訂正公開買付届出書

【提出】
2022/11/15 12:07
【資料】
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脚注、表紙

(注1) 本書中の「公開買付者」とは、TTCホールディングス株式会社をいいます。
(注2) 本書中の「対象者」とは、東京特殊電線株式会社をいいます。
(注3) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和と必ずしも一致しません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の「令」とは、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注6) 本書中の「府令」とは、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第38号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注7) 本書中の「株券等」とは、株式に係る権利をいいます。
(注8) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注9) 本書の提出に係る公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)は、法で定められた手続き及び情報開示基準に従い実施されるものです。
(注10) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は日時を指すものとします。

対象者名

東京特殊電線株式会社

買付け等をする株券等の種類

普通株式

買付け等の目的

(1)本公開買付けの概要
公開買付者は、本公開買付けを通じた対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)の取得等を目的として、2022年10月14日に設立された株式会社です。本書提出日現在、ケイマン諸島法に基づき2021年6月2日に組成されたリミテッド・パートナーシップであって、The Carlyle Group(関係会社及びその他の関連事業体を含め、以下「カーライル」といいます。)が運用するTTC Holdings, L.P.(以下「カーライル・ファンド」といいます。)がその発行済株式の全てを所有しております。なお、本書提出日現在、公開買付者は、対象者株式を所有しておりません。
カーライルは、グローバルに展開する投資会社であり、2022年6月末現在、運用総額は約3,760億ドル、世界5大陸の26拠点において1,900名以上の社員がおり、「グローバル・プライベート・エクイティ」、「グローバル・クレジット」及び「インベストメント・ソリューションズ」の3つの分野(注1)で投資活動を行っております。このうち、「グローバル・プライベート・エクイティ」部門における企業への投資活動を行うコーポレート・プライベート・エクイティ投資では、1987年の設立以来、累計729件の投資実績を有しております。また、日本国内でも、2000年に活動を開始して以来、株式会社ツバキ・ナカシマ、株式会社日本医療事務センター(現株式会社ソラスト)、シンプレクス株式会社、アルヒ株式会社、日立機材株式会社(現センクシア株式会社)、ウイングアーク1st株式会社、オリオンビール株式会社、株式会社リガク、及びAOI TYO Holdings株式会社等に対して累計35件の投資実績を有しております。「グローバル・クレジット」においては、運用総額約1,430億ドル、「インベストメント・ソリューションズ」においては、運用総額約662億ドルの資産を運用しております。
(注1) 2021年1月8日に事業セグメントの再編を発表し、従来の4分野から①上場会社の非公開化を含むバイアウト投資、グロース・キャピタル(新興企業への成長資金の提供)、戦略的マイノリティ出資(少数持分投資)等の投資活動や、不動産やエネルギー等のリアルアセット投資を含む「グローバル・プライベート・エクイティ」、②ローン担保証券、メザニン等、主に債券への投資を行う「グローバル・クレジット」、及び③プライベート・エクイティ・ファンドや不動産ファンドに投資を行うファンド・オブ・ファンズの運営を行う「インベストメント・ソリューションズ」の3分野に変更しております。
今般、公開買付者は、2022年11月8日、対象者株式を非公開化することを目的として、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している対象者株式の全て(ただし、対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得するための一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを2022年11月9日から開始することを決定いたしました。
また、公開買付者は、本公開買付けの実施にあたり、2022年11月8日付で、対象者の親会社であり筆頭株主の古河電気工業株式会社(以下「古河電気工業」といいます。)との間で、本公開買付けの応募に関する契約(以下「本応募契約」といいます。)を締結し、古河電気工業が所有する対象者株式(3,847,248株、所有割合(注2):57.05%。以下「応募予定株式」といいます。)を本公開買付けに応募すること等を合意しております。本応募契約の詳細については、下記「(4)本公開買付けに関する重要な合意」をご参照ください。
(注2) 「所有割合」とは、対象者が2022年11月8日に公表した「2023年3月期第2四半期決算短信[日本基準](連結)」(以下「対象者第2四半期決算短信」といいます。)に記載された2022年9月30日現在の対象者の発行済株式総数(6,808,788株)から、対象者第2四半期決算短信に記載された2022年9月30日現在の対象者が所有する自己株式数(65,728株)を控除した株式数(6,743,060株)(以下「対象者株式総数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入)をいいます。以下所有割合の記載において同じとします。
本公開買付けにおいて、公開買付者は、対象者株式の非公開化を企図しているため、買付予定数の下限を4,495,400株(所有割合:66.67%)と設定しており、本公開買付けに応募された対象者株式(以下「応募株券等」といいます。)の合計が買付予定数の下限に満たない場合は、応募株券等の全ての買付け等を行いません。なお、買付予定数の下限(4,495,400株)は、対象者株式総数(6,743,060株)に係る議決権数(67,430個)に3分の2を乗じた数(小数点以下を切上げ。44,954個)に100を乗じた数としております。一方、上記のとおり、本公開買付けにおいて、公開買付者は対象者株式の全て(ただし、対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得することを企図しているため、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(4,495,400株)以上の場合は、応募株券等の全ての買付け等を行います。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、公開買付者が対象者株式の全て(ただし、対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、公開買付者が対象者株式を非公開化するために、本スクイーズアウト手続き(下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」において定義します。)を実施することを予定しております。
また、公開買付者は、当該手続きの実施後に、対象者との間で吸収合併を実施することを予定しております(なお、本書提出日現在、公開買付者としては、本スクイーズアウト手続きの完了後速やかに、公開買付者を吸収合併存続会社、対象者を吸収合併消滅会社として吸収合併を行うことを想定しておりますが、当該吸収合併の実施時期については、本公開買付け成立後に、対象者と協議の上決定する予定です。)。
対象者が2022年11月8日付で公表した「TTCホールディングス株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」(以下「対象者プレスリリース」といいます。)によれば、対象者は同日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対しては、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議したとのことです。詳細については、対象者プレスリリース及び下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。
(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針
公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針は以下のとおりです。なお、以下の記載のうち対象者に関する記述は、対象者が公表した情報、対象者プレスリリース及び対象者から受けた説明に基づくものです。
① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
本書提出日現在、対象者のグループは、対象者及び連結子会社5社(以下、総称して「対象者グループ」といいます。)により構成され、電線・デバイス製品の製造販売を主な事業内容とし、さらに電線・デバイス製品に関連する研究等の事業を展開しているとのことです。対象者は、抵抗線並びに諸電線の製造販売を目的として1940年11月に東京都台東区にて設立され、1954年1月に東京証券取引所に株式を上場し、1973年3月に東京証券取引所市場第一部に指定替えとなったとのことです。対象者は、2000年代後半における産業構造の変化に加えて、米国を発端とした金融危機による世界不況等による対象者を取り巻く外部環境の変化に対応できず、2000年代後半から業績が一時期低迷し経営存続の危機に陥ったとのことです。その後、2012年3月期に事業譲渡や子会社及び持分法適用会社の売却等を進めるとともに、2012年3月に古河電気工業を割当先とする第三者割当増資(第三者割当増資後の議決権総数に対する割合:56.75%(当時))により、対象者は古河電気工業の子会社となったとのことです。対象者は、古河電気工業グループの中で、リストラクチャリングや事業譲渡を含む構造改革を断行し、事業・製品の選択と集中を進め、現在の事業ポートフォリオを構築するに至り、売上規模は縮小したものの、より筋肉質な事業体制を確立したとのことです。対象者株式は、その後の東京証券取引所の市場区分再編により、2022年4月に東京証券取引所スタンダード市場に上場しているとのことです。
対象者グループは、将来に向け更に収益力強化に努めるとともに、顧客の価値創造のため環境・社会に貢献する技術・製品を提供して、成長し続ける企業を目指しているとのことです。この基本的な考え方のもと、2021年度から2025年度までの5年間を対象とする中期経営計画(以下「本中期経営計画」といいます。)において、「注力市場における顧客の価値創造」「成長・新市場向け新製品開発」「ESG経営の強化」を重点施策として掲げているとのことです。
「注力市場における顧客の価値創造」では、①通信インフラ、②モビリティ、③小型トランス(変圧器等)、④基板・半導体検査装置の4つの市場を注力市場として、顧客要求に応えた製品開発と生産体制強化により、顧客の価値創造を通じて事業拡大、収益確保を図っているとのことです。①通信インフラ市場におきましては、次世代通信方式の5G市場向けに大容量で高速かつ安定した通信が必要とされ、高性能同軸ケーブルの需要増加が予想されるため、供給体制の整備を進めているとのことです。②モビリティ市場におきましては、脱炭素社会への取り組みとしての世界的なEV(電気自動車やハイブリッド電気自動車等)化のニーズを背景に、安全・安心・快適なモビリティと、それらが外部と接続された状態のコネクテッドカーが普及拡大することで、自動車向け部材の需要が増えてきており、対象者は自動車向けシート用ヒータ線の生産供給を軸に、生産体制の強化と事業規模の拡大を進めているとのことです。③小型トランス市場におきましては、通信インフラ市場等の市場拡大に伴い需要が増加すると考えているとのことです。半導体の高周波化がより進み、高効率化・小型軽量化・低コスト化が求められていく想定のもと、トランスを高効率化、小型軽量化できる三層絶縁電線の供給を進めるとともに、更により大きな電流へ対応した新製品の開発により、サーバー用トランス、車載用トランスの用途への拡大を進めているとのことです。④基板・半導体検査装置市場におきましては、世界的な半導体供給不足の中、今後も堅調な需要に支えられて拡大すると考えられ、電子デバイスの小型化に伴う基板・半導体の集積率はさらに高まり、検査用途に使用される装置、部品、冶具等が小型化していくことが予想されているとのことです。対象者は、半導体パッケージ基板の導通検査用として導体線径0.015mmと世界最高水準の細径化を実現したコンタクトプローブ(電極に接触させ、導通検査が行える細い針)の供給を行っており、今後も新規顧客の開拓を推進するとともに、基板の狭ピッチ化に応えた極細径のコンタクトプローブの販売拡大を推進しているとのことです。上記のとおり、対象者は、培ってきた特殊技術を活かした特長ある製品の開発・拡販を一層推進しているとのことです。本中期経営計画の策定時からの環境変化として、①銅・原油・原材料価格の上昇、②通信インフラ市場において5G関係の高周波帯域への移行が想定より遅れていること、③半導体等の部材供給不足により、車載関連の受注が先送りとなったことがあるとのことです。これらの環境変化への対応として、①銅・原油・原材料の上昇については、販売先への値上げ交渉により、販売価格に転嫁を進めており、②通信インフラ市場において5G関係の高周波帯域への移行が想定より遅れていることについては、5G基地局向け高性能同軸ケーブルの販売計画の見直しを行うとともに、③半導体等の部材供給不足により、車載関連の受注が先送りとなったことについては、車載向けシートヒータ線の需要は回復の見通しであるため、設備投資を必要に応じて継続しているとのことです。
「成長・新市場向け新製品開発」では、開発スピード向上を図り、注力する4市場での新機能開発による新製品の提供や、新用途開発による新たな市場、顧客の探索を強化しているとのことです。海外拠点では、中国子会社である東特(浙江)有限公司(Totoku (Zhejiang) Co., Ltd.)においては、ヒータ製品の機能向上と安定供給、焼付線の差別化製品へのシフトにより収益を拡大し、フィリピン子会社であるTTI LAGUNA PHILIPPINES INC.及びインドネシア子会社であるPT.TOTOKU INDONESIAにおいては、フレキシブルフラットケーブルの生産効率化と品質向上を図り事業基盤の強化を推進しているとのことです。重点施策については、本中期経営計画の策定時から特段方針変更はしておらず、①多本撚り三層絶縁電線、②極細径コンタクトプローブといった新製品を開発することで、新市場・新顧客の開拓を進めているとのことです。①多本撚り三層絶縁電線については、撚りが従来133本であったところ、420本の製品を開発し、従来品以上に高効率・省エネとなっており、②極細径のコンタクトプローブについては、従来0.02mmであったところ、0.015mmの製品を開発し、集積度が高まり小型化する電子部品の検査需要に応えることを可能とする等、市場や顧客の新たなニーズに応える商品開発を推進しているとのことです。
さらに、「ESG経営の強化」の一つとして、対象者グループの持続的成長を支える人材の育成と活用も重要な課題として認識しており、特に中長期的視野でリーダー層の育成に注力するとともに、高年齢層の人材も積極的に活用してスキルや技術の伝承と次世代育成の強化に取り組んでいるとのことです。加えて、社会課題への対応と企業価値向上のため、温室効果ガスの削減、地域貢献活動、グループ経営のガバナンス強化を図ることにより、中長期的な企業価値向上を目指しているとのことです。重点施策については、本中期経営計画の策定時から特段方針変更はしておらず、①環境面では太陽光発電装置の増設をしたほか、中部電力株式会社と契約しCO2フリー電力を導入しており、②社会面では階層ごとの人材育成を開始し、高齢者層の活用に取り組むとともに、再教育や再開発等リスキリングに力を入れており、また③ガバナンス面では、ガバナンス強化に向けた指名・報酬委員会の立ち上げや、改訂コーポレートガバナンス・コードに対応して女性の取締役を1名選任し、取締役会の多様性を確保しているとのことです。
経済情勢としては、新型コロナウイルス感染症の影響から厳しい状況が続きましたが、ワクチン接種が普及したことから新規コロナ感染者は一時減少して、国内景気は徐々に持ち直してきたとのことです。対象者としても、2022年3月期には営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益においては過去最高益を達成する等、対象者がターゲットとする市場においても総じて需要は回復基調にあると理解しているとのことです。しかしながら、世界的な半導体供給不足や銅地金価格の高止まり、原材料価格や物流費の上昇に加え、感染力の強い新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)の感染拡大、中国のゼロコロナ政策によるサプライチェーンへの影響、ロシアによるウクライナ侵攻、金利変動や物価見通し等、景気の先行きは不透明な状況が継続しているとのことです。
上記のような対象者を取り巻く経営環境を踏まえて、対象者としては、今後の外部環境の加速度的な遷移に備えて、事業環境の変化による需要の変動を着実に捉えるとともに、収益全般に影響する銅価格の高止まりや原油価格の高騰、原材料価格の上昇に対して、顧客とのコミュニケーションをより深め、販売価格の適正化を通じた高利益率を維持することが不可欠であると認識しているとのことです。また、事業環境や社会情勢に左右されない中長期的かつ持続的な更なる成長に向けては、売上規模の拡大、国内外での人材の育成と強化・組織強化及び新製品・新領域に向けたR&D強化を推進する等、事業戦略の着実な実行が対象者の喫緊の課題であると捉えているとのことです。
カーライルは、対象者の有する事業ポートフォリオに対して、さらなる事業上の価値創造支援によって、より多くの企業価値創出が実現できるであろうとの認識に加えて、いわゆる親子上場の構図によって資本上もその解消に向けた動きが想定されるであろうとの仮説のもと、カーライルとしてリソースを投下して取り組む意義のある投資検討対象であると考えました。上記の対象者を取り巻く現在の事業環境及び将来予想される変化を踏まえて、対象者が非連続的かつ持続的な成長を実現するためには、従来の、対象者の既存技術を活かし、今後市場でニーズが想定される製品を製造開発し、顧客へ販売アプローチをするといった、プロダクトアウトに近い製品開発体制から、市場のトレンド並びに最終顧客の需要及び潜在的なニーズを踏まえたマーケットインの研究開発・製造販売アプローチに切り替え、事業成長に資する事業領域の拡大・開拓に向けた事業改革を機動的に実行することが必要と考えました。また、カーライルは、新たな領域の開拓においては、対象者の経営資源を活用したオーガニックでの成長のみならず、他社との提携やM&Aを通じたインオーガニックでの成長戦略の推進も選択肢と考えました。カーライルは、対象者が行う事業は対象者の有する製品を製造する差別化された高い技術力こそが将来の成長の原動力であると理解しており、市場のトレンド並びに最終顧客の需要及び潜在的なニーズを踏まえたマーケットインの発想を取り入れるべく、組織体制を整備するとともに、更なるグローバルでの事業拡大に向けて、事業と組織のグローバル化を促進しグローバル経営体制を更に強化することが必要不可欠と考えました。
かかる検討を踏まえ、カーライルは、上記の施策を通じて対象者の持続的な成長を実現することは、現在対象者が行っている既存事業の延長線上で達成できるものではなく、大胆な事業構造の改革及びそれに基づく抜本的な改革のための戦略実行に資する資本構成の検討が必要であり、その過程においては、中長期的にみれば大きな成長が見込まれる機会であったとしても、短期的には対象者の利益に直接貢献しない可能性があり、さらに、上場を維持したままこれらの施策を実施すれば、短期的には資本市場から必ずしも十分な評価を得ることができず、対象者の株価にマイナスの影響を及ぼす可能性を否定できないとし、2022年4月下旬、対象者が上場を維持したままでの成長の実現は困難であるとの認識に至りました。
