有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2022/11/17 15:00
【資料】
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【項目】
157項目
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに対する基本的な考え方
当社は、「利用者に最も近いソフトウェアを提供し、より豊かな社会を実現する」という経営理念の下、持続的な成長及び長期的な企業価値の向上を目指し、さまざまな事業に取り組んでいます。当社は、このビジョンを実現するためには、コーポレート・ガバナンスの実効性を確保することが不可欠との認識を有しております。コーポレート・ガバナンスの実効性を確保するため、当社、当社グループ及びその役職員が遵守すべき各種規則などを定め、これらを周知・徹底し、その運用、改善を通じて、全社として内部統制の強化、充実を図っております。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は監査役会設置会社です。当社では、取締役会と監査役・監査役会を中心としたコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。
取締役8名のうち3名を社外取締役にすることで取締役相互の監視機能を強化できると考えております。監査役は、公認会計士や弁護士などの専門的な見地からも取締役の職務執行に対する監査を行っております。また、監査役3名全員を社外監査役にすることでより独立した立場からの監査を確保し経営に対する監視機能の強化を図っています。さらに、当社社内のガバナンスを強化する機関としてコンプライアンス・リスク管理委員会を設置しております。これらのことから、コーポレート・ガバナンスの実効性を確保でき、持続的な成長及び長期的な株主価値の向上に有効であると判断し、現状の体制を採用しています。
その企業統治の体制の模式図は以下のとおりであります。

(取締役会)
当社の取締役会は、代表取締役社長1名、取締役会長1名、取締役6名の8名で構成されており、取締役の内3名が社外取締役であります。取締役会は、効率的かつ迅速な意思決定を行えるよう、定時取締役会を毎月1回開催するほか必要に応じて臨時取締役会を開催しております。取締役会は、法令又は定款に定める事項の他、経営上の業務執行の基本事項について決定するとともに、その執行を監督しております。取締役会は、占部哲之、福野泰介、大谷涼、大庭淳一、岸周平、赤浦徹、渡邉安弘、菅沼匠、松岡祥治郎、豊島絵、上杉昌隆により構成されており、議長は代表取締役社長の占部哲之が務めております。なお、赤浦徹、渡邉安弘、菅沼匠は社外取締役、松岡祥治郎、豊島絵、上杉昌隆は社外監査役です。
当社取締役会長である福野泰介は、当社を創業し、現在は当社会長兼当社子会社である株式会社B Inc.の社長を務めておりますが、主に当社エンジニアの採用に注力して当社企業価値向上へ貢献しているほか、こどもパソコン事業を通じたこども向けのプログラミング教育の推進、オープンデータプラットフォーム事業の推進による地域社会への貢献を通じて当社の社会的価値の向上を担っております。
(監査役・監査役会)
当社の監査役会は常勤監査役1名、非常勤監査役2名の計監査役3名で構成されており、全員が社外監査役であります。公認会計士及び弁護士を各々1名含んでおります。監査役は、取締役会への出席を通じ、取締役会の意思決定の状況及び取締役会の各取締役に対する監督状況を監督しています。さらに、取締役や従業員からの聴取などを通じて、取締役の業務執行について監査しています。なお、常勤監査役が子会社2社の監査役を兼務しております。
監査役会は原則として月1回開催され、監査役会にて、監査の方針や計画などを定めるほか、会計監査人の選任等に関して株主総会に提出する議案の内容の決定を行い、また、監査役の職務の執行状況、各監査役が会計監査人、取締役、内部監査部門等の使用人その他の者から受けた事項の報告を行っております。監査役会は、松岡祥治郎、豊島絵、上杉昌隆により構成されており全員が社外監査役です。また、議長は、常勤監査役の松岡祥治郎が務めております。
(経営会議)
経営会議は原則として月1回開催され、取締役会決議事項以外の重要な決議、各部門からの報告事項が上程され、審議等を行っております。経営会議は常勤取締役、及び代表取締役社長が指名した者をもって構成されており、その決議は、常勤取締役の過半数が出席し、出席した常勤取締役の過半数をもって行っております。経営会議は、占部哲之、福野泰介、大谷涼、大庭淳一、オブザーバーとして常勤監査役の松岡祥治郎により構成されております。また、議長は代表取締役社長の占部哲之が務めております。
(コンプライアンス・リスク管理委員会)
コンプライアンス・リスク管理委員会は原則として3ヶ月に1回開催され、リスク管理の状況を把握し必要な情報の共有化を図るとともに、適切なリスク管理を実施し、全社的なコンプライアンス及びリスク管理を推進するための審議を行っております。コンプライアンス・リスク管理委員会は委員長である代表取締役社長が指名した者をもって構成されております。コンプライアンス・リスク管理委員会は、占部哲之、福野泰介、大谷涼、大庭淳一、菅沼匠、その他代表取締役社長が任命した者、オブザーバーとして常勤監査役の松岡祥治郎、また必要に応じて代表取締役社長によって指名された者により構成されております。なお、菅沼匠は社外取締役です。
③ 企業統治に関するその他の事項
a 内部統制システムの整備の状況
