臨時報告書
- 【提出】
- 2025/09/03 10:51
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提出理由
当社は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第179条第1項に規定する特別支配株主である伊藤忠商事株式会社(以下「伊藤忠商事」といいます。)から、同法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)の通知を受け、当社取締役会は、2025年9月3日、本株式売渡請求を承認する旨の決議をいたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2の規程に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合
1.本売渡請求の通知に関する事項
(1)当該通知がされた年月日
2025年8月4日
(2)当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名
商号 伊藤忠商事株式会社
本店の所在地 大阪市北区梅田3丁目1番3号
代表者の氏名 代表取締役会長CEO 岡藤 正広
(3)当該通知の内容
当社は、伊藤忠商事より、2025年8月4日付で、当社の総株主の議決権の90%以上を所有する特別支配株主として、当社の株主の全員(但し、当社及び伊藤忠商事を除きます。以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その有する当社株式(以下「本売渡株式」といいます。)の全部を伊藤忠商事に売り渡すことを請求する旨の本売渡請求通知書を受領しました。当該通知の内容は、以下の通りです。
① 特別支配株主完全子会社に対して本株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主の完全子会社の名称(会社法第179条の2第1項第1号)
該当事項はありません。
② 株式売渡請求により売渡株主に対して売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号及び第3号)
伊藤忠商事は、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本売渡対価」といいます。)として、その有する本売渡株式1株につき1,888円の割合をもって金銭を割当交付します。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)
該当事項はありません。
④ 特別支配株主が売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。)(会社法第179条の2第1項第5号)
2025年9月24日
⑤ 株式売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法施行規則第33条の5第1項第1号)
伊藤忠商事は、本売渡対価を、同社が保有する現預金により支払います。伊藤忠商事は、本売渡対価の支払のための資金に相当する額を超える銀行預金を有しております。伊藤忠商事において、本売渡対価の支払に影響を及ぼす事象は生じておらず、今後発生する具体的な可能性も認識しておりません。
⑥ その他の株式売渡請求に係る取引条件(会社法施行規則第33条の5第1項第2号)
本売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付されるものとします。但し、当該方法による交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて当社が指定する方法により(本売渡対価の交付について伊藤忠商事が指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、本売渡株主に対する本売渡対価を支払うものとします。
なお、伊藤忠商事は、当社の企業価値の観点から、当社株主のうち、創業家の直系親族株主(以下「創業家株主」といいます。)に対し、伊藤忠商事による本売渡株式の取得後、当社への再出資を要請することを考えております。具体的には、各創業家株主が伊藤忠商事に売り渡した当社株式の数を上限に、本売渡対価である1,888円と同額での伊藤忠商事からの当社株式の譲渡を打診することを予定しておりますが、かかる再出資に応じるか否かは各創業家株主のご判断となります。
2.本売渡請求を承認する旨の決定に関する事項
(1)当該決定がされた年月日
2025年9月3日
(2)当該決定の理由及び当該決定に至った過程
① 検討体制の構築
