有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/11/18 15:00
【資料】
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【項目】
165項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、「AIを用いた社会課題解決を通じて、幸せな社会を実現する」をミッションとし、当社のすべての活動の基本としております。当社取締役会は、当社ミッションを実現するための実効性あるガバナンス体制を構築するため、次のとおりコーポレート・ガバナンスに関する基本方針を定めております。
ⅰ 株主の権利・平等性の確保
当社グループの利益及び株主共同の利益に反する懸念があるコーポレート・アクション及び取引は、取締役会でその必要性・合理性を審議のうえ判断します。
株主の議決権行使その他の権利の重要性を十分に認識し、株主による権利行使が適切かつ円滑に行えるよう、権利行使のための環境整備、適切な情報発信、少数株主の権利への配慮等、具体的な施策を絶えず検討し、実行します。
ⅱ 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
当社グループが有する科学技術は、社会をより良くするために用いるものであり、地域社会、さらには地球規模で生じる気候変動、自然災害、貧困・格差問題、不平等などの社会課題の解決に資する目的で利用します。当社グループのビジネス及びソリューションは、持続可能な社会に貢献することを第一とします。
当社グループは、国連人権理事会において採択された「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、全ての企業活動において、国際的に認められた人権を尊重します。
また、当社グループは、企業活動に関わる国・地域の文化や慣習、多様な背景と価値観を理解し、従業員、お客様、取引先、地域社会等の当社事業を継続するうえで重要なステークホルダーとの適切な協働関係を構築するものとし、そのために必要な施策を実行します。
ⅲ 適切な情報開示と透明性の確保
当社は、経営方針・戦略、経営計画、その他社会的責任を果たすための活動などの非財務情報を主体的かつ積極的に発信することで、ステークホルダーへの説明責任を果たし、経営の公正性・透明性を確保します。
ⅳ 取締役会の責務
当社は、監査役設置会社制度を選択します。社外取締役を含む取締役会を企業戦略や重要な業務執行の意思決定をするとともに各取締役の業務執行を監督する機関と位置づけ、監査役及び監査役会は、独立した客観的立場から取締役会の意思決定及び取締役の職務執行を監査するものとします。
当社取締役会は、中長期の経営方針・戦略について大局的見地から方針を示すこと、及び経営陣幹部による目的達成のための果断なリスクテイクを促す仕組みの構築を主な責務とし、これらの責務を果たすために必要な議論に十分な時間を確保するとともに、その決定は、社外取締役及び社外監査役の意見及び助言を最大限尊重し反映します。
ⅴ 株主との対話
当社は、経営企画・IR部門を中心に、広報、経理、法務等の関連部門が密に連携し、適時適切な情報開示を行う体制を構築すると同時に、社長及び執行役員等による国内外の株主・投資家との直接の対話を通じ、当社の経営方針・戦略への理解を得た上で、株主・投資家の目線からの分析・意見を当社の持続的成長と企業価値向上のために活かすこととします。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、「① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方」の「ⅳ 取締役会の責務」に記載のとおり、監査役設置会社制度を選択しております。
経営上の重要事項の決定については、社外取締役を含む取締役会で行うことにより意思決定の透明性・健全性を確保することとし、さらに取締役会から独立した監査役及び監査役会が取締役会に対する監査機能を担うことで、より適切なガバナンス体制を構築できるものと考えております。
当社の企業統治に関する機関・組織は次のとおりです。
<取締役会>取締役会は、取締役7名(うち社外取締役3名)で構成しており、議長を社長とし、原則として月1回の定時取締役会のほか、必要に応じ臨時開催しております。取締役会は、重要な意思決定並びに取締役の業務執行状況及び業績のモニタリングを行うほか、取締役会で定めたコーポレート・ガバナンスの基本方針に従い経営戦略、中長期的な事業計画及び内部統制体制等の審議に注力しております。
構成員である取締役の氏名及び役職は、「(2)役員の状況 ①役員一覧」をご参照ください。
<監査役・監査役会>監査役会は、常勤監査役1名及び非常勤監査役の2名の計3名で構成され、全員が社外監査役です。監査役会は、議長を常勤監査役とし、月1回の定時監査役会のほか、必要に応じ臨時の監査役会又は会計監査人、内部監査部門及び社外取締役等とのミーティングを実施しております。
