有価証券報告書-第39期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。以下の事項は当社グループにおける全てのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在し、当該リスク要因により投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのリスク管理は、外部環境の変化とそれらに対応した、あるいはしなかった、できなかった社内の行動、すなわち外部からの脅威に対し内部の弱点に気付くことが出発点になります。リスクを自覚するための方法として、外部要因と内部要因に分けた枠組みを用意し、当社グループにとってのリスクを多面的に把握できるよう努めています。個別のリスクは、経営への影響度と発生可能性の2つの尺度で評価を行い、経営目標に対する重要性と対応方針を決定し、対応策を具体化して実行しています。その上で定期的に振り返り再評価を行い、次の行動に繋げるリスク管理サイクルを回しています。こうしたリスク管理の体制については、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。
(1)安全対策
貨物鉄道事業においては、列車の衝突、脱線、火災や、積載する危険品の漏洩等の事故が発生した場合、旅客列車のお客様や沿線の住民の皆さまの生命・財産に係わる大きな被害をもたらすことがあり、当社グループの経営にも甚大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは2021年度から、安全の理念、安全の定義、安全目標、安全行動指針からなる「安全の価値観」を改めて位置付けました。鉄道事業者にとって、安全の確保は事業運営の根幹であり、最優先で取り組むべき課題です。安全を確保することで、当社グループの貨物鉄道事業が成り立っているとの認識のもと、安全を確保したうえでお客様から安心してご利用いただき、旅客会社と良好な関係のもと同じレールを利用することで事業を営むという考えから、「安全は、鉄道事業の存立基盤である」を安全の理念として掲げています。
当社は貨物鉄道事業を基軸としており、貨物列車が旅客列車と同じレールを使用して運行していることから、最も発生させてはいけないことを「貨物列車に起因する旅客・公衆の人命に関わる事故・事象」と定め、その撲滅を安全目標としています。この目標達成に向けて毎年度、「鉄道安全実行計画」を策定し、リスクの大きい重大な事故等の絶滅と安全最優先の職場風土の構築に当社グループ全体で取り組んでいます。
具体的な事故防止策として、ソフト面では運転士をはじめとする人材の確保・養成及び教育の充実を図ると共に、ハード面では安全性の高い新製車両の導入や保安装置、各種地上設備の整備を着実に進めています。また、脱線や危険品漏洩等を想定した事故対応訓練を当社グループ各社及び旅客鉄道会社等と連携して実施し、対応力の強化に向けて努めています。さらにコンテナ輸送における事故防止のため、お客様及び利用運送事業者との定期的な情報交換や講習会を通じて連携を強化し、貨物運送約款等に規定する遵守事項の周知徹底を図っています。
こうした取り組みを進める中で、2024年7月21日に山陽線新山口駅構内において列車脱線事故が発生しました。本件については、運輸安全委員会による調査が継続しておりますが、その過程において、輪軸の圧入作業に関する作業記録の書き換え等の不適切な事案が判明しました。これを受け、鉄道事業法第56条第1項に基づく保安監査が実施され、2024年10月31日に国土交通大臣より輸送の安全に関する事業改善命令を受けました。
当社は、この事態を極めて重く受け止め、再発防止に向けた安全管理体制の抜本的な見直しと各種改善措置に取り組み、当該改善措置については2025年度までに完了しました。現在は、改善内容の確実な定着と継続的な検証を進め、安全水準の一層の向上に努めています。
今回の不適切事案は、鉄道事業に対する信頼を損なうものであり、決して許されるものではありません。当社グループは、二度とこのような事案を発生させないという強い決意のもと、全社を挙げて安全管理体制の強化に取り組み、輸送の安全確保に万全を期すとともに、社員一丸となって信頼回復に努めてまいります。
(2)自然災害等
地震・津波・噴火をはじめ、台風・集中豪雨等の災害では、当社グループの人員や車両、施設のほか、旅客鉄道会社等の保有するインフラに甚大な被害を受け、貨物列車の運行が阻害されることがあります。1987年の当社発足以来、1991年の武蔵野線新小平駅の災害、1995年の「阪神・淡路大震災」、2000年の「平成12年有珠山噴火災害」、2011年の「東日本大震災」等では多数の貨物列車を運行している重要幹線ルートが1ヵ月以上にわたって不通となり、2018年の「平成30年7月豪雨災害」でも山陽線が100日間寸断され、影響は列車運休4,500本、減収109億円、対応経費22億円にのぼりました。
当社では、訓練とその反省に基づくマニュアルの継続的見直しや、通信設備、予備品、備蓄物資の確保等の改善を進め、防災・減災に努めております。車両や施設に対しても、青函トンネル新幹線共用走行用機関車への車両逸脱防止ガイドの装備、高架橋の耐震補強工事、貨物駅構内の転てつ機耐水型化工事などを実施しております。
また、代替輸送体制を迅速に立ち上げて輸送を確保するため、迂回運転の事前検討や折返し運転シミュレーションを行う一方、当社グループで保有するトラックの活用や利用運送事業者との連携による代行体制の整備拡充を図り、影響の最小化に努めてまいりました。また一部の沿線自治体とは、代行トラック駐車場用地の確保について協力体制の構築を進めております。
「平成30年7月豪雨災害」でも、当社施設被害を速やかに復旧するとともに代替輸送の確保に努めましたが、社会インフラとしても一層の対応強化が求められており、代替輸送力手配や輸送機材・要員確保、情報発信・共有体制等についての見直しを進めている一方、鉄道の強靭化に向けて、国への要請を行っております。
また、当社は災害対策基本法(昭和36年法律第223号)、新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)、武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成15年法律第79号)に関して、「指定公共機関」として緊急物資輸送確保等の責務を負っており、防災業務計画等を策定して内閣総理大臣等に報告するとともに、その要旨を公表しております。
(3)事業に係る法律関連事項
当社は、鉄道事業者として「鉄道事業法」の定めに基づき事業運営を行っております。また、「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律」の適用の対象となっており、同法の定めに基づき事業運営を行っております。更に、当社グループは総合物流事業を目指しており、貨物利用運送事業法をはじめとする関係する法律の定めに基づき事業運営を行っております。これらの詳細については以下のとおりです。
① 鉄道事業法(昭和61年法律第92号)
鉄道事業者は本法の定めに従い、営業する路線及び鉄道事業の種別ごとに国土交通大臣の許可を受けなければならない(第3条)とされるとともに、鉄道事業の休廃止については、国土交通大臣に事前届出(廃止の場合は原則として廃止日の6ヶ月前まで)を行うこととされております(第28条、第28条の2)。なお、当社の鉄道事業における運賃・料金の設定・変更については、本法により必要な手続きが定められていましたが、2003年4月1日に施行された「鉄道事業法等の一部を改正する法律(平成14年法律第77号)」により本法の規制が撤廃されました。
② 「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和61年法律第88号)」(以下、「JR会社法」という。)
a 制定趣旨・目的等
JR会社法は、北海道旅客鉄道株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社及び九州旅客鉄道株式会社(以下「旅客鉄道会社」という。)ならびに日本貨物鉄道株式会社の出資・設立を定めるとともに、その目的及び事業範囲について規定していました(第1条)。本法により、各社は鉄道事業法の規制に加えて、経営上の重要事項に関して国土交通大臣の認可を必要とするなどの規制を受けるとともに、各社の社債権者が他の債権者に先立って弁済を受ける権利を有する(一般担保)(第4条)等の特例措置が講じられてきました。
b JR会社法の改正等について
2001年12月1日に施行された「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律(平成13年法律第61号)」により、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社及び西日本旅客鉄道株式会社がJR会社法の適用対象から除外され、また2016年4月1日に施行された「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律(平成27年法律第36号)」により、九州旅客鉄道株式会社がJR会社法の適用対象から除外されました。
これにより、北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社は引き続きJR会社法に定められた発行する株式等の募集、社債若しくは新株予約権の発行または長期借入金の認可(第5条)、重要な財産の譲渡等の認可(第8条)、定款の変更等の認可(第9条)、中小企業者への配慮(第10条)等の全ての規定の適用対象とされています。
(参考)国土交通大臣による認可を必要とする事項
(a)新株、社債及び借入金(JR会社法第5条第1項)
