有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/02/12 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
167項目
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、株主、サービス付き高齢者向け住宅の入居者やその家族等、その他の取引先、従業員、地域社会、行政といったステークホルダーとの共存、ステークホルダーに対する価値提供が企業価値の向上につながるとの認識のもと、これらを実践するために、コーポレート・ガバナンスの強化は経営上の最重要課題の一つとして認識しております。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
(a)企業統治の体制の概要
当社は、会社法に基づく機関として、株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人を設置している他、業務執行上の審議・決定機関として社長定例報告会、リスクマネジメントの機関としてリスク・コンプライアンス委員会を設置しております。
イ.取締役会
当社の取締役会は、代表取締役社長である北山忠雄が議長を務め、北山優吾、中村眞里、髙岡まり子、三宅裕介、金澤光司(社外取締役)の6名を構成員として、法令・定款に定められた事項及び経営に関する基本事項や業務執行に関する重要事項の決議を行っております。取締役会設置会社として、取締役会を通じた取締役相互の監督と協議により各取締役の職務執行の監督を行うとともに、社外取締役による専門的かつ第三者視点による監督、監査役による監査を通じて、法令・定款、社内諸規則のみならずコンプライアンスやその他の企業倫理を遵守するため、当該体制を採用し、各種の施策を構築・実施しております。定例取締役会は、原則として月1回、緊急議案が発生した場合には臨時取締役会を開催し、迅速な意思決定が可能な体制を構築しております。
ロ.監査役会
当社の監査役会は、常勤監査役である日原直人(社外監査役)が議長を務め、松室伸二(社外監査役)、武田久美(社外監査役)の3名を構成員としております。監査役は、社長及び取締役との定期的な意見交換、本社及び各拠点での取締役及び従業員への業務執行状況やその課題等についての聞き取り、業務証跡となる証憑の閲覧、職務実施状況の視察等を通じて、取締役、従業員の職務執行状況の監査を行っており、重要な法令等の違反の防止・発見に努めております。監査役会は原則として月1回、緊急議案が発生した場合には臨時監査役会を開催し、迅速な意思決定が可能な体制を構築しております。また、内部監査人連絡会で内部監査人による監査計画やその結果の聴取、内部監査人との意見交換をしております。会計監査人に対しては、監査方針・監査計画の聴取、監査への立ち合い、監査報告の受領を行うことにより、三様監査で共有された情報を活用し、自らの監査の実効性向上を図っております。
ハ.会計監査人
当社は、PwC京都監査法人と監査契約を締結し、独立した立場から会計監査を受けております。
ニ.社長定例報告会
当社は、業務執行上の審議・決定機関として、社長定例報告会を設置しております。代表取締役社長である北山忠雄が議長を務め、北山優吾、中村眞里、髙岡まり子、三宅裕介を構成員とし、常勤監査役である日原直人(社外監査役)をオブザーバーとし、各部門の業務執行上の課題や業務進捗状況、全社の課題を共有し、対策の審議・決定を行っております。なお、取締役会に諮るべき議案についても、社長定例報告会で十分な検討等を行ったうえで取締役会に付議しており、取締役会における審議の充実と適正な意思決定を確保しております。
社長定例報告会は、原則として週1回、緊急議案が発生した場合には臨時社長定例報告会を開催し、迅速な意思決定が可能な体制を構築しております。
ホ.リスク・コンプライアンス委員会
当社は、リスクマネジメント・コンプライアンスの実効性の向上と、コンプライアンスの維持・向上を図るため、「リスク・コンプライアンス委員会規程」に基づき、リスク・コンプライアンスに関して一元的に統括するリスク・コンプライアンス委員会を設置しております。代表取締役社長である北山忠雄が委員長を務め、北山優吾、中村眞里、髙岡まり子、三宅裕介に加え、リスク担当者として平塚尚美、平田富貴、岩崎信諭の3名の従業員を構成員とし、常勤監査役である日原直人(社外監査役)をオブザーバーとして、原則として四半期に1回、緊急議案が発生した場合には臨時リスク・コンプライアンス委員会を開催し、迅速な意思決定が可能な体制を構築しております。
当社のコーポレート・ガバナンス体制を図示しますと、以下のとおりであります。
0204010_001.png
(b)当該体制を採用する理由
