有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/08/25 15:00
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【項目】
148項目
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、企業価値の継続的向上を目的に、経営の透明性と健全性の確保及び環境の変化に迅速・適切に対応できる経営機能の強化を図ることがコーポレート・ガバナンスの確立において重要であると考えております。今後も適切なコーポレート・ガバナンスのあり方を検討してまいります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
イ.企業統治の体制の概要
当社は、2018年11月25日開催の定時株主総会における定款変更により、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行し、取締役会、監査等委員会及び会計監査人を設置しております。
当社のコーポレート・ガバナンス体制は、以下の図のとおりであります。監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行し、独立性の高い社外取締役3名で構成される監査等委員会により監督、監査機能の充実を図ることは、経営の透明性を高め、企業価値の向上に資すると考えております。
※ コーポレート・ガバナンス体系図

a.取締役会
構成員:鈴木規之(代表取締役執行役員社長(議長))、熊本尚樹、加藤栄多郎、石田泰一、辻本希世士(社外取締役)、岩﨑文夫(社外取締役・監査等委員)、山元教有(社外取締役・監査等委員)、大野篤(社外取締役・監査等委員)
取締役会は、取締役5名(監査等委員である取締役を除く。うち、社外取締役1名)、監査等委員である取締役3名(社外取締役3名)の計8名で構成されております。効率的かつ迅速な意思決定を行えるよう、定例取締役会を毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催しており、経営方針及び経営戦略等の重要事項の決定並びに各取締役の業務執行状況の監督を行っております。
b.監査等委員会
構成員:岩﨑文夫(社外取締役・監査等委員(委員長))、山元教有(社外取締役・監査等委員)、大野篤(社外取締役・監査等委員)
監査等委員会は、社外取締役3名で構成され、うち1名が常勤監査等委員であります。各監査等委員は取締役会や経営会議その他重要な会議に出席し、決裁稟議、議事録等の閲覧を行い、当社グループの取締役、執行役員及び従業員より主要な業務執行状況について定期的に必要な情報の提供を受け、客観的、中立的な立場で当社のコーポレート・ガバナンス体制、コンプライアンス体制の監視を行っています。毎月1回定例監査等委員会を開催しているほか、必要に応じて臨時監査等委員会を開催しています。また、内部監査担当及び会計監査人と定期的に会合を開催することにより、監査機能の強化に努めることとしております。
c.会計監査人
当社は、PwC京都監査法人と監査契約を締結し、適時適切な監査が実施されております。また、当社は会社法第427条第1項の規定に基づき、会計監査人との間に、同法第423条第1項の賠償責任を限定する責任限定契約を締結しております。
d.経営会議
構成員:鈴木規之(代表取締役執行役員社長(議長))、熊本尚樹、加藤栄多郎、石田泰一、薛文宝(執行役員及び子会社取締役)、Paul Archuleta Whitney(子会社取締役)、山本和矢(執行役員)
オブザーバー:辻本希世士(社外取締役)、岩﨑文夫(社外取締役・監査等委員)、山元教有(社外取締役・監査等委員)、大野篤(社外取締役・監査等委員)
経営会議では、経営の重要課題が各執行役員から事前に議案として提案されます。当社のスピード経営の根幹となる重要な意思決定の会議と位置づけるとともに、情報の共有、決議事案の進捗状況も合わせて確認します。原則として毎週1回開催され、機密性を確保した上で、大阪本社、東京事業所、子会社である大連明日星科技有限公司本社及び AsReader,Inc.本社等をWeb会議で接続し、経営の重要課題に関する審議・決定を行っております。
e.報酬委員会
構成員:鈴木規之(代表取締役執行役員社長(委員長))、辻本希世士(社外取締役)、岩﨑文夫(社外取締役・監査等委員)、山元教有(社外取締役・監査等委員)、大野篤(社外取締役・監査等委員)
報酬委員会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の個別の報酬について、透明性及び公平性を確保する目的で設置され、職務、成果及び貢献度等を総合的に判断し、個別の報酬に関する審議を行い、決定しております。原則として定時株主総会終了後に開催しております。