会社法第199条第1項に規定するその発行する株式、同法第238条第1項に規定する募集新株予約権若しくは同法第676条に規定する募集社債(社債、株式等の振替に関する法律第66条第1号に規定する短期社債を除く。)を引き受ける者の募集をし、株式交換に際して株式、社債(社債、株式等の振替に関する法律第66条第1号に規定する短期社債を除く。)若しくは新株予約権を発行し、又は弁済期限が1年を超える資金を借り入れようとするときは、国土交通大臣の認可を受ける必要があります。
(b)代表取締役等の選定等の決議(JR会社法第6条)
会社の代表取締役又は代表執行役の選定及び解職、並びに監査等委員である取締役若しくは監査役の選任及び解任、又は監査委員の選定及び解職の決議は、国土交通大臣の認可を受ける必要があります。
(c)事業計画(JR会社法第7条)
会社は、毎事業年度の開始前に、国土交通省令で定めるところにより、その事業年度の事業計画を定め、国土交通大臣の認可を受ける必要があります。また変更しようとするときも同様となります。
(d)重要な財産の譲渡等(JR会社法第8条)
会社は、国土交通省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、国土交通大臣の認可を受ける必要があります。
(e)定款の変更等(JR会社法第9条)
会社の定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分、合併、分割及び解散の決議は国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じません。
③ 貨物利用運送事業法(平成元年法律第82号)
貨物利用運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で、利用運送(運送事業者の行う運送を利用してする貨物の運送)を行う事業のことをいい、貨物利用運送事業者は、本法の定めに従い、営業する事業の種別ごとに国土交通大臣の登録又は許可を受けなければなりません(第3条、第20条)。なお、貨物利用運送事業の休廃止については、国土交通大臣への事後届出を休廃止日後30日以内に行うこととされています(第15条、第31条)。また、運賃料金についても、国土交通大臣への事後届出を設定・変更後30日以内に行うこととされています(貨物利用運送事業報告規則第3条)。
④ 総合物流施策大綱(2026年度~2030年度)
我が国の物流政策の指針を示す「総合物流施策大綱(2026年度~2030年度)」が2026年3月31日に閣議決定されております。同大綱においては、「サービスの供給制約に対応するための徹底的な物流効率化」、「物流全体の最適化に向けた商慣行の見直しや荷主・消費者の行動変容、産業構造の転換」、「持続可能な物流サービスの提供に向けた物流人材の地位・能力の向上と労働環境の改善」、「物流に携わる多様な関係者の連携・協力による物流標準化と物流DX・GXの推進」、「厳しさを増す国際情勢や自然災害等に対応したサプライチェーンの高度化・強靭化」の5つの観点で施策を推進する方向性が示されております。今後、これらの内容が見直し又は変更された場合には、その内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)線路使用料
当社は、鉄道事業法第2条第3項に規定される「第二種鉄道事業」により、主に他の旅客鉄道会社の線路を使用して貨物の運送を行っております。このため、線路を保有する旅客鉄道会社の線路の使用、駅業務ならびに車両や施設の保守等の業務の受委託、会社間の経費清算の取扱い等に関して、他の旅客鉄道会社との間に契約を結んでおります。
この契約では、旅客鉄道会社の線路の使用料は、当社が使用することにより「追加的に発生する額」とされております。すなわち、当社は貨物列車の運行に伴い損耗する軌道等の修繕等を対象とする各種の実績値に基づき、旅客鉄道会社と協議の上で決定された清算単価を使用して、これに機関車走行距離等の実績値を乗じた料金を支払っております。
① 清算単価の改定時期
清算単価は前年度実績に基づき毎年10月に改定(翌年9月まで適用)され、また線路使用料等の支払は1ヵ月単位となっております。このため、4月から翌年3月までを事業年度とする当社の事業計画は、10月以降翌年3月までの線路使用料等の経費について、現行単価に近年における増減傾向を加味して想定した見通し額として策定しております。
② 清算単価の変動要素
清算単価の算定基礎には、前年度に旅客鉄道会社が投じた軌道修繕等の実績としての費用が含まれておりますので、旅客鉄道会社における軌道修繕費等が大きく増減する場合、翌年度10月以降の清算単価に影響を及ぼす場合があります。
③ 線路使用に関する法的性格等
鉄道事業法第2条第3項により、自らが敷設する鉄道線路以外の鉄道線路を使用して事業を行う第二種鉄道事業について明確に規定されているほか、同法第15条により、使用料その他の国土交通省令で定める使用条件は、国土交通大臣の認可事項とされております。
線路使用料等の具体的な算定・支払方法等は、当社と旅客鉄道会社との契約によるもので、1987年の当社発足時の契約以降、2007年に一部変更の上で再締結しております。現在の契約は、2026年度末まで有効となっております。
④ 国土交通省の考え方
現在の考え方による線路使用のルールは、国鉄改革の枠組みの1つとして、当社の完全民営化まで堅持すべきものとされております。完全民営化後の旅客鉄道会社に対しては、当分の間配慮すべき事項として指針が設けられ、線路使用料は追加的に発生すると認められる経費の相当額を基礎として定める旨が、告示されております。
[参考:線路使用料算定の考え方についての経緯]
1985年11月 運輸省「新しい貨物鉄道会社のあり方について」
・貨物輸送がなければ発生が回避されると認められる経費(回避可能経費の考え方)
1997年6月 運輸大臣諮問機関「JR貨物の完全民営化についての基本問題懇談会」
・国鉄改革時の考え方及び国会における議論によれば、旅客会社・貨物会社の線路の使用頻度に大きな変更が生じない限り、現行ルールが将来にわたり継続されるものと考えられ、JR貨物の完全民営化までの間は、国鉄改革の基本的枠組みとしてのルール(回避可能経費)を基本とすべきである
2001年6月 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律(平成13年法律第61号)附則第2条に基づく「新会社がその事業を営むに際し当分の間配慮すべき事項に関する指針」の国土交通省告示(平成13年11月)
・鉄道線路を貨物会社に使用させる場合、貨物会社との協議を経て、貨物会社が鉄道線路を使用することにより追加的に発生すると認められる経費に相当する額を基礎として使用料を定めるものとする
(5)整備新幹線と並行在来線
① 整備新幹線の整備計画スキームと並行在来線
整備新幹線とは、全国新幹線鉄道整備法(昭和45年法律第71号)に基づき整備計画が決定された、北海道新幹線(青森市・札幌市)、東北新幹線(盛岡市・青森市)、北陸新幹線(東京都・大阪市[長野市付近・富山市付近])、九州新幹線(福岡市・鹿児島市及び福岡市・長崎市)の5路線を指しております。
並行在来線とは、整備新幹線区間を並行する形で運行する在来線鉄道のことです。整備新幹線に加えて並行在来線を経営することは営業主体であるJR旅客鉄道会社にとって過重な負担となる場合があるため、沿線全ての道府県及び市町村から同意を得た上で、整備新幹線の開業時に経営分離されることとなっています。並行在来線を承継する第三セクター等との間では、旅客鉄道会社との間の「追加的に発生する額」と異なる考え方での線路使用料が適用されるため、当社受損の安定的な回避策として、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の新幹線設備貸付料の一部を財源とした当社への助成制度(貨物調整金)が設けられ、当社の負担は、経営分離前の水準に維持されております。
ただし、この制度は現在整備中の新幹線の全線開業(2030年度)までとされ、以後は当社負担、一般会計対応、JR二島・貨物経営自立支援のための特例業務勘定での対応の3つの視点から見直しを行うとされております。
[参考:貨物調整金スキーム図]
出所:国土交通省報道資料より
[参考:並行在来線の当社による使用と整備計画スキームの経緯]
1990年12月(政府・与党申し合せ)
・並行在来線の旅客鉄道会社からの経営分離を決定
1996年12月(政府与党合意)
・経営分離後も貨物鉄道輸送の適切な輸送経路及び線路使用料を確保し、新幹線鉄道上を走行することも含め、関係者で調整する
1997年4月(全国新幹線鉄道整備法改正に伴う衆議院運輸委員会付帯決議)
・配慮すべき事項として、並行在来線の経営分離により将来JR貨物の輸送ネットワークが寸断されないよう万全の措置を講ずる
2000年12月(政府・与党申し合せ)
・JR貨物による使用実態に応じた適切な線路使用料を確保し、JR貨物の受損は新幹線貸付料収入の一部を活用し調整する(平成14年の全国新幹線鉄道整備法施行令改正により、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法附則の助成として制度化)
2015年1月(政府・与党整備新幹線検討委員会)
・貨物調整金は、並行在来線における経営努力やJR貨物完全民営化の進捗状況を踏まえ、整備中の新幹線が全線開業する2030年度までに新制度に移行するものとし、新制度移行の2031年度以降は、貸付料からの留保は行わない
② 線路使用料と貨物調整金の状況
当社が2025年度に計上した第三セクター等(道南いさりび鉄道株式会社、青森県、青い森鉄道株式会社、IGRいわて銀河鉄道株式会社、しなの鉄道株式会社、えちごトキめき鉄道株式会社、あいの風とやま鉄道株式会社、IRいしかわ鉄道株式会社、株式会社ハピラインふくい、肥薩おれんじ鉄道株式会社)への線路使用料は19,465百万円、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構からの貨物調整金は18,078百万円であり、アボイダブルコスト相当額は1,386百万円であります。
③ 当社の考え方