当社は、社外監査役による経営の監視及び監督機能を適切に機能させることで、経営の健全性と透明性を確保しております。また、取締役会による業務執行の決定と経営の監視及び監督機能を向上させるため社外取締役を選任しております。当社は、社外取締役及び社外監査役の選任により、外部からの客観的視点及び経営監視の中立性が確保されており、経営の監視及び監督機能が適切に機能すると判断し、現状のコーポレート・ガバナンス体制を採用しております。
③企業統治に関するその他の事項
イ.内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備・運用状況
当社は業務の適正を確保するための体制として、2020年3月12日開催の取締役会にて「内部統制システム構築の基本方針」を定める決議を行っており、本書提出日現在その基本方針に基づき内部統制システムの整備・運用を行っております。その概要は以下のとおりであります。
(ⅰ) 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
a.取締役及び使用人が、法令、定款及び社内諸規則並びに社会倫理を遵守するための規範として「コンプライアンス規程」、「リスク・コンプライアンス委員会規程」を制定し、全取締役、全監査役及び使用人に周知するとともに、監査役監査の実施にあたって、「監査役監査基準」とともに準拠すべき規範とします。
b.取締役会は、「取締役会規程」、「職務権限規程(職務権限明細表)」、「業務分掌規程」等の職務の執行に関する社内規程を整備し、従業員は定められた社内規程に従い業務を執行します。
c.コンプライアンスの状況について、代表取締役社長及び代表取締役社長より指名されたリスク・コンプライアンス委員、各部門のリスク担当者が、リスク・コンプライアンス委員会等を通じて他の取締役及び監査役に対し報告を行います。リスク担当者又はリスク・コンプライアンス委員は、部門固有のコンプライアンス上の課題を認識し、法令遵守体制の整備及び推進に努めます。
d.リスク・コンプライアンスに関する教育研修を適宜開催するとともに、当社における業務執行・判断は常にコンプライアンス意識を保持したうえで行うべきことを常に意識するよう徹底します。
e.代表取締役社長直轄の内部監査人を設置し、各部門の職務執行及びコンプライアンスの状況等について定期的に監査を実施し、その結果及び評価を代表取締役社長及び監査役に報告します。また、社内で発生する法令違反や、法解釈上疑義のある行為等についての情報収集体制として内部通報制度を構築し、内部監査人を内部相談窓口、社外の弁護士を外部相談窓口として設置します。社外からの通報についても、内部監査人を窓口として定め、適切に対応します。
(ⅱ) 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
a.取締役の職務の執行に係る議事録、記録文書、稟議書、その他の重要な情報については、法令及び「文書管理規程」「稟議規程」等に基づき、適切に保存及び管理します。
b.取締役及び監査役は、必要に応じてこれらの文書等を閲覧できるものとします。
(ⅲ) 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
a.取締役会は、コンプライアンス、個人情報その他の情報管理、セキュリティ及びシステムトラブル等の様々なリスクに対処するため、社内規程を整備し、定期的に見直すものとします。
b.「リスク・コンプライアンス委員会規程」にて日常的リスク管理体制及び緊急時のリスク対応の方針及び手順を定めます。具体的には、リスク管理に関する総括責任者を代表取締役社長とし、リスク・コンプライアンス委員会においてリスク管理の方針、発生時の対応、それらに対する役員及び従業員への周知について協議します。また取締役管理部長がリスク・コンプライアンス委員会の決定及び総括責任者の指示の下、リスク情報の収集・管理及び対応を行うこととし、全社的に対応又は共有すべきリスク情報について各部門責任者より取締役管理部長及び監査役に対し報告を行います。
各部門固有のリスクへの対応に対しては、それぞれの部門にて、研修の実施、対応フロー(マニュアル)の作成・配布及びOJT等を行うものとします。
組織横断的リスクの監視及び全社的対応は管理部が行うものとし、緊急時には、代表取締役社長指揮下の対策本部を設置し、必要に応じて法律顧問等の外部専門機関とともに迅速かつ的確な対応を行い、損害拡大を防止する体制を整えます。
c.内部監査人は、必要に応じて各部門のリスク管理状況を監査し、その結果を代表取締役社長に報告するものとします。また、取締役会及びリスク・コンプライアンス委員会において定期的にリスク管理体制を見直し、問題点の把握と改善に努めます。
(ⅳ) 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
a.取締役会は月に1回定期的に、又は必要に応じて臨時取締役会を開催し、法令に定められた事項のほか、経営理念、経営方針、中期経営計画及び年次予算を含めた経営目標の策定及び業務執行の監督等を行います。各部門においては、その目標達成に向けた自部門の行動計画の具体策を立案・実行します。
