有価証券報告書-第1期(2025/06/02-2026/03/31)
有報資料
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクについては、次のようなものがあります。文中の将来に関する事項は、2026年6月25日現在において当社グループが判断したものです。また、以下のリスクは当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、予想される主なリスクを例示したものです。
(1)経営統合に関するリスク
当社グループは、本経営統合後において、「統合プラットフォーム戦略」により大型・中型・小型トラックのプラットフォームを統合し、開発、調達、生産・物流等の機能を統合・効率化してリソースの最適配置及び有効活用を進めることで、安定した事業基盤の拡充や収益力の向上により経営環境の変化に対応するとともに、将来にわたり持続可能なビジネスモデルを構築することで、当社グループの企業価値を高め、ステークホルダーの期待に応えることを目指しておりますが、当初期待した本経営統合の統合効果が早期に又は十分に発揮できないことにより、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。統合効果の発揮を妨げる等の要因として以下が考えられますが、これらに限定されるものではありません。
・製品開発・アフターサービス提供の遅延、顧客又は取引先との関係の悪化、効果的な人員・生産・販売・アフターサービス拠点配置の遅延、マルチブランド戦略・マーケティング戦略の不統一、企業文化の相違、人材の維持・確保、持株会社運営に係るノウハウ不足を含む様々な要因により収益面における統合効果が実現できない可能性。
・重複する製品、開発部門、生産拠点、アフターサービス、物流ネットワーク、本部機能及び財務・情報システムの統合等を始めとする業務の効率性向上策・コスト削減策を実現できないことにより、期待どおりの業務の効率性向上・コスト削減を実現できず、また、両社の事業領域の競合によりかえって事業機会を失うことになる可能性。
・本経営統合に伴う、製品、開発部門、生産拠点、アフターサービス、物流ネットワーク、本部機能及び財務・情報システムの統合、従業員の再配置並びに会計方針、内部統制及び情報開示の方針及び手続その他の基準の統一等について、既に多額の統合費用が発生しており、今後も継続的な統合費用や想定外の追加費用・リソース投入を要する可能性。
・本経営統合により日野自動車及び三菱ふそうがトヨタグループ及びダイムラートラックグループから独立することにより、それぞれが従前に享受していた信用力・購買力・資金調達支援・研究開発・知的財産その他の支援が従前どおり受けられなくなり、また、日野自動車及び三菱ふそうがそれぞれトヨタグループ及びダイムラートラックグループとの間で行っていた取引の一部又は全部が従前の条件で継続しないこと又は解除されることにより、製品・サービス・技術・資金の調達コストが増大し、又は受入可能な条件で資金調達を行うことが困難となる可能性。
・本経営統合契約には、日野自動車のエンジン認証問題に関する特別補償条項が設けられており、2024年12月31日(株式交付比率算定基準日)時点で日野自動車が引当金その他の負債として計上していないエンジン認証問題に起因する潜在債務が同基準日後に顕在化した場合、当社及び日野自動車が、本経営統合前の三菱ふそうの特定の株主に対して2041年3月31日まで一定の金銭補償義務を負う可能性(特別補償条項の詳細は、後記「5 重要な契約等」を参照)。
・本経営統合に係る競争法対応に関する問題解消措置の実施等(現在係属中のインドネシアにおける本経営統合に係る競争法審査に基づき追加的な制限が課された場合の対応を含む。以下同じ。)により、本経営統合後の収益が実質的に制限される可能性。
・本経営統合の結果、2027年3月期に負ののれん発生益の計上が見込まれるが、その影響額を含む決算情報は確定しておらず、想定される決算情報の内容と異なる可能性。
(2)当社グループにおける事業等のリスク
①市場環境及び経済情勢
国内においてのトラック・バス等の販売及びアフターサービスの提供は、日本国内における経済状況、人口動態、周期性、国及び地方自治体による環境規制強化の実施並びに顧客のニーズの変化による需要の変動に大きく影響を受けます。また、国内貨物輸送の低迷や物流改革の進行により今後のトラック需要は減少する可能性があります。
海外におけるトラック・バス等の販売及びアフターサービスの提供は、各国・地域及びその市場における経済状況及び政治状況、周期性、保護主義政策等の影響を受けます。例えば、2025年には、米国政府によるトラックを含む商用車産業に対する追加関税措置がなされており、当社グループは価格の見直し等により当該関税措置の影響を最小化するよう努めておりますが、関税政策の長期化に伴い需要が減少する可能性があります。当社グループは東南アジアをはじめとして中東・アフリカ及び中南米等の新興国市場に対しても事業を展開しており、それらの地域において、法制度・税制の変更や、政治・社会・経済情勢の悪化、金融市場・外貨管理規制あるいは為替レートの不安定な変動、司法機関の機能不全又はテロリズム等の政治不安若しくは暴動等の非常事態等が発生する可能性があります。例えば、2027年3月期にはインドネシア政府との契約に基づき商用車両の納入を見込んでいますが、公共セクター向けの当該契約は政治・社会・経済情勢等により遅延や解約がなされる可能性があります。
また、他社との価格競争により当社グループの製品の需要及び価格の変動や、サプライチェーンへの悪影響を引き起こす可能性があります。
これらの需要及び価格変動等に対応するため、当社グループは、経済状況や需要動向の見通しの正確な把握に努めるとともに、顧客のニーズを的確に捉えた研究開発、商品力の強化と適正な生産体制の構築、原価改善等を推進し、需要・価格変動に強い企業体質を目指しておりますが、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②自動車市場における競争
当社グループの全世界における売上収益のうち、主要な部分を占める自動車市場は、激しい競争が繰り広げられており、今後さらに激化する可能性があります。競争環境の激化は当社グループの製品の競争力に影響を及ぼし、価格変動やシェア変動を引き起こす可能性があります。競争に影響を与える要素は、製品性能、安全性、燃費、環境負荷、価格、アフターサービスといった当社グループの製品に起因する事項の他、各国の電気自動車(EV)等への補助金政策や関税政策をはじめとする外部起因の事項を含め多岐にわたり、各国の市場によって状況は異なります。また、顧客のニーズの多様化に伴い、求められる技術水準も高まっております。
当社グループは、主要市場での競争力を維持・強化するため、「統合プラットフォーム戦略」により大型・中型・小型トラックのプラットフォームを統合し、開発、調達、生産・物流等の機能を統合・効率化してリソースの最適配置及び有効活用を進めることで、競争力の高い製品について継続的に開発・生産・販売並びにそのアフターサービスを実施していますが、当社グループの製品が市場で求められる技術水準に達せず競争優位性を失った場合、主要市場や新興国市場等での他社との競争に劣後した場合や業界再編に伴う当社グループの競争優位性が失われた場合、各国の政策等が当社グループに不利な内容となる等の場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③材料の調達及び価格の変動
当社グループは国内及び海外の複数のサプライヤー及びメーカーから原材料、部品等を調達し、トラック・バス、エンジン等を生産しております。当社グループは、部品の多くについて、その原材料の調達を特定の取引先に依存しており、インフラの機能不全やサプライヤー等の経営不振、他顧客への生産能力の割当て等の予期せぬ事態により、サプライヤー等からの原材料又は部品等の供給の停止又は不足が生じた場合には、当社グループの操業も停止し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、これらのエネルギーコストを含む原材料及び部品等の価格は、業界の需要や原材料の価格等に伴い変動しております。原材料及び部品等の価格が高騰した場合、競争圧力等により、必ずしも顧客に適時に価格転嫁できるとは限りません。原材料又は部品等の価格が高騰し、かつ、長期化する場合には、生産に必要な量の原材料、部品及び製品が確保できず、又は確保が遅れる可能性がある他、原材料又は部品等の価格の高騰を製品の価格に反映することができない結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループはこれらの材料調達及び材料価格の変動に対応するため、備蓄、モニタリング、調達先の代替手段、大規模なスケールメリットを活かした原価改善等を推進しておりますが、これらが奏功しない可能性もあります。