当社は、2025年3月、伊藤忠商事から株式売渡請求に係る初期的な打診を受け、以降、当社内で株式売渡請求に係る検討体制を構築し、株式売渡請求の意義及び目的等について、伊藤忠商事と協議を重ねてまいりました。その後、当社は、伊藤忠商事より、2025年4月17日付で株式売渡請求の背景及び目的、想定されるシナジー及びスケジュールを記載した意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)の提示を受けたことを契機として、当社株式の価値算定、伊藤忠商事との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるために、専門性及び実績等の検討を行った上で、株式売渡請求に関して伊藤忠商事及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてCPAパートナーズ株式会社(以下「CPAパートナーズ」といいます。)を選任いたしました。
また、当社取締役会は、当社が伊藤忠商事の連結子会社(所有割合:90.5%)であることにより、株式売渡請求が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当し得ることに鑑み、これらの問題に対応し、株式売渡請求の公正性を担保するため、伊藤忠商事から独立した立場で、当社の少数株主の皆様の利益の確保及び当社の企業価値の向上の観点から、株主売渡請求に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。
具体的には、当社は、当社社外監査役及び社外有識者にて構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)の設置に向けた準備を進め、2025年4月18日開催の当社取締役会における決議により、大塚雅広氏(当社社外監査役)、岩谷英明氏(当社社外監査役)、鈴木五十三氏(社外有識者、弁護士)の3名から構成される本特別委員会を設置いたしました。また、本特別委員会は、リーガル・アドバイザーとして市村陽典氏(弁護士・元仙台高等裁判所長官)を選任いたしました。
そして、当社は、本特別委員会に対し、伊藤忠商事から本売渡請求がなされた場合、(a)本売渡請求に係る当社株式の売渡条件(売渡対価、当社の一部株主による再出資手続、目的その他の事項)は妥当か、(b)本売渡請求の承認に至る取締役会の判断プロセスの適正性は確保されているか(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)を諮問することを決議しております。
② 交渉の経緯
ア 本売渡対価について
当社は、上記体制を整備した後、CPAパートナーズの助言、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面において本特別委員会より表明された意見、指示、要請及び取締役会での審議、決議に基づいて、本売渡対価の妥当性等に関して慎重に検討を行い、伊藤忠商事との間で複数回にわたる協議・交渉を行いました。
当社は、2025年5月16日、伊藤忠商事から、株式売渡対価を1,525円とする考え方が示されましたが、同月27日、当社は伊藤忠商事に対し、株式売渡対価は当社の第三者算定機関による当社株式価値の試算結果等を踏まえ、当社の企業価値及び少数株主保護に鑑み受け入れられない水準であるとして、提案内容の再検討を要請いたしました。その後、伊藤忠商事から、同月28日、株式売渡対価を1,715円とする考え方が示されましたが、同月28日、未だ当社の企業価値及び少数株主保護に鑑み受け入れられない水準であるとして、提案内容の再検討を要請いたしました。同月29日、伊藤忠商事から、本売渡対価を1,800円とする考え方が示されましたが、同月30日、当社は、伊藤忠商事の示す考え方においては、当社事業への再評価や少数株主保護への配慮によって価格が引き上げられているものの、当社の本源的価値を考慮するには未だなお不十分な水準にとどまっているとして、提案内容の再検討を要請いたしました。6月2日、伊藤忠商事から、株式売渡対価を1,850円とする考え方が示されましたが、同月3日、当社は、株式売渡対価は当社の本源的価値が考慮されていると理解するものの、少数株主への十分な配慮の検討を重ねてお願いするとして、提案内容の再検討を要請いたしました。同月5日、伊藤忠商事から、株式売渡対価を1,888円とする考え方が示されましたが、同月6日、当社は、長期間に亘って当社を支援いただいた少数株主に対する最後の換金機会としての配慮がなされるべきであるとして、提案内容の再検討を要請いたしました。同月9日、伊藤忠商事から、株式売渡対価は本源的価値や少数株主に対する十分な配慮の観点について最大限考慮した上限額であり、当社において1,888円を再検討するよう提案を受けました。
こうした交渉経緯を経て、伊藤忠商事より、本売渡株式1株につき1,888円の金銭を割当交付する内容の本売渡請求がなされました。
