有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2022/04/22 15:00
【資料】
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【項目】
152項目

事業内容

当社グループは、当社、連結子会社(株式会社シンプルプラン及び株式会社所司一門将棋センター)の計3社で構成されており、AI(*1)ソリューション事業を主な事業として取り組んでおります。
当社グループの報告セグメントは、「AIソリューション事業」「研修事業」ですが、主たる部門別に記載しており、AIソリューション事業はSI部門とAIZE部門から構成されております。各部門の主なサービスは以下のとおりであります。
区分主なサービス会社名
SI部門Webシステム開発株式会社トリプルアイズ
インフラ基盤/ネットワーク構築株式会社トリプルアイズ
基幹/情報システム構築株式会社トリプルアイズ
クラウドインフラサービス株式会社トリプルアイズ
AI,IoT(*2),DX(*3)に係る開発株式会社トリプルアイズ
AIZE部門AIZE Research 顔認証マーケティングサービス株式会社トリプルアイズ
AIZE Biz 顔認証勤怠サービス株式会社トリプルアイズ
AIZE Research+自動検温機器による顔認証マーケティングサービス株式会社トリプルアイズ
AIZE Biz+ 自動検温機器による顔認証勤怠サービス株式会社トリプルアイズ
AIZE API(顔決済API)株式会社トリプルアイズ
AI,先端技術に係る開発,カスタマイズ株式会社トリプルアイズ
AIエンジニア育成プログラム「AT 20」株式会社トリプルアイズ
研修事業企業研修・社員教育株式会社シンプルプラン
その他将棋道場・教室の運営株式会社所司一門将棋センター

それぞれの事業と提供するサービスについてご説明いたします。
SI部門においてAI技術を用いたシステム開発を含むシステムインテグレーション(*4)ビジネスを、AIZE部門においてストック型AIプラットフォームビジネスを取り組んでおります。
SI部門
SI部門においては、LAMP(*5)技術、OSS(*6)開発技術をベースとした基幹システム・決済システムといったシステム開発を中心に、金融、流通、不動産、サービス、医療等の様々な業界において実績がございます。大手SIer(*7)からの一次請けやエンドユーザーからの直接取引によるシステム開発が主となる案件となっております。SIerに対しては主に技術者派遣によって人月単価として売上を得ております。システム開発はエンドユーザーから直接請負によって成果物の対価として売上を得ております。
当社グループでは、システムの開発からネットワーク構築まで開発における様々な分野に精通したフルスタックエンジニア(*8)の育成に注力しております。あらゆる工程に対応できる技術者を揃えており、〈システムの設計〉から、〈システム開発〉、〈システム運用のためのインフラ構築〉、〈運用・保守〉まで一連のサービスをワンストップで提供できる体制を構築しております。顧客のニーズに合わせて、柔軟に対応し、高クオリティかつコストパフォーマンスの高いサービスを提供することで、競合他社に対して優位性を築いております。
さらに、AI、ブロックチェーン(*9)、IoT等の研究開発成果を活かした最先端技術によるソリューションを提携先SIerと協働し、顧客先に提案できるのも当社グループの大きな特徴です。AIエンジン(*10)を独自に設計、構築することができるSIer・システム開発会社として、顧客先のニーズに最適なAIシステムをトータルで提供し差別化を図っております。
図 顧客先のニーズに最適なAIシステムをトータルで提供

AIZE部門
AIZE部門においては、当社グループが独自に開発したAIエンジンによるサービスを展開しております。当社グループのAIエンジンは、画像認識を中心としそのなかでも顔認証のサービスをもっとも充実させております。なお当社グループのAIエンジンは、画像認識にとどまらず言語処理、需要予測などに活用されており、他社のデバイスへの組み込みなども可能です。
当社グループが注力する画像認識プラットフォーム・AIZEは、顔認証、物体検知を行うソリューションとして、流通小売業を中心に店舗や工場などの業種・業態を問わないサービス提供を行っております。なかでも顔認証につきましては、512次元の特徴量(*11)を顔画像から検出し、正面静止画像であれば認証率99%という高精度を誇ります。年齢・性別・感情を推測できるAIエンジンは、マーケティングやおもてなし、安全管理に貢献しております。
AIZEの顔認証は、横や斜めからの顔画像の認証、ウォークスルー環境での認証、マスク着用時の本人認証も可能で、写真によるなりすまし認証も防ぐことができる認証精度を有しております。
AIZEは画像認識プラットフォームとして豊富なサービスレイヤーを備え、拡張性に優れており、個別の企業ニーズに合ったサービスラインナップにとどまらず、既存システムに即したカスタマイズも可能です。
AIZEは画像を取得するデバイスを問いません。防犯カメラ、スマートフォン、PCカメラ、サーモ機器、ロボット、カメラ付きのデバイスと通信環境さえあれば、クラウド上のAIエンジンが画像を解析します。そのため短期間に導入することができ、ローコストで始められる顔認証システムは、AI導入のスモールスタートに最適と言えます。AIZEには記録保存できる画像枚数の上限がありません。大量のデータを処理することで、これまでに企業が費やしていた多大なマーケティング調査費用の圧縮につながります。
AIZEが提供するサービスは、以下のとおりであります。
・店舗等での顔画像の認識によるマーケティングサービス(AIZE Research)
・従業員の勤怠管理・会員管理・入退室管理等を行う顔認証勤怠サービス(AIZE Biz)
・顔画像の認識によるマーケティングサービスに自動検温機能を付加し感染症対策に対応したサービス(AIZE Research+)
・顔認証勤怠サービスに自動検温機能を付加し感染症対策に対応したサービス(AIZE Biz+)
・キャッシュレス店舗、無人店舗等に対応した顔決済サービス(顔決済API)
・AIエンジニア育成プログラム「AT 20」
図 画像認識プラットフォーム・AIZEが提供する様々なサービス

