臨時報告書(内国特定有価証券)

【提出】
2020/03/02 16:49
【資料】
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提出理由

スターアジア不動産投資法人(以下「本投資法人」といいます。)は、本日開催の役員会において、2020年8月1日を効力発生日として、本投資法人を吸収合併存続法人、さくら総合リート投資法人(以下「さくら総合リート」といい、本投資法人と併せて「両投資法人」ということがあります。)を吸収合併消滅法人とする吸収合併(以下「本合併」といいます。)を行うことについて決議し、本日付にてさくら総合リートとの間で合併契約(以下「本合併契約」といいます。)を締結いたしました。また、2020年3月2日開催の本投資法人の資産運用会社であるスターアジア投資顧問株式会社(以下「本資産運用会社」といいます。)の取締役会において、本投資法人の投資方針を定めた運用ガイドラインの変更が決定され、同日付で本投資法人の投資方針が変更されることとなりました。そのため、金融商品取引法第24条の5第4項並びに特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令第29条第1項並びに同条第2項第7号及び第3号の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものです。

投資法人の吸収合併の決定

1.本合併契約の締結(特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令第29条第2項第7号に基づく事項)
(1)本合併の相手方となる投資法人に関する事項
① 商号、本店の所在地、執行役員の氏名、出資総額、純資産の額、総資産の額並びに資産運用の対象及び方針
商号さくら総合リート投資法人
本店の所在地東京都千代田区九段南三丁目8番11号
執行役員の氏名杉原 亨
出資総額29,254百万円
純資産の額29,959百万円(2019年12月31日現在)
総資産の額63,111百万円(2019年12月31日現在)
資産運用の対象及び方針さくら総合リートは、投資主価値の最大化を目指して、主として、不動産等(不動産、不動産の賃借権、地上権及びこれらの資産のみを信託する信託の受益権をいいます。)へ継続的に投資し、中長期にわたる安定した収益の確保と運用資産の着実な成長を目指してその資産を運用します。さくら総合リートは、オフィスビル、商業施設及び住宅を主たる投資対象とし、必要に応じてその他の施設についても投資を行う総合型のポートフォリオを構築することを基本方針とします。さくら総合リートは、不動産の用途の特徴に応じて、用途別のポートフォリオ分散を図るとともに、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県をいいます。)、地方主要都市(首都圏を除く政令指定都市及びその通勤圏内に含まれる周辺部をいいます。)及びその他(首都圏及び地方主要都市以外の地域をいいます。)のエリア別投資比率を設けてポートフォリオの地域分散も図ります。

② 最近3年間に終了した各特定期間の営業収益、営業利益、経常利益及び純利益
(単位:百万円)
決算期2017年8月期2018年2月期2018年6月期
営業収益2,4302,6621,768
営業利益1,0891,304854
経常利益9541,153615
当期純利益9531,152615

決算期2018年12月期2019年6月期2019年12月期
営業収益2,3622,3942,391
営業利益1,0461,0371,046
経常利益885874872
当期純利益886885704

(注)さくら総合リートは、2018年5月31日開催の第2回投資主総会の決議により、決算期を各年2月末日及び8月末日から各年6月末日及び12月末日に変更しています。これに伴い、2018年6月期は、2018年3月1日から2018年6月30日までの4か月決算となっています。
③ 主要投資主の氏名又は名称及び発行済投資口の総口数に占める当該主要投資主の有する投資口の口数の割合
(2019年12月31日現在)
主要投資主の氏名又は名称発行済投資口の総口数に占める当該
主要投資主の有する投資口の口数の割合
(注)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)7.5%
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)6.8%
ライオンパートナーズ合同会社5.1%
BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG(FE-AC)
常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行
4.5%
モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社3.8%

(注)「発行済投資口の総口数に占める当該主要投資主の有する投資口の口数の割合」は、小数第二位を四捨五入して記載しています。
④ 本投資法人との間の資本関係、人的関係及び取引関係
資本関係記載すべき資本関係はありません。両投資法人の資産運用会社はいずれも本資産運用会社です(注)。
人的関係記載すべき人的関係はありませんが、両投資法人の資産運用会社はいずれも本資産運用会社であり、同社の代表取締役社長は本投資法人の執行役員を兼務しています。また、さくら総合リートの執行役員である杉原亨氏は、本投資法人及び本資産運用会社とスポンサーサポート契約を締結しているスターアジア・マネジメント・リミテッドの子会社である、スターアジア・マネジメント・ジャパン・リミテッド東京支店の従業員です。
取引関係記載すべき取引関係はありません。

