訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2022/12/14 15:00
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【項目】
157項目

事業等のリスク

投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものが挙げられます。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生時の対応に努める方針でありますが、当社グループの経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)モバイル関連市場について
発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社グループは、スマートフォンの普及及びインターネットの高速化・低価格化に伴って、ユーザー数、売上等は順調に拡大を続けており、今後もこの傾向は継続するものと認識しております。しかしながら、通信に対する法規制の導入、通信費の増加、通信障害の発生、携帯電話やインターネットの通信事業者との関係の悪化、スマートフォンや各種オペレーティングシステムの仕様変更等による当社グループのサービス継続提供に対する支障発生等が、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)競合について
発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
今後、高い資本力や知名度を有する企業等の参入による競争の激化とユーザーの流出やユーザー獲得コストの増加等により、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。そのような場合には、当社グループが今後競争優位性を発揮し、企業価値の維持向上が図れるか否かにつきましては不確実であり、競合他社や競合サービスの状況により当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)技術革新への対応について
発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社グループはインターネット関連技術に基づいて事業を展開しておりますが、インターネット関連分野は新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われており、非常に変化の激しい業界となっております。また、ハード面においては、スマートフォンの普及が順調に進んでおり、新技術に対応した新しいサービスが相次いで展開されております。
このため、当社グループはエンジニアの採用・育成や創造的な職場環境の整備、また、特にスマートフォンに関する技術・知見・ノウハウの取得に注力しております。
しかしながら、かかる知見やノウハウの獲得に困難が生じた場合、また、技術革新に対する当社グループの対応が遅れた場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。さらに、新技術への対応のために追加的なシステム、人件費などの支出が拡大する可能性があります。このような場合には、当社グループの技術力低下、それに伴うサービスの質の低下、そして競争力の低下を招き、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)ユーザーの嗜好の変化について
発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社グループの開発運営するスマートフォンアプリでは、ユーザーの嗜好の変化は非常に激しくなっております。当社グループでは、ユーザーの嗜好に合うサービスの開発及び運営を行うために、マーケティング調査等を行い、ユーザー利便性の高いサービスを提供するように努めております。
しかしながら、ユーザーの嗜好の変化への対応が遅れた場合や新規参入企業や競合他社のサービスとの十分な差別化が図れない場合には、想定より収益が減少する可能性があります。その結果、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)システムに関するリスク
発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社グループの事業は、携帯電話やPC、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークに全面的に依存しており、自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社グループの事業及び業績は深刻な影響を受けます。また、当社グループの運営する各サイトへのアクセスの急激な増加、データセンターへの電力供給やクラウドサービスの停止等の予測不可能な要因によってコンピュータ・システムがダウンした場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループのコンピュータ・システムは、適切なセキュリティ手段を講じて外部からの不正アクセスを回避するよう努めておりますが、コンピュータ・ウイルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)自然災害、事故等について
発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社グループでは、自然災害や事故等に備え、定期的なバックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの未然防止又は回避に努めておりますが、当社グループ所在地近辺において、大地震等の自然災害が発生した場合、当社グループ設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生して、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(7)ライブ配信サービスへの依存について
発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社グループの営業収益は、ライブ配信サービスにおける視聴ユーザーが使用するアイテムの販売が収益全体の約99%を占めております。今後も広告宣伝等のマーケティング施策によるユーザーの増加、機能提供の拡充、事業規模拡大を通じた認知度向上等により、収益規模は拡大していくものと考えておりますが、新たな法的規制の導入や改正、その他予期せぬ要因によって、当社グループの想定通りにライブ配信サービスが伸長しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8)特定のプラットフォーム事業者の動向について
発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