貨物調整金の縮小・廃止は当社の運行経費の増加につながります。一方、今後の北海道新幹線の延伸(新函館北斗以北)、北陸新幹線の延伸(敦賀以西)に伴い、貨物列車を運行する並行在来線区間はさらに増加する見込みです。このため並行在来線に関わる貨物調整金スキームの安定化について、国土交通省に要望しているところです。
なお、当社は並行在来線の保有・運営主体である第三セクター等との緊密な協力を図るため、一部の会社への出資、役職員派遣等を実施しております。
[参考:各社への出資等]
・対象会社 青い森鉄道株式会社、肥薩おれんじ鉄道株式会社、道南いさりび鉄道株式会社、株式会社ハピラインふくい
・出資額等 500万~1億円出資、非常勤役員派遣等
(6)税制特例
当社は、地方税法附則第12条の2の7による鉄道用車両及びフォークリフト等の動力用軽油についての軽油引取税の免税、同法附則第15条等による固定資産税の課税標準額を縮減する措置等、各種の租税減免措置を受けております。ただし、今後の税制改正等により租税減免措置が変更となり、租税負担が増加する可能性があります。
軽油引取税特例の場合、減税額は約10億円となっており、当社では、国土交通省に対する免税措置延長の要望とともに、ディーゼル式入換機関車のハイブリッド機関車への置換え、ディーゼル式フォークリフトへの燃料改質器とアクセル踏込み制限装置の搭載等を進め、環境負荷の低減とともに、燃料消費量自体の削減を図っております。
[参考:主な税制特例措置]
① 地方税法附則第15条の3による直接本来の事業の用に供する承継固定資産の固定資産税、都市計画税の課税標準を5分の3とする特例
② 地方税法附則第12条の2の7第3項による、鉄軌道用車両等の動力源に供する軽油の引取りに対する特例
③ 租税特別措置法第90条の3の4による、鉄道事業に利用される軽油に対する特例
[参考:令和8年度税制改正]
① 地方税法附則第15条第6項による、高性能車両(機関車)の固定資産税の課税標準を3分の2とする特例(廃止:経過措置1年)
② 租税特別措置法第90条の3の4による、鉄道事業に利用される軽油に対する特例(3年延長)
(7)他の事業者との競合
鉄道ロジスティクス事業については、トラックドライバー不足や労働時間規制、カーボンニュートラル推進等、貨物鉄道輸送を促進する経済的・社会的環境の変化がある一方で、物流に関するさまざまな需要の変化、大型トレーラー通行規制緩和等の施策、技術革新によるトラック隊列走行や自動運転、低燃費自動化船舶の実現等により、相対的な競争力が低下し、収益等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、高い環境特性と労働生産性という強みを活かし、より安全性を向上させた高品質な総合物流サービスが提供できるよう、新しい技術を積極的に導入し、鉄道ロジスティクス事業の競争力を高めてまいります。
不動産事業においても、不動産物件の供給過剰による価格下落、販売商品の瑕疵による信用低下などが発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、市場動向を見ながら、信頼性のある物件提供を進めるとともに、計画的かつ効果的な修繕により物件の資産価値の維持向上を図ることを徹底してまいります。
(8)異常気象の発生
当社グループが貨物鉄道輸送をしている商品の一部には、第一次産品、飲料水等、輸送需要が天候に左右されるものもあるため、冷夏・猛暑、少雨・豪雨等の異常気象が発生した場合、売上高が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
多岐に亘る商品を取り扱うことで、異常気象の発生による影響を最小限にするようにしてまいります。
(9)不動産事業の展開
当社グループが展開する事業のうち、不動産賃貸業においては、景気低迷、人口減少によって消費活動が縮小するなどの理由により、商業施設やオフィスビルなどテナントからの賃料減額要求が生じる可能性があります。不動産売買業においては、需要・供給バランスや取引市場の景気動向に応じて変動する不動産マーケットに連動し、取引価格が低下する可能性があります。マンション事業においては、需要の低下により、賃貸マンションについては賃料、分譲マンションについては販売価格が低下する可能性があります。その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
更に労働者不足、鋼材・資材価格・エネルギー価格の上昇等を背景とした建設コストの上昇により、当初想定していた投資利回りの低下や投下資本回収期間の長期化を招く恐れがあります。そのため、建設物価の動向を注視するとともに、コスト上昇リスクを織り込んだ投資計画の策定、工事契約条件の精査、賃料水準の慎重な見極め等を通じて、当社グループの財政状態及び経営成績への影響を最小限に抑制してまいります。
(10)保有資産の価値に関する事項
当社グループは、土地その他の不動産を中心に、多くの固定資産を所有しており、経営環境の変化や収益性の低下等により、当該固定資産への投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失を計上することが必要になり、また、将来かかる資産を簿価未満で売却する場合には、売却損を計上する可能性があります。その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(11)環境規制に関する事項
当社グループは、鉄道ロジスティクス事業、不動産事業において、不動産を所有しております。当社グループは、かかる不動産の取得に際し、土壌汚染、水質汚染、建物へのアスベスト等の有害物質等の使用に関する環境調査を実施しておりますが、かかる調査によりすべての有害物質等の存在又は使用等が事前に判明する保証はありません。また、土地の所有者は、土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)に基づき、さまざまな場面において、土壌汚染に関する調査を実施しなければならず、また、人体への健康被害を生じうる土壌汚染が判明した場合には、その所有者は、土壌汚染に関する帰責性の有無及び善意・悪意を問わず、当局より有害物質等の除去を命じられる可能性があります。
また、建築基準法(昭和25年法律第201号)及び大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)に基づき、既存建物の解体・修繕等に関し、アスベストの除去又はその他一定の措置を講じる必要があります。有害物質等の存在は、不動産の販売、賃貸借、開発又は担保としての利用の制約となる可能性があり、また、資産価値の低下、有害物質等の除去等に要する費用の増加等を生じる可能性があります。さらに、かかる有害物質に起因して、現実に人体への健康被害等が生じた場合には、当社グループは、損害賠償等の責任を負う可能性があります。また、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。これにより各企業では事業活動における温室効果ガスの排出量の削減をより一層求められる可能性があります。これらの結果、現在よりも環境に配慮した投資及びその関連費用が増加する可能性があります。
(12)債務
① 長期債務
当社は1987年4月の会社設立に際し、日本国有鉄道改革法(昭和61年法律第87号)に基づき、国鉄長期債務のうち943億円を承継いたしました。
長期債務残高の縮減に努めるとともに、2011年度~2017年度に株主である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構から経営自立を図るための支援措置として700億円の無利子貸付を受け、これにより有利子借入の縮減を図ってまいりました。しかし、この無利子借入が2017年度を以て終了したことにより、有利子借入が再び増加に転じ、営業外費用の増嵩が避けられない状況にあります。そこで、低利かつ市場金利に連動した資金調達方法として、新たにシンジケート・ローンによる借入を2017年度末から開始し、支払利息額の抑制を図っています。さらに、資金調達方法の多様化を図るため、市中銀行からの有利子借入れ以外に、公募債を2021年度末にグリーンボンドとして発行いたしました。また、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律の期限が2031年3月末まで延長され、2021年度からの3年間で138億円、2024年度からの3年間で193億円の無利子貸付を受けることが決定しました。
2026年3月31日現在、当社の単体長期債務残高は前期比5.2%増の2,363億円(1年内返済予定分を含む)、連結の長期債務残高は前期比4.7%増の2,451億円(1年内返済予定分を含む)となっております。また、2026年3月期決算の支払利息(社債利息を含む)は、単体が前期比較で1億円増の13億円、連結が前期比較で1億円増の14億円です。
引き続き、経営の安定性を保つために資金調達の多様化を図り、長期債務残高や金利水準について注視してまいりますが、不測の事態の発生等により十分なキャッシュ・フローが確保できない場合や金利が大幅に変動した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
② 承継資産
当社は1987年4月の会社設立に際し、日本国有鉄道改革法に基づき、貨物鉄道輸送を営む上で必要とされる範囲で鉄道施設を承継いたしました。しかし、その後の輸送モードの転換や専用線による輸送終了等により、事業の用に供されなくなった鉄道施設で、未撤去のものが全国に点在しております。
これらの不要設備は、本線の列車運行への支障や第三者への被害をもたらす可能性もあり、撤去が望ましいものですが、費用が高額となる上に社外調整が多岐にわたり処理に時間を要することが想定されるほか、土留擁壁やトンネルなど、撤去が困難なものも含まれております。
当社ではこれら不要設備について順次撤去を進めて参りますが、撤去までの間は保有設備の維持管理を継続して行うとともに、劣化状況等を勘案した計画的かつ適切な対策を講じてまいります。
