訂正有価証券届出書(新規公開時)
有報資料
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において入手可能な情報に基づき、合理的であると当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 当社のリスクマネジメント体制
コンプライアンス遵守の観点を含めたリスク管理の全社的推進とリスク管理に必要な情報の共有化を図るため、代表取締役社長が委員長、業務執行取締役、常勤監査役、各部の責任者を委員とするリスク管理・コンプライアンス委員会を設置しております。リスク管理・コンプライアンス委員会は、原則毎月1回以上開催し、予見されるリスク洗い出し、評価、防止柵、発生時の対策やリスク防止策の進捗状況、発生した重大リスクへの対策、その他リスク管理に関する事項について検討及び審議を行い、その結果を取締役会に報告しております。
(2) 当社のリスクマネジメント体制の運用状況
リスク管理・コンプライアンス委員会は、毎月1回以上定期的に開催し、リスクの調査、その重要度に応じた各種リスクへの対応策の検討及び決定、対策の実施状況のモニタリング等を行っております。
1.経済情勢、金利動向の変動について
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社の属する不動産業界は、景気動向、経済情勢、金利動向、地価の動向等及び住宅税制やその他の税制等の影響を受けやすい特性があり、これらの影響から購入者の需要動向が悪化した場合、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。当社といたしましては、市場動向の観測や不動産市況の悪化時の影響度合いを定期的に調査分析し、必要に応じて販売用不動産の種類、金額等を考慮しながら、当該リスクの影響を最小限にとどめるよう対応に努めております。具体的には、リスク管理・コンプライアンス委員会において金利動向・経済指標を毎月モニタリングするとともに、市況悪化時には新規仕入の抑制や在庫圧縮方針への速やかな切替えを行うことで、損失リスクの最小化を図っております。
2.自然的・人為的災害及び治療方法が確立されていない感染症の拡大による影響について
(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期無し)
当社が取り扱う不動産は、首都圏が中心となっておりますが、これら地域において、地震・火災・水害等の自然的災害、大規模な事故やテロ等の人為的災害が発生した場合、当社の所有する不動産が滅失、毀損又は劣化し、販売価格や賃貸収入が著しく減少する可能性があります。なお、これら以外の地域で自然的・人為的災害が発生した場合においても、消費マインドの冷え込みから当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症のような感染症の流行が拡大し長期化した場合、個人消費の動向に影響を及ぼし、その結果、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
3.法的規制について
(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期無し)
当社の属する不動産業界は、「宅地建物取引業法」、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」、「建築基準法」、「都市計画法」、「建物の区分所有等に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「不動産特定共同事業法」、「不動産の表示に関する公正競争規約」、「保険業法」等の法的規制を受けております。当社では法改正等については担当部門はもちろんのこと、法務コンプライアンス統括室にて定期的に情報収集を行い、適宜所管部署と連係を図っておりますが、法令違反が発生した場合や、今後これらの法的規制の改廃や新たな法的規制が設けられる場合には、当社の事業活動が制約を受け、その結果、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、法務コンプライアンス統括室において法改正情報を集約・分析し、法令変更の都度、関連部署に対して速やかに周知徹底を図っております。また、顧問弁護士との連携のもと、法的リスクの事前チェック体制を構築し、違反リスクの早期発見・予防に努めております。
また、当社が事業活動を行うに際し、以下に記載の許認可を得ており、現在、許認可が取消となる事由は発生しておりません。しかしながら、将来何らかの理由により、法令違反等の事象が発生し、監督官庁より業務停止や免許の取り消し等の処分を受けた場合には、当社の事業活動に支障をきたすとともに当社の経営成績や財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
※賃貸住宅管理業登録については、2026年5月12日に更新申請書が受理され、現在手続中となります。
4.競合リスクについて
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