イ 本売渡請求の手続完了後の再出資
伊藤忠商事は、本意向表明書において、当社の企業価値の観点から取得日後も当社株主であり続けていただくことが望ましいと伊藤忠商事が判断し再出資を要請する当社株主のうち、当社への再出資を希望する者には、伊藤忠商事から当該株主に対して株式譲渡を行い、当社に再出資していただくことを予定しており、再出資に係る取引価格、出資比率その他の条件については、当社及び伊藤忠商事が再出資を要請する当社株主の意向も踏まえて当社と協議の上検討する旨が記載されていました。また、当社としても、株式売渡請求がなされる場合には、当社の企業価値の維持向上の観点から、取得日後に、伊藤忠商事より当社株式が譲渡され、再度当社株主となることが望ましい株主が一部いらっしゃると考えておりました。
その後、当社と伊藤忠商事とが協議の上、再出資を要請する当社株主、再出資に係る取引価格、出資比率その他の条件は、下記表記載のとおりとなりました。
③ 本特別委員会の見解
本特別委員会の見解の要旨は、次のとおりです。
(a)本売渡請求に係る当社株式の売渡条件(売渡対価、当社の一部株主による再出資手続、目的その他の事項)は妥当か。
ア 当社株式の売渡対価の妥当性について
伊藤忠商事との複数回にわたる交渉の結果、伊藤忠商事からは、1株1,888円が上限額であるとの説明を受けているところ、本特別委員会からは、本売渡対価は、㋐当社と伊藤忠商事との間の価格交渉プロセスは、独立当事者間取引としてのものであって、当社の企業価値(本源的価値)及び少数株主保護への配慮が十分なされたものであること、㋑当社財務アドバイザーであるCPAパートナーズが行った当社株式の価値算定における各算定方法に基づく評価額(DCF方式(永久成長率0.5%):1,380~2,003円、類似会社比準方式:1,208~2,247円、修正簿価純資産方式:1,716円)の最大値に近い妥当な水準であること、㋒本売渡対価は、これまでの自己株式取得手続において当社株式評価額の算定方式として当社株主の皆様に提示してきた修正簿価純資産方式に基づく評価額1株1,716円と比較すると172円増であり10.0%のプレミアムが加算されていると整理できること、㋓上記交渉の結果、当初提示額である1株1,525円よりも363円増(23.8%増)となっていることから、総合的に判断して、本売渡対価は、両当事者の合意可能な最上限の価格であり、交渉経緯を含め妥当であるとの見解を得ております。
イ 当社の一部株主による再出資手続の妥当性について
当社において、伊藤忠商事が検討する再出資手続の妥当性について、本特別委員会に諮問しました。本特別委員会において慎重に検討したところ、110年に及ぶ当社の歴史と伝統は、当社の貴重な財産であり、その象徴として創業家の存在は強く連想されること、そしてこの意識は、お客様の当社に対する評価、旧来からの取引先との関係性、従業員の会社に対するロイヤルティなどに対して一定程度根付いているものと評価されます。このような諸事情を勘案すると、創業家直系親族の株主が当社株式を保有し続けることが当社の企業価値向上、もしくはステークホルダーの安心感に寄与するものと考えられ、少数株主においても理解を得られる可能性は十分にあるとの見解を得ております。
ウ 本売渡請求の目的その他の事項について
伊藤忠商事は、本意向表明書において、本売渡請求の目的について、ⓐ当社の輸入車販売事業を取り巻くビジネス環境の不透明さが増している状況下、構造改革の推進による既存ビジネスの更なる強化と、収益基盤の多様化を推進することが必要と考えられるところ、構造改革や必要に応じた資本政策等による収益基盤の多様化を実効的に進めるためには、株主総会決議を要する事項を含めた意思決定の機動性・迅速性をより一層高める必要があること、ⓑ構造改革の推進等に向けた施策が、中長期的に当社の成長及び企業価値向上に資すると見込まれるものの、相応の時間及び投資並びに既存ビジネスの改革を伴い、利益水準及びキャッシュ・フローの一時的な低下を招くおそれがあり、短期的には当社少数株主の皆様に不利益を生じさせる可能性があるため、当社株式が市場流通性のない非上場株式であることも踏まえ、伊藤忠商事は、当社の親会社として、かかる施策を加速させるに先立ち、当社少数株主の皆様に対して合理的な投資回収の機会を提供することが適切であると判断したことを挙げています。本特別委員会からは、当社の置かれたビジネス環境や構造改革推進の必要性等に鑑み、伊藤忠商事による本売渡請求の目的は少数株主の利益を不当に害するものとは考えられないとの見解を得ております。
(b)本売渡請求の承認に至る取締役会の判断プロセスの適正性は確保されているか。
