有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2023/03/08 15:00
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【項目】
173項目
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、お客様の役に立つために、流通業の『ムダ・ムラ・ムリ』をなくすことが、社会の課題解決につながると考えております。これを実現することにより、世界の誰もが「豊かさ」を享受できる社会を創造していくことを当社の使命と考えます。また、株主・投資家を含むステークホルダーの皆様と協働することが、企業としての持続的な成長と企業価値向上の実現につながると考えております。そのためには、コンプライアンスの徹底、経営の透明性の確保とともに、迅速な意思決定によるスピード経営の実現が重要であり、その仕組みを構築し、機能させることがコーポレート・ガバナンスの基本的な考え方となります。この基本的な考え方に基づき、コーポレート・ガバナンスの継続的な進化と充実に取り組みます。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
a 企業統治体制の概要
当社は会社法上の機関として、株主総会、取締役会及び監査役会を設置しております。また機動的な業務執行を図るためマネジメントカンファレンスを設けております。さらにコーポレート・ガバナンスの充実のために、株主総会の充実、取締役会の一層の機能強化を図るとともに、各種諮問機関等を設けております。各機関の概要は以下のとおりです。
(a)取締役会
取締役会は、代表取締役社長亀田晃一が議長を務め、「(2)役員の状況」に記載されている全ての取締役で構成されており、毎月1回定期的に開催され、月次決算の報告及び会社法、取締役会規程に定められた事項に関する審議を行っております。業務執行の具体的内容や、その背景となる戦略検討及び重要事項の取組方針の審議が行われ、その結果に基づいて業務執行責任者が意思決定を行う仕組みとなっております。
(b)監査役会
監査役は、毎月開催される取締役会等の重要な会議に出席することにより、各取締役の業務遂行状況を確認するとともに、業務遂行における経営上遵守すべき各法律においてコンプライアンスがなされているか適宜適切な意見を表明することで、牽制機能を果たしております。
監査役会は、常勤監査役上里剛志が議長を務め、「(2)役員の状況」に記載の全ての監査役で構成されております。経営の透明性の向上と経営監視機能の強化を図るため、非常勤監査役2名を社外監査役としております。各監査役は経営全般、会計、企業法務等において専門的知見、経験等を有し、また、非常勤監査役2名を独立役員として選任することで、当社の経営・業務執行の意思決定につき、経営監視機能の客観性及び中立性は十分に確保できると判断し現状の体制を採用しております。
(c)内部監査室
当社の内部監査室は、内部監査室長を含む3名で構成されております。また連結子会社である㈱トライアルカンパニーも内部監査室を設置しており、内部監査室長(当社内部監査室兼任)を含む7名で構成されております。㈱トライアルカンパニーの内部監査室は流通小売事業の小売店舗の監査を、当社の内部監査室は小売店舗を除いた当社及び子会社の監査を行っております。それぞれの内部監査室は「内部監査規程」及び年間監査計画に基づき定期的に監査を実施しております。監査結果は代表取締役社長及び監査役会に報告するとともに、被監査部門に対する具体的な指導とフォローアップを行っております。
(d)会計監査人
当社は、PwC京都監査法人と監査契約を締結し、適時適切な監査が実施されております。なお、同監査法人及び当社監査に従事する同監査法人の業務執行社員と当社との間には特別な利害関係はありません。
(e)マネジメントカンファレンス
マネジメントカンファレンスは、代表取締役社長亀田晃一が議長を務め、常勤取締役3名及び常勤監査役1名を中心として構成されており、迅速かつ効率的な意思決定を行うことを目的として、全社的に影響を及ぼす経営上の重要事項の審議・検討のほか、業績の進捗状況の確認及び各種重要連絡事項の共有等を行うものとして、毎月1回開催しております。
(f)指名・報酬諮問委員会
経営陣幹部・役員の指名(後継者計画を含む)・報酬などに係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するため、取締役会の下に任意の諮問機関として、独立社外取締役を過半数とし(常勤取締役1名(永田洋幸)、独立社外取締役2名(立本博文及び張相秀))、独立社外取締役立本博文を委員長とする指名・報酬諮問委員会を設置しております。経営陣幹部・役員の選解任及び報酬等は、同委員会に事前に諮問し、その答申を最大限尊重して取締役会で決定しております。
(g)グループリスクコンプライアンス委員会
全社のリスク事象及びコンプライアンス事案の把握、重大なコンプライアンス事件・事故等の発生時における対応策等の検討など、リスク及びコンプライアンスに関する損失の最小化を目的として設置しており、取締役会又は管理管掌役員から意見を求められた場合のほか、原則として四半期に1回定例会議を開催しております。
