有価証券報告書-第12期(2025/05/01-2026/04/30)

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2026/07/29 16:26
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有報資料

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「Be a player.~教育の「意欲」の機会均等をあまねく達成し、前向きなひとをたくさんつくる企業~」を企業理念に掲げ、「教えたいと教わりたいをていねいに紡ぐ」を経営理念としております。この経営理念に基づき、学習塾等教育関連事業者に対し、鉄人講師等と共に制作した映像授業、塾運営の効率化を支援する管理機能を提供する「学びエイドマスター」、教育関連事業者の教材(紙媒体)の映像授業化と映像授業化したコンテンツを配信するための配信サービスを開発・提供する「学びエイドforEnterprise」の開発・運営を行っております。
「教えたいと教わりたいをていねいに紡ぐ」という経営理念の実現にむけて、良質な映像コンテンツの提供、経営管理体制、人材育成を強化し、「教わった」ひとが、次の「教えたい」衝動へとつながり、情報的・経済的・地域的・世代的格差を超えて、教育の「意欲」の力強い循環を達成し、教育の熱き意欲をていねいに紡ぐ企業となるべく取り組んでいく方針であります。
(2) 経営環境及び経営戦略等
当社の属する業界は、大きくは教育産業市場であり、また、教育におけるICT、AI、データ等のテクノロジーを活用した「EdTech(Education Technology)」及びデジタル教育関連市場にも属するものと認識しております。
教育産業全体については、少子化の進行により学齢人口は減少傾向にあるものの、教育サービスに対する需要は底堅く推移しております。矢野経済研究所「2025年版教育産業白書」によれば、2025年度の教育産業市場規模は、主要15分野計で前年度比0.6%増の約2兆8,000億円と予測されております。(※1)
一方で、学習塾・予備校市場においては、生徒数の減少に加え、講師やアルバイトスタッフ等の人材確保の難易度が高まっており、教育品質を維持しながら効率的な教室運営を実現することが重要な経営課題となっております。
また、大学進学時の大都市圏への学生流入傾向は継続しており、地方においては学齢人口の減少も進行しております。このような環境のもと、学習塾や教育事業者においては、生徒確保に加え、人材の採用・定着や教室運営の効率化が重要な経営課題となっております。当社は、こうした課題への対応策として、映像授業やオンライン学習サービス、学習管理システム等の活用ニーズは今後も高まるものと認識しております。
デジタル教育領域においては、政府が推進するGIGAスクール構想(※2)により、学校現場での1人1台端末環境の整備が進み、現在は端末更新を含む第2期の段階へ移行しております。また、学習者用デジタル教科書についても段階的な導入が進められており、小学校及び中学校において活用機会が拡大しております。これらの取り組みにより、学校教育におけるICT活用や個別最適な学び、学習履歴やデータを活用した教育の高度化に向けた環境整備が着実に進展しているものと認識しております。
さらに、教科書へのQRコード掲載やデジタルコンテンツとの連携が進展し、紙媒体と映像・音声・Web教材を組み合わせた学習スタイルが一般化しつつあります。こうした変化は、教科書準拠教材や参考書、補助教材市場にも影響を与えており、従来の紙媒体中心の教材提供から、デジタル教材を組み合わせたハイブリッド型の学習環境への移行が進んでおります。
eラーニング市場については、矢野経済研究所「2025 eラーニング・デジタル教育ビジネスレポート」の調査によれば、2025年度の国内eラーニング市場規模は前年度比1.0%増の3,849億円(※3)と予測されております。企業向け研修やリスキリング需要の拡大に加え、学習塾・予備校や学校教育におけるデジタル活用の浸透により、市場は継続的に拡大していくものと考えられます。
また、大学入学者選抜制度においても大きな変化が進んでおります。総合型選抜及び学校推薦型選抜による大学入学者の割合は年々上昇しており、現在では大学入学者の過半数を占める状況となっております。これにより、従来の学力試験中心の受験対策に加え、主体性、多面的な思考力、表現力、探究活動の成果等を評価する入試制度への対応が求められております。
このような変化を背景に、高等学校においては探究学習やキャリア教育の重要性が高まっており、生徒一人ひとりの学習履歴や成長過程を支援する教育サービスへの需要も拡大しております。教育サービスにおいては、単なる知識習得や受験対策に留まらず、学習支援、進路指導、キャリア形成支援を含めた総合的な学習支援へのニーズが高まっているものと認識しております。
このような経営環境のもと、当社は、映像授業コンテンツ、学習支援システム及びデジタル教材等を通じて、教育現場における人材不足や運営効率化、教材のデジタル化、個別最適化された学習環境の実現といった課題解決に取り組むとともに、変化する教育制度や学習ニーズに対応したサービスの提供を推進してまいります。
※1 矢野経済研究所「教育産業白書2025年版」
※2 GIGAスクール構想とは以下を目標に掲げたものであります。(文部科学省GIGAスクール構想パンフレットより)
・1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子供を含め、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育環境を実現する
・これまでの我が国の教育実践と最先端のICTのベストミックスを図ることにより、教師・児童生徒の力を最大限に引き出す
※3 矢野経済研究所「2025 eラーニング・デジタル教育ビジネスレポート」
このような状況の中、当社では、(1)の企業理念等に基づき、企業理念の実現及び企業価値向上に向けて、以下の5つの成長戦略に基づき事業を推進しております。