常勤監査役は、取締役会その他の当社の重要な会議体及び委員会への出席並びに当社グループの役員、執行役員及び主要な従業員との定期的なミーティング等を通じ業務執行状況を把握し、必要に応じ意見を述べるとともに、監査役会の議長として議案の立案又は取りまとめ、定期的な常勤監査活動の報告を行っております。
各監査役は、独立した立場から経営に対する適正な監視を行い、監査役会において情報を共有・審議し、必要に応じて取締役に対して提言・助言を行うなど、実効性ある監査を行っております。
構成員である監査役の氏名及び役職は、「(2)役員の状況 ①役員一覧」をご参照ください。
<経営会議>経営会議は、常勤の取締役(社長 石山洸、会長 春田真、大植択真及び坂根裕)及び執行役員で構成しており、議長を社長とし、原則として週1回の定時経営会議のほか、必要に応じ臨時開催しております。経営会議は、迅速かつ効率的な経営を行うための執行機関として取締役会から委譲された業務執行に関する決議及び審議を行っております。
また、経営会議は、情報共有範囲に留意が必要な事項を除き、原則として全社員に公開されており、社員はだれでも質問・意見等を発言することができる形で運営されております。これにより業務執行に関する有用な情報を効率的に共有するとともに、経営幹部による意思決定の透明化を図り社員に対する説明責任を果たすことを企図しております。
<内部監査部門>社長直轄の内部監査室に専任の担当者1名を置き内部監査を実施しております。内部監査は、社長の承認を受けた内部監査計画に基づき実施し、監査結果は社長のほか、監査役会及び取締役会にも直接報告することとしております。
<コンプライアンス委員会>コンプライアンス委員会は、社長の諮問機関であり、常勤の業務執行取締役(社長 石山洸、大植択真及び坂根裕)並びにコーポレート統括部及び人事統括部の担当執行役員にて構成しております。議長を社長とし、四半期に一度定時会を開催するほか、必要に応じて適宜開催し、当社グループのコンプライアンスに関する各種施策の検討のほか、個別のコンプライアンス・リスク事案の対応について審議し、答申しています。
<リスク管理委員会>リスク管理委員会は、社長の諮問機関であると同時に、具体的なリスク管理活動又は緊急時対応に関する執行機関であり、常勤の業務執行取締役(社長 石山洸、大植択真及び坂根裕)、コーポレート統括部及び人事統括部の担当執行役員並びにCISO(情報セキュリティ統括管理者兼個人情報保護責任者)にて構成しております。議長を社長とし、四半期に一度定時会を開催するほか、必要に応じて適宜開催し、当社グループのリスク管理体制の構築及び運用に関する各種施策のほか、クレーム・インシデント事案の対応について審議し、答申しています。また、緊急事態発生時においては、対応策に関する決定・指示機関として機能することを予定しております。
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③ 企業統治に関するその他の事項
a 内部統制システムの整備の状況
当社は、取締役会において次のとおり「内部統制システムに関する基本方針」を制定し、当社グループにおける内部統制体制及びリスク管理体制を整備し運用することとしております。
1.当社グループの取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(1) 当社は、「AIを用いた社会課題解決を通じて、幸せな社会を実現する」というミッションのもとに当社のバリュー及びクレドを確立し、当社グループの取締役及び従業員はこれを実践する。
(2) 「コンプライアンス・コード」を制定し、当社グループの取締役及び従業員に、職務の執行にあたっては、コンプライアンスを最優先とするメッセージを発信する。またグループ共通の「コンプライアンス規程」を定め、当社社長を統括責任者とするコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス徹底のための具体的施策を実行する。
(3) 社長直轄の内部監査部門を設置し、当社グループの内部監査を実施する。内部監査の結果については当社取締役会に報告する。
(4) 当社の社内及び第三者機関を情報提供先とする内部通報制度を設け、当社グループのコンプライアンスに違反する及び違反する可能性のある行為の早期発見・未然防止を図る。また、内部通報制度を通じ情報提供を行った者については、その個人情報を秘匿するとともに、当該情報提供を行ったことを理由として、解雇を含む懲戒処分その他の不利な取り扱いを行うことを禁止する。
2.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(1) 情報の保存・管理に関する規程を定め、取締役会、経営会議等の重要な会議の議事録その他取締役の職務の執行に係る情報は、その重要性及び記録媒体の性質に応じ適切に保存及び管理を行う。