b.各部門長は、代表取締役社長の指示の下、取締役会決議及び社内規程等に基づき自己の職務を執行します。
c.各部門においては、「職務権限規程」及び「業務分掌規程」に基づき権限及び責任範囲の明確化を図ることで、迅速かつ効率的に職務を執行します。
(ⅴ) 当社並びにその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
a.子会社の経営については「関係会社管理規程」に基づき、当社に対し事業内容の定期的な報告を行い、重要案件については事前協議等を行います。
b.子会社の管理は管理部が行うものとし、必要に応じて当社の取締役もしくは使用人が子会社の取締役もしくは監査役を兼任し、又は、当社の監査役が子会社の監査役を兼任するものとします。取締役は当該子会社の業務執行状況を監視・監督し、監査役は当該子会社取締役の職務執行を監査します。
c.当社の監査役及び内部監査人は、子会社の監査役や管理部門と連携し、子会社の業務執行状況の監査や指導を行うものとします。当社代表取締役社長は内部監査人からの報告に基づき、又は、当社及び子会社の監査役からの指示に基づき、必要に応じて子会社に対して業務執行状況についての必要な指導・改善指示を行うものとします。
(ⅵ) 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
監査役は、代表取締役社長に対して、自らの監査業務を補助すべき使用人を指名するよう求めることができます。
(ⅶ) 監査役の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性に関する事項
a.監査役の職務を補助すべき使用人はその職務に関して、原則として取締役及び部門長の指揮命令を受けないものとします。
b.当該使用人の人事異動及び人事考課については、監査役と取締役との協議によって定めます。
(ⅷ) 取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
a.監査役は、重要な意思決定のプロセスや業務の執行状況を把握するため、取締役会等の重要な会議に出席し、必要に応じ稟議書等の重要な文書を閲覧し、取締役及び使用人に説明を求めることができることとします。
b.取締役及び使用人は、監査役に対して、法定の事項に加え、業務又は業績に重大な影響を与える事項、内部監査の実施状況、内部通報制度による通報状況及びその内容の報告その他監査役が監査を実施するために必要な情報を収集できる体制を整備し、監査役の情報収集・交換が適切に行えるよう協力します。
c.取締役及び使用人は、監査役からその職務執行に関する事項の報告を求められた場合には、速やかに報告しなければならないこととします。
(ⅸ) その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
a.監査役は取締役会へ出席し、必要な場合には意見を述べるものとします。また、社長定例報告会やその他の重要な会議に出席し、法令及び定款・社内諸規則並びに企業倫理・コンプライアンスの観点から必要な意見を述べなければならないものとします。
b.取締役及び使用人は、法令又は定款に違反する事実、会社に著しい損害を与えるおそれのある事実を発見した場合は、速やかに監査役に報告するものとします。
c.監査役は、内部監査人及び会計監査人と連携を図り情報交換を行い、必要に応じて内部監査人又は会計監査人による監査に立ち会うものとします。
d.監査役は、法律上の判断を必要とする場合は、随時法律顧問に専門的な立場からの助言を受け、会計監査業務については、会計監査人に意見を求めるなど必要な連携をとることとします。
ロ.子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社の子会社の業務の適正を確保するための体制については、上記「イ.内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備・運用状況」における「(ⅴ)当社並びにその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制」に記載のとおりであります。
ハ.リスク管理体制の整備の状況
当社では、「リスク・コンプライアンス委員会規程」を定め、リスクの早期発見及び損失の最小化に努めております。リスク・コンプライアンス委員会は原則として四半期に1回開催し、これまでにリスクマップの作成や、開催の都度、全社的なリスクについての議論・決定を行っています。また、日常業務におけるリスクについては、原則として週に1回開催される社長定例報告会にて各部門より報告され、対処方法について審議・決定を行っております。日常業務外のリスクについては、法的な面では弁護士、労務的な面では社労士等の外部専門家に適宜相談し、適切な助言と指導を受けております。また、リスク情報の収集のため、社内・社外それぞれの内部通報窓口を設け、不正行為等に関する情報が適時に収集できるよう、体制を構築・運用しております。