有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/11/11 15:00
【資料】
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【項目】
165項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに対する基本的な考え方
当社グループは、経営管理機能の強化・充実を経営の最重要課題として捉え、コンプライアンスを重視した経営を心がけるとともに、社内管理体制の拡充を推進しています。さらに、社内規程を整備し、関連法規等の遵守の徹底を心がけています。
当社グループは、経営の健全性と透明性を高め、ステークホルダーからの社会的信頼に応え、企業価値を安定的に向上させるためにも、コーポレート・ガバナンスの強化が重要な経営課題と認識しています。また、「つぎのアタリマエをつくる」というミッションの下、常に目まぐるしく変化する事業環境の中でもいち早く変化を捉え、経営意思決定の迅速化と効率化に努めてまいります。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、2018年10月12日開催の臨時株主総会において、監査等委員会設置会社へ移行しました。
当社は、会社法に基づく機関として、株主総会、取締役会、監査等委員会、及び会計監査人を設置しています。また、統治体制の構築手段として、任意の指名・報酬委員会、コンプライアンス委員会及びリスク管理委員会を設置しています。これらの機関が相互連携することによって、経営の健全性・効率性及び透明性が確保できるものと認識しているため、現状の企業統治体制を採用しています。
(当社の企業統治体制図)
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イ.取締役会
取締役会は、代表取締役である柴田紳を議長として、取締役9名(うち社外取締役5名、うち監査等委員3名)で構成され、当社の業務執行を決定し、取締役の職務の執行を監督する権限を有しています(各取締役の氏名等については、「(2)役員の状況 ①役員一覧」をご参照ください。)。また、社外取締役を招聘し、より広い視野に基づいた経営意思決定と社外からの経営監視を可能にする体制作りを推進しています。さらに、業務執行取締役及び常勤監査等委員は各月1回常勤役員会を開催するとともに、週次で当社グループの各部門ディビジョン長とミーティングを行うとともに、月次で各部門及びグループの進捗状況を確認し、取締役会から全従業員に至るまでの双方向の意思疎通を図る体制を構築しています。
ロ.監査等委員会
当社は、監査等委員会設置会社であり、監査等委員会は社外取締役3名(うち常勤取締役1名)で構成されており、常勤社外取締役三浦俊一を議長としています。社外取締役佐藤有紀は弁護士であり、また常勤社外取締役三浦俊一及び社外取締役小坂雄介はそれぞれ金融機関役職員及び他社での経営経験を有しており、それぞれ法務、財務及び会計等の監査関連知識について十分な知見を有しています。監査等委員は、取締役会への出席を通じた業務及び財産の調査、取締役・従業員・会計監査人からの報告聴取等法律上の権限を行使しています。
また、組織的に監査活動を行うために、内部監査室とは頻繁に情報交換等を行い、相互に連携し内部統制システムの強化を図っています。
ハ.指名・報酬委員会
当社は、取締役の選解任及びその評価、報酬制度において、透明性及び客観性を確保し、当社グループの経営に対する監督機能の強化に資することを目的とし、2021年6月25日開催の取締役会において、諮問機関として、任意の指名・報酬委員会を設置しています。当社株式が東京証券取引所に上場された日より、運用を開始する予定であり、運用開始に向けて協議を進めております。
指名・報酬委員会は、取締役会の決議により、当社取締役3名以上を選出して構成し、委員の過半数は東京証券取引所に独立役員として届け出た社外取締役(以下「独立社外取締役」といいます。)とし、委員長は独立社外取締役より選定するものとしています。
独立社外取締役藤沢久美を委員長として、独立社外取締役三浦俊一、独立社外取締役佐藤有紀、代表取締役柴田紳及び社外取締役小坂雄介の取締役5名(うち監査等委員3名)で構成されています。
ニ.内部監査室
当社では、監査を担当する部署として内部監査室を設置し、内部監査室長1名及び内部監査室長が選任した補助員1名が社長の承認を得た内部監査計画書に基づき、当社グループ各部署の業務全般を監査しています。内部監査室長は他部署を兼務しており、兼務先の部署に対する内部監査は当該部署に所属しない補助員が実施しております。内部監査結果については、内部監査終了後、被監査部門長へ事実確認を行い、その場で内部監査結果について被監査部門長へ報告した後、内部監査報告書を作成し、社長に報告しています。指摘事項の改善点については、社長名にて被監査部門へ改善計画の提出を求める指示を出し、業務改善を行っています。
ホ.内部管理室