当社取締役会は、本件の検討にあたり、(a)少数株主の利益保護の観点から当社社外監査役及び社外有識者にて構成される独立性を保った諮問機関(本特別委員会)を設置したこと、(b)4回にわたり本特別委員会より表明された意見・指示・要請及び財務アドバイザーであるCPAパートナーズの助言を踏まえ、本売渡請求の内容の妥当性について複数回にわたり慎重に審議していること、(c)当社と伊藤忠商事との間の本売渡対価その他条件についての交渉方針及び本売渡請求の具体的検討に係る議案(以下「本議案」といいます。)を審議・決議するにあたり、少数株主保護の観点を踏まえた審議・決議がなされており、加えて、当社と伊藤忠商事との利益相反のおそれ等を排除するため、伊藤忠商事に属する取締役計2名は本議案の上程前に議場から退出して本議案の審議・決議に加わらず、その上で、利益相反のおそれ等を完全に排除するため、2段階による審議・決議にて進めることとし、第1段階として、伊藤忠商事に属する取締役計2名及び伊藤忠商事出身で当社に転籍済の取締役計3名を除く3名の取締役(2025年6月26日開催の当社定時株主総会以降は2名の取締役)にて審議・決議を行い、その決議結果について第2段階として、伊藤忠商事に属する取締役計2名を除く6名の取締役(2025年6月26日開催の当社定時株主総会以降は5名の取締役)による審議・決議がなされていることから、本売渡請求の承認に至る取締役会の判断プロセスの適正性は確保されていると判断します。
④ 当社の意思決定の内容
以上の経緯の下で、当社は、2025年9月3日開催の当社取締役会において、CPAパートナーズから受けた助言の内容を踏まえつつ、本諮問事項に対する本特別委員会の見解を最大限に尊重しつつ、本売渡請求が当社の少数株主の皆様の利益の確保及び当社の企業価値の向上の観点から妥当なものか否か等について、慎重に検討・協議を行いました。その結果は、次のとおりです。
日本における少子高齢化という事情及びメーカーとの力関係など業界特有の事情、さらには競合との競争激化も想定されるため、高級輸入車業界は今後マクロ的にも逆風に晒され、しかも当社を取り巻く環境はこれまでにも増して目まぐるしく変化することが見込まれるところ、いかなる経営環境下においても、当社がしっかりとした事業基盤を持つためには、これまで培ってきたお客さまやメーカーとの信頼関係、技術力や知見などを最大限に生かし、役員・従業員が一丸となって、既存の事業の更なる強化と収益基盤の多様化の推進を実現しなければならず、そのためには、当社の意思決定の機動性・迅速性をより一層向上させることが不可欠と考えられることから、当社取締役会は、本特別委員会の見解も踏まえ、伊藤忠商事による本売渡請求の目的は妥当と判断しました。
他方、これまで当社に対してご支援・ご協力をいただいてきた少数株主の皆様に合理的な投資回収の機会を提供することができるよう、株式売渡対価について伊藤忠商事と交渉を重ねた結果、伊藤忠商事から1株1,888円という本売渡対価の提示を受けました。当社取締役会としても、当社と伊藤忠商事との間の価格交渉プロセスは、独立当事者間取引としてのものであって、当社の企業価値(本源的価値)及び少数株主保護への配慮が十分なされたものであり妥当であること、当社財務アドバイザーであるCPAパートナーズが行った当社株式の価値算定における各算定方法に基づく評価額の最上値に近い水準であること、及び本売渡対価は、修正簿価純資産方式に基づく評価額1株1,716円に10.0%のプレミアムが加算されていると整理できること、伊藤忠商事との交渉の結果、当初提示額である1株1,525円よりも363円増(23.8%増)となっていることから、総合的に判断して、本売渡対価は、両当事者の合意可能な最大限の価格であり、本特別委員会の見解も踏まえ、本売渡対価は妥当と判断しました。
また、伊藤忠商事から、本売渡請求書において、当社の企業価値の観点から、当社株主のうち、創業家株主に対し、伊藤忠商事による本売渡株式の取得後、当社への再出資を要請することを考えており、具体的には、各創業家株主が伊藤忠商事に売り渡した当社株式の数を上限に、本売渡対価である1,888円と同額での伊藤忠商事からの当社株式の譲渡を打診することを予定しておりますが、かかる再出資に応じるか否かは各創業家株主のご判断となるとの意向が述べられています。当社といたしましても、当社の110年の伝統は唯一無二の財産であり、その生みの親である創業家の直系親族株主に株主として存続いただくことは、お客さまの当社に対する評価や旧来からの取引先・地域社会との関係、従業員の当社に対するロイヤルティに対して大きな安心感をもたらすものと想定でき、これにより当社の企業価値の向上に資すると考えられるため、取得日後に、当社の一部株主である創業家株主に対して伊藤忠商事より当社株式が譲渡され、再度当社株主になっていただくことが望ましいと考えております。当社取締役会は、本特別委員会の創業家株主による再出資及びその手続等に関する見解も踏まえ、伊藤忠商事による創業家株主への再出資要請を妥当と判断しました。