当社は、会社法の定める「取締役の職務執行が法令及び定款に適合するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備」に関して当社で定める内部統制システム構築の基本方針に従って体制を構築・運用しております。この基本方針に基づく内部統制システムの整備・運用状況を絶えず評価し、必要な改善措置を講じるほか、この基本方針についても、経営環境の変化等に対応して不断の見直しを行い、一層実効性のある内部統制システムの整備・運用に努めます。当社の内部統制システムに関する基本方針は次のとおりです。
(i) 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
当社は、取締役及び使用人を含めた行動規範として「行動基準」を定め、その周知徹底を図るとともに、取締役及び使用人は、自らが主体的に法令、定款、社会的規範等を遵守し業務の遂行に当たります。
取締役は、これらを率先垂範し、その遵守の重要性につき繰り返し対話を行い、その周知徹底をはかるとともに、重大な法令違反その他法令及び社内規程の違反に関する重要な事実を発見した場合には、直ちに常勤監査役に報告するとともに、遅滞なく取締役会及び監査役会において報告します。
内部監査担当者は、コンプライアンスの実施状況を内部監査し、各部門における法令、定款及び社内規程の遵守状況の監査、問題点の指摘及び改善策の提案等を行います。
(ii) 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
当社は、「取締役会規程」「経営会議規程」「職務決裁基準規程」等に基づき、取締役の業務執行に係る事項を、取締役会又は稟議手続をもって、その重要性の度合に応じて決議又は決裁し、記録を残します。また、必要に応じて保存及び管理状況の検証、規程等の見直しを行います。
情報セキュリティについては、「情報セキュリティ管理規程」に基づき、情報セキュリティに関する責任体制を明確化し、情報セキュリティの維持・向上のための施策を継続的に実施します。企業秘密については、「内部者取引管理規程」及び「秘密情報管理規程」に基づき、秘密性の程度に応じて定める管理基準に従い適切に管理します。個人情報については、法令及び「個人情報管理規程」に基づき、厳重に管理します。
(iii) 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
当社は、「リスク管理規程」に基づき、当社として一貫した方針の下に、効果的かつ総合的にリスク管理を実施します。
事業活動に伴う各種のリスクについては、事業部門が、その担当事業に関するリスクの把握に努め、優先的に対応すべきリスクを選定したうえで、具体的な対応方針及び対策を決定し、適切にリスク管理を実施します。
経営上の重大なリスクへの対応方針その他リスク管理の観点から重要な事項については、経営会議において十分な審議を行うほか、特に重要なものについては取締役会及び監査役会において報告します。
事業の重大な障害・瑕疵、重大な情報漏洩、重大な信用失墜、災害等の危機に対しては、しかるべき予防措置をとります。また、緊急時の対策等を基本的指針に定め、危機発生時には、これに基づき対応します。
内部監査担当者は、リスク管理体制及びリスク管理の実施状況について監査を行い、監査を受けた部署は、是正、改善の必要があるときには、すみやかにその対策を講じます。
(iv) 取締役の職務の執行が効率的に行なわれることを確保するための体制
当社は、定例の取締役会を毎月1回開催し、取締役会規程により定めている事項及びその付議基準に該当する事項は、すべて取締役会に付議することを遵守して、重要事項の決定を行います。また、取締役会で定期的に各取締役から職務執行状況の報告を受け、職務執行の妥当性及び効率性の監督等を行います。日常の職務執行については、職務権限及び職務分掌等の規程に基づき権限の委譲を行い、権限と責任を明確化して迅速な職務の執行を確保するとともに、必要に応じて規程の見直しを行い、取締役の職務の執行が適正かつ効率的に行なわれる体制の構築、維持、向上を図ります。
(v) 当社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社は、職務分掌及び行動基準に基づいて、公正かつ効率的に経営を行う体制を確保します。各部門は、自らの業務の遂行にあたり、職務分離による牽制、日常的モニタリング等を実施し、業務の適正性の確保に努めます。
子会社については、「関係会社管理規程」に従い、子会社の取締役等の職務の執行に係る重要事項について承認を行うとともに、業績状況等について定期的に報告を受け、業務の適正化を図ります。
子会社は取締役会設置会社とし、子会社各社に取締役及び監査役を派遣し、グループ全体のリスクの抑止を図ります。また、内部監査による業務監査により、子会社の業務全般にわたる監視体制を確保します。
(vi) 財務報告の信頼性を確保するための体制
当社は、適正な会計処理を確保し、金融商品取引法が求める財務報告の信頼性を確保するため、内部統制の基本方針及び経理業務に関する規程を定めるとともに、適正かつ有効な内部統制システムの整備・運用を行います。
内部監査担当者は、金融商品取引法その他適用のある国内外の法令に基づき、財務報告に係る内部統制について監査を行い、監査を受けた部署は、是正、改善の必要があるときには、その対策を講じます。
(vii) 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する体制及びに
