有価証券届出書(新規公開時)
有報資料
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「中堅・中小規模の個人事業主、法人、個人資産家及び地方自治体(以下、「中堅・中小企業等」という)の存続・発展に貢献する『応援団』であることを追求するとともに、全役職員の物心両面の幸福を追求する。」を経営理念に掲げ、中堅・中小企業等の多様化する経営課題や悩みにワンストップで対応するサービス体制で顧客の持続的な成長を支援しております。
当社グループの事業は、中堅・中小企業等の一般事業会社向けのコンサルティング事業に加えて、「かがやきアソシエイツ」と称する士業法人のグループに、会計・税務及び人事・労務等の分野など、当社グループで教育・研修したプロフェッショナル人材を派遣することが特徴です。
(2)経営環境及び事業戦略等
VUCAの時代(不確実性が高く将来の予測が困難な状況を指す。Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性の頭文字)である現代において、大企業はもとより、当社グループのメインターゲットである中堅・中小企業においても将来の予測を行うことは容易ではなく、経営の難しいかじ取りが求められております。また、売上高の成長率低下・コスト高への対応の限界・DX化への対応遅れ・バックオフィスの低生産性・税務会計への偏重・後継者不足・人手不足・時代に合った働き方への対応遅れ・資産の有効利用最適化への対応不足・不測の事態への対応不足等、中堅・中小企業が抱える経営課題に対し、伴走するべくサポーターの支援が不十分である点も含めて課題と認識しております。当社グループのビジネスモデルで、このような課題を解決し、中堅・中小企業の活性化を支援することを通じて日本経済の成長に貢献していきます。
① 経営環境
2024年4月に経済産業省にて発表された資料によりますと、我が国の中堅企業(中小企業者を除く、常時使用する従業員が2,000人以下の会社等の定義)の数は約9,000者※、中小企業(常時使用する従業員が300人以下または資本金3億円以下の企業と定義、但し、一部業種は資本金・従業員数が異なる)の数は約336万者※であり、これは日本の企業の約99.9%を占めています。(※助数詞は、会社・個人の総称として経済産業省の資料に基づき「者」としております)
政府は、各府省庁における中堅企業が活用可能な施策を取りまとめた「中堅企業成長促進パッケージ」を策定し、その成長を後押しするための支援を強化しました。また、金融機関も経営支援サービスを通じて中堅・中小企業の成長支援に力を入れております。
スタートアップ企業を含む中小企業が、中堅企業、そして大企業へと成長することが日本経済の成長にとって必要不可欠です。中堅・中小企業の成長には、政府や金融機関の支援だけでは限界があり、当社グループはそのニーズに応える応援団として、コンサルティングニーズにて応えていきたいと考えております。
1)コンサルティング業界
民間市場調査機関 IDC Japan株式会社の「国内ビジネスコンサルティング市場予測」によれば、国内のコンサルティング市場規模は、2019年の4,914億円から2026年には8,732億円と拡大傾向にあると予測しております。
中堅・中小企業等には、多様化した経営課題がありますが、それに対して提供されるコンサルティングサービスは、質・量ともに十分とは言えない状態です。経営課題解決のコンサルティングのニーズは拡大しています。また、士業法人が、中堅・中小企業等のニーズに応えていくためには、手続業務のみならずコンサルティング機能を発揮する必要があります。士業サービスのみを行う士業法人への、組織的運営や中堅・中小企業へのサービス提供のコンサルティングニーズは拡大しています。

2)人材派遣業界
社会や経済環境の変化に敏感に反応する人材派遣業界では、多様な働き方やグローバル人材の需要増加が見込まれる中でさらなる発展が期待されております。士業法人への人材派遣については、一般事業会社と同様にニーズは大きく、そのサービスを展開する会社は僅少であります。
3)士業法人業界
