訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2025/09/16 15:30
【資料】
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【項目】
125項目

有報資料

当社の本書提出日現在における「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」は以下の通りです。また、文中の将来に関する事項は、提出日現在において入手可能な情報に基づき、当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「すべてのお店の「マーケティングプラットフォーム」に」という経営理念を掲げ、店舗のCXの向上を目的としたソリューションを通じて、店舗事業者の事業成長に貢献することを目指しています。この経営理念の背景には、デジタルマーケティングの重要性が増す現代において、多くの店舗事業者が依然として「マーケティングの知識や施策を実施できる人材不足」や「効果の可視化の難しさ」といった課題を抱えており、このような課題に対し、当社は「GMOマーケティングDX」や「GMOマーケティングコネクト」といった主要サービスを軸に、店舗事業者が専門的な知識や人手を要することなく、効率的かつ最適なマーケティング施策による包括的な集客支援を提供することで、店舗事業者のDX推進を支援しております。
当社が考えるCX向上とは、店舗事業者が顧客一人ひとりのニーズや状況を理解し、最適な情報やサービスを提供することで、顧客とのエンゲージメントを高め、長期的な関係を構築していくことです。そのため、当社は、顧客データの収集・分析、パーソナライズされたマーケティング施策の実施、効果測定・改善提案など、CX向上に必要なあらゆるサービスをワンストップで提供しています。
また、当社はデジタルマーケティング領域における最新の技術やトレンドを常に把握し、顧客企業に最先端のソリューションを提供することで、顧客企業の競争力強化に貢献することを目指しています。AI技術を活用したデータ分析やマーケティングオートメーション、顧客体験プラットフォーム「GMOマーケティングコネクト」など、革新的なサービス開発にも積極的に取り組んでいます。
(2) 目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社の中心となる「GMOマーケティングDX」「GMOマーケティングコネクト」はストック・トランザクションの収益モデルで提供しているため、毎月経常的に得られるストック売上・トランザクション売上の拡大を経営上の目標としております。その達成状況を判断する上で、基盤となる顧客数およびARPU・継続率を重要な指標としております。顧客数は当社サービスを月額固定費で提供している店舗数、ARPUは当社サービスを通して店舗から得られる1顧客当たりの売上高、継続率は契約更新タイミングでの継続利用される比率です。持続的な成長を実現するため、上記の顧客数およびARPUの拡大、高継続率の維持が重要と考えております。
-店舗数:15,370店舗(2024年12月末時点)
-継続率:86%(2024年1月~2024年12月平均)
引き続き、これらの指標のさらなる改善に取り組み、持続的な成長に努めてまいります。
(3) 経営環境
当社の事業は店舗向けの販促に関連するDX(デジタルトランスフォーメーション)およびCXソリューションが主な関連市場となっております。当社が提供するサービスは大手チェーン店を中心に、小売、飲食、アパレルなど顧客接点を持つ多くの業界で利用されております。
当社がターゲットとする市場は広大であり、店舗事業者の販促費全体をTAM(Total Addressable Market)と捉え、その規模は約4.4兆円(注1)と推定しております。このうち、当社がサービスを提供可能な市場であるSAM(Serviceable Available Market)は、日本全国の店舗事業者(注2)約283万店舗に当社の主な契約店舗の平均単価(注3)を掛け合わせ、約9,680億円と見込んでおります。さらに、当社が獲得可能な市場であるSOM(Serviceable Obtainable Market)は、現在当社が契約している店舗の関連店舗(注4)約7.3万店舗に同様の単価を掛け合わせ、約250億円と推定しております。
このような巨大な市場において、これまで主流とされてきた従来のWEB販促などのマスマーケティングにおいて、昨今、個人情報保護法の改正によるCookie規制によってターゲティング広告の精度低下や効果測定が困難になり、消費者にとって不要な広告が増加しております。また消費者の購買行動が「モノ」から「コト(体験)」への変化をきっかけに、CXを重要視する企業が増加し、ソーシャルメディアやアプリなど、消費者一人ひとりの趣味や嗜好に合わせた「パーソナライズ化」された販促の取り組みが活発となっております。さらに、AI技術の進歩によって、膨大なデータの処理や複雑な行動パターンの分析など、消費者データの分析に基づいた高度なセグメントが可能となり、企業の競争優位性を高める上では製品やサービスの差別化だけではなく、CX重視の戦略立案や施策実行が必要となってくると考えております。