(2) 経営企画部門は、取締役及び監査役の閲覧要請に速やかに対応できるようこれらの情報を安全かつ検索性の高い状態で保存及び管理を行う。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1) 当社は、グループ共通の「リスク管理規程」を制定し、グループ全体のリスクマネジメントを統括・推進するリスク管理委員会を設置する。
(2) リスク管理委員会は、当社グループのリスク管理及び対応の方針並びに危機発生時におけるマニュアル等を定め、各社及び各部門におけるリスクマネジメントを推進する。また、当該マニュアル等については、危機発生時に適切かつ迅速に対処できるよう、当社グループ各社の組織、事業環境及び実運用状況を踏まえて適宜見直しを行う。
(3) 情報セキュリティについては、「情報セキュリティ基本方針」を制定・公表のうえ、情報セキュリティマネジメントシステムを確立し、適切に維持、継続することとする。
(4) 当社グループ各社及び各部門は、「リスク管理規程」に従い、担当事業又は業務ごとに適切なリスクの把握と管理に努めるとともに、他部門との情報共有を図り、リスクの早期発見と未然防止に努める。リスク管理委員会は、当社グループ各社及び各部門のリスク管理の運用状況について定期的にモニタリングするものとする。
(5) リスク管理委員会は、事業・組織横断的なリスク管理の観点から重大なリスクを定義し、その対応方針、その他重要な事項について審議・決定する。またその活動状況を適宜取締役会及び経営会議に報告するものとする。
(6) 重大な危機発生時には、速やかに社長を責任者として対策本部等を設置し、社内外への適切な情報伝達を含め、当該危機に対して迅速かつ的確に対処する体制とする。
4.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1) 当社は「取締役会規程」、「業務分掌規程」及び「職務権限規程」を定め、取締役の職務及び権限、責任の明確化を図るとともに、適切な権限委譲をはかり、その職務の執行が機動的かつ効率的に行える体制とする。
(2) 取締役会は、法令・定款に定める事項その他経営に関する重要事項を決定するほか、取締役の職務の執行の監督を行うものとし、毎月1回定期的に開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催する。
(3) 取締役会は、業務執行の監督の観点から適宜取締役会の付議事項及びその基準について審議するものとする。
5.当社グループにおける業務の適正を確保するための体制
(1) 当社は、当社のミッション・バリュー・クレドを当社グループ共通の理念及び行動規範としてその浸透及び徹底を図る。また、本基本方針を実現するために必要となる主要な規程を定め当社グループ各社にも適用するものとする。但し、当該適用は、子会社が所在する国・地域の法令、文化及び事業環境を踏まえた適切な設計とし、子会社の自主性を尊重したものとする。
(2) グループ会社の管理については、経営企画部門を所管として「グループ会社管理規程」を定め、当社グループ各社の組織、所在する国・地域又は事業ドメイン等に応じた業務執行の把握及び財務報告の体制を構築する。また必要に応じ、当社からの役員又は従業員の派遣等を通じ、適切な情報収集と、グループ会社管理規程に基づいた決裁又は報告がなされているかモニタリングするものとする。
6.監査役がその職務を補助すべき使用人(以下「補助使用人」という)を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項、補助使用人の取締役からの独立性に関する事項、及び監査役の補助使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
(1) 監査役が補助使用人を置くことを求めた場合、取締役会は当該監査役と協議の上これを任命し、補助業務に当たらせる。
(2) 補助使用人は、監査役を補助するための業務に関し、取締役及び上長等の指揮・命令は受けないものとし、監査役の指揮・命令にのみ服する。
(3) 補助使用人の人事異動及び考課、並びに補助使用人に対する懲戒処分については、監査役の同意を得るものとする。
7.取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制
(1) 監査役は、重要な意思決定のプロセスや業務執行状況を把握するため、取締役会のほか重要な会議及び希望する任意の会議に出席し、又は取締役及び従業員から業務執行状況の報告を求めることができ、取締役及び従業員は、これに応じて速やかに報告する。
(2) 当社グループの取締役及び従業員は、法令に違反する事実、会社に著しい損害を与えるおそれのある事実その他会社に重大な影響を及ぼすおそれのある事実を発見した場合には、速やかに監査役に報告する。