① 信頼回復とガバナンスの強化
当社は、監査等委員会設置会社への移行及び執行役員制度の導入を通じて、意思決定の迅速化及び取締役会の実効性向上を図っております。今後もコーポレート・ガバナンス体制の強化及び適切な情報開示を推進し、ステークホルダーとの信頼関係の構築に努めてまいります。
② 主力サービスの再定義と顧客基盤の拡張
当社は、「学びエイドマスター」のリニューアルを進めるとともに、教材連携機能、添削機能及び講師ネットワーク等を統合した教育DXプラットフォームとしての機能強化を図っております。これにより顧客接点の多層化及び顧客生涯価値(Life Time Value:顧客生涯価値)の向上を目指すとともに、学習塾市場を中心とした顧客基盤の拡張を推進してまいります。
③ 収益モデルの変革
当社は、学習塾運営受託による安定収益の確保及び学習塾運営管理システム等の外販に向けた取り組みを推進しております。また、継続課金型サービスの拡大を通じてフロー型収益への依存を低減し、ストック型収益を中心とした安定的な収益基盤の構築を目指してまいります。
④ アライアンスによるスケール戦略
当社は、NOVAホールディングスグループとの資本業務提携を通じて、グループ内学習塾へのサービス展開及び塾運営管理システムの共同開発を推進しております。今後は共同開発したシステム及びコンテンツの外販化を進めるとともに、語学教育領域や公教育領域への展開を通じて、新たな収益機会の創出及び事業規模の拡大を図ってまいります。
⑤ 現場力の底上げ
当社は、映像授業制作で培ったノウハウに加え、学習塾運営受託を通じて得られる現場の知見を蓄積し、サービス及びプロダクトへ反映してまいります。これにより、教育現場の課題解決力を高めるとともに、組織全体の学習能力及び実行力の向上を図ってまいります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
① 収益構造の抜本的改革
当社は教材連携や添削機能を統合した「教育DXプラットフォーム」への進化を進めております。従来の単発収益依存から脱却し、サブスクリプション型等のストック売上の積み上げを強化してまいります。変革を確実にするため、NOVAホールディングス株式会社(以下、「NOVAホールディングス」といいます。)との学習塾の共同運営を本格稼働させ、下期への過度な業績偏重を大幅に解消することで経営基盤の安定化と持続的成長を推進してまいります。
② 戦略的アライアンスの深化とグループシナジーの創出
当社は、NOVAホールディングスとの資本業務提携による協業を、最も相乗効果が見込める「学習塾ドメイン」において深化・拡大させております。今後は同ドメインでのサクセスモデル確立や継続的な大型案件受託に向けたシステム基盤構築を最優先で進めるほか、当社既存コンテンツを他のグループ会社へスピーディーに横展開いたします。開発コストを抑制しながらグループの強固な顧客基盤を活かし、早期の収益化と中長期的な成長加速を図ってまいります。
③ 営業体制の再構築と運営ナレッジの蓄積による現場力の向上
通期黒字化の達成にむけ、既存顧客との関係深化と新規開拓を着実に進める営業体制の再構築に努め、確実な受注活動にむけて営業活動を進化させてまいります。さらに、映像授業の制作ノウハウの形式知化を進めることに加え、新たに開始した学習塾の共同運営を通じて現場の運営実務や知見を直接当社に蓄積いたします。これを早期にプロダクトやサービス改善へ還元することで、短期的・長期的なサービス価値を最大化してまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の売上高は主に、「学びエイドマスター」、「学びエイドマスターforSchool」及び「学びエイドforEnterprise」で構成されております。当社は、持続的な成長及び企業価値向上を実現するため、売上高成長率及び営業利益率を重要な経営指標としております。また、サービスの成長性及び収益性を把握するための参考指標として、「顧客数」及び「顧客単価」を継続的にモニタリングしております。
2026年4月期は、学習塾領域への経営資源の集中、NOVAホールディングスとの資本業務提携による協業推進及びストック型収益基盤の構築を進める一方で、前期に発生した大型案件失注の影響やEnterprise領域における新規受注の回復遅れ等により、売上高及び利益面で厳しい結果となりました。
各サービスの「顧客数」「顧客単価」の定義、及び経営指標等の推移は以下の通りです。
各サービスの「顧客数」「顧客単価」の定義
サービスの名称顧客数の定義顧客単価の定義
学びエイドマスター顧客数は契約教室数と定義しております。当社では、契約教室数の拡大は、利用生徒数の拡大につながること、契約教室数は、現在の売上だけでなく、今後学習塾向けに新たな機能やサービスを提供する際の基盤となるため、指標として設定しております。学びエイドサービスの売上高を顧客数(契約教室数)で割って算出しております。当社では、学びエイドマスターの利用者数の増加、付帯サービスのアップセルが売上高の増加に必要となるため、指標として設定しております。
学びエイドマスターforSchool顧客数は契約法人数と定義しております。契約法人数の拡大は、利用生徒数の拡大につながることから当サービスの指標として設定しております。学びエイドマスターforSchoolの売上高を顧客数(契約法人数)で割って算出しております。当社では、学びエイドマスターの継続利用に加えて、映像授業やシステムのカスタマイズ受注等のアップセルが売上高の増加に必要となるため、指標として設定しております。
学びエイドforEnterprise顧客数は契約法人数と定義しております。契約法人数の拡大は、案件数の増加につながることから、当サービスの指標として設定しております。学びエイドforEnterpriseの売上高を顧客数(契約法人数)で割って算出しております。当社では、契約法人に対し既存の受注に加え、映像コンテンツやシステム開発のアップセル・クロスセルが売上高の増加に必要となるため、指標として設定しております。

