有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2023/05/24 15:00
【資料】
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【項目】
126項目

事業内容

当社は「ユニークであれ。革新的であれ。」をスローガンに掲げ、企業のデジタル技術を活用するためのITサ
ービスの開発力不足に悩む企業にシステム開発を提供することに特化したシステム開発事業を展開しております。
なお、当社はシステム開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1)事業の概要
近年様々な産業においてIT化・デジタル化が進む中、日本においては深刻な社会問題として慢性的にIT人材が不足
しており、ITの開発力不足に悩む企業に対し、当社はITエンジニアの派遣契約・準委任契約・請負契約に基づくシステム開発・運用保守を行うことや、請負契約に基づくシステムの受託開発を行う等の形態でサービスを提供しております。特定の業種に依存せず、産業領域に特化しないことで、製造業、サービス業等様々な業種の顧客企業にサービスを展開しております。
(2)事業の強みと特徴
①顧客層とサービス内容について
当社は、顧客企業を通じて、情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業、電気・ガス・熱供給・水道業等の様々な業種のエンドユーザー企業のシステム開発・運用保守を幅広く行うことにより、特定の企業・案件に依存せずに受注を獲得しているため、取引先の裾野が広く多くの取引先から受注を獲得しております。
顧客企業は大手企業グループを中心として、主にメーカー系(NEC系列、日立系列等)・ユーザー系(伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、SCSK株式会社等)・独立系(株式会社NSD、富士ソフト株式会社等)システム会社及びその事業所です。
顧客企業の殆どは首都圏に所在しており、これらの顧客企業から新規開発・保守開発等の案件を受託し、当社の各ニアショア拠点(注1)を活用し開発を行っております。受託される案件の特徴としては、客先常駐先の顧客企業を通じて依頼される、様々な業種のWEBアプリケーションやスマートフォンアプリの開発等です。
当社は開発実績を独自のフレームワークとして構築しており、システムコンサルティングサービスと連携させることにより、顧客のニーズに沿った最適なプランを提供するよう努めることで高効率な開発と高品質なサービスの提供を実現しております。又、各地のニアショア拠点を活用することで、開発を効率的に進めることができ、顧客企業の様々なニーズに柔軟に対応することも可能となっております。例えば首都圏で要件定義(注2)と設計作業、ニアショア拠点で開発作業といった対応を行うといった顧客企業の要望にも応えることができる社内体制と人材を用意するよう努めております。
又、システム開発後の運用・保守作業にも対応できる社内体制も整備しており、大手顧客企業を中心に、安定的な受注の継続と他の顧客企業からの新規受注を獲得できております。
②IT関連人材供給力・対応力について
ITエンジニア人材を安定的に採用・定着させるために、当社では新卒採用、人材紹介会社を通したキャリア採用に加え、リファラル採用(注3)を行っており採用時並びに採用後のミスマッチを防ぐ取り組みをしております。
当社は全国の都市圏にニアショア拠点を開設することでITエンジニアの確保と分業開発体制での効率化で開発コストの削減を実現しております。2011年に札幌本社内に札幌ニアショア拠点を開設、2016年に福岡支社内に福岡ニアショア拠点を開設、2017年に大阪支社内に大阪ニアショア拠点を開設、2021年に仙台支社内に仙台ニアショア拠点を開設しております。
採用は全国の各拠点で応募者の書類選考から採用に至るまでのすべてのプロセスを行っており、地域性を重視することで、地元での就業を希望するITエンジニア人材に就業機会を提供する体制を整えております。採用後は定期面談(1on1ミーティング等)に力を入れており、エンジニアの希望や適正を的確に把握し、能力を最大限発揮できる環境を提供するよう努めております。又、研修や資格取得支援にも力を入れており、階層別研修(各役職に応じた研修)やコミュニケーション研修の実施、資格取得費用の助成、奨励金制度の充実を図り、顧客企業が求める質の高いITエンジニアの供給を可能としております。
当社が展開するITエンジニアのシステム開発サービスの提供形態は、当社雇用のエンジニアとビジネスパートナー(外部協力企業のエンジニアやフリーランスエンジニア)を、派遣契約・準委任契約・請負契約に基づき客先に常駐させてシステムの開発・運用保守を行うものや、顧客企業の開発コスト削減や様々な要求ニーズに合わせた、請負契約に基づくシステムの受託開発及びシステムコンサルティングサービス提供があります。
当社は顧客企業に対し要件定義、設計(注4)、開発(注5)、テスト(注6)、リリース(注7)作業といったシステム開発の各工程にITエンジニア人材を供給しており、どの業種にも対応できる社内体制を整備し人材を用意するよう努めております。
このようなことから、当社のITエンジニアは約100.0%という稼働率(注8)を維持しております。
[事業系統図]
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用語解説
本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。
用語用語の定義
注1ニアショア拠点システムやソフトウェアの開発若しくは運用保守の作業において、首都圏よりも人件費の安い国内の地方拠点のことをいう。
注2要件定義システムやソフトウェアの開発において、実施すべき機能や満たすべき性能等を明確にしていく作業のことをいう。
注3リファラル採用社員に人材を紹介してもらう採用手法のことをいう。
注4設計要件定義の内容をもとにユーザーインターフェース(画面等の外見的見た目のこと)の設計と、プログラムの設計を行う作業のことをいう。
注5開発プログラムの設計に基づき、プログラミングを行う作業をいう。
注6テスト実際に作成したプログラムの1つひとつが、最初の要件定義で求められている基準を満たしているか、複数のプログラムを組み合わせた状態で、それらがうまく機能するかを検証する作業のことをいう。
注7リリースシステムの稼働に向けた作業のことをいう。
注8稼働率稼働エンジニア(就業中の技術社員)数を在籍技術社員数で割った値。