有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/08/20 15:01
【資料】
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【項目】
135項目
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、企業価値の継続的な向上を図るため、社会・経済環境の変化に即応した意思決定ができる組織体制を永続的に運用することであります。その実現に向け、透明性が高く、かつ柔軟性に優れた組織およびシステムを構築し、株主・クライアント・取引先等全てのステークホルダーに対する責務を果たしていくとの認識のもと、以下のとおりコーポレート・ガバナンスの強化に取組んでおります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
a 企業統治の体制の概要
当社は、監査役会設置会社であり、コーポレート・ガバナンスの充実のために、株主総会の充実、取締役会や監査役会の一層の機能強化を図るとともに、適法性の確保および企業経営の効率性確保、不正防止体制、リスク管理体制、ディスクロージャー体制の確立等を行っております。
(a) 取締役会
取締役会は、取締役4名(うち社外取締役1名)で構成されており、「取締役会規程」に基づき、監査役出席のもと、経営上の重要な意思決定を討議し、取締役の業務執行の監督を行っております。当社では、原則月1回の定例取締役会のほか、必要に応じて臨時取締役会を開催しており、取締役会においては権限に基づいた意思決定のほか、業績の進捗状況、その他の業務上の報告を行い情報共有を図っております。
(b) 監査役会
監査役会は、常勤の監査役1名と非常勤の監査役2名で構成されております。監査役会は毎月開催され、各監査役は各事業年度に策定する年間監査計画に従い、取締役会その他重要な会議へ出席する他、業務および各種書類や証憑の調査を通じ取締役の職務執行を監査しております。また監査役は、内部監査担当および会計監査人と情報交換、意見交換を行うことによって、業務監査および会計監査等において総括的な確認を行い、取締役の業務執行の状況を効率的かつ合理的に把握し、監督の実効性を高めております。
(c) 独立役員委員会
当社は株式会社エアトリの子会社であり、同社の上場子会社となることから、一般株主との間に利益相反関係が発生するリスクが存在することを踏まえ、「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」に基づき、2019年9月に独立役員委員会を設置しました。
独立役員委員会は、社外取締役1名および社外監査役3名の独立役員のみで構成されております。独立役員委員会は、原則月に1回、また必要に応じて開催することとしております。独立役員は、関連当事者との取引の妥当性、各取締役への取締役報酬の分配の適正性、取締役及び監査役の選任の妥当性、経営者不正の兆候等について、取締役会で決議される前に独立役員委員会にて審議・検討を行い、その結果を取締役会に報告しております。なお、取締役会では、当該独立役員委員会での審議・検討による意見を最大限尊重した上で、関係する議題の決議を行っております。
(d) コンプライアンス委員会
コンプライアンス委員会は、「コンプライアンス規程」に基づき、代表取締役を委員長として常勤の役員及び管理部部長により構成され、原則月1回開催し、当社に関係する法令違反のリスクを把握及び管理することで適時・適切に是正を行うことができる体制を整えております。また、必要に応じて弁護士、監査法人、税理士、社会保険労務士等の外部専門家から助言を受ける体制を構築しております。
(e) 戦略会議
戦略会議は、取締役、常勤監査役および一定職位以上の幹部社員で構成され、原則月1回開催し、業績の進捗状況確認、各部門のKPIに対するPDCAサイクルの確認、その他の業務上の報告を行い情報共有を図っております。
(f) 内部監査
当社は小規模組織であり独立した内部監査担当部署は設置しておりませんが、代表取締役が選任した内部監査担当者2名および必要に応じて代表取締役社長の承認を得たうえで任命された内部監査業務の補助者が担当しております。内部監査担当は、「内部監査規程」に基づき、法令等の遵守状況及び業務活動の効率性等について当社の全部門を対象に内部監査を実施し、業務改善に向け具体的に助言・勧告を行っております。
なお、当社の取締役会および監査役会等は、以下のメンバーで構成されております。(◎は議長を表す。)
役職名氏名取締役会監査役会
※1
独立役員
委員会
コンプライアンス委員会戦略会議
代表取締役社長松田 誉史
取締役浅尾 直樹
取締役CSO山川 英治
取締役(社外)森 直人
常勤監査役(社外)市東 聡※2
監査役(社外)山本 信秀
監査役(社外)古賀 勝彦
管理部部長福地 聡太
編集編成部部長瀧 佐喜登
営業部部長熊重 晃
サービス部部長堀江 大輔

※1 監査役会の議長は、「監査役会規程」に基づき、その決議によって監査役の中から議長を定めております。
※2 オブザーバーとして出席しております。