そこで、カーライルは、従前より面識のあった古河電気工業に対して、2022年5月26日に、本取引の実現に向けた協議開始に関する初期的な打診を行いました。なお、当該打診の時点において、ファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーの選任はございません。
さらに、2022年7月中旬より、古河電気工業と対象者の双方との間で、事業戦略及び資本政策について協議を行うなかで、対象者の中長期的な成長と企業価値向上に資する戦略的な選択肢として、カーライルと対象者との協働、及びカーライルによる公開買付けを通じた対象者株式の一部又は全ての取得の可能性に関する協議を深めました。
カーライルとしては、事業改革やグローバル展開等の領域において、株式会社キトー、株式会社ツバキ・ナカシマ、日立機材株式会社(現センクシア株式会社)等の数多くの日本企業を支援してきた実績を有しており、上述した対象者の事業改革の実現と次なる成長への転身を十分に支援できるものと考えました。カーライルは、カーライルの各種サポートにより、対象者が有する既存の技術力に、市場のトレンド並びに最終顧客の需要及び潜在的なニーズを踏まえたマーケットインの発想による高い製品開発力が加わることにより、新たな領域においても対象者はニッチトップの地位を確立することができると考え、また、カーライルの有する潤沢な人的・資本的リソース及びグローバル・ネットワークを最大限に活用することで、対象者のグローバル経営の強化に加えて、多様化する事業環境に対応する事業基盤の強化を図ることができるとの考えに至りました。
かかる協議を踏まえ、対象者との協働の可能性をより具体的に検討するため、カーライルは、2022年8月18日に、古河電気工業との間で秘密保持契約を締結し、2022年8月24日に、対象者との間で秘密保持契約を締結いたしました。
そして、カーライルは2022年8月24日付で対象者に対し対象者株式の取得について関心を有する旨の初期的な提案書を提出いたしました。その後、対象者の財務情報及び事業計画の一部開示を受け、対象者株式の非公開化の可能性及びカーライルが貢献し得る対象者の中長期的な企業価値向上のための成長戦略に関して具体的な検討を開始いたしました。
その後、カーライルは、2022年8月下旬から2022年10月上旬までの間、本取引の実現可能性の精査のため対象者に対するデュー・ディリジェンスや対象者の経営陣との面談等を実施いたしました。カーライルは、デュー・ディリジェンス及び各種分析を通じて、従前対象者と議論していた内容について確認するとともに、対象者の事業全体を次なるステージへと成長させるためには、新たな収益の柱となる製品・ソリューションの種まきとともに、それらの戦略実行を意識した果断な経営判断と大胆な資源投下による事業改革が必要との理解に至りました。現在、対象者を取り巻く最終顧客市場における具体的な変化の一例として、(ⅰ)通信インフラ市場における5G市場の普及ないしSub6(注1)へのシフト、(ⅱ)モビリティ市場における自動車の電動化に伴う軽量化、エネルギー効率化への対応、(ⅲ)基板・半導体検査装置市場における狭ピッチ化、積層化をはじめとする半導体後工程(注2)への価値シフト、等があり、このような変化する市場環境下においても、売上高の伸長のみならず収益性の更なる強化を加味した新しい製品・ソリューションの開発促進が必須と考えております。
(注1) 「Sub6」とは、6GHz未満の周波数帯のことをいいます。
(注2) 「半導体後工程」とは、基板上に回路が形成されるまでの工程を指す半導体前工程に対し、半導体チップの切り出しや組み立て等を実施する工程のことをいいます。
さらに、カーライルは、対象者と本取引の実施及び取引ストラクチャーの詳細を含めた取引条件について協議・交渉を重ね、2022年10月11日、対象者に対して、本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの公開買付価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を4,950円とする法的拘束力を有しない提案書(以下「第1回提案」といいます。)を提出いたしました。カーライルは、対象者の事業、財務及び将来計画に関する多面的かつ総合的な分析を行い、2022年10月7日時点での第1回提案における本公開買付価格の対象者株式の市場株価に対するプレミアムは、東京証券取引所スタンダード市場における(a)過去1ヶ月間の終値単純平均値2,207円(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して124.29%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、(b)過去3ヶ月間の終値単純平均値2,241円に対して120.88%、(c)過去6ヶ月間の終値単純平均値2,336円に対して111.90%のプレミアムとなります。カーライルは対象者の潜在的な事業変革の可能性を高く評価するとともに、現在の市場において対象者の潜在力が正しく評価されていないと考え、対象者の株主の皆様に不利益が生じない価格と考えられること、及び対象者株式の過去20年間の市場株価の最高値が3,640円であり、過去20年間に対象者株式を現在の市場株価より高い価格で取得した株主に対しても、取得した株価に対して魅力的なプレミアムを付した価格での売却の機会を提供できることから、第1回提案における本公開買付価格を4,950円といたしました。これに対し、第1回提案の提出後である2022年10月18日、カーライルは、対象者から、特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。なお、本特別委員会の構成及び具体的な活動内容等については、下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)との協議を踏まえ、第1回提案における本公開買付価格が対象者株式の株式価値を十分に反映した価格であるとは考えられないことを理由に、本公開買付価格を6,550円に引き上げる旨の要請を受けました。
対象者からのかかる要請を受け、カーライルは本公開買付価格の引上げについて真摯に検討を行い、2022年10月20日、対象者に対して、本公開買付価格を5,250円とする旨の法的拘束力を有しない提案書(以下「第2回提案」といいます。)を提出いたしました。2022年10月19日時点での第2回提案における本公開買付価格の対象者株式の市場株価に対するプレミアムは、東京証券取引所スタンダード市場における(a)過去1ヶ月間の終値単純平均値2,191円に対して139.62%、(b)過去3ヶ月間の終値単純平均値2,231円に対して135.32%、(c)過去6ヶ月間の終値単純平均値2,305円に対して127.77%のプレミアムとなります。第2回提案の提出後、2022年10月25日、カーライルは、対象者から、本特別委員会との協議を踏まえ、第2回提案における本公開買付価格が対象者株式の株式価値を十分に反映した価格であるとは考えられないことを理由に、本公開買付価格を5,950円に引き上げる旨の要請を受けました。
対象者からのかかる要請を受け、カーライルは、本公開買付価格の引上げを真摯に検討し、2022年10月28日、本公開買付価格を5,660円とする旨の法的拘束力を有しない提案書(以下「第3回提案」といいます。)を提出いたしました。2022年10月27日時点での第3回提案における本公開買付価格の対象者株式の市場株価に対するプレミアムは、東京証券取引所スタンダード市場における(a)過去1ヶ月間の終値単純平均値2,195円に対して157.86%、(b)過去3ヶ月間の終値単純平均値2,221円に対して154.84%、(c)過去6ヶ月間の終値単純平均値2,283円に対して147.92%のプレミアムとなります。第3回提案を提出後、2022年10月31日、カーライルは、対象者に対して、第3回提案を最終提案として、本公開買付価格を5,660円とする旨の提案(以下「最終提案」といいます。)を改めて行いました。その後、2022年11月2日、カーライルは、対象者から、最終提案を受諾する旨の回答を受領いたしました。なお、対象者によれば、対象者は、カーライルとの協議及び交渉に際し、親会社である古河電気工業と協議を行った事実はないとのことです。
また、カーライルは、対象者との交渉と並行して、2022年10月中旬以降、古河電気工業に対し、本取引に関する対象者との交渉の過程の説明を行い、本取引を実施した場合の応募予定株式の本公開買付けへの応募の可否・その条件についての協議・交渉を重ねたところ、古河電気工業が本公開買付けへの応募に前向きであることを確認いたしました。
上記対象者及び古河電気工業からの回答を踏まえ、カーライルは、企業価値向上の施策、経営及び事業運営の計画、対象者の直近の業績、対象者に対するデュー・ディリジェンスの結果、対象者株式の市場株価の動向、経済情勢、対象者の取締役会及び本特別委員会による本公開買付けへの賛同の可否、対象者株主の本公開買付けへの応募の見通しも考慮し、2022年11月8日に本公開買付価格を5,660円として、本取引の一環として公開買付者を通じて本公開買付けを実施することを決定し、公開買付者は、同日、古河電気工業との間で本応募契約を締結いたしました。
なお、本書提出日現在において、対象者及び古河電気工業との間には事業上の取引が存在しておりますが、当該取引の価格その他の取引条件は対象者と関連を有しない独立当事者間の取引と同様の条件によっていることに加え、古河電気工業によれば、本公開買付け後も対象者との間の取引関係を従来通り継続する意向とのことであり、下記「(4)本公開買付けに関する重要な合意」に記載のとおり、本応募契約においても、古河電気工業は、古河電気工業グループと対象者グループとの間で存在する契約関係の継続に関する努力義務を負っているため、当該取引は本公開買付け後も継続する見込みであることから、古河電気工業が対象者の親会社でなくなることにより生じる影響は限定的であると考えております。
② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
(ⅰ)検討体制の構築の経緯
対象者は、2022年8月24日にカーライルから本取引に関する提案書を受領し、対象者においてかかる提案について慎重に検討を行った結果、デュー・ディリジェンスその他の本取引に向けた具体的な検討及び協議を開始することを決定するとともに、2022年8月下旬、対象者、公開買付者、カーライル及び古河電気工業から独立した第三者算定機関及びファイナンシャル・アドバイザーとしてフロンティア・マネジメント株式会社(以下「フロンティア・マネジメント」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を、それぞれ選任したとのことです。
さらに、対象者は、古河電気工業と対象者の少数株主との利害が必ずしも一致しない可能性があることも踏まえ、本公開買付けの公正性を担保し、利益相反を回避するための措置として、2022年8月31日付で、本特別委員会を設置したとのことです。
また、対象者は、公開買付者及び古河電気工業から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を対象者の社内に構築するとともに、2022年9月9日に開催された第1回特別委員会において、本特別委員会により、かかる検討体制に独立性及び公正性の観点から問題がないことについて承認を受けているとのことです。
(ⅱ)検討・交渉の経緯
対象者は、本取引の目的を含む本公開買付けの概要、本取引が対象者に与える影響、本取引後の経営方針の内容や足元の株価動向を踏まえ、本特別委員会により事前に確認された交渉方針やカーライルから公開買付価格を含む本取引の条件についての提案を受けたとき等の交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいて、フロンティア・マネジメント及びTMI総合法律事務所の助言を受けながら、カーライルとの間で複数回にわたる協議・検討を重ねてきたとのことです。
また、本公開買付価格について、対象者は、2022年10月11日にカーライルから本公開買付価格を4,950円とする旨の提案を受けた後、フロンティア・マネジメントから対象者株式の株式価値に係る試算結果の報告を受け、2022年10月18日、対象者は、本特別委員会との協議を踏まえ、第1回提案における本公開買付価格が対象者株式の株式価値を十分に反映した価格であるとは考えられないことを理由に、本公開買付価格を6,550円に引き上げる旨の要請をしたとのことです。対象者はかかる要請後、カーライルより、2022年10月20日に法的拘束力を有しない第2回提案を受領したとのことです。第2回提案の受領後、2022年10月25日、対象者はカーライルに対し、本特別委員会との協議を踏まえ、本公開買付価格が対象者株式の株式価値を十分に反映した価格であるとは考えられないことを理由に、本公開買付価格を5,950円に引き上げる旨の要請をしたとのことです。
対象者はかかる要請後、カーライルより、2022年10月28日に法的拘束力を有しない第3回提案を受領したとのことです。また、第3回提案の受領後、2022年10月31日、カーライルより、最終提案を受領したとのことです。最終提案の受領後、2022年11月2日、対象者はカーライルに対し、本特別委員会との協議を踏まえ、本公開買付価格を5,660円で応諾する旨を回答したとのことです。
(ⅲ)対象者の意思決定の内容
以上の経緯のもとで、対象者は、リーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から受けた法的助言及び第三者算定機関であるフロンティア・マネジメントから取得した株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を最大限に尊重しながら、本取引により対象者の企業価値の向上を図ることができるか、本公開買付価格を含む本取引の諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議・検討を行ったとのことです。
その結果、対象者は、以下のとおり、本取引は対象者の企業価値の向上に資するとの結論に至ったとのことです。
対象者は、高い技術力を武器としてニッチ領域で差別化された製品を開発し、顧客ニーズに即した付加価値の高い製品を提供することで、これまで着実な成長を遂げ、2022年3月期には15.6%と高い営業利益率を実現したとのことです。注力する4市場は今後も市場の拡大が予想されており、2025年には連結売上高220億円を達成する計画を本中期経営計画において策定しているとのことです。また中期的に需要増加が見込める自動車向けシート用ヒータ線等の車載向け製品や、コンタクトプローブ等の半導体検査装置向け製品の生産体制の強化にも着手し、持続的な成長を達成するべく邁進してきたとのことです。
一方で、一部の主力製品の売上が主要顧客に依存していることや、製品の展開領域が限定されている等の課題認識を持っており、持続的な成長を達成するためには販路・製品領域の拡大が必要になると考えているとのことです。また、従来の、対象者の既存技術を活かし、今後市場でニーズが想定される製品を製造開発し、顧客へ販売アプローチをするといった、プロダクトアウトに近い製品開発体制から、市場のトレンド並びに最終顧客の需要及び潜在的なニーズを踏まえたマーケットインの研究開発・製造販売アプローチへの切り替えを更に加速し、市場ニーズに迅速に応える製品開発体制の確立が必要になると考えているとのことです。加えて、銅地金・原油の価格上昇、世界的な半導体供給不足等の大幅な経済情勢の変化が重なったことを受け、更なる経営基盤の強化が求められている状況とのことです。
こうした状況下で、対象者は、カーライル及び古河電気工業との間で、事業戦略に加えて、資本政策についても協議を行い、対象者の中長期的な成長と企業価値向上に資する戦略的な選択肢として、カーライルと対象者との協働、及びカーライルによる公開買付けを通じた対象者株式の取得の可能性に関する協議を深めたとのことです。
対象者は、カーライルが、対象者に対するデュー・ディリジェンス及び各種分析を通じて、上記「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、対象者の事業全体を次なるステージへと成長させるためには、新たな収益の柱となる製品・ソリューションの種まきとともに、それらの戦略実行を意識した果断な経営判断と大胆な資源投下による事業改革が必要との理解に至ったと認識したとのことです。具体的には、対象者は、カーライルが、現在、対象者を取り巻く最終顧客市場における具体的な変化の一例として、(ⅰ)通信インフラ市場における5G市場の普及ないしSub6へのシフト、(ⅱ)モビリティ市場における自動車の電動化に伴う軽量化、エネルギー効率化への対応、(ⅲ)基板・半導体検査装置市場における狭ピッチ化、積層化をはじめとする半導体後工程への価値シフト等があり、このような変化する市場環境下においても、売上高の伸長のみならず収益性の更なる強化を加味した新しい製品・ソリューションの開発促進が必須と考えていると認識しているとのことです。そして、対象者としても、こうしたカーライルの説明及びカーライルとの度重なる協議を踏まえて検討をした結果、対象者株式を非公開化し、カーライルの有する様々なリソースを活用しながら大胆な経営改革を実行していくことが、対象者の有する経営課題を解決するために必要であるとともに、対象者の企業価値向上に向けた最善の手法であるとの判断に至ったとのことです。すなわち、カーライルは過去20年にわたり日本の製造業への積極的な投資を行ってきており、製造業経営の豊富なノウハウを有しているとともに、事業改革やグローバル展開等の領域において、数多くの日本企業を支援してきた実績を有しており、対象者としては、こうしたカーライルの事業支援に関する知識・経験・ノウハウを活用し、従来課題としてきた、一部の主要顧客への売上依存の脱却、製品の展開領域の拡大、市場のトレンド並びに最終顧客の需要及び潜在的なニーズを踏まえたマーケットインの研究開発・製造販売体制の更なる強化、経営人材の不足解消その他の経営課題の解決に向け、カーライルが有する広範な人的・資本的リソース及びグローバル・ネットワークを活かしていくことが、対象者の企業価値拡大に資すると判断したとのことです。
また、かかる検討プロセスにおいては、対象者は、対象者の上場維持の可能性についても検討を行いましたが、中長期的な成長に向けた施策の実行のためには初期費用・投資が先行するため、短期的には対象者の財務状況や業績に悪影響を与える可能性があり、資本市場から十分かつ正当な評価が得られない可能性があるとのことです。したがって、対象者の既存株主の皆様の利益の最大化を図りつつ、中長期的な視点に基づく積極的な投資を上場を維持したまま実行することには限界が存在することから、対象者は、本取引の実行により対象者株式を非公開化し、柔軟かつ迅速な意思決定体制を構築するとともに、カーライルのサポート及びリソースを活用しながら抜本的な改革のための戦略実行や大胆な事業構造改革等を実行することが、対象者の中長期的な成長と企業価値の向上の見地からより優れたものであると判断したとのことです。他方で、古河電気工業グループからの離脱による影響については、従来より対象者は独立した上場会社として事業運営に関する独立性を確保し、独自に経営方針等を決定してきたこと、また、古河電気工業との取引に関しては、現状行っている取引の価格その他の取引条件は対象者と関連を有しない独立当事者間の取引と同様の条件によっており、今後も同様の取引を維持できることが想定されることから、古河電気工業グループからの離脱による特段のデメリットは想定していないとのことです。
さらに、カーライルによれば、本取引の実行後、対象者グループの従業員の処遇や企業構造等を変更することは想定されていないことから、本取引に伴う対象者の従業員及び地域社会への影響はなく、これらの点においても、配慮すべき事項についての十分な考慮がなされていると判断したとのことです。
また、対象者は、主に以下の点から本公開買付価格である1株当たり5,660円は、対象者の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な対象者株式の売却の機会を提供するものであると判断したとのことです。