不動産業界は、事業を行うための許認可取得など新規参入に係る手続きが煩雑ではありますが、大手ハウスメーカーから個人事業主に至るまで大小様々な競合他社が多数存在しております。当社では膨大な量の不動産所有者情報、不動産情報を活用し、不動産所有者様からの直接仕入や仲介業者様と多くの接点を持ち、幅広い仕入手法を確保しており、在庫のバリエーションを豊富にし、お客様の選択肢を広げるという観点から、今後も差別化を強化する方針であります。しかしながら、今後、同様のビジネスモデルを有する他社の参入などにより十分な差別化ができなくなり、競争が激化した場合には価格競争や取り扱い件数の減少等により、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、顧客ニーズに応じたワンストップサービス(仕入・販売・賃貸管理・資産運用)の提供による差別化を強化し、競合他社との差別化優位性を維持する方針であります。
5.特定人物への依存について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社では、役員及び幹部社員への情報共有や権限の移譲を進め、創業者である代表取締役社長梶尾祐司に過度に依存しない経営体制の整備を推進しておりますが、同氏は、当社設立以来、当社の経営方針、経営戦略、資金調達等、事業活動を展開していくにあたり重要な役割を担ってまいりました。同氏が職務を遂行できなくなるような不測の事態が生じた場合は、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、経営幹部向けの後継者育成等を実施し、特定人物依存リスクの低減に努めております。
6.人材の確保・育成について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社は、様々な経営課題を克服し事業を拡大していくために、優秀な人材を継続的に確保・育成していくことが重要な課題であると認識しております。従って、今後も優秀な人材の中途採用、優秀な学生の新卒採用及び教育・研修制度の充実を図り、当社の経営理念を理解した社員の育成を行っていく方針であります。
特に取引規模の拡大(取引件数及び仕入件数の確保)においては、人員数とパフォーマンスから構成される販売戸数/人月、仕入戸数/人月を計画策定・進捗管理の指標としていることから、同機能に関わる人材の確保、育成が計画の進捗に直接影響します。このため、当社の求める人材の確保・育成が想定どおりに進まない場合は、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、当社はキャリアパスの明確化、社内研修制度の拡充等により、優秀な人材の確保・定着を図っております。
7.訴訟の可能性について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社は、事業運営にあたって法令遵守の徹底及び顧客とのトラブル回避に努めており、現時点において当社が提起した訴訟が2件係属している他、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす訴訟が提起されている事実はありません。然しながら、当社が販売した物件における契約不適合責任の追及等、賃貸を管理する物件における管理状況や入退去時の状況に対する顧客からのクレーム等が訴訟に発展する可能性があります。これらの内容及び結果によっては、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、重要事項説明の品質管理強化、顧客クレームの早期把握・対応体制の整備等により、リスクの最小化を図っております。
8.情報漏洩のリスクについて
(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期無し)
当社が行っている不動産コンサルティングサービス、不動産管理サービスにおいて、事業上の重要情報、顧客・取引先等の機密情報や個人情報等を保有しております。当社では、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を認証取得するとともに、これらの情報の外部への不正な流出、漏洩を防止するために、社内研修を通じて社員への啓蒙活動を継続的に実施するなどの施策を講じております。さらにデータベースへのアクセス環境、セキュリティシステムの継続的な改善等により、情報管理体制を強化するとともに情報管理の徹底を図っております。しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスの侵入等により、当社が保有する機密情報や個人情報等が外部へ流出、漏洩した場合等には、損害賠償請求等が発生するリスクや、信用が失墜するリスクがあり、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、外部専門機関によるセキュリティ診断を定期的に実施し脆弱性の早期特定・対処を行うとともに、インシデント発生時の対応手順を整備し、被害の最小化を図る体制を構築しております。
9.システムトラブルについて
(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期無し)
当社の事業は、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故、外部システムを含むシステムの何らかのトラブル等により、その通信ネットワークが切断された場合には、当社の事業活動に重大な影響を与える可能性があります。また、不動産流通機構(レインズ)等、当社が不動産コンサルティングサービスにおいて使用する外部システムがシステムメンテナンスや何らかのトラブル等により使用できなくなった場合には、不動産コンサルティングサービスにおける仕入及び販売活動が滞る可能性があります。