f.コンプライアンス・情報セキュリティ委員会
構成員:福田昌和(大阪開発セクションマネージャー(委員長))、鈴木規之、熊本尚樹、加藤栄多郎、石田泰一、大川貴之、古田拓也、大隅昌豊
コンプライアンス・情報セキュリティ委員会は、コンプライアンス及び情報セキュリティに係る体制の構築及びその推進に関する事項、リスク管理に関する事項等について検討、審議等を行います。四半期に1回の開催を原則としており、委員長の決定により必要に応じて随時開催できるものとしております。
ロ.当該体制を採用する理由
当社は取締役会及び監査等委員会を設置しており、監査等委員は3名で、いずれも社外取締役であります。3名の監査等委員はともに、議事録及び稟議書等の閲覧による重要な経営情報の把握を通じて、社外の視点による客観的な立場での経営監視機能を果たしております。また監査等委員でない社外取締役として弁護士・弁理士の有資格者を選任し、法律的・特許技術的側面からの外部の意見を取り入れております。このように、会社から独立した立場の社外取締役の客観的・中立的な視点を当社の合理的な経営判断及び経営の透明性、健全性の確保に活かすとともに、経営の監視・監督を行うことにより、コーポレート・ガバナンスの実効性の確保が図られると考えております。
③ その他の企業統治に関する事項
・内部統制システムの整備の状況
当社では、各種社内規程を整備し、役職者の責任の明確化を行うことで規程遵守の徹底を図り、内部統制システムが有効に機能する体制を確保しております。また、法令等の遵守状況及び内部統制機能の有効性を確認するため、監査等委員及び内部監査担当が役職員の業務執行状況を監視し、必要な監査を実施しております。
また、業務の適正性を確保するための体制として、取締役会にて、「内部統制システム構築に関する基本方針」を定めております。その内容は次のとおりです。
(取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制)
取締役及び執行役員は、企業倫理の確立並びに取締役及び使用人による法令、定款及び社内規程の遵守の確保を目的として制定した「アスタリスクグループ倫理規程」及び「コンプライアンス規程」を率先垂範するとともに、その遵守の重要性につき繰り返し情報発信することにより、その周知徹底を図る。
管理統括室総務セクションは、「アスタリスクグループ倫理規程」及び「コンプライアンス規程」の周知徹底のための活動を行い、内部監査担当は、アスタリスクグループにおける法令、定款及び社内規程の遵守状況の監査、問題点の指摘及び改善策の提案等を行う。
取締役は、重大な法令違反その他法令及び社内規程の違反に関する重要な事実を発見した場合には、直ちに監査等委員会に報告するとともに、遅滞なく取締役会において報告する。
監査等委員及び第三者機関を情報提供先とする内部者通報制度「内部通報制度運用規程」の利用を促進し、アスタリスクグループにおける法令違反又は「アスタリスクグループ倫理規程」及び「コンプライアンス規程」の違反又はそのおそれのある事実の早期発見に努める。
市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力とは一切の関係を遮断するとともに、これら反社会的勢力に対しては、警察等の外部専門機関と緊密に連携し、全社を挙げて毅然とした態度で対応する。
(取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する事項)
情報セキュリティについては、「セキュリティ規程」及び「個人情報保護規程」に基づき、情報セキュリティに関する責任体制を明確化し、情報セキュリティの維持・向上のための施策を継続的に実施する。情報セキュリティに関する具体的施策については、「コンプライアンス・情報セキュリティ委員会」で審議し、アスタリスクグループ全体で横断的に推進する。
取締役及び使用人の職務に関する各種の文書、帳票類等については、適用ある法令及び「文書管理規程」に基づき適切に作成、保存、管理する。
株主総会議事録、取締役会議事録、経営会議議事録、重要事項に関する決裁など、取締役の職務の執行に必要な文書については、取締役及び監査等委員が常時閲覧することができる方法で保存、管理する。
個人情報については、法令及び「個人情報保護規程」に基づき厳重に管理する。
(損失の危険の管理に関する規程その他の体制)
事業部門は、その担当事業に関するリスクの把握に努め、優先的に対応すべきリスクを選定したうえで、具体的な対応方針及び対策を決定し、適切にリスク管理を実施する。
スタッフ部門は、その担当事項に関するリスクの把握に努め、優先的に対応すべきリスクを選定したうえで、具体的な対応方針及び対策を決定し、リスク管理を適切に実施するとともに、担当事項に関して事業部門及び子会社が行うリスク管理を横断的に支援する。
事業部門及びスタッフ部門は、自部門の業務の適正又は効率的な遂行を阻害するリスクを洗い出し、適切にリスク管理を実施する。