士業法人業界は、大規模法人と小規模法人の二極化が進んでおります。大規模法人は従来型の手続き業務に加えて、付加価値コンサルティングサービスメニューの提供により業績を伸ばしておりますが、小規模事務所は従来型の手続き業務により売上獲得が難しく停滞・衰退傾向となっております。また、当業界では、士業法人を運営する士業人材の高齢化や後継者不足、的確なマネジメントの必要性が課題となっております。そのため、小規模法人での運営は厳しさを増しており、生き残りをかけて大規模法人に参加したいニーズが多くあります。
② 事業戦略
当社グループにおけるビジネスモデルの特徴と強みは以下のとおりであります。
1)かがやきアソシエイツ(士業法人)との連携
プロフェッショナル人材派遣
(a)かがやきパートナーズ株式会社から派遣される人材は、研修制度を通じて、士業サービスに必要な専門的知識・ノウハウ等だけではなく、中堅・中小企業等の支援に必要なサービス(事業承継・DX化・BPO等)に関する基礎的知識を習得します。
(b)かがやきアソシエイツ(士業法人)は、プロフェッショナル人材の活用を通して、クライアントである中堅・中小企業等に士業サービスの提供のみならず、経営に関する多様なニーズの把握をすることができます。
(c)かがやきパートナーズ株式会社の人材は、研修等を通じて中堅・中小企業等の多様なニーズや、それに対して当社グループが対応できるサービスメニューの情報を常にアップデートしています。これにより、士業サービスの提供のみならず付加的なコンサルティングサービスの提供をサポート(トスアップ)することができます。
(d)かがやきアソシエイツは、クライアントである中堅・中小企業等と長期間にわたる顧問契約で信頼関係を構築しております。当社グループは、かがやきアソシエイツとの連携により、派遣されたプロフェッショナル人材が士業法人の業務の中でニーズを把握し、案件のトスアップを行うため営業費用の削減ができております。また、トスアップによる成約率は、40.3%(2025年5月末)となっております。
(e)当社グループが、かがやきアソシエイツに対して、組織体制の整備・運営、中期経営計画策定、マーケティング、中堅・中小企業等へのサービス向上のコンサルティングを提供することで、かがやきアソシエイツはクライアントである中堅・中小企業等のニーズに対応することができます。
(f)上記の結果、中堅・中小企業等の潜在的ニーズに応えることができ、当社グループの各サービスメニューが提供され、クロスセルが向上しております。士業法人との連携による収益性が拡大します。
トスアップの事例は以下のようなものがあります。
・かがやき税理士法人の税務申告の税務サービスの提供のみの顧客に対して、株式会社経理バンクのBPO(給与計算業務)の提案
・株式会社かがやき財産ネットワークスの不動産売却の顧客に対して、かがやき司法書士法人の不動産登記の提案
・株式会社経理バンクのBPO(記帳代行)業務のみの顧客に対して、かがやき社会保険労務士法人の労務手続の提案
2)安定的・長期的なサービスメニューでの売上割合が大きい
当社グループは、顧問契約等に基づき安定的な業務を主軸としており、当社グループの売上高を大別すると以下2つに区分されます。なお、「安定的・長期的売上」が全体売上の79.9%(2024年6月期)を占めております。
(a)「安定的・長期的売上」
・顧問契約等に基づき安定的に売上の継続が見込まれる売上
(b)「単発的・短期的売上」
・業務委託契約等に基づき単発的に計上が見込まれる売上

3)中堅・中小企業等への総合コンサルティングサービス提供
(a)中堅・中小企業等のあらゆる経営課題の解決に対応できるコンサルティングメニューを取り揃えております。
(b)一つのコンサルティングメニューの受託から派生して、他のコンサルティングメニューの受託につなげやすいワンストップ体制を展開し、当社グループ連結子会社でクロスセル向上策を積極的に推進しています。
(c)中堅・中小企業等の実態やニーズに同一のものはありません。個社ごとのニーズや実態に即したサービスを提供しております。
(d)中堅・中小企業等の負担能力に応じたオーダーメイドの価格設定でサービスを提供しております。
③ 成長戦略
当社グループは、以下のような成長戦略を策定しております。

1)既存サービスの収益拡大戦略
当社グループは、クライアントの満足度向上と既存サービスの付加価値向上のために、下記3つの戦略を策定しております。
(a)「アップセル向上」
既存顧客に対して、既に提供しているサービス内容に追加提案をすることで、顧客単価の向上を行っております。「安定的・長期的売上」をアップセルとして測定し、収益拡大を図ります。