④技術革新やビジネスモデルの変化・社会的要請への対応
商用車業界では、新しい革新的な技術の発展や、ビジネスモデルの急速な変化、環境意識の高まり等の社会的要請といった、大きな変化に直面しています。例えば、顧客ニーズの高度化・多様化や、商用車を用いたビジネスモデルの変化、「CASE」に代表される自動運転技術やゼロエミッション技術、電気自動車(EV)に関する技術革新、総所有コストへの関心の高まり、生産・販売・アフターサービス・デジタルソリューション・バックオフィス業務におけるデジタルイノベーションの推進、エネルギー効率や排気ガス規制の厳格化を含む環境に対する社会的な要請等に対して、当社グループが適切に対応できるかどうかが当社グループの将来の成長に大きな影響を与えます。
当社グループは、トヨタ及びダイムラートラックその他の事業パートナーとの連携を通じて競争力のある幅広い技術ポートフォリオを構築しつつ、大規模なプロジェクトを含む様々な計画を推進し、「統合プラットフォーム戦略」により生み出したリソースを活用して、こうした技術革新や社会的要請に速やかに対応することにより当社グループの事業の拡大を目指していますが、これらの技術革新や社会的要請に速やかかつ十分に対応できなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤生産拠点の維持・集約
当社グループの国内の生産拠点は、生産拠点・物流ネットワークを最適化するため、車両生産に特化する古河工場、部品生産に特化する新田工場及び車両・部品生産に特化する川崎製作所の3拠点に集約される予定です。本経営統合前において、上記3拠点に加えて、日野自動車は羽村工場を有しており、三菱ふそうは中津工場及び富山工場を有しておりましたが、羽村工場は本経営統合の効力発生日(2026年4月1日)にトヨタへ移管されており、中津工場は川崎製作所へ集約予定であり、また、富山工場は別途設立する合弁会社に移管予定です。これらの国内の生産拠点の集約が計画どおりに進まない場合や生産拠点の移管後も契約に基づき当該生産拠点で生産を継続する一部の製品等について移管先の事情により供給が停止等する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
また、生産拠点において、技術上若しくは規制上の問題、又は火災等の人災及び地震等の自然災害により操業停止等の混乱が発生し、当社グループの製品等の供給が停止する場合等には、適時・適切に需要に応じた開発・製造ができず、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑥ブランド・イメージの維持・発展
競争の激しい自動車業界において、ブランド・イメージを維持し発展させることは非常に重要です。当社グループは、本経営統合により、日野自動車及び三菱ふそうのマルチブランド戦略による展開を図っており、各ブランドの健全な競争を維持しつつポジショニングの最適化を図るとともに、新たなコーポレートブランドであるARCHIONを含め、各ブランドは、誠実な企業経営と顧客の信頼に応えた製品・サービスの提供により、ブランド・イメージの形成とその維持向上に十分努めております。しかしながら、サプライチェーン全体における品質管理・法令遵守の徹底やサステナビリティへの貢献が不十分であること等を理由として、当社グループにおける事業活動への否定的な評判や評価が世間に流布されることによって信用が低下し、ブランド・イメージが毀損される可能性があります。三菱ふそうの三菱の商標の使用権はライセンス契約に基づいておりますが、今後もその商標を使用できる保証はありません。また、グループ戦略として各ブランドの価値最大化及びマルチブランド化への展開を加速させていく過程において、各ブランドのブランド・イメージを効果的に維持し発展させて価値最大化を図ることができない可能性もあります。これらの場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦他の企業との提携
当社グループは、製造、販売、アフターサービス、研究開発等に関して国内外の他の企業との間で合弁事業や業務提携を行う等、他の企業との提携を行っています。
本経営統合により、日野自動車及び三菱ふそうがトヨタグループ及びダイムラートラックグループから独立することにより、それぞれが従前に享受していた信用力・調達力・資金調達支援・研究開発・知的財産・金融サービス・製造委託その他の支援が従前どおり受けられなくなり、また、日野自動車及び三菱ふそうがそれぞれトヨタグループ及びダイムラートラックグループとの間で行っていた取引の一部又は全部が従前の条件で継続しないこと又は解除されることにより、製品・サービス・技術・資金の調達コストが増大することや受入可能な条件で資金調達を行うことが困難となることで、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。当社は、2026年5月14日付で、トヨタとの間で、一定の条件の下で、A種種類株式に転換可能な新株予約権付社債の発行により未償還残高上限2,000億円の調達を可能とする資金調達枠に関する新株予約権付社債契約(以下「本新株予約権付社債契約」という。)を締結しており、また、ダイムラートラックとの間で、一定の条件の下で、普通社債の発行により未償還残高上限200億円の調達を可能とする資金調達枠に関する普通社債契約(以下「本普通社債契約」という。)を締結しておりますが、当該資金調達枠における調達可能額や実際に発行される新株予約権付社債及び普通社債の内容は、当社グループの資金需要を満たすために十分でない可能性があります。なお、当社は、日野自動車及び三菱ふそうの取引銀行との間で、運転資金に必要な資金を確保するためにコミットメントライン契約の締結に向けて協議を継続しておりますが、当該契約が締結される保証はありません。
また、本経営統合に関する競争法上の懸念を払拭する観点から、日野自動車は、販売子会社6社のうち、5社の経営権を2026年4月に、1社の経営権を2026年6月に第三者に移管しており、これにより販売面のコストが増大することで、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当社グループは、提携先と緊密に連携しながら提携を進めておりますが、当社グループと提携先の利益が必ずしも一致する保証はなく、提携が円滑に進まず目的を達成できない可能性があります。また、提携先の経営方針や経営状況の変化等により、当初企図していた技術・製品の開発・提供ができない又は開発・提供が当社グループの計画どおりに進まない場合、当社グループが提携先から求められる技術水準に適合できない場合及び当社グループと提携先との提携が解消された場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。特に、2026年1月22日、三菱ふそうは鴻海精密工業股份有限公司(以下「Foxconn」という。)と、バス事業に特化した合弁会社を設立する契約を締結したと発表しました。この合弁会社を通じて、三菱ふそうはバス事業を継続し、富山工場でのバス生産を維持する方針です。しかしながら、当該合弁事業から期待される利益が実現する保証はなく、また、この体制の下で三菱ふそうのバス事業が想定どおりに維持できる保証はありません。
⑧国内外での事業活動
当社グループは、日本をはじめアジアを中心とした世界各地で事業活動を展開しております。本経営統合により当社グループの国内の生産拠点は国内の関東地方3か所に集約することが予定されています。また、世界各国のサプライヤーから部材の供給を受け、ディーラーやディストリビューターと提携して製品等の販売を行っています。
当社グループは、サプライチェーンにおける生産能力、信用リスク、製品等の品質、コスト等を適時・適切に把握するよう努めておりますが、これらの事業活動には、通常、予期しない法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、保護主義政策、人材の採用・確保の困難等の経済的に不利な要因の存在又は発生、テロや戦争、地震、津波、台風等の自然災害、火災、停電等の事故、労働争議、地政学的・公衆衛生的問題、セキュリティ侵害、コンピュータや関連システムの故障その他の要因による社会的又は政治的混乱等のリスクが存在します。こうしたリスクが顕在化する場合には、製造及びサプライヤーからの部材供給が滞ること、拠点の操業が停止されること、製品等の販売に支障が生じること等により当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨為替の変動
当社グループは円表示で連結財務諸表を作成しており、海外における現地通貨建の売上高、費用、資産等の項目は、連結財務諸表作成時に円換算されるため、換算時の為替レートによって、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