(h)情報セキュリティ委員会
情報セキュリティに関する全社検討及びセキュリティ事件・事故等の発生時における対応策等の検討を目的として設置しており、原則として毎年4回定例会議を開催しております。
(i)ハラスメント委員会
ハラスメント案件の未然防止、案件の適切な対応・再発防止策の策定等を行うことを目的として設置しており、原則として毎週1回開催しております。
(j)懲罰委員会
従業員による不祥事等の発生に際し、その関係者等に対し懲戒処分を科すことの要否、及び処分の軽重に関する意思決定にあたり公正な取扱いを行うことを目的として設置しており、必要に応じ、委員長がこれを招集し適宜開催することとしております。
(k)関連当事者等取引検討委員会
関連当事者取引の事前把握並びに当該取引の必要性及び取引の妥当性を検証することを目的として設置しており、原則毎月1回開催しております。委員会はグループ管理部管掌役員を委員長とし、その他委員については取締役会の決議により選任された社外取締役又は監査役で構成することで、委員会の透明性を担保しています。
会社の機関・内部統制の関係は以下のとおりであります。
0204010_001.png(注)当社グループは、連結子会社である㈱トライアルカンパニーにも内部監査室を設置しております。㈱トライアルカンパニーの内部監査室は流通小売事業の小売店舗の監査を、当社の内部監査室は小売店舗を除いた当社及び子会社の監査を行っており、適時双方の内部監査室間で連携を行っております。
b 企業統治の体制を採用する理由
当社は、経営体制の透明性を確保するとともに、コーポレート・ガバナンスのより一層の充実・強化を図ることを目的として、2021年9月に監査役会設置会社に移行いたしました。取締役6名のうち、2名を社外取締役とすることにより、各専門分野における客観的な立場からの助言・提言を受けるとともに、取締役会の監督機能の強化を図っております。また、監査役3名のうち、2名を社外監査役とすることで経営監視機能の客観性、中立性を確保しております。これらに加え、社外取締役が過半数で構成される指名・報酬諮問委員会や、社内の取締役及び監査役を中心とした経営会議体「マネジメントカンファレンス」を設置することにより、経営の透明性を確保しつつ、迅速な意思決定によるスピード経営が実現できる体制を構築しております。
③ 企業統治に関するその他の事項
a 内部統制システムの整備の状況
当社は、内部統制システムの適切な構築・運用が業務執行の公正性及び効率性を確保するのに重要な経営課題であるとの認識から、2022年1月21日開催の取締役会において内部統制システム構築に関する基本方針を定めております。
1.取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
イ)取締役は、当社及び当社子会社(以下「当社グループ」という。)が共有すべきルールや考え方を表した「TRIAL の行動指針」を通じて、トライアルグループにおける企業倫理の確立並びにその遵守の重要性につき繰り返し情報発信することにより、その周知徹底をはかる。
ロ)取締役会は社外取締役を含む取締役で構成し、法令、定款及び「取締役会規程」その他の社内規程等に従い、重要事項を決定するとともに、取締役の職務の執行を監督する。
ハ)監査役は、「監査役会規程」及び「監査役監査基準」に則り、取締役の職務執行の適正性を監査する。
2.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
イ)情報セキュリティについては、「情報セキュリティポリシー」及び「情報セキュリティポリシー運用規程」に基づき、情報セキュリティに関する責任体制を明確化し、情報セキュリティの維持・向上のための施策を継続的に実施する情報セキュリティマネジメントの実施体制を確立する。「情報セキュリティ委員会」で審議し、トライアルグループ全体で横断的に推進する。
ロ)取締役、執行役員及び使用人がその職務の執行をするにあたり必要とされる稟議書、株主総会議事録、取締役会議事録その他の文書を当社の社内規程に従い作成する。
ハ)作成した文書(電磁的情報を含む)は文書管理規程に従い、保存及び管理をする。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
当社は、危険の未然防止及び危機発生時の被害最小化を目的としたグループリスクコンプライアンス委員会の設置及び「グループリスク・コンプライアンス管理規程」を策定し、リスクの減少及び被害の低減に努める。また、リスク項目ごとに分科会を定め、当社グループ全体の損失の危険を管理することを通じて、ステークホルダーに対する安心・安全の提供及びブランド価値の毀損防止はもとより、企業価値の向上にも努める。
4.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
イ)取締役会を月一回開催するほか、必要に応じて適宜臨時に開催し、取締役の執行状況については四半期に一回取締役会に報告する。