(注)さくら総合リートが締結している資産運用委託契約は、さくら総合リートの投資主総会の承認を得た上で、本合併の効力発生を条件として解約する予定です。
(2)本合併の目的
日本の経済環境は、概ね良好な状態が継続しており、設備投資の増加や雇用・所得環境の改善を背景として企業収益は高水準を維持しています。一方で、米中の貿易摩擦や新型肺炎等、世界経済の先行きの不透明感もある中で、日銀による金融緩和姿勢は継続されており、引き続き国内外の金融市場及び資本市場の動向を注視する必要があると考えております。
不動産の売買マーケットにおいては、金融緩和による良好な資金調達環境が継続する中、引き続き上場REIT、私募REIT、海外投資家、国内事業法人等の様々なマーケット参加者が活発な投資活動を継続しています。本書の日付現在で上場REITの銘柄数は64銘柄、私募REITは30銘柄を超え、投資対象も多様化が進む中、不動産売買の競争も激化し、取引利回りも低水準で推移しています。このような現在の不動産マーケット環境においては、いたずらに物件取得による資産規模拡大を追求するのではなく、投資主利益の最大化のために有効な施策を実行することが重要であると考えます。
こうした環境認識のもと、本投資法人とさくら総合リートは、資産規模の拡大による収益の安定性の向上、コスト削減による一口当たり分配金の増額、時価総額の増大による投資口の流動性の向上など、両投資法人の投資主の皆様にとって多くのメリットをもたらすと考えられる本合併の実現が、両投資法人の投資主利益の最大化に資すると確信しています。
<本投資法人の沿革>本投資法人は、独立系の不動産投資グループであるスターアジアグループ(注1)に属する本資産運用会社にその資産運用を委託する総合型不動産投資法人として2016年4月に18物件(取得価格総額614億円)で株式会社東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場しました。これまでに3度の物件取得を伴う公募増資を実行し、東京圏を中心としてオフィス、住宅、物流施設、ホテルを含むアセットタイプ分散型のポートフォリオを構築しています。また、上場以降、投資主利益の最大化を基本理念とし、既成概念にとらわれることなく様々な施策を検討・実行するアクティブマネジメントを標榜しています。ポートフォリオを強化するとともに物件の売却益を創出し、売却益の投資主の皆様への分配を実現した4度の資産入替(注2)や、本書の日付現在、上場不動産投資法人の中では本投資法人のみが実績を持つメザニンローン債権への投資は、その代表例として挙げられます。このように、本投資法人は、上場以来7期にわたる運用実績を有し、本書の日付現在において、合計34物件(取得価格総額1,023億円)で構成されるポートフォリオを運用しています。
(注1)「スターアジアグループ」とは、創業者であり現在もグループの中心的存在である、マルコム・エフ・マクリーン4世と増山太郎を頂点とする全ての関係エンティティ及び投資先(両名が意思決定に関与するファンド及びそのファンドの投資先)で構成されるグループを指します。
(注2)実施予定の5回目の資産入替は含まれていません。
<さくら総合リートの沿革>一方さくら総合リートは、豪州の独立系不動産・ファンド運用グループであるガリレオグループ(注1)及び日本管財グループ(注2)をスポンサーとする総合型不動産投資法人として、2016年9月に18物件(取得価格総額573億円)で東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場しました。上場以来7期にわたる運用実績を有し、本書の日付現在において、18物件(取得価格総額575億円)のポートフォリオを運用しています。
しかしながら、さくら総合リートは、メインスポンサーであるガリレオグループからの十分なサポートが得られておらず、本投資法人とほぼ同時期の上場にもかかわらず公募増資の実績もなく、本書の日付現在、その資産規模は上場時とほぼ同水準となっています。また、資産運用報酬や平均借入金利の水準が相対的に高かったため、一口当たり分配金の成長を阻む一要因となっていました。2018年6月期には物件取得なしに物件売却のみを実施しポートフォリオ収益力の低下をもたらし、売却益を中止した投資口発行の準備費用に充当し投資主に還元しないなど、投資主本位とは思われない運用がなされ、固定資産税等の要因が除かれた上場第2期以降の一口当たり分配金の水準が伸び悩んでおり、さくら総合リートは将来的な合併の可能性も含めた成長戦略の再検討を行っていました。
(注1)「ガリレオグループ」は、ガリレオ・シドニー・ホールディングス・ピーティーワイ・リミテッド(Galileo Sydney Holdings Pty Limited)の他、ギャラクシー・ジェイリート・ピーティーワイ・リミテッド(Galaxy JREIT Pty Limited)及びウェレット・ファミリー・ピーティーワイ・エルティーディー(Werrett Family Pty Ltd)を中心とする企業グループであり、豪州を拠点として不動産開発及びファンド運用事業を行っています。
(注2)「日本管財グループ」とは、日本管財株式会社(東京証券取引所第一部上場)を中心とする企業グループをいいます。
<本合併契約締結の経緯>かかるさくら総合リートの状況を踏まえ、スターアジアグループに属するライオンパートナーズ合同会社(以下「ライオンパートナーズ」といいます。)は、2019年5月10日付で、本合併に向けた提案(以下「本提案」といいます。)を公表し、また、本合併に向けた活動の一環として、さくら総合リートに対して投資主総会の招集請求等を行いました。その後、ライオンパートナーズは、同年6月28日付で関東財務局長よりさくら総合リートの投資主総会の招集の許可を受け、同年8月30日午前10時を開催日時として投資主総会(以下「ライオンパートナーズ招集投資主総会」といいます。)を開催しました。
ライオンパートナーズ招集投資主総会においては、以下の第1号議案から第4号議案までのうち、第1号議案については村中誠氏が辞任したことから廃案となり、第2号議案から第4号議案までが採決され、いずれも原案どおり承認可決されました(なお、第2号議案及び第4号議案については出席投資主から修正動議が提出されましたが、修正動議はいずれも否決されています。)。
第 1 号議案 執行役員村中誠解任の件
第 2 号議案 執行役員杉原亨選任の件
第 3 号議案 さくら不動産投資顧問株式会社との資産運用委託契約解約の件
第 4 号議案 スターアジア投資顧問株式会社との資産運用委託契約締結の件
その後、ライオンパートナーズ招集投資主総会における決議に関しては、さくら総合リートの投資主であるギャラクシー・ジェイリート・ピーティワイ・リミテッド(2020年2月29日までさくら総合リートの資産運用会社であったさくら不動産投資顧問株式会社(以下「さくら不動産投資顧問」といいます。)の議決権付株式のすべてを所有する株主)より、東京地方裁判所において、投資主総会決議取消しの訴え(以下「本決議取消の訴え」といいます。)が提起され、かつ、執行役員の職務執行停止・代行者選任仮処分命令の申立て、投資主総会決議効力停止等仮処分命令の申立て及び違法行為差止請求権を被保全権利とする一定の行為の禁止に関する仮処分命令の申立て(これらの仮処分命令の申立てを、以下「本申立て」といいます。)が行われました。しかしながら、本決議取消の訴えについては、2020年2月27日に請求棄却の判決が下されています(ただし、控訴期間は経過しておらず、控訴の有無は未確認です。)。本申立てはいずれも、却下の決定が下され(ただし、一部については東京高等裁判所における即時抗告の棄却決定の後、許可抗告の申立てがなされています。その他についても即時抗告がなされる可能性があります。)又は申立人によって取り下げられています(なお、さくら総合リートは、別途、さくら不動産投資顧問から資産運用委託契約上の権利に関する仮処分命令の申立てを受けています。)。
さくら総合リートは、本合併の検討に向けて本投資法人との協議を進める過程で、スターアジアグループ及び本合併の成否から独立しているさくら総合リートの監督役員である金田繁氏及び諌山弘高氏並びに第三者である渾大防清氏の3名により構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置し、本特別委員会より、2020年1月30日付でさくら総合リートが本投資法人との間で合併に関する基本合意書(以下「本基本合意書」といいます。)を締結し、最終合意に向けた検討・交渉及びデュー・ディリジェンスを実施することは合理的である旨の意見を得たことを受けて、本基本合意書を締結いたしました。
本基本合意書の締結後、両投資法人は、本基本合意書に基づいてそれぞれデュー・ディリジェンスを実施するとともに、本合併の諸条件等について協議を重ねた結果、合併比率を含む本合併の条件について合意に至ったため、本書の日付において、本合併契約を締結いたしました。
<本合併の意義>本投資法人は、本合併により、①資産規模の拡大によるエリア別及びアセットタイプ別の両側面における分散の進展と、ポートフォリオ収益の安定性の向上、②運用コストの効率化、③時価総額の増大及び流動性の向上等が実現できるものと考えています。
また、さくら総合リートにおいては、本合併に伴い、当初目標としていた運用資産残高1,500億円の達成が実現するほか、資産規模の拡大によりエリア別及びアセットタイプ別の両側面における分散が進展し、ポートフォリオ収益の安定性が向上するとともに、運用コストの効率化や時価総額の増大及び投資口の流動性の向上が実現できるものと考えています。さらに、本合併後においては本資産運用会社によるアクティブマネジメントの実践と、本投資法人が保有する優先交渉権を活用した外部成長の推進により、投資主利益の最大化を追求する運用の展開が期待できることから、本合併が最善の選択肢と考えています。
本合併後の本投資法人の資産規模は、53物件(注)、1,668億円(注)と見込まれており、外部成長目標として掲げている資産規模2,000億円の達成に向けて大きく前進し、加えて資産規模拡大(保有物件数の増加)により、アクティブマネジメントの検討・実行の自由度が高まると考えています。また本合併後、外部成長に資するスターアジアグループの強固なスポンサーサポートを活用し、本合併後の本投資法人の投資主利益の最大化を追求します。
なお、本合併と併せて、本投資法人は、資産の取得及び譲渡を実施予定であり、ポートフォリオの質的向上とともに、投資主への利益還元を図ります。
(注)本日付で取得及び譲渡に係る契約を締結した資産の取得及び売却を実行後の物件数及び資産規模(取得価格ベース)と、さくら総合リートの保有資産の物件数及び想定受入価格(本投資法人が取得した2019年11月1日を価格時点とする鑑定評価書に記載の価格)をそれぞれ合算し記載しています。
(3)本合併の方法、本合併に係る割当ての内容その他の本合併契約の内容
① 本合併の方法
本投資法人を吸収合併存続法人とする吸収合併方式とし、さくら総合リートは本合併により解散します。
② さくら総合リートの投資口1口に割り当てられる本投資法人の投資口の口数又は金銭の額
本投資法人
(吸収合併存続法人)
さくら総合リート
(吸収合併消滅法人)
本合併に係る
割当ての内容
11.78
(ご参考)
本投資口分割考慮前
0.89

