有価証券届出書(新規公開時)

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2021/05/21 15:00
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168項目

事業等のリスク

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。
<リスク管理体制>当社グループは、事業上のリスクに対しては経営会議、企業運営上のリスクに対してはリスク・コンプライアンス委員会において協議を行い、その結果を取締役会に報告しております。
なお、これらのリスク管理体制等については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。
<経営戦略遂行上のリスク>当社グループの経営戦略遂行上のリスクとして、以下を認識しております。
(1) 新型コロナウイルス感染症について
[リスクの内容と影響]
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、従業員等が感染した場合や、感染防止のために従業員が出社できなくなった場合は、開発業務の遅延や提供するサービスの品質低下が発生する可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症拡大が長期化した場合、世界的に景気が減速することにより顧客企業の経営状況が悪化し、IT投資の抑制・先送りや既存案件の規模縮小等の発生、感染防止のための企業訪問の自粛による営業活動の停滞等が懸念されます。これらのリスクについて先行きを見通すのは困難ではありますが、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、世界規模で感染が拡大している新型コロナウイルス感染症に対して、当社グループでは、全国的な感染拡大の状況を踏まえ、時差出勤やテレワークの実施、訪問営業や会食等の自粛、営業活動や会議のオンライン化等の対策を行っております。また、従業員にマスクを配布し、出社する場合には着用を義務付け、事業所には消毒液を設置して手洗い・消毒を徹底し、発熱者が出た場合には自宅待機を命じ適時状況の報告を義務付ける等、感染拡大防止と事業継続に努めました。
営業面では、世界的な感染拡大により景気の先行きの不透明感が増すなか、顧客企業においては航空業界を中心にIT投資の抑制が見込まれ、情報サービス事業及びERP事業においては、一部のプロジェクトに中断、中止、延期等が発生しております。これらに対しては、新型コロナウイルス感染症による社会環境の変化と各業界への影響を注視し、顧客企業における投資需要の動向を見極める必要があると認識しており、対面営業に代わりオンライン営業を実施する等により情報収集や提案活動を進めてまいります。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響により、働き方改革に伴うデジタル化のニーズが従来以上に顕在化する可能性があるため、働き方の変化に対応したソリューション並びにサービスの提供を図ってまいります。
(2) 経営成績の変動要因について
[リスクの内容と影響]
当社グループの経営成績は、経済情勢や景気変動、顧客企業のIT投資動向、大型案件の採算性等に影響を受けます。また、当社グループの業績特性としては、プロフェッショナルサービスを提供するため技術者を社員として多数抱えており、人件費等の固定費水準が高いため、売上高が減少した場合の減益額が大きく、利益の変動額が大きい傾向があります。このため、市場の変化や急速な技術革新に当社グループが適切に対応できなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
当社グループの基幹事業である情報サービス事業のシステムインテグレーションサービスおよびERP事業は、知識集約型の業務であると同時に労働集約的な面があり、一定水準以上のスキルを有する優秀な技術者の確保が不可欠であります。しかしながら、今後はパッケージ化したサービスの販売など、技術者数に直接依存しない収益モデルを拡大させること等により、これまで以上に付加価値の高い知識集約型ビジネスを展開し、固定費水準の引き下げを図ってまいります。
(3) 事業内容について
① 下請構造の変化について
[リスクの内容と影響]
当社グループが属する情報サービス業界は、一部の大手企業と何階層にもわたる中堅・中小企業群という階層構造で成り立っており、当社グループにおける情報サービス事業のシステムインテグレーションサービスやERP事業は主に二次請けとして案件に参画しております。しかしながら、今後のシステム開発において、インフラとアプリケーションのクラウド化や、ツールの活用による効率化・自動化などが進展し、大手元請企業による二次請け活用が縮小した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
当社グループは、上記の既存ビジネスで収益を確保していくとともに、新たなニーズに呼応した新規ビジネスとして「デジタルトランスフォーメーション関連のサービス型ビジネス」を推進し、従来からあるIT部門や大手システムインテグレータとのビジネスに加え、事業部門とのダイレクトビジネスを拡大してまいります。
② プロジェクト採算の管理について
[リスクの内容と影響]
当社グループの情報サービス事業およびERP事業におけるシステム構築業務においては、見積時点では想定できなかった事態の発生により受注時の見積工数・期間を超過し、プロジェクトの採算が悪化する場合があります。また、そうした事態が納期遅延の要因となり、債務不履行による損害賠償請求、契約の解除等につながるおそれがあります。また、システム構築に際しては、予期せぬ不具合等が発生した場合、瑕疵担保責任等の法的責任を負うことにより、補修するための追加コストが生じる場合があります。その場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
