有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/11/18 15:00
【資料】
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【項目】
166項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに対する基本的な考え方
当社は、経営環境が変化する中において、持続的な成長及び長期的な企業価値の向上を図る観点から、経営の透明性と健全性を確保するとともに、迅速且つ効率的な意思決定ができる体制構築を目指しております。当社は大株主2社を有しておりますが、取締役会の構成において大株主2社からの役職員は受け入れておりません。また、大株主の承認を必要とする取引や業務は存在せず、大株主2社のグループに属する企業と取引を行う際は、取締役会の承認手続きを経た上で、一般の取引先と同様の基準で行うなど、一般株主の利益を保護しながら当社独自の判断で意思決定を行っております。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、会社法の趣旨に沿って社外から取締役および監査役を招くことで、今後の事業拡充の局面にあっても継続的に経営の監督機能を確保できる体制を構築しています。当社の社外取締役2名は、上場会社のCFOや監査役の経験者、及び事業会社のCTO経験者であり、また、社外監査役3名は各分野での経験と専門性を有しており、公正で独立した立場から監督・監査が期待できると考えております。職務執行を兼務する取締役の員数に対して、社外役員を5名とする体制が、経営の健全性、透明性を確保するために有効であると判断して、本企業統治体制を採用しております。
a.取締役及び取締役会
当社の取締役会は、代表取締役社長チャン バン ミンを議長として、取締役CFO平川和真、取締役窪田陽介、社外取締役増山雅美及び社外取締役衣笠嘉展の取締役5名(うち社外取締役2名)、常勤(社外)監査役高田英次、社外監査役狐塚利光、社外監査役里見剛(うち社外監査役3名)で構成され、法令や定款に則り、迅速かつ適切な経営の意思決定を行うために、定時取締役会を月1回開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催しております。また、当社の社外取締役は、過去の上場会社等で経営に関与した経験を活かし、当社の取締役会においても経営全般に率直かつ有効な助言が期待できると判断して選任しております。
b.監査役会
当社の監査役会は、常勤(社外)監査役高田英次が議長となり、社外監査役狐塚利光、社外監査役里見剛を含めた3名で構成され、監査計画に基づく監査を実施して、毎月1回、取締役会開催前に監査役会を開催して情報共有するとともに、意見形成ができる体制を構築しております。
監査役3名の構成につきましても、常勤監査役は過去の上場会社等での管理部門や税理士事務所での豊富な実務経験を持ち、他の2名の監査役は、各々公認会計士及び弁護士であることから、取締役会その他の会議において、取締役の職務執行について総括的な確認を行うとともに、適宜意見を述べております。
c.経営戦略会議
当社グループでは原則として2週間に1回以上、代表取締役社長チャン バン ミンが議長となり、取締役CFO平川和真、取締役窪田陽介、社外取締役増山雅美、社外取締役衣笠嘉展、常勤(社外)監査役高田英次のほか、ベトナム子会社を含む部長職社員も参加して、経営戦略会議を開催しております。経営戦略会議はベトナム子会社にかかわる重要事項の意思決定機関であるとともに、当社にとっても職務権限規程で定めた事項の決議を行うほか、取締役会で審議予定の事項について事前協議する場となっております。当会議には社外取締役や常勤監査役も出席して、議論の形骸化を防ぎ、チェック機能が働く重要会議として運営しております。
d.会計監査人
当社は、監査法人東海会計社と監査契約を締結し、会社法及び金融商品取引法に基づく監査を受けております。
e.内部監査室
当社は「内部監査規程」に基づき、内部監査室による内部監査を実施しており、基本的に半期で全部門の内部監査を一巡しております。内部監査室には2名が所属し、ベトナム子会社の規模や重要性を勘案して、うち1名は、ベトナム子会社に出向し常駐して監査を実施しております。また、子会社の内部監査の実施に当たっては、監査計画の策定から、監査での確認内容、調書や報告書作成に関して、日本の内部監査担当者と連携して運営しております。
f.リスクコンプライアンス委員会
当社は「リスク管理規程」及び「コンプライアンス規程」を定め、3カ月に1度、リスクコンプライアンス委員会を開催しております。当委員会は代表取締役社長チャン バン ミンが議長となり、取締役CFO平川和真、取締役窪田陽介、社外取締役増山雅美、社外取締役衣笠嘉展、常勤(社外)監査役高田英次のほか、ベトナム子会社を含むリスク管理にかかわる部長職社員も参加して、リスク分析資料を共有しながら、リスク管理に関して発生した事象や、各部門の活動の進捗状況を確認するとともに、適宜対応策を協議しております。
当社のコーポレート・ガバナンス体制の概要は以下の通りであります。
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③内部統制システムの整備の状況
当社は、業務の適正性を確保するため、以下の通り内部統制システムの整備の基本方針を定めております。
1.当社の取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制並びに当社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要な体制