また、国内外での原材料、部品、製品等の仕入れや部品、製品等の販売において、外国為替相場の変動は当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。この為替変動リスクを抑えるために収入通貨と支払通貨を合致させるナチュラルヘッジやデリバティブ取引を行っておりますが、それによって本来得られた利益を逸失する可能性があります。
当社グループは、これらリスクに対応するため、適切なグローバル調達・生産・販売体制を検討・構築しておりますが、それらによって為替変動による影響を抑えきれない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩金利の変動
資金調達に係るコストは、市場金利が急激に上昇した場合、支払利息の負担が増大するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪貸倒れ
当社グループは、生産したトラック・バスを国内外の販売会社を通し様々な取引先に販売をしております。当社グループはこれらの取引先の信用リスク情報等を適時入手し、当該リスクの最小化を図っておりますが、取引先において信用不安等により予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、追加的な損失や引当の計上が必要となる場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑫製品の欠陥
当社グループは、基礎研究段階を含め、商品企画・開発からアフターサービスまでの各ステップにおいて、安全性への細心の配慮を行うとともに、厳格な品質管理基準に従って品質の確保に努めております。
しかし、第三者と協働して新規技術を開発する場合もあり、一部の製品について欠陥が生じ、また将来においてリコールや製造物責任賠償が発生する可能性があり、品質上の不具合が発生し、これらのリスクが顕在化する場合、加えて、実際に発生した費用が事前に計上した引当金を大きく上回る場合や損害賠償の価額が製造物賠償責任保険により填補できない場合には、既存製品のリコールや保証責任及び新製品の開発遅延等により多額の費用が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑬知的財産の保護
当社グループは、本経営統合により、技術革新をより一層推し進め、他社製品とさらに差別化した技術とノウハウの蓄積を目指しますが、当社グループの技術とノウハウが常に適切に保護できる保証はありません。また、当社グループが事業を展開する新興国市場を含む特定の国・地域ではその法制の下で知的財産権による保護が制限される可能性があります。
当社グループは、知的財産保護のための取組を進めていますが、第三者が当社グループの知的財産を侵害して製品を製造することを十分に防止できない場合や、第三者が当社グループに対して知的財産権の侵害等を理由として訴訟等を提起し、製造・販売の差し止めや損害賠償の請求が認められた場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑭優秀で多様な人材の確保及び育成
当社グループの事業では、グローバルな事業環境の中で将来にわたる持続的な成長を支えるために、高い専門性を有する多様な人材を確保し、育成し、定着化を図ることが重要な課題となります。しかし、人材の流動化や特に日本における少子高齢化による労働人口の減少等により人材の確保に係る競争は激しく、当社グループが多様な人材を継続的に採用できない場合、研修制度等の成長に必要な育成の場を提供できない場合、人材の社外流出を防げない場合及び賃金水準の上昇により人材の確保に要する費用が増大する場合、業務遂行に制約を受けることにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑮法規制等
当社グループは、国内外でのトラック・バス等の販売において、当局からの許認可を取得しており、また、安全性や排出ガス、燃費、騒音、公害、自動運転等に関する法規制等やその他各国の様々な法規制等の適用を受けています。そのため、これらの規制に適合するため、多額の費用を投じておりますが、新規の法規制等の制定や既存の規制の改正が行われた場合、さらに費用負担が増加する可能性があります。当社グループは、本経営統合に係る競争法対応に関する問題解消措置の実施等の遵守に費用を要し、また競争法対応に関する問題解消措置に関連して将来において当社グループの収益が制限され、又は追加費用の負担を求められる可能性があります。また、法令違反が発生した場合には、当局等からの勧告、許認可の取消し、罰則等が課される可能性があり、当社グループの業務遂行に制約を受けることや社会的信用が毀損することにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑯エンジン認証不正問題
日野自動車の日本市場向けエンジンの複数機種について、認証手続上の不正行為があったことが判明し、国土交通省より、一部製品の型式指定の取消等の行政処分を受け、現在も国土交通省やお客様をはじめとして関係各所とのコミュニケーションを継続して行っています。また、日野自動車の米国市場向け2010年モデルから2019年モデルのエンジン認証に関する法令違反の疑いについて、米国司法省及び他の当局による調査が行われておりました。これに関し、日野自動車及び日野自動車子会社に対し、2004年から2021年に米国で販売された車両に関する損害の賠償を求める訴訟が暫定的な集団訴訟として、米国フロリダ州南部地区連邦地方裁判所で提起されました。2023年10月25日に開示しましたとおり、日野自動車及び日野自動車子会社は、同日、2010年から2019年モデルのエンジンを搭載して米国内で販売・賃貸されたオンロード車両を購入した者又は賃借した者との間で、総額237.5百万米ドルの和解契約を締結しました。この和解契約は、2024年4月1日に裁判所の最終承認を受けた上で、同月11日に上記和解金の支払いを完了し、当該和解は、同年5月2日に確定しております。2025年1月16日に開示しましたとおり、米国司法省及び他の当局による調査は完了し、日野自動車は2025年1月16日に、米国司法省との間で、刑事和解契約の締結に至りました。同契約において、日野自動車は有罪を認めるとともに、調査協力による大幅な減額を反映した、総額5億2,176万米ドルの刑事制裁金を支払うことに合意し、2025年3月19日に刑事和解契約の効力が発生しました。日野自動車は、現在までに、2億6,088万米ドルの支払いを完了しています。また、2025年1月16日、当該問題について、日野自動車及び日野自動車米国子会社は、米国当局及びカリフォルニア当局との間で、民事和解契約の締結に至りました。同契約において、日野自動車及び日野自動車米国子会社は、米国司法省(DOJ)、米国環境保護庁(EPA)、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)及び米国国土安全保障省税関・国境取締局(CBP)を含む米国当局に対し総額4億4,250万米ドル、カリフォルニア州大気資源局(CARB)及びカリフォルニア州司法長官室(California State Attorney General's Office)を含むカリフォルニア州当局に対し総額2億3,650万米ドルの民事制裁金等を支払うことに合意し、2025年5月21日に民事和解契約の効力が発生しました。日野自動車は、2025年6月20日までに、これら民事制裁金等の支払いを完了しています。カナダにおいては、日野自動車及び日野自動車子会社に対する2件の訴訟が集団訴訟として提起されておりましたが、2024年11月13日に総額55百万カナダドルの支払等を内容とする和解契約を締結しました。当該和解契約は、2025年5月6日にブリティッシュコロンビア州上級裁判所の、同年6月2日にケベック州上級裁判所の承認を受け確定しました。また、豪州においては、日野自動車及び日野自動車子会社に対する訴訟が集団訴訟として提起されていましたが、2025年2月14日に、和解金87百万豪ドルを支払うことを内容とする和解契約を締結しました。この和解契約は2025年7月18日に裁判所の最終承認を受け確定しました。さらに、2025年3月31日に開示しましたとおり、ニュージーランドにおいても、日野自動車に対する集団訴訟が提起されておりましたが、2026年2月9日に、和解金1,090万ニュージーランドドルを支払うことなどを内容とする和解契約を締結し、2026年6月16日に、裁判所から最終承認を受け、同年7月15日までに上訴がなされない場合、確定いたします。今後も他の法域においてこれらと同様の訴訟を提起される可能性があります。これらに関連して日野自動車に生じる金銭的負担について、日野自動車は、2025年3月期に、米国当局との認証問題に関する和解に伴う費用及びカナダ訴訟の和解金については北米認証関連損失として、豪州訴訟の和解金については豪州訴訟和解金として特別損失を計上し、ニュージーランド訴訟の和解金については2026年3月期にニュージーランド訴訟和解金として特別損失を計上いたしました。また、2026年5月14日に開示しましたとおり、北米認証関連損失については、上記のとおり既に計上したものに加え、今後生じ得る追加の規制当局の法執行等に係る費用等として、日野自動車は、2026年3月期に、369億7百万円の特別損失を計上いたしました。これらの当局調査の結果科される罰金などの行政、刑事手続上の制裁に加え、損害賠償や市場措置などは、日野自動車及び当社グループの経営、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に対し、重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
