有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/07/15 15:00
【資料】
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【項目】
147項目

事業内容

当社グループは、当社及び連結子会社(㈱シイエヌエス北海道)の2社で構成されており、「システムエンジニアリングサービス事業」を主たる業務としております。㈱シイエヌエス北海道も当社と同じ事業に携わっております。本事業の開発プロセスは以下の通りです。
なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
要件定義工程 → 基本設計工程 → 詳細設計工程 → 製造工程 → 単体試験工程 → 結合試験工程 → 総合試験工程
(1)システム基盤事業
オンプレミス(注1)基盤(以下「オンプレ基盤」という。)事業とクラウド基盤事業の2つのサービスを提供しています。
①オンプレ基盤事業
オンプレ基盤は、クラウドサービスの普及によりクラウド基盤への移行も今後進むと思われますが、データ保管のポリシーやネットワークの接続形態などから、金融機関等の大規模システムを保有する企業においては、機密性、安全性を優先した結果、今後も採用されることが想定されます。
また、クラウドサービス事業者やプライベートクラウド(注2)を提供するベンダ(注3)やSI事業者(注4)のサービスの構築・運用においては、オンプレ基盤の技術要件が不可欠であり、この領域の技術も日々進化しております。
当社のパートナーである株式会社エヌ・ティ・ティ・データや株式会社野村総合研究所においても、今後も、オンプレ基盤技術を活用したソリューションを展開する見込みであることから、当社においてもオンプレ基盤の最新技術を捉え、今後も中核事業の1つと位置付けて取り組んで参ります。
②クラウド基盤事業
クラウド基盤事業は利便性、可用性、運用性の高さから急速に拡大し、今後も引き続き成長が見込まれる事業です。AWS(注5)などのパブリッククラウド(注6)を活用したシステムを構築する場合には、クラウドサービスが提供する様々な機能を必要な要件を踏まえて選択し、設計することが求められます。
クラウド基盤事業においては、株式会社エヌ・ティ・ティ・データをはじめSI事業者とクラウドサービスの出現当初から、システム化に取り組んでおり今後も連携してビジネス拡大を進めますが、事業会社様からのご要望も多く頂いており、新たなお客様を対象とした事業拡大も見込んでおります。
また、オンプレ基盤事業やクラウド基盤事業を推進するうえでハードウエアベンダからコンピュータ機器の調達・納品、ソフトウエアの調達・納品、クラウドサービスの調達・納品を行なうことにより、顧客へ当社グループ単独によるワンストップのサービス提供を実現しております。
(2)業務システムインテグレーション事業
業務システムの初期検討、開発から導入後運用まで全般をサポートする事業になります。当社グループは様々な業界のシステム開発の実績がありますが、特に金融業界の信用リスクや金融規制対応、流通業界の顧客管理や販売管理については、お客様との長年のノウハウがあり、上流のコンサルティングから運用・保守業務まで一貫したサービスを提供できます。
(3)ビッグデータ分析事業
ビッグデータ分析事業は、ユーザの契約情報や行動ログ、位置情報といったビッグデータを分析するモデルをつくり、分析を実施することで、顧客のビジネス課題を解決するサービスです。「あの商品を買った人は、この商品も買ってくれそうだ」、「ある年齢層で売れている商品をアピールすることにより、その年齢層の顧客の来店数を伸ばす」というようなマーケティング支援を筆頭に今後様々な広がりが期待できるビジネスです。
通信、金融、広告、流通、小売業等の幅広い分野で戦略改善に向けたビジネスアクションの提案や予測モデルの構築、開発等の実績があります。
本事業においては、この業界のリーダーの一つであるSAS Institute Japan株式会社 とのパートナー関係にあり、同社と連携して新たなお客様へのサービス拡大を進めております。
(4)デジタル革新推進事業
昨今、注目されているDX(注7)を推進することを目的として、様々な技術ソリューションを提供しております。
システム技術領域においては、ServiceNow社の製品を活用したシステム保守・運用業務変革の取り組みを、当社のパートナーである株式会社エヌ・ティ・ティ・データと推進しております。
また、デジタル変革技術のひとつとして注目されているAI技術(注8)について、早くから取り組みを進めております。具体的には画像認識技術等を活用したAIのPoC(注9)や、PoCで検証されたAIを実ビジネスで利用するためのシステム化対応といった実績があり、従来のシステム開発とAI開発の両側面の知見を活かし、双方を繋ぐ橋渡し的な役割を担っています。
(注)1.オンプレミス:サーバやソフトウエアなどの情報システムを、使用者が管理している施設へ構築し、管理・運用する形態。
2.プライベートクラウド:企業や組織が自社専用のクラウド環境を構築し、社内の各部署やグループ会社専用のサービスとして提供するクラウドサービスの形態。
3.ベンダ:コンピュータ、ソフトウエア、ネットワーク機器などのIT関連製品の販売供給業者。
4.SI事業者:システムインテグレーション(企業の情報システムの構築を請け負うITサービス)を行う事業者。
5.AWS:Amazon Web Service。クラウドサービスを提供する代表的な事業者の1つ。
6.パブリッククラウド:サービス事業者が、不特定多数の企業や個人に対してサービスを提供するクラウドサービスの形態。
7.DX:デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略称。ITの活用を通じてビジネスモデルや組織を変革すること。
8.AI技術:人間の知的ふるまいの一部をソフトウエアで人工的に再現したものです。蓄積したデータから経験を学び、新たな入力に順応することで、人間が行うように柔軟にタスクを実行する技術。
9.PoC:新たなアイディアやコンセプトの実現可能性やそれによって得られる効果などについて検証すること。
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
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