(注1)本合併により発行する本投資法人の新投資口数(本投資口分割後の投資口数):投資口592,741口
(注2)本投資法人は、2020年7月31日を分割の基準日、2020年8月1日を効力発生日として、投資口1口を2口とする投資口の分割(以下「本投資口分割」といいます。)を予定しており、上記割当て比率及び本投資法人が割当交付する新投資口数は、本投資口分割の効力発生を前提としています。本投資口分割を考慮する前の合併比率は、本投資法人1に対し、さくら総合リート0.89となります。しかしながら、かかる合併比率では、さくら総合リート投資口1口に対して、本投資法人の投資口0.89口が割当交付されることとなり、交付される本投資法人の投資口の口数が1口未満となるさくら総合リートの投資主が多数生じることとなります。そのため、本合併後もさくら総合リートの投資主が本投資法人の投資口を継続して保有することを可能とするべく、さくら総合リートの全ての投資主に対し1口以上の本投資法人の投資口を交付することを目的として、本合併の効力発生に先立ち、本投資法人の投資口1口につき2口の割合による投資口の分割を行い、さくら総合リートの投資口1口に対して、かかる投資口分割後の本投資法人の投資口1.78口を割当交付します。
(注3)さくら総合リートの投資主に対してさくら総合リートの投資口1口につき本投資法人の投資口1.78口を割り当てることにより、交付すべき投資口の口数に1口未満の端数が生じます。当該1口未満の端数投資口については、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和26年法律第198号。その後の改正を含みます。)(以下「投信法」といいます。)の規定に基づきこれを市場において行う取引により売却し、売却により得られた代金を、端数の生じた投資主に対し、その端数に応じて交付します。
(注4)上記の投資口の他、本投資法人は、さくら総合リートの2020年1月1日から2020年7月31日までの営業期間に係る金銭の分配の代わり金として、さくら総合リートの分配可能利益に基づきさくら総合リートの投資主(本合併の効力発生日の前日のさくら総合リートの最終の投資主名簿に記載又は記録された投資主(投信法第149条の3の規定に基づきその有する投資口の買取りを請求したさくら総合リートの投資主を除き、以下「割当対象投資主」といいます。))に対して同期間の金銭の分配額見合いの合併交付金(本合併の効力発生日の前日におけるさくら総合リートの分配可能利益の額を本合併の効力発生日の前日におけるさくら総合リートの発行済投資口数から割当対象投資主以外の投資主が保有する投資口数を控除した口数で除した金額(1円未満切捨て))を、効力発生日から合理的な期間内に支払う予定です。なお、さくら総合リートは、決算期を現行の6月末日及び12月末日から1月末日及び7月末日に変更する旨の規約変更に係る議案を2020年3月30日開催予定の投資主総会に上程する予定です。当該規約変更に係る議案が投資主総会において承認された場合には、さくら総合リートにおける本合併の効力発生前の最終期の営業期間は2020年1月1日から2020年7月31日の7か月となり、2020年6月30日を基準日とする金銭の分配は行われません(上記のとおり、同営業期間の金銭の分配額見合いの合併交付金が支払われます。)。
③ その他の本合併契約の内容
本投資法人及びさくら総合リートが2020年3月2日に締結した合併契約書の内容については、下記「(6)本合併契約書の内容」をご参照ください。
(4)本合併に係る割当ての内容の算定根拠
① 算定の基礎
本投資法人は野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を、さくら総合リートはみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)を、それぞれ本合併のためのフィナンシャル・アドバイザーに任命し、両投資法人は、本合併に用いられる合併比率の算定にあたって公正を期すため、それぞれのフィナンシャル・アドバイザーに本合併に用いられる合併比率に関する財務分析を依頼しました。なお、野村證券及びみずほ証券による算定結果の概要は、いずれも上記「(3)本合併の方法、本合併に係る割当ての内容その他の本合併契約の内容 ②さくら総合リートの投資口1口に割り当てられる本投資法人の投資口の口数又は金銭の額」記載の、本投資法人による投資口1口を2口とする本投資口分割考慮前の数値を記載しています。
野村證券は、両投資法人の投資口がそれぞれ東京証券取引所に上場しており、市場投資口価格が存在することから市場投資口価格平均法を、両投資法人のいずれも比較可能な上場投資法人が複数存在し、類似投資法人比較による投資口価値の類推が可能であることから類似投資法人比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためディスカウンテッド・キャッシュフロー法(以下「DCF法」といいます。)を、また、時価・換価可能性等による純資産への影響額を算定に反映するため修正時価純資産法を採用して算定を行いました。野村證券による算定結果の概要は、以下のとおりであり、合併比率のレンジは、本投資法人の投資口1口当たりの投資口価値を1とした場合におけるさくら総合リートの算定レンジを記載したものです。
なお、市場投資口価格平均法につきましては、本提案を公表した日である2019年5月10日を算定基準日(以下「基準日①」といいます。)として、基準日①の終値、基準日①までの5営業日、基準日①までの1か月間、基準日①までの3か月間、基準日①までの6か月間の終値の単純平均値を、並びに2020年2月27日を算定基準日(以下「基準日②」といいます。)として、基準日②の終値、基準日②までの5営業日、基準日②までの1か月間、基準日②までの3か月間、基準日②までの6か月間の終値の単純平均値をそれぞれ採用しています。
また、野村證券がDCF法の基礎として採用した本投資法人の事業計画において、大幅な増減益を見込んでいる事業年度を含んでおります。2020年7月期は営業利益2,346百万円、経常利益2,072百万円、当期純利益2,072百万円と前期比大幅な増益を見込んでおり、また、2021年7月期は営業利益1,755百万円、経常利益1,477百万円、当期純利益1,476百万円と前期比大幅な減益を見込んでおります。これらは2020年7月期及び2021年1月期に売却予定のアルファベットセブンの売却益によるものです。
野村證券の分析の前提条件・免責事項に関する補足説明の詳細については、本項末尾の(注1)の記載をご参照ください。
評価手法合併比率のレンジ
市場投資口価格平均法(基準日①)0.80 ~ 0.81
市場投資口価格平均法(基準日②)0.83 ~ 0.84
類似投資法人比較法0.89 ~ 1.09
DCF法0.83 ~ 0.93
修正時価純資産法0.90

みずほ証券は、両投資法人から開示を受けた財務情報並びに一般的に入手可能な公表情報等を分析した上で、両投資法人について、両投資法人の投資口がともに東京証券取引所に上場しており、市場投資口価格が存在することから市場投資口価格基準法を、両投資法人と直接的には比較可能ではないものの、専ら合併比率のレンジの分析の観点からは、保有不動産ポートフォリオの内容等の観点から両投資法人と一定程度の類似性がある上場投資法人が複数存在し、類似投資法人比較による投資主価値の類推が可能であることから類似投資法人比較法を、両投資法人の投資主が将来享受する見込みの分配金に基づいた投資主価値の算定手法としての配当割引モデル法(以下「DDM法」といいます。)を、また、両投資法人の保有不動産の時価を算定に反映させる目的から修正純資産法を採用して算定を行いました。以下の合併比率の算定レンジは、さくら総合リートの投資口1口に対して割り当てる本投資法人の投資口数の算定レンジを記載したものです。
評価手法合併比率のレンジ
市場投資口価格基準法0.83 ~ 0.84
類似投資法人比較法0.81 ~ 1.04
DDM法0.80 ~ 1.09
修正純資産法0.87 ~ 0.90