(b)「クロスセル向上」
既存顧客に対して、各連結子会社が提供する別のサービスを提案することで、クロスセルの向上を行っております。クロスセルを向上させるためには、トスアップによる案件が源泉となります。トスアップによる案件の件数、成約件数、成約率を管理することでクロスセル向上による収益拡大を図ります。
中堅・中小企業等が抱える経営課題は多様化しております。単なるクロスセルの縦割りのサービス提供ではなく、連結子会社で連携しプロジェクトチームを組成して、複合的にサービス提供することで経営課題の解決をしています。
(c)「新規顧客獲得」
中堅・中小企業コンサルティング会社や地域金融機関等との連携を強化し、新規顧客を獲得することで収益性を高めております。2025年5月末現在、8行の地域金融機関とビジネスマッチング契約を締結しています。
2)M&A戦略
当社グループは、中堅・中小企業へのコンサルティング支援として不足していたサービスメニューをM&Aで補完し、ワンストップサービスを実現してまいりました。今後もM&Aを活用し、中堅・中小企業のニーズに対応するため、サービスメニューを拡充していきます。
(a)「既存サービスの事業領域拡大」
当社グループにはコンサルティングサービスメニューのラインナップがありますが、M&Aを通じて、既存のコンサルティングサービスメニューの拡大・ラインナップを追加することで、コンサルティング対応力を強化していきます。
(b)「新規サービスの獲得」
当社グループの既存のコンサルティングサービスメニューにないものをM&Aを通じて獲得することで、中堅・中小企業等のニーズに更にコミットできるようにしていきます。
3)アソシエーション戦略
士業業界活性化のために、あらゆる士業法人との連携を通じて、士業法人の顧客である中堅・中小企業にコンサルティングメニューを提供し、新規顧客獲得による収益拡大を目指しております。
(a)かがやきアソシエイツとの連携強化
・全国の後継者のいない士業法人が、かがやきアソシエイツに参画する際の支援を行い、かがやきアソシエイツの規模拡大に寄与しております。
・規模拡大により、当社グループの提供する「士業法人向けプロフェッショナル人材派遣」、「コンサルティングサービス」、「管理業務請負」のニーズも拡大します。
・かがやきアソシエイツとの連携を強化し、収益拡大を目指しております。
(b)クロスセル向上支援
かがやきアソシエイツとの連携を通じて、当社グループのクロスセル向上と、かがやきアソシエイツのクロスセル向上支援を行い、中堅・中小企業等へのサービス提供による収益拡大を目指しております。
当社グループの成長戦略である「既存サービスの収益拡大戦略」「M&A戦略」「アソシエーション戦略」による売上高の推移は以下の図のとおりであります。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
企業の持続的発展を実現するため、財務戦略として「DS経営に基づく企業価値向上サイクル」を掲げております。

「DS経営」とは、付加価値分配計算書(Distribution Statement)をもとにした経営の枠組みであり、企業が生み出した付加価値をステークホルダーへ適正分配することにより、企業の持続的発展を実現し、ひいては、ステークホルダーの利益につながることを目指す経営手法を意味します。これまでの損益計算書をベースとした「利益の最大化」という考え方から、「高付加価値の創出」と「適正分配」の考え方へ転換することにより、企業価値を向上させる好循環のサイクルを生み出し、あらゆるステークホルダーの利益に貢献できる企業を目指しております。
当社グループの企業価値向上にあたっては人的資本が極めて重要であるため、人的資本への投資を強化します。そうすることで役職員のモチベーション向上等につながり、結果として高付加価値の創出につながります。創出した付加価値を適正に分配することで、あらゆるステークホルダーの利益に貢献することとなり、企業価値向上の好循環サイクルを生み出せるものと考えております。
① DS経営に関する指標
② 高付加価値の創出に関する指標
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題と施策
中長期的な会社の経営戦略の実現を果たすため、当社グループは以下の課題と施策に取組んでまいります。
① シナジー向上の事業体制の強化及び業務効率化への取組み