経営指標等の推移
セグメントの名称経営指標2025年4月期2026年4月期
教育デジタル事業売上高成長率(%)△53.926.3
営業利益率(%)
サービスの名称参考指標2025年4月期2026年4月期
学びエイドマスター顧客数(契約教室数)423352
顧客単価(千円)200208
学びエイドマスター
forSchool
顧客数(契約法人数)713
顧客単価(千円)11,21914,983
学びエイドforEnterprise顧客数(契約法人数)2728
顧客単価(千円)4,3243,187


・「教育デジタル事業」
2026年4月期は、学習塾領域サービスである「学びエイドマスター」及び「学びエイドマスター forSchool」を中心に、経営資源の集中を進めるとともに、NOVAホールディングスとの資本業務提携による協業体制の構築を進めてまいりました。「学びエイドマスター forSchool」は、ITTO個別指導学院との取組が進展し伸長したことにより、前期を上回る実績となりました。
・「学びエイドマスター」
個人~中小規模学習塾を取り巻く環境は、少子化や後継者不足等を背景として引き続き厳しい状況が続いております。一方で、既存顧客に対するサービス価値向上の取り組みにより解約率は改善傾向にあります。今後は、「テツヨビ」や添削サービス等の付加価値サービスとの連携を進めることで顧客満足度の向上を図り、顧客基盤の維持・拡大及び顧客単価の向上に取り組んでまいります。
・「学びエイドマスターforSchool」
中~大手規模の学習塾においては、ICTを活用した教育サービスへの需要は引き続き高い水準にあります。2026年4月期においては、NOVAホールディングスグループとの連携を進めるとともに、ITTO個別指導学院への導入を開始するなど、顧客基盤の拡大に向けた取り組みを推進いたしました。今後は、「学びエイドマスター」の機能強化に加え、学習塾運営管理システムの開発等を通じてサービス価値の向上を図り、継続的な収益基盤の拡充を目指してまいります。
・「学びエイドforEnterprise」
2026年4月期は、新規案件獲得の遅れ等により売上高が低調に推移いたしました。一方で、当社が保有する映像授業コンテンツを活用したライセンス提供やコンテンツ活用の取り組みを進めております。今後は、既存コンテンツの二次利用やレンタル提供を拡大するとともに、システム及びコンテンツの外販を推進し、継続的な収益獲得につながる事業基盤の構築を目指してまいります。

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