有価証券報告書-第14期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/17 15:31
【資料】
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【項目】
104項目

有報資料

当社の本書提出日現在における「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」は以下のとおりです。また、文中の将来に関する事項は、提出日現在において入手可能な情報に基づき、当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「すべてのお店の『マーケティングプラットフォーム』に」という経営理念を掲げ、店舗のCXの向上を目的としたソリューションを通じて、店舗事業者の事業成長に貢献することを目指しています。この経営理念の背景には、デジタルマーケティングの重要性が増す現代において、多くの店舗事業者が依然として「マーケティングの知識や施策を実施できる人材不足」や「効果の可視化の難しさ」といった課題を抱えており、このような課題に対し、当社は「GMOマーケティングDX」や「GMOマーケティングコネクト」といった主要サービスを軸に、店舗事業者が専門的な知識や人手を要することなく、効率的かつ最適なマーケティング施策による包括的な集客支援を提供することで、店舗事業者のDX推進を支援しております。
(2) 目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は、店舗マーケティングのプラットフォーマーとして、継続的かつ予測可能性の高い収益モデルを構築しております。経営上の最重要指標としてARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)の最大化を掲げ、その達成状況を判断する上で、基盤となる顧客数、顧客単価、顧客解約率を重要な指標としております。顧客数は当社サービスを月額固定費で提供している店舗数、顧客単価は当社サービスを通して店舗から得られる1顧客当たりの売上高、顧客解約率は月次のカスタマーチャーンレートとして管理しております。
-店舗数:17,011店舗(2025年12月末時点)前年同期比10.7%
-顧客単価:12,205円(2025年第4四半期の期中平均)前年同期比19.4%
-顧客解約率:1.7%(2025年1月~2025年12月平均)前年同期比△0.4%
当社は、強固な顧客基盤(顧客数)に対し、自社および連携サービスにテクノロジーと伴走型支援を融合させた高付加価値サービス(顧客単価)を掛け合わせることで、ARRの圧倒的な成長スピードを追求してまいります。
(3) 経営環境
当社の事業は店舗向けの販促に関連するDX(デジタルトランスフォーメーション)およびCXソリューションが主な関連市場となっております。当社が提供するサービスは大手チェーン店を中心に、小売、飲食、アパレルなど顧客接点を持つ多くの業界で利用されております。
① 市場環境と成長ポテンシャル
国内のDX関連市場は、慢性的な労働力不足を背景とした業務効率化需要により、右肩上がりの拡大を続けております。富士キメラ総研の調査(注1)によると、国内のDX市場は2023年に約4.5兆円に達しました。中でも、当社がコアターゲットとする「顧客接点DX市場」は、2023年から2030年にかけて1.8倍の9,451億円へと急成長することが予測されています。この巨大な成長市場において、当社はデジタルマーケティングのプラットフォーマーとして、市場平均を上回る成長を実現しております。
② 店舗事業者の構造的課題
店舗事業者は現在、限られたリソースで収益を最大化させるための「店舗運営の効率化(DX)」と、一見客をファン化し安定収益へ繋げる「顧客体験の向上(CX)」の両立という、極めて難度の高い経営課題に直面しています。特に、デジタルを使いこなす「人材やノウハウの不足」が大きな壁となっており、集客からファン作りまでをシンプルかつ一気通貫で支援する当社のプラットフォームへの期待は、日々高まっております。
③ AI時代における当社の優位性と「SaaSの先」を見据えた戦略
生成AIの台頭により「単に機能を提供するだけのSaaS(Software as a Service)」の付加価値が低下するとの議論がなされています。しかし、当社は以下の「AIが代替困難な3つの強み」により、AI時代をむしろ追い風として事業を拡大させております。
a 店舗に密着した「ラストワンマイル」のサポート体制
AIはコードや文章を生成できますが、店舗現場のオペレーションに深く入り込み、DXを定着させることはできません。当社は専任チームによる伴走支援を通じて、技術を「現場で動く成果」へと変換しており、これが高い継続率の源泉となっています。
b 内製化のハードルが高い「マルチチャネル×多店舗」の独自データ保有
AIの精度はデータの質に依存します。当社はLINE、Instagram、アプリなど、10年間にわたる運用ナレッジや店舗が自社で統合管理しづらい複数チャネルの独自データを横断的に保有しています。この「データの厚み」によりマーケティングの精度を向上し、スイッチングコストを高めることで顧客の定着を図っております。