当社グループでは、見積精度の向上およびプロジェクト管理の強化に努めており、専門組織において、受注リスクに関する評価を実施するとともに、プロジェクトレビューにより進捗・課題・リスクの状況とその対策等を総合的に評価および支援を実施し、不採算案件の発生防止に努めております。
③ 製品およびサービスのライフサイクルについて
a. 情報サービス事業 マスターファイルソリューションサービス
[リスクの内容と影響]
当社グループでは、住所マスターを40年以上前に開発し、長年、当社グループの業績に寄与してまいりました。しかしながら、製品のライフサイクルは成熟期を過ぎ、製品の主要な顧客である地方金融機関の統合により、顧客数も最盛期から減少しております。さらに、2020年の独占禁止法の適用除外を認める特例法により地方金融機関の統合の本格化が今後見込まれており、これにより当該マスター市場が縮小するリスクがあるほか、当社グループのお客様が経営統合によりシステムを変更した場合、住所マスター等が他社製品に切り替わってしまい、当社グループはお客様を失う可能性があります。また、当該マスター市場の縮小が急速に進んだ場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
お客様が住所マスター製品を切り替える際には、お客様が所有する住所データに対する住所コードの付番処理等のシステム移行関連業務の特需が発生することが見込まれるため、当社グループと致しましては特需の獲得により残存者利益を最大限に得る計画でおります。
b. デジタルマーケティング事業
[リスクの内容と影響]
当社グループのデジタルマーケティング事業は、同事業が属する業界が競争の激しい市場であるとともに技術革新のスピードが速いことから、提供するサービスのライフサイクルが短いといった特徴を有しており、提供するサービスが陳腐化したり新技術への対応が遅れたりした場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
顧客企業との情報共有に努めてサービス内容の充実を図るとともに、Google社を始めする広告プラットフォームの技術動向を注視して新技術への対応に取り組んでおります。
④ 特定製品への依存について
[リスクの内容と影響]
当社グループのERP事業では、SAPジャパン株式会社とパートナー契約を締結し、同社のパートナー企業としてSAP導入支援サービスに注力しておりますが、同社並びに同社製品の市場における訴求力が大きく低下した場合や、同社の新製品に対して当社グループが適切に対応できなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
SAP社のERP製品は、ERP市場において長期間に渡り市場占有率の高い製品であり、今後短期間で急速に訴求力が低下する可能性は低いと考えますが、旧バージョン製品である「SAP ERP」の保守サポート期限が2025年から2027年に延期されたことによるSAPユーザー企業の動向等を注視するとともに、当社グループによる保守サービスの充実および最新バージョン「S/4 HANA」への対応をさらに進めてまいります。
⑤ 新規性の強いサービスに伴うリスクについて
[リスクの内容と影響]
当社グループにおける情報サービス事業のプラットフォームソリューションサービス(第2 事業の状況 1(4)③参照)やデジタルマーケティング事業については、技術革新や顧客ニーズ及びビジネスモデルの変化に対応するため、新規性の強いサービスを創出することに特化して取り組んでいく方針であります。しかしながら、新規性の強いサービスにおいては採算性に不透明な点が多く、結果的に当初予想した収益が得られない可能性があります。また、新たな人材の採用、システムの購入や開発、営業体制の強化など追加的な投資が必要とされ、安定した収益を生み出すまでにある程度の時間を要する可能性があること等が予想されます。その結果、利益率の低下等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
当社グループでは、新規サービスの開始にあたって、市場動向や顧客のニーズ、当社グループの優位性、収益性や成長性の観点から事業戦略を検討した上で、取締役会、経営会議等において議論を重ねることによって、リスク低減に取り組んでおります。また、各事業の担当会社から週次で業績状況の報告を受ける等のモニタリングを実施しており、必要に応じて速やかに対応策を検討する体制を構築しております。
⑥ 特定媒体への依存について
[リスクの内容と影響]
当社グループのデジタルマーケティング事業においては、主にGoogle社が運営するプラットフォームを活用したサービスを提供しております。そのため、当該プラットフォームのサービス停止その他の基準変更等が行われた場合には、それに伴って当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
当社グループでは、Google社との良好な取引関係の維持に努めるとともに、同社の事業方針やサービス内容の動向を常に注視し、同社におけるサービスの変更や停止、その他の基準変更等に継続的に対応しております。
(4) 事業体制について
① 人材の確保と育成について
[リスクの内容と影響]
当社グループの事業運営にあたっては、一定水準以上の専門技術、知識を有する技術者要員を確保する必要があります。しかしながら、近年の少子高齢化、労働力人口の減少に加え、働き方の多様化等により、労働市場において優秀な人材の確保に向けた競争は激しくなっており、仮に計画通りの人材を確保できない場合や中核となる優秀な人材の流出等があった場合、あるいは想定通りの人材育成ができなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