(a)当該価格が、対象者において、下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の措置が採られた上で検討され、決定された価格であること。
(b)当該価格が、上記措置が採られた上で、本特別委員会の実質的な関与のもと、対象者とカーライルとの間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること。
(c)当該価格が、下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載の株式価値算定書におけるフロンティア・マネジメントによる対象者株式の株式価値算定結果のうち、市場株価平均法に基づく算定結果の範囲を上回る金額であること、類似会社比較法に基づく算定結果の範囲内の金額であること、及び、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果の範囲内の金額であること。
(d)当該価格が、本公開買付けの公表日の前営業日である2022年11月7日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値2,202円に対して157.04%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,201円に対して157.16%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値2,214円に対して155.65%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値2,269円に対して149.45%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であり、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に行われた親会社を有する対象会社の株式非公開化を企図して成立した公開買付け事例(①マネジメント・バイアウト(MBO)及び親会社による対象会社の完全子会社化の事例、②ディスカウント公開買付けの事例、③非公開化後に当初親会社が公開買付けを行った者に再出資する事例を除きます。)10件におけるプレミアム水準(なお、公表日前に事前報道がなされた事例は、事前報道がなされた日以前の市場株価を基準としてプレミアムを算出)(公表日前営業日の終値、並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値単純平均値それぞれからのプレミアム水準の中央値(公表日前営業日の終値に対して80.61%、公表日前営業日の直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して74.28%、公表日前営業日の直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して67.43%、公表日前営業日の直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して51.71%)・平均値(公表日前営業日に対して71.90%、公表日前営業日の直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して68.64%、公表日前営業日の直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して66.95%、公表日前営業日の直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して64.90%))と比較しても優位な水準であり、合理的なプレミアムが付されていると考えられること。
(e)当該価格は、下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。
以上より、対象者は、本取引が対象者の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2022年11月8日開催の対象者取締役会において、対象者の意見として、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしたとのことです。
上記の取締役会決議の詳細は、下記「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 対象者における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」をご参照ください。
③ 本公開買付け後の経営方針
カーライルは、本公開買付けが成立した場合、本取引実施後の経営体制については、対象者が今まで築き上げてきた事業基盤を活かしつつ、カーライルが有する経営資源、カーライルのグローバルな業界専担チームが有する専門性及びこれまで培ってきた幅広い経営人材ネットワークの提供により、戦略的なM&Aの実行を含む、抜本的な改革のための施策に取り組むことで、対象者の更なる企業価値向上に資する予定となります。
公開買付者としては、カーライルが指名する者複数名を対象者の役員に就任させることを想定しておりますが、現時点で決定している事項はなく、本公開買付け成立後、対象者との間で協議・検討の上、方針を決定する予定です。
(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
本書提出日現在において、公開買付者は対象者株式を所有しておらず、本公開買付けは支配株主による公開買付けに該当いたしません。また、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)取引にも該当いたしません。もっとも、公開買付者が対象者の親会社である古河電気工業との間で本応募契約を締結しており、古河電気工業と対象者の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性があること、本公開買付けが対象者株式を非公開化することを前提として行われる本取引の一環として行われること等を考慮し、公開買付者及び対象者は、本公開買付価格の公正性を担保しつつ、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性及び透明性を担保するため、以下のような措置を実施いたしました。
なお、公開買付者は、上記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、対象者の親会社である古河電気工業が対象者株式の3,847,248株(所有割合:57.05%)を所有しているところ、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立が不安定なものとなり、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定しておりません。公開買付者としては、本書提出日時点において公開買付者は対象者株式を所有しておらず、対象者は公開買付者から独立していること、並びに公開買付者及び対象者において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、以下の措置を実施していることから、対象者の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。
① 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
対象者は、本公開買付けを含む本取引に関する意見表明を行うにあたり、対象者、公開買付者、カーライル及び古河電気工業のいずれからも独立した第三者算定機関として、フロンティア・マネジメントに対して、対象者株式の株式価値の算定を依頼し、2022年11月7日に、株式価値算定書を取得したとのことです。
フロンティア・マネジメントは、対象者、公開買付者及び古河電気工業のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。なお、本取引に係るフロンティア・マネジメントの報酬には、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬が含まれておりますが、対象者としては、同種の取引における一般的な実務慣行や仮に本取引が不成立となった場合に対象者に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等を勘案すれば、かかる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断し、上記の報酬体系によりフロンティア・マネジメントを対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任したとのことです。
また、本特別委員会は、2022年9月9日開催の第1回特別委員会において、フロンティア・マネジメントの独立性及び専門性に問題がないこと、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認した上で、フロンティア・マネジメントを対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認したとのことです。
フロンティア・マネジメントは、複数の株式価値算定手法の中から対象者株式の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提のもと、対象者株式について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価平均法を、比較可能な類似会社が複数存在し、類似会社の市場価値との比較において株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、また、将来の事業活動の状況を評価に反映するためDCF法を採用して、対象者株式の株式価値を算定したとのことです。
フロンティア・マネジメントが上記各手法に基づき算定した対象者株式の1株当たりの価値はそれぞれ以下のとおりとのことです。
市場株価平均法 2,201円~2,269円
類似会社比較法 4,633円~5,695円
DCF法 5,563円~7,817円
市場株価平均法においては、評価基準日を本公開買付けの公表日の前営業日である2022年11月7日として、東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の直近1ヶ月間の終値単純平均値2,201円、直近3ヶ月間の終値単純平均値2,214円、直近6ヶ月間の終値単純平均値2,269円を基に、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を2,201円から2,269円までと算定しているとのことです。
類似会社比較法においては、対象者と比較的類似する事業を営む上場企業の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を行い、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を4,633円から5,695円までと算定しているとのことです。
DCF法では、対象者がフロンティア・マネジメントに提供した2022年8月26日時点における対象者の2023年3月期から2026年3月期までの事業計画、及び一般に公開された情報等の諸要素を考慮した対象者の収益予想に基づき、生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の企業価値や株式価値を計算し、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を5,563円から7,817円までと算定しているとのことです。なお、フロンティア・マネジメントが算定に用いた事業計画には、前年度比で大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていないとのことです。なお、2023年3月期において、生産能力増強のための設備投資を予定していることから、2024年3月期のフリー・キャッシュ・フローは前年度比44.5%の増加を見込んでいるとのことです。また、2024年3月期において、基幹システムの更新投資を予定していること及び2025年3月期において多額の設備投資を予定していないことから、2025年3月期のフリー・キャッシュ・フローは前年度比65.6%の増加を見込んでいるとのことです。また、当該事業計画は、本取引の実行を前提としたものではないとのことです。
② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(ⅰ)設置等の経緯
対象者は、本取引に関する対象者の意思決定に慎重を期し、対象者取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2022年8月31日に、高橋康宏氏(対象者社外取締役)、小竹由紀氏(対象者社外取締役)、石井裕久氏(対象者社外取締役)、宮嶋孝氏(対象者社外取締役)及び鈴木健太郎氏(弁護士、柴田・鈴木・中田法律事務所、パートナー。鈴木健太郎氏を除く委員4名に弁護士資格の保有者が含まれていないことを踏まえ、本特別委員会における法的な視点を補完するため、社外の専門家として選定したとのことです。)の5名から構成される、対象者、公開買付者及び古河電気工業のいずれからも独立した本特別委員会を設置したとのことです(なお、本特別委員会の委員の報酬については、鈴木健太郎氏を除く委員については固定額、外部有識者である鈴木健太郎氏については稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、成功報酬は採用していないとのことです。また、対象者は、本特別委員会の委員として設置当初からこの5名を選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はないとのことです。)。
対象者取締役会は、本特別委員会設置の決定に際し、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が対象者の企業価値の向上に資するかを含む。)に関する事項、(ⅱ)本取引の取引条件の妥当性(本取引の実施方法や対価の種類の妥当性を含む。)に関する事項、(ⅲ)本取引の手続きの公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。)に関する事項、(ⅳ)上記(ⅰ)ないし(ⅲ)その他の事項を踏まえ、対象者取締役会が本取引の実施(本公開買付けに係る意見表明を含む。)を決定することが少数株主に不利益か否か(以下、総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問したとのことです。さらに、対象者取締役会は、本取引に関する決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引について妥当でないと判断した場合には、本取引を行う旨の意思決定を行わないことを併せて決議しているとのことです。
加えて、対象者取締役会は、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引に係る調査(本取引に関係する対象者の役員もしくは従業員又は本取引に係る対象者のアドバイザーに対し、本諮問事項の検討に必要な事項について質問を行い、説明を求めることを含む。)を行うことができる権限、(ⅱ)対象者に対し、(a)本特別委員会としての提案その他の意見又は質問を公開買付者に伝達すること、並びに(b)本特別委員会自ら公開買付者(本取引に係る公開買付者のアドバイザーを含む。)と協議・交渉する機会の設定を要望することができる権限、(ⅲ)必要と認めるときは、対象者の費用で、本特別委員会独自のアドバイザーを選任することができる権限を付与したとのことです。これを受けて、本特別委員会は、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるフロンティア・マネジメント、並びに対象者のリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれ、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関並びにリーガル・アドバイザーとして承認し、また本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認したとのことです。なお、本特別委員会は、本特別委員会独自のアドバイザーを選任していないとのことです。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は、2022年9月9日より2022年11月7日までの間に合計8回開催され、本諮問事項についての協議及び検討が慎重に行われたとのことです。具体的には、まず、2022年9月9日開催の第1回特別委員会において、本諮問事項の確認や本特別委員会に付された上記の各権限の内容等を確認し、上記のとおり、対象者が選任する外部アドバイザー等を承認したとのことです。続いて、本特別委員会は、第2回以降、公開買付者に対するヒアリングを実施し、本取引の目的、本取引後に想定している事業戦略・人材戦略、本取引によって見込まれるメリット・デメリット、本取引後の経営体制、本取引に係る資金調達等について説明を受け、これに対する質疑応答を行ったとのことです。また、対象者から、本取引の条件の検討の際に基礎とされる対象者の事業計画の内容及び策定手続き等について説明を受け、質疑応答を行った上、本特別委員会は、対象者の事業計画は合理的な内容のものと判断しているとのことです。さらに、フロンティア・マネジメントから、対象者株式の株式価値の算定に関する説明を受け、当該価値算定の前提に関して質疑応答を行った上で、当該算定結果の合理性について検討したとのことです。これらに際して、本特別委員会は、対象者のリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から、本取引における公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置の内容その他本取引に関する事項全般について法的助言を受けたとのことです。
また、本特別委員会は、対象者から、カーライルと対象者との間における本取引に係る協議及び交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会を開催して協議及び交渉の方針等を協議し、本公開買付価格を5,660円とする旨の合意に至るまで、複数回にわたり意見を述べるなどして、カーライルとの交渉過程に実質的に関与しているとのことです。
(ⅲ)判断内容
本特別委員会は、以上の経緯のもと、本諮問事項について慎重に審議及び検討を重ねた結果、2022年11月7日付で、対象者取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出したとのことです。
第Ⅰ 本特別委員会の意見
(a)本取引の目的には合理性が認められる。
(b)本取引の手続きには公正性が認められる。
(c)本取引の取引条件の妥当性が認められる。
(d)対象者の取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する意見表明を含む。)を決定することは少数株主にとって不利益ではないと考えられる。
第Ⅱ 意見の理由及び検討内容について
(a)本取引の目的の合理性
(Ⅰ)本取引の理由及び背景
本特別委員会が理解した、対象者が本取引を実施する理由及び背景の概要は以下のとおりである。
(ア)対象者は、対象者グループにより構成され、電線・デバイス製品の製造販売を主な事業内容とし、さらに電線・デバイス製品に関連する研究等の事業を展開している。対象者は、抵抗線並びに諸電線の製造販売を目的として1940年11月に設立され、1954年1月に東京証券取引所に株式を上場したが、その後の外部環境の変化等の影響を受け、2012年3月に古河電気工業を割当先とする第三者割当増資により、古河電気工業の子会社となった。対象者は、古河電気工業グループの中で、リストラクチャリングや事業譲渡を含む構造改革を断行し、事業・製品の選択と集中を進め、現在の事業体制を確立してきた。
