有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2023/05/18 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
168項目
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、「医療という希望を創る。」というミッション及び企業価値の継続的な向上の実現のため、経営の健全性、透明性及び効率性を確保することが必要であると考えており、コーポレート・ガバナンスの強化を当社グループの経営の重要課題の一つとして位置付けています。その実現のために、法令及び規範等の遵守、業務執行及び意思決定プロセスの有効性及び効率性の確保等に努め、取締役会・監査等委員会を中心に、情報共有・モニタリングを適切に行うこととしています。
また、当社の筆頭株主であるエムスリー株式会社は、その持株比率が過半数を超えていることから支配株主に該当します。当社は支配株主と取引を行う場合等に、少数株主の利益を損なうことのないよう公正な意思決定プロセスの確立に努めています。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
1.企業統治の体制の概要
当社は、取締役会の監査・監督機能を強化するとともに、業務の執行に係る意思決定を迅速に行うことを目的に、監査等委員会設置会社制度を採用しています。その他の組織も含めた具体的な体制は以下のとおりです。
(a) 取締役会
当社の取締役会は、代表取締役 濵口慶太、取締役 田邉隆通、桶谷主税、監査等委員である社外取締役 米村良一、光原ゆき、監査等委員である取締役 大場啓史の6名で構成されており、代表取締役 濵口慶太が議長を務めています。原則として月1回の定例取締役会のほか、必要に応じて臨時取締役会を開催しています。取締役会は、法令・定款に定められた事項のほか、取締役会規程及び職務権限規程に基づき重要な業務執行に係る意思決定を行うとともに、取締役の業務執行状況を監督しています。
(b) 監査等委員会
当社の監査等委員会は、監査等委員である社外取締役 米村良一及び光原ゆき、監査等委員である取締役 大場啓史の取締役3名で構成されており、米村良一が監査等委員長を務めています。原則として月1回の定例監査等委員会のほか、必要に応じて臨時監査等委員会を開催しています。監査等委員会は、内部監査及び会計監査人と随時情報交換や意見交換を行うほか、定期的に三者によるミーティングを行う等、連携を密にし、監査機能の向上を図っています。
(c) 経営会議
当社の経営会議は、代表取締役 濵口慶太、取締役 田邉隆通、桶谷主税、監査等委員である社外取締役 米村良一、執行役員 橋本淳の5名で構成されており、代表取締役 濵口慶太が議長を務めています。また、必要に応じてオブザーバーとして各部室長等も出席しています。原則として毎週開催し、職務権限規程に基づき、業務執行に係る意思決定を行うとともに、業務執行状況の確認を行っています。
(d) 内部監査部
当社の内部監査部には内部監査部長1名、担当者2名の計3名が所属しており、業務執行状況の適法性、リスク管理への対応等を含む業務の妥当性等について、直轄する代表取締役のリスク認識を基に重要な監査対象項目を設定し、内部監査に取り組んでいます。
(e) リスク・コンプライアンス委員会
当社のリスク・コンプライアンス委員会は、代表取締役 濵口慶太及び各部門長で構成されており、代表取締役 濵口慶太が委員長を務めています。原則として四半期に1度開催し、その他必要と認めた場合にも開催をしています。当該委員会では、リスク・コンプライアンス規程に基づき、リスクの適切な管理及びコンプライアンスの遵守やその体制整備のための意思決定を行っています。
(f) 情報セキュリティ委員会
当社の情報セキュリティ委員会は、内部統制担当者及び社内システム部門のセキュリティ担当者の各1名以上で構成され、社内システム部門を管掌している部長が情報セキュリティ委員長を務めています。当該委員会では、情報セキュリティ安全基準に基づき、全社レベルの情報セキュリティの状況及び情報セキュリティインシデントを正確に把握し、必要な対策を迅速に実施するために活動しています。
(g) 報酬諮問委員会
当社の報酬諮問委員会は、代表取締役 濵口慶太、監査等委員である社外取締役 米村良一、光原ゆきの3名で構成されており、米村良一が委員長を務めています。原則として年に1回開催し、その他必要と認めた場合にも開催しています。当委員会は報酬諮問委員会規程に基づき、取締役の報酬等に係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化することを目的として活動しています。
2.当該企業統治の体制を採用する理由
当社は、監査等委員会設置会社制度の採用により、取締役の職務執行の監査・監督を担う監査等委員が取締役会における議決権を持つことにより、取締役会の監督機能を強化することでコーポレート・ガバナンスの一層の充実を図ることを目的としています。また、重要な業務執行の決定を取締役に委任することが可能となるため、迅速かつ機動的な経営が可能となります。なお、意思決定における牽制と監視が実質的に機能するよう、会議体における決裁を重視した体制を採用しています。
0204010_001.png

③ 内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備・運用状況又は準備状況
(内部統制システムに関する基本的な考え方)
当社は、会社法第399条の13第1項第1号ハ及び会社法施行規則第110条の4第2項が規定する「内部統制システム」の基本方針を以下のとおり定めています。現在その基本方針に基づき内部統制システムの整備・運用を行っています。その概要は、以下のとおりです。
(内部統制システムの整備・運用状況又は準備状況)
1.当社及び当社子会社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
ア.法令及び定款、社会規範・倫理の遵守とその意識の向上が重要であることを認識し、必要な諸規程を定め、子会社にも必要な規程については適用し、本体制の整備と適切な運営に努める。また、必要に応じ弁護士や会計士等外部の専門家に助言を求めたうえで、諸規程の制定や改廃を行う。
イ.業務執行取締役は、業務執行状況を原則として毎月開催する取締役会に報告して情報共有化及び意見交換をすることにより、取締役会による取締役の職務執行の監督を充実させる。
ウ.代表取締役社長を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンスに関する啓発活動及びコンプライアンス体制の整備及び維持並びに向上に努める。
エ.各業務執行部門から独立した内部監査担当者を置き、「内部監査規程」に基づき当社及び子会社の各業務執行部門を対象に定期的に監査を行い、代表取締役社長及び監査等委員会にその結果を報告する。
オ.法令及び定款、社会規範・企業倫理に反する行為等を早期に発見し是正するため、当社の取締役及び使用人を対象に、通報者の保護を徹底した通報窓口を設置し、この充実を図る。