(13)情報システムおよび情報セキュリティ
当社は、現在、全ての事業における様々な業務分野で、多くの情報システムを用いています。また、当社と密接な取引関係にある他の鉄道事業者や利用運送事業者等においても、情報システムが重要な役割を果たしています。したがって、サイバー攻撃、人為的ミス等によってこれらの情報システムの機能に重大な障害が発生した場合や、情報システムを支える電力、通信回線等インフラ、コミュニケーションツール等の当社が利用するクラウドサービスに大規模な障害が発生した場合、当社の業務運営に影響を与える可能性があります。また、コンピュータウイルスの感染や人為的不正操作等により情報システム上の個人情報等が外部に流出した場合やデータが改ざん・破壊された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社では、日常より情報システムの機能向上や関係する社員の教育など、障害対策及びセキュリティ対策を展開するとともに、万が一問題が発生した場合においても、その影響を最小限のものとするよう、速やかな初動体制の構築、各部署が連携しての復旧対策が行える体制の整備を行うとともに、情報システムを安定稼働させるための設備・インフラ強化、見直しを計画的に進めております。
また、個人情報保護対策として、社内規程を整備し、個人情報の適正な取扱いについて定め、個人情報を扱う者の限定、アクセス権限の管理を行うほか、システムのセキュリティを強化するなど、当社で取扱う個人情報の取得、利用、管理を適正に行います。
(14)コンテナや鉄道車両等の調達
当社の主な鉄道輸送用コンテナは、長さが12ftサイズであり、国際標準であるISO規格海上コンテナの20ft・40ft等とは異なっております。また、12ftコンテナは、トラックやコンテナ車への固定(緊締)方法も独自の方式で規格化されております。
このため、コンテナ及びコンテナ車の製造者が著しく限定されているほか、国内では機関車・貨車を使用する鉄道事業者が当社にほぼ限られること、車両の検査・修繕に使用する機械や車両部品等についても特定の製造業者に限られる場合が多いこと等から、大規模災害での供給途絶、製造業者の事業見直し及び昨今の中東情勢に起因する石油製品の目詰まりが長期化することによる納期遅延又は生産中止、製造業者の業績等を背景とした調達価格上昇等が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社及び当社グループでは、予備部品等の適正在庫の保有や、代替品の必要性についての情報収集をしているほか、海外メーカーを含めた調達先の維持、拡大をし、安定的な輸送機材の確保を図ってまいります。
(15)大規模プロジェクト
鉄道ロジスティクス事業においては、「総合物流企業」への進化を図るべく、大規模開発案件として東京貨物ターミナル駅をはじめとした主要駅構内にて、マルチテナント型物流施設の新設による用地高度利用化を推進しています。「東京レールゲートWEST」が2020年2月に竣工、「東京レールゲートEAST」が2022年7月に竣工しました。その他、札幌貨物ターミナル駅構内に「DPL札幌レールゲート」が2022年5月に竣工、千葉市美浜区に「DPL千葉レールゲート」が2025年9月に竣工しました。
また、グループ各社との連携による総合物流事業の事業展開に向け、物流倉庫のPM(プロパティマネジメント)及びBM(ビルマネジメント)業務を当社グループ総体で実施していく体制を整備します。しかし、首都圏においては電子商取引の拡大に対応した大型物流施設の建設が増加しており、供給過多による価格競争の激化やテナント誘致の不調により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
しかし、電子商取引の拡大に対応した大型物流施設の供給過多による価格競争の激化やテナント誘致の不調、さらに労働者不足、鋼材・資材価格・エネルギー価格の上昇等を背景とした建設コストの上昇により、当初想定していた投資利回りの低下や投下資本回収期間の長期化を招く恐れがあります。そのため、建設物価の動向を注視するとともに、コスト上昇リスクを織り込んだ投資計画の策定、工事契約条件の精査、賃料水準の慎重な見極め等を通じて、当社グループの財政状態及び経営成績への影響を最小限に抑制してまいります。
(16)重大な訴訟案件
当社グループでは、経営に重大な影響が生じるような係争中の訴訟案件はありません。
法務リスクへの対応を強化するため、支社法務担当者、部外関連協議担当者、当社からグループ会社に派遣される取締役等への教育を実施しています。
(17)コンプライアンス
当社グループは、事業活動の上で、会社法、独占禁止法、借地借家法、個人情報の保護に関する法律などの一般に適用される法令、鉄道事業法など各事業のさまざまな業態ごとに適用される関係法令を遵守し、企業倫理に従って事業を行っております。
これらに反する行為が発生した場合あるいは規制当局からの調査対象となった場合、行政処分や社会的信用の失墜、対策費用の発生などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは「JR貨物グループコンプライアンス指針」を策定し、法令や社内規程の遵守、社会規範の遵守、公正な取引、反社会的勢力の排除等を、役員及び社員の経営行動規範として明確にしているほか、内部通報・外部通報窓口やコンプライアンス委員会の設置、役員及び社員への教育などにより、コンプライアンスの確保に努めてまいりました。
しかしながら、2015年度に管理職社員がJR会社法違反(収賄)の罪で、2017年度には元管理職社員が在職中の会社経費詐取(詐欺)及び背任の罪で、それぞれ起訴され、有罪判決を受けるに至りました。また、2024年には、輪軸の圧入作業に関する不適切事案が発覚し、国から「輸送の安全に関する事業改善命令」を受ける事態となりました。こうしたことが発生しないように、不正の実行を困難にする仕組みづくりや教育の見直しなどを実施していますが、今後もより一層のコンプライアンスの強化を図ってまいります。
(18)人口構造とライフスタイルの変化によるリスク
国内の人口構造は、総人口が大幅に減少し、かつ大都市への集中が進むと予測されています。
当社グループの鉄道ロジスティクス事業は長距離拠点間輸送が中心のため、総人口の減少と都市集中がただちに大幅な輸送需要の変化を招くことはないと思われるものの、生産年齢人口の減少は、ライフスタイルや働き方に対する意識などの雇用を取り巻く労働環境の変化と相俟って、当社グループの従業員確保に影響を与える可能性があります。
当社では、2019年度から、個人の成長をサポートし、モチベーションを高め、やりがいを感じられるとともに、多様な働き方に対応できるよう、従来の制度を抜本的に見直した新しい人事・賃金制度を導入しました。
さらに、2025年7月からは定年年齢を現在の60歳から65歳へ段階的に引き上げ、60歳以降の社員の生活保障と高年齢層の労働力確保を図るとともに、65歳までのキャリアパスを明確に描けるようにすることで、社員が長く働き続ける意欲の向上につなげてまいります。また、フレックスタイム制度の導入など、ワークライフバランス向上に向けた取り組みも進めております。
加えて、当社の関係会社においても、人事・賃金制度の見直しを進めるとともに、人材採用の支援体制を強化してまいります。
人材の獲得に向けて、新卒採用を中心に合同企業説明会への出展やオープンカンパニー、現場見学会等のイベント実施することにより、当社の認知度向上、人材の母集団形成、企業文化や業務内容の理解促進を図る取り組みを継続して行っています。2025年度については、理系人材や、女性を含む多様な人材の確保に向け、各種ターゲット別の採用イベントを実施するなど、採用活動におけるアプローチの深化を図り、企業理解を一層高める取組みを行っています。なお、待遇面においても、2026年4月に帰省旅費制度を拡充し、採用競争力の強化に取組んでいます。
(19)電力料金、原材料価格、労務費等の高騰に関するリスク
列車の運行や鉄道施設での使用で大量の電力を要することから、電気料金の引き上げにより営業費が増加する場合があります。電気料金が高騰するリスクに備え、機関車及び照明器具の消費電力の削減等に取り組んでいます。
また、設備投資や鉄道施設の維持・補修において、原材料価格及び労務費が高騰した場合、工事費の増加に伴い減価償却費及び修繕コストが増加し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。原材料価格及び労務費が高騰するリスクに備え、新たな取引先の募集による調達価格の低減に取り組んでいます。
(20)感染症の流行・拡大に関するリスク
2020年から2023年にかけてパンデミックを引き起こした新型コロナウイルス感染症のように、今後も未知のウイルス等による感染症が流行・拡大した場合には、当社グループが提供するサービスへの需要減少等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおける感染症対策については、事業継続の観点から、マスクの着用、手指の消毒等、個人を感染症から守る基本的な対策を実施します。また、在宅勤務の実施拡大、会議のリモート化等、人と人との接触機会を減らすことにより、感染症拡大を防ぐ対策も合わせて実施しますが、パンデミック等が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(21)犯罪・テロ行為の発生によるリスク