市場投資口価格基準法では、2020年2月27日(以下「算定基準日」といいます。)を基準として、算定基準日の投資口価格、算定基準日から遡る5営業日、1か月間、3か月間及び6か月間の投資口価格終値の単純平均値を採用いたしました。
DDM法においては、みずほ証券は、さくら総合リート及び本投資法人について、各投資法人の財務予測に基づく将来の理論分配金を、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって投資主価値を評価しています。なお、さくら総合リートの財務予測に基づく将来の理論分配金の予測を行う上では、さくら不動産投資顧問が作成した2020年6月期~2022年12月期までの財務予測に対して、本特別委員会による合理的であるとの判断のもとで、資産運用会社がさくら不動産投資顧問から本資産運用会社に変更されることにより資産運用報酬料率が低下することを考慮しております。他方、本投資法人の財務予測に基づく将来の理論分配金の予測を行う上では、本資産運用会社が作成した2020年7月期~2023年1月期までの財務予測に対して、本特別委員会による合理的であるとの判断のもとで、本投資法人が保有する不動産の売却及び新規不動産の取得を勘案しないものへと修正を行っております。なお、DDM法の算定の基礎とした両投資法人の財務予想は本合併の実施を想定したものではありません。みずほ証券がDDM法の前提とした両投資法人の将来の利益計画において、大幅な増減益が見込まれている事業年度はありません。
みずほ証券の分析の前提条件・免責事項に関する補足説明の詳細については、本項末尾の(注2)の記載をご参照ください。
(注1)野村證券は、 合併比率の算定に際して、公開情報および野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性および完全性についての検証は行っておりません。両投資法人の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。両投資法人の各々の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、両投資法人の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村證券の算定は、2020年2月27日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、本投資法人の業務執行を決定する機関が合併比率を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
(注2)みずほ証券は、合併比率の算定に際して、みずほ証券が検討した全ての公開情報並びに両投資法人又は各投資法人の資産運用会社(合併比率算定書交付時点において資産運用委託契約を解約されている旧資産運用会社を含みます。以下同じです。)からみずほ証券に提供され又はみずほ証券が両投資法人及び本特別委員会と協議した財務その他の情報で合併比率の算定に際して実質的な根拠となった情報の全てが、正確かつ完全であることに依拠し、それを前提としています。なお、みずほ証券は、かかる情報の正確性若しくは完全性につき独自に検証は行っておらず、また、これらを独自に検証する責任又は義務を負いません。合併比率算定書に記載される内容は、みずほ証券に提供され又はみずほ証券が両投資法人及び本特別委員会と協議した情報について、かかる情報を重大な誤りとする事項があった場合、又は合併比率算定書交付時点で開示されていない事実や状況若しくは合併比率算定書交付時点以降に発生した事実や状況(合併比率算定書交付時点において潜在的に存在した事実で、その後明らかになった事実を含みます。)があった場合には、異なる可能性があります。みずほ証券は、各投資法人の執行役員又は各投資法人の資産運用会社の役職員が、みずほ証券に提供され又はみずほ証券と協議した情報を不完全若しくは誤解を招くようなものとするような事実を一切認識していないことを前提としています。さらに、みずほ証券は、各投資法人の資産・負債(デリバティブ取引、簿外資産・負債その他の偶発債務を含みます。)又は引当につき独自に評価・鑑定を行っておらず、いかなる評価又は鑑定についても、独自に第三者から提供を受けたことはなく、また、第三者に要求していません。みずほ証券は、各投資法人の財産又は施設を検査する義務を負っておらず、また、倒産、破産などに関する法律に基づいて各投資法人の投資主資本、支払能力又は公正価格についての評価を行っていません。
合併比率の算定に際して各投資法人から情報の提供又は開示を受けられず、又は提供若しくは開示を受けたもののそれが各投資法人の投資主価値に及ぼす影響が現時点においては不確定なもの(合併比率算定書交付時点において係属中の訴訟あるいは仮処分命令申立事件を含みます)、又はその他の方法によってもみずほ証券が評価の基礎として使用できなかったものについては、みずほ証券は、みずほ証券が合理的及び適切と考える仮定を用いるか、又は影響が存在しなかったことを前提としています。みずほ証券のかかる仮定又は前提が重要な点において事実と異なることが明らかになった場合に、それが各投資法人の将来の財務状況にどのような影響を及ぼすかについて、みずほ証券は検証を行っていません。
なお、みずほ証券が開示を受けた財務予測その他の将来に関する情報については、両投資法人の将来の経営成績及び財務状況に関し現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき、各投資法人の執行役員又は各投資法人の資産運用会社の役職員によって合理的に準備・作成若しくは調整されたことを前提としています。加えて、みずほ証券は本特別委員会の依頼に基づき各投資法人の財務予測及び事業計画について一定の調整を行っておりますが、係る調整の内容、並びに調整前の財務予測並びに事業計画の内容については、本特別委員会にその内容の報告を行い、本特別委員会がその内容及び前提条件等の合理性を確認したことを前提としております。みずほ証券は、これら調整後又は修正後の財務予測及び事業計画の実現可能性について、独自に検証することなく、これらの財務予測並びに事業計画に依拠しており、合併比率算定書で言及される分析若しくは予想又はそれらの基礎となる仮定に関して何らの見解も表明していません。みずほ証券は、法律、規制又は税務関連の専門家ではなく、かかる事項については、両投資法人の外部専門家が行った評価に依拠しています。なお、本合併は、日本の法人税法上、課税されない取引であることを前提としています。
みずほ証券の算定結果は、みずほ証券がさくら総合リートの依頼により、さくら総合リートの役員会が合併比率を決定するための参考に資することを唯一の目的としさくら総合リートに提出したものであり、当該算定結果は、みずほ証券が合併比率が財務的見地から妥当である旨の意見を表明するものではありません。
② 算定の経緯
両投資法人は、それぞれ両投資法人の財務実績や資産・負債の状況、今後の事業の見通し、本合併によるメリット、両投資法人のフィナンシャル・アドバイザーがそれぞれ行った財務分析の結果等の要因を総合的に勘案し、協議・交渉を慎重に重ねた結果、上記合併比率が妥当であると判断しました。
なお、さくら総合リートにおける合併比率の検討の経緯については、下記「⑤ 公正性を担保するための措置 ア 合併の是非及び合併比率の検討過程における公正性担保措置」についてもご参照ください。
③ 算定機関との関係
野村證券及びみずほ証券は、いずれも、両投資法人の投資法人の計算に関する規則(平成18年内閣府令第47号、その後の改正を含みます。)第67条第4項に定める関連当事者に該当せず、本合併に関して記載すべき重要な利害関係を有しません。
④ 上場廃止となる見込み及びその事由
本合併は、本投資法人を吸収合併存続法人とする吸収合併方式によって行うことを予定しており、さくら総合リートは、投信法第143条第4号に基づき解散し、さくら総合リートの発行する投資口は、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、本合併の効力発生日の2営業日前である2020年7月30日に上場廃止となる見込みです。さくら総合リートの投資主は、本合併の対価として各々の保有投資口数に応じた本投資法人の新投資口を割当交付され、本投資法人の投資口を保有することになりますが、同投資口は東京証券取引所に上場されていますので、引き続き東京証券取引所において取引を行う機会が確保されています。
⑤ 公正性を担保するための措置
ア 合併の是非及び合併比率の検討過程における公正性担保措置
本投資法人は、本合併の検討過程において、執行役員1名及び投信法上資産運用会社からの独立性が担保されている監督役員2名により構成される本投資法人の役員会に対して、検討状況を適時に報告するとともに、重要な検討事項については本投資法人の役員会での審議・承認を経ています。
また、本投資法人はアンダーソン・毛利・友常法律事務所を本合併のためのリーガル・アドバイザーとして選任し、本合併の手続及び意思決定の方法・過程等について助言を受けています。
他方、さくら総合リートは、本提案により選任された執行役員杉原亨が、本提案の提出前まで本投資法人の資産運用会社である本資産運用会社の取締役であり、また、その後も本提案を行ったライオンパートナーズの代表社員を務めていたことに加え、本投資法人及び本資産運用会社とスポンサーサポート契約を締結しているスターアジア・マネジメント・リミテッドの子会社であるスターアジア・マネジメントジャパン・リミテッドの従業員であるため、現時点においては本資産運用会社の取締役及びライオンパートナーズの代表社員は退任済みであり、さくら総合リートの執行役員としての職務以外には従事していないものの、その意思決定に際してスターアジアグループの影響を受け得ると評価される可能性が否定できないことや、2020年3月1日をもって、さくら総合リートの資産運用会社が本資産運用会社に変更され、資産運用会社が本投資法人と共通になったことにより、本合併は構造上利益相反のおそれが否定できないことに鑑み、本合併の公正性を担保するため、以下の措置を講じています。
a. 独立した特別委員会からの答申書の取得
さくら総合リートは、上記のとおり本合併は構造上利益相反のおそれが否定できないことに鑑み、本合併を行うことの是非及びその条件の検討を行うにあたり、それらの判断の公正性を担保することを目的として、2019年12月19日開催のさくら総合リートの役員会において、本投資法人を含むスターアジアグループ及び本合併の成否から独立しているさくら総合リートの監督役員である金田繁氏及び諌山弘高氏並びに第三者である渾大防清氏(同氏の独立性及び適格性については、下表のとおりです。)の3名により構成される本特別委員会を設置した上、本合併を実施することの是非について検討し、さくら総合リートの役員会に意見を述べることを委嘱しました。
職 歴主な選定理由
1988年 4月株式会社三菱銀行(現 三菱UFJ銀行)・スターアジアグループとの間に利害関係を有していないこと
・本合併の成否に対しては、さくら総合リートの投資口を50口保有しているが、一般投資主と利害が一致するため、独立性を有していると判断できること
・日系金融機関及び外資系投資銀行に勤務し、多数のM&A及びREIT案件に関与した経験を有するとともに、財務の知見が深いこと
・日系投資法人の資産運用会社の役員を務め、REIT運営に関する知見を深く有していること
1993年12月三菱ファイナンス香港リミテッド
1995年 8月株式会社三菱銀行(現 三菱UFJ銀行)シンガポール支店
2000年 2月株式会社東京三菱銀行(現 三菱UFJ銀行)金融商品開発部証券化グループ
2003年 7月三菱証券株式会社(現 三菱UFJモルガン・スタンレー証券)REIT業務推進課
2005年 8月ドイツ証券株式会社 ディレクター不動産投資銀行グループ 責任者
2008年 2月同社マネージングディレクター不動産投資銀行グループ責任者
2013年12月双日リートアドバイザーズ株式会社取締役副社長兼財務企画本部長(2017年6月退任)