カ.反社会的な勢力に対しては毅然とした態度で臨み、一切の関係を遮断する。また、不当要求等への対応を所管する部署は、警察等の外部専門機関と連携し、適切に対応する。
2.当社及び当社子会社の取締役及び使用人の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
ア.取締役会及び経営会議の意思決定に係る情報、担当役員決裁その他「職務権限規程」及び「決裁規程」に基づき決裁された重要な文書については、法令若しくは「文書管理規程」に則り適切かつ検索性の高い状態で保存・管理することとし、閲覧権限者が必要な期間閲覧可能な状態を維持する体制を整備する。その他の重要文書についても、同規程に則り、各主管部門が管理・保管する。
イ.「情報セキュリティポリシー」「個人情報取扱規程」「特定個人情報取扱規程」等を整備し、重要情報の取扱いの安全性を確保する。
3.当社及び当社子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
損失の危険の管理が経営の重要課題であることを認識し、「リスク・コンプライアンス規程」を整備し、個々のリスクについての管理責任者を定め同規程に従ったリスク管理体制を構築、運用する。
4.当社及び当社子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
ア.「職務権限規程」及び「決裁規程」によって取締役(監査等委員である取締役を除く。)の職務権限と担当業務を明確にし、機関相互の適切な役割分担と連携を図ることによって効率化を推進する。
イ. 執行役員制度を採用し、取締役は経営の迅速化、取締役会の監督機能の強化等、経営機能の発揮に努め、執行役員は取締役会から権限委譲を受け、業務を遂行する。
ウ.取締役会の諮問機関として報酬諮問委員会を設置し、同委員会は、取締役の報酬等について審議し、その結果を取締役会に答申する。
5.当社並びに当社親会社及び当社子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
ア.当社は、法令遵守体制、リスク管理体制、経営の透明性を確保し独立性を維持しつつ、当社親会社の内部統制との連携体制を構築する。
イ.「関係会社管理規程」を制定し、関係会社管理を所管する部署と関係部署とが協力しながら以下の事項について当社子会社の管理を行う。
(1)当社子会社の経営状況の把握
(2)当社子会社における内部統制システムの整備・運用
(3)当社子会社の重要なリスクの把握
(4)当社子会社の取締役の業務執行状況の把握
6.監査等委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項、当該取締役及び当該使用人の取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性に関する事項及び監査等委員会の当該取締役及び当該使用人に対する指示の実効性確保に関する事項
ア.監査等委員会がその職務を補助すべき使用人(以下、「監査補助者」という。)を置くことを求めた場合には、当社の使用人の中から監査補助者を任命する。
イ.監査補助者の監査等委員会の職務に係る業務遂行に関しては、取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人から指揮命令を受けないものとする。また、監査補助者としての任命・異動・評価等、その人事に関する事項の決定には、監査等委員会の同意を必要とする。
ウ.監査補助者が、監査等委員会の職務に関して監査等委員会より受けた指揮命令が、取締役(監査等委員である取締役を除く。)又は使用人からの指揮命令と競合する場合には、監査等委員会の指揮命令を優先する。
7.当社取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人並びに当社子会社の取締役、監査役及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が監査等委員会への報告をするための体制、並びにその他の監査等委員会への報告に関する体制
ア.当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人並びに子会社の取締役、監査役及び使用人は、監査等委員会の求めに応じて当社又は子会社の業務執行状況について報告する。
イ.当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人並びに子会社の取締役、監査役及び使用人は、当社又は子会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見した場合は直ちに監査等委員会に報告する。
8.前項の報告者が報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
監査等委員会に報告を行った者に対し、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを行うことを禁止する。
9.監査等委員の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査等委員会の職務執行(監査等委員会の職務の遂行に関するものに限る。)によって生じた費用又は債務につき、当該職務執行に必要でないことが証明された場合を除き、監査等委員の請求等に従い円滑に処理する。
10.その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
ア.代表取締役社長と監査等委員会とは、信頼関係の構築と相互の意思疎通を図るため定期的な会合をもつ。
イ.監査等委員の職務の適切な遂行のため監査等委員会が求めた場合には、外部専門家との連携を図れる環境を整備する。
ウ.当社及び子会社は、監査等委員が経営に関する重要な会議に出席し、取締役(監査等委員である取締役を除く。)等から職務の執行状況の報告を受けること、及び重要な書類を閲覧し、経営情報をはじめとする各種の情報を取得することができる体制を整備する。
④ 利益相反取引に関する事項
2023年3月31日現在、当社の筆頭株主であるエムスリー株式会社は、当社議決権の84.7%を保有する当社の親会社となっています。
当社は、親会社がその影響力を利用して自社に有利な取引を行い、当社ひいては当社の少数株主の利益を害することを防止するため下記のような方針・体制をとっています。
・当社は親会社と取引を行う場合、「関連当事者取引管理規程」に従い、少数株主の利益を損なうことのないよう、取引の合理性及び取引条件の妥当性等について、取締役会において十分に審議した上で意思決定を行うこととしています。
・取締役会の過半数は、親会社の役職員との兼務がない者により構成されています。
・取締役会に次ぐ意思決定機関である経営会議は、親会社非在籍者により構成されています。
・当社からの要請により、当社監査等委員である取締役1名が、親会社在籍者より選任されています。