(イ)対象者グループは、将来に向け更に収益力強化に努めるとともに、顧客の価値創造のため環境・社会に貢献する技術・製品を提供して成長し続ける企業を目指し、「注力市場における顧客の価値創造」「成長・新市場向け新製品開発」「ESG経営の強化」を重点施策として掲げている。対象者グループは、かかる重点施策において、①通信インフラ、②モビリティ、③小型トランス(変圧器等)、④基板・半導体検査装置の4つを注力市場としている。
対象者は、一部の主力製品の売上が主要顧客に依存していることや、製品の展開領域が限定されていること等を課題として認識しており、持続的な成長を達成するためには、(ⅰ)販路・製品領域の拡大することに加え、(ⅱ)従来の、対象者の既存技術を活かし、今後市場でニーズが想定される製品を製造開発し、顧客へ販売アプローチをするといった、プロダクトアウトに近い製品開発体制から、市場のトレンド並びに最終顧客の需要及び潜在的なニーズを踏まえたマーケットインの研究開発・製造販売アプローチへの切り替えを更に加速し、市場ニーズに迅速に応える製品開発体制を確立することが必要になると考えている。加えて、対象者は、銅地金・原油の価格上昇、世界的な半導体供給不足等の大幅な経済情勢の変化が重なったことを受け、更なる経営基盤の強化が求められている状況と認識している。
(ウ)カーライルは、上記(イ)のような対象者を取り巻く現在の事業環境を踏まえた検討の結果、対象者の持続的な成長を実現することは、(ⅰ)対象者の既存事業の延長線上で達成できるものではなく、大胆な事業構造の改革及びそれに基づく抜本的な改革のための戦略実行に資する資本構成の検討が必要である、(ⅱ)その過程においては、中長期的にみれば大きな成長が見込まれる機会であったとしても、短期的には対象者の利益に直接貢献しない可能性があり、対象者が上場を維持したままでの成長の実現は困難であるとの認識に至ったため、本取引の実現に向けた協議を開始した。
カーライルは、本取引に関する協議を通じて、カーライルの各種サポートにより、(ⅰ)対象者が有する既存の技術力に、市場のトレンド並びに最終顧客の需要及び潜在的なニーズを踏まえたマーケットインの発想による高い製品開発力が加わることによる、新たな領域におけるニッチトップの地位の確立、(ⅱ)対象者のグローバル経営の強化、(ⅲ)多様化する事業環境に対応する事業基盤の強化を図ることができるとの考えに至った。
さらに、カーライルは、対象者に対するデュー・ディリジェンス及び各種分析を通じて、対象者の事業全体を次なるステージへと成長させるためには、新たな収益の柱となる製品・ソリューションの種まきとともに、それらの戦略実行を意識した果断な経営判断と大胆な資源投下による事業改革が必要との理解に至った。カーライルは、対象者を取り巻く最終顧客市場における具体的な変化の一例として、(ⅰ)通信インフラ市場における5G市場の普及ないしSub6へのシフト、(ⅱ)モビリティ市場における自動車の電動化に伴う軽量化、エネルギー効率化への対応、(ⅲ)基板・半導体検査装置市場における狭ピッチ化、積層化をはじめとする半導体後工程への価値シフト等があり、このような変化する市場環境下においても、売上高の伸長のみならず収益性の更なる強化を加味した新しい製品・ソリューションの開発促進が必須であると考えている。
(エ)対象者は、上記のようなカーライルの説明及びカーライルとの度重なる協議を踏まえて検討をした結果、カーライルの有する様々なリソースを活用しながら大胆な経営改革を実行していくことが、対象者の有する経営課題を解決するために必要であるとともに、対象者の企業価値向上に向けた最善の手法であるとの判断に至った。
対象者は、古河電気工業グループからの離脱による影響について、(ⅰ)従来より独立した会社として事業運営に関する独立性を確保し、独自に経営方針等を決定してきたこと、及び(ⅱ)古河電気工業との取引に係る取引条件は独立当事者間の取引と同様の条件によっており、今後も同様の取引を維持できることが想定されることから、特段のデメリットは想定していない。
対象者は、対象者の上場維持の可能性についても検討を行ったが、中長期的な成長に向けた施策の実行のためには初期費用・投資が先行するため、短期的には対象者の財務状況や業績に悪影響を与える可能性があり、資本市場から十分かつ正当な評価が得られない可能性があり、対象者の既存株主の利益の最大化を図りつつ、上場を維持したまま中長期的な視点に基づく積極的な投資を実行することには限界が存在することから、公開買付者が本取引の実行により対象者株式を非公開化した上で、事業構造改革等を実行することが、対象者の中長期的な成長と企業価値の向上の見地からより優れたものであると判断するに至った。
(Ⅱ)検討
本公開買付けを含む本取引の意義及び目的に係る対象者担当者による説明には、いずれも不合理な点はなく、合理的な検討の結果と認められる。とりわけ、対象者グループが古河電気工業グループに入った経緯等の事情や、対象者及びカーライルが、対象者の課題及び今後の事業運営の方向性について共通認識を有していることを踏まえると、カーライルの支援を受けながら大胆な経営改革を実行していくことがより対象者の企業価値向上に資するとの対象者の見解は合理的であると考えられる。
当委員会は、第4回特別委員会において、カーライルの担当者に対するインタビューを実施し、大要、①カーライルから見た本取引の目的・意義、②本取引実行後の事業戦略及び人材戦略、③想定される取引のスキーム及びその理由、④本取引実行後の社内体制の方針、並びに⑤本取引実行後の対象者株式の保有方針について説明を受けたが、特に指摘すべき問題点や懸念は見当たらなかった。
(Ⅲ)小括
以上より、本取引の目的には合理性が認められると考える。
(b)本取引の手続きの公正性
本取引の取引条件の妥当性の前提として、まず本取引の手続きの公正性について検討する。
(Ⅰ)当委員会の設置
本公開買付けは、支配株主による公開買付けには該当せず、かつ、いわゆるマネジメント・バイアウト取引にも該当しない。しかし、公開買付者が対象者の親会社である古河電気工業との間で本応募契約を締結しており、古河電気工業と対象者の少数株主との利害が必ずしも一致しない可能性があることも踏まえ、本取引では、本公開買付けの公正性を担保し、利益相反を回避するための措置として特別委員会が設置された。対象者の取締役会は、当委員会を設置するにあたり、本取引に関する決定を行うに際して、当委員会の意見を最大限尊重し、当委員会が本取引について妥当でないと判断した場合には、本取引を行う旨の意思決定を行わないことを決議している。また、当委員会は、対象者を代理して公開買付者又はカーライルとの間で協議及び交渉を行う権限を有していないものの、かかる協議及び交渉の方針について、対象者及び対象者のファイナンシャル・アドバイザーであるフロンティア・マネジメントから適時に説明を受けた。当委員会は、当委員会において確認された方針に沿って対象者と公開買付者及びカーライルとの間の交渉が行われたものと判断した。その他、本公開買付価格に至る交渉過程への当委員会の関与の形態及び実質について指摘すべき事項や懸念は特に見当たらない。
(Ⅱ)対象者担当者による協議、検討及び交渉に対する当委員会の評価
以下のとおり、対象者担当者は、公開買付者、カーライル、対象者及び古河電気工業からの独立性が認められるファイナンシャル・アドバイザーであるフロンティア・マネジメント及びリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から助言等を受けながら、対象者の立場から対象者の少数株主にも配慮しつつ、対象者の企業価値向上ひいては株主共同の利益の観点から、対象者の事業計画の策定及びこれに基づく企業価値の算定並びに本取引の目的の整理、本取引における各種手続きを公正に進めるために必要な事項等に加え、本取引の一連の手続きの公正性といった点についても慎重に検討しているものと認められる。
(ア)対象者担当者は、カーライルとの間で、2022年7月以降、多数回にわたって本取引についての協議及び検討を重ねてきたところ、2022年10月11日付で、カーライルから、対象者担当者に対して、本公開買付価格を4,950円とする第1回提案が示された。
(イ)当委員会は、対象者担当者より、2022年10月17日に開催された第5回特別委員会において、第1回提案に係る価格の妥当性について意見を求められた。その際、第1回提案に係る価格は、プレミアムが相当程度高水準にある一方で、対象者の成長性や市場環境、対象者の株主構成を踏まえた市場価格の動向、さらには対象者が独自にフロンティア・マネジメントに依頼して当該時点で暫定的に得ていた対象者株式の価格の算定結果に照らして、必ずしも十分な水準に達していないと判断されたことから、少数株主の利益保護のためには、本公開買付価格の引き上げを求めることが相当である旨、対象者担当者に全会一致の意見を述べた。
対象者は、これを受けて、2022年10月18日付で、カーライルに対して、本公開買付価格を6,550円とするよう申し入れた。
(ウ)前記(イ)の対象者からの申し入れを受けて、2022年10月20日付で、カーライルから、対象者担当者に対して、本公開買付価格を5,250円とする第2回提案が示された。
(エ)当委員会は、対象者担当者より、2022年10月25日に開催された第6回特別委員会において、第2回提案に係る価格の妥当性について意見を求められた。これに対して、当委員会は、第2回提案に係る価格が、なおも対象者の成長性その他の前記②の各観点及び暫定的な対象者株式の価格の算定結果に照らして、十分な水準に達したとは評価し難い旨、対象者担当者に全会一致の意見を述べた。
対象者は、これを受けて、2022年10月25日付で、カーライルに対して、本公開買付価格を5,950円とするよう申し入れた。
(オ)前記(エ)の対象者からの申し入れを受けて、2022年10月28日付及び2022年10月31日付で、カーライルから、対象者担当者に対して、本公開買付価格を5,660円とする第3回提案及び最終提案が示された。
(カ)当委員会は、対象者担当者より、最終提案に係る価格の妥当性について意見を求められた。これに対して、当委員会は、最終提案に係る価格が、フロンティア・マネジメントから当該時点で暫定的に得ていた対象者株式の価格の算定結果のうち、最も高い価格帯を示した算定方法に基づく株式価値の価格帯に収まっており、かつ、当該時点における直近の市場価格に対するプレミアムも引き続き相当程度高水準にあることから、少数株主の利益保護の観点から妥当であると評価可能な水準を超えていると思料される旨、対象者担当者に全会一致の意見を述べた。
(キ)以上の経過により、本公開買付価格は5,660円とするとの結論に至った。かかる結論に至るまでの対象者担当者による公開買付者及びカーライルとの協議、検討及び交渉について指摘すべき問題点や懸念は特に見当たらない。
(Ⅲ)対象者による独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
対象者担当者は、公開買付者、カーライル、対象者及び古河電気工業から独立した第三者算定機関であるフロンティア・マネジメントに価値算定を依頼した。フロンティア・マネジメントは、対象者の事業の現状を反映した最新の事業計画(スタンドアローン・ベース)等の資料の提供を受け、それらの情報を踏まえた一定の前提条件の下で、市場株価平均法、類似会社比較法及びDCF法の各手法を用いて対象者株式の1株当たりの株式価値の分析を行った。その結果は、2022年11月7日付株式価値算定書にまとめられている。なお、対象者は、フロンティア・マネジメントから最終の本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得していない。
フロンティア・マネジメント作成の上記株式価値算定書の作成過程、提出に至るまでの対象者担当者によるフロンティア・マネジメントとの協議及び検討、フロンティア・マネジメントの稼働状況等について指摘すべき点は認められない。
(Ⅳ)対象者による独立した法律事務所からの助言の取得
対象者担当者は、本取引に関する意思決定過程等における透明性及び合理性を確保するため、公開買付者、カーライル、対象者及び古河電気工業から独立したリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所を選任した。対象者は、TMI総合法律事務所から、本取引に関する意思決定過程、意思決定方法その他本取引に関する意思決定の留意点について、日本法の観点から法的助言(いわゆる公正性担保措置及び利益相反回避措置に係る助言を含む。)を得ている。
本書提出日現在に至るまでの対象者担当者によるTMI総合法律事務所との協議及び検討、TMI総合法律事務所の稼働状況等について指摘すべき点は認められない。
(Ⅴ)本取引の交渉過程における特別利害関係人の不関与、対象者担当者の検討過程における不当な影響及び干渉の不存在
当委員会は、対象者が開催を予定している本取引を承認する取締役会について、(ⅰ)対象者の取締役8名のうち、過去に古河電気工業の役職員の地位を有していた川口寛氏、牧謙氏及び岡部宗也氏の3名、並びに現に古河電気工業の従業員を兼務している中嶋章文氏を除く4名の取締役が審議し、その全員の賛成により決議を行った上で、(ⅱ)定足数を確保する観点から、過去に古河電気工業の役職員の地位を有していたにとどまる川口寛氏、牧謙氏及び岡部宗也氏の3名を加えた7名の取締役において、改めてその全員の賛成により決議を行うという二段階の手続きを行うものと理解している。
なお、対象者の取締役のうち、川口寛氏、牧謙氏、岡部宗也氏及び中嶋章文氏が本取引の交渉過程に関与し、又は対象者担当者の検討過程に対して不当な影響もしくは干渉を与えたとの事実は認められない。
(Ⅵ)他の買付者からの買付機会を確保するための措置
公開買付者は、本公開買付けの期間を2022年11月9日(水曜日)から2022年12月21日(水曜日)までの30営業日に設定している。これは金融商品取引法に定められた公開買付期間の最短期間(20営業日)よりも長い期間であるが、その趣旨は、対象者の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の適正性を担保することを企図したものと考えられ、上記公開買付期間は妥当であると考えられる。
また、対象者と公開買付者の間には、対象者が公開買付者以外の買収提案者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が対象者との間で接触することを制限するような内容の合意は存在しないものと認められる。
(Ⅶ)二段階買収に係る強圧性の排除
本取引において、本公開買付けの成立後、対象者株式の非公開化を目的に、対象者の全部の株式の取得を目的とした手続きとして株式売渡請求又は株式併合の実施が予定されている。いずれの手続きが採用されるか現時点では決定されていないが、いずれの手続きによる場合でも、本公開買付けが成立した場合に、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者を除く。)に対しては、最終的に金銭を交付することが予定されており、かつ、当該株主に交付される金額は、本公開買付価格に当該株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定することが予定されている。これにより、いわゆる二段階買収に係る強圧性が排除又は軽減されていると評価することが可能である。
その他、本取引において二段階買収に係る強圧性をうかがわせる事情は特に見当たらない。
(Ⅷ)小括
以上のとおり、本取引における対象者取締役会の意思決定の公正性を担保し、利益相反を回避するための措置が採られていることが認められるほか、本取引の諸条件について、対象者の少数株主の利益保護の観点から慎重に協議及び交渉が行われたことが認められる。また、二段階買収に係る強圧性の懸念は特に見当たらない。したがって、本取引に係る交渉過程の手続きには公正性が認められると考える。
(c)本取引の取引条件の妥当性
(Ⅰ)フロンティア・マネジメント作成の上記株式価値算定書との整合性
フロンティア・マネジメント作成の上記株式価値算定書によれば、対象者株式1株当たりの株式価値は、市場株価平均法で2,201円~2,269円、類似会社比較法で4,633円~5,695円、DCF法で5,563円~7,817円とされている。最終の本公開買付価格である5,660円は、上記算定方式のうち最も高い価格帯を示しているDCF法に基づく株式価値の価格帯に収まっていること、及び類似会社比較法に基づく株式価値の上限に近似した価格であることが確認できる。
当委員会は、フロンティア・マネジメント及び対象者の各担当者から、前提となる対象者の事業計画の内容、株式価値評価に用いられた算定方法のほか、株式の価値算定に関する評価手法、前提条件及び算定経緯等についての説明を受け議論及び検討したが、特に不合理な点は認められなかった。また、フロンティア・マネジメントと公開買付者、カーライル、対象者及び古河電気工業の間に、本取引に関する特別の利害関係は見当たらない。
(Ⅱ)本公開買付価格のプレミアム
フロンティア・マネジメント作成の上記株式価値算定書における市場株価平均法に係る算定基準日を含む直近の対象者株式の市場価格に対する本公開買付価格のプレミアムは149.45%から157.16%であり、他の類似事案におけるプレミアム(注)と比較して、相当程度高い水準にある。このことに加え、上記(Ⅰ)のとおり、本公開買付価格が独立した第三者算定機関であるフロンティア・マネジメントの対象者株式の株式価値の算定結果と整合することを踏まえると、対象者の株主が享受すべき企業価値やシナジーが本公開買付価格に適切に反映されていると評価して差し支えないと考えられる。
(Ⅲ)交渉による本公開買付価格の引上げ及び交渉過程の手続きの公正性
対象者は、当委員会において確認された交渉方針に沿って公開買付者又はカーライルとの間で交渉を行い、その結果として、第1回提案に係る価格から710円(第1回提案に係る価格の14.34%)の引上げを実現した。
上記(b)のとおり、本取引に係る交渉過程の手続きは公正であると認められるところ、本公開買付価格は、利益相反を回避するための各措置を講じた上で、対象者担当者と公開買付者又はカーライルとの間の真摯な交渉を経て決定されたものと評価できると考えられる。
(Ⅳ)小括
以上のとおり、(A)本公開買付価格が(ⅰ)フロンティア・マネジメント作成の前記株式価値算定書と整合すること、及び(ⅱ)市場価格に対するプレミアムの点で、他の類似案件と比較して相当程度高い水準にあること、並びに(B)対象者は、利益相反を回避するための各措置を講じた上で、公開買付者又はカーライルとの真摯な交渉を行い、その結果本公開買付価格の引上げを実現したことを踏まえると、結論として本取引の条件の妥当性が認められると考える。
(d)対象者の取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する意見表明を含む。)を決定することが少数株主に不利益か否か
上記(a)ないし(c)までにおいて検討した諸事項以外の点に関して、当委員会において、本公開買付けを含む本取引が対象者の少数株主にとって不利益なものであると考える事情として指摘すべき問題点や懸念は特に見当たらない。
本公開買付けではいわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限設定はなされていない。これは、古河電気工業の所有割合が57.05%(2022年9月末日時点)であることから、本公開買付けにおけるかかる下限設定が公開買付の成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けへの応募を希望する少数株主の利益に資さない可能性があると対象者が考えたことによるとのことである。この点、(ⅰ)対象者は、本公開買付けの公正性を担保し、利益相反を回避するための措置として、上記(b)記載の各手段を採用しており、少数株主の利益への十分な配慮がなされていると評価し得ること、(ⅱ)上記(c)のとおり、最終の本公開買付価格が妥当な水準にあると考えられること等を踏まえると、本公開買付けにおいて「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限設定をしないことが不合理とはいえない。
結論として、本取引の実施(本公開買付けに関する意見表明を含む。)を決定することは、対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考える。