当社では、2020年4月、適切な内部管理体制の整備、維持、及び強化を図るべく、内部監査における指摘事項等も踏まえ、管理体制の整備及び運用の強化を推進する役割を担うことを目的として内部管理を担当する部署として、内部管理室を設置しました。内部管理室では、内部管理室長1名及び内部管理室長が選任した補助員5名が、内部管理規程に基づき、当社グループ各部署において横断的に内部管理体制の整備及び運用を行っていきます。内部管理室長はコーポレートディビジョン長が務めております(氏名等については、「(2)役員の状況 ①役員一覧」をご参照ください。)。
ヘ.コンプライアンス委員会
コンプライアンス委員会は、コーポレートディビジョン長又はコーポレートディビジョン長が指名した者を委員長とし、常勤の取締役、監査等委員及び執行役員によって構成され、四半期に1回及び必要に応じて開催しています(各構成員の氏名等については、「(2)役員の状況 ①役員一覧」をご参照ください。)。2021年4月のコーポレートディビジョン新設前は、2020年6月以降、内部管理室長がアドミニストレーションディビジョン長に指名され、委員長を務めていました。2021年4月のコーポレートディビジョン新設後は、コーポレートディビジョン長となった内部管理室長が引き続き委員長を務めています(氏名等については、「(2)役員の状況 ①役員一覧」をご参照ください。)。グループ会社においてはコーポレートディビジョン長を中心に、コンプライアンス基本方針の遵守のための指導を実施しています。
ト.リスク管理委員会
リスク管理委員会は、コーポレートディビジョン長又はコーポレートディビジョン長が指名した者を委員長とし、常勤の取締役、監査等委員及び執行役員によって構成され、四半期に1回及び必要に応じて開催しています(各構成員の氏名等については、「(2)役員の状況 ①役員一覧」をご参照ください。)。2021年4月のコーポレートディビジョン新設前は、2020年6月以降、内部管理室長がアドミニストレーションディビジョン長に指名され、委員長を務めていました。2021年4月のコーポレートディビジョン新設後は、コーポレートディビジョン長となった内部管理室長が引き続き委員長を務めています(氏名等については、「(2)役員の状況 ①役員一覧」をご参照ください。)。リスクの把握・評価・予防、発生時の対応・再発防止に努めるとともに、内部監査室長がとりあげるべきと判断したコンプライアンス違反行為の調査、再発防止策の策定等を実施します。
チ.会計監査人
当社は、EY新日本有限責任監査法人と監査契約を締結し会計監査を受けています。なお、同監査法人及び当社監査に従事する同監査法人の業務執行社員と当社の間には特別な利害関係はありません。
③企業統治に関するその他の事項等
イ.内部統制システムの整備状況
内部統制については、基本的には企業の4つの目的(業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守、資産の保全)の達成のために、企業内の全ての者によって遂行されるプロセスであるとの認識の下に、当社では内部統制システムを整備しています。この他、企業活動における法令遵守、公正性、倫理性を確保するため「コンプライアンス規程」及び「コンプライアンス基本方針」を策定し、全従業員に周知しています。
当社の内部統制システムに関しましては、法令・定款の遵守と、業務の効率性・適正性等の確保のため、内部統制システムの整備に関する基本方針を定めています。この方針に基づく内部統制システムの運用を徹底するとともに必要に応じて改善を行い、一層実効性のある運用に努めてまいります。
2018年10月12日付取締役会で決議した、当社内部統制システム基本方針は下記のとおりです。
1.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(1)当社グループは、「つぎのアタリマエをつくる」との経営理念を掲げ、全ての役員及び従業員が職務を執行するに当たっての基本方針とする。
(2)当社グループは、企業が存立を継続するためにはコンプライアンス(法令等の遵守)の徹底が必要不可欠であるとの認識のもと、全ての役員及び従業員が公正で高い倫理観に基づいて行動し、広く社会から信頼される経営体制の確立に努めるものとする。
全ての役員及び従業員は、企業行動規範の基本原則である「コンプライアンス基本方針」を通じてその精神を理解し、一層公正で透明な企業風土の構築に努める。
(3)当社グループは、コンプライアンスに関する相談や不正行為等の通報のために、社外を含めた複数の窓口を設置し、通報者の保護を徹底した「コンプライアンス通報規程」によるコンプライアンス通報制度を運用する。
(4)当社グループは、独立性を確保した内部監査室を設置し、全ての業務が法令・定款及び社内諸規程等に準拠して適正・妥当かつ合理的に行われているか、また、当社グループの制度・組織・諸規程が適正・妥当であるか、内部監査を通じて公正不偏に検証する。
(5)当社グループは、社会的責任及び企業防衛の観点から、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力について、取引を含め一切関係を持たず、同勢力からの不当な要求に断固として応じないこととする。
反社会的勢力による不当な要求に備えて、外部専門機関との連携体制の強化を図り、指導及び助言を受け、新規取引を開始する際には事前に反社会的勢力に関する調査を実施する。
