有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/09/24 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
125項目

事業内容

当社は、有効成分を適切に配合することにより、効果が実感できる製品を、容器に価格の半分以上を費やすようなことなくお求めやすい価格で提供することを方針として、基礎化粧品の製造及び販売を行っております。なお、当社は化粧品の製造・販売事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
1.取扱いブランド及び製品
(1) 「DUO」ブランドシリーズ
(a) ブランドコンセプト
「肌細胞が本来持つ自己回復力。まずそれを養わなければ、美は長続きしません。肌にとって自然であること。科学に基づいた先端技術。どこまでも求める、やさしさと強さ。DUOは、この2つの高次元バランスの融合でアプローチします。だから実現しました。美の土台力が、違う。一生輝きつづけたいあなたへ。いま、肌に眠っていた美が、再び動き出します。」
(b) 取扱い製品
ブランドを牽引する製品は2020年4月時点においてシリーズ累計販売個数1,500万個を突破した「ザ クレンジングバーム」シリーズで、2019年7月期における売上構成比は89.3%を占めております。
主な製品ラインナップは次のとおりです。
区分製品種別製品名
スキンケアメイク落としザ クレンジングバーム
ザ クレンジングバーム クリア
ザ クレンジングバーム ホワイト
洗顔料ザ ブライトフォーム
先行型美容液ザ リペアショット
ザ エッセンス セラム
化粧水ザ ローション
日焼け止め乳液ザ UVエマルジョン
夜用美容乳液ザ エマルジョン
メイク化粧下地/ファンデーションザ セラムBB
フェースパウダーザ ヌードパウダー
ヘアケアシャンプーザ スカルプシャンプー
トリートメントザ ヘアトリートメント