当社グループは、顧客データ資産やビジネスノウハウが重要な知的資本と捉えております。この知的資本を最大限活用し事業活動を展開していくためには、一元管理するシステムの構築が必要不可欠であると考えております。システムの中で構築された情報をフル活用することにより、情報財産を分析しやすくし、生産性を向上させることで、ワンストップサービスの構築が可能となり、それにより事業のシナジーが高まっていきます。当社グループでは、成長戦略として「クロスセル向上支援」を掲げております。各連結子会社のサービスメニューを効率的に提供できる環境を構築しながら、機会損失を低減し、利益の拡大を図っていく事が重要であると考えております。
② 高付加価値サービスの開発
当社グループのコンサルティング事業では、様々なサービスメニューの展開を行っております。中堅・中小企業等の経営課題やニーズは多様化しており、単一のメニューでは解決できないことも増えつつあります。そのニーズに応えていくためには、複合的なサービスメニューをパッケージ化してサービス提供していく事が今後求められてきます。当社グループでは、独自の「パッケージサービス」の開発を進め高付加価値サービスの加速を行うことが重要であると考えております。
また、経営課題解決を重視すべきクライアントを選定し、「かがやきロイヤルカスタマーサービス」を展開しております。「かがやきロイヤルカスタマーサービス」とは、クライアントとの窓口になるサービスキャプテンを配置し、経営者と定期的な面談から経営課題の抽出を行い、解決すべき課題を完全オーダーメイドで対応するサービスであり、その進捗状況をモニタリングしてまいります。
今後も上記のみならず、高付加価値サービスを開発していくことが重要であると考えております。
③ ブランディング戦略、差別化戦略
当社グループを取巻く経営環境では、業界の二極化が進んでおり、また寡占化も進んでおります。そのような環境下で当社グループのブランディングも今後は重要課題であると認識しております。ホームページやSNSを通じての情報発信、機関紙やメディアでの露出などブランドイメージ構築の更なる強化、クライアント向け会員サービス「KAGAYAKI倶楽部」での差別化戦略も重要であると考えております。情報発信と経営者勉強会の内容に留まっている「KAGAYAKI倶楽部」をビジネスマッチング等の内容で更に充実させ差別化戦略を加速してまいります。ブランディング戦略と並行して、各サービスメニューと関係の強い業務提携先の増加、そしてその連携強化による勉強会や交流会の開催による顧客増を一層推進してまいります。
④ 優秀な人材の確保と育成
当社グループにおける今後の更なる成長を実現するためには、優秀な人材の確保及び育成が重要な課題であると認識しております。そのため、「かがやき人的資本強化戦略」により、中堅・中小企業等の経営課題解決のため、適材適所に人材の配置を行ってまいります。また、「教育研修プログラム」「人事評価制度(等級制度)」を通して、付加価値の高いコンサルティング能力を身に着け、多様な人材の育成を強化してまいります。また、これまで生産性向上のためにオフィスリノベーションの実施、フレックス制度、並びにテレワークの推進、ITツール活用等を進めてまいりました。全役職員の能力が最大限発揮できる環境づくりを行う組織体制の強化に取組んでいくために、継続的なアップデートが必要であると考えております。
⑤ コーポレート・ガバナンスの強化
当社グループが持続的な成長と企業価値を向上させていくためには、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが不可欠であると認識しております。当社グループは、多くの企業機密情報を預かるため、情報漏洩やデータの紛失等の事故が起きないように社内の管理体制を強固にするため、情報管理規則の徹底に加え、運用状況を内部監査における詳細な確認により対処しております。今後も事業規模の拡大に対応した内部管理体制の整備を進め、より適正かつ効率的な経営を実行し、事業基盤の強化に努めてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「中堅・中小規模の個人事業主、法人、個人資産家及び地方自治体(以下、「中堅・中小企業等」という)の存続・発展に貢献する『応援団』であることを追求するとともに、全役職員の物心両面の幸福を追求する。」を経営理念に掲げ、中堅・中小企業等の多様化する経営課題や悩みにワンストップで対応するサービス体制で顧客の持続的な成長を支援しております。