c オフラインを起点とした「SNSフォロワー獲得」のノウハウ
デジタル上での集客コストが高騰する中、当社は実店舗でのPOP活用など、オフラインでのフォロワー獲得施策に強みを持っています。この「リアルな接点」からデジタルへ誘導し、集客からリピーター作りまではツール提供のみでは難しい、当社の参入障壁です。
当社は、これらの強みをAI技術と融合させることで、単なるソフトウェアの提供を超えた、「AIエージェントが店舗のマーケティングを自律的に遂行する次世代プラットフォーム」への進化を加速させ、市場での圧倒的な優位性を堅持してまいります。
(注) 1.富士キメラ総研「2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」
(4) 中長期的な会社の経営戦略
当社は、店舗マーケティングのプラットフォーマーとして、ARR(年間経常収益)の最大化を最重要視しております。これを実現するため、「顧客店舗数の拡大」と「顧客単価の向上」を成長ドライバーとし、さらに非連続な成長をもたらす「アップサイド施策」を掛け合わせた成長戦略を推進することで、持続的な成長と企業価値向上を目指します。
① 顧客店舗数の拡大
広大な市場において、圧倒的なシェアを獲得するための営業・推進体制を強化します。
a 直販営業の強化:
AI活用による業務効率化で1営業担当者当たりの営業リソースを現状の1.2倍に改善、さらに新規採用による営業人員の増員により、提案の「量」を拡大します。また、ミドルマネジメント層の採用を通じて「質」を向上させ、大手チェーン向け提案力の強化を行い、新規獲得を10%以上増加させることを目指します。
b パートナー連携の促進:
従来の飲食・小売業に加え、理美容・宿泊・医療などの新業種へパッケージ展開を広げます。代理店網を全国の地方チェーンへ展開するとともに、GMOインターネットグループ各社からの顧客紹介を最大化させ、効率的な領域拡大を実現します。
c 顧客維持の強化
1.7万店舗超の店舗販促データを活用し、データ蓄積・分析からオンボーディング改善、伴走支援までのサイクルを回すことで、既存顧客との取引拡大による安定的な成長を担保します。
② 顧客単価の向上
あらゆる顧客接点におけるCX向上を実現するため、AI技術を取り込んだ既存プロダクトの機能拡張、追加開発を推進し、サービスの横展開とデータ活用による配信数増加を推進し、2025年第4四半期末時点で約12,500円の顧客単価を2028年に16,000円まで引上げることを目指します。
a サービス拡充
LINE公式アカウントに加え、Instagramダイレクトメッセージや販促メッセージ、SMSなど、マルチプロダクト展開を加速させます。勝ちパターンの型化により、店舗側にとって導入・利用ハードルの低いサービス提供を推進します。
b 配信数の増加
機能改善によりAIが顧客の好みを予測して配信対象者を自動で補完・抽出することで、効果的に配信対象数を増加させます。
③ さらなる成長のためのアップサイド施策
当社が保有する顧客基盤とユーザーデータのアセットを最大限活用し、以下の領域での積極的な投資により成長を加速させます。
a GMOインターネットグループのシナジー
金融系(決済データ・会員証連携)、広告系(AIマーケティング技術活用)、アプリ系(顧客接点DXプロダクト強化)など、当社事業と親和性の高い領域においてプロダクトやデータの連携、顧客紹介など、グループ独自の資産を最大限活用してまいります。
b M&Aへの投資によるプラットフォーム基盤の拡充
SNSツールや予約・注文システムなどの「マーケティングチャネル強化」、POS・CRM連携による「データ統合強化」、および「AI・技術力強化」を目的とした戦略的M&Aを行い、飛躍的な価値創造を目指します。
c 新規事業開発
当社の店舗ネットワークとデータを活用した「店舗メディア(リテールメディア)」の構築や、次世代の店舗運営を見据えた「ヒューマノイド(フィジカルAI)」活用など、新たな領域における収益の創出に向けた研究開発を推進します。
(5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当社は、上記の経営戦略を推進する上で、以下の課題に優先的に対処していく必要があります。
① 競争優位性の強化:
競争が激化するデジタルマーケティング市場において、競合他社との差別化を図り、優位性を維持・強化していく必要があります。当社はデジタルマーケティング領域におけるプラットフォーマーとして、最新の技術やトレンドを常に把握し、顧客企業に最先端のソリューションを提供し、競争優位性を高める施策を積極的に推進します。
② 人材確保と育成:
デジタルマーケティング領域における優秀な人材の確保と育成が急務です。採用活動の強化に加え、社員のスキルアップを支援する研修制度の充実など、人材育成にも注力します。
③ 財務基盤の強化:
安定的な収益基盤の構築と、今後の事業拡大のための資金調達など、財務基盤の強化に取り組みます。
当社は継続的な商品開発とサービス品質の向上、戦略的な人材投資、そして堅固な情報セキュリティ体制の構築とAIの活用やデータ分析の高度化に取り組み、これらの課題を克服し、全社一丸となって邁進してまいります。

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