⑰訴訟紛争
当社グループが事業を展開する各国において、顧客、取引先又は当局等から、当社グループに対して訴訟提起やクレームを受ける可能性があり、当社グループに不利な判決等又は和解がなされた場合には、当社グループは多額の金銭の支払義務を負い、又は当社グループの社会的信用が毀損される可能性があります。また、訴訟対応のため、時間、費用その他の経営資源を費やす必要が生じます。その結果、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑱内部管理体制の充実
当社グループは、当社グループの企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を図る多様な施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備及び運用しております。しかしながら、本経営統合に伴う事業拡大やその他の要因により内部管理体制の十分な構築が追いつかない場合や、当社グループの内部統制に重要な不備が生じた場合には、業務運営に支障をきたし、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑲情報セキュリティへの対応
当社グループの事業は、個人情報や技術情報といった機密情報を多く有し、その管理や事業運営においてコンピューターシステムや通信ネットワークといった情報システムに大きく依存しています。当該システムには、安全対策が施されているものの、第三者のサービスやインフラに依存しているものも含まれており、また、当社グループやサプライチェーンにおいて、自然災害・事故等のほか、人為的ミス及びコンピューターウィルス等並びに第三者による妨害行為等が発生する可能性があります。特に、世界的にサイバー犯罪が増加しており、当社グループの情報システムに不正なアクセスが行われる危険もあります。
これらの事象が発生した場合には、システム等に障害が発生し、機密情報の漏洩や業務運営に重大な支障が生じる可能性があります。その結果、当社グループが機密情報の漏洩等について損害賠償責任を問われ、また、当局等からの命令・処分が行われる可能性があり、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑳環境課題に関する社会的要請
当社グループは、気候変動を含む環境課題解決を最重要課題の一つに位置づけ、これらに関するリスクや機会への対応に取り組んでいます。当社グループは、技術革新に投資を行い、現在及び将来の顧客課題に対応するための技術ポートフォリオを構築し、総所有コストの低減やカーボンニュートラル等に貢献することを目指しております。しかしながら、気候変動による影響への対応・取組が不十分である場合や、脱炭素への技術開発の取組に失敗や遅延が生じた場合には、台風、洪水、津波等の突発的な気象変化や気温上昇、海面上昇、砂漠化等の長期的な気象変化への対応、また、環境課題に関する社会的要請を実現するための規制、技術、市場の変化への対応等が必要となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
㉑中期経営計画の実現
2026年5月、当社グループは中長期にわたる成長や価値の創造を実現していくための基本的な方針として、2027年3月期から2033年3月期までの7年間を対象とする中期経営計画を策定いたしました。当社グループは、中期経営計画を踏まえて、本経営統合後における当社グループのシナジー及び成長に向けた基盤の構築を行い、規律ある当社グループ個社ごとの成長とオペレーションの最適化を図るとともに、当社グループ全体のシナジーの最大化を目指し、設定した経営指標に関する目標を達成していくことで、当社グループの収益拡大や資本効率向上に向け取り組んでいるところです。
しかしながら、当社グループ内のグローバルでの連携が効果的に実施できない場合、各国における顧客基盤及び市場シェアの拡大が想定どおりに実現しない場合、各国における市場規模が期待どおりに拡大しない場合、計画どおりに生産拠点集約や販売子会社の売却、統合プラットフォーム上での生産台数の増加、固定費及び変動費の削減、必要資本へのアクセスの確保が進まない場合、外国為替相場、インフレーションの水準、競争環境及び規制環境が当社の想定の範囲内に留まらない場合、その他の本「事業等のリスク」に記載した事項を含む様々なリスク要因が顕在化した場合には、これらの取組が計画どおりに進捗せず、中期経営計画で掲げた目標について、当初計画した期間内に又は当該期間後においても達成できず、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
㉒繰延税金資産に係るリスク
当社グループは、繰延税金資産について、現時点において想定される金融経済環境等の様々な予測・仮定を前提に将来の課税所得を合理的に見積り計上しておりますが、実際の課税所得が想定と異なること等により、繰延税金資産が減額となった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
㉓大株主であるトヨタ及びダイムラートラックとの関係
2026年4月1日現在、トヨタは当社の議決権の37.46%を所有しており、ダイムラートラックは当社の議決権の44.26%を所有しております。なお、トヨタ及びダイムラートラックは、本経営統合の効力発生日(2026年4月1日)から60ヶ月間、トヨタとダイムラートラックとの間で合意されない限り、原則としてそれぞれが保有する株式を譲渡できないとされています。また、2026年6月25日現在、当社の非常勤取締役であるクリスチャン・ヘルマン氏はダイムラートラックの副社長を兼任しております。加えて、ダイムラートラックは、大株主として、当社の議決権の10%以上を保有する限りにおいて、当社の監査等委員である取締役を1名指名する権利を有する等当社の経営に関与する権利を有しています。さらに、トヨタが、大株主として、当社の議決権の10%以上を保有する限りにおいて、当社又はダイムラートラックはいつでもトヨタに対し監査等委員である取締役の推薦又は紹介を求めることができ、また当社は裁量によりかかる取締役を選任することができます。当社にはトヨタ及びダイムラートラックへの事前承認事項はなく、当社が独自に経営の意思決定を行っておりますが、トヨタ及びダイムラートラックは、議決権の行使にあたり、当社の他の株主の利益と一致しない影響力を有する可能性があります。
また、当社は、本経営統合に伴い、2026年4月1日付でトヨタに対してA種種類株式175,512,774株を発行しております。トヨタは、当社の定款上、当社に対し、いつでも、A種種類株式1株につき普通株式1株の割合で、A種種類株式の取得と引換えに普通株式を交付することを請求することができますが、当社の独立した事業運営を尊重する観点や競争法の観点から、トヨタの有する当社の議決権比率を20%未満とする予定であると当社は認識しております。加えて、当社は、2026年5月14日付で、トヨタとの間で、A種種類株式に転換可能な新株予約権付社債の発行により未償還残高上限2,000億円の調達を可能とする資金調達枠に関する本新株予約権付社債契約を締結しており、当社グループの財務状況によってはトヨタに対してA種種類株式に転換可能な新株予約権付社債を割り当てる可能性があります。これらを通じて、トヨタが当社に対して他の株主の利益と一致しない影響力を有する可能性があり、また、これらにより株式が希薄化し、1株当たりの価値が低下する場合があります。
当社は、2026年5月14日付で、ダイムラートラックとの間で、普通社債の発行により未償還残高上限200億円の調達を可能とする資金調達枠に関する本普通社債契約を締結しており、当社グループの財務状況によってはダイムラートラックに対して普通社債を割り当てる可能性があります。これを通じて、ダイムラートラックは当社の株主であると同時に、当社の債権者となる可能性があり、当社に対して他の株主の利益と一致しない影響力を有する可能性があります。