当社グループは、新卒採用及び中途採用に注力し、計画的な採用活動により人材の確保を図ると同時に、階層別研修、技術研修やOJT等により専門性の高い技術者の育成に注力しております。しかしながら、労働市場における人材不足の影響により、技術者要員の転職や採用ペースの遅れが発生する傾向があります。そのため、当社グループでは「働きやすさ」「働きがい」の2つの視点で人事評価制度および報酬制度を構築し、従業員の成長意欲に応えることに努めております。
② 協力会社の確保について
[リスクの内容と影響]
当社グループの情報サービス事業のシステムインテグレーションサービスおよびERP事業において、顧客の多種多様なニーズに対応すること等を目的として、業務の一部について当社グループ社員の管理統括のもと、信頼できるパートナーと位置付ける協力会社へ外注をしております。しかしながら、協力会社から十分な技術者要員を確保できない場合、あるいは協力会社における問題等に起因してのプロジェクトの品質低下又は遅延等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
当社グループでは、協力会社の確保及びその連携体制の強化が図れるような仕組み作りに取り組んでおります。パートナー会を運営し協力会社との情報共有に努めるほか、協力会社の新人教育を支援すること等により、協力会社との関係構築を図っております。
③ 従業員の安全衛生について
[リスクの内容と影響]
ソフトウェア等の開発プロジェクトにおいては、当初計画にない想定外の事象が発生すること等が原因で、品質や納期を厳守するために法定内での時間外労働や休日労働が連続することがあります。仮に、やむを得ない事情によりこのような事象が発生した場合には、それらに起因する健康問題の発生や生産性の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
当社グループでは、労働安全衛生法その他法令や通達等を遵守し、安全衛生管理に努めております。また、時間外労働や休日労働につきましては、労働時間管理を徹底し、顧客との調整や作業分担の見直し、および従業員のローテーション等により、労働時間の抑制に努めております。
(5) 今後の事業展開について
① 事業再編のリスクについて
[リスクの内容と影響]
当社グループでは、新たなニーズに呼応した新規ビジネスとして「デジタルトランスフォーメーション関連のサービス型ビジネス」を推進するとともに、既存ビジネスの再構築を図り、持続的な成長の実現と安定した収益の確保に努めてまいります。しかしながら、社内外の事業環境の変化等によって、これらを計画通り進められない場合には、計画の見直しや中断を行う可能性があります。また、当社グループが新たな事業の創出や、新製品・新サービスを開発するためには、投資が先行する場合があり、それに伴いコストが増加する可能性があります。その場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
当社グループでは、事業再編にあたって、市場動向や顧客のニーズ、当社グループの優位性、収益性や成長性の観点から事業戦略を検討し、取締役会、経営会議等において十分な議論を経て取り組むこととしております。また、各事業の担当会社から週次で業績状況の報告を受ける等のモニタリングを実施しており、必要に応じて速やかに対応策を検討する体制を構築しております。
② 投資先の業績によるリスクについて
[リスクの内容と影響]
当社グループは、2014年8月に㈱エル・エム・ジー(現・㈱ラバブルマーケティンググループ)を持分法適用関連会社化し、2016年2月に㈱ビジー・ビーを連結子会社化しておりますが、これらの投資先の業績が悪化した場合は、投資に伴い発生したのれんの減損損失や投資有価証券の評価損が発生する可能性、投資先から期待通りに利益分配などのリターンを得られない可能性、または、投資の回収ができない可能性があり、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
当社グループでは、企業への投資にあたって、市場動向、収益性や成長性、当社グループとのシナジーの観点から投資先を選定し、対象企業及び事業について外部機関の評価を含む財務、法務等のデューデリジェンス(適正価値精査)を実施し、十分な精査、検討を行うことによってリスク低減を図っております。また、投資先から業績状況の報告を受ける等のモニタリングを実施しており、必要に応じて速やかに対応策を検討する体制を構築しております。
<一般的なリスク>当社グループの経営および事業運営上のリスクとして、以下を認識しております。
(1) 自然災害について
[リスクの内容と影響]
地震、火災、水害等の自然災害や、戦争、テロ、感染症の流行等により、当社グループにおいて人的被害又は物的被害が生じた場合、又は、外部通信インフラ、コンピュータネットワークに障害が生じた場合等の事由によって当社グループの事業の継続に支障が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
当社グループでは、安否確認システムの導入や災害備蓄等、事業継続のための体制を整備しております。また、リスク・コンプライアンス委員会において、リスクの評価、対策等、広範なリスク管理に関し協議を行い、具体的な対応を検討するとともに、事業継続計画(BCP)の改善に取り組んでおります。
(2) 法的規制等について
① 当社グループが運営する事業に関する法的規制について
[リスクの内容と影響]