現状において、当社グループの売上に関しスマートフォンアプリサービスの比率が高いことから、Apple Inc.及びGoogle Inc.の2プラットフォーマーへの収益依存が大きくなっております。
しかしながら、これらプラットフォーマーの事業戦略の転換や動向によっては、手数料率の変動等何らかの要因により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループはプラットフォーム事業者のガイドラインを適切に遵守することを定めた「アプリ審査及びリリースにかかる基本方針」に従ってサービスを運用しておりますが、プラットフォーム事業者の方針変更などにより、当社グループの提供するライブ配信アプリや当社グループのアカウントがプラットフォーム事業者により削除された場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)不特定多数の者を対象とする事業について
発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社グループのライブ配信サービスにおいて、有料課金サービスの利用により発生するユーザーに対する売上債権は、その多数を小口債権が占めております。決済代行業者の回収代行サービスを利用していること等により、未回収債権が発生する割合は限定的であると認識しておりますが、サービス利用者の拡大に伴い、未回収となる小口債権が急増した場合には、その債権回収コスト及び未回収債権が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)風評リスクについて
発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社グループ及び当社グループが提供するサービス並びに当社グループが提供するサービスを利用するユーザー等に対する否定的な書き込みがインターネット上等で発生し、その書き込みを要因としたSNS等での拡散やマスコミ報道等による風評被害が発生・拡散された場合には、それが事実に基づくものであるかどうかに関わらず、当社グループの社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、定期的にインターネット上の風評を調査し、これらの風評の早期発見及び影響の極小化に努めておりますが、外的要因・予測不可能な要因により発生するものも多く、本リスクの顕在化する可能性、程度及び時期を具体的に予測することは困難であります。
(11)サービスの健全性に関するリスク
発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社グループは、モニタリングが必要なすべてのサービスにおいて、ユーザー等のモニタリングを常時行っており、規約に違反したユーザーに対しては、改善の要請や退会等の措置を講じるよう努めております。さらに、適切なサービス利用を促進させるためにサービスを利用する上でのマナーや注意事項等をより一層明確に表示し、モニタリング・システム等の強化やサイト・パトロール等のための体制の増強など、システム面、人員面双方において監視体制を強化し、健全性維持の取り組みを継続しております。
また、当社グループが提供する一部のサービスは、不特定多数のユーザーが、各ユーザー間において独自にコミュニケーションを取ることを前提としております。当社グループは、健全なコミュニティを育成するため、利用規約において社会的問題へと発展する可能性のある不適切な利用の禁止を明示しております。
しかしながら、急速にユーザー数が拡大しているサービスにおいては、ユーザーによるコンテンツ内の行為を完全に把握することは困難となり、ユーザーの不適切な行為に起因するトラブルが生じた場合に、利用規約の内容にかかわらず、当社グループが法的責任を問われる可能性があります。また、法的責任を問われない場合においても、レピュテーション・リスクを伴って当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
なお、事業規模の拡大に伴い、サービスの健全性の維持、向上のために必要な対策を継続して講じていく方針でありますが、これに伴うシステム対応や体制強化の遅延等が生じた場合や、対応のための費用が想定以上に増加した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)為替変動について
発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社グループは、ライブ配信事業において一部Amazon Web Servicesのサーバーを利用しております。当該取引の料金体系は米ドルベースで定められていることから、事業計画作成時点の為替相場からレートが、大きく変動する場合にはサーバー費用が計画対比で増減し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(13)小規模組織について
発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社グループは小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものになっております。当社グループは今後の急速な事業拡大に応じて、従業員の育成、人材の採用を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(14)内部管理体制について
発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社グループは、企業価値の持続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらには健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しております。
当社グループでは内部管理体制の充実に努めておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)知的財産権に関するリスク
発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社グループは、運営するサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権を侵害しないよう、十分な注意を払っております。
しかしながら、今後当社グループが属する事業分野において第三者の権利が成立した場合は、第三者より損害賠償及び使用差止め等の訴えを起こされる可能性、並びに、権利に関する使用料等の対価の支払が発生する可能性があり、また当社グループの知的財産権が侵害された場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(16)当社グループのサービスに関連する法的規制について