トヨタ及びダイムラートラックにおける当社株式、新株予約権付社債及び社債の保有・処分方針によっては、トヨタ及びダイムラートラックが有する信用力・調達力・資金調達支援・研究開発・知的財産その他の支援が受けられなくなる可能性や当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営統合に関するリスク
当社グループは、本経営統合後において、「統合プラットフォーム戦略」により大型・中型・小型トラックのプラットフォームを統合し、開発、調達、生産・物流等の機能を統合・効率化してリソースの最適配置及び有効活用を進めることで、安定した事業基盤の拡充や収益力の向上により経営環境の変化に対応するとともに、将来にわたり持続可能なビジネスモデルを構築することで、当社グループの企業価値を高め、ステークホルダーの期待に応えることを目指しておりますが、当初期待した本経営統合の統合効果が早期に又は十分に発揮できないことにより、結果として当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。統合効果の発揮を妨げる等の要因として以下が考えられますが、これらに限定されるものではありません。
・製品開発・アフターサービス提供の遅延、顧客又は取引先との関係の悪化、効果的な人員・生産・販売・アフターサービス拠点配置の遅延、マルチブランド戦略・マーケティング戦略の不統一、企業文化の相違、人材の維持・確保、持株会社運営に係るノウハウ不足を含む様々な要因により収益面における統合効果が実現できない可能性。
・重複する製品、開発部門、生産拠点、アフターサービス、物流ネットワーク、本部機能及び財務・情報システムの統合等を始めとする業務の効率性向上策・コスト削減策を実現できないことにより、期待どおりの業務の効率性向上・コスト削減を実現できず、また、両社の事業領域の競合によりかえって事業機会を失うことになる可能性。
・本経営統合に伴う、製品、開発部門、生産拠点、アフターサービス、物流ネットワーク、本部機能及び財務・情報システムの統合、従業員の再配置並びに会計方針、内部統制及び情報開示の方針及び手続その他の基準の統一等について、既に多額の統合費用が発生しており、今後も継続的な統合費用や想定外の追加費用・リソース投入を要する可能性。
・本経営統合により日野自動車及び三菱ふそうがトヨタグループ及びダイムラートラックグループから独立することにより、それぞれが従前に享受していた信用力・購買力・資金調達支援・研究開発・知的財産その他の支援が従前どおり受けられなくなり、また、日野自動車及び三菱ふそうがそれぞれトヨタグループ及びダイムラートラックグループとの間で行っていた取引の一部又は全部が従前の条件で継続しないこと又は解除されることにより、製品・サービス・技術・資金の調達コストが増大し、又は受入可能な条件で資金調達を行うことが困難となる可能性。
・本経営統合契約には、日野自動車のエンジン認証問題に関する特別補償条項が設けられており、2024年12月31日(株式交付比率算定基準日)時点で日野自動車が引当金その他の負債として計上していないエンジン認証問題に起因する潜在債務が同基準日後に顕在化した場合、当社及び日野自動車が、本経営統合前の三菱ふそうの特定の株主に対して2041年3月31日まで一定の金銭補償義務を負う可能性(特別補償条項の詳細は、後記「5 重要な契約等」を参照)。
・本経営統合に係る競争法対応に関する問題解消措置の実施等(現在係属中のインドネシアにおける本経営統合に係る競争法審査に基づき追加的な制限が課された場合の対応を含む。以下同じ。)により、本経営統合後の収益が実質的に制限される可能性。
・本経営統合の結果、2027年3月期に負ののれん発生益の計上が見込まれるが、その影響額を含む決算情報は確定しておらず、想定される決算情報の内容と異なる可能性。
(2)当社グループにおける事業等のリスク
①市場環境及び経済情勢
国内においてのトラック・バス等の販売及びアフターサービスの提供は、日本国内における経済状況、人口動態、周期性、国及び地方自治体による環境規制強化の実施並びに顧客のニーズの変化による需要の変動に大きく影響を受けます。また、国内貨物輸送の低迷や物流改革の進行により今後のトラック需要は減少する可能性があります。
海外におけるトラック・バス等の販売及びアフターサービスの提供は、各国・地域及びその市場における経済状況及び政治状況、周期性、保護主義政策等の影響を受けます。例えば、2025年には、米国政府によるトラックを含む商用車産業に対する追加関税措置がなされており、当社グループは価格の見直し等により当該関税措置の影響を最小化するよう努めておりますが、関税政策の長期化に伴い需要が減少する可能性があります。当社グループは東南アジアをはじめとして中東・アフリカ及び中南米等の新興国市場に対しても事業を展開しており、それらの地域において、法制度・税制の変更や、政治・社会・経済情勢の悪化、金融市場・外貨管理規制あるいは為替レートの不安定な変動、司法機関の機能不全又はテロリズム等の政治不安若しくは暴動等の非常事態等が発生する可能性があります。例えば、2027年3月期にはインドネシア政府との契約に基づき商用車両の納入を見込んでいますが、公共セクター向けの当該契約は政治・社会・経済情勢等により遅延や解約がなされる可能性があります。
また、他社との価格競争により当社グループの製品の需要及び価格の変動や、サプライチェーンへの悪影響を引き起こす可能性があります。
これらの需要及び価格変動等に対応するため、当社グループは、経済状況や需要動向の見通しの正確な把握に努めるとともに、顧客のニーズを的確に捉えた研究開発、商品力の強化と適正な生産体制の構築、原価改善等を推進し、需要・価格変動に強い企業体質を目指しておりますが、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②自動車市場における競争
当社グループの全世界における売上収益のうち、主要な部分を占める自動車市場は、激しい競争が繰り広げられており、今後さらに激化する可能性があります。競争環境の激化は当社グループの製品の競争力に影響を及ぼし、価格変動やシェア変動を引き起こす可能性があります。競争に影響を与える要素は、製品性能、安全性、燃費、環境負荷、価格、アフターサービスといった当社グループの製品に起因する事項の他、各国の電気自動車(EV)等への補助金政策や関税政策をはじめとする外部起因の事項を含め多岐にわたり、各国の市場によって状況は異なります。また、顧客のニーズの多様化に伴い、求められる技術水準も高まっております。
当社グループは、主要市場での競争力を維持・強化するため、「統合プラットフォーム戦略」により大型・中型・小型トラックのプラットフォームを統合し、開発、調達、生産・物流等の機能を統合・効率化してリソースの最適配置及び有効活用を進めることで、競争力の高い製品について継続的に開発・生産・販売並びにそのアフターサービスを実施していますが、当社グループの製品が市場で求められる技術水準に達せず競争優位性を失った場合、主要市場や新興国市場等での他社との競争に劣後した場合や業界再編に伴う当社グループの競争優位性が失われた場合、各国の政策等が当社グループに不利な内容となる等の場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③材料の調達及び価格の変動
当社グループは国内及び海外の複数のサプライヤー及びメーカーから原材料、部品等を調達し、トラック・バス、エンジン等を生産しております。当社グループは、部品の多くについて、その原材料の調達を特定の取引先に依存しており、インフラの機能不全やサプライヤー等の経営不振、他顧客への生産能力の割当て等の予期せぬ事態により、サプライヤー等からの原材料又は部品等の供給の停止又は不足が生じた場合には、当社グループの操業も停止し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、これらのエネルギーコストを含む原材料及び部品等の価格は、業界の需要や原材料の価格等に伴い変動しております。原材料及び部品等の価格が高騰した場合、競争圧力等により、必ずしも顧客に適時に価格転嫁できるとは限りません。原材料又は部品等の価格が高騰し、かつ、長期化する場合には、生産に必要な量の原材料、部品及び製品が確保できず、又は確保が遅れる可能性がある他、原材料又は部品等の価格の高騰を製品の価格に反映することができない結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループはこれらの材料調達及び材料価格の変動に対応するため、備蓄、モニタリング、調達先の代替手段、大規模なスケールメリットを活かした原価改善等を推進しておりますが、これらが奏功しない可能性もあります。
④技術革新やビジネスモデルの変化・社会的要請への対応