当社グループが行う事業に関しては、「特許法」「商標法」「著作権法」「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」「下請代金支払遅延等防止法」「個人情報の保護に関する法律」及びその他関連法令の規制を受けております。また、主に人材を活用する事業であることから、「労働基準法」及び関連法令の遵守にも特に留意する必要があります。これらの法的規制は、社会状況の変化等に応じて、今後も適宜改正ないし解釈の変更等がなされる可能性があり、これらに当社グループが的確に対応できなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
当社グループでは、コンプライアンスとリスク管理を一体で推進するため、リスク・コンプライアンス規程を定めております。リスク・コンプライアンス委員会の元、各種法令の遵守に向けたコンプライアンス体制の構築及び社員教育等により、リスクの低減を図っております。
② 情報管理について
[リスクの内容と影響]
当社グループは業務に関連して顧客の機密情報や個人情報を保有することがあり、個人情報取得の際には、プライバシーポリシーに基づき利用目的を明示し、その範囲内でのみ利用しており、プライバシー保護を重視しております。しかしながら、外部からの不正アクセス及びその他不測の事態により、万が一情報漏洩が発生した場合には、当社グループが損害賠償を含む法的責任を負う可能性があるほか、当社グループの社会的信用の失墜により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
当社グループでは、顧客の機密情報や個人情報について、社内規程に基づく厳格な管理を行っております。また、当社グループにおいて機密情報・個人情報を取り扱う事業会社については、外部からの不正アクセスやウィルス感染、内部からの情報流出等を防止すべく、プライバシーマーク(注1)やISMS(注2)の認証を取得しております。さらには、テレワークやクラウドサービス利用の拡大に対応したセキュリティ基盤の構築等、情報システムのハード面・ソフト面を含めて対策を講じております。
(注1)プライバシーマーク
特定個人情報を含む個人情報の取り扱いを適法かつ適切に行うために、個人情報保護に関するJIS基準に適合したマネジメントシステムを構築・維持できている企業や団体について、第三者機関が客観的に審査・評価し認定する制度。
(注2)ISMS
継続的に情報セキュリティリスクを管理しリスク回避や軽減を図るために、ISO/IEC27001及び「JIS Q27001」に基づく認証基準に適合したマネジメントシステムを構築・維持できている企業や団体について、第三者機関が客観的に審査・評価し認定する制度。
③ 知的財産権の対応について
[リスクの内容と影響]
当社グループは、第三者の知的財産権を侵害することがないよう、第三者の知的財産権への抵触の有無について可能な限り確認しておりますが、当社グループの認識していない第三者の知的財産権を侵害した場合、当社グループが損害賠償を含む法的責任を負う可能性があるほか、当社グループの社会的信用の失墜により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
当社グループは、第三者が保有する知的財産権等を侵害することのないよう、弁理士や弁護士等との連携し、細心の注意を払って調査を行い、当該リスクの予防に努めております。
④ 訴訟について
[リスクの内容と影響]
当社グループの事業活動に関連して、予期せぬトラブルが発生し、当社グループに対して訴訟その他の請求を提起される可能性があります。これらの結果、訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、多大な訴訟費用の発生や社会的信用の失墜により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
当社グループは、法令及び契約等の遵守のため社内教育やコンプライアンス体制の充実に努めております。社外取締役に法律専門家を選任したほか、法的な問題が懸念される案件については、弁護士等に事前に確認し、仮に訴訟等が発生した場合には、速やかに弁護士に相談できる体制をとることにより、リスクの低減を図っております。
(3) その他のリスクについて
① ストックオプションの付与について
[リスクの内容と影響]
本書提出日現在における当社の潜在株式数は454,400株となり、発行済株式数2,520,000株の18.0%に相当します。これらの当該新株予約権(ストックオプション)が行使された場合には、当該割合において当社株式に希薄化が生じ、将来における株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、今後も業績向上に対する意欲や、優秀な人材を確保することを目的に、ストックオプションを当社ならびに当社子会社の取締役、監査役及び従業員に付与する可能性があり、その場合には、さらなる株式価値の希薄化が発生し、将来における株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
② 税務上の繰越欠損金について
[リスクの内容と影響]
当社グループは、一部のグループ会社において税務上の繰越欠損金を有しており、繰越期限内にこれらの繰越欠損金の繰越控除を受ける予定であります。しかし、将来において業績が順調に推移することにより繰越欠損金が解消した場合、または業績が低迷することにより繰越期限のため失効する欠損金が発生した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純利益及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応]
利益計画において、計画期間内に繰越欠損金の解消または失効が見込まれる場合には、これを織り込んだ利益計画およびキャッシュ・フロー計画を策定し、繰越欠損金の解消または失効に備えております。