有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2023/03/16 15:03
【資料】
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【項目】
162項目

研究開発活動

第71期連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
当社グループにおける研究開発は、当社研究開発本部及び土佐工場品質技術部にて実施しております。研究開発本部は和歌山研究開発部と東京研究開発部で構成され、新規事業に関する調査・研究業務、受託品の合成検討・中規模試作業務、既存製品の改善業務及び製品分析業務を当社グループより受託し、当社グループの顧客の要望にいち早く応えるべく、スピーディーな対応に努めております。また当社土佐工場については、顧客へのよりスピーディーな対応と研究開発業務のさらなる効率化を目的として品質技術部技術開発グループを設置し、対応力の向上を図っております。なお、研究開発業務に従事する人員は、研究開発本部については本部長以下17名、土佐工場品質技術部技術開発グループについては部長以下5名となっており、当連結会計年度の研究開発費の総額は195百万円であります。
なお、研究開発活動が各セグメント別に関連づけられないものもあるため、セグメント別の研究開発費の金額は記載しておりません。
当社グループは、既存事業の強化を図る目的で、既存事業の周辺領域への展開も含めた以下の研究開発テーマに取り組んでおります。
(1) ニッチ市場に特化した事業の強化・新製品開発
工場排水や下水排水に利用されている水処理凝集剤については、顧客側での水処理凝集剤の使用量を減らし利便性を高める製品開発を行っております。健康食品関連食品用の日持ち向上剤分野においては、顧客側での利用対象食品の拡大が可能となる研究開発を実施しております。また、他社からの製造開発委託案件の事業化検討にも取り込んでおります。
(2) 既存製品の抜本的なコスト低減技術・安定製造化技術の開発
当社グループは塩水の電気分解により生成される苛性ソーダ、併産される塩素や水素を活用した各種製品の製造及び販売を行っており、この電解時の苛性ソーダ・塩素・水素の生成比率に応じた新規誘導体開発の研究を実施し、事業全体の生産量拡大によるコスト低減を目指しております。
(3) 廃硫酸・硫酸リサイクル領域への展開(新技術導入)
石油精製業者などの廃硫酸供給業者より廃硫酸を引き取り、硫酸を精製し、各種メーカーへ販売する現行のリサイクル事業に加え、新技術導入による処理量並びに受入れ廃硫酸の種類を広げることを目的とした研究開発を実施しております。
(4) 脱塩素セメント原料リサイクル事業の開始
セメント工場から排出される焼却飛灰の塩素・重金属を除去し、セメント原料としてリサイクルするための脱塩事業用設備を新設しており、2024年3月期中の事業開始を予定しておりますが、これに加えて、地方公共団体から排出される一般廃棄物由来の飛灰をリサイクルする際の技術を確立すべく、研究開発を実施しております。
(5) 当社製造製品販売後の回収・再利用検討
当社製造品目として販売を行っている水硫化ソーダ・水酸化アルミ・酢酸ナトリウムについて、顧客側で廃棄される廃棄物を引き取り、当社製造時の原料としてリサイクルするための研究開発を進めております。ラボベースですが、一部製品はリサイクルを実証済みであり、今後、事業化の可能性検討とマーケティングを並行して実施しております。
(6) 次世代電池領域でのリサイクル
次世代電池の開発時及び普及後に排出される廃棄物の処理には、硫黄化合物やナトリウム化合物の処理が課題となるため、現在、電池一般のリサイクルの将来像調査、レアメタル回収事業調査を産学連携のもとで実施しております。
(7) 各種塩事業における生産性向上技術検討、新用途の開発支援
品揃え充実を目指し、微粒塩や飼料塩等の製造技術確立に向けた研究を実施しております。
第72期第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、133百万円であります。
なお、2023年3月末の富士アミドケミカル㈱操業停止に伴い、同社内に位置する東京研究開発部の業務内容の取捨選択を実施し、人員・必要機器の和歌山研究開発本部への集結を実施しています。同社研究開発業務に従事する人員は、研究開発本部については本部長以下18名、土佐工場品質技術部技術開発グループについては部長以下5名となっております。