(2) 「CANADEL」ブランドシリーズ
(a) ブランドコンセプト
「毎日の食事も、服も、メイクも。私がイキイキと輝いていられるものが欲しい。自分の目を信じて、本当に私が必要なものだけを選ぶ。そんな出会いにポジティブな大人の女性のブランド、CANADEL。確かなエビデンスに支えられた、こだわりの素材と成分で、素肌に、髪に、生き方に、次々と驚きのアプローチを仕掛けていきます。」
(b) 取扱い製品
2019年4月のブランド創出時に発売した製品は、「プレミアホワイト オールインワン」及び「プレミアリフト オールインワン」の2製品であり、現在も「CANADEL」ブランドの主力製品となっております。オールインワン利用者が増えている中で、"妥協や手抜きの罪悪感なく、肌悩みをケアするためにあえて使いたいオールインワンが求められている"というインサイトから開発いたしました。
2.事業モデル
当社製品は、(1)通信販売、(2)卸売販売、及び(3)その他の3つのチャネルで販売しております。
(1) 通信販売
当社が創業時から取り組んでおります主力の販売形態であり、2019年7月期における当該販売チャネルの売上構成比は、81.3%となっております。
当社は、自社ECサイトにおいて自社製品の販売を行っており、その販売手法は、1回の注文ごとに購入していただく「都度販売」に加えて、一定の間隔で同様の製品を継続的にお客様にお届けする「定期販売」の2つを用意しております。この定期販売の手法は、発送や決済処理が定期化することで事務作業が効率化できることや、安定した売り上げを確保することができるストック型のビジネスモデルであると考えております。加えて、お客様に対しても、都度商品を購入する手間が省けることや都度購入より割安に購入できる等のメリットを提供することを狙い、定期販売を行っております。当社の通信販売売上高に占める定期販売は、2019年7月期で約90%となっており、定期販売数は毎年堅調に増加しております。
新規のお客様の獲得手法につきましては、主にアフィリエイト広告を中心としたインターネット広告を主軸に、雑誌や、TVCMなど、各種メディアをミックスさせ、効率的に行っております。尚、広告につきましては、売上高の約48%(2019年7月期実績)を投じておりますが、その大半は成功報酬形式による支出となるため、実質的に売上高の変動費として位置づけられ、費用対効果を確保した上でコントロールすることが可能となっております。また、当社通信販売において過去、一度でも都度購入または定期購入実績のあるお客様の総アカウント数は1,829,575件(2020年4月末時点)となっております。
また、定期的なメール送付や、会員向け会報誌「the Beauty」の送付なども活用し、休眠中のお客様の掘り起こしにつなげたいと考えております。
(2) 卸売販売
2011年10月から、販売チャネルの強化として化粧品卸売業者と代理店契約を締結し、バラエティショップをはじめとした小売店への販売を開始いたしました。2018年10月には、卸売販売専用の部署を新設し、チャネル拡大を積極的に進めた結果、2018年7月期には419,562千円であった卸売販売にかかる売上高が、翌年度2019年7月期には1,939,496千円と4倍以上に拡大いたしました。卸売業者経由で商品を配荷している小売店の数は、直近現在となる、2020年4月時点において11,961店となっております。
(3) その他
卸売販売以外に、Amazonに出店することで小売りとしての販売も行っております。その他、海外展開についても取り組んでおります。近年、中国を中心としたアジア圏において、日本の化粧品は定評があり毎年輸出額を伸ばしております。このような環境の中、当社においても、販売代理店を経由して、中国、台湾、香港への販売を行っております。特に台湾においては日本で展開している通販モデルの流用が可能な商慣習であることから、海外展開の足掛かりとして積極的に展開を進めております。なお、2019年7月期における当該販売チャネルの売上構成比は2.4%となっております。
3.当社通信販売の特徴
通信販売市場は、スマートフォンの普及や決済方法の増加に伴い、年々拡大しておりますが、市場の拡大とともに競争環境も激化しております。このような環境下において、当社成長の原動力となった特徴は次のとおりです。
(1) 商品提案力
当社主力製品である「ザ クレンジングバーム」が属するクレンジング市場において、従来は、クレンジング剤型別のシェアではオイル、ジェル、クリームが主力でありました。
クレンジングは、「肌へのやさしさ」と「洗浄力の高さ」の2つの要素を両立することが求められます。そこで、新たなバームという剤型を提案し、クリームのような厚みで肌にやさしく、肌の体温で徐々にメイクが溶け出すことが特徴の「ザ クレンジングバーム」を開発しました。このように、お客様のご要望にお応えする商品を提案することで、成長を続けております。
(2) マーケティング力
近年は、良いものが必ずしも売れるとは限らなくなってきており、マーケティングは商品開発と同様に当社が注力している領域となっております。その中でも、デジタルマーケティングの領域は、あらゆる行動が数値で可視化されることで投資対効果が明確となり、迅速な意思決定が可能となります。当社は、創業以来デジタルマーケティングに積極的に取り組むことにより、そのノウハウを蓄積してまいりました。2018年よりTVCMを開始し、デジタルマーケティングの領域を引き続き強化しつつも、それ以外の紙媒体やTVなど複数のメディアをミックスすることによる相乗効果の創出を目指し、マーケティング活動を実践しております。
(3) コールセンターの一部内製化
当社では、コールセンター業務はお客様と直接コミュニケーションができる重要な接点であるという位置づけから、大部分の業務は専門業者に委託する一方で、自社においてもその業務の一部を担っております。業務を担うことで蓄積されたお客様からのニーズは、既存商品のリニューアルや新規商品の開発におけるマーケティングに活用しております。そのためにお客様からの問い合わせに対する待ち時間を一定時間内にコントロールすることによる「応答率」※1の向上を目標に掲げ、業務の繁閑を踏まえた応対要員数の最適化に向けた取り組みを進めております。
また当社では、お客様満足度の更なる向上をはかるため、当社コールセンター部門には、業務経験が豊富なスタッフに加え、エステティシャンに関する資格を有したスタッフも在籍しており、お問い合わせ頂いたお客様に対してプラスアルファの提案をすることができる「美容相談窓口」となることを目指しております。また、お客様とのお話を通じて、お客様の不満や悩みを解消することにより、解約を思い留まっていただくお客様も多く、「継続アドバイス率」※2を目標として設定し、管理しております。
当該専門性の高いスタッフとお客様との対話の中で生まれた成功事例は具体的なマニュアルに落とし込み、委託先コールセンターとも共有することで、コールセンター全体の対応品質の向上に結び付けているのも、当社が一部の業務を担っているからこそ実現できている特徴であります。
※1 応答率=電話にて応答したお客様の人数/電話にてお問合せをされてきたお客様の人数
※2 継続アドバイス率=定期の解約をお申し出されたお客様の人数/アドバイスにより定期を継続された及び定期の解約をお申し出された翌月にお届けする商品の受け取りを了承いただけたお客様の人数
(4) 外部リソースの活用
事業の運営にあたり、限られた経営資源はコア業務に集中すべきであるという考えから、商品設計、マーケティング並びにコールセンターの一部については自社で対応する一方で、製品製造業務、物流業務、決済業務などについては外部の専門業者に委託しております。これにより当社の従業員1人当たり売上高※は、2019年7月期において253,814千円となっております。また、外注化により、景気の変動、業務量の増減、業務期間の変化など、経営環境の変化に対しフレキシブルな対応や意思決定ができることも当社事業の特徴となっております。
※ 従業員1人当たり売上高=年間売上高/期末従業員数
4.定期売上高比率
通販売上では、一度定期商品を購入頂ければ長期間安定して購入して頂ける「定期販売」による売上高をどの程度積み上げられるかが、経営を安定させるうえで、非常に重要と考えております。現時点において、各月売上高の8割以上(第11期第3四半期累計期間においては、81.6%)は、都度購入を除いた追加での広告宣伝費を要しない既存定期顧客による売上高で占められております。
[事業系統図]
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
0201010_001.jpg(注)その他(海外販売)については、業績に与える影響は僅少であるため、事業系統図への記載を省略しております。