以上を踏まえ、当社取締役会は、伊藤忠商事による本売渡請求を承認する旨決議しました。
以上
(1)当該通知がされた年月日
2025年8月4日
(2)当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名
商号 伊藤忠商事株式会社
本店の所在地 大阪市北区梅田3丁目1番3号
代表者の氏名 代表取締役会長CEO 岡藤 正広
(3)当該通知の内容
当社は、伊藤忠商事より、2025年8月4日付で、当社の総株主の議決権の90%以上を所有する特別支配株主として、当社の株主の全員(但し、当社及び伊藤忠商事を除きます。以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その有する当社株式(以下「本売渡株式」といいます。)の全部を伊藤忠商事に売り渡すことを請求する旨の本売渡請求通知書を受領しました。当該通知の内容は、以下の通りです。
① 特別支配株主完全子会社に対して本株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主の完全子会社の名称(会社法第179条の2第1項第1号)
該当事項はありません。
② 株式売渡請求により売渡株主に対して売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号及び第3号)
伊藤忠商事は、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本売渡対価」といいます。)として、その有する本売渡株式1株につき1,888円の割合をもって金銭を割当交付します。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)
該当事項はありません。
④ 特別支配株主が売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。)(会社法第179条の2第1項第5号)
2025年9月24日
⑤ 株式売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法施行規則第33条の5第1項第1号)
伊藤忠商事は、本売渡対価を、同社が保有する現預金により支払います。伊藤忠商事は、本売渡対価の支払のための資金に相当する額を超える銀行預金を有しております。伊藤忠商事において、本売渡対価の支払に影響を及ぼす事象は生じておらず、今後発生する具体的な可能性も認識しておりません。
⑥ その他の株式売渡請求に係る取引条件(会社法施行規則第33条の5第1項第2号)
本売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付されるものとします。但し、当該方法による交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて当社が指定する方法により(本売渡対価の交付について伊藤忠商事が指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、本売渡株主に対する本売渡対価を支払うものとします。
なお、伊藤忠商事は、当社の企業価値の観点から、当社株主のうち、創業家の直系親族株主(以下「創業家株主」といいます。)に対し、伊藤忠商事による本売渡株式の取得後、当社への再出資を要請することを考えております。具体的には、各創業家株主が伊藤忠商事に売り渡した当社株式の数を上限に、本売渡対価である1,888円と同額での伊藤忠商事からの当社株式の譲渡を打診することを予定しておりますが、かかる再出資に応じるか否かは各創業家株主のご判断となります。
2.本売渡請求を承認する旨の決定に関する事項
(1)当該決定がされた年月日
2025年9月3日
(2)当該決定の理由及び当該決定に至った過程
① 検討体制の構築
当社は、2025年3月、伊藤忠商事から株式売渡請求に係る初期的な打診を受け、以降、当社内で株式売渡請求に係る検討体制を構築し、株式売渡請求の意義及び目的等について、伊藤忠商事と協議を重ねてまいりました。その後、当社は、伊藤忠商事より、2025年4月17日付で株式売渡請求の背景及び目的、想定されるシナジー及びスケジュールを記載した意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)の提示を受けたことを契機として、当社株式の価値算定、伊藤忠商事との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるために、専門性及び実績等の検討を行った上で、株式売渡請求に関して伊藤忠商事及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてCPAパートナーズ株式会社(以下「CPAパートナーズ」といいます。)を選任いたしました。