(注) 本特別委員会は、他の類似事案におけるプレミアムとして、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に行われた親会社を有する対象会社の株式非公開化を企図して成立した公開買付け事例(①マネジメント・バイアウト(MBO)及び親会社による対象会社の完全子会社化の事例、②ディスカウント公開買付けの事例、③非公開化後に当初親会社が公開買付けを行った者に再出資する事例を除きます。)10件におけるプレミアム水準(なお、公表日前に事前報道がなされた事例は、事前報道がなされた日以前の市場株価を基準としてプレミアムを算出)(公表日前営業日の終値、並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値単純平均値それぞれからのプレミアム水準の中央値(公表日前営業日の終値に対して80.61%、公表日前営業日の直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して74.28%、公表日前営業日の直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して67.43%、公表日前営業日の直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して51.71%)・平均値(公表日前営業日に対して71.90%、公表日前営業日の直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して68.64%、公表日前営業日の直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して66.95%、公表日前営業日の直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して64.90%))を参照しているとのことです。
③ 対象者における独立した法律事務所からの助言
対象者は、対象者取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、対象者、公開買付者及び古河電気工業のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとして、TMI総合法律事務所を選任し、本公開買付けに関する対象者取締役会の意思決定の過程、方法その他の本公開買付けに関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けているとのことです。
なお、TMI総合法律事務所は、対象者、公開買付者及び古河電気工業のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。
また、TMI総合法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。
④ 対象者における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認
対象者は、フロンティア・マネジメントから取得した株式価値算定書、TMI総合法律事務所からの法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引の諸条件について慎重に協議・検討を行ったとのことです。その結果、対象者は、上記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載の理由に基づき、本取引が対象者の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2022年11月8日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに関して、賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対しては本公開買付けに応募することを推奨することを決議したとのことです。
なお、対象者の取締役のうち、川口寛氏、牧謙氏及び岡部宗也氏は、過去に古河電気工業の役職員の地位を有していたこと、中嶋章文氏は、現に古河電気工業の従業員を兼務していることから、上記取締役会における本公開買付けへの意見表明に係る議案については、(ⅰ)対象者の取締役8名のうち、川口寛氏、牧謙氏、岡部宗也氏及び中嶋章文氏を除く4名の取締役が審議し、その全員の賛成により決議を行った上で、(ⅱ)取締役会の定足数を確保する観点から、過去に古河電気工業の役職員の地位を有していたにとどまる川口寛氏、牧謙氏及び岡部宗也氏を加えた7名の取締役において、改めてその全員の賛成により決議を行うという二段階の手続きを経ているとのことです。
なお、対象者の取締役のうち、川口寛氏、牧謙氏、岡部宗也氏及び中嶋章文氏は、利益相反の可能性を排除する観点から、対象者の立場において公開買付者との協議及び交渉には一切関与していないとのことです。
⑤ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保
公開買付者は、対象者との間で、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が対象者との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。また、公開買付者は、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、比較的長期間である30営業日としております。公開買付者は、公開買付期間を比較的長期に設定することにより、対象者の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、対象者株式について公開買付者以外の者にも買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の適正性を担保することを企図しております。
(4)本公開買付けに関する重要な合意
本公開買付けに際して、公開買付者は、上記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、2022年11月8日付で、対象者の親会社である古河電気工業との間で本応募契約を締結しております。本応募契約において、古河電気工業は、その所有する対象者株式の全て(所有株式数:3,847,248株、所有割合:57.05%)について、本公開買付けに応募する旨の合意をしております。
本応募契約においては、古河電気工業が本公開買付けに応募する前提条件として、①本公開買付けが適法に開始されており、かつ撤回されていないこと、②本応募契約の締結日及び本応募契約に基づく応募の時点において公開買付者の表明及び保証(注1)に誤りがないこと、③公開買付者が本応募契約に基づく義務(注2)に違反していないこと、④本公開買付けの実施のために法令等に基づき必要な手続きが完了していること、⑤司法・行政機関等に対して、本公開買付け又は古河電気工業による本公開買付けへの応募を禁止又は制限することを求める旨の訴訟等又はその申立ても係属しておらず、かつ、本公開買付け又は古河電気工業による本公開買付けへの応募を禁止又は制限する旨の法令等又は司法・行政機関等の判断等も存在しないこと、⑥本公開買付けの開始日において、対象者の取締役会が本公開買付けについて全会一致で賛同し応募推奨する旨の意見表明の決議をしており、これが公表されていること、⑦本公開買付けの開始日において、本公開買付けに関する対象者の決定が、対象者の少数株主にとって不利益でないことに関し、対象者が、対象者との間に利害関係を有しない者から意見を入手していること、⑧古河電気工業が対象者に係る未公表の重要事実等を認識していないことが規定されています(注3)。ただし、上記前提条件の一部又は全部が充足されない場合においても、古河電気工業が自らの判断においてこれを放棄し、本公開買付けに応募することは制限されておりません。
(注1) 本応募契約において、公開買付者は、(ⅰ)設立及び存続の有効性、(ⅱ)本応募契約の締結に関する権利能力、必要な手続きの履践、(ⅲ)本応募契約の有効性及び執行可能性、(ⅳ)法令等との抵触の不存在、(ⅴ)反社会的勢力との取引の不存在、並びに(ⅵ)倒産手続きの不存在について表明及び保証を行っております。
(注2) 本応募契約において、公開買付者は、(ⅰ)古河電気工業グループと対象者グループとの間で存在する契約関係を、本公開買付けの成立後も本公開買付けの決済の開始日から1年間、対象者グループをして、本応募契約の締結日時点における条件と実質的に同等の条件で継続し又は継続させる商業上合理的な範囲での最大限の努力義務、並びに(ⅱ)自らの表明及び保証の違反、古河電気工業による本公開買付けへの応募の前提条件の不充足への違反、もしくは公開買付者の義務違反の事実又はそのおそれが生じた場合の通知義務を負っております。
(注3) 本応募契約において、古河電気工業は、公開買付期間の末日までに、前提条件が充足されていないことが判明した場合には、本公開買付けへの応募の結果成立する買付けに係る契約を解除することができるものとされております。
(注4) 本応募契約において、公開買付者又は古河電気工業は、①相手方当事者が本応募契約上の義務に重要な点で違反し、書面による催告にもかかわらず、当該催告の日から5営業日が経過する日もしくは公開買付期間の末日のいずれか早い日までに当該違反が是正されなかった場合、②相手方当事者による表明及び保証について重要な点で違反が判明した場合、③適格対抗公開買付け(下記において定義します。)がなされた場合に、本応募契約の定めに従い、古河電気工業が応募予定株式を応募する義務を免れ、もしくは本公開買付けへの応募の結果成立する買付けに係る契約を解除し、適格対抗公開買付けに応募した場合、又は④2022年11月9日までに本公開買付けが開始されない場合には、本応募契約を解除することができるものとされています。また、①法令等に基づき本公開買付けが撤回された場合、又は②応募株券等の総数が買付予定数の下限に満たなかった場合には、本応募契約は終了するとされております。
(注5) 本応募契約において、古河電気工業は、①設立及び存続の有効性、②本応募契約の締結に関する権利能力、必要な手続きの履践、③本応募契約の有効性及び執行可能性、④法令等との抵触の不存在、⑤反社会的勢力との取引の不存在、⑥倒産手続きの不存在、並びに⑦応募予定株式の有効な所有等について表明及び保証を行っております。
本応募契約において、古河電気工業は、応募予定株式を応募する義務等のほか、①本応募契約の締結日から本公開買付けの決済の開始日までの間、本公開買付けに応募することを除き、対象者株式の取得又は譲渡等の禁止義務、②本公開買付けと実質的に矛盾もしくは抵触し、又は本公開買付けの実行を困難にする具体的なおそれのある取引(以下「抵触取引」といいます。)について、自らその提案、申込みもしくは申込みの勧誘を行ってはならず、第三者から抵触取引に係る提案、申込みもしくは申込みの勧誘を受けたときは、遅滞なく、公開買付者に対し、その旨及び当該提案の内容の通知を行う義務、③本公開買付けの決済の終了後の対象者グループの円滑な事業及び運営の継続のため、対象者が合理的に求める事項につき、誠実に協議し、古河電気工業グループをして、商業上合理的な範囲で協力し又は協力させる商業上合理的な範囲での最大限の努力義務、並びに④本応募契約の締結日において古河電気工業グループと対象者グループとの間で存在する契約関係を、本公開買付けの成立後も本公開買付けの決済の開始日から1年間、古河電気工業グループをして、本応募契約の締結日時点における条件と実質的に同等の条件で継続し又は継続させる商業上合理的な範囲での最大限の努力義務を負っております。
また、本応募契約において、古河電気工業は、公開買付者以外の者が、公開買付期間中に、本公開買付価格を上回る買付価格であり、かつ、買付予定数の上限を定めない対象者株式に係る公開買付け(以下「適格対抗公開買付け」といいます。)を開始し、かつ、公開買付者が、適格対抗公開買付けが開始された日から7営業日を経過する日又は公開買付期間の末日の2営業日前までのいずれか早く到来する日までに、本公開買付価格を当該適格対抗公開買付けの買付価格以上の金額に変更しない場合、応募予定株式を応募する義務を免れ、又は本公開買付けへの結果成立する買付けに係る契約を解除し、当該適格対抗公開買付けに応募することができる(ただし、これを行わないことが古河電気工業の取締役の善管注意義務に違反するおそれがある旨の弁護士からの助言を受けた上で、古河電気工業の取締役会がその旨を合理的に判断した場合に限る。)とされております。さらに、公開買付者又は古河電気工業は、本応募契約に基づく自らの義務違反又は表明及び保証の違反によって相手方当事者に損害を与えたときは、その損害を補償するものとされております。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(1)本公開買付けの概要」のとおり、本公開買付けにおいて対象者株式の全て(ただし、対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、対象者株式の全ての取得を目的とした手続き(以下「本スクイーズアウト手続き」といいます。)を実施することを予定しております。
① 株式売渡請求
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する対象者の議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。以下本①において同じです。)の全員に対し、その所有する対象者株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定です。株式売渡請求においては、対象者株式1株当たりの対価として、1株当たりの本公開買付価格と同額の金銭を対象者の株主に対して交付することを定める予定です。この場合、公開買付者は、その旨を対象者に通知し、対象者に対して株式売渡請求の承認を求めます。対象者が取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続きに従い、対象者の株主の個別の承認を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、対象者の株主全員からその所有する対象者株式の全部を取得いたします。対象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者から株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、対象者取締役会にてかかる株式売渡請求を承認する予定とのことです。株式売渡請求がなされた場合については、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、対象者の株主は、裁判所に対して、その有する対象者株式の売買価格の決定の申立てを行うことができます。
② 株式併合
他方で、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する対象者の議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の90%以上を所有するに至らなかった場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき対象者株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を2023年2月頃に開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに対象者に要請する予定です。また公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定です。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、対象者の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の対象者株式を所有することとなります。株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、対象者の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続きに従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。)に相当する対象者株式(以下「本端数合計株式」といいます。)を対象者又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。本端数合計株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主(公開買付者を除きます。)に交付される金銭の額が、1株当たりの本公開買付価格に当該対象者の株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを対象者に要請する予定です。また、本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者が対象者株式の全てを所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主(公開買付者を除きます。)の所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となるように決定されるよう要請する予定です。この場合の具体的な手続きについては、決定次第、対象者が速やかに公表する予定です。
株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定としては、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関連法令の定めに従い、株式併合に反対する対象者の株主は、対象者に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められています。上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主(公開買付者を除きます。)の所有する対象者株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、本株式併合に反対する対象者の株主は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
上記①及び②の各手続きについては、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主(公開買付者を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、1株当たりの本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定です。
以上の各場合における具体的な手続き及びその実施時期等については、対象者と協議の上、決定次第、対象者が速やかに公表する予定です。
本公開買付けは、本臨時株主総会における対象者の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記各手続きにおける税務上の取扱いについては、株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
また、公開買付者は、当該手続きの実施後に、対象者との間で吸収合併を実施することを予定しております(なお、本書提出日現在、公開買付者としては、本スクイーズアウト手続きの完了後速やかに、公開買付者を吸収合併存続会社、対象者を吸収合併消滅会社として吸収合併を行うことを想定しております。)。
(6)上場廃止となる見込み及びその理由
対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、対象者株式は、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続きを経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点で当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後、上記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」のとおり、公開買付者は、本スクイーズアウト手続きを実施することを予定しておりますので、その場合、対象者株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続きを経て上場廃止となります。上場廃止後は、対象者株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。