b 当該体制を採用する理由
当社のコーポレート・ガバナンスの仕組みは、その時点で会社の目的に最適と思われる仕組みを採用することとしております。したがって、社会環境や法的環境の変化に伴い、コーポレート・ガバナンスの仕組みを適宜見直すことが最適と判断しております。
当社は、社外監査役を含めた監査役による経営の監視・監督機能を適切に機能させることで、経営の健全性と透明性を確保しております。また、取締役会による業務執行の決定と経営の監視・監督機能を向上させるため社外取締役を選任しております。当社は、社外取締役による業務執行者から独立した監視・監督機能及び監査役・監査役会による当該機能の両輪を核としたガバナンス体制が適切であると判断しており、監査役会設置会社を選択することとしております。
当社の会社機関及びコーポレート・ガバナンスの体制を図示しますと、以下のとおりであります。

③ 企業統治に関するその他の事項
a 内部統制システムの整備の状況
当社では業務の適正性を確保するために、会社法及び会社法施行規則に基づき、内部統制システムに関する基本方針を以下のように定めております。
(a) 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
当社は、継続的な企業価値向上を図りながら公正・誠実な事業活動を行うために、コンプライアンス(法令順守)があらゆる企業活動の前提条件であることを決意し、「コンプライアンス規程」を定め、取締役及び使用人に対して周知・徹底します。また、コンプライアンスを確保するための体制の一手段として、各役職員に対するコンプライアンス教育・研修の実施を通じて、全社的な法令遵守の推進に当たるものとします。
当社は、「取締役会規程」を始めとする社内規程を制定し、取締役会に監査役が出席することを定め、各取締役が相互に牽制することにより取締役の業務執行を監督するものとしております。
当社は、監査役会設置会社であり、独立した立場から内部統制システムの整備・運用状況を含め、「監査役監査基準」に従い、取締役の職務執行状況を監査します。また、内部監査担当を選任しており、当社における全部門を対象に当社の役職員の職務執行の適切性を確保するため、法令・定款および「内部監査規程」に基づき内部監査を実施します。内部監査担当者は必要に応じて会計監査人と情報交換し、より効果的かつ効率的な内部監査を実施します。
当社は、「コンプライアンス規程」に基づきコンプライアンス委員会の定期的な開催や、会社規程等の整備と検証および見直しを適時適切に行うことにより、リスク管理体制の充実を図ります。
当社は、法令違反行為等に関する通報に対して適切な処理を行うため、「内部通報規程」を定め、これに基づき法令・定款その他社内規則に対する違反事実やそのおそれがある行為等を早期に発見し是正することを目的とする内部通報体制の運用を行います。
(b) 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役会議事録、監査役会議事録、その他重要な書類等の取締役の職務執行に係る情報の保存及び管理は、「文書管理規程」、「情報システム管理規程」、「個人情報保護規程」に従い、文書又は電磁的記録により適切に保存及び管理しております。
(c) 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
損失の危機管理については、組織横断的なリスクの状況管理及び全社的対応を管理部の法務担当にて行い、各業務に付随するリスクの状況把握・監視を各部門が行います。コンプライアンス委員会の開催や内部監査担当による日常的モニタリング、監査役監査によりリスク発生の未然防止や、リスクが発生した際には顧問弁護士から適時・適切にアドバイスを受けることにより、迅速かつ的確な対応を行うとともに損失・被害等を最小限にとどめる体制を整えております。
(d) 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社は、定例の取締役会を毎月1回開催し、「取締役会規程」により定められた事項及び「職務権限規程」・「職務権限基準表・決裁金額基準表」に定められた事項については、全て取締役会に付議することを遵守して、重要事項の決定を行います。また、取締役会では定期的に各取締役から職務執行状況の報告を受け、職務執行の妥当性及び効率性の監督等を行います。日常の職務執行については、「業務分掌規程」に基づき権限の委譲を行い、権限と責任を明確化して迅速な職務の執行を確保するとともに、必要に応じて規程の見直しを行い、取締役の職務の執行が適正かつ効率的に行われる体制を構築しております。
(e) 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項並びに当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