本特別委員会の設置に係るさくら総合リートの役員会の決議においては、本特別委員会の判断の取扱いとして、(i)役員会における本合併の意思決定は、本合併への賛否を含め、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、及び(ii)本特別委員会が本合併の実施、取引条件が妥当でないと判断した場合には、さくら総合リートの役員会が本合併の決定をしないこととすることを決議すると共に、本特別委員会に対して、(a)本合併について、本投資法人と交渉すること、(b)自らの財務若しくは法務等に関するアドバイザーを選任し、又は、さくら総合リートの財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名若しくは承認すること、及び(c)さくら総合リートの役員会から本合併に関する検討及び判断に必要な情報を受領すること等について権限を付与しています。なお、本特別委員会の委員に対しては、委員としての職務の対価として、答申の内容にかかわらず、稼働した時間に応じた報酬を支払うこととしています。
本特別委員会は、かかる委嘱を受けて、2019年12月19日から2020年2月28日までの間に合計11回の会合を開催するとともに、適宜、電子メール等を通じて、報告・情報共有、審議及び意思決定等を行うなどして、諮問事項について慎重に協議及び議論を行いました。なお、当該協議及び検討に当たっては、さくら総合リートのリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所から、本合併に係る本特別委員会の審議の方法や判断の内容等に関する助言等を受けています。
本特別委員会は、本合併に係る本投資法人からの初期的提案書、本合併の合併比率に関する提案書、両投資法人の事業計画のそれぞれの作成手続及びその内容、みずほ証券による合併比率算定の前提条件及びその結果、並びに本合併に係る適時開示及び投資主総会の招集通知のドラフト等について詳細に説明又は情報共有を受けるなど、本合併の検討のために必要な情報を受領し、かつ、アドバイザーから専門的知見に基づく助言を受けており、その判断にあたって十分な情報を取得しました。また、本特別委員会は、本投資法人との間で本基本合意書に関する交渉を行ったことに加え、2020年2月13日に本投資法人からライオンパートナーズ招集投資主総会以降最初の合併比率提案を受領して以降、さくら総合リートが本投資法人の合併比率提案を受領するたび、適時にその内容について報告を受け、みずほ証券から受けた財務的見地からの助言を踏まえてその内容を審議・検討した上で、本合併の条件をスターアジアグループが2019年8月7日に公表した合併提案に係る条件以上の条件とすることも勘案し、本投資法人に対して合併比率のさらなる引上げを要請すべき旨をみずほ証券に指示・依頼し、又は直接本投資法人と協議すること等により、本投資法人との間で本合併の条件に関する交渉を行いました。その結果、スターアジアグループが2019年8月7日に公表した本合併の想定合併比率は、さくら総合リートの投資口1口に対して本投資法人の投資口0.88口を割り当てるものであったところ、最終的に本投資法人の投資口0.89口を割り当てるものとすることで合意しました(なお、いずれも本投資口分割考慮前の数値です。)。その上で、本特別委員会は、さくら総合リートの役員会に対し、2020年3月2日付で、本合併はさくら総合リートの価値の向上に資すると認められるとともに、本合併に際してさくら総合リートの一般投資主の利益を確保するための公正な手続が実施されており、本合併における取引条件は妥当であると認められることから、さくら総合リートが本合併を実施することは妥当である旨の答申を行っています。当該答申の概要は、次のとおりです。
(a)さくら総合リートの価値の向上という観点からの検討
(i) 本合併を実施することにより、分配金の安定が見込まれ、外部成長力の獲得が期待されるとともに、一定の運用コストの削減も見込まれることから、本合併を行うことは、さくら総合リートが直面する各課題の解決に資すると考えられ、さくら総合リートの価値向上につながると考えられること、(ii)みずほ証券から助言を得ながらさくら総合リートとの合併の潜在的相手方になり得る投資法人についてスクリーニングを行い、本合併に対抗する提案を行う可能性が相応に高いと考えられる複数の投資法人に対してさくら総合リートとの合併に係る具体的な提案を行う意向の有無を確認したことに加え、長期間に亘り対抗提案を行うことが可能な状態が確保されていたにもかかわらず、本提案及びさくら総合リートが投資法人みらいとの合併に先立ち実施したマーケット・チェックにおいてなされた提案を除き、第三者からの合併、買収、提携等の提案はなされておらず、本合併以外にさくら総合リートの価値の向上に資する現実的な他の選択肢が存しないことからすれば、本合併がさくら総合リートの価値の向上につながるとの判断は合理的である。
(b)公正な手続を通じた一般投資主の利益の確保という観点からの検討
(i) 本合併において、独立した委員で構成される本特別委員会が設置され、本特別委員会は、本合併の検討のために必要な情報を受領し、かつ、アドバイザーから専門的知見に基づく助言及び第三者評価機関から合併比率算定書を取得した上で、本投資法人からの本合併に係る提案を審議・検討し、本投資法人との間で本合併の条件に関する交渉等を行っており、有効に機能したと認められること、(ii)下記d.のとおり、スターアジアグループの影響力を受け得ると評価される可能性も否定できないさくら総合リートの執行役員である杉原氏及び資産運用会社である本資産運用会社を本合併に係る意思決定及び検討・交渉過程に関与させていないこと、(iii)下記e.のとおり、慎重なマーケット・チェックが行われたこと、(iv)本基本合意書の締結に係る適時開示、本合併契約の締結に係る適時開示及び投資主総会の招集通知等において一定の情報開示が行われることが予定されていること等からすれば、本合併においては、取引条件の形成過程において独立当事者間の取引と同視し得る状況が確保され、一般投資主による十分な情報に基づく適切な判断の機会も確保されており、一般投資主の利益を確保するための公正な手続が実践されていると認められる。
(c)取引条件の妥当性
(i) みずほ証券作成に係る合併比率算定書におけるDDM法による算定の基礎とされているさくら総合リートの事業計画及び本投資法人の事業計画の作成手続及び内容について特に不合理な点は認められないこと、(ii)当該合併比率算定書は算定方法及び算定内容について特に不合理な点は認められず、信用できるものと判断されるところ、本合併の合併比率は、市場投資口価格基準法による評価レンジの上限値を上回っており、類似投資法人比較法、DDM法及び修正純資産法による評価レンジの範囲内に収まっていること、(iii)本特別委員会と本投資法人との間の真摯な交渉の結果合意された比率であることからすれば、本合併の合併比率は妥当であると認められる。その他、本合併に際してさくら総合リートに不利な条件は設定されていないことから、本合併の取引条件は妥当であると認められる。
(d)結論
上記(a)ないし(c)に基づけば、本合併はさくら総合リートの価値の向上に資すると認められるとともに、本合併に際してさくら総合リートの一般投資主の利益を確保するための公正な手続が実施されており、本合併における取引条件は妥当であると認められることから、さくら総合リートが本合併を実施することは妥当である。
b. 独立した第三者評価機関からの算定書の取得
さくら総合リートは、本特別委員会の承認を得た上、本合併のためのフィナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関として、本投資法人及びさくら総合リートから独立性を有するみずほ証券を選定し、2020年2月28日付で、合併比率算定書を取得しました。合併比率算定書の概要については、上記「① 算定の基礎」をご参照ください。なお、さくら総合リートのみずほ証券に対する報酬は、本合併の成立等を条件に支払われる成功報酬となっております。
c. 独立した法務アドバイザーからの助言の取得
さくら総合リートは、本特別委員会の承認を得た上、本合併のためのリーガル・アドバイザーとして、本投資法人及びさくら総合リートから独立性を有する森・濱田松本法律事務所を選任し、本合併に係る本特別委員会の審議の方法及びその過程並びに本合併の検討における公正性担保措置の内容等について、法的な助言を得ています。
d. 本合併に係る意思決定及び検討・交渉過程への利害関係を有する者の不関与
さくら総合リートの執行役員である杉原氏は、その意思決定に際してスターアジアグループの影響力を受け得ると評価される可能性も否定できないことから、同氏は、さくら総合リートの役員会における本合併契約の締結に係る審議及び決議に参加しておらず、また、本合併の合併比率等の取引条件に関する本投資法人との間の協議・交渉に参加していません。同氏は、さくら総合リートの唯一の執行役員であるため、本特別委員会に対して必要な説明や情報提供を行っているほか、本合併の検討のための各種の事務手続を行ったものの、本合併の検討過程において、森・濱田松本法律事務所の助言を踏まえ、独立性の観点から同氏が議論に参加すべきではないと判断した事項については、同氏を議場から退席させ、審議・検討に関与させないなど、本特別委員会における本合併に関する実質的な審議・検討には関与していません。
また、さくら総合リートの資産運用会社は、2020年3月1日以降、本投資法人の資産運用会社である本資産運用会社に変更され、本投資法人と共通となっていますが、本資産運用会社は、さくら総合リートにおける本合併の是非及び合併比率を含む本合併の条件に関する検討に一切関与していないほか、さくら総合リートの資産運用会社の立場で本合併の条件に関する本投資法人との協議・交渉に参加していません。
e. マーケット・チェックの実施
本特別委員会は、本投資法人以外の潜在的買収者の有無の確認及び合併比率の公正性の確保の観点からマーケット・チェックを実施いたしました。具体的には、本特別委員会において、本提案が行われた際にさくら総合リートが実施したマーケット・チェックの内容を確認し、その結果を踏まえた上で、さくら総合リートの利益に資する合併の実現可能性等を勘案して複数の投資法人に対して、みずほ証券を通じて、さくら総合リートとの合併を検討する意向の有無等の確認を行いました。かかる意向確認の結果、いずれの投資法人からも、結論として、さくら総合リートとの合併に係る具体的な提案を行う意向はないとの回答を受けております。
また、さくら総合リートは、本基本合意書において、本投資法人との優先交渉義務に合意したものの、本基本合意書締結後に能動的に第三者に対して新たに接触したことに基づきなされた場合を除き、本投資法人以外の第三者から対抗提案があった場合には、本特別委員会が合理的に必要であると判断する範囲において、対抗提案について協議・交渉等をすることができることにも合意し、第三者による対抗提案の機会を確保しました。本提案から本合併契約の締結に至るまで約10か月の期間があったにもかかわらず、さくら総合リートが投資法人みらいとの合併に先立ち実施したマーケット・チェックにおいてなされた提案を除き、第三者からの合併、買収、提携等の提案はなされていません。
イ 合併比率の算定における公正性担保措置
上記①~③に記載のとおり、両投資法人は、それぞれのフィナンシャル・アドバイザーに合併比率に関する財務分析を依頼し、その財務分析の結果等の要因を総合的に勘案して合併比率を決定いたしました。
本投資法人は、本合併の公正性を担保するため、本投資法人の投資主のために独立第三者の算定機関である野村證券から、財務的見地より本合併の割当の内容に関して、一定の前提条件のもとで分析を行った合併比率算定書を取得しています。
一方、さくら総合リートは、本合併の公正性を担保するため、さくら総合リートの投資主のために独立第三者の算定機関であるみずほ証券から、財務的見地より本合併の割当の内容に関して、一定の前提条件のもとで分析を行った合併比率算定書を取得しています。
また、上記「ア 合併の是非及び合併比率の検討過程における公正性担保措置」に記載のとおり、さくら総合リートの特別委員会は、みずほ証券から、みずほ証券作成に係る合併比率算定書について、算定結果の内容並びに算定の前提条件及び算定過程において考慮した事項等について説明を受け、みずほ証券との間で質疑応答を行った上で、その内容について詳細に審議・検討を行いました。その結果、特別委員会は、みずほ証券作成に係る合併比率算定書の内容について特に不合理な点は認められないと判断し、上記「ア 合併の是非及び合併比率の検討過程における公正性担保措置」に記載のとおりの内容の答申を行っています。
なお、両投資法人は、各フィナンシャル・アドバイザーから合併比率が両投資法人の投資主にとって財務的見地より妥当である旨の意見書(いわゆるフェアネス・オピニオン)を取得しているものではありません。
(5)本合併の後の吸収合併存続法人となる投資法人の商号、本店の所在地、執行役員の氏名、出資総額、純資産の額、総資産の額並びに資産運用の対象及び方針
商号スターアジア不動産投資法人
本店の所在地東京都港区愛宕二丁目5番1号
執行役員の氏名加藤 篤志
出資総額未定(現時点では確定していません。)
純資産の額未定(現時点では確定していません。)
総資産の額未定(現時点では確定していません。)
資産運用の対象及び方針
(注)
本投資法人は、投信法に基づき、資産を主として特定資産のうち不動産等資産(投資信託及び投資法人に関する法律施行規則(平成12年11月17日総理府令第129号、その後の改正を含みます。)第105条第1号ヘに定めるもののうち、不動産、不動産の賃借権、地上権及びこれらの資産のみを信託する信託の受益権をいいます。以下同じです。)に対する投資として運用することを目的とします。本投資法人は、収益の安定性と成長性に主眼を置き、独自のマーケット分析に基づいた柔軟かつ機動的なポートフォリオ運営を行うこと、加えて、投資主に対して必要な情報を適時かつ適切に開示する透明度の高い運用を実施することにより、投資主の利益の最大化を目指します。本投資法人は、主たる投資対象アセットタイプを、オフィス、商業施設、住宅、物流施設、ホテル、及び学生専用レジデンスとします。各アセットタイプの組入れ比率は、原則としてポートフォリオ全体に対して取得価格ベースで50%以下とします。エリア別の投資比率は、東京圏(オフィス・商業施設については、東京23区、川崎市及び横浜市、住宅・物流施設・ホテル・学生専用レジデンスについては、東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県をいいます。)を主たる投資対象エリアに設定し、その投資割合を当面の間70%以上(取得価格ベース)とし、拡大東京圏(オフィス・商業施設について、東京都下(23区以外)、神奈川県(川崎市及び横浜市を除く。)及び埼玉県の主要都市を言います。)、大阪圏(原則として大阪府大阪市をいいます。)、名古屋圏(原則として愛知県名古屋市をいいます。)、福岡圏(原則として福岡県福岡市をいいます。)、札幌圏(北海道札幌市をいいます。)及びその他政令指定都市への投資割合を30%未満とします。