2.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(1)当社グループは、取締役会をはじめとする重要な会議の意思決定に係る議事録等の記録や各取締役が職務権限規程に基づいて決裁した文書等、取締役の職務の執行に係る情報を適正に記録し、法令及び「文書管理規程」等に基づき定められた期間保存する。
(2)当社グループは、「情報セキュリティ管理規程」を定め、情報セキュリティに関する責任体制を明確化し、情報セキュリティの維持・向上のための施策を継続的に実施する。個人情報及び特定個人情報については、法令及び「個人情報保護規程」に基づき厳重に管理する。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
当社グループは、様々な損失の危険に対して、危険の大小や発生可能性に応じ、事前に適切な対応策を準備する等により、損失の危険を最小限にすべく組織的な対応を行う。
損失の危険すなわちリスクの全般的なコントロールを行うため、「リスク管理規程」に基づきリスクごとに担当部署を定め、内部監査室によるモニタリングの下で、定期的にリスク管理に関する体制・方針及び施策等を総合的に検討する。
4.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社グループは、環境変化に対応した会社全体の将来ビジョンと目標を定めるため、「経営計画」を策定する。経営計画を達成するため、取締役の職務権限と担当業務を明確にし、職務の執行の効率化を図る。
5.当社グループにおける業務の適正を確保するための体制
(1)当社は「関係会社管理規程」に基づき、連結子会社に対する指導・支援を含む適切なグループ経営管理を行う。
(2)当社グループでは、グループ経営の健全性及び効率性の向上を図るため、当社の常勤取締役及び常勤監査等委員は、連結子会社の常勤取締役及び常勤監査役を原則兼務する。
(3)連結子会社の取締役会で決議する事項については、原則として当社の取締役会に報告する。ただし、重要事項については当社の取締役会に付議する。
(4)内部監査室は、当社グループの業務の適正性について内部監査を行い、必要に応じて連結子会社を往査する。
6.財務報告の信頼性を確保するための体制
(1)当社グループの財務報告に係る内部統制については、金融商品取引法その他適用のある国内外の法令に基づき、体制の整備・運用をはかり、有効性評価、維持・改善等を行う。
(2)当社グループの各部門は、自らの業務の遂行にあたり、職務分離による相互牽制、日常的モニタリング等を実施し、財務報告の信頼性の確保に努める。
7.監査等委員の職務を補助すべき使用人及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
(1)監査等委員の職務を補助すべき使用人は、監査等委員が必要に応じて関係部門と協議のうえ指名する。
(2)監査等委員補助使用人の取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性を確保するために、当該使用人の異動、人事考課については、予め監査等委員会と事前協議をして同意を得るものとする。
(3)取締役(監査等委員である取締役を除く。)は、監査等委員補助使用人がその監査業務を遂行する上で不当な制約を受けないように配慮しなければならず、当該使用人は監査業務遂行にあたり不当な制約を受けたときは、監査等委員に報告し、制約の排除を求めることができる。
8.取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人が監査等委員に報告するための体制その他の監査等委員への報告に関する体制
(1)取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び部門長は、
①当社グループの信用を著しく低下させたもの、又はその恐れのあるもの
②当社グループの業績に著しく悪影響を与えたもの、又はその恐れのあるもの
③企業倫理、コンプライアンス、定款に違反したもの、またその恐れのある重大なもの
④その他①~③に準ずる事項
について、発見次第速やかに監査等委員に報告するものとする。
(2)取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び従業員は、監査等委員の求めに応じて、随時その職務の執行状況その他に関する報告を行う。また、子会社の取締役、監査役及び従業員は、当社の監査等委員の求めに応じて、随時その職務の執行状況その他に関する報告を行うものとする。
(3)監査等委員に対する職務の執行状況その他に関する報告を行ったことを理由として、当社グループの取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び従業員に対し不利な取り扱いを行わない。
(4)重要な決裁書類は、監査等委員の閲覧に供するものとする。