当社ではセキュリティ対策やシステムの安定性の確保に取り組むとともに、社内利用システムにおいて定期的にデータのバックアップを実施しており、システムトラブルによるデータの喪失を極力少なくする運用を行っております。また、不動産流通機構(レインズ)等の外部システムについては予め休止期間等を把握し、事業活動への影響を最小限にするよう努めておりますが、何らかの理由により予期せぬシステムトラブルが発生した場合、または外部システムの休止期間等が長期化した場合には、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、主要システムについての代替手段の整備を行うとともに、定期的なシステム障害対応訓練の実施により復旧時間の短縮を図っております。
10.販売用不動産の評価損について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社が保有する販売用不動産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 令和元年7月4日改正分)を適用しております。期末に保有している販売用不動産の取得原価と正味売却価額を比較し、正味売却価額が取得原価を下回っている場合には販売用不動産の評価損を計上することとしております。当社については、不動産市況動向を常に確認し事業活動を行っており、動向に合わせた仕入を適切に行うよう努めておりますが、今後、経済情勢や不動産市況の悪化による不動産価格の急激な変動等により、事業計画の遂行に重大な問題が生じ、販売価格の引き下げ等が発生する恐れがあります。また、販売用不動産の滞留期間が長期化した場合等は、期末における正味売却価額が取得原価を下回り、評価損を計上することも予測され、その結果、当社の経営成績や財政状況に影響を与える可能性があります。対応策として、個別物件ごとに滞留在庫の早期把握・対処を行うとともに、不動産市況の変化に応じた販売価格の弾力的な見直し及び迅速な在庫処分方針の策定に努めております。
11.有利子負債への依存について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社は、不動産コンサルサービスにおける中古不動産の買取り資金を主に金融機関からの借入金によって調達しております。当社は、特定の金融機関に依存することなく、個別案件ごとに販売計画の妥当性を分析した上で借入金の調達を行っておりますが、金融機関の融資姿勢や金融情勢の変動によって金利上昇や借入金の調達が困難になることがあり、その結果、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。なお、第15期事業年度末の有利子負債依存度は45.9%になります。対応策として、当社は複数の取引金融機関との良好な関係を維持し、資金調達先の多様化を図っております。また、個別案件の収益性・返済計画の精度向上を通じて、金融機関からの信頼確保に努めております。
12.借入金の財務制限条項について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社は、安定的に資金運用を行うため、金融機関から資金調達を行っておりますが、一部の金融機関との取引について、借入契約に財務制限条項が付されたものがあります。万が一、これらの条件に抵触した場合には、借入金利の上昇や期限の利益の喪失等、当社の経営成績及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。現状の当社経営成績や財政状態は、係る財務制限条項の要求水準との間に相当のバッファーを確保していること、当社は財務制限条項の遵守状況を適切に管理し、財務制限条項を安定的に充足するべく業務運営を行っていることから、現状係る財務制限条項抵触リスクは僅少であると認識しております。対応策として、財務数値(純資産・経常利益等)をモニタリングし、条項抵触リスクの早期把握に努めております。また、必要に応じて財務制限条項の緩和交渉等を金融機関と協議する体制を整備しております。
13.ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について
(顕在化可能性:高/影響度:小/発生時期:権利行使期間内)
当社は、役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、ストック・オプションを付与しております。これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。当社は、ストック・オプションの付与が役職員の中長期的な業績向上に対するインセンティブとして機能し、企業価値の向上を通じて既存株主利益の増大に繋がるものと考えており、引き続き適切な条件・数量のもとで制度を運用してまいります。
本書提出日現在におけるストック・オプションによる潜在株式数は789,000株であり、発行済株式総数8,100,000株の10.0%に相当します。なお、2026年5月8日開催の臨時取締役会決議により、2026年6月1日付で株式1株につき3株の株式分割を行っております。
14.大株主について
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社の代表取締役社長である梶尾祐司は、当社の大株主であり、本書提出日現在で発行済株式のすべてを所有しております。本売出しによって所有株式の一部を売却する予定ではありますが、引続き大株主となる見込みです。同氏は、当社設立以来、当社の代表取締役社長として経営方針、経営戦略、資金調達等、事業活動の推進にあたり重要な役割を担っていることから、代表取締役社長として重要な役割を担うことは当社の事業運営上望ましいと考えております。また、同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社と致しましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同氏の株式が減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の経営成績や財政状況に影響を与える可能性があります。