犯罪・テロ行為の発生により、当社の貨物鉄道事業等における安全性が脅かされる可能性があります。当社グループでは、セキュリティ強化に向け、駅構内における監視カメラの設置や施設内の巡回、警備を実施するなど対策を講じておりますが、大規模な犯罪・テロ行為が発生した際には、施設に被害が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。このような問題が発生した際は、初動体制の構築や各部署との連携を行うことで、速やかに対処し、影響を最小限のものとしてまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。以下の事項は当社グループにおける全てのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在し、当該リスク要因により投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのリスク管理は、外部環境の変化とそれらに対応した、あるいはしなかった、できなかった社内の行動、すなわち外部からの脅威に対し内部の弱点に気付くことが出発点になります。リスクを自覚するための方法として、外部要因と内部要因に分けた枠組みを用意し、当社グループにとってのリスクを多面的に把握できるよう努めています。個別のリスクは、経営への影響度と発生可能性の2つの尺度で評価を行い、経営目標に対する重要性と対応方針を決定し、対応策を具体化して実行しています。その上で定期的に振り返り再評価を行い、次の行動に繋げるリスク管理サイクルを回しています。こうしたリスク管理の体制については、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。
(1)安全対策
貨物鉄道事業においては、列車の衝突、脱線、火災や、積載する危険品の漏洩等の事故が発生した場合、旅客列車のお客様や沿線の住民の皆さまの生命・財産に係わる大きな被害をもたらすことがあり、当社グループの経営にも甚大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは2021年度から、安全の理念、安全の定義、安全目標、安全行動指針からなる「安全の価値観」を改めて位置付けました。鉄道事業者にとって、安全の確保は事業運営の根幹であり、最優先で取り組むべき課題です。安全を確保することで、当社グループの貨物鉄道事業が成り立っているとの認識のもと、安全を確保したうえでお客様から安心してご利用いただき、旅客会社と良好な関係のもと同じレールを利用することで事業を営むという考えから、「安全は、鉄道事業の存立基盤である」を安全の理念として掲げています。
当社は貨物鉄道事業を基軸としており、貨物列車が旅客列車と同じレールを使用して運行していることから、最も発生させてはいけないことを「貨物列車に起因する旅客・公衆の人命に関わる事故・事象」と定め、その撲滅を安全目標としています。この目標達成に向けて毎年度、「鉄道安全実行計画」を策定し、リスクの大きい重大な事故等の絶滅と安全最優先の職場風土の構築に当社グループ全体で取り組んでいます。
具体的な事故防止策として、ソフト面では運転士をはじめとする人材の確保・養成及び教育の充実を図ると共に、ハード面では安全性の高い新製車両の導入や保安装置、各種地上設備の整備を着実に進めています。また、脱線や危険品漏洩等を想定した事故対応訓練を当社グループ各社及び旅客鉄道会社等と連携して実施し、対応力の強化に向けて努めています。さらにコンテナ輸送における事故防止のため、お客様及び利用運送事業者との定期的な情報交換や講習会を通じて連携を強化し、貨物運送約款等に規定する遵守事項の周知徹底を図っています。
こうした取り組みを進める中で、2024年7月21日に山陽線新山口駅構内において列車脱線事故が発生しました。本件については、運輸安全委員会による調査が継続しておりますが、その過程において、輪軸の圧入作業に関する作業記録の書き換え等の不適切な事案が判明しました。これを受け、鉄道事業法第56条第1項に基づく保安監査が実施され、2024年10月31日に国土交通大臣より輸送の安全に関する事業改善命令を受けました。
当社は、この事態を極めて重く受け止め、再発防止に向けた安全管理体制の抜本的な見直しと各種改善措置に取り組み、当該改善措置については2025年度までに完了しました。現在は、改善内容の確実な定着と継続的な検証を進め、安全水準の一層の向上に努めています。
今回の不適切事案は、鉄道事業に対する信頼を損なうものであり、決して許されるものではありません。当社グループは、二度とこのような事案を発生させないという強い決意のもと、全社を挙げて安全管理体制の強化に取り組み、輸送の安全確保に万全を期すとともに、社員一丸となって信頼回復に努めてまいります。
(2)自然災害等
地震・津波・噴火をはじめ、台風・集中豪雨等の災害では、当社グループの人員や車両、施設のほか、旅客鉄道会社等の保有するインフラに甚大な被害を受け、貨物列車の運行が阻害されることがあります。1987年の当社発足以来、1991年の武蔵野線新小平駅の災害、1995年の「阪神・淡路大震災」、2000年の「平成12年有珠山噴火災害」、2011年の「東日本大震災」等では多数の貨物列車を運行している重要幹線ルートが1ヵ月以上にわたって不通となり、2018年の「平成30年7月豪雨災害」でも山陽線が100日間寸断され、影響は列車運休4,500本、減収109億円、対応経費22億円にのぼりました。
当社では、訓練とその反省に基づくマニュアルの継続的見直しや、通信設備、予備品、備蓄物資の確保等の改善を進め、防災・減災に努めております。車両や施設に対しても、青函トンネル新幹線共用走行用機関車への車両逸脱防止ガイドの装備、高架橋の耐震補強工事、貨物駅構内の転てつ機耐水型化工事などを実施しております。
また、代替輸送体制を迅速に立ち上げて輸送を確保するため、迂回運転の事前検討や折返し運転シミュレーションを行う一方、当社グループで保有するトラックの活用や利用運送事業者との連携による代行体制の整備拡充を図り、影響の最小化に努めてまいりました。また一部の沿線自治体とは、代行トラック駐車場用地の確保について協力体制の構築を進めております。
「平成30年7月豪雨災害」でも、当社施設被害を速やかに復旧するとともに代替輸送の確保に努めましたが、社会インフラとしても一層の対応強化が求められており、代替輸送力手配や輸送機材・要員確保、情報発信・共有体制等についての見直しを進めている一方、鉄道の強靭化に向けて、国への要請を行っております。
また、当社は災害対策基本法(昭和36年法律第223号)、新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)、武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成15年法律第79号)に関して、「指定公共機関」として緊急物資輸送確保等の責務を負っており、防災業務計画等を策定して内閣総理大臣等に報告するとともに、その要旨を公表しております。
(3)事業に係る法律関連事項
当社は、鉄道事業者として「鉄道事業法」の定めに基づき事業運営を行っております。また、「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律」の適用の対象となっており、同法の定めに基づき事業運営を行っております。更に、当社グループは総合物流事業を目指しており、貨物利用運送事業法をはじめとする関係する法律の定めに基づき事業運営を行っております。これらの詳細については以下のとおりです。
① 鉄道事業法(昭和61年法律第92号)
鉄道事業者は本法の定めに従い、営業する路線及び鉄道事業の種別ごとに国土交通大臣の許可を受けなければならない(第3条)とされるとともに、鉄道事業の休廃止については、国土交通大臣に事前届出(廃止の場合は原則として廃止日の6ヶ月前まで)を行うこととされております(第28条、第28条の2)。なお、当社の鉄道事業における運賃・料金の設定・変更については、本法により必要な手続きが定められていましたが、2003年4月1日に施行された「鉄道事業法等の一部を改正する法律(平成14年法律第77号)」により本法の規制が撤廃されました。
② 「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和61年法律第88号)」(以下、「JR会社法」という。)
a 制定趣旨・目的等
JR会社法は、北海道旅客鉄道株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社及び九州旅客鉄道株式会社(以下「旅客鉄道会社」という。)ならびに日本貨物鉄道株式会社の出資・設立を定めるとともに、その目的及び事業範囲について規定していました(第1条)。本法により、各社は鉄道事業法の規制に加えて、経営上の重要事項に関して国土交通大臣の認可を必要とするなどの規制を受けるとともに、各社の社債権者が他の債権者に先立って弁済を受ける権利を有する(一般担保)(第4条)等の特例措置が講じられてきました。
b JR会社法の改正等について
2001年12月1日に施行された「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律(平成13年法律第61号)」により、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社及び西日本旅客鉄道株式会社がJR会社法の適用対象から除外され、また2016年4月1日に施行された「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律(平成27年法律第36号)」により、九州旅客鉄道株式会社がJR会社法の適用対象から除外されました。
これにより、北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社は引き続きJR会社法に定められた発行する株式等の募集、社債若しくは新株予約権の発行または長期借入金の認可(第5条)、重要な財産の譲渡等の認可(第8条)、定款の変更等の認可(第9条)、中小企業者への配慮(第10条)等の全ての規定の適用対象とされています。
(参考)国土交通大臣による認可を必要とする事項
(a)新株、社債及び借入金(JR会社法第5条第1項)