研修事業(株式会社シンプルプラン)
当社グループの研修事業は、連結子会社の株式会社シンプルプランが事業として取り組んでおり、全国の様々な企業へ人材育成のためのセミナー研修業務を提供しております。同社代表取締役の丸茂喜泰をはじめ、スタッフは営業コンサルティングにも精通しているため、当社グループの営業部門の体制強化にも力を注いでおります。特に自社サービスであるAIZEの販売促進が重要な経営課題であることから、経営・営業・人材育成に実績のある同社と一体となりシナジー効果を発揮していくため、買収するという決断に至りました。また、これからのエンジニアの条件として、ビジネスマインドを持ち、コミュニケーションスキルを磨くことが必須であるため、株式会社シンプルプランの研修プログラムをエンジニア育成に採り入れております。
その他の事業
将棋道場・教室の運営(株式会社所司一門将棋センター)
当社グループでは、当社グループ社員で構成する将棋部を持ち、アマチュア将棋団体戦の全国大会である「職団戦」において、トップクラスであるS級に所属しております。これは、当社グループの知名度向上に寄与しております。渡辺明名人の師匠である所司和晴氏が代表取締役を務める株式会社所司一門将棋センターを買収し、将棋道場の運営にかかわることで、将棋界全体の発展に寄与する企業グループとして、その特色を色濃くし、企業価値・ブランドイメージの更なる向上を図るものであります。将棋界に広く認知されることで論理能力に優れた将棋のアマ強豪の採用にも寄与しております。
<用語解説>本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。
番号用語意味・内容
*1AIAI(Artificial Intelligence:人工知能)とは、人間の知的ふるまいの一部を、ソフトウエアを用いて人工的に再現したもの。経験から学び、新たな入力に順応することで、人間が行うように柔軟にタスクを実行する。
*2IoTIoT(Internet of Things:モノのインターネット)とは、あらゆる「モノ」がインターネットに接続される仕組みのこと。
*3DXDX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション )とは、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念であり、企業においては、概ね「AI、IoT、クラウドコンピューティング等のテクノロジーを利用して、ビジネスモデルや製品・サービス及び業務・プロセス・組織風土を変革させ、競争優位性を高めること」という意味合いで用いられる。

番号用語意味・内容
*4システムインテグレーションシステムインテグレーション(System Integration:SI)とは、企業の情報システムの導入に際し、ユーザーの目的に応じた企画の提案からハードウエア、ソフトウエアの選定、システムの開発や構築、運用までのトータルなサービスを提供することを指す。
*5LAMPLAMPとは、「Linux」、「Apache」、「MySQL」、「Perl・PHP・Python」の4種類の技術の頭文字をとった総称であり、Webサイト構築技術を指す。
*6OSSOSS(Open Source Software:オープンソースソフトウエア)とは、ソースコードの改変や再配布が自由に認められている無償のソースコードやソフトウエア等のこと。
*7SIerSIerとは、クライアントの業務を把握・分析し、その課題を解決するようなシステムの企画、構築、保守・運用までの全工程を一貫して請け負う業者を指す。
*8フルスタックエンジニアフルスタックエンジニアとは、システムエンジニア・ネットワークエンジニア等の特定の技術を専門とする技術者に対し、システム開発・ソフトウエア開発等のエンジニアリング業務において、設計から環境構築、開発、運用までの全ての行程を手掛けることができるエンジニアのことを指す。
*9ブロックチェーンブロックチェーンとは、データが地理的に離れたサーバーに分散保持され、一定の形式や内容のデータの塊(ブロック)を改ざん困難な形で時系列に連結していく技術。
*10エンジンエンジンとは、特定の情報処理を実行するためのひとまとまりになったソフトウエアやシステム等のこと。
*11特徴量特徴量とは、コンピュータが学習するデータにどのような特徴が含まれているのか数値化したもの。

事業の系統図は、次のとおりであります。