員は伊藤忠商事のみであるため、上記の出資の価額の減少によって、伊藤忠商事のIRIに対する持分割合が減少することもありません。このように、出資の価額の減少額は、対象者株式43,521,600株の交付を受けることの対価として伊藤忠商事がIRIに対して交付する財産的価値を意味するものではなく、上記の会社法上の規制を遵守するために決定される数値に過ぎないため、出資の価額の減少額をIRIから伊藤忠商事に対して交付された対象者株式43,521,600株で除した金額が本公開買付価格と合致しないことは、公開買付価格の均一性の趣旨(法第27条の2第3項)に反するものではありません。
公開買付者と対象者又はその役員との間の合意の有無及び内容
(1)公開買付者と対象者との間の合意の有無及び内容
対象者取締役会の意思決定過程については、対象者開示及び前記「第1 公開買付要項」の「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑦ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針
前記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」をご参照ください。
(3)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
前記「第1 公開買付要項」の「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。
対象者取締役会の意思決定過程については、対象者開示及び前記「第1 公開買付要項」の「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑦ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針
前記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」をご参照ください。
(3)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
前記「第1 公開買付要項」の「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。
株価の状況
(単位:円) |
金融商品取引所名又は認可金融商品取引業協会名 | 東京証券取引所 市場第一部 | ||||||
月別 | 2020年1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 |
最高株価 | 2,753 | 2,603 | 2,431 | 2,037 | 2,025 | 2,159 | 1,860 |
最低株価 | 2,351 | 2,278 | 1,423 | 1,696 | 1,691 | 1,782 | 1,713 |
(注) 2020年7月については、7月8日までのものです。
継続開示会社たる対象者に関する事項
(1)【対象者が提出した書類】
①【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第38期(自 2018年3月1日 至 2019年2月28日) 2019年5月29日関東財務局長に提出
事業年度 第39期(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日) 2020年5月29日関東財務局長に提出
②【四半期報告書又は半期報告書】
事業年度 第40期第1四半期(自 2020年3月1日 至 2020年5月31日) 2020年7月15日関東財務局長に提出
③【臨時報告書】
該当事項はありません。
④【訂正報告書】
該当事項はありません。
(2)【上記書類を縦覧に供している場所】
株式会社ファミリーマート
(東京都港区芝浦三丁目1番21号)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
①【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第38期(自 2018年3月1日 至 2019年2月28日) 2019年5月29日関東財務局長に提出
事業年度 第39期(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日) 2020年5月29日関東財務局長に提出
②【四半期報告書又は半期報告書】
事業年度 第40期第1四半期(自 2020年3月1日 至 2020年5月31日) 2020年7月15日関東財務局長に提出
③【臨時報告書】
該当事項はありません。
④【訂正報告書】
該当事項はありません。
(2)【上記書類を縦覧に供している場所】
株式会社ファミリーマート
(東京都港区芝浦三丁目1番21号)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
その他、対象者の状況
(1)2021年2月期(第40期)配当予想の修正
対象者は、2020年7月8日開催の対象者取締役会において、対象者が2020年4月13日に公表した配当予想を修正し、本公開買付けが成立することを条件に、2021年2月期(第40期)における剰余金のの配当を行わないことを決議したとのことです。詳細については、対象者が2020年7月8日に公表した「その他の収益及びその他の費用(IFRS)の計上並びに業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ」をご参照ください。
(2)業績予想の修正
対象者は、2020年7月8日付で、「その他の収益及びその他の費用(IFRS)の計上並びに業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ」を公表しており、当該公表内容の概要は以下のとおりです。なお、以下の公表内容の概要は、対象者が公表した内容を一部抜粋したものであり、公開買付者は、その正確性及び真実性について独自に検証しうる立場になく、また、実際にかかる検証を行っておりません。詳細につきましては、対象者の当該公表の内容をご参照ください。