(注)本日付で、本資産運用会社の取締役会において、本投資法人の投資方針を定めた運用ガイドラインの変更が決定されたことに伴い、同日付で後記2.のとおり本投資法人の投資方針が変更されることとなりました。上記は、当該変更後の本投資法人の資産運用の対象及び方針を記載しています。
(6)合併契約書の内容
本投資法人及びさくら総合リートが2020年3月2日付で締結した合併契約書の内容は、次のとおりです。
合併契約書(写し)
スターアジア不動産投資法人(以下「甲」という。)及びさくら総合リート投資法人(以下「乙」という。)は、甲及び乙の合併(以下「本合併」という。)に関し、以下の通り合併契約(以下「本契約」という。)を締結する。
第1条(合併の方法)
甲及び乙は、本契約の規定に従い、甲を吸収合併存続法人とし、乙を吸収合併消滅法人として、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和26年法律第198号。その後の改正を含む。以下「投信法」という。)第147条に基づく吸収合併を行う。
第2条(合併当事法人の商号及び住所)
吸収合併存続法人及び吸収合併消滅法人の商号及び住所は、以下の通りである。
(1) 吸収合併存続法人の商号及び住所
商号:スターアジア不動産投資法人
住所:東京都港区愛宕二丁目5番1号 愛宕グリーンヒルズMORIタワー18階
(2) 吸収合併消滅法人の商号及び住所
商号:さくら総合リート投資法人
住所:東京都千代田区九段南三丁目8番11号
第3条(甲の投資口の分割)
甲は、第13条で定める本合併の前提条件が全て成就されていることを条件として、本合併の効力が生じる日(以下「効力発生日」という。)の前日の甲の最終の投資主名簿に記載又は記録された投資主の有する投資口1口を、効力発生日をもって投資口2口に分割(以下「本投資口分割」という。)する。
第4条(本合併に際して交付する投資口の口数の算定方法及びその割当てに関する事項)
1. 甲は本合併に際し、効力発生日の前日の乙の最終の投資主名簿に記載又は記録された投資主(甲、乙及び投信法第149条の3の規定に基づきその有する投資口の買取りを請求した乙の投資主(当該買取請求を撤回した投資主を除く。)を除く。以下「割当対象投資主」という。)の有する乙の投資口の合計数に1.78を乗じた数の、第3条による分割後の投資口を新たに発行し、割当対象投資主に対して、その有する乙の投資口1口につき、第3条による分割後の甲の投資口1.78口の割合をもって、割当交付する。ただし、かかる割当交付及び本合併の効力発生は、本投資口分割が効力発生日に効力を生じることを停止条件とし、本投資口分割が効力発生日に効力を生じない場合には、甲及び乙は誠実に協議し合意の上、第6条に規定する効力発生日を変更し、その他本合併の効力の発生に向けて必要な対応を執るものとする。
2. 前項において、割当対象投資主に対して交付しなければならない甲の投資口の口数に1口に満たない端数があるときには、甲は投信法第149条の17の規定に従って、その端数を処理する。
第5条(吸収合併存続法人の出資総額に関する事項)
本合併に際して増加すべき甲の出資総額及び出資剰余金の額は、以下の通りとする。ただし、甲及び乙は、効力発生日の前日における甲及び乙の財産状態を考慮して協議し合意の上、これを変更することができる。
(1) 出資総額 :0円
(2) 出資剰余金 :投資法人の計算に関する規則(平成18年内閣府令第47号。その後の改正を含む。)第22条第1項に定める投資主資本等変動額から前号に定める額を減じて得た額
第6条(効力発生日)
本合併の効力発生日は、2020年8月1日とする。ただし、甲及び乙は、本合併に係る手続進行上の必要性その他の事由により、別途協議し合意の上、効力発生日を変更することができる。
第7条(投資主総会)
1. 甲は、2020年3月31日又は甲及び乙が別途合意により定める日に、投資主総会を開催して、(i)投信法第149条の7第1項の規定に基づく本契約の承認の議案及び(ii)その他甲及び乙が別途合意により定める内容の議案について、承認を求める。
2. 乙は、2020年3月30日又は甲及び乙が別途合意により定める日に、投資主総会を開催して、(i)投信法第149条の2第1項の規定に基づく本契約の承認の議案、(ii)本合併の効力発生を停止条件とする資産運用委託契約の解約の議案及び(iii)その他甲及び乙が別途合意により定める内容の議案について、承認を求める。
第8条(本合併後の甲の商号及び関係法人等)
1. 甲の商号は、本合併後においては、スターアジア不動産投資法人とする。
2. 本合併後の甲の資産運用会社(投信法第2条第21項に定める資産運用会社をいう。以下同じ。)、資産保管会社(投信法第2条第22項に定める資産保管会社をいう。以下同じ。)、一般事務受託者(投信法第117条各号に定める事務の委託を受ける投信法第2条第23項に定める一般事務受託者をいう。以下同じ。)及び会計監査人は、本合併に際して変更しない。
3. 乙は、本合併の効力発生を条件として、乙の資産運用会社との間の資産運用委託契約、資産保管会社との間の資産保管委託契約、一般事務受託者との一般事務委託契約及び会計監査人との間の監査契約(乙の2020年7月末日を決算期とする営業期間に関して金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含む。)に基づき必要とされる乙の財務諸表の監査に係る部分を除く。)並びにその他甲及び乙が別途合意により定める契約について、効力発生日をもって解約する。
4. 前三項にかかわらず、甲及び乙は、別途協議し合意の上、これらに定める内容を変更することができる。
第9条(合併交付金)
甲は、効力発生日の前日に終了する乙の営業期間に係る乙の投資主に対する金銭の分配の代わり金として、割当対象投資主に対して、その有する乙の投資口1口につき以下の算式により算定される金額(1円未満切捨て)の合併交付金を、効力発生日後、乙の当該営業期間に係る乙の収益算定、合併交付金支払の事務手続等を考慮して合理的な期間内に支払うものとする。
1口当たり合併交付金の金額=効力発生日の前日における乙の分配可能利益の額
効力発生日の前日における乙の発行済投資口数