ロ)業務執行については、あらかじめ定められた「業務分掌規程」、「職務権限規程」、「関係会社管理規程」により、それぞれの業務執行において必要となる権限を付与して経営責任を明確化する。
ハ)当社はグループの中期経営計画を定め、当社グループの全役職員に浸透を図るとともに、その実現に向け、事業分野別の目標数値を設定する。
5.使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
イ)当社は、「TRIAL の行動指針」を制定・施行し、使用人一人ひとりがコンプライアンスの重要性を認識し、取引先・株主・従業員等のステークホルダーの要望に応えるため、法令等を遵守するよう徹底を図る。
ロ)代表取締役の直轄部署として内部監査室を設置し、内部監査を実施しております。内部監査室監査により法令・定款及び社内規程に違反する事項が発見された場合、内部監査室は直ちに代表取締役社長に報告する。
ハ)使用人が法令・定款及び社内規程に違反する行為を発見した場合には、コンプライアンス推進者に通報できる社内体制を整備する。
6.当社グループにおける業務の適正を確保するための体制
イ)取締役が、自己または親会社、子会社、その他第三者のために当社と利益が実質的に相反する恐れのある取引を行う場合、取締役会でその取引内容の詳細について審議したうえ、取締役会で承認を得てから実施をする。
ロ)親会社、子会社、その他関連会社等と取引を行う場合は、取引を実施する担当部門は「関連当事者等取引管理規程」に則り、取締役会でその取引内容の詳細について審議したうえ、取締役会で承認を得てから実施をする。なお、年1回関連当事者取引先各社との年間取引実績の報告を行い、取引の合理性・相当性の精査を行う。取引に関する取締役会決議を行う場合は、当該取引に利害関係を有する取締役を特別利害関係人として除外した上で決議するなどして、手続きの公正性を確保する。
ハ)内部監査室は、当社グループの業務の適正性について監査を行う。ただし、内部監査部門を有する子会社については、当該部門と連携して行う。
7.監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項、並びに補助使用人の当社取締役からの独立性に関する事項及び当該使用人に対する指示の実行性の確保に関する事項
イ)専属の使用人は設置せず、監査役は内部監査室長と協議の上、内部監査室所属のスタッフに監査業務に必要な事項を命令できるものとする。
ロ)前項によって指名されたスタッフへの指揮命令権は監査役に移譲されたものとし、取締役、内部監査室等からの指揮命令は受けないものとする。
8.取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
イ)取締役及び使用人は、監査役の求めに応じて、随時その職務の執行状況その他に関する報告を行う。
ロ)監査役は、取締役会、グループリスクコンプライアンス委員会その他の重要な会議に出席し、取締役等からその職務執行状況を聴取し、関係資料を閲覧することができる。
ハ)当社は、子会社の取締役、執行役員及び使用人が、監査役の求めに応じて、随時その職務の執行状況その他に関する報告を行うよう指導する。
ニ)使用人は、監査役に対して、当社に著しい損害を及ぼすおそれがある事実等を直接報告できるものとする。
9.監査役に報告を行った者が当該報告をしたことを理由として不当な取扱いを受けないことを確保するための体制
「内部通報規程」において、上記により監査役に対して報告を行った者に対する不利益取扱を禁止する旨明記し、十分周知する。
10.監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査役がその職務の執行について、当社に対し、会社法第388条に基づく費用の前払い等の請求をしたときは、担当部署において確認のうえ、速やかに当該費用または債務を処理する。
11.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
イ)監査役は、取締役会に出席するほか、必要と認める重要な会議に出席する。
ロ)監査役は月1回定時に監査役会を開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、監査実施状況等について情報交換及び協議を行うとともに、会計監査人から定期的に会計監査に関する報告を受け、意見交換を行う。
ハ)内部監査室は、監査役との間で、各事業年度の内部監査計画の策定、内部監査結果等につき、密接な情報交換及び連携を図る。
ニ)監査役は、監査の実施にあたり必要と認めるときは、外部専門家を独自に起用することができる。
b リスク管理体制の整備の状況
リスク管理体制につきましては、リスクを未然に予防することを含め、各業務部門における業務・経営・市場・信用等のあらゆる面のリスクを捉え、自然災害から人為的なリスク、社内外でのリスク等を正確に把握、分析、対処していく体系的なリスク管理体制の整備に取組んでおります。
また、取締役会においてコンプライアンス体制の遵守状況に対する確認を四半期に1回定期的に実施し各業務部門における法令遵守の徹底を図り、リーガルリスク回避の徹底を図っております。