当社グループの事業は、中堅・中小企業等の一般事業会社向けのコンサルティング事業に加えて、「かがやきアソシエイツ」と称する士業法人のグループに、会計・税務及び人事・労務等の分野など、当社グループで教育・研修したプロフェッショナル人材を派遣することが特徴です。
(2)経営環境及び事業戦略等
VUCAの時代(不確実性が高く将来の予測が困難な状況を指す。Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性の頭文字)である現代において、大企業はもとより、当社グループのメインターゲットである中堅・中小企業においても将来の予測を行うことは容易ではなく、経営の難しいかじ取りが求められております。また、売上高の成長率低下・コスト高への対応の限界・DX化への対応遅れ・バックオフィスの低生産性・税務会計への偏重・後継者不足・人手不足・時代に合った働き方への対応遅れ・資産の有効利用最適化への対応不足・不測の事態への対応不足等、中堅・中小企業が抱える経営課題に対し、伴走するべくサポーターの支援が不十分である点も含めて課題と認識しております。当社グループのビジネスモデルで、このような課題を解決し、中堅・中小企業の活性化を支援することを通じて日本経済の成長に貢献していきます。
① 経営環境
2024年4月に経済産業省にて発表された資料によりますと、我が国の中堅企業(中小企業者を除く、常時使用する従業員が2,000人以下の会社等の定義)の数は約9,000者※、中小企業(常時使用する従業員が300人以下または資本金3億円以下の企業と定義、但し、一部業種は資本金・従業員数が異なる)の数は約336万者※であり、これは日本の企業の約99.9%を占めています。(※助数詞は、会社・個人の総称として経済産業省の資料に基づき「者」としております)
政府は、各府省庁における中堅企業が活用可能な施策を取りまとめた「中堅企業成長促進パッケージ」を策定し、その成長を後押しするための支援を強化しました。また、金融機関も経営支援サービスを通じて中堅・中小企業の成長支援に力を入れております。
スタートアップ企業を含む中小企業が、中堅企業、そして大企業へと成長することが日本経済の成長にとって必要不可欠です。中堅・中小企業の成長には、政府や金融機関の支援だけでは限界があり、当社グループはそのニーズに応える応援団として、コンサルティングニーズにて応えていきたいと考えております。
1)コンサルティング業界民間市場調査機関 IDC Japan株式会社の「国内ビジネスコンサルティング市場予測」によれば、国内のコンサルティング市場規模は、2019年の4,914億円から2026年には8,732億円と拡大傾向にあると予測しております。
中堅・中小企業等には、多様化した経営課題がありますが、それに対して提供されるコンサルティングサービスは、質・量ともに十分とは言えない状態です。経営課題解決のコンサルティングのニーズは拡大しています。また、士業法人が、中堅・中小企業等のニーズに応えていくためには、手続業務のみならずコンサルティング機能を発揮する必要があります。士業サービスのみを行う士業法人への、組織的運営や中堅・中小企業へのサービス提供のコンサルティングニーズは拡大しています。

2)人材派遣業界
社会や経済環境の変化に敏感に反応する人材派遣業界では、多様な働き方やグローバル人材の需要増加が見込まれる中でさらなる発展が期待されております。士業法人への人材派遣については、一般事業会社と同様にニーズは大きく、そのサービスを展開する会社は僅少であります。
3)士業法人業界
士業法人業界は、大規模法人と小規模法人の二極化が進んでおります。大規模法人は従来型の手続き業務に加えて、付加価値コンサルティングサービスメニューの提供により業績を伸ばしておりますが、小規模事務所は従来型の手続き業務により売上獲得が難しく停滞・衰退傾向となっております。また、当業界では、士業法人を運営する士業人材の高齢化や後継者不足、的確なマネジメントの必要性が課題となっております。そのため、小規模法人での運営は厳しさを増しており、生き残りをかけて大規模法人に参加したいニーズが多くあります。
② 事業戦略
当社グループにおけるビジネスモデルの特徴と強みは以下のとおりであります。