届出当初の期間

①【届出当初の期間】
買付け等の期間2022年11月9日(水曜日)から2022年12月21日(水曜日)まで(30営業日)
公告日2022年11月9日(水曜日)
公告掲載新聞名電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。
電子公告アドレス
(https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/)

買付け等の価格

(2)【買付け等の価格】
株券1株につき金5,660円
新株予約権証券
新株予約権付社債券
株券等信託受益証券
( )
株券等預託証券
( )
算定の基礎カーライルは、本公開買付価格を決定するに際して、対象者が開示している財務情報等の資料、対象者に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえ、対象者の事業及び財務状況を多面的かつ総合的に分析いたしました。また、カーライルは、対象者株式が金融商品取引所を通じて取引されていることに鑑みて、本公開買付けの公表日の前営業日である2022年11月7日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値(2,202円)、直近1ヶ月(2022年10月11日から2022年11月7日まで)、直近3ヶ月(2022年8月8日から2022年11月7日まで)及び直近6ヶ月(2022年5月9日から2022年11月7日まで)の終値単純平均値(2,201円、2,214円及び2,269円)の推移を参考にいたしました。さらに、対象者及び古河電気工業との協議・交渉の結果、企業価値向上の施策、経営及び事業運営の計画、対象者の直近の業績、対象者に対するデュー・ディリジェンスの結果、対象者株式の市場株価の動向、経済情勢、対象者の取締役会及び本特別委員会による本公開買付けへの賛同の可否、対象者株主の本公開買付けへの応募の見通しも考慮し、最終的に2022年11月8日に本公開買付価格を5,660円とすることを決定いたしました。
本公開買付価格5,660円は、本公開買付け公表日の前営業日である2022年11月7日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値2,202円に対して157.04%、直近1ヶ月間(2022年10月11日から2022年11月7日まで)の終値単純平均値2,201円に対して157.16%、直近3ヶ月間(2022年8月8日から2022年11月7日まで)の終値単純平均値2,214円に対して155.65%、直近6ヶ月間(2022年5月9日から2022年11月7日まで)の終値単純平均値2,269円に対して149.45%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となります。また、本公開買付価格5,660円は、本書提出日の前営業日である2022年11月8日の対象者株式の終値である2,215円に対して155.53%のプレミアムを加えた価格となります。
なお、カーライルは、上記の諸要素を総合的に考慮しつつ、対象者及び古河電気工業との協議・交渉を踏まえて本公開買付価格を決定したため、第三者算定機関からの株式価値算定書を取得しておりません。
算定の経緯カーライルは、従前より面識のあった古河電気工業に対して、2022年5月26日に、本取引の実現に向けた協議開始に関する初期的な打診を行いました。なお、当該打診の時点において、ファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーの選任はございません。さらに、2022年7月中旬より、古河電気工業と対象者の双方との間で、事業戦略及び資本政策について協議を行うなかで、対象者の中長期的な成長と企業価値向上に資する戦略的な選択肢として、カーライルと対象者との協働、及びカーライルによる公開買付けを通じた対象者株式の一部又は全ての取得の可能性に関する協議を深めました。かかる協議を踏まえ、対象者との協働の可能性をより具体的に検討するため、カーライルは、2022年8月18日に、古河電気工業との間で秘密保持契約を締結し、2022年8月24日に対象者との間で秘密保持契約を締結いたしました。
そして、カーライルは2022年8月24日付で対象者に対し対象者株式の取得について関心を有する旨の初期的な提案書を提出いたしました。その後、対象者の財務情報及び事業計画の一部開示を受け、対象者株式の非公開化の可能性及びカーライルが貢献し得る対象者の中長期的な企業価値向上のための成長戦略に関して具体的な検討を開始いたしました。

その後、カーライルは、2022年8月下旬から2022年10月上旬までの間、本取引の実現可能性の精査のため対象者に対するデュー・ディリジェンスや対象者の経営陣との面談等を実施いたしました。さらに、カーライルは、対象者と本取引の実施及び取引ストラクチャーの詳細を含めた取引条件について協議・交渉を重ね、2022年10月11日、対象者に対して、本公開買付価格を4,950円とする第1回提案を提出いたしました。カーライルは、対象者の事業、財務及び将来計画に関する多面的かつ総合的な分析を行い、2022年10月7日時点での第1回提案における本公開買付価格の対象者株式の市場株価に対するプレミアムは、東京証券取引所スタンダード市場における(a)過去1ヶ月間の終値単純平均値2,207円に対して124.29%、(b)過去3ヶ月間の終値単純平均値2,241円に対して120.88%、(c)過去6ヶ月間の終値単純平均値2,336円に対して111.90%のプレミアムとなります。カーライルは対象者の潜在的な事業変革の可能性を高く評価するとともに、現在の市場において対象者の潜在力が正しく評価されていないと考え、対象者の株主の皆様に不利益が生じない価格と考えられること、及び対象者株式の過去20年間の市場株価の最高値が3,640円であり、過去20年間に対象者株式を現在の市場株価より高い価格で取得した株主に対しても、取得した株価に対して魅力的なプレミアムを付した価格での売却の機会を提供できることから、第1回提案における本公開買付価格を4,950円といたしました。これに対し、第1回提案の提出後である2022年10月18日、カーライルは、対象者から、本特別委員会との協議を踏まえ、第1回提案における本公開買付価格が対象者株式の株式価値を十分に反映した価格であるとは考えられないことを理由に、本公開買付価格を6,550円に引き上げる旨の要請を受けました。
対象者からのかかる要請を受け、カーライルは本公開買付価格の引上げについて真摯に検討を行い、2022年10月20日、対象者に対して、本公開買付価格を5,250円とする旨の第2回提案を提出いたしました。2022年10月19日時点での第2回提案における本公開買付価格の対象者株式の市場株価に対するプレミアムは、東京証券取引所スタンダード市場における(a)過去1ヶ月間の終値単純平均値2,191円に対して139.62%、(b)過去3ヶ月間の終値単純平均値2,231円に対して135.32%、(c)過去6ヶ月間の終値単純平均値2,305円に対して127.77%のプレミアムとなります。第2回提案の提出後、2022年10月25日、カーライルは、対象者から、本特別委員会との協議を踏まえ、第2回提案における本公開買付価格が対象者株式の株式価値を十分に反映した価格であるとは考えられないことを理由に、本公開買付価格を5,950円に引き上げる旨の要請を受けました。
対象者からのかかる要請を受け、カーライルは、本公開買付価格の引上げを真摯に検討し、2022年10月28日、本公開買付価格を5,660円とする旨の第3回提案を提出いたしました。2022年10月27日時点での第3回提案における本公開買付価格の対象者株式の市場株価に対するプレミアムは、東京証券取引所スタンダード市場における(a)過去1ヶ月間の終値単純平均値2,195円に対して157.86%、(b)過去3ヶ月間の終値単純平均値2,221円に対して154.84%、(c)過去6ヶ月間の終値単純平均値2,283円に対して147.92%のプレミアムとなります。第3回提案を提出後、2022年10月31日、カーライルは、対象者に対して、第3回提案を最終提案として、本公開買付価格を5,660円とする旨の提案を改めて行いました。その後、2022年11月2日、カーライルは、対象者から、最終提案を受諾する旨の回答を受領いたしました。なお、対象者によれば、対象者は、カーライルとの協議及び交渉に際し、親会社である古河電気工業と協議を行った事実はないとのことです。
また、カーライルは、対象者との交渉と並行して、2022年10月中旬以降、古河電気工業に対し、本取引に関する対象者との交渉の過程の説明を行い、本取引を実施した場合の応募予定株式の本公開買付けへの応募の可否・その条件についての協議・交渉を重ねたところ、古河電気工業が本公開買付けへの応募に前向きであることを確認いたしました。
上記対象者及び古河電気工業からの回答を踏まえ、カーライルは、企業価値向上の施策、経営及び事業運営の計画、対象者の直近の業績、対象者に対するデュー・ディリジェンスの結果、対象者株式の市場株価の動向、経済情勢、対象者の取締役会及び本特別委員会による本公開買付けへの賛同の可否、対象者株主の本公開買付けへの応募の見通しも考慮し、2022年11月8日に本公開買付価格を5,660円として、本取引の一環として公開買付者を通じて本公開買付けを実施することを決定し、公開買付者は、同日、古河電気工業との間で本応募契約を締結いたしました。

買付予定の株券等の数

(3)【買付予定の株券等の数】
株券等の種類買付予定数買付予定数の下限買付予定数の上限
普通株式6,743,060(株)4,495,400(株)―(株)
合計6,743,060(株)4,495,400(株)―(株)

(注1) 応募株券等の総数が買付予定数の下限(4,495,400株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。
(注2) 単元未満株式も本公開買付けの対象としております。なお、会社法に従って株主による単元未満株式買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続きに従い公開買付期間中に自己の株式を買い取ることがあります。
(注3) 本公開買付けを通じて、対象者が所有する自己株式を取得する予定はありません。
(注4) 本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておりませんので、買付予定数は本公開買付けにおいて公開買付者が取得する対象者の株券等の最大数を記載しております。なお、当該最大数は、対象者第2四半期決算短信に記載された2022年9月30日現在の発行済株式総数(6,808,788株)から、2022年9月30日現在の対象者が所有する自己株式数(65,728株)を控除した株式数(6,743,060株)になります。

買付け等を行った後における株券等所有割合

区分議決権の数
買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)67,430
aのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(b)-
bのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(c)-
公開買付者の所有株券等に係る議決権の数(2022年11月9日現在)(個)(d)-
dのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(e)-
eのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(f)-
特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2022年11月9日現在)(個)(g)-
gのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(h)-
hのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(i)-
対象者の総株主等の議決権の数(2022年3月31日現在)(個)(j)67,167
買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合
(a/j)(%)
100.00
買付け等を行った後における株券等所有割合
((a+d+g)/(j+(b-c)+(e-f)+(h-i))×100)(%)
100.00

(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定の株券等の数に係る議決権の数を記載しております。
(注2) 「対象者の総株主等の議決権の数(2022年3月31日現在)(個)(j)」は、対象者が2022年8月10日に提出した第105期第1四半期報告書に記載された2022年3月31日現在の総株主の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの)です。ただし、単元未満株式も本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、対象者第2四半期決算短信に記載された2022年9月30日現在の発行済株式総数(6,808,788株)から、2022年9月30日現在対象者が所有する自己株式数(65,728株)を控除した株式数(6,743,060株)に係る議決権の数(67,430個)を分母として計算しております。
(注3) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、小数点以下第三位を四捨五入しております。