15.資産運用型マンション販売について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社が販売する不動産は、資産運用を目的として購入されるものがありますが、一般的に不動産による資産運用(不動産投資)には、入居率の悪化や家賃相場の下落による賃料収入の低下、金利上昇による借入金返済負担の増加等、収支の悪化につながる様々な投資リスクが内在しております。当社はこれらの投資リスクについて十分な説明を行い、投資目的の顧客に理解していただいた上で売買契約を締結するよう営業社員及びこれをサポートする社員に教育を徹底しております。また、入居者募集や集金代行などの賃貸管理から修繕等の建物管理に至るまで一貫したサービスを提供することで、顧客の長期的かつ安定的な不動産投資を全面的にサポートし、空室の発生や資産価値下落等のリスク低減に努めております。しかしながら、営業社員の説明不足等が原因で投資リスクに対する理解が不十分なまま不動産購入に至ったことにより、顧客からの訴訟等が発生した場合、当社の信頼が損なわれることにつながり、その結果、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、社会情勢や経済情勢の変化により、入居率の悪化や家賃相場の大幅な下落、金融機関の融資姿勢の変化や急激な金利上昇等が発生した場合、顧客の不動産投資に支障をきたす可能性があります。特に金利上昇は、金融機関の融資を利用する顧客に対し、借入金返済負担の増加による収支の悪化をもたらすことから、顧客の購買意欲に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、当社では営業社員の重要事項説明に係る定期研修を実施するとともに、契約前の品質管理本部による内容確認を徹底しております。また、物件購入後も賃貸管理サービス等を通じて顧客の投資収益の安定化を継続的に支援することで、顧客満足度の維持・向上を図り、訴訟リスクの低減に努めております。
16.契約不適合責任について
(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期無し)
売買対象不動産について、種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないものがある場合、民法と宅地建物取引業法の規定により売主が買主に対して契約不適合責任を負うことになります。当社においては、販売用不動産の契約前に事業部門と管理部門において、各種法令を確認の上、専門家のレビューを受けた上で契約書に明記し、リスクの低減に努めておりますが、万が一当社の販売した不動産に当該不適合が確認された場合には、当社は、売主として契約不適合責任を負うことがあります。その結果、買主より契約解除や損害賠償請求を受け、また、履行の追完のための費用が生じる事により、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、物件取得時における建物状況調査の実施及びリスク評価を徹底するとともに、売買契約書における契約不適合責任の内容・範囲・期間の明確化を図っております。
17.開発リスクについて
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社は首都圏を中心にマンションの自社ブランド開発事業を行っております。
自社ブランド開発事業は各種開発リスクが伴うことから、法令や市場動向に加えて、現地調査や周辺物件の情報収集、物件情報の信頼性の調査、権利関係の調査、用途地域その他関連法令等の調査等、仕入管理規程に則った調査を行い、各種リスクを検証の上、物件の事業収支計画の妥当性も踏まえ慎重に検討していますが、開発事業1件あたりの金額は大きいことから、開発対象用地の土壌汚染や地中埋蔵物、ゼネコンへの発注後の資材高騰による予算上振れや工事遅延等による収支の悪化から、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。加えて、安全管理について十分配慮をして事業を進めていますが、重大事故や自然災害が発生する可能性があり、その対応に多額の費用が生じた場合、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、当社は請負契約の締結前に建設コストの精度ある見積りを取得するとともに、資材価格の変動リスクを一定程度ヘッジするための契約条件の検討を行っております。また、工程管理体制を強化し、竣工スケジュールの厳格な管理を実施することで工期遅延リスクの低減を図っております。
18.引渡し時期による業績変動について
(顕在化可能性:中/影響度:小/発生時期:特定時期無し)
当社の不動産コンサルティングサービスでは、マンション等の売買契約成立後、顧客への引渡しをもって売上が計上されます。そのため、四半期毎に当社業績を見た場合、マンションの竣工や引渡しのタイミングにより売上高及び利益が変動するため、ある四半期の業績は必ずしも他の四半期の業績や年次の業績を示唆するものではないことに留意する必要があります。また、天災その他予想し得ない事態による建築工期の遅延等、不測の事態により引渡し時期が期末を越えて遅延した場合には、当社の業績が変動する可能性があります。対応策として、当社は引渡しスケジュールを四半期ごとに管理し、遅延リスクが生じた場合には早期にゼネコンとの協議を行い、可能な限り計画どおりの引渡しを実現するよう努めております。