会社法第199条第1項に規定するその発行する株式、同法第238条第1項に規定する募集新株予約権若しくは同法第676条に規定する募集社債(社債、株式等の振替に関する法律第66条第1号に規定する短期社債を除く。)を引き受ける者の募集をし、株式交換に際して株式、社債(社債、株式等の振替に関する法律第66条第1号に規定する短期社債を除く。)若しくは新株予約権を発行し、又は弁済期限が1年を超える資金を借り入れようとするときは、国土交通大臣の認可を受ける必要があります。
(b)代表取締役等の選定等の決議(JR会社法第6条)
会社の代表取締役又は代表執行役の選定及び解職、並びに監査等委員である取締役若しくは監査役の選任及び解任、又は監査委員の選定及び解職の決議は、国土交通大臣の認可を受ける必要があります。
(c)事業計画(JR会社法第7条)
会社は、毎事業年度の開始前に、国土交通省令で定めるところにより、その事業年度の事業計画を定め、国土交通大臣の認可を受ける必要があります。また変更しようとするときも同様となります。
(d)重要な財産の譲渡等(JR会社法第8条)
会社は、国土交通省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、国土交通大臣の認可を受ける必要があります。
(e)定款の変更等(JR会社法第9条)
会社の定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分、合併、分割及び解散の決議は国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じません。
③ 貨物利用運送事業法(平成元年法律第82号)
貨物利用運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で、利用運送(運送事業者の行う運送を利用してする貨物の運送)を行う事業のことをいい、貨物利用運送事業者は、本法の定めに従い、営業する事業の種別ごとに国土交通大臣の登録又は許可を受けなければなりません(第3条、第20条)。なお、貨物利用運送事業の休廃止については、国土交通大臣への事後届出を休廃止日後30日以内に行うこととされています(第15条、第31条)。また、運賃料金についても、国土交通大臣への事後届出を設定・変更後30日以内に行うこととされています(貨物利用運送事業報告規則第3条)。
④ 総合物流施策大綱(2026年度~2030年度)
我が国の物流政策の指針を示す「総合物流施策大綱(2026年度~2030年度)」が2026年3月31日に閣議決定されております。同大綱においては、「サービスの供給制約に対応するための徹底的な物流効率化」、「物流全体の最適化に向けた商慣行の見直しや荷主・消費者の行動変容、産業構造の転換」、「持続可能な物流サービスの提供に向けた物流人材の地位・能力の向上と労働環境の改善」、「物流に携わる多様な関係者の連携・協力による物流標準化と物流DX・GXの推進」、「厳しさを増す国際情勢や自然災害等に対応したサプライチェーンの高度化・強靭化」の5つの観点で施策を推進する方向性が示されております。今後、これらの内容が見直し又は変更された場合には、その内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)線路使用料
当社は、鉄道事業法第2条第3項に規定される「第二種鉄道事業」により、主に他の旅客鉄道会社の線路を使用して貨物の運送を行っております。このため、線路を保有する旅客鉄道会社の線路の使用、駅業務ならびに車両や施設の保守等の業務の受委託、会社間の経費清算の取扱い等に関して、他の旅客鉄道会社との間に契約を結んでおります。
この契約では、旅客鉄道会社の線路の使用料は、当社が使用することにより「追加的に発生する額」とされております。すなわち、当社は貨物列車の運行に伴い損耗する軌道等の修繕等を対象とする各種の実績値に基づき、旅客鉄道会社と協議の上で決定された清算単価を使用して、これに機関車走行距離等の実績値を乗じた料金を支払っております。
① 清算単価の改定時期
清算単価は前年度実績に基づき毎年10月に改定(翌年9月まで適用)され、また線路使用料等の支払は1ヵ月単位となっております。このため、4月から翌年3月までを事業年度とする当社の事業計画は、10月以降翌年3月までの線路使用料等の経費について、現行単価に近年における増減傾向を加味して想定した見通し額として策定しております。
② 清算単価の変動要素
清算単価の算定基礎には、前年度に旅客鉄道会社が投じた軌道修繕等の実績としての費用が含まれておりますので、旅客鉄道会社における軌道修繕費等が大きく増減する場合、翌年度10月以降の清算単価に影響を及ぼす場合があります。
③ 線路使用に関する法的性格等
鉄道事業法第2条第3項により、自らが敷設する鉄道線路以外の鉄道線路を使用して事業を行う第二種鉄道事業について明確に規定されているほか、同法第15条により、使用料その他の国土交通省令で定める使用条件は、国土交通大臣の認可事項とされております。
線路使用料等の具体的な算定・支払方法等は、当社と旅客鉄道会社との契約によるもので、1987年の当社発足時の契約以降、2007年に一部変更の上で再締結しております。現在の契約は、2026年度末まで有効となっております。
④ 国土交通省の考え方
現在の考え方による線路使用のルールは、国鉄改革の枠組みの1つとして、当社の完全民営化まで堅持すべきものとされております。完全民営化後の旅客鉄道会社に対しては、当分の間配慮すべき事項として指針が設けられ、線路使用料は追加的に発生すると認められる経費の相当額を基礎として定める旨が、告示されております。
[参考:線路使用料算定の考え方についての経緯]
1985年11月 運輸省「新しい貨物鉄道会社のあり方について」
・貨物輸送がなければ発生が回避されると認められる経費(回避可能経費の考え方)
1997年6月 運輸大臣諮問機関「JR貨物の完全民営化についての基本問題懇談会」
・国鉄改革時の考え方及び国会における議論によれば、旅客会社・貨物会社の線路の使用頻度に大きな変更が生じない限り、現行ルールが将来にわたり継続されるものと考えられ、JR貨物の完全民営化までの間は、国鉄改革の基本的枠組みとしてのルール(回避可能経費)を基本とすべきである
2001年6月 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律(平成13年法律第61号)附則第2条に基づく「新会社がその事業を営むに際し当分の間配慮すべき事項に関する指針」の国土交通省告示(平成13年11月)
・鉄道線路を貨物会社に使用させる場合、貨物会社との協議を経て、貨物会社が鉄道線路を使用することにより追加的に発生すると認められる経費に相当する額を基礎として使用料を定めるものとする
(5)整備新幹線と並行在来線
① 整備新幹線の整備計画スキームと並行在来線
整備新幹線とは、全国新幹線鉄道整備法(昭和45年法律第71号)に基づき整備計画が決定された、北海道新幹線(青森市・札幌市)、東北新幹線(盛岡市・青森市)、北陸新幹線(東京都・大阪市[長野市付近・富山市付近])、九州新幹線(福岡市・鹿児島市及び福岡市・長崎市)の5路線を指しております。
並行在来線とは、整備新幹線区間を並行する形で運行する在来線鉄道のことです。整備新幹線に加えて並行在来線を経営することは営業主体であるJR旅客鉄道会社にとって過重な負担となる場合があるため、沿線全ての道府県及び市町村から同意を得た上で、整備新幹線の開業時に経営分離されることとなっています。並行在来線を承継する第三セクター等との間では、旅客鉄道会社との間の「追加的に発生する額」と異なる考え方での線路使用料が適用されるため、当社受損の安定的な回避策として、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の新幹線設備貸付料の一部を財源とした当社への助成制度(貨物調整金)が設けられ、当社の負担は、経営分離前の水準に維持されております。
ただし、この制度は現在整備中の新幹線の全線開業(2030年度)までとされ、以後は当社負担、一般会計対応、JR二島・貨物経営自立支援のための特例業務勘定での対応の3つの視点から見直しを行うとされております。
[参考:貨物調整金スキーム図]
出所:国土交通省報道資料より[参考:並行在来線の当社による使用と整備計画スキームの経緯]
1990年12月(政府・与党申し合せ)
・並行在来線の旅客鉄道会社からの経営分離を決定
1996年12月(政府与党合意)
・経営分離後も貨物鉄道輸送の適切な輸送経路及び線路使用料を確保し、新幹線鉄道上を走行することも含め、関係者で調整する
1997年4月(全国新幹線鉄道整備法改正に伴う衆議院運輸委員会付帯決議)
・配慮すべき事項として、並行在来線の経営分離により将来JR貨物の輸送ネットワークが寸断されないよう万全の措置を講ずる
2000年12月(政府・与党申し合せ)
・JR貨物による使用実態に応じた適切な線路使用料を確保し、JR貨物の受損は新幹線貸付料収入の一部を活用し調整する(平成14年の全国新幹線鉄道整備法施行令改正により、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法附則の助成として制度化)
2015年1月(政府・与党整備新幹線検討委員会)
・貨物調整金は、並行在来線における経営努力やJR貨物完全民営化の進捗状況を踏まえ、整備中の新幹線が全線開業する2030年度までに新制度に移行するものとし、新制度移行の2031年度以降は、貸付料からの留保は行わない
② 線路使用料と貨物調整金の状況
当社が2025年度に計上した第三セクター等(道南いさりび鉄道株式会社、青森県、青い森鉄道株式会社、IGRいわて銀河鉄道株式会社、しなの鉄道株式会社、えちごトキめき鉄道株式会社、あいの風とやま鉄道株式会社、IRいしかわ鉄道株式会社、株式会社ハピラインふくい、肥薩おれんじ鉄道株式会社)への線路使用料は19,465百万円、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構からの貨物調整金は18,078百万円であり、アボイダブルコスト相当額は1,386百万円であります。
③ 当社の考え方