商用車業界では、新しい革新的な技術の発展や、ビジネスモデルの急速な変化、環境意識の高まり等の社会的要請といった、大きな変化に直面しています。例えば、顧客ニーズの高度化・多様化や、商用車を用いたビジネスモデルの変化、「CASE」に代表される自動運転技術やゼロエミッション技術、電気自動車(EV)に関する技術革新、総所有コストへの関心の高まり、生産・販売・アフターサービス・デジタルソリューション・バックオフィス業務におけるデジタルイノベーションの推進、エネルギー効率や排気ガス規制の厳格化を含む環境に対する社会的な要請等に対して、当社グループが適切に対応できるかどうかが当社グループの将来の成長に大きな影響を与えます。
当社グループは、トヨタ及びダイムラートラックその他の事業パートナーとの連携を通じて競争力のある幅広い技術ポートフォリオを構築しつつ、大規模なプロジェクトを含む様々な計画を推進し、「統合プラットフォーム戦略」により生み出したリソースを活用して、こうした技術革新や社会的要請に速やかに対応することにより当社グループの事業の拡大を目指していますが、これらの技術革新や社会的要請に速やかかつ十分に対応できなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤生産拠点の維持・集約
当社グループの国内の生産拠点は、生産拠点・物流ネットワークを最適化するため、車両生産に特化する古河工場、部品生産に特化する新田工場及び車両・部品生産に特化する川崎製作所の3拠点に集約される予定です。本経営統合前において、上記3拠点に加えて、日野自動車は羽村工場を有しており、三菱ふそうは中津工場及び富山工場を有しておりましたが、羽村工場は本経営統合の効力発生日(2026年4月1日)にトヨタへ移管されており、中津工場は川崎製作所へ集約予定であり、また、富山工場は別途設立する合弁会社に移管予定です。これらの国内の生産拠点の集約が計画どおりに進まない場合や生産拠点の移管後も契約に基づき当該生産拠点で生産を継続する一部の製品等について移管先の事情により供給が停止等する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
また、生産拠点において、技術上若しくは規制上の問題、又は火災等の人災及び地震等の自然災害により操業停止等の混乱が発生し、当社グループの製品等の供給が停止する場合等には、適時・適切に需要に応じた開発・製造ができず、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑥ブランド・イメージの維持・発展
競争の激しい自動車業界において、ブランド・イメージを維持し発展させることは非常に重要です。当社グループは、本経営統合により、日野自動車及び三菱ふそうのマルチブランド戦略による展開を図っており、各ブランドの健全な競争を維持しつつポジショニングの最適化を図るとともに、新たなコーポレートブランドであるARCHIONを含め、各ブランドは、誠実な企業経営と顧客の信頼に応えた製品・サービスの提供により、ブランド・イメージの形成とその維持向上に十分努めております。しかしながら、サプライチェーン全体における品質管理・法令遵守の徹底やサステナビリティへの貢献が不十分であること等を理由として、当社グループにおける事業活動への否定的な評判や評価が世間に流布されることによって信用が低下し、ブランド・イメージが毀損される可能性があります。三菱ふそうの三菱の商標の使用権はライセンス契約に基づいておりますが、今後もその商標を使用できる保証はありません。また、グループ戦略として各ブランドの価値最大化及びマルチブランド化への展開を加速させていく過程において、各ブランドのブランド・イメージを効果的に維持し発展させて価値最大化を図ることができない可能性もあります。これらの場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦他の企業との提携
当社グループは、製造、販売、アフターサービス、研究開発等に関して国内外の他の企業との間で合弁事業や業務提携を行う等、他の企業との提携を行っています。
本経営統合により、日野自動車及び三菱ふそうがトヨタグループ及びダイムラートラックグループから独立することにより、それぞれが従前に享受していた信用力・調達力・資金調達支援・研究開発・知的財産・金融サービス・製造委託その他の支援が従前どおり受けられなくなり、また、日野自動車及び三菱ふそうがそれぞれトヨタグループ及びダイムラートラックグループとの間で行っていた取引の一部又は全部が従前の条件で継続しないこと又は解除されることにより、製品・サービス・技術・資金の調達コストが増大することや受入可能な条件で資金調達を行うことが困難となることで、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。当社は、2026年5月14日付で、トヨタとの間で、一定の条件の下で、A種種類株式に転換可能な新株予約権付社債の発行により未償還残高上限2,000億円の調達を可能とする資金調達枠に関する新株予約権付社債契約(以下「本新株予約権付社債契約」という。)を締結しており、また、ダイムラートラックとの間で、一定の条件の下で、普通社債の発行により未償還残高上限200億円の調達を可能とする資金調達枠に関する普通社債契約(以下「本普通社債契約」という。)を締結しておりますが、当該資金調達枠における調達可能額や実際に発行される新株予約権付社債及び普通社債の内容は、当社グループの資金需要を満たすために十分でない可能性があります。なお、当社は、日野自動車及び三菱ふそうの取引銀行との間で、運転資金に必要な資金を確保するためにコミットメントライン契約の締結に向けて協議を継続しておりますが、当該契約が締結される保証はありません。
また、本経営統合に関する競争法上の懸念を払拭する観点から、日野自動車は、販売子会社6社のうち、5社の経営権を2026年4月に、1社の経営権を2026年6月に第三者に移管しており、これにより販売面のコストが増大することで、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当社グループは、提携先と緊密に連携しながら提携を進めておりますが、当社グループと提携先の利益が必ずしも一致する保証はなく、提携が円滑に進まず目的を達成できない可能性があります。また、提携先の経営方針や経営状況の変化等により、当初企図していた技術・製品の開発・提供ができない又は開発・提供が当社グループの計画どおりに進まない場合、当社グループが提携先から求められる技術水準に適合できない場合及び当社グループと提携先との提携が解消された場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。特に、2026年1月22日、三菱ふそうは鴻海精密工業股份有限公司(以下「Foxconn」という。)と、バス事業に特化した合弁会社を設立する契約を締結したと発表しました。この合弁会社を通じて、三菱ふそうはバス事業を継続し、富山工場でのバス生産を維持する方針です。しかしながら、当該合弁事業から期待される利益が実現する保証はなく、また、この体制の下で三菱ふそうのバス事業が想定どおりに維持できる保証はありません。
⑧国内外での事業活動
当社グループは、日本をはじめアジアを中心とした世界各地で事業活動を展開しております。本経営統合により当社グループの国内の生産拠点は国内の関東地方3か所に集約することが予定されています。また、世界各国のサプライヤーから部材の供給を受け、ディーラーやディストリビューターと提携して製品等の販売を行っています。
当社グループは、サプライチェーンにおける生産能力、信用リスク、製品等の品質、コスト等を適時・適切に把握するよう努めておりますが、これらの事業活動には、通常、予期しない法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、保護主義政策、人材の採用・確保の困難等の経済的に不利な要因の存在又は発生、テロや戦争、地震、津波、台風等の自然災害、火災、停電等の事故、労働争議、地政学的・公衆衛生的問題、セキュリティ侵害、コンピュータや関連システムの故障その他の要因による社会的又は政治的混乱等のリスクが存在します。こうしたリスクが顕在化する場合には、製造及びサプライヤーからの部材供給が滞ること、拠点の操業が停止されること、製品等の販売に支障が生じること等により当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨為替の変動
当社グループは円表示で連結財務諸表を作成しており、海外における現地通貨建の売上高、費用、資産等の項目は、連結財務諸表作成時に円換算されるため、換算時の為替レートによって、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
また、国内外での原材料、部品、製品等の仕入れや部品、製品等の販売において、外国為替相場の変動は当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。この為替変動リスクを抑えるために収入通貨と支払通貨を合致させるナチュラルヘッジやデリバティブ取引を行っておりますが、それによって本来得られた利益を逸失する可能性があります。