コンプライアンス・情報セキュリティ委員会は、リスク管理に関する重要な事項を審議するとともに、アスタリスクグループのリスク管理の実施について監督する。
経営上の重大なリスクへの対応方針その他リスク管理の観点から重要な事項については、経営会議において十分な審議を行うほか、特に重要なものについては取締役会において報告する。
事業部門及びスタッフ部門は、アスタリスクグループの事業に関する重大なリスクを認識したとき又は重大なリスクの顕在化の兆しを認知したときは、速やかに管掌取締役にその状況を報告するとともに、特に重要なものについては、取締役会及び監査等委員会に報告する。
アスタリスクグループのリスク管理体制及びリスク管理の実施状況については、内部監査担当と連携して監査を行う。
(取締役の職務執行の効率性の確保に関する体制)
取締役会は、執行役員に対して権限委譲を行い、事業運営に関する迅速な意思決定及び機動的な職務執行を推進する。
取締役会は、原則として月1回定時に開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、機動的な意思決定を行う。
取締役会は、アスタリスクグループの中期経営目標及び年間予算を決定し、その執行状況を監督する。
執行役員は、取締役会で定めた中期経営目標及び年間予算に基づき効率的な職務執行を行い、予算の進捗状況については、事業責任者会議及び経営会議で確認し、取締役会に報告する。
取締役の職務執行状況については、適宜、取締役会に報告する。
執行役員その他の使用人の職務権限の行使は、「職務権限規程」及び「稟議規程」に基づき適正かつ効率的に行う。
(アスタリスクグループにおける業務の適正を確保するための体制)
当社は、「アスタリスクグループ倫理規程」を通じて、子会社の遵法体制その他業務の適正を確保するための体制の整備に関する指導及び支援を行う。
当社は、アスタリスクグループにおける経営の健全性及び効率性の向上を図るため、各子会社について、取締役及び監査等委員を必要に応じて派遣するとともに、重要な案件は経営会議で審議し、管理統括室は、子会社の事業運営に関する重要な事項について子会社から報告を受け、協議を行う。
アスタリスクグループにおける経営の健全性の向上及び業務の適正の確保のために必要なときは、子会社の事業運営に関する重要な事項について、子会社の職務権限規程に則り当社の承認を必要とするほか、特に重要な事項については当社の経営会議での審議及び取締役会への付議を行う。
管理統括室は、子会社がその業務の適正又は効率的な遂行を阻害するリスクを洗い出し、適切にリスク管理を行えるよう指導及び支援する。
内部監査担当は、業務の適正性に関する子会社の監査を行う。
監査等委員は、往査を含め、子会社の監査を行うとともに、アスタリスクグループにおける業務の適正の確保のため、内部監査担当と意見交換等を行い、連携を図る。
当社は、アスタリスクグループにおける業務の適正化及び効率化の観点から、業務プロセスの改善及び標準化に努めるとともに、情報システムによる一層の統制強化を図る。
(財務報告の信頼性を確保するための体制)
アスタリスクグループの財務報告に係る内部統制については、国内外の法令に基づき、評価、維持、改善等を行う。
当社の各部門及び子会社は、自らの業務の遂行にあたり、職務分離による牽制、日常的モニタリング等を実施し、財務報告の適正性の確保に努める。
(監査等委員の職務を補助すべき使用人及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項)
監査等委員が、自らの職務遂行を補助する使用人の設置を希望した場合は、専任スタッフを配置する。当該スタッフの人事考課、異動、懲戒等については、監査等委員の承認を要する。
(当該株式会社の監査等委員会の取締役及び使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項)
監査等委員会から職務を補助すべき者として配置された使用人等は監査等委員会から指示を受けた業務を執行することとし、取締役はそれに基づく当該使用人等の職務の執行を妨げない。
(取締役及び使用人が監査等委員に報告するための体制その他の監査等委員への報告に関する体制)
取締役及び使用人は、監査等委員の求めに応じて、随時その職務の執行状況その他に関する報告を行う。また、当社は、子会社の取締役及び使用人が、監査等委員の求めに応じて、随時その職務の執行状況その他に関する報告を行うよう指導する。
管理統括室長は、アスタリスクグループにおける内部者通報制度「内部通報制度運用規程」の運用状況を確認するとともに、監査等委員に定期的に報告する。また、管理統括室長及び管理統括室総務セクションマネージャーは、アスタリスクグループの取締役に「コンプライアンス規程」及び「アスタリスクグループ倫理規程」に違反する事実があると認める場合その他緊急の報告が必要な場合は、監査等委員に直ちに報告する。