貨物調整金の縮小・廃止は当社の運行経費の増加につながります。一方、今後の北海道新幹線の延伸(新函館北斗以北)、北陸新幹線の延伸(敦賀以西)に伴い、貨物列車を運行する並行在来線区間はさらに増加する見込みです。このため並行在来線に関わる貨物調整金スキームの安定化について、国土交通省に要望しているところです。
なお、当社は並行在来線の保有・運営主体である第三セクター等との緊密な協力を図るため、一部の会社への出資、役職員派遣等を実施しております。
[参考:各社への出資等]
・対象会社 青い森鉄道株式会社、肥薩おれんじ鉄道株式会社、道南いさりび鉄道株式会社、株式会社ハピラインふくい
・出資額等 500万~1億円出資、非常勤役員派遣等
(6)税制特例
当社は、地方税法附則第12条の2の7による鉄道用車両及びフォークリフト等の動力用軽油についての軽油引取税の免税、同法附則第15条等による固定資産税の課税標準額を縮減する措置等、各種の租税減免措置を受けております。ただし、今後の税制改正等により租税減免措置が変更となり、租税負担が増加する可能性があります。
軽油引取税特例の場合、減税額は約10億円となっており、当社では、国土交通省に対する免税措置延長の要望とともに、ディーゼル式入換機関車のハイブリッド機関車への置換え、ディーゼル式フォークリフトへの燃料改質器とアクセル踏込み制限装置の搭載等を進め、環境負荷の低減とともに、燃料消費量自体の削減を図っております。
[参考:主な税制特例措置]
① 地方税法附則第15条の3による直接本来の事業の用に供する承継固定資産の固定資産税、都市計画税の課税標準を5分の3とする特例
② 地方税法附則第12条の2の7第3項による、鉄軌道用車両等の動力源に供する軽油の引取りに対する特例
③ 租税特別措置法第90条の3の4による、鉄道事業に利用される軽油に対する特例
[参考:令和8年度税制改正]
① 地方税法附則第15条第6項による、高性能車両(機関車)の固定資産税の課税標準を3分の2とする特例(廃止:経過措置1年)
② 租税特別措置法第90条の3の4による、鉄道事業に利用される軽油に対する特例(3年延長)
(7)他の事業者との競合
鉄道ロジスティクス事業については、トラックドライバー不足や労働時間規制、カーボンニュートラル推進等、貨物鉄道輸送を促進する経済的・社会的環境の変化がある一方で、物流に関するさまざまな需要の変化、大型トレーラー通行規制緩和等の施策、技術革新によるトラック隊列走行や自動運転、低燃費自動化船舶の実現等により、相対的な競争力が低下し、収益等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、高い環境特性と労働生産性という強みを活かし、より安全性を向上させた高品質な総合物流サービスが提供できるよう、新しい技術を積極的に導入し、鉄道ロジスティクス事業の競争力を高めてまいります。
不動産事業においても、不動産物件の供給過剰による価格下落、販売商品の瑕疵による信用低下などが発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、市場動向を見ながら、信頼性のある物件提供を進めるとともに、計画的かつ効果的な修繕により物件の資産価値の維持向上を図ることを徹底してまいります。
(8)異常気象の発生
当社グループが貨物鉄道輸送をしている商品の一部には、第一次産品、飲料水等、輸送需要が天候に左右されるものもあるため、冷夏・猛暑、少雨・豪雨等の異常気象が発生した場合、売上高が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
多岐に亘る商品を取り扱うことで、異常気象の発生による影響を最小限にするようにしてまいります。
(9)不動産事業の展開
当社グループが展開する事業のうち、不動産賃貸業においては、景気低迷、人口減少によって消費活動が縮小するなどの理由により、商業施設やオフィスビルなどテナントからの賃料減額要求が生じる可能性があります。不動産売買業においては、需要・供給バランスや取引市場の景気動向に応じて変動する不動産マーケットに連動し、取引価格が低下する可能性があります。マンション事業においては、需要の低下により、賃貸マンションについては賃料、分譲マンションについては販売価格が低下する可能性があります。その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
更に労働者不足、鋼材・資材価格・エネルギー価格の上昇等を背景とした建設コストの上昇により、当初想定していた投資利回りの低下や投下資本回収期間の長期化を招く恐れがあります。そのため、建設物価の動向を注視するとともに、コスト上昇リスクを織り込んだ投資計画の策定、工事契約条件の精査、賃料水準の慎重な見極め等を通じて、当社グループの財政状態及び経営成績への影響を最小限に抑制してまいります。
(10)保有資産の価値に関する事項
当社グループは、土地その他の不動産を中心に、多くの固定資産を所有しており、経営環境の変化や収益性の低下等により、当該固定資産への投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失を計上することが必要になり、また、将来かかる資産を簿価未満で売却する場合には、売却損を計上する可能性があります。その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(11)環境規制に関する事項
当社グループは、鉄道ロジスティクス事業、不動産事業において、不動産を所有しております。当社グループは、かかる不動産の取得に際し、土壌汚染、水質汚染、建物へのアスベスト等の有害物質等の使用に関する環境調査を実施しておりますが、かかる調査によりすべての有害物質等の存在又は使用等が事前に判明する保証はありません。また、土地の所有者は、土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)に基づき、さまざまな場面において、土壌汚染に関する調査を実施しなければならず、また、人体への健康被害を生じうる土壌汚染が判明した場合には、その所有者は、土壌汚染に関する帰責性の有無及び善意・悪意を問わず、当局より有害物質等の除去を命じられる可能性があります。
また、建築基準法(昭和25年法律第201号)及び大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)に基づき、既存建物の解体・修繕等に関し、アスベストの除去又はその他一定の措置を講じる必要があります。有害物質等の存在は、不動産の販売、賃貸借、開発又は担保としての利用の制約となる可能性があり、また、資産価値の低下、有害物質等の除去等に要する費用の増加等を生じる可能性があります。さらに、かかる有害物質に起因して、現実に人体への健康被害等が生じた場合には、当社グループは、損害賠償等の責任を負う可能性があります。また、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。これにより各企業では事業活動における温室効果ガスの排出量の削減をより一層求められる可能性があります。これらの結果、現在よりも環境に配慮した投資及びその関連費用が増加する可能性があります。
(12)債務
① 長期債務
当社は1987年4月の会社設立に際し、日本国有鉄道改革法(昭和61年法律第87号)に基づき、国鉄長期債務のうち943億円を承継いたしました。
長期債務残高の縮減に努めるとともに、2011年度~2017年度に株主である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構から経営自立を図るための支援措置として700億円の無利子貸付を受け、これにより有利子借入の縮減を図ってまいりました。しかし、この無利子借入が2017年度を以て終了したことにより、有利子借入が再び増加に転じ、営業外費用の増嵩が避けられない状況にあります。そこで、低利かつ市場金利に連動した資金調達方法として、新たにシンジケート・ローンによる借入を2017年度末から開始し、支払利息額の抑制を図っています。さらに、資金調達方法の多様化を図るため、市中銀行からの有利子借入れ以外に、公募債を2021年度末にグリーンボンドとして発行いたしました。また、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律の期限が2031年3月末まで延長され、2021年度からの3年間で138億円、2024年度からの3年間で193億円の無利子貸付を受けることが決定しました。
2026年3月31日現在、当社の単体長期債務残高は前期比5.2%増の2,363億円(1年内返済予定分を含む)、連結の長期債務残高は前期比4.7%増の2,451億円(1年内返済予定分を含む)となっております。また、2026年3月期決算の支払利息(社債利息を含む)は、単体が前期比較で1億円増の13億円、連結が前期比較で1億円増の14億円です。
引き続き、経営の安定性を保つために資金調達の多様化を図り、長期債務残高や金利水準について注視してまいりますが、不測の事態の発生等により十分なキャッシュ・フローが確保できない場合や金利が大幅に変動した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
② 承継資産
当社は1987年4月の会社設立に際し、日本国有鉄道改革法に基づき、貨物鉄道輸送を営む上で必要とされる範囲で鉄道施設を承継いたしました。しかし、その後の輸送モードの転換や専用線による輸送終了等により、事業の用に供されなくなった鉄道施設で、未撤去のものが全国に点在しております。
これらの不要設備は、本線の列車運行への支障や第三者への被害をもたらす可能性もあり、撤去が望ましいものですが、費用が高額となる上に社外調整が多岐にわたり処理に時間を要することが想定されるほか、土留擁壁やトンネルなど、撤去が困難なものも含まれております。
当社ではこれら不要設備について順次撤去を進めて参りますが、撤去までの間は保有設備の維持管理を継続して行うとともに、劣化状況等を勘案した計画的かつ適切な対策を講じてまいります。