上記の算式における「効力発生日の前日における乙の発行済投資口数」は、効力発生日の前日における乙の発行済投資口数から割当対象投資主以外の乙の投資主が保有する投資口数を控除した口数とする。
第10条(金銭の分配)
1. 甲は、効力発生日までの間に、2020年1月31日に終了する営業期間に係る決算期における分配可能利益の額(投信法第136条第1項に定める利益の額をいう。)を限度とする、甲の2020年1月31日の最終の投資主名簿に記載又は記録された投資主又は登録投資口質権者に対する金銭の分配を除き、投資主に対する金銭の分配及び投資主との合意による投資口の有償取得は行わないものとする。
2. 乙は、効力発生日までの間に、2019年12月31日に終了する営業期間に係る金銭の分配として、総額704,630,116円(投資口1口当たり2,116円)を、乙の2019年12月31日の最終の投資主名簿に記載又は記録された投資主又は登録投資口質権者に対して分配するものとし、かかる金銭の分配を除き、投資主に対する金銭の分配及び投資主との合意による投資口の有償取得は行わないものとする。
3. 前二項にかかわらず、効力発生日が2020年8月1日より後の日に変更された場合には、金銭の分配の取扱いについては、甲及び乙は両者間で協議し合意の上、これを決定する。
第11条(法人財産の承継)
甲は、効力発生日において、効力発生日現在における乙の資産、負債及び権利義務の一切を承継する。
第12条(誓約事項)
1. 甲及び乙は、本契約締結日から効力発生日に至るまで、それぞれ善良なる管理者としての注意をもって自らの業務の執行並びに財産の管理及び運営を行い、また、資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託者その他の第三者をして行わせるものとし、それぞれの財産又は権利義務に重大な影響を及ぼす行為(投資口の発行、投資法人債の発行、新規の借入れ(既存借入金の返済のために行う借入れは除く。)、物件の売却又は取得に係る契約の締結又はその実行を含むが、これらに限られない。)については、事前に相手方の同意を得た上で、これを行うものとする。ただし、本契約に明示的に定めるもの及び本契約締結日において締結済の契約に基づくものは、この限りではない。
2. 甲及び乙はそれぞれ、効力発生日までの間に、それぞれの事業若しくは財務状態又は本合併に重大な影響を与える合理的可能性がある事象(借入れに係る契約違反、甲又は乙による法令違反及び当局からの指摘等を含むが、これらに限られない。)を知ったときは、直ちに相手方に通知するものとする。この場合、甲及び乙は、対応策について誠実に協議し検討するものとし、かつ、当該事象を解決するよう最大限努力する。
第13条(本合併の条件)
効力発生日の前日において、以下のいずれかの本合併の効力発生の前提条件が成就されていない場合、又は効力発生日の前日までに以下のいずれかの本合併の効力発生の前提条件が成就されないことが明らかになった場合(ただし、いずれの場合も、自ら又はその資産運用会社の責めに帰すべき事由により当該前提条件が成就されない場合を除く。)、本契約当事者は、効力発生日に先立ち相手方当事者に対して書面により通知することにより、相手方当事者に対する何らの責任又は支払義務を負うことなく(ただし、当該通知を行った当事者に本契約の別の条項についての違反がある場合の責任及び支払義務はこの限りではない。)、本契約を解除することができる。
(1) 本合併に関し又はこれに関連して企図された事項を遂行するために必要とされる甲及び乙の各投資主総会の承認(第7条第1項及び第2項に定める各議案についての承認を含むが、これらに限られない。)その他適用法令に従った手続の完了及び許認可等の取得が完了していること
(2) 甲及び乙において、契約(本契約を含む。)上の義務違反、財務制限条項違反及び金銭債務(公租公課を含む。)の支払遅延がないこと(ただし、いずれも軽微なものを除く。)
(3) 甲及び乙において、期限の利益喪失事由の発生(時の経過若しくは通知又はその双方により期限の利益喪失事由となるものを含む。)、支払停止又は支払不能がないこと
(4) 甲又は乙に対して貸付けを行っている全ての金融機関から、本合併の実行及び効力発生日以降の借入れの基本的条件(なお、借入れに係る契約については、本合併後に甲において財務制限条項違反、誓約事項違反及び期限の利益喪失事由が発生しないために必要な手当てを含む。)について予め承諾が得られており、かかる承諾が撤回されていないこと
(5) 甲及び乙が、それぞれ、米国証券法上、本合併について、Form F-4による届出手続が必要とされない旨を合理的に確認したこと
(6) 甲又は乙が破産手続開始、民事再生手続開始又はこれに類する法的倒産手続開始の申立てを受けていないこと
(7) 甲及び乙並びに甲及び乙の資産運用会社において、監督官庁からの登録の取消、業務の全部又は一部の停止その他本合併の遂行に重大な支障が生じ又は重大な悪影響を及ぼす行政処分を受けていないこと
(8) 上記の他、本合併の実現を著しく阻害し又は著しく困難にすると合理的に判断される事由が存在しないこと。
第14条(合併条件の変更及び本契約の解約)
本契約締結日以降効力発生日までの間において、(i)甲若しくは乙の資産若しくは経営状態に重要な変動が生じた場合、(ii)本合併の実施が不可能若しくは著しく困難となったと合理的に判断される場合、(iii)その他の事由により本合併の目的の達成が困難となった場合、又は(iv)これらの事態が生じうる事由が明らかとなった場合には、甲及び乙は、誠実に協議し、合意の上、本合併の条件その他本契約の内容を変更し、又は本契約を解約することができる。
第15条(公表)
甲及び乙は、本契約の締結又はそれらの内容、その他本合併に関して対外発表を行う場合には、その内容、時期及び方法等について、当事者間で事前に合意の上、これを行うものとする。
第16条(費用負担)
本契約の締結及び履行に関連して効力発生日前に甲及び乙に発生した費用(甲及び乙のそれぞれが選任する弁護士、公認会計士、税理士、調査会社、アドバイザーその他の専門家に対する報酬等の費用を含むが、これらに限られない。なお、本合併の効力発生を条件として発生する費用は含まれない。)の負担については、甲及び乙がそれぞれ自己に発生する費用を負担するものとし、乙は自ら負担すべき費用については、効力発生日までに終了する営業期間において、費用として計上するものとする。
第17条(準拠法)
本契約は、日本法に準拠し、これに従って解釈されるものとする。
第18条(管轄)
甲及び乙は、本契約に関する一切の紛争について、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とすることに合意する。
第19条(誠実協議)
本契約に定める事項のほか、本合併に関し必要な事項は、本契約の趣旨に従い、甲及び乙が別途協議の上、これを定める。
(以下余白)
本契約の締結を証するため、本契約書正本を2通作成し、甲及び乙は、各自記名押印の上、各1通を保有する。
2020年3月2日
甲 東京都港区愛宕二丁目5番1号 愛宕グリーンヒルズMORIタワー18階
スターアジア不動産投資法人
執行役員 加藤 篤志