また、当社取締役会は、当社が伊藤忠商事の連結子会社(所有割合:90.5%)であることにより、株式売渡請求が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当し得ることに鑑み、これらの問題に対応し、株式売渡請求の公正性を担保するため、伊藤忠商事から独立した立場で、当社の少数株主の皆様の利益の確保及び当社の企業価値の向上の観点から、株主売渡請求に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。
具体的には、当社は、当社社外監査役及び社外有識者にて構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)の設置に向けた準備を進め、2025年4月18日開催の当社取締役会における決議により、大塚雅広氏(当社社外監査役)、岩谷英明氏(当社社外監査役)、鈴木五十三氏(社外有識者、弁護士)の3名から構成される本特別委員会を設置いたしました。また、本特別委員会は、リーガル・アドバイザーとして市村陽典氏(弁護士・元仙台高等裁判所長官)を選任いたしました。
そして、当社は、本特別委員会に対し、伊藤忠商事から本売渡請求がなされた場合、(a)本売渡請求に係る当社株式の売渡条件(売渡対価、当社の一部株主による再出資手続、目的その他の事項)は妥当か、(b)本売渡請求の承認に至る取締役会の判断プロセスの適正性は確保されているか(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)を諮問することを決議しております。
② 交渉の経緯
ア 本売渡対価について
当社は、上記体制を整備した後、CPAパートナーズの助言、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面において本特別委員会より表明された意見、指示、要請及び取締役会での審議、決議に基づいて、本売渡対価の妥当性等に関して慎重に検討を行い、伊藤忠商事との間で複数回にわたる協議・交渉を行いました。
当社は、2025年5月16日、伊藤忠商事から、株式売渡対価を1,525円とする考え方が示されましたが、同月27日、当社は伊藤忠商事に対し、株式売渡対価は当社の第三者算定機関による当社株式価値の試算結果等を踏まえ、当社の企業価値及び少数株主保護に鑑み受け入れられない水準であるとして、提案内容の再検討を要請いたしました。その後、伊藤忠商事から、同月28日、株式売渡対価を1,715円とする考え方が示されましたが、同月28日、未だ当社の企業価値及び少数株主保護に鑑み受け入れられない水準であるとして、提案内容の再検討を要請いたしました。同月29日、伊藤忠商事から、本売渡対価を1,800円とする考え方が示されましたが、同月30日、当社は、伊藤忠商事の示す考え方においては、当社事業への再評価や少数株主保護への配慮によって価格が引き上げられているものの、当社の本源的価値を考慮するには未だなお不十分な水準にとどまっているとして、提案内容の再検討を要請いたしました。6月2日、伊藤忠商事から、株式売渡対価を1,850円とする考え方が示されましたが、同月3日、当社は、株式売渡対価は当社の本源的価値が考慮されていると理解するものの、少数株主への十分な配慮の検討を重ねてお願いするとして、提案内容の再検討を要請いたしました。同月5日、伊藤忠商事から、株式売渡対価を1,888円とする考え方が示されましたが、同月6日、当社は、長期間に亘って当社を支援いただいた少数株主に対する最後の換金機会としての配慮がなされるべきであるとして、提案内容の再検討を要請いたしました。同月9日、伊藤忠商事から、株式売渡対価は本源的価値や少数株主に対する十分な配慮の観点について最大限考慮した上限額であり、当社において1,888円を再検討するよう提案を受けました。
こうした交渉経緯を経て、伊藤忠商事より、本売渡株式1株につき1,888円の金銭を割当交付する内容の本売渡請求がなされました。
イ 本売渡請求の手続完了後の再出資
伊藤忠商事は、本意向表明書において、当社の企業価値の観点から取得日後も当社株主であり続けていただくことが望ましいと伊藤忠商事が判断し再出資を要請する当社株主のうち、当社への再出資を希望する者には、伊藤忠商事から当該株主に対して株式譲渡を行い、当社に再出資していただくことを予定しており、再出資に係る取引価格、出資比率その他の条件については、当社及び伊藤忠商事が再出資を要請する当社株主の意向も踏まえて当社と協議の上検討する旨が記載されていました。また、当社としても、株式売渡請求がなされる場合には、当社の企業価値の維持向上の観点から、取得日後に、伊藤忠商事より当社株式が譲渡され、再度当社株主となることが望ましい株主が一部いらっしゃると考えておりました。