(13)情報システムおよび情報セキュリティ
当社は、現在、全ての事業における様々な業務分野で、多くの情報システムを用いています。また、当社と密接な取引関係にある他の鉄道事業者や利用運送事業者等においても、情報システムが重要な役割を果たしています。したがって、サイバー攻撃、人為的ミス等によってこれらの情報システムの機能に重大な障害が発生した場合や、情報システムを支える電力、通信回線等インフラ、コミュニケーションツール等の当社が利用するクラウドサービスに大規模な障害が発生した場合、当社の業務運営に影響を与える可能性があります。また、コンピュータウイルスの感染や人為的不正操作等により情報システム上の個人情報等が外部に流出した場合やデータが改ざん・破壊された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社では、日常より情報システムの機能向上や関係する社員の教育など、障害対策及びセキュリティ対策を展開するとともに、万が一問題が発生した場合においても、その影響を最小限のものとするよう、速やかな初動体制の構築、各部署が連携しての復旧対策が行える体制の整備を行うとともに、情報システムを安定稼働させるための設備・インフラ強化、見直しを計画的に進めております。
また、個人情報保護対策として、社内規程を整備し、個人情報の適正な取扱いについて定め、個人情報を扱う者の限定、アクセス権限の管理を行うほか、システムのセキュリティを強化するなど、当社で取扱う個人情報の取得、利用、管理を適正に行います。
(14)コンテナや鉄道車両等の調達
当社の主な鉄道輸送用コンテナは、長さが12ftサイズであり、国際標準であるISO規格海上コンテナの20ft・40ft等とは異なっております。また、12ftコンテナは、トラックやコンテナ車への固定(緊締)方法も独自の方式で規格化されております。
このため、コンテナ及びコンテナ車の製造者が著しく限定されているほか、国内では機関車・貨車を使用する鉄道事業者が当社にほぼ限られること、車両の検査・修繕に使用する機械や車両部品等についても特定の製造業者に限られる場合が多いこと等から、大規模災害での供給途絶、製造業者の事業見直し及び昨今の中東情勢に起因する石油製品の目詰まりが長期化することによる納期遅延又は生産中止、製造業者の業績等を背景とした調達価格上昇等が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社及び当社グループでは、予備部品等の適正在庫の保有や、代替品の必要性についての情報収集をしているほか、海外メーカーを含めた調達先の維持、拡大をし、安定的な輸送機材の確保を図ってまいります。
(15)大規模プロジェクト
鉄道ロジスティクス事業においては、「総合物流企業」への進化を図るべく、大規模開発案件として東京貨物ターミナル駅をはじめとした主要駅構内にて、マルチテナント型物流施設の新設による用地高度利用化を推進しています。「東京レールゲートWEST」が2020年2月に竣工、「東京レールゲートEAST」が2022年7月に竣工しました。その他、札幌貨物ターミナル駅構内に「DPL札幌レールゲート」が2022年5月に竣工、千葉市美浜区に「DPL千葉レールゲート」が2025年9月に竣工しました。
また、グループ各社との連携による総合物流事業の事業展開に向け、物流倉庫のPM(プロパティマネジメント)及びBM(ビルマネジメント)業務を当社グループ総体で実施していく体制を整備します。しかし、首都圏においては電子商取引の拡大に対応した大型物流施設の建設が増加しており、供給過多による価格競争の激化やテナント誘致の不調により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
しかし、電子商取引の拡大に対応した大型物流施設の供給過多による価格競争の激化やテナント誘致の不調、さらに労働者不足、鋼材・資材価格・エネルギー価格の上昇等を背景とした建設コストの上昇により、当初想定していた投資利回りの低下や投下資本回収期間の長期化を招く恐れがあります。そのため、建設物価の動向を注視するとともに、コスト上昇リスクを織り込んだ投資計画の策定、工事契約条件の精査、賃料水準の慎重な見極め等を通じて、当社グループの財政状態及び経営成績への影響を最小限に抑制してまいります。
(16)重大な訴訟案件
当社グループでは、経営に重大な影響が生じるような係争中の訴訟案件はありません。
法務リスクへの対応を強化するため、支社法務担当者、部外関連協議担当者、当社からグループ会社に派遣される取締役等への教育を実施しています。
(17)コンプライアンス
当社グループは、事業活動の上で、会社法、独占禁止法、借地借家法、個人情報の保護に関する法律などの一般に適用される法令、鉄道事業法など各事業のさまざまな業態ごとに適用される関係法令を遵守し、企業倫理に従って事業を行っております。
これらに反する行為が発生した場合あるいは規制当局からの調査対象となった場合、行政処分や社会的信用の失墜、対策費用の発生などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは「JR貨物グループコンプライアンス指針」を策定し、法令や社内規程の遵守、社会規範の遵守、公正な取引、反社会的勢力の排除等を、役員及び社員の経営行動規範として明確にしているほか、内部通報・外部通報窓口やコンプライアンス委員会の設置、役員及び社員への教育などにより、コンプライアンスの確保に努めてまいりました。
しかしながら、2015年度に管理職社員がJR会社法違反(収賄)の罪で、2017年度には元管理職社員が在職中の会社経費詐取(詐欺)及び背任の罪で、それぞれ起訴され、有罪判決を受けるに至りました。また、2024年には、輪軸の圧入作業に関する不適切事案が発覚し、国から「輸送の安全に関する事業改善命令」を受ける事態となりました。こうしたことが発生しないように、不正の実行を困難にする仕組みづくりや教育の見直しなどを実施していますが、今後もより一層のコンプライアンスの強化を図ってまいります。
(18)人口構造とライフスタイルの変化によるリスク
国内の人口構造は、総人口が大幅に減少し、かつ大都市への集中が進むと予測されています。
当社グループの鉄道ロジスティクス事業は長距離拠点間輸送が中心のため、総人口の減少と都市集中がただちに大幅な輸送需要の変化を招くことはないと思われるものの、生産年齢人口の減少は、ライフスタイルや働き方に対する意識などの雇用を取り巻く労働環境の変化と相俟って、当社グループの従業員確保に影響を与える可能性があります。
当社では、2019年度から、個人の成長をサポートし、モチベーションを高め、やりがいを感じられるとともに、多様な働き方に対応できるよう、従来の制度を抜本的に見直した新しい人事・賃金制度を導入しました。
さらに、2025年7月からは定年年齢を現在の60歳から65歳へ段階的に引き上げ、60歳以降の社員の生活保障と高年齢層の労働力確保を図るとともに、65歳までのキャリアパスを明確に描けるようにすることで、社員が長く働き続ける意欲の向上につなげてまいります。また、フレックスタイム制度の導入など、ワークライフバランス向上に向けた取り組みも進めております。
加えて、当社の関係会社においても、人事・賃金制度の見直しを進めるとともに、人材採用の支援体制を強化してまいります。
人材の獲得に向けて、新卒採用を中心に合同企業説明会への出展やオープンカンパニー、現場見学会等のイベント実施することにより、当社の認知度向上、人材の母集団形成、企業文化や業務内容の理解促進を図る取り組みを継続して行っています。2025年度については、理系人材や、女性を含む多様な人材の確保に向け、各種ターゲット別の採用イベントを実施するなど、採用活動におけるアプローチの深化を図り、企業理解を一層高める取組みを行っています。なお、待遇面においても、2026年4月に帰省旅費制度を拡充し、採用競争力の強化に取組んでいます。
(19)電力料金、原材料価格、労務費等の高騰に関するリスク
列車の運行や鉄道施設での使用で大量の電力を要することから、電気料金の引き上げにより営業費が増加する場合があります。電気料金が高騰するリスクに備え、機関車及び照明器具の消費電力の削減等に取り組んでいます。
また、設備投資や鉄道施設の維持・補修において、原材料価格及び労務費が高騰した場合、工事費の増加に伴い減価償却費及び修繕コストが増加し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。原材料価格及び労務費が高騰するリスクに備え、新たな取引先の募集による調達価格の低減に取り組んでいます。
(20)感染症の流行・拡大に関するリスク
2020年から2023年にかけてパンデミックを引き起こした新型コロナウイルス感染症のように、今後も未知のウイルス等による感染症が流行・拡大した場合には、当社グループが提供するサービスへの需要減少等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおける感染症対策については、事業継続の観点から、マスクの着用、手指の消毒等、個人を感染症から守る基本的な対策を実施します。また、在宅勤務の実施拡大、会議のリモート化等、人と人との接触機会を減らすことにより、感染症拡大を防ぐ対策も合わせて実施しますが、パンデミック等が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(21)犯罪・テロ行為の発生によるリスク
犯罪・テロ行為の発生により、当社の貨物鉄道事業等における安全性が脅かされる可能性があります。当社グループでは、セキュリティ強化に向け、駅構内における監視カメラの設置や施設内の巡回、警備を実施するなど対策を講じておりますが、大規模な犯罪・テロ行為が発生した際には、施設に被害が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。このような問題が発生した際は、初動体制の構築や各部署との連携を行うことで、速やかに対処し、影響を最小限のものとしてまいります。