当社グループは、これらリスクに対応するため、適切なグローバル調達・生産・販売体制を検討・構築しておりますが、それらによって為替変動による影響を抑えきれない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩金利の変動
資金調達に係るコストは、市場金利が急激に上昇した場合、支払利息の負担が増大するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪貸倒れ
当社グループは、生産したトラック・バスを国内外の販売会社を通し様々な取引先に販売をしております。当社グループはこれらの取引先の信用リスク情報等を適時入手し、当該リスクの最小化を図っておりますが、取引先において信用不安等により予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、追加的な損失や引当の計上が必要となる場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑫製品の欠陥
当社グループは、基礎研究段階を含め、商品企画・開発からアフターサービスまでの各ステップにおいて、安全性への細心の配慮を行うとともに、厳格な品質管理基準に従って品質の確保に努めております。
しかし、第三者と協働して新規技術を開発する場合もあり、一部の製品について欠陥が生じ、また将来においてリコールや製造物責任賠償が発生する可能性があり、品質上の不具合が発生し、これらのリスクが顕在化する場合、加えて、実際に発生した費用が事前に計上した引当金を大きく上回る場合や損害賠償の価額が製造物賠償責任保険により填補できない場合には、既存製品のリコールや保証責任及び新製品の開発遅延等により多額の費用が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑬知的財産の保護
当社グループは、本経営統合により、技術革新をより一層推し進め、他社製品とさらに差別化した技術とノウハウの蓄積を目指しますが、当社グループの技術とノウハウが常に適切に保護できる保証はありません。また、当社グループが事業を展開する新興国市場を含む特定の国・地域ではその法制の下で知的財産権による保護が制限される可能性があります。
当社グループは、知的財産保護のための取組を進めていますが、第三者が当社グループの知的財産を侵害して製品を製造することを十分に防止できない場合や、第三者が当社グループに対して知的財産権の侵害等を理由として訴訟等を提起し、製造・販売の差し止めや損害賠償の請求が認められた場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑭優秀で多様な人材の確保及び育成
当社グループの事業では、グローバルな事業環境の中で将来にわたる持続的な成長を支えるために、高い専門性を有する多様な人材を確保し、育成し、定着化を図ることが重要な課題となります。しかし、人材の流動化や特に日本における少子高齢化による労働人口の減少等により人材の確保に係る競争は激しく、当社グループが多様な人材を継続的に採用できない場合、研修制度等の成長に必要な育成の場を提供できない場合、人材の社外流出を防げない場合及び賃金水準の上昇により人材の確保に要する費用が増大する場合、業務遂行に制約を受けることにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑮法規制等
当社グループは、国内外でのトラック・バス等の販売において、当局からの許認可を取得しており、また、安全性や排出ガス、燃費、騒音、公害、自動運転等に関する法規制等やその他各国の様々な法規制等の適用を受けています。そのため、これらの規制に適合するため、多額の費用を投じておりますが、新規の法規制等の制定や既存の規制の改正が行われた場合、さらに費用負担が増加する可能性があります。当社グループは、本経営統合に係る競争法対応に関する問題解消措置の実施等の遵守に費用を要し、また競争法対応に関する問題解消措置に関連して将来において当社グループの収益が制限され、又は追加費用の負担を求められる可能性があります。また、法令違反が発生した場合には、当局等からの勧告、許認可の取消し、罰則等が課される可能性があり、当社グループの業務遂行に制約を受けることや社会的信用が毀損することにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑯エンジン認証不正問題
日野自動車の日本市場向けエンジンの複数機種について、認証手続上の不正行為があったことが判明し、国土交通省より、一部製品の型式指定の取消等の行政処分を受け、現在も国土交通省やお客様をはじめとして関係各所とのコミュニケーションを継続して行っています。また、日野自動車の米国市場向け2010年モデルから2019年モデルのエンジン認証に関する法令違反の疑いについて、米国司法省及び他の当局による調査が行われておりました。これに関し、日野自動車及び日野自動車子会社に対し、2004年から2021年に米国で販売された車両に関する損害の賠償を求める訴訟が暫定的な集団訴訟として、米国フロリダ州南部地区連邦地方裁判所で提起されました。2023年10月25日に開示しましたとおり、日野自動車及び日野自動車子会社は、同日、2010年から2019年モデルのエンジンを搭載して米国内で販売・賃貸されたオンロード車両を購入した者又は賃借した者との間で、総額237.5百万米ドルの和解契約を締結しました。この和解契約は、2024年4月1日に裁判所の最終承認を受けた上で、同月11日に上記和解金の支払いを完了し、当該和解は、同年5月2日に確定しております。2025年1月16日に開示しましたとおり、米国司法省及び他の当局による調査は完了し、日野自動車は2025年1月16日に、米国司法省との間で、刑事和解契約の締結に至りました。同契約において、日野自動車は有罪を認めるとともに、調査協力による大幅な減額を反映した、総額5億2,176万米ドルの刑事制裁金を支払うことに合意し、2025年3月19日に刑事和解契約の効力が発生しました。日野自動車は、現在までに、2億6,088万米ドルの支払いを完了しています。また、2025年1月16日、当該問題について、日野自動車及び日野自動車米国子会社は、米国当局及びカリフォルニア当局との間で、民事和解契約の締結に至りました。同契約において、日野自動車及び日野自動車米国子会社は、米国司法省(DOJ)、米国環境保護庁(EPA)、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)及び米国国土安全保障省税関・国境取締局(CBP)を含む米国当局に対し総額4億4,250万米ドル、カリフォルニア州大気資源局(CARB)及びカリフォルニア州司法長官室(California State Attorney General's Office)を含むカリフォルニア州当局に対し総額2億3,650万米ドルの民事制裁金等を支払うことに合意し、2025年5月21日に民事和解契約の効力が発生しました。日野自動車は、2025年6月20日までに、これら民事制裁金等の支払いを完了しています。カナダにおいては、日野自動車及び日野自動車子会社に対する2件の訴訟が集団訴訟として提起されておりましたが、2024年11月13日に総額55百万カナダドルの支払等を内容とする和解契約を締結しました。当該和解契約は、2025年5月6日にブリティッシュコロンビア州上級裁判所の、同年6月2日にケベック州上級裁判所の承認を受け確定しました。また、豪州においては、日野自動車及び日野自動車子会社に対する訴訟が集団訴訟として提起されていましたが、2025年2月14日に、和解金87百万豪ドルを支払うことを内容とする和解契約を締結しました。この和解契約は2025年7月18日に裁判所の最終承認を受け確定しました。さらに、2025年3月31日に開示しましたとおり、ニュージーランドにおいても、日野自動車に対する集団訴訟が提起されておりましたが、2026年2月9日に、和解金1,090万ニュージーランドドルを支払うことなどを内容とする和解契約を締結し、2026年6月16日に、裁判所から最終承認を受け、同年7月15日までに上訴がなされない場合、確定いたします。今後も他の法域においてこれらと同様の訴訟を提起される可能性があります。これらに関連して日野自動車に生じる金銭的負担について、日野自動車は、2025年3月期に、米国当局との認証問題に関する和解に伴う費用及びカナダ訴訟の和解金については北米認証関連損失として、豪州訴訟の和解金については豪州訴訟和解金として特別損失を計上し、ニュージーランド訴訟の和解金については2026年3月期にニュージーランド訴訟和解金として特別損失を計上いたしました。また、2026年5月14日に開示しましたとおり、北米認証関連損失については、上記のとおり既に計上したものに加え、今後生じ得る追加の規制当局の法執行等に係る費用等として、日野自動車は、2026年3月期に、369億7百万円の特別損失を計上いたしました。これらの当局調査の結果科される罰金などの行政、刑事手続上の制裁に加え、損害賠償や市場措置などは、日野自動車及び当社グループの経営、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に対し、重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