脚注、買付け等を行った後における株券等所有割合

(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定の株券等の数に係る議決権の数を記載しております。
(注2) 「対象者の総株主等の議決権の数(2022年3月31日現在)(個)(j)」は、対象者が2022年8月10日に提出した第105期第1四半期報告書に記載された2022年3月31日現在の総株主の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの)です。ただし、単元未満株式も本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、対象者第2四半期決算短信に記載された2022年9月30日現在の発行済株式総数(6,808,788株)から、2022年9月30日現在対象者が所有する自己株式数(65,728株)を控除した株式数(6,743,060株)に係る議決権の数(67,430個)を分母として計算しております。
(注3) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、小数点以下第三位を四捨五入しております。

株券等の種類

(1)【株券等の種類】
普通株式

根拠法令

(2)【根拠法令】
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
公開買付者は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。その後の改正を含みます。以下「独占禁止法」といいます。)第10条第2項に基づき、公正取引委員会に対して、対象者株式の取得に関する計画をあらかじめ届け出なければならず(以下当該届出を「事前届出」といいます。)、同条第8項により、原則として、事前届出受理の日から30日(短縮される場合もあります。)を経過するまでは対象者株式の取得をすることはできません(以下対象者株式の取得が禁止される当該期間を「取得禁止期間」といいます。)。
また、独占禁止法第10条第1項は、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる他の会社の株式の取得行為を禁止しており、公正取引委員会はこれに違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができます(同法第17条の2第1項。以下「排除措置命令」といいます。)。公正取引委員会は、排除措置命令をしようとするときは、当該排除措置命令の名宛人となるべき者について意見聴取を行わなければならず(同法第49条)、その意見聴取を行うにあたっては、予定する排除措置命令の内容等を名宛人に通知しなければなりませんが(同法第50条第1項。以下「排除措置命令の事前通知」といいます。)、事前届出に係る株式取得に関する計画に対する排除措置命令の事前通知は、一定の期間(上記事前届出が受理された日から原則30日間ですが、延長又は短縮される場合もあります。以下「措置期間」といいます。)内に行うこととされております(同法第10条第9項)。なお、公正取引委員会は、排除措置命令の事前通知をしないこととした場合、その旨の通知(以下「排除措置命令を行わない旨の通知」といいます。)をするものとされております(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第9条から第16条までの規定による認可の申請、報告及び届出等に関する規則(昭和28年公正取引委員会規則第1号。その後の改正を含みます。)第9条)。
公開買付者は、対象者株式の取得に関して、2022年10月28日付で公正取引委員会に対して事前届出を行い、当該事前届出は同日付で受理されております。
その後、公開買付者は、対象者株式の取得に関して、公正取引委員会から2022年11月10日付「排除措置命令を行わない旨の通知書」を2022年11月14日付で受領したため、2022年11月10日をもって措置期間は終了しております。また、公開買付者は、公正取引委員会から取得禁止期間を30日間から13日間に短縮する旨の2022年11月10日付「禁止期間の短縮の通知書」を2022年11月14日付で受領したため、2022年11月10日の経過をもって取得禁止期間は終了しております。

許可等の日付及び番号

(3)【許可等の日付及び番号】
許可等の日付 2022年11月10日(排除措置命令を行わない旨の通知を受けたことによる)
許可等の番号 公経企第877号(排除措置命令を行わない旨の通知書の番号)
許可等の日付 2022年11月10日(禁止期間の短縮の通知を受けたことによる)
許可等の番号 公経企第878号(禁止期間の短縮の通知書の番号)

応募の方法

(1)【応募の方法】
① 公開買付代理人
野村證券株式会社 東京都中央区日本橋一丁目13番1号
② 本公開買付けに係る株券等の買付け等の申込みに対する承諾又は売付け等の申込みをする方(以下「応募株主等」といいます。)は、公開買付代理人の本店又は全国各支店において、所定の「公開買付応募申込書」に所要事項を記載のうえ、公開買付期間末日の15時30分までに応募してください。応募の際には、ご印鑑、マイナンバー(個人番号)又は法人番号、本人確認書類等が必要になる場合があります。(注1)
オンラインサービス(公開買付代理人に口座をお持ちのお客様専用のオンラインサービス)による応募に関しては、オンラインサービス(https://hometrade.nomura.co.jp/)にて公開買付期間末日の15時30分までに手続きを行ってください。なお、オンラインサービスによる応募には、応募株主等が公開買付代理人に設定した応募株主等名義の口座(以下「応募株主等口座」といいます。)におけるオンラインサービスのご利用申込みが必要です。(注2)
※新型コロナウイルス感染拡大防止等の対応に伴い、店舗の店頭業務を一時休止する等の特別な対応を行っている可能性があります。詳細については、公開買付代理人の本店又は全国各支店にお問い合わせください。併せて、対象となる店舗、特別な対応等につきましては、公開買付代理人のホームページ(https://www.nomura.co.jp/)もご参照ください。
③ 株券等の応募の受付にあたっては、応募株主等口座に、応募する予定の株券等が記録されている必要があります。そのため、応募する予定の株券等が、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等に設定された口座に記録されている場合(対象者の特別口座の口座管理機関であるみずほ信託銀行株式会社に設定された特別口座に記録されている場合を含みます。)は、応募に先立ち、応募株主等口座への振替手続きを完了していただく必要があります。
④ 本公開買付けにおいては、公開買付代理人以外の金融商品取引業者を経由した応募の受付は行われません。
⑤ 外国の居住者であり、公開買付代理人にお取引可能な口座をお持ちでない株主等(法人株主等を含みます。以下「外国人株主等」といいます。)の場合、日本国内の常任代理人を通じて応募してください。オンラインサービスにおいては、外国の居住者は応募できません。
⑥ 日本の居住者である個人株主の場合、公開買付けにより売却された株券等に係る売却代金と取得費との差額は、原則として株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税の適用対象となります。(注3)
⑦ 応募株券等の全部の買付け等が行われないこととなった場合、買付け等の行われなかった株券等は応募株主等に返還されます。
(注1) ご印鑑、マイナンバー(個人番号)又は法人番号、本人確認書類等について
公開買付代理人である野村證券株式会社に新規に口座を開設する場合、ご印鑑が必要となるほか、マイナンバー(個人番号)又は法人番号及び本人確認書類等が必要になります。また、既に口座を有している場合であっても、住所変更、取引店変更、税務に係る手続き等の都度、マイナンバー(個人番号)又は法人番号及び本人確認書類等が必要な場合があります。なお、マイナンバー(個人番号)を確認するために提出する書類により、必要となる本人確認書類が異なります。マイナンバー(個人番号)又は法人番号を確認するための書類及び本人確認書類の詳細につきましては、公開買付代理人にお尋ねください。
・個人の場合
マイナンバー(個人番号)提供時の必要書類
マイナンバー(個人番号)の提供に際しては、所定の「マイナンバー提供書」のほか、[1]マイナンバー(個人番号)を確認するための書類と、[2]本人確認書類が必要です。
※申込書に記載された氏名・住所・生年月日の全てが確認できるものをご準備ください。
※野村證券株式会社の受付日時点で、有効期限の定めのあるものは有効期限内のもの、有効期限の定めのないものは6ヶ月以内に作成されたものに限ります(「通知カード」は、発行日から6ヶ月以降も有効です。)。
※野村證券株式会社の店舗でお手続きをされる場合は、原本をご提示ください(本人確認書類のコピーをとらせていただく場合があります。)。
※コピーの場合は、あらためて原本の提示をお願いする場合があります。
※野村證券株式会社より本人確認書類の記載住所に口座開設のご案内を簡易書留(転送不要)でお届けし、ご本人様の確認をさせていただく場合があります。
※新規口座開設、住所変更等の各種手続きに係る本人確認書類を提出いただく場合、口座名義人様の本人確認書類に限りマイナンバー(個人番号)の提供に必要な書類を兼ねることができます(同じものを2枚以上提出いただく必要はありません。)。
[1]マイナンバー(個人番号)を確認するための書類
個人番号カード、通知カード、マイナンバー(個人番号)の記載された住民票の写し、マイナンバー(個人番号)の記載された住民票記載事項証明書、のいずれか1点が必要です。
[2]本人確認書類
マイナンバー(個人番号)を確認するための書類必要な本人確認書類
個人番号カード不要
通知カード
※現在の氏名・住所が記載されていない「通知カード」はご利用いただけません。
[A]のいずれか1点、又は[B]のうち2点
マイナンバー(個人番号)の記載された住民票の写し[A]又は[B]のうち、「住民票の写し」「住民票記載事項証明書」以外の1点
マイナンバー(個人番号)の記載された住民票記載事項証明書

[A]顔写真付の本人確認書類
・有効期間内の原本のコピーの提出が必要
旅券(パスポート)、運転免許証、運転経歴証明書、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳、在留カード、特別永住者証明書
※2020年2月4日以降に申請した「旅券(パスポート)」は「所持人記入欄」がないため、1点のみではご利用いただけません。その他の本人確認書類とあわせてご提出ください。
[B]顔写真のない本人確認書類
・発行から6ヶ月以内の原本又はコピーの提出が必要
住民票の写し、住民票の記載事項証明書、印鑑登録証明書
・有効期間内の原本のコピーの提出が必要
健康保険証(各種)、国民年金手帳(氏名・住所・生年月日の記載があるもの)、福祉手帳(各種)
・法人の場合
登記事項証明書、官公庁から発行された書類等の本人確認書類が必要となる場合があります。
※本人特定事項 ①名称 ②本店又は主たる事務所の所在地
※法人自体の本人確認に加え、代表者又は代理人・取引担当者個人(契約締結の任に当たる者)の本人確認が必要となります。
法人番号の提供に際しては、法人番号を確認するための書類として、「国税庁 法人番号公表サイト」で検索した結果画面を印刷したもの又は「法人番号指定通知書」のコピーが必要となる場合があります。また、所定の「法人番号提供書」が必要となる場合があります。
・外国人(居住者を除きます。)、外国に本店又は主たる事務所を有する法人の場合
日本国政府の承認した外国政府又は権限ある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、居住者の本人確認書類に準じるもの等の本人確認書類が必要になります。
(注2) オンラインサービスのご利用には、お申込みが必要です。オンラインサービスをお申込み後、パスワードがご登録住所に到着するまで約1週間かかりますのでお早めにお手続きください。公開買付期間末日近くである場合は、お取引店からの応募申込みの方がお手続きに時間を要しません。
・個人の場合:オンラインサービスのログイン画面より新規申込を受付しております。もしくは、お取引店又はオンラインサービスサポートダイヤルまでご連絡ください。
・法人の場合:お取引店までご連絡ください。なお、法人の場合は代理人等のご登録がない法人に限りオンラインサービスによる応募が可能です。
(注3) 株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税について(個人株主の場合)
個人株主の方につきましては、株式等の譲渡所得等には原則として申告分離課税が適用されます。税務上の具体的なご質問等は税理士等の専門家にご相談いただき、ご自身でご判断いただきますようお願いします。

契約の解除の方法

(2)【契約の解除の方法】
応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除をする場合は、公開買付期間末日の15時30分までに下記に指定する者の応募の受付を行った本店又は全国各支店に、公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面(以下「解除書面」といいます。)を交付又は送付してください。ただし、送付の場合は、解除書面が公開買付期間末日の15時30分までに到達することを条件とします。
オンラインサービスで応募された契約の解除は、オンラインサービス(https://hometrade.nomura.co.jp/)上の操作又は解除書面の交付もしくは送付により行ってください。オンラインサービス上の操作による場合は当該画面上に記載される方法に従い、公開買付期間末日の15時30分までに解除手続きを行ってください。なお、お取引店で応募された契約の解除に関しては、オンラインサービス上の操作による解除手続きを行うことはできません。解除書面の交付又は送付による場合は、予め解除書面をお取引店に請求した上で、公開買付期間末日の15時30分までにお取引店に交付又は送付してください。ただし、送付の場合は、解除書面が公開買付期間末日の15時30分までに到達することを条件とします。
※新型コロナウイルス感染拡大防止等の対応に伴い、店舗の店頭業務を一時休止する等の特別な対応を行っている可能性があります。詳細については、公開買付代理人の本店又は全国各支店にお問い合わせください。併せて、対象となる店舗、特別な対応等につきましては、公開買付代理人のホームページ(https://www.nomura.co.jp/)もご参照ください。
解除書面を受領する権限を有する者
野村證券株式会社 東京都中央区日本橋一丁目13番1号
(その他の野村證券株式会社全国各支店)

株券等の返還方法、応募及び契約の解除の方法

(3)【株券等の返還方法】
応募株主等が上記「(2)契約の解除の方法」に記載の方法により公開買付けに係る契約の解除を申し出た場合には、解除手続き終了後速やかに、下記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還します。

株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地

(4)【株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】
野村證券株式会社 東京都中央区日本橋一丁目13番1号

買付け等に要する資金等

(1)【買付け等に要する資金等】
買付代金(円)(a)38,165,719,600
金銭以外の対価の種類
金銭以外の対価の総額
買付手数料(b)180,000,000
その他(c)7,000,000
合計(a)+(b)+(c)38,352,719,600

(注1) 「買付代金(円)(a)」欄には、買付予定数(6,743,060株)に本公開買付価格(5,660円)を乗じた金額を記載しております。
(注2) 「買付手数料(b)」欄には、公開買付代理人に支払う手数料の見積額を記載しております。
(注3) 「その他(c)」欄には、本公開買付けに関する公告及び公開買付説明書その他必要書類の印刷費その他諸費用につき、その見積額を記載しております。
(注4) その他公開買付代理人に支払われる諸経費及び弁護士報酬等がありますが、その額は未定です。
(注5) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

金融機関、届出日以後に借入れを予定している資金

イ【金融機関】
借入先の業種借入先の名称等借入契約の内容金額(千円)
1
2銀行株式会社りそな銀行
(大阪府大阪市中央区備後町二丁目2番1号)
買付け等に要する資金に充当するための借入れ(注)
(1)トランシェA貸付
弁済期:2030年6月27日(分割弁済)
金利 :日本円TIBORに基づく変動金利
担保 :公開買付者株式等
(2)トランシェB貸付
弁済期:2030年6月27日(満期一括弁済)
金利 :日本円TIBORに基づく変動金利
担保 :公開買付者株式等
(3)トランシェC貸付
弁済期:2023年6月27日(満期一括弁済)
金利 :日本円TIBORに基づく変動金利
担保 :公開買付者株式等
(1)トランシェA貸付
6,600,000
(2)トランシェB貸付
15,400,000
(3)トランシェC
4,600,000
計(b)26,600,000

(注) 公開買付者は、上記金額の融資の裏付けとして、株式会社りそな銀行から26,600,000千円を限度として融資を行う用意がある旨の融資証明書を2022年11月7日付で取得しております。なお、当該融資の貸付実行の前提条件として、本書の添付資料である融資証明書記載のものが当該融資に係る契約書において定められる予定です。