発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社グループが運営しているサービスにおいては各種法的規制を受けており、具体的には、「電気通信事業法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)」、「特定商取引に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「資金決済法」等といった法的規制の対象となっております。当社グループでは、上記を含む各種法的規制に関して、法令遵守体制の整備・強化、社員教育を行っております。
しかしながら、今後当社グループのサービスに関連する法的規制の制定又は改正がなされることで、当社グループの業務の一部が制約を受ける場合、又は新たな対応を余儀なくされる場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(17)訴訟等について
発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
ユーザーによる違法行為やトラブル、第三者の権利侵害等があった場合には、当社グループに対してユーザーその他の第三者からの訴訟その他の請求を提起される可能性があります。一方、当社グループが第三者に何らかの権利を侵害され、または損害を被った場合には、訴訟等による当社グループの権利保護のために多大な費用を要する可能性があります。
このような場合には、その訴訟等の内容または請求額によっては、当社グループの経営成績、財政状態及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(18)個人情報の管理について
発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社グループは、ユーザーの氏名、住所、メールアドレス等の個人を特定しうる重要な情報を保持しております。そのため、個人情報保護規程等に基づき情報管理体制の強化に取り組んでおります。
しかしながら、何らかの事情で重要な情報が漏洩した場合には、当事者に対する損害賠償や信用失墜により、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(19)税務上の繰越欠損金について
発生可能性:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社グループは、2023年3月期第2四半期連結会計期間末において、税務上の繰越欠損金が1,718百万円存在しております。そのため、現在は通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課せられておりませんが、今後、当社グループの業績が事業計画に比して順調に推移し、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純損益及びキャッシュ・フローに重要な影響を与える可能性があります。
なお、本リスクが顕在化する可能性は、本書提出日以降において相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、事業成長により業績を向上させ、早期の繰越欠損金の解消ができるよう努めてまいります。
(20)配当政策について
発生可能性:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社グループは、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題であると認識し、事業基盤の整備状況、業績や財政状態などを総合的に勘案のうえ配当の実施の検討を行う予定であります。当面は、事業基盤の整備を優先することが株主価値の最大化に資するとの考えから、その原資となる内部留保の充実を基本方針とさせていただく所存であり、現時点において、今後の配当実施の可能性及び実施時期等については未定であります。
(21)新型コロナウイルス感染症の影響について
発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社グループが展開するライブ配信事業は、新型コロナウイルス感染症に起因する余暇の過ごし方の変化によって認知が拡大した面はありましたが、コロナ禍での生活様式が一般化した現在においては、感染状況に関わらず、当社グループの業績への影響は限定的であります。
しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が終息に向かわず、今後数年にわたり拡大が続いた場合には、深刻な経済的影響が生じ、個人消費の冷え込みに繋がることが予想され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(22)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
発生可能性:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社グループは、役員及び従業員のモチベーション向上のため新株予約権(以下、「ストック・オプション」)を発行しており、本書提出日現在、その数は3,750,000株、発行済株式総数(潜在株式を含む)の8.19%となっております。このストック・オプションが行使された場合、1株当たりの株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
(23)ベンチャーキャピタル等の持株比率について
発生可能性:大、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
本書提出日現在において、当社発行済株式総数42,054,000株のうち、計17,886,000株はベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「VC等」という。)が所有しており、VC等が保有する当社株式の公募増資前の発行済株式総数に対する割合は42.5%と高い水準になっております。一般にVC等による未公開企業への株式所有目的は、株式上場後に売却を行いキャピタルゲインを得ることであります。今回当社が計画している上場後において、VC等が所有する当社株式を市場にて売却した場合には、当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
(24)当社株式の流動性について
発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社は、本公募及び売出しによって当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は新規上場時において25.83%にとどまる見込みです。今後、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
今後は、大株主からの売出、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針でございます。