その後、当社と伊藤忠商事とが協議の上、再出資を要請する当社株主、再出資に係る取引価格、出資比率その他の条件は、下記表記載のとおりとなりました。
| 項目 | 内容 |
| 対象株主 | 創業家の梁瀬長太郎氏の直系親族である株主のうち、再出資を希望する株主。 |
| 選定理由(骨子) | 当社の110年の伝統は唯一無二の財産であり、その生みの親である創業家が株主として存続いただくことは、お客さまの当社に対する評価や旧来からの取引先・地域社会との関係、従業員の当社に対するロイヤルティに対して大きな安心感をもたらすものと想定でき、これにより当社の企業価値の向上に資すると考えられるため。 |
| 再出資の時期 | 2026年3月末日を目途(伊藤忠商事の要望により、同日までに名義書換を完了することを前提)。 |
| 再出資の価格 | 1株1,888円(本売渡対価と同額)。 |
| 再出資時の株数 | 本売渡請求により各株主が伊藤忠商事に売り渡す当社株式の数を上限とする。 |
③ 本特別委員会の見解
本特別委員会の見解の要旨は、次のとおりです。
(a)本売渡請求に係る当社株式の売渡条件(売渡対価、当社の一部株主による再出資手続、目的その他の事項)は妥当か。
ア 当社株式の売渡対価の妥当性について
伊藤忠商事との複数回にわたる交渉の結果、伊藤忠商事からは、1株1,888円が上限額であるとの説明を受けているところ、本特別委員会からは、本売渡対価は、㋐当社と伊藤忠商事との間の価格交渉プロセスは、独立当事者間取引としてのものであって、当社の企業価値(本源的価値)及び少数株主保護への配慮が十分なされたものであること、㋑当社財務アドバイザーであるCPAパートナーズが行った当社株式の価値算定における各算定方法に基づく評価額(DCF方式(永久成長率0.5%):1,380~2,003円、類似会社比準方式:1,208~2,247円、修正簿価純資産方式:1,716円)の最大値に近い妥当な水準であること、㋒本売渡対価は、これまでの自己株式取得手続において当社株式評価額の算定方式として当社株主の皆様に提示してきた修正簿価純資産方式に基づく評価額1株1,716円と比較すると172円増であり10.0%のプレミアムが加算されていると整理できること、㋓上記交渉の結果、当初提示額である1株1,525円よりも363円増(23.8%増)となっていることから、総合的に判断して、本売渡対価は、両当事者の合意可能な最上限の価格であり、交渉経緯を含め妥当であるとの見解を得ております。
イ 当社の一部株主による再出資手続の妥当性について
当社において、伊藤忠商事が検討する再出資手続の妥当性について、本特別委員会に諮問しました。本特別委員会において慎重に検討したところ、110年に及ぶ当社の歴史と伝統は、当社の貴重な財産であり、その象徴として創業家の存在は強く連想されること、そしてこの意識は、お客様の当社に対する評価、旧来からの取引先との関係性、従業員の会社に対するロイヤルティなどに対して一定程度根付いているものと評価されます。このような諸事情を勘案すると、創業家直系親族の株主が当社株式を保有し続けることが当社の企業価値向上、もしくはステークホルダーの安心感に寄与するものと考えられ、少数株主においても理解を得られる可能性は十分にあるとの見解を得ております。
ウ 本売渡請求の目的その他の事項について
伊藤忠商事は、本意向表明書において、本売渡請求の目的について、ⓐ当社の輸入車販売事業を取り巻くビジネス環境の不透明さが増している状況下、構造改革の推進による既存ビジネスの更なる強化と、収益基盤の多様化を推進することが必要と考えられるところ、構造改革や必要に応じた資本政策等による収益基盤の多様化を実効的に進めるためには、株主総会決議を要する事項を含めた意思決定の機動性・迅速性をより一層高める必要があること、ⓑ構造改革の推進等に向けた施策が、中長期的に当社の成長及び企業価値向上に資すると見込まれるものの、相応の時間及び投資並びに既存ビジネスの改革を伴い、利益水準及びキャッシュ・フローの一時的な低下を招くおそれがあり、短期的には当社少数株主の皆様に不利益を生じさせる可能性があるため、当社株式が市場流通性のない非上場株式であることも踏まえ、伊藤忠商事は、当社の親会社として、かかる施策を加速させるに先立ち、当社少数株主の皆様に対して合理的な投資回収の機会を提供することが適切であると判断したことを挙げています。本特別委員会からは、当社の置かれたビジネス環境や構造改革推進の必要性等に鑑み、伊藤忠商事による本売渡請求の目的は少数株主の利益を不当に害するものとは考えられないとの見解を得ております。
(b)本売渡請求の承認に至る取締役会の判断プロセスの適正性は確保されているか。