1)かがやきアソシエイツ(士業法人)との連携
プロフェッショナル人材派遣
(a)かがやきパートナーズ株式会社から派遣される人材は、研修制度を通じて、士業サービスに必要な専門的知識・ノウハウ等だけではなく、中堅・中小企業等の支援に必要なサービス(事業承継・DX化・BPO等)に関する基礎的知識を習得します。
(b)かがやきアソシエイツ(士業法人)は、プロフェッショナル人材の活用を通して、クライアントである中堅・中小企業等に士業サービスの提供のみならず、経営に関する多様なニーズの把握をすることができます。
(c)かがやきパートナーズ株式会社の人材は、研修等を通じて中堅・中小企業等の多様なニーズや、それに対して当社グループが対応できるサービスメニューの情報を常にアップデートしています。これにより、士業サービスの提供のみならず付加的なコンサルティングサービスの提供をサポート(トスアップ)することができます。
(d)かがやきアソシエイツは、クライアントである中堅・中小企業等と長期間にわたる顧問契約で信頼関係を構築しております。当社グループは、かがやきアソシエイツとの連携により、派遣されたプロフェッショナル人材が士業法人の業務の中でニーズを把握し、案件のトスアップを行うため営業費用の削減ができております。また、トスアップによる成約率は、40.3%(2025年5月末)となっております。
(e)当社グループが、かがやきアソシエイツに対して、組織体制の整備・運営、中期経営計画策定、マーケティング、中堅・中小企業等へのサービス向上のコンサルティングを提供することで、かがやきアソシエイツはクライアントである中堅・中小企業等のニーズに対応することができます。
(f)上記の結果、中堅・中小企業等の潜在的ニーズに応えることができ、当社グループの各サービスメニューが提供され、クロスセルが向上しております。士業法人との連携による収益性が拡大します。
トスアップの事例は以下のようなものがあります。
・かがやき税理士法人の税務申告の税務サービスの提供のみの顧客に対して、株式会社経理バンクのBPO(給与計算業務)の提案
・株式会社かがやき財産ネットワークスの不動産売却の顧客に対して、かがやき司法書士法人の不動産登記の提案
・株式会社経理バンクのBPO(記帳代行)業務のみの顧客に対して、かがやき社会保険労務士法人の労務手続の提案
2)安定的・長期的なサービスメニューでの売上割合が大きい
当社グループは、顧問契約等に基づき安定的な業務を主軸としており、当社グループの売上高を大別すると以下2つに区分されます。なお、「安定的・長期的売上」が全体売上の79.9%(2024年6月期)を占めております。
(a)「安定的・長期的売上」
・顧問契約等に基づき安定的に売上の継続が見込まれる売上
(b)「単発的・短期的売上」
・業務委託契約等に基づき単発的に計上が見込まれる売上

3)中堅・中小企業等への総合コンサルティングサービス提供
(a)中堅・中小企業等のあらゆる経営課題の解決に対応できるコンサルティングメニューを取り揃えております。
(b)一つのコンサルティングメニューの受託から派生して、他のコンサルティングメニューの受託につなげやすいワンストップ体制を展開し、当社グループ連結子会社でクロスセル向上策を積極的に推進しています。
(c)中堅・中小企業等の実態やニーズに同一のものはありません。個社ごとのニーズや実態に即したサービスを提供しております。
(d)中堅・中小企業等の負担能力に応じたオーダーメイドの価格設定でサービスを提供しております。
③ 成長戦略
当社グループは、以下のような成長戦略を策定しております。

1)既存サービスの収益拡大戦略
当社グループは、クライアントの満足度向上と既存サービスの付加価値向上のために、下記3つの戦略を策定しております。
(a)「アップセル向上」
既存顧客に対して、既に提供しているサービス内容に追加提案をすることで、顧客単価の向上を行っております。「安定的・長期的売上」をアップセルとして測定し、収益拡大を図ります。
(b)「クロスセル向上」
既存顧客に対して、各連結子会社が提供する別のサービスを提案することで、クロスセルの向上を行っております。クロスセルを向上させるためには、トスアップによる案件が源泉となります。トスアップによる案件の件数、成約件数、成約率を管理することでクロスセル向上による収益拡大を図ります。
