有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/08/24 15:00
【資料】
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【項目】
123項目

事業等のリスク

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであり、当社の事業等に関するリスクを網羅するものではございません。
(1) 事業環境に関するリスク
(経済、市場の動向について)
当社のAIソリューション事業は、企業を主要顧客としております。従って、国内の景気及び顧客企業のシステム関連の設備投資動向が悪化した場合には、当社の事業展開、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(競合、価格競争等について)
当社の属するAI関連の業界は、AIの普及による新規参入や他社との製品の差別化競争、価格競争が激化することが想定されます。当社では当業界での知名度を上げ、実績等を積み重ねることにより製品の差別化競争や価格競争に勝てるよう対応を講じておりますが、想定した単価で契約ができない場合は、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(新型コロナウイルス感染拡大について)
今般の新型コロナウイルス感染症の流行拡大等に関して、当社においても旅行や飲食業界に関連する案件、東京オリンピック・パラリンピックに関する案件が中止や延期になるなど、一部影響を受けておりますが、当社においては顧客となる業種、業態が多岐にわたり、新型コロナウイルス感染症の影響により業態の変化に積極的な顧客、およびデジタル化を推進する顧客との取引が拡大しているため、当社の業績への影響は軽微と認識しております。しかし、今後新型コロナウイルスの感染拡大が長期化した場合には、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業内容に関するリスク
(開発工数の増加について)
当社が、システム開発を請け負う場合、仕様の大幅な変更、不具合の発生等、当初想定通りの品質が確保できない場合など、予期し得ない事由の発生等により開発工数が増加することで、当初の納入予定日が変更となり、開発工数増加による採算性悪化や、売上及び利益の計上が翌四半期あるいは翌事業年度に期ずれする可能性があります。そのような採算性の悪化や期ずれが発生した場合、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(特定の販売先への依存について)
2019年12月期の当社の売上高に占める販売先のうち、株式会社インフキュリオンデジタルの販売実績が257,478千円(24.1%)、株式会社ニチリウ永瀬の販売実績が249,912千円(23.4%)とこれらの企業に対する販売依存度が高くなっております。もっとも、2018年12月期は株式会社JALインフォテックへの販売実績が164,782千円(17.6%)、株式会社インフキュリオンデジタルへの販売実績が125,231千円(13.4%)となっており、各期の販売先は固定化されたものではないため、リスクは低いものと当社では考えております。
取引先が固定化されないよう取引先の分散を図っておりますが、今後販売先の構成比の分散ができず、上位取引先との取引が中止、縮小した場合、業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(技術革新への対応について)
当社の事業領域であるAI関連の業界は、全世界で研究開発が進んでおり、技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。当社はそうした技術革新に対応できる体制づくりに努めておりますが、今後において技術革新のスピードに対応できない場合、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(外注先について)
当社におけるシステム開発業務等については、人材の確保、開発業務の効率化、顧客要請への迅速な対応等を目的として、業務の一部について外注先への外部委託を活用しております。現時点では優秀な外注先との良好な連携体制を維持しており、今後も外注先の確保、及びその連携体制の強化を積極的に推進していく方針ではありますが、外注先から十分な人材を確保できない場合には、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(情報システムのトラブルについて)
当社は社内システムのほとんどをクラウドサービスにすることで、システムに必要なメンテナンスや故障対応を外部に委託しております。データのバックアップ、故障発生時のデータ保全、システムの可用性などクラウドサービスで定義されたSLA(Service Level Agreement)を確認して、障害発生時にも当社の業務がいち早く復旧できるよう備えております。
通常の通信回線とは別にWi-Fiを利用してインターネット回線の冗長化も施しておりますが、大規模な地震や火災等の災害、コンピュータウイルス、電力供給の停止、通信障害等によるシステムトラブルが生じた場合、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 組織体制に関するリスク
(人材の確保と育成について)
当社の基幹事業であるシステム開発は、知的労働集約型の業務であり、一定水準以上の専門技術や知識を有する技術者やそれを販売する営業部員の確保と育成並びに当社への定着が重要であると認識しております。また、管理部門の人員についても、会社の重要な業務を担う部門であるため、人材の確保と定着が重要であると認識しております。現在、採用の強化や社内での教育の実施、福利厚生の充実など離職防止策の導入を実施しておりますが、当社が必要とする人材が十分に確保できない場合には、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(情報管理体制について)
当社は、顧客の秘密情報及び顧客が保有する個人情報を知りうる場合があることから、当該情報を漏えいするリスクがあります。当社はISO/IEC27001を取得するとともに、情報管理体制を構築し、情報管理の徹底を図っております。しかしながら、人為的ミス等により知り得た情報が漏えいした場合には、当社の社会的信用の失墜等により、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(小規模組織について)
当社は、2019年12月31日現在において、取締役7名、監査役3名、従業員70名と小規模な組織となっており、内部管理体制もこれに応じたものになっております。当社は、今後の事業規模の拡大に応じて、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の財務状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法的規制及び知的財産等に関するリスク
(法的規制等について)
当社は、事業者との間で業務委託契約を締結し、業務を委任しておりますが、「下請代金支払遅延等防止法」(下請法)が適用される場合があります。また、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(労働者派遣法)に基づき、派遣契約を締結し、労働者派遣を一部行っています。
当社は、法令を遵守し事業運営を行っておりますが、運用の不備等により法令義務違反が発生した場合には、当社の社会的信用の失墜等により、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(知的財産権について)
当社では、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めておりますが、当社が認識していない第三者の知的財産権が既に成立している可能性や、使用しているフリーソフトウェアが第三者の知的財産権を侵害している可能性などから、当社による第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性があり、その第三者より、損害賠償請求、使用差止請求及びロイヤリティの支払い請求等が発生した場合には、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) その他
(新株予約権について)
当社は、当社の役職員に対してインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。本書提出日現在におけるストック・オプションは627個(125,400株)であり、発行済株式数の15.2%に相当します。これらストック・オプションが行使された場合、新株式が発行され、株式価値が希薄化する可能性があります。
(訴訟等について)
当社は、その事業活動の遂行過程において、取引先により提起される訴訟その他の法的手続きの当事者となるリスクを有しております。これらの手続きは結果の予測が困難であり、多額の費用が必要となったり、事業活動に影響を及ぼしたりする可能性があります。さらに、これらの手続きにおいて当社に不利な判断がなされた場合には、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(調達資金の使途・効果等について)
当社は株式会社東京証券取引所マザーズの上場に伴う公募増資資金に関しましては、人材採用や採用した人材の人件費等に充当する予定でおります。しかしながら、経営環境の変化により投資が期待通りの成果を上げられない可能性や、新規事業の発足等により投資効果が見込める使途等が生じた場合には現時点の資金使途計画以外の使途に充当する可能性があります。なお、資金使途を変更する決議を行った場合には、適時開示を行う方針であります。