当社は、監査役の職務を補助するために使用人を配置することを求められた場合、当該使用人の人事については監査役と協議して決定するものとしております。また、当該使用人は、監査役の指揮命令のみに服し、取締役その他の使用人の指揮命令は受けないものとし、当該使用人の取締役からの独立性及び指示の実効性を確保します。当該使用人を懲戒に処する場合には、事前に監査役の承諾を得るものとしております。
(f) 取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役会への報告に関する体制
取締役及び使用人は、職務の執行、当社及び当社グループに重大な影響を及ぼす事項、経営の決議に関する事項については、監査役に対して、その内容を速やかに報告するものとしております。なお、監査役に報告を行ったことを理由として、当該報告者に対して、人事上の制裁処分等その他の不利な取扱いを行わないものとしております。監査役は、重要な意思決定の過程及び業務の執行状況を把握するため、取締役会等の重要な会議に出席するとともに、稟議書その他業務執行に関する重要な文書を閲覧し、必要に応じて取締役及び使用人に対して、その説明を求めることができるものとしております。
(g) 監査役の職務の執行について生ずる費用の前払い又は償還の手続きその他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
当社は、監査役の職務の執行について生ずる諸費用については、当該監査役の職務の執行に必要でないと認められた場合を除き、監査役の請求により当該費用又は債務を処理するものとしております。
(h) その他の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査役の監査が実効的に行われることを確保するため、取締役及び使用人は、監査に対する理解を深め監査役監査の環境を整備するよう努めます。監査役は、専門性の高い法務、会計については独立して弁護士、公認会計士と連携を図り、取締役会等の重要会議に出席するほか、取締役との懇談、社内各部門への聴取及び意見交換、資料閲覧、公認会計士の監査時の立会及び監査内容についての説明を受けるとともに意見交換を行い、監査役会にて報告、審議を行うこととしております。
(i) 財務報告の信頼性を確保するための体制
当社の財務報告に係る内部統制については、金融商品取引法その他適用のある国内外の法令に基づき、評価、維持、改善等を行うこととしております。また、当社の各部門は自らの業務の遂行にあたり、職務分離による牽制、日常的モニタリング等を実施し、財務報告の適正性の確保に努めます。
(j) 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況
当社は、反社会的勢力等の排除に係る社内規程を整備し、反社会的勢力等に対し、毅然とした態度で対応し、いかなる名目の利益供与も行わず、反社会的勢力等との一切の関りを持たないことを徹底しております。また、有事の際には、所轄警察署、顧問弁護士等と連携し、組織的に反社会的勢力等からの不当要求等を遮断、排除します。
b リスク管理体制の整備状況
当社のリスク管理は、取締役会がリスク管理に関する統制方針、体制に関する重要事項に関する審議を行い、「コンプライアンス規程」を定めるとともに、代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス委員会においてリスク管理体制の構築および運用の推進を図る体制を採っております。
また、「コンプライアンス規程」を制定し、コンプライアンス遵守の意識の醸成を行うとともに、「内部通報規程」を制定し、顧問弁護士および社外役員を窓口とする社外通報窓口および社内通報窓口を設置し、不正行為等による不祥事の防止及び早期発見を図っております。
加えて、高度な判断が必要とされる問題が発生した場合には、必要に応じて顧問弁護士、監査法人、税理士、社会保険労務士等の外部専門家の助言を得られる体制を整えており、リスクの未然防止と早期発見に努めております。
c 剰余金の配当等の決定
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年3月31日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
d 責任限定契約の内容の概要
当社と社外取締役及び社外監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償限度額は、法令が定める額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役が責任の原因となった職務の遂行について善意かつ重大な過失がない時に限られます。
e 取締役の定数
当社の取締役は7名以内とする旨を定款で定めております。
f 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び選任決議は、累積投票によらない旨を定款に定めております。
g 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。
これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。