中堅・中小企業等が抱える経営課題は多様化しております。単なるクロスセルの縦割りのサービス提供ではなく、連結子会社で連携しプロジェクトチームを組成して、複合的にサービス提供することで経営課題の解決をしています。
(c)「新規顧客獲得」
中堅・中小企業コンサルティング会社や地域金融機関等との連携を強化し、新規顧客を獲得することで収益性を高めております。2025年5月末現在、8行の地域金融機関とビジネスマッチング契約を締結しています。
2)M&A戦略
当社グループは、中堅・中小企業へのコンサルティング支援として不足していたサービスメニューをM&Aで補完し、ワンストップサービスを実現してまいりました。今後もM&Aを活用し、中堅・中小企業のニーズに対応するため、サービスメニューを拡充していきます。
(a)「既存サービスの事業領域拡大」
当社グループにはコンサルティングサービスメニューのラインナップがありますが、M&Aを通じて、既存のコンサルティングサービスメニューの拡大・ラインナップを追加することで、コンサルティング対応力を強化していきます。
(b)「新規サービスの獲得」
当社グループの既存のコンサルティングサービスメニューにないものをM&Aを通じて獲得することで、中堅・中小企業等のニーズに更にコミットできるようにしていきます。
3)アソシエーション戦略
士業業界活性化のために、あらゆる士業法人との連携を通じて、士業法人の顧客である中堅・中小企業にコンサルティングメニューを提供し、新規顧客獲得による収益拡大を目指しております。
(a)かがやきアソシエイツとの連携強化
・全国の後継者のいない士業法人が、かがやきアソシエイツに参画する際の支援を行い、かがやきアソシエイツの規模拡大に寄与しております。
・規模拡大により、当社グループの提供する「士業法人向けプロフェッショナル人材派遣」、「コンサルティングサービス」、「管理業務請負」のニーズも拡大します。
・かがやきアソシエイツとの連携を強化し、収益拡大を目指しております。
(b)クロスセル向上支援
かがやきアソシエイツとの連携を通じて、当社グループのクロスセル向上と、かがやきアソシエイツのクロスセル向上支援を行い、中堅・中小企業等へのサービス提供による収益拡大を目指しております。
当社グループの成長戦略である「既存サービスの収益拡大戦略」「M&A戦略」「アソシエーション戦略」による売上高の推移は以下の図のとおりであります。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
企業の持続的発展を実現するため、財務戦略として「DS経営に基づく企業価値向上サイクル」を掲げております。

「DS経営」とは、付加価値分配計算書(Distribution Statement)をもとにした経営の枠組みであり、企業が生み出した付加価値をステークホルダーへ適正分配することにより、企業の持続的発展を実現し、ひいては、ステークホルダーの利益につながることを目指す経営手法を意味します。これまでの損益計算書をベースとした「利益の最大化」という考え方から、「高付加価値の創出」と「適正分配」の考え方へ転換することにより、企業価値を向上させる好循環のサイクルを生み出し、あらゆるステークホルダーの利益に貢献できる企業を目指しております。
当社グループの企業価値向上にあたっては人的資本が極めて重要であるため、人的資本への投資を強化します。そうすることで役職員のモチベーション向上等につながり、結果として高付加価値の創出につながります。創出した付加価値を適正に分配することで、あらゆるステークホルダーの利益に貢献することとなり、企業価値向上の好循環サイクルを生み出せるものと考えております。
① DS経営に関する指標
| 区分 | 客観的な指標 |
| 高付加価値の創出 | ・付加価値総額 ・従業員1人あたり付加価値 |
| 付加価値の適正分配 | ・労働分配率(従業員) ・労働分配率(役員) |
| 人的資本投資の強化 | ・従業員 1人あたり人件費 ・取締役 1人あたり役員報酬 |
| 人的資本投資の強化 株主分配 共通 | ・従業員 保有株式時価換算額 ・取締役 保有株式時価換算額 ・従業員・取締役 持株比率 |
| 株主分配 | ・配当性向 ・株主資本配当率 |
② 高付加価値の創出に関する指標
| セグメント事業 | 客観的な指標 |
| コンサルティング事業 | ・契約件数 ・契約継続率 ・従業員数 |