一方、店舗は消費者行動を含めたデジタルマーケティング環境の変化により従来のマーケティング手法では対応困難な複合的な課題に直面しています。新規顧客の獲得には多様な方法があるものの適切なチャネル選択が必要となり、一度来店した顧客を再度呼び込み定着させるリピーター育成は、継続的な顧客との関係構築のためパーソナライズされた施策による顧客体験向上が必要です。これらの課題解決には顧客データの効果的な活用と分析、DX推進による業務効率化、データ基盤の整備など専門的なマーケティング人材や資金が必要ですが実際にはデジタル技術の利用に慣れていないケースが多く見られます。
当社の主要サービスである「GMOマーケティングDX」「GMOマーケティングコネクト」は、顧客企業のニーズに合わせてLINE公式アカウントやInstagramなど最適なプロダクトを選定し、カスタマイズして提供することで、トレンドに合ったマーケティングによる売上拡大を支援するプラットフォームです。デジタルマーケティングツールの導入や運用に不慣れな店舗事業者に対し、導入サポートや運用代行の支援を提供し、これまで大手チェーン店を中心に、小売、飲食、アパレルなど顧客接点を持つ多くの業界で利用されております。
また、競合他社との競争優位性において、当社は2012年の設立以来、EC支援事業からO2O支援事業、現在のプラットフォーム事業へと展開し、店舗のSNS販促黎明期からサービス提供を行い、当社の強みである店舗支援モデルを確立し、以下の競争優位性を構築しております。
① 先行者優位性
店舗のSNS黎明期からサービス提供:企業ブランド力とデジタルマーケティング力を活かし店舗支援に集中
導入に繋がる多数の実績:大手企業の導入決定要因になり得る他社事例を多数保有
ナレッジとデータの蓄積:10年間のナレッジと運用データによる顧客との強固なリレーション
② 独自性・特徴
店舗単位・企業単位で伴走支援:専任チームの手厚いサポートとIT技術力による最適なツール提供が可能
店舗の事業規模に最適化:自社でデータ基盤やシステム開発が困難なチェーン企業のDX化を支援
③ 新規参入ハードル
初期投資:店舗開拓営業や運営には先行的に人材やコストが必要
リードタイム:店舗単位のストック収益モデルは損益分岐までの回収期間が必要
このような環境の中、当社は、DX市場の拡大と、企業のデジタル化促進を背景に、顧客基盤の更なる拡大とサービスの高度化を進めております。特に、個人情報保護法の改正やCookie規制の強化を受け、ゼロパーティデータやファーストパーティデータの活用に注力し、AIを活用したパーソナライズマーケティングによるCX向上の実現を目指しております。
(注) 1.株式会社電通「2024年 日本の広告費」の折り込みチラシ・ダイレクトメール・インターネット広告・POP、株式会社矢野経済研究所「ポイントサービス市場に関する調査(2024年)」、「2025年版デジタルマーケティング市場の実態と展望」のMA・CDP・CRM/SFA、IDC Japan株式会社「国内アプリケーションPaaS市場予測:2018年~2024年」、株式会社サイバー・バズ「国内ソーシャルメディアマーケティング市場規模推計・予測(2022年‐2029年)」、スマートキャンプ株式会社「メール配信システムの市場規模」、株式会社アイ・ティ・アール「Web接客市場規模推移および予測」、クロスフィニティ株式会社「SEO市場規模予測2014‐2018」、GMO TECH株式会社「MEO市場規模推計・予測2022年‐2028年」、の各市場規模を経済産業省「2023年経済造実態調査」の産業分類(宿泊業、飲食サービス業、卸売業、小売業、生活関連サービス業、娯楽業、不動産業、物品賃貸業、金融業、保険業、教育、学習支援業、医療、福祉)毎の売上高比率を基に当社推定
2.総務省統計局 2021年産業大分類別民営事業所数及び従業者数より卸売業、小売業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、不動産業、物品賃貸業、教育、学習支援業、複合サービス事業の事業所数を合計した数
3.今後注力していく顧客層が属する単価として2024年12月期売上の80%を構成する上位店舗の平均単価を算出
4.当社契約店舗の系列店等の総数
(4) 中長期的な会社の経営戦略
当社は、上記のような経営環境を踏まえ、当社の主要事業である「GMOマーケティングDX」「GMOマーケティングコネクト」を中心に、以下の経営戦略を推進することで、持続的な成長と企業価値向上を目指します。
① 既存顧客含めた顧客基盤の拡大
当社の強みである約15,000店舗の顧客基盤を生かし、既存顧客へのアップセルやクロスセルの促進と並行し、営業人員の増員や販路拡大によりさらなる顧客基盤の拡大を目指します。