当社取締役会は、本件の検討にあたり、(a)少数株主の利益保護の観点から当社社外監査役及び社外有識者にて構成される独立性を保った諮問機関(本特別委員会)を設置したこと、(b)4回にわたり本特別委員会より表明された意見・指示・要請及び財務アドバイザーであるCPAパートナーズの助言を踏まえ、本売渡請求の内容の妥当性について複数回にわたり慎重に審議していること、(c)当社と伊藤忠商事との間の本売渡対価その他条件についての交渉方針及び本売渡請求の具体的検討に係る議案(以下「本議案」といいます。)を審議・決議するにあたり、少数株主保護の観点を踏まえた審議・決議がなされており、加えて、当社と伊藤忠商事との利益相反のおそれ等を排除するため、伊藤忠商事に属する取締役計2名は本議案の上程前に議場から退出して本議案の審議・決議に加わらず、その上で、利益相反のおそれ等を完全に排除するため、2段階による審議・決議にて進めることとし、第1段階として、伊藤忠商事に属する取締役計2名及び伊藤忠商事出身で当社に転籍済の取締役計3名を除く3名の取締役(2025年6月26日開催の当社定時株主総会以降は2名の取締役)にて審議・決議を行い、その決議結果について第2段階として、伊藤忠商事に属する取締役計2名を除く6名の取締役(2025年6月26日開催の当社定時株主総会以降は5名の取締役)による審議・決議がなされていることから、本売渡請求の承認に至る取締役会の判断プロセスの適正性は確保されていると判断します。
④ 当社の意思決定の内容
以上の経緯の下で、当社は、2025年9月3日開催の当社取締役会において、CPAパートナーズから受けた助言の内容を踏まえつつ、本諮問事項に対する本特別委員会の見解を最大限に尊重しつつ、本売渡請求が当社の少数株主の皆様の利益の確保及び当社の企業価値の向上の観点から妥当なものか否か等について、慎重に検討・協議を行いました。その結果は、次のとおりです。
日本における少子高齢化という事情及びメーカーとの力関係など業界特有の事情、さらには競合との競争激化も想定されるため、高級輸入車業界は今後マクロ的にも逆風に晒され、しかも当社を取り巻く環境はこれまでにも増して目まぐるしく変化することが見込まれるところ、いかなる経営環境下においても、当社がしっかりとした事業基盤を持つためには、これまで培ってきたお客さまやメーカーとの信頼関係、技術力や知見などを最大限に生かし、役員・従業員が一丸となって、既存の事業の更なる強化と収益基盤の多様化の推進を実現しなければならず、そのためには、当社の意思決定の機動性・迅速性をより一層向上させることが不可欠と考えられることから、当社取締役会は、本特別委員会の見解も踏まえ、伊藤忠商事による本売渡請求の目的は妥当と判断しました。
他方、これまで当社に対してご支援・ご協力をいただいてきた少数株主の皆様に合理的な投資回収の機会を提供することができるよう、株式売渡対価について伊藤忠商事と交渉を重ねた結果、伊藤忠商事から1株1,888円という本売渡対価の提示を受けました。当社取締役会としても、当社と伊藤忠商事との間の価格交渉プロセスは、独立当事者間取引としてのものであって、当社の企業価値(本源的価値)及び少数株主保護への配慮が十分なされたものであり妥当であること、当社財務アドバイザーであるCPAパートナーズが行った当社株式の価値算定における各算定方法に基づく評価額の最上値に近い水準であること、及び本売渡対価は、修正簿価純資産方式に基づく評価額1株1,716円に10.0%のプレミアムが加算されていると整理できること、伊藤忠商事との交渉の結果、当初提示額である1株1,525円よりも363円増(23.8%増)となっていることから、総合的に判断して、本売渡対価は、両当事者の合意可能な最大限の価格であり、本特別委員会の見解も踏まえ、本売渡対価は妥当と判断しました。
また、伊藤忠商事から、本売渡請求書において、当社の企業価値の観点から、当社株主のうち、創業家株主に対し、伊藤忠商事による本売渡株式の取得後、当社への再出資を要請することを考えており、具体的には、各創業家株主が伊藤忠商事に売り渡した当社株式の数を上限に、本売渡対価である1,888円と同額での伊藤忠商事からの当社株式の譲渡を打診することを予定しておりますが、かかる再出資に応じるか否かは各創業家株主のご判断となるとの意向が述べられています。当社といたしましても、当社の110年の伝統は唯一無二の財産であり、その生みの親である創業家の直系親族株主に株主として存続いただくことは、お客さまの当社に対する評価や旧来からの取引先・地域社会との関係、従業員の当社に対するロイヤルティに対して大きな安心感をもたらすものと想定でき、これにより当社の企業価値の向上に資すると考えられるため、取得日後に、当社の一部株主である創業家株主に対して伊藤忠商事より当社株式が譲渡され、再度当社株主になっていただくことが望ましいと考えております。当社取締役会は、本特別委員会の創業家株主による再出資及びその手続等に関する見解も踏まえ、伊藤忠商事による創業家株主への再出資要請を妥当と判断しました。
以上を踏まえ、当社取締役会は、伊藤忠商事による本売渡請求を承認する旨決議しました。
以上