当社の取締役の職務の執行が法令及び定款に適合すること並びに当社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するため、「コンプライアンス規程」等を定めます。
当社の取締役は、当社及びその子会社に関し重大な法令違反、コンプライアンス違反その他重要な事実を発見した場合、速やかに取締役会に報告します。
当社の監査役は、「監査役監査規程」に基づき、取締役の職務執行について監査を行います。
当社は、法令、定款及び社内規則に違反する行為が行われ、又は行われようとしている場合の報告体制として「公益通報者保護規程」を定め、社内通報窓口を設置します。当社及びその子会社は、当該通報を行った者に対して、解雇その他いかなる不利益な取り扱いも行いません。
2.当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
当社の取締役の職務執行に係る文書その他重要な情報については、法令、定款及び「文書管理規程」ほか社内規程に則り作成、保存、管理しています。取締役及び監査役は、必要に応じてこれらの情報を閲覧することができるものとします。当社は、「個人情報取扱規程」、「情報管理規程」等の社内規程に基づき、情報の保存及び管理に関する体制を整備します。
3.当社及びその子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
当社は、リスク管理の基礎として定める「リスク管理規程」に基づき、当社グループのリスクを横断的に管理する「リスクコンプライアンス委員会」を設置し、リスクマネジメント活動を推進します。
当社は、経営戦略会議等において定期的に実施される業務執行状況の報告等を通じ、当社及びその子会社におけるリスクの状況を適時に把握、管理します。
当社の内部監査室は、「内部監査規程」に基づき、当社及びその子会社におけるリスク管理の実施状況について監査を行います。
4.当社及びその子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社は、経営の効率化と責任の明確化を図るため、「執行役員規程」に基づき、執行役員制度を導入します。
当社は、取締役会を毎月1回以上開催し、重要事項の決定ならびに取締役及び執行役員の業務の執行状況について報告を行い、当社の取締役及び執行役員の職務の執行について監視・監督を行います。
当社は、取締役会の決定に基づく業務執行については、「職務分掌規程」「職務権限規程」において、それぞれの分担を明確にして、職務の執行が効率的に行われることを確保します。
当社は、職務の執行が効率的に行われることを補完するため、経営に関する重要事項について協議する経営戦略会議を原則として2週間に1回以上開催します。
5.当社及びその子会社の使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
当社の取締役会は、「取締役会規程」に基づき重要事項について決定するとともに、取締役及び執行役員に業務の執行状況を報告させ、法令、定款及び社内規則の遵守状況を把握します。
当社は、「コンプライアンス規程」を、職務を遂行するにあたり遵守すべき行動基準とし、全ての役員及び従業員に対し周知徹底を図ります。
当社は、「公益通報者保護規程」に基づき社内通報窓口を設置し、不祥事の未然防止を図ります。
当社の内部監査室は、社内規程に基づき内部監査を実施し、当社及びその子会社の使用人の職務における法令、定款及び社内規則の遵守状況並びにその他業務の遂行状況を検証します。
当社の監査役及び監査役会は、当社及びその子会社の法令、定款及び社内規則等の遵守状況に問題があると認められた場合は、改善策を講ずるよう取締役会に要求します。
6.当社及びその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社は、グループとしての統一的な事業戦略に基づく意思決定及び業務の適正を確保するため「関係会社管理規程」を定め、経営管理責任を明確化します。
当社グループにおいては、「関係会社管理規程」に基づき、子会社の業務執行上重要な事項は当社の経営戦略会議等の決定機関において事前承認を得たうえで執行します。また、子会社において業務執行上発生した重要な事実については、経営戦略会議にて報告するものとします。
当社内部監査室は、各子会社に対しても定期的な監査を行います。
7.当社の監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役が監査役補助者の登用を求めた場合、当社の使用人から監査役補助者を任命することができるものとします。
監査役補助者の任命、解任、人事異動、賃金等の改定については、監査役の同意を得たうえで、取締役会で決定することとし、取締役からの独立性を確保します。
監査役補助者は業務の執行に係る役職を兼務しないものとします。
8.当社の取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制並びに子会社の取締役、監査役等及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当社の監査役に報告をするための体制
当社の取締役及び使用人並びにその子会社のDirector及び使用人等は、法令に違反する事実、会社に著しい損害を与えるおそれのある事実を発見したときには、当社の監査役に対して、当該事実に関する事項を速やかに報告しなければならないものとします。
また、当社の監査役から業務執行に関する事項の報告を求められた場合においても、速やかに報告を行わなければならないものとします。
9.その他当社の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
当社の監査役は、当社又はその子会社の取締役会、経営戦略会議その他経営に関する重要な会議に出席し、経営において重要な意思決定及び業務の執行状況を把握するとともに、意見を述べることができます。