その使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合、取締役会は監査役と協議の上、監査役を補助すべき使用人を任命するものとします。
監査役が指定する補助すべき期間中は、指名された使用人への指揮・監督及び人事考課等に関する権限は監査役に移譲されるものとし、取締役の指揮命令は受けないものとして、その独立性を確保します。
(viii) 監査役を補助すべき使用人に対する指示の実効性に関する事項
当社は、監査役を補助すべき使用人に対する指示の実効性を確保するため、必要な知識・能力を備えた補助使用人を確保します。補助使用人は、内部監査担当者をはじめ執行部門の調査権限を有するとともに必要な会議に出席できるものとします。
(ix) 当社及び子会社の取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する
体制並びに報告をしたことを理由として不利益な取扱いを受けない体制を確保するための体制
取締役及び使用人は、監査役の求めに応じて、随時その職務の執行状況その他に関する報告を行います。各部門長及び内部監査担当者は、その職務の内容に応じ、定期的に常勤監査役に対する報告を行います。重要な決裁書類は、常勤監査役の閲覧に供します。
取締役及び使用人は、当社に著しい損害を及ぼすおそれのある事象及び不祥事や法令・定款違反行為等の重大な不正行為を認知した場合のほか、取締役会及び経営会議の付議事項・決議事項・報告事項、重要な会計方針及びその変更、内部監査の結果、その他必要な重要事項を、遅滞なく監査役に報告するものとします。
使用人からの監査役への通報については、法令等に従い通報内容を秘密として保持するとともに、当該通報者に対する不利益な取扱いを禁止します。
(x) その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査役は重要な意思決定のプロセスや業務の執行状況を把握するため、取締役会等重要会議に出席するとともに、稟議書類等業務執行に係る重要な文書を閲覧し、取締役及び使用人に説明を求めることができます。
監査役は代表取締役との定期的な意見交換を行うほか、独立性と権限により、監査の実効性を確保するとともに、管理本部及び会計監査人と緊密な連携を保ちながら自らの監査成果の達成を図ります。
監査役は、職務の執行上必要と認める費用について、あらかじめ予算を計上する。監査役が必要な費用の請求をしたときは、その費用は会社が負担するものとし、速やかに当該費用又は債務を処理します。緊急又は臨時の費用については、職務の執行上必要でないと認められた場合を除き、前払い又は事後当社に償還を請求できるものとします。
(xi) 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方
当社では、社会の秩序や企業の健全な活動に脅威を与える反社会的勢力に対して、一切関係を持たず、経済的な利益を供与せず、また違法・不当な要求に毅然として応じないことを基本姿勢とします。これを実現するために、社内において周知徹底を図るとともに、所轄警察署、公益社団法人警視庁管内特殊暴力防止対策連合会及び弁護士等の外部専門機関との連携を図るものとします。
b リスク管理体制の整備の状況
当社では、外部環境、天災・火災、情報の漏えい、システム障害、訴訟、サービスの品質等様々な事業運営上のリスクについて、「リスク管理規程」を制定し、これらのリスクにより当社が経営の危機に直面した場合には、代表取締役社長を対策本部長として当該危機を解決・克服又は回避することとしております。また、代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス・リスク管理委員会を設置しているほか、必要に応じて、弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士等の外部専門家の助言を受けられる体制を整えており、リスクの未然防止と早期発見に努めております。
c 取締役会で決議できる株主総会決議事項
(i) 取締役及び監査役の責任免除
当社は、取締役及び監査役が期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨定款に定めております。
(ii) 中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を可能にすることを目的として、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨定款に定めております。
(iii)自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己株式を取得することができる旨定款に定めております。
d 責任限定契約の内容の概要
当社と各社外取締役及び各社外監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、各氏とも1百万円又は法令が定める額のいずれか高い額としております
e 取締役の定数
当社の取締役は9名以内と定款に定めております。
f 取締役の選任の決議要件
取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
g 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項の定めによる決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。