a 顧客基盤拡大:
紹介促進や他業種展開と組織拡大による直販営業強化、代理店開拓の専任人材採用とGMOインターネットグループのシナジーなど販路拡大のための代理店強化、専任人材を採用して連携機能開発によるパートナー開拓などの協業促進を行い顧客基盤の拡大を図ります。
b ARPU向上:
顧客満足度向上施策やアップセル・クロスセル施策の実施によりサービスを強化し、CS営業による高付加価値のコンサルティングと専任サポートによる利用促進および既存顧客の未導入店舗追加によるARPU向上を目指します。
② プラットフォーム基盤の拡大
あらゆる顧客接点におけるCX向上を実現するため、AI技術を取り込んだ既存プロダクトの機能拡張、追加開発を推進し、販促効果の高いサービス提供を通して店舗の売上拡大・コスト削減を支援し、事業を拡大します。
a 既存サービスの機能強化:
注文や予約、来店、特典などのタッチポイント強化により顧客の声を収集し、既存サービスの機能強化や改善を継続的に行います。
外部機関による研究事例:3チャネル以上の接点でコンバージョン率が287%向上(注1)
b パーソナライズ強化:
15,000店舗のCDPデータによるユーザー嗜好解析と消費者の熱量、タイミング、頻度に合わせたパーソナライズ配信強化や改善を継続的に行います。
外部機関による研究事例:顧客獲得コストを最大50%削減(注2)、ROASを10〜25%向上(注3)
c オートメーション強化:
AIアシスタントとAIエージェントを組み合わせた自動運用によるマーケティングの自動化による効率化支援を行います。
外部機関による研究事例:マーケティングの生産性が5〜15%向上(注4)
d 新たな配信チャネルの開拓:
アプリやメルマガ、Webサイト、サイネージ、店内デバイスなど、新たな配信チャネルへの対応を強化します。
③ 新規事業展開
当社の保有する顧客基盤とユーザーデータを活用した店舗間における相互集客を実現する独自のリテールメディアプラットフォームの開発を推進します。リテールメディアとなる店舗の効率的な集客を支援し、新たなバリューチェーン構築による収益源の創出を行います。
a リテールメディア配信プラットフォームの開発:
あらゆる店舗が相互に集客・送客するネットワークとして「GMOマーケティングコネクト」の配信プラットフォームと顧客基盤を活用し、他社顧客にリーチできる配信機能と、顧客配信量27億通(注5)の配信実績に基づく広告掲出による広告費還元の仕組みなど、店舗間のパーソナライズ配信による相互集客を実現する当社独自モデルによるリテールメディア新規事業開発を推進します。ユースケースとして居酒屋で飲食中のカラオケ好きなユーザーを近くの空室有のカラオケ店へ誘導するなど、リテールメディア広告主企業(店舗やメーカー)は他店舗のユーザーの嗜好に合わせてアプローチすることが可能となります。
(注)1.WordStream「Cross-Channel Marketing: Can You Do It All?」(2023)
2.マッキンゼー・アンド・カンパニー「 What is personalization?」(2023)
3.BAIN&COMPANY「Personalization: AI for Retail Marketing Magic」(2025)
4.マッキンゼー・アンド・カンパニー「The economic potential of generative AI: The next productivity frontier」(2023)
5.2024年の当社契約企業アカウントからのLINE配信総数(自社調べ)
(5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当社は、上記の経営戦略を推進する上で、以下の課題に優先的に対処していく必要があります。
① 競争優位性の強化:
競争が激化するデジタルマーケティング市場において、競合他社との差別化を図り、優位性を維持・強化していく必要があります。当社はデジタルマーケティング領域におけるプラットフォーマーとして、最新の技術やトレンドを常に把握し、顧客企業に最先端のソリューションを提供し、競争優位性を高める施策を積極的に推進します。
② 人材確保と育成:
デジタルマーケティング領域における優秀な人材の確保と育成が急務です。採用活動の強化に加え、社員のスキルアップを支援する研修制度の充実など、人材育成にも注力します。
③ 財務基盤の強化:
安定的な収益基盤の構築と、今後の事業拡大のための資金調達など、財務基盤の強化に取り組みます。
当社は継続的な商品開発とサービス品質の向上、戦略的な人材投資、そして堅固な情報セキュリティ体制の構築とAIの活用やデータ分析の高度化に取り組み、これらの課題を克服し、全社一丸となって邁進してまいります。

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