当社の代表取締役社長は、当社の監査役と定期的に意見交換を行います。
当社の監査役は、内部監査室の実施する内部監査に係る年次計画について事前に説明を受け、その修正等を求めることができます。また、内部監査の実施状況について適宜報告を受け、必要があると認めるときは、追加監査の実施、業務改善策の策定等を求めることができます。
当社の監査役は、会計監査人から必要に応じて会計の内容につき説明を受けるとともに意見交換を行い、効率的な監査のために連携を図ります。
10.当社の監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に関する方針に関する事項
当社は、当社の監査役の職務の執行に協力し監査の実効性を担保するために、監査費用のための予算を確保します。
11.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方・措置
当社は、暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である反社会的勢力による被害を防止するため、「反社会的勢力に対する基本方針」を宣言します。
反社会的勢力に対しては、警察、暴力追放運動推進センター及び弁護士等の外部専門機関と連携して組織的な対応を図るものとし、平素より情報収集に努め、速やかに対処できる体制を整備します。
④リスク管理体制の整備の状況
当社では、リスク管理規程を定め、代表取締役社長を委員長として、取締役及び各部門の責任者から構成される「リスクコンプライアンス委員会」を3か月に1度、開催するとともに、社内のリスク情報を収集、認識・分析する体制を構築しております。
また、外部専門家(弁護士、社労士)と契約、連携して、関係する法令等の内容を適切に把握するとともに必要に応じて専門家の意見を確認し、社内規程や業務フロー等に反映できる体制を整備しております。また、リスク管理規程、コンプライアンス規程、ハラスメント防止規程等の諸規程をはじめ、情報管理規程や個人情報管理規程を含む情報セキュリティ体制の運用維持のために、定期的にコンプライアンス勉強会なども開催しております。
情報セキュリティについては、ソフトウェア開発という当社の事業特性も踏まえて極めて重要視しており、情報管理規程を策定するとともに、取締役CFOとシステム開発本部責任者が連携して、情報セキュリティの維持、向上活動の社内浸透を図っております。また、システム開発の実装業務を行うHybrid Technologies Vietnam Co., Ltd.において、ISMS適合性評価制度の認定ならびにISO/IEC27001の認定を、2019年3月28日付で取得するなど、情報セキュリティマネジメントの運用、強化に取り組んでおります。
⑤子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社の子会社の業務の適正を確保するために、企業理念や中期経営計画を共有するとともに、関係会社管理規程に基づき、当社による承認事項及び当社への報告事項を明確にしたうえで、グループの部長以上が参加する経営戦略会議の場で、子会社にかかる重要事項の協議や決定、業務の進捗確認等を行っております。また、子会社に内部監査担当者1名を常駐させて、内部監査部門間で連携をとりながら、子会社の内部監査を実施しております。
⑥責任限定契約の内容の概要
当社と社外取締役及び社外監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、当該社外取締役または社外監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときは、法令が定める額としております。
⑦取締役の定数
当社の取締役は10名以内とする旨、定款に定めております。
⑧取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、及び累積投票によらない旨を定款に定めております。
⑨株主総会の決議事項を取締役会で決議することができるとした事項
a.取締役の責任免除
当社は、取締役が期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨、定款で定めております。
b.監査役の責任免除
当社は、監査役が期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる監査役(監査役であった者を含む)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨、定款で定めております。
c.会計監査人の責任免除
当社は、会計監査人が期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる会計監査人(会計監査人であった者を含む)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨、定款で定めております。
d.中間配当
当社は、取締役会の決議により、毎年3月31日を基準日として中間配当をすることができる旨、定款で定めております。これは株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
e.自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨、定款で定めております。これは経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引により自己株式を取得することを目的とするものであります。
⑩株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨、定款で定めております。