乙 東京都千代田区九段南三丁目8番11号
さくら総合リート投資法人
執行役員 杉原 亨

ファンドの運用に関する基本方針又は運用体制等の重要な変更

2.投資法人の運用に関する基本方針の変更(特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令第29条第2項第3号に基づく事項)
(1)変更の理由
本資産運用会社における運用ガイドラインの変更に伴い、本投資法人の投資方針が変更されることによるものです。
(2)変更の内容の概要
2019年10月30日付で提出された有価証券報告書の「第一部 ファンド情報 第1 ファンドの状況 2 投資方針」の一部が2020年3月2日付で以下のとおり変更されました。
なお、特に断らない限り、2019年10月30日付有価証券報告書で定義された用語は、本書においても同一の意味を有するものとします。
の部分は主な変更箇所を示します。
第一部 ファンド情報
第1 ファンドの状況
2 投資方針
(1)投資方針
① 本投資法人の基本理念
本投資法人は、「投資家利益第一主義」を理念として日本の不動産マーケットにおいて実績を積み重ねてきた、独立系の不動産投資グループであるスターアジアグループ(注)に属する本資産運用会社にその資産運用を委託し、「投資主利益第一主義」の理念に沿った運用を行います。本投資法人は、収益の安定性と成長性に主眼を置き、独自のマーケット分析に基づいた柔軟かつ機動的なポートフォリオ運営を行うこと、加えて、投資主に対して必要な情報を適時かつ適切に開示する透明度の高い運用を実施することにより、また、本投資法人のスポンサーを含むスターアジアグループからのサポートを最大限に活用して、投資主の利益の最大化を目指します。
(注) 本書において、「スターアジアグループ」とは、創業者であり現在もグループの中心的存在である、マルコム・エフ・マクリーン4世と増山太郎を頂点とする全ての関係エンティティ及び投資先(両名が意思決定に関与するファンド及びそのファンドの投資先)で構成されるグループを指し、「スポンサーグループ」とはスターアジアグループにおいて、スポンサー・サポート契約に基づいた本投資法人のサポート機能を担う、本投資法人との関連性が強いエンティティ群を意味します。それぞれの詳細は、下記「③スターアジアグループについて/(ア) スターアジアグループの概要」をご参照ください。
② 本投資法人の特徴
(ア) 総合型REIT ~東京圏(注1)を中心としたアセットタイプ(用途)分散型のポートフォリオを構築~
本投資法人は、オフィス、商業施設、住宅、物流施設、ホテル及び学生専用レジデンスを投資対象アセットタイプ(用途)とする総合型REITであり、東京圏を中心としたアセットタイプ(用途)分散型のポートフォリオを構築します。本投資法人は、当面の間、取得価格ベースで70%以上を東京圏へ投資することとしています。但し、独自のマーケット分析の結果、戦略的に特定のエリアに対して投資する場合やバルクセール(一度に複数物件を取得することが条件であるような取引)での物件取得、合併等により、東京圏に対する投資割合が一時的に70%を下回る場合があります。また、投資対象とするそれぞれのアセットタイプ(用途)の特性を勘案しつつ、分散投資を行うことにより、経済環境の変動の影響を受けにくく、同時に将来にわたる収益の拡大を確保するポートフォリオの構築を目指します。なお、アセットタイプ(用途)毎の組入れ比率は、原則として一つのアセットタイプが取得価格ベースで50%以下(注2)とします。但し、独自のマーケット分析の結果、戦略的に特定のアセットタイプに集中して投資することにより、一時的に50%を超過する場合があります。
(注1) 本投資法人では、投資対象エリアを、東京圏、拡大東京圏、大阪圏、名古屋圏、福岡圏、札幌圏及びその他の政令指定都市に区分し、下表のとおり、アセットタイプ(用途)に応じて各区分の対象エリアを定めています。以下同じです。
東京圏に関しては、オフィス・商業施設について、これらの物件の需要が高いと本投資法人が考える東京23区、川崎市及び横浜市を対象エリアとし、住宅・物流施設・ホテル・学生専用レジデンスについて、その特性上、上記のエリア以外においても需要が見込まれることから、東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県の一都三県を対象エリアとしています。
エリア区分アセットタイプ(用途)対象エリア
東京圏(取得価格ベースで70%以上)オフィス・商業施設東京23区、川崎市及び横浜市
住宅・物流施設・ホテル・学生専用レジデンス東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県
拡大東京圏オフィス・商業施設東京都下(23区以外)、神奈川県(川崎市及び横浜市を除く。)及び埼玉県の主要都市
大阪圏全アセットタイプ大阪府大阪市(※1)
名古屋圏愛知県名古屋市(※2)
福岡圏福岡県福岡市(※3)
札幌圏北海道札幌市
その他政令指定都市宮城県仙台市
新潟県新潟市
京都府京都市
大阪府堺市
兵庫県神戸市
広島県広島市
福岡県北九州市

(※1) 住宅及び物流施設については、大阪府大阪市の近隣地域を含みます。
(※2) 住宅及び物流施設については、愛知県名古屋市の近隣地域を含みます。
(※3) 住宅及び物流施設については、福岡県福岡市の近隣地域を含みます。
(注2) 一つの物件の用途に複数のアセットタイプ(用途)が含まれる複合施設の場合には、用途毎の想定賃料収入(対象物件と立地条件や建物のグレード等が類似している物件の賃料推移を基に本資産運用会社が想定した賃料)の合計が最も多いアセットタイプ(用途)に属するものとして分類します。以下同じです。
(中略)
⑥ ポートフォリオ運営方針
(中略)
(ア) 東京圏への優先、集中投資
本投資法人は、本資産運用会社の運用ガイドラインに基づき、運用資産のうち、東京圏への投資割合を当面の間70%以上(取得価格ベース)とする方針です。但し、独自のマーケット分析の結果、戦略的に特定のエリアに対して投資する場合やバルクセール(一度に複数物件を取得することが条件であるような取引) での物件取得、合併等により、東京圏に対する投資割合が一時的に70%を下回る場合があります。
また、本投資法人は、東京圏以外でも人口集積度が相対的に高い、拡大東京圏、大阪圏、名古屋圏、福岡圏及び札幌圏において投資対象となる物件を探索し投資を行います。さらにその他政令指定都市においても、収益の安定性と成長性を重視しながら厳選した投資を行う場合があります。
(中略)
(イ) アセットタイプ(用途)の分散による収益の「安定性」と「成長性」の取り込み
本投資法人は、オフィス、商業施設、住宅、物流施設、ホテル及び学生専用レジデンスに分散投資し、1つのアセットタイプ(用途)に対する投資比率を原則として50%以下(取得価格ベース)とすることにより、用途分散を図り、景気循環に伴う収益の変動の抑制を図ります。但し、独自のマーケット分析の結果、戦略的に特定のアセットタイプに集中して投資することにより、一時的に50%を超過する場合があります。また、上記アセットタイプ(用途)の分散により、収益の安定性と同時に、収益の成長性を取り込むことができると考えています。
(中略)
⑧ 投資主の利益の最大化のための戦略
(中略)
(カ) 安定的かつ健全な財務運営
本投資法人は中長期的な収益の維持・拡大及び運用資産規模の成長を実現することを目指して安定的かつ健全な財務基盤を構築することを目指します。
財務運営に関する基本的な方針は以下のとおりです。
<エクイティ・ファイナンス>新投資口の発行は、既存投資主の権利の希薄化及びそれに伴う投資口の取引価格の状況等に配慮し、新投資口発行後の1口当たり分配金の想定、LTV(注)の想定水準、J-REITマーケットの状況等を総合的に勘案して機動的に行います。
(注) 「LTV」とは、本投資法人の総資産のうち有利子負債総額の占める割合をいいます。以下同じです。
<デット・ファイナンス>資金の借入れ及び投資法人債の発行に際しては、資金調達の機動性と財務の安定性のバランス及び分配金の水準に配慮します。具体的には必要資金額に鑑み、利率(固定/変動の別)、返済期限、調達方法(借入れ、投資法人債)、借入先の分散等を検討し、1口当たり分配金への影響を計った上で決定するものとし、機動的なデット調達のためコミットメントラインの設定等を検討します。
(中略)
<キャッシュ・マネジメント>保有する運用資産における資金需要及び本投資法人の運営経費を的確に把握して、効率的かつ適切なキャッシュ・マネジメントを行います。
(中略)
⑨ 投資基準等
(中略)
(オ)売却方針
本投資法人は、中長期にわたって運用資産を保有し、収益の維持・向上を図ることを基本方針とします。但し、個々の運用不動産の状態(将来の収益見通し等)、不動産マーケットの状況及びその分析等を勘案して最適なポートフォリオを維持するために必要であると判断する場合には、保有資産の売却を検討する場合があります。
売却に際しては、主に以下の観点から判断します。
- 不動産マーケットの見通し
- 当該運用資産の周辺状況の変化
- 当該運用資産の収益見通し
- 当該運用資産の売却損益見通し
- ポートフォリオ構成
(カ)情報開示方針
(ⅰ)本投資法人は、投資主に対し透明性を確保し、投資主の投資判断に必要な情報を適時かつ適切に開示するものとします。なお、法令諸規則において定められた開示事項以外の情報についても、投資主にとって必要と判断される情報については、適時かつ適切に開示にする方針とします。
(ⅱ)適時かつ適切な情報開示のため、本資産運用会社において、正確な情報を迅速に集約できる体制を構築するものとします。
(ⅲ)必要に応じて外部の専門家(アドバイザー)に意見を求め、開示情報の正確性、分かり易さを追求します。
(後略)