(3)対象者の子会社である全家便利商店股份有限公司の株式の一部譲渡
対象者は、2020年7月8日付で、「子会社の異動を伴う株式の一部譲渡に関するお知らせ」を公表しており、当該公表の内容によれば、対象者は、2020年7月8日開催の対象者取締役会において、対象者の子会社である全家便利商店股份有限公司の株式を、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス又はその子会社と対象者が新設する合弁会社に一部譲渡することを決定し、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスとの間で覚書を締結したとのことです。詳細については、対象者の当該公表の内容をご参照ください。
(4)「2021年2月期 第1四半期決算短信[IFRS](連結)」の公表
対象者は、2020年7月8日付で、「2021年2月期 第1四半期決算短信[IFRS](連結)」を公表しております。当該公表に基づく同期の対象者の損益状況は以下のとおりです。なお、当該内容につきましては、法193条の2第1項の規定に基づく監査法人の四半期レビューを受けていないとのことです。また、以下の公表内容の概要は、対象者が公表した内容を一部抜粋したものであり、公開買付者はその正確性及び真実性について独自に検証を行っておりません。詳細につきましては、対象者の当該公表の内容をご参照ください。
① 損益の状況(連結)
② 1株当たりの状況(連結)
対象者は、2020年7月8日開催の対象者取締役会において、対象者が2020年4月13日に公表した配当予想を修正し、本公開買付けが成立することを条件に、2021年2月期(第40期)における剰余金のの配当を行わないことを決議したとのことです。詳細については、対象者が2020年7月8日に公表した「その他の収益及びその他の費用(IFRS)の計上並びに業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ」をご参照ください。
(2)業績予想の修正
対象者は、2020年7月8日付で、「その他の収益及びその他の費用(IFRS)の計上並びに業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ」を公表しており、当該公表内容の概要は以下のとおりです。なお、以下の公表内容の概要は、対象者が公表した内容を一部抜粋したものであり、公開買付者は、その正確性及び真実性について独自に検証しうる立場になく、また、実際にかかる検証を行っておりません。詳細につきましては、対象者の当該公表の内容をご参照ください。
営業収益 | 事業利益 | 税引前利益 | 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 基本的1株当たり四半期利益 | |
百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | 円 銭 | |
前回発表予想(A) (2020年4月13日発表) | 519,000 | 85,000 | 83,000 | 60,000 | 118.55 |
今回修正予想(B) | 460,000 | 57,000 | 94,000 | 60,000 | 118.55 |
増減額(B-A) | △59,000 | △28,000 | 11,000 | ― | ― |
増減率(%) | △11.4% | △32.9% | 13.3% | ― | ― |
(参考)前期実績 (2020年2月期) | 517,060 | 64,547 | 46,221 | 43,529 | 86.01 |
(3)対象者の子会社である全家便利商店股份有限公司の株式の一部譲渡
対象者は、2020年7月8日付で、「子会社の異動を伴う株式の一部譲渡に関するお知らせ」を公表しており、当該公表の内容によれば、対象者は、2020年7月8日開催の対象者取締役会において、対象者の子会社である全家便利商店股份有限公司の株式を、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス又はその子会社と対象者が新設する合弁会社に一部譲渡することを決定し、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスとの間で覚書を締結したとのことです。詳細については、対象者の当該公表の内容をご参照ください。
(4)「2021年2月期 第1四半期決算短信[IFRS](連結)」の公表
対象者は、2020年7月8日付で、「2021年2月期 第1四半期決算短信[IFRS](連結)」を公表しております。当該公表に基づく同期の対象者の損益状況は以下のとおりです。なお、当該内容につきましては、法193条の2第1項の規定に基づく監査法人の四半期レビューを受けていないとのことです。また、以下の公表内容の概要は、対象者が公表した内容を一部抜粋したものであり、公開買付者はその正確性及び真実性について独自に検証を行っておりません。詳細につきましては、対象者の当該公表の内容をご参照ください。
① 損益の状況(連結)
会計期間 | 2021年2月期第1四半期 |
営業収益 | 111,763百万円 |
売上原価 | △12,500百万円 |
営業総利益 | 99,263百万円 |
販売費及び一般管理費 | △90,281百万円 |
四半期利益 | 6,787百万円 |
親会社の所有者に帰属する四半期利益 | 5,790百万円 |
② 1株当たりの状況(連結)
会計期間 | 2021年2月期第1四半期 |
基本的1株当たり四半期利益 | 11.44円 |
1株当たり配当額 | -円 |