9.監査等委員の職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る。)について生ずる費用の前払い又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1)当社は、監査等委員会がその職務の執行について、当社に対し会社法第399条の2第4項に基づく費用の前払い等の請求をした場合、当該費用又は債務が監査等委員の職務の執行に必要でない場合を除き、速やかに当該費用又は債務を処理する。
(2)当社は、監査等委員会が、独自に外部専門家を監査等委員の職務の執行のために利用することを求めた場合、監査等委員の職務の執行に必要でない場合を除き、その費用を負担する。
10.監査等委員の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1)監査等委員が会計監査人及び内部監査室と緊密な連携を保ち、足らざる点を補完しつつ相互に牽制する関係を構築し、効率的かつ効果的な監査が実施できるよう「三様監査」体制の環境を整備するものとする。
(2)監査等委員は、取締役から実効的かつ機動的な報告がなされるように、社内規程の整備その他社内体制の整備を取締役会に求めることができる。
(3)監査等委員は、取締役会に出席するほか、必要と認める重要な会議に出席する。
(4)監査等委員は、随時経理システム等の社内情報システムの情報を閲覧することができる。
(5)監査等委員は、監査等委員会を月1回定時に開催するほか、必要に応じて随時開催し、監査実施状況等について情報交換及び協議を行うとともに、会計監査人から定期的に会計監査に関する報告を受け、意見交換を行う。
ロ.リスク管理体制の整備状況
当社のリスク管理体制に関しましては、法令を遵守することを目的に「リスク管理規程」「コンプライアンス規程」を制定し、その運営をリスク管理委員会、コンプライアンス委員会によって行っています。また様々なリスクを一元的に俯瞰することで、リスクの洗い出し、評価、予防を行い、またリスクが顕在化した場合は迅速かつ的確に対応することにより被害を最小限にくい止め、再発を防止し当社の企業価値を保全することとしています。
ハ.取締役の定数
当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)は9名以内とし、監査等委員である取締役は5名以内とする旨定款に定めています。
ニ.責任限定契約の内容の概要
当社と取締役(業務執行取締役等であるものを除く。以下、「非業務執行取締役」という。)とは、会社法第427条第1項及び定款第30条第2項に基づき、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しており、非業務執行取締役が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合の損害賠償責任の限度額は、法令に定める最低責任限度額としています。
ホ.役員等賠償責任保険の内容の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に定める役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。当該保険契約の被保険者の範囲は、当社、当社が直接・間接問わず50%超出資する全ての会社並びに会社法上の子会社の取締役であり、被保険者は保険料を負担しておりません。被保険者が会社役員としての業務行為に起因して損害賠償請求がされた場合、当該契約により、かかる損害につき、補填することとしておりますが、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、故意又は重大な過失に起因して生じた損害は補填の対象としないこととしております。
ヘ.取締役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の要件、限度において取締役会の決議によって免除することができる旨を定款に定めています。これは、取締役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たし得る環境を整備することを目的とするものです。
ト.取締役の選任決議要件
当社は、取締役の選任決議は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役を区別して、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行うものとし、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めています。
チ.株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を目的とするものです。
リ.自己株式の取得
当社は、機動的な資本政策を遂行できるよう、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己株式を取得することができる旨を定款に定めています。
ヌ.中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めています。これは株主への機動的な利益還元を可能とするためです。