その他資金調達方法

④【その他資金調達方法】
内容金額(千円)
TTC Holdings, L.P.による出資13,266,000
計(d)13,266,000

(注1) 公開買付者は、上記金額の裏付けとして、カーライル・ファンドから13,266,000千円を限度として出資を行う用意がある旨の証明書を取得しております。また、カーライル・ファンドは、カーライル・ファンドのリミテッド・パートナーであるCarlyle Japan Partners Ⅳ, L.P.(以下「第1ファンド」といいます。)及びCarlyle Japan International Partners Ⅳ, L.P.(以下「第2ファンド」といい、第1ファンドと併せて「主要ファンド」といいます。)から上記の出資のために使用する金額を調達する予定であり、第1ファンドから5,639,514,985円及び第2ファンドから7,626,485,015円(合計13,266,000千円)を限度として、それぞれ出資を行う用意がある旨の証明書を取得しております。
(注2) 公開買付者は、カーライル・ファンドを通じて、主要ファンドから、それぞれ以下の報告を受けることにより、主要ファンドの出資の確実性を確認しております。主要ファンドは、いずれもケイマン諸島法に基づき設立されたリミテッド・パートナーシップです。第1ファンドの投資家は、主として、日本国内の銀行、保険会社、資産運用会社、公的年金基金、私的年金及び他の民間基金、投資会社の機関投資家並びにファンド・オブ・ファンズ及び個人投資家等であり、第2ファンドの投資家は、主として、日本国外の政府系投資機関、銀行、保険会社、公的年金基金、私的年金基金、資産運用会社の機関投資家並びにファンド・オブ・ファンズ及び個人投資家です(以下主要ファンドの投資家を、「主要ファンド投資家」といいます。)。主要ファンド投資家は、それぞれ一定額を上限額として、その各主要ファンドに金銭出資を行うことを約束しており(当該上限額を「コミットメント金額」といいます。)、当該各主要ファンドを運営する者(以下「運営者」といいます。)から、投資期間内に金銭出資の履行を求める通知を受けた場合は、当該投資が法令等の違反になる等の一定の限定された例外的な場合を除き、それぞれのコミットメント金額の割合に応じて、自らの未使用のコミットメント金額の限度で、金銭出資を行うことが契約上義務付けられております。また、主要ファンドにおいては、一部の主要ファンド投資家が出資義務を履行しない場合、他の主要ファンド投資家は、運営者の求めに応じて、一定の範囲において、当該履行がなされなかった分について自らのコミットメント金額の割合に応じた額を追加出資する契約上の義務を負っているため、各主要ファンドは、上記出資の金額に相当する資金を拠出することができます。

買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計

⑤【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計】
39,866,000千円((a)+(b)+(c)+(d))

買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地

(1)【買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】
野村證券株式会社 東京都中央区日本橋一丁目13番1号

決済の開始日

(2)【決済の開始日】
2022年12月28日(水曜日)

決済の方法

(3)【決済の方法】
公開買付期間終了後遅滞なく、公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等(外国人株主等の場合は常任代理人)の住所宛に郵送します。
買付け等は、金銭にて行います。応募株主等は公開買付けによる売却代金を、送金等の応募株主等が指示した方法により、決済の開始日以後遅滞なく受け取ることができます(送金手数料がかかる場合があります。)。

株券等の返還方法、決済の方法

(4)【株券等の返還方法】
下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1)法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」及び「(2)公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき応募株券等の全部を買付けないこととなった場合には、公開買付期間末日の翌々営業日(公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日の翌営業日)以後速やかに、公開買付代理人の応募株主等口座上で、返還すべき株券等を応募が行われた直前の記録に戻すことにより返還します(株券等を他の金融商品取引業者等に設定した応募株主等の口座に振替える場合は、応募の受付をされた公開買付代理人の本店又は全国各支店にご確認ください。)。
※新型コロナウイルス感染拡大防止等の対応に伴い、店舗の店頭業務を一時休止する等の特別な対応を行っている可能性があります。詳細については、公開買付代理人の本店又は全国各支店にお問い合わせください。併せて、対象となる店舗、特別な対応等につきましては、公開買付代理人のホームページ(https://www.nomura.co.jp/)もご参照ください。

法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容

(1)【法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容】
応募株券等の総数が買付予定数の下限(4,495,400株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(4,495,400株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。

公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法

(2)【公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法】
令第14条第1項第1号イないしヌ及びワないしツ、第3号イないしチ及びヌ並びに同条第2項第3号ないし第6号に定める事情のいずれかが生じた場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。なお、令第14条第1項第3号ヌに定める「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」とは、①対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合であって、公開買付者が当該虚偽記載を知らず、かつ、相当の注意を用いたにもかかわらず知ることができなかった場合、及び、②対象者の重要な子会社に同号イからトまでに掲げる事実が発生した場合をいいます。
撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法

(3)【買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法】
法第27条の6第1項第1号の規定により、公開買付期間中に対象者が令第13条第1項に定める行為を行った場合には、府令第19条第1項の規定に定める基準に従い、買付け等の価格の引下げを行うことがあります。買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付け等を行います。

応募株主等の契約の解除権についての事項

(4)【応募株主等の契約の解除権についての事項】
応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも公開買付けに係る契約を解除することができます。解除の方法については、上記「7 応募及び契約の解除の方法」の「(2)契約の解除の方法」に記載の方法によるものとします。なお、公開買付者は、応募株主等による契約の解除があった場合においても、損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求することはありません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。解除を申し出られた場合には、応募株券等は当該解除の申出に係る手続き終了後速やかに上記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により返還します。

買付条件等の変更をした場合の開示の方法

(5)【買付条件等の変更をした場合の開示の方法】
公開買付者は、公開買付期間中、法第27条の6第1項及び令第13条第2項により禁止される場合を除き、買付条件等の変更を行うことがあります。買付条件等の変更を行おうとする場合は、その変更の内容等につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付け等を行います。

訂正届出書を提出した場合の開示の方法

(6)【訂正届出書を提出した場合の開示の方法】
訂正届出書を関東財務局長に提出した場合(ただし、法第27条の8第11項ただし書に規定する場合を除きます。)は、直ちに、訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを、府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。ただし、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付する方法により訂正します。

公開買付けの結果の開示の方法

(7)【公開買付けの結果の開示の方法】
本公開買付けの結果については、公開買付期間末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。

その他、その他買付け等の条件及び方法

(8)【その他】
本公開買付けは、直接間接を問わず、米国内においてもしくは米国に向けて行われるものではなく、また、米国の郵便その他の州際通商もしくは国際通商の方法・手段(電話、テレックス、ファクシミリ、電子メール、インターネット通信を含みますが、これらに限りません。)を使用して行われるものではなく、更に米国内の証券取引所施設を通じて行われるものでもありません。上記方法・手段により、もしくは上記施設を通じて、又は米国内から本公開買付けに応募することはできません。また、公開買付届出書又は関連する買付書類は米国内においてもしくは米国に向けて、又は米国内から、郵送その他の方法によって送付又は配布されるものではなく、かかる送付又は配布を行うことはできません。上記制限に直接又は間接に違反する本公開買付けへの応募はお受けしません。
本公開買付けの応募に際し、応募株主等(外国人株主等の場合は常任代理人)は公開買付代理人に対し、以下の旨の表明及び保証を行うことを求められることがあります。応募株主等が応募の時点及び公開買付応募申込書送付の時点のいずれにおいても、米国に所在していないこと。本公開買付けに関するいかなる情報(その写しを含みます。)も、直接間接を問わず、米国内においてもしくは米国に向けて、又は米国内から、これを受領したり送付したりしていないこと。買付け等もしくは公開買付応募申込書の署名交付に関して、直接間接を問わず、米国の郵便その他の州際通商もしくは国際通商の方法・手段(電話、テレックス、ファクシミリ、電子メール、インターネット通信を含みますが、これらに限りません。)又は米国内の証券取引所施設を使用していないこと。他の者の裁量権のない代理人又は受託者・受任者として行動する者ではないこと(当該他の者が買付け等に関する全ての指示を米国外から与えている場合を除きます。)。

会社の沿革

①【会社の沿革】
年月沿革
2022年10月14日商号をTTCホールディングス株式会社とし、本店所在地を東京都千代田区丸の内一丁目5番1号、資本金25,000円とする株式会社として設立。

会社の目的及び事業の内容、公開買付者の状況

②【会社の目的及び事業の内容】
(会社の目的)
1.会社の株式又は持分を所有することにより、当該会社の事業活動を支配・管理する業務
2.前号に付帯関連する一切の業務
(事業の内容)
公開買付者は、対象者の株式を取得及び所有し、本公開買付け成立後に対象者の事業を支配し、管理することを主たる事業としております。

資本金の額及び発行済株式の総数

③【資本金の額及び発行済株式の総数】
2022年11月9日現在

資本金の額発行済株式の総数
25,000円1株

(注) 公開買付者は、本公開買付けの決済の開始日の遅くとも2営業日前までに、上記「第1 公開買付要項」の「8 買付け等に要する資金」の「(2)買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等」の「④ その他資金調達方法」に記載のとおり、カーライル・ファンドに対する第三者割当増資(13,266,000千円以上)を行う予定であり、当該第三者割当増資により、公開買付者の資本金の額及び発行済株式の総数が増加する予定です。

大株主、公開買付者の状況

④【大株主】
2022年11月9日現在

氏名又は名称住所又は所在地所有株式数
(株)
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合
(%)
TTC Holdings, L.P.ケイマン諸島、グランド・ケイマンKY1-9008、ジョージ・タウン、エルギン・アべニュー190、ウォーカース・コーポレート・リミテッド1100.00
-1100.00

役員の職歴及び所有株式の数

⑤【役員の職歴及び所有株式の数】
2022年11月9日現在

役名職名氏名生年月日職歴所有株式数
(千株)
代表取締役山田 和広1963年3月28日1985年4月株式会社住友銀行(現 株式会社三井住友銀行) 入行
2001年2月カーライル・ジャパン・エルエルシー 入社 ディレクター就任
2005年1月カーライル・ジャパン・エルエルシー マネージング・ディレクター就任(現任)
2012年1月カーライル・ジャパン・エルエルシー 日本における代表者就任(現任)
2019年10月株式会社マネースクエアHD 取締役就任(現任)
2019年12月三共理化学株式会社 取締役就任(現任)
2022年10月公開買付者 代表取締役就任(現任)
取締役スーザン・メイリン・バス1972年6月28日1994年9月グラントソントン オーディター
1996年9月カーアメリカ・リアリティ・コーポレーション スタッフ・アカウンタント/シニア・マネージャー
2000年9月ホスト・ホテルズ・アンド・リゾーツ マネージャー
2001年10月ファースト・ワシントン・リアリティ・インク シニア・マネージャー
2006年4月フェデラル・リアリティ・インベストメント・トラスト シニア・マネージャー
2013年8月カーライル・グループ・エンプロイー・シーオー・エルエルシー ヴァイス・プレジデント
2019年1月カーライル・グループ・エンプロイー・シーオー・エルエルシー プリンシパル(現任)
2022年10月公開買付者 取締役就任(現任)
取締役ロバート・ウィリアム・ロゼン1983年10月22日2005年6月レズニック・グループ アソシエイト
2006年10月カーライル・グループ・エンプロイー・シーオー・エルエルシー スタッフ・アカウンタント
2009年12月カーライル・グループ・エンプロイー・シーオー・エルエルシー マネージャー
2017年12月カーライル・グループ・エンプロイー・シーオー・エルエルシー ヴァイス・プレジデント
2019年12月カーライル・グループ・エンプロイー・シーオー・エルエルシー プリンシパル
2021年12月カーライル・グループ・エンプロイー・シーオー・エルエルシー マネージング・ディレクター(現任)
2022年10月公開買付者 取締役就任(現任)

経理の状況、公開買付者の状況

(2)【経理の状況】
公開買付者は、2022年10月14日に設立された会社であり、設立後、事業年度が終了していないため、財務諸表は作成されておりません。

公開買付者と対象者又はその役員との間の合意の有無及び内容

(1)公開買付者と対象者の間の合意の有無及び内容
対象者プレスリリースによれば、対象者は、2022年11月8日開催の取締役会において、本公開買付けについて賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしたとのことです。
詳細については、対象者プレスリリース及び上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 対象者における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」をご参照ください。
(2)公開買付者と対象者の役員との間の合意の有無及び内容
該当事項はありません。

株価の状況

(単位:円)

金融商品取引所名又は認可金融商品取引業協会名東京証券取引所 スタンダード市場
月別2022年5月6月7月8月9月10月11月
最高株価2,7182,4442,3562,2992,2752,2562,220
最低株価2,1892,2272,2372,1122,1082,1452,182

(注) 2022年11月については、11月8日までのものです。

継続開示会社たる対象者に関する事項

(1)【対象者が提出した書類】
①【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第103期(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) 2021年6月28日関東財務局長に提出
事業年度 第104期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) 2022年6月29日関東財務局長に提出
②【四半期報告書又は半期報告書】
事業年度 第105期第1四半期(自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) 2022年8月10日関東財務局長に提出
事業年度 第105期第2四半期(自 2022年7月1日 至 2022年9月30日) 2022年11月11日関東財務局長に提出予定
③【臨時報告書】
該当事項はありません。
④【訂正報告書】
該当事項はありません。
(2)【上記書類を縦覧に供している場所】
東京特殊電線株式会社
(東京都港区西新橋三丁目8番3号)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

その他、対象者の状況

(1)「2023年3月期の期末配当予想の修正(無配)に関するお知らせ」の公表
対象者は、2022年11月8日の取締役会において、本公開買付けが成立することを条件に、2023年3月期の期末配当を行わないことを決議したとのことです。詳細につきましては、対象者が2022年11月8日付で公表した「2023年3月期の期末配当予想に関するお知らせ」をご参照ください。
(2)「2023年3月期第2四半期決算短信 [日本基準](連結)」の公表
対象者は、2022年11月8日付で対象者第2四半期決算短信を公表しております。対象者第2四半期決算短信に基づく、当該期の対象者の連結損益状況等は以下のとおりです。なお、当該連結損益状況等については、法第193条の2第1項の規定に基づく監査法人のレビューを受けていないとのことです。また、以下の対象者の損益状況等は、対象者第2四半期決算短信を一部抜粋したものであり、公開買付者は、その正確性及び真実性について独自に検証し得る立場になく、また、実際にかかる検証を行っておりません。詳細につきましては、対象者第2四半期決算短信をご参照ください。
① 損益の状況(連結)
会計期間2023年3月期 第2四半期(第105期)
売上高10,161百万円
営業利益1,447百万円
経常利益1,509百万円
親会社株主に帰属する四半期純利益1,098百万円

② 1株当たりの状況(連結)
会計期間2023年3月期 第2四半期(第105期)
1株当たり四半期純利益163.03円
1株当たり配当額50.00円