(3) 内部監査部門は、内部監査の実施状況、内部通報制度による通報状況及びそれらの内容を監査役に報告する。
8.監査役に報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取り扱いを受けないことを確保するための体制
当社グループは、監査役への報告を行った者については、その個人情報を秘匿するとともに、当該報告を行ったことを理由として、当該報告をした者に対し、解雇を含む懲戒処分その他の不利な取り扱いを行うことを禁止する。
9.監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
当社グループは、監査役が、その職務の執行について生ずる費用の前払又は償還等の請求をしたときは、当該監査役の職務の執行に必要でないと合理的に認められる場合を除き、速やかに当該費用又は債務を処理する。
10.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
当社グループは、監査役からの求めに応じ、以下のような定期又は不定期の会合又は機会を確保するなど、監査役の監査が実効的に行われる体制を整備する。
・各取締役と定期的に会合を持ち、相互の意思疎通を図る。
・取締役及び従業員の職務執行に係る情報を必要に応じて閲覧し、内容説明を求める。
・会計監査人及び内部監査担当者と定期的に情報交換を行い、相互連携を図る。
・監査業務に必要と判断した場合における、弁護士、公認会計士、その他専門家への意見の聴取を行う。
11.反社会的勢力の排除に向けた体制
(1) 当社グループは、反社会的勢力・団体・個人とは一切の関わりを持たず、不当・不法な要求には応じないことを基本方針とし、「反社会的勢力対応規程」を定め、当社グループの役員及び従業員に周知徹底する。
(2) 平素より、関係行政機関などからの情報収集に努め、事案の発生時は、関係行政機関や法律の専門家と緊密に連携を取り、組織全体として速やかに対処できる体制を整備する。
b 責任限定契約の内容の概要
当社は、定款第28条第2項及び第34条第2項に基づき、社外取締役及び社外監査役との間で会社法第427条第1項の規定に基づき、責任限定契約を締結しております。なお、当該責任限定が認められるのは、その職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときに限られ、また責任限定契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額であります。
c 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で、取締役及び監査役等を被保険者として下記概要の役員等賠償責任保険契約を締結しております。
(a) 役員等賠償責任保険契約の概要
被保険者が、会社の役員等としての業務につき行った行為(不作為を含む。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や争訟費用等を補償するものです。ただし、贈収賄などの犯罪行為や意図的に違法行為を行った役員等自身の損害等は補償対象外とすることにより、役員等の職務の執行の適正性が損われないように措置を講じております。
(b) 保険料の負担
保険料は全額当社が負担しております。
d 取締役の定数
取締役の員数は3名以上とする旨を定款で定めております。
e 取締役の選任及び解任の決議要件
取締役の選任決議については、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらない旨を定款で定めております。
取締役の解任決議に関する定款の定めはございません。
f 取締役会で決議できる株主総会決議事項
(a) 取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議をもって、同法第423条第1項が定める行為に関する取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の責任を法令の限度において免除することができる旨定款に定めております。これは、取締役及び監査役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。
(b) 中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能にするためであります。
(c) 自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって、市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己の株式を取得することを目的とするものであります。
g 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めております。