内部者通報制度に基づく通報又は監査等委員に対する職務の執行状況その他に関する報告を行ったことを理由として、アスタリスクグループの取締役及び使用人に対し不利な取り扱いを行わない。
重要な決裁書類は、監査等委員の閲覧に供する。
(監査等委員の監査が実効的に行われることを確保するための体制)
監査等委員は、取締役会に出席するほか必要と認める重要な会議に出席する。
常勤の監査等委員に対しては、執務環境の独立性に配慮する。
監査等委員は、随時経理システム等の社内情報システムの情報を閲覧することができる。
監査等委員は、月1回定時に監査等委員会を開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、監査実施状況等について情報交換及び協議を行うとともに、会計監査人から定期的に会計監査に関する報告を受け、意見交換を行う。
監査等委員が職務の執行のために合理的な費用の支払いを求めたときは、これに応じる。
・リスク管理体制の整備の状況
当社のリスク管理体制の整備の状況については、コンプライアンス・情報セキュリティ委員会を設置し、事業部長、室長及びシステム責任者を委員として、原則四半期に1回の開催をしております。同委員会は、具体的なリスクを想定、分類し、有事の際の迅速かつ適切な情報伝達と緊急体制を整備するものとし、随時経営会議に対してリスク管理に関する事項を報告するものといたします。なお、不測の事態が発生した場合には、代表取締役執行役員社長を本部長とする対策本部を設置し、早期解決に向けた対策を講じるとともに、再発防止策を策定するものといたします。
・子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社は、関係会社管理規程に基づき、子会社における業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守及び資産の保全状況を管理しております。また、内部監査担当による内部監査の結果を代表取締役執行役員社長に報告し、監査等委員による監査の結果を取締役会に報告することにより、子会社の業務の適正を確保しております。
④ 取締役の定数
当社の取締役は15名以内、うち監査等委員である取締役は5名以内とする旨定款に定めております。
⑤ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役に区分して、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨定款に定めております。
⑥ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
⑦ 責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定により、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)及び会計監査人との間に、同法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結できる旨を定款に定めております。当社は取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)の全員及び会計監査人と当該契約を締結しており、当該契約に基づく賠償責任限度額は、法令が定める額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該業務執行取締役等でない取締役又は会計監査人が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限定されます。
⑧ 中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年2月末日を基準日として、中間配当を行うことができる旨定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能にするためであります。
⑨ 取締役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議をもって、同法第423条第1項の取締役(取締役であった者を含む。)の賠償責任について法令に定める要件に該当する場合には、賠償責任額から法令に定める最低責任限度額を控除して得た額を限度として免除することができる旨定款に定めております。これは、取締役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。
⑩ 自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、経営環境の変化に応じて機動的な資本政策の遂行を可能にするためであります。