⑰訴訟紛争
当社グループが事業を展開する各国において、顧客、取引先又は当局等から、当社グループに対して訴訟提起やクレームを受ける可能性があり、当社グループに不利な判決等又は和解がなされた場合には、当社グループは多額の金銭の支払義務を負い、又は当社グループの社会的信用が毀損される可能性があります。また、訴訟対応のため、時間、費用その他の経営資源を費やす必要が生じます。その結果、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑱内部管理体制の充実
当社グループは、当社グループの企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を図る多様な施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備及び運用しております。しかしながら、本経営統合に伴う事業拡大やその他の要因により内部管理体制の十分な構築が追いつかない場合や、当社グループの内部統制に重要な不備が生じた場合には、業務運営に支障をきたし、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑲情報セキュリティへの対応
当社グループの事業は、個人情報や技術情報といった機密情報を多く有し、その管理や事業運営においてコンピューターシステムや通信ネットワークといった情報システムに大きく依存しています。当該システムには、安全対策が施されているものの、第三者のサービスやインフラに依存しているものも含まれており、また、当社グループやサプライチェーンにおいて、自然災害・事故等のほか、人為的ミス及びコンピューターウィルス等並びに第三者による妨害行為等が発生する可能性があります。特に、世界的にサイバー犯罪が増加しており、当社グループの情報システムに不正なアクセスが行われる危険もあります。
これらの事象が発生した場合には、システム等に障害が発生し、機密情報の漏洩や業務運営に重大な支障が生じる可能性があります。その結果、当社グループが機密情報の漏洩等について損害賠償責任を問われ、また、当局等からの命令・処分が行われる可能性があり、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑳環境課題に関する社会的要請
当社グループは、気候変動を含む環境課題解決を最重要課題の一つに位置づけ、これらに関するリスクや機会への対応に取り組んでいます。当社グループは、技術革新に投資を行い、現在及び将来の顧客課題に対応するための技術ポートフォリオを構築し、総所有コストの低減やカーボンニュートラル等に貢献することを目指しております。しかしながら、気候変動による影響への対応・取組が不十分である場合や、脱炭素への技術開発の取組に失敗や遅延が生じた場合には、台風、洪水、津波等の突発的な気象変化や気温上昇、海面上昇、砂漠化等の長期的な気象変化への対応、また、環境課題に関する社会的要請を実現するための規制、技術、市場の変化への対応等が必要となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
㉑中期経営計画の実現
2026年5月、当社グループは中長期にわたる成長や価値の創造を実現していくための基本的な方針として、2027年3月期から2033年3月期までの7年間を対象とする中期経営計画を策定いたしました。当社グループは、中期経営計画を踏まえて、本経営統合後における当社グループのシナジー及び成長に向けた基盤の構築を行い、規律ある当社グループ個社ごとの成長とオペレーションの最適化を図るとともに、当社グループ全体のシナジーの最大化を目指し、設定した経営指標に関する目標を達成していくことで、当社グループの収益拡大や資本効率向上に向け取り組んでいるところです。
しかしながら、当社グループ内のグローバルでの連携が効果的に実施できない場合、各国における顧客基盤及び市場シェアの拡大が想定どおりに実現しない場合、各国における市場規模が期待どおりに拡大しない場合、計画どおりに生産拠点集約や販売子会社の売却、統合プラットフォーム上での生産台数の増加、固定費及び変動費の削減、必要資本へのアクセスの確保が進まない場合、外国為替相場、インフレーションの水準、競争環境及び規制環境が当社の想定の範囲内に留まらない場合、その他の本「事業等のリスク」に記載した事項を含む様々なリスク要因が顕在化した場合には、これらの取組が計画どおりに進捗せず、中期経営計画で掲げた目標について、当初計画した期間内に又は当該期間後においても達成できず、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
㉒繰延税金資産に係るリスク
当社グループは、繰延税金資産について、現時点において想定される金融経済環境等の様々な予測・仮定を前提に将来の課税所得を合理的に見積り計上しておりますが、実際の課税所得が想定と異なること等により、繰延税金資産が減額となった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
㉓大株主であるトヨタ及びダイムラートラックとの関係
2026年4月1日現在、トヨタは当社の議決権の37.46%を所有しており、ダイムラートラックは当社の議決権の44.26%を所有しております。なお、トヨタ及びダイムラートラックは、本経営統合の効力発生日(2026年4月1日)から60ヶ月間、トヨタとダイムラートラックとの間で合意されない限り、原則としてそれぞれが保有する株式を譲渡できないとされています。また、2026年6月25日現在、当社の非常勤取締役であるクリスチャン・ヘルマン氏はダイムラートラックの副社長を兼任しております。加えて、ダイムラートラックは、大株主として、当社の議決権の10%以上を保有する限りにおいて、当社の監査等委員である取締役を1名指名する権利を有する等当社の経営に関与する権利を有しています。さらに、トヨタが、大株主として、当社の議決権の10%以上を保有する限りにおいて、当社又はダイムラートラックはいつでもトヨタに対し監査等委員である取締役の推薦又は紹介を求めることができ、また当社は裁量によりかかる取締役を選任することができます。当社にはトヨタ及びダイムラートラックへの事前承認事項はなく、当社が独自に経営の意思決定を行っておりますが、トヨタ及びダイムラートラックは、議決権の行使にあたり、当社の他の株主の利益と一致しない影響力を有する可能性があります。
また、当社は、本経営統合に伴い、2026年4月1日付でトヨタに対してA種種類株式175,512,774株を発行しております。トヨタは、当社の定款上、当社に対し、いつでも、A種種類株式1株につき普通株式1株の割合で、A種種類株式の取得と引換えに普通株式を交付することを請求することができますが、当社の独立した事業運営を尊重する観点や競争法の観点から、トヨタの有する当社の議決権比率を20%未満とする予定であると当社は認識しております。加えて、当社は、2026年5月14日付で、トヨタとの間で、A種種類株式に転換可能な新株予約権付社債の発行により未償還残高上限2,000億円の調達を可能とする資金調達枠に関する本新株予約権付社債契約を締結しており、当社グループの財務状況によってはトヨタに対してA種種類株式に転換可能な新株予約権付社債を割り当てる可能性があります。これらを通じて、トヨタが当社に対して他の株主の利益と一致しない影響力を有する可能性があり、また、これらにより株式が希薄化し、1株当たりの価値が低下する場合があります。
当社は、2026年5月14日付で、ダイムラートラックとの間で、普通社債の発行により未償還残高上限200億円の調達を可能とする資金調達枠に関する本普通社債契約を締結しており、当社グループの財務状況によってはダイムラートラックに対して普通社債を割り当てる可能性があります。これを通じて、ダイムラートラックは当社の株主であると同時に、当社の債権者となる可能性があり、当社に対して他の株主の利益と一致しない影響力を有する可能性があります。
トヨタ及びダイムラートラックにおける当社株式、新株予約権付社債及び社債の保有・処分方針によっては、トヨタ及びダイムラートラックが有する信用力・調達力・資金調達支援・研究開発・知的財産その他の支援が受けられなくなる可能性や当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。