| 人材派遣事業 | ・契約件数 ・従業員数 |
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題と施策
中長期的な会社の経営戦略の実現を果たすため、当社グループは以下の課題と施策に取組んでまいります。
① シナジー向上の事業体制の強化及び業務効率化への取組み
当社グループは、顧客データ資産やビジネスノウハウが重要な知的資本と捉えております。この知的資本を最大限活用し事業活動を展開していくためには、一元管理するシステムの構築が必要不可欠であると考えております。システムの中で構築された情報をフル活用することにより、情報財産を分析しやすくし、生産性を向上させることで、ワンストップサービスの構築が可能となり、それにより事業のシナジーが高まっていきます。当社グループでは、成長戦略として「クロスセル向上支援」を掲げております。各連結子会社のサービスメニューを効率的に提供できる環境を構築しながら、機会損失を低減し、利益の拡大を図っていく事が重要であると考えております。
② 高付加価値サービスの開発
当社グループのコンサルティング事業では、様々なサービスメニューの展開を行っております。中堅・中小企業等の経営課題やニーズは多様化しており、単一のメニューでは解決できないことも増えつつあります。そのニーズに応えていくためには、複合的なサービスメニューをパッケージ化してサービス提供していく事が今後求められてきます。当社グループでは、独自の「パッケージサービス」の開発を進め高付加価値サービスの加速を行うことが重要であると考えております。
また、経営課題解決を重視すべきクライアントを選定し、「かがやきロイヤルカスタマーサービス」を展開しております。「かがやきロイヤルカスタマーサービス」とは、クライアントとの窓口になるサービスキャプテンを配置し、経営者と定期的な面談から経営課題の抽出を行い、解決すべき課題を完全オーダーメイドで対応するサービスであり、その進捗状況をモニタリングしてまいります。
今後も上記のみならず、高付加価値サービスを開発していくことが重要であると考えております。
③ ブランディング戦略、差別化戦略
当社グループを取巻く経営環境では、業界の二極化が進んでおり、また寡占化も進んでおります。そのような環境下で当社グループのブランディングも今後は重要課題であると認識しております。ホームページやSNSを通じての情報発信、機関紙やメディアでの露出などブランドイメージ構築の更なる強化、クライアント向け会員サービス「KAGAYAKI倶楽部」での差別化戦略も重要であると考えております。情報発信と経営者勉強会の内容に留まっている「KAGAYAKI倶楽部」をビジネスマッチング等の内容で更に充実させ差別化戦略を加速してまいります。ブランディング戦略と並行して、各サービスメニューと関係の強い業務提携先の増加、そしてその連携強化による勉強会や交流会の開催による顧客増を一層推進してまいります。
④ 優秀な人材の確保と育成
当社グループにおける今後の更なる成長を実現するためには、優秀な人材の確保及び育成が重要な課題であると認識しております。そのため、「かがやき人的資本強化戦略」により、中堅・中小企業等の経営課題解決のため、適材適所に人材の配置を行ってまいります。また、「教育研修プログラム」「人事評価制度(等級制度)」を通して、付加価値の高いコンサルティング能力を身に着け、多様な人材の育成を強化してまいります。また、これまで生産性向上のためにオフィスリノベーションの実施、フレックス制度、並びにテレワークの推進、ITツール活用等を進めてまいりました。全役職員の能力が最大限発揮できる環境づくりを行う組織体制の強化に取組んでいくために、継続的なアップデートが必要であると考えております。
⑤ コーポレート・ガバナンスの強化
当社グループが持続的な成長と企業価値を向上させていくためには、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが不可欠であると認識しております。当社グループは、多くの企業機密情報を預かるため、情報漏洩やデータの紛失等の事故が起きないように社内の管理体制を強固にするため、情報管理規則の徹底に加え、運用状況を内部監査における詳細な確認により対処しております。今後も事業規模の拡大に対応した内部管理体制の整備を進め、より適正かつ効率的な経営を実行し、事業基盤の強化に努めてまいります。