19.賃貸管理における空室リスク等について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社はマンションを購入した投資家との賃貸管理契約において、特定賃貸借契約を締結する場合があります。周辺賃料相場の把握や入居者募集施策を積極的に実施していますが、入居率が低下した場合、転貸借契約に基づく入居者賃料が特定賃貸借契約に基づく賃料を上回った場合には、当社の費用負担が増加し、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、空室発生時には家賃水準の見直しや設備投資等の対応策を速やかに講じる体制を整備しております。また、管理物件の入居率を月次でモニタリングし、空室リスクの早期把握・対処を図っております。
20.劣後出資を通じて案件売却時に損失が発生する可能性について
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
当社の運営する不動産ファンド「VERFUND」では、投資家保護の観点から、出資持分を優先劣後構造とし、優先部分を保有する投資家は劣後部分を保有する投資家より優先的に配当等を受け取る仕組みを構築しております。想定どおりに収益が生じなかった場合のリスクを、劣後部分を有する投資家(当社)が劣後出資額を上限として負担することにより、優先部分への配当等の確実性を高めております。
当社は投資案件毎に総額の約30%を劣後出資として劣後出資しており、投資案件売却時に損失が発生する場合には、劣後出資額を上限として当社が優先して損失を負担することから、不動産市況次第では売却時に損失が出る可能性があります。対応策として、当社はVERFUNDへの投資案件選定において、収益性・立地・流動性等を厳格に審査するとともに、市況悪化の兆候が見られた場合には早期に売却方針を検討する体制を整えております。
21.不動産ファンド「VERFUND」案件募集時に成立下限額を調達できない場合について
(顕在化可能性:低/影響度:小/発生時期:特定時期なし)
「VERFUND」にて大型案件を募集する際には、案件成立にあたっての下限調達額を設定することがあります。投資家からの応募金額が下限調達額を下回る場合には案件自体が成立せず、案件の不成立が続く場合には投資家からの応募が減少していく可能性があります。また成立下限額を調達できない場合、募集の前提となる不動産の売買契約の条件によっては、売主へ違約金を支払う場合があります。対応策として、当社は募集開始前に市場調査及び投資家ニーズの把握を行い、調達可能性の見込みを慎重に評価した上で下限調達額を設定しております。
22.流通株式比率に関するリスクについて
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社は本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場への上場を予定しておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は新規上場時において31.7%となる見込みです。今後は、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加など、これらを組み合わせて、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として、当社は株主数・流通株式数の増加に向けた積極的なIR活動を実施するとともに、公募増資等の手段を通じて流通株式比率の向上を計画的に推進してまいります。
23.配当政策について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案し、利益還元政策を決定していく方針であります。しかしながら、当社は、成長過程にあり、現時点では事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが株主に対する最大の利益還元に繋がると考えており、現在のところ配当を実施しておりませんが、2026年11月期の1株当たりの配当金は25円00銭~32円00銭を想定しております。なお、業績動向や経営環境の変化等を踏まえて決定する方針であり、世界経済の急変や災害など、予期せぬ外部要因によって当該配当金は変動する可能性があります。
24.SNSを通じた風評被害・情報漏洩リスクについて
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社は、SNS等インターネット上での情報拡散に伴う風評リスクを重要なリスクとして認識しております。お客様からの苦情等、インターネット上での書き込みにより風評被害が発生等した場合、その正確性にかかわらず、当社の事業、経営成績、及びブランドイメージ等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、顧客に関する機密情報を多数保有しており、SNS等を通じた情報漏洩が生じた場合、競合他社への情報流出、顧客からの損害賠償請求、法的制裁及び当社の社会的信用の著しい低下をもたらす可能性があります。対応策として、当社はSNS上のネガティブ情報の早期検知体制を構築するとともに、事実に基づく適切な情報発信を迅速に行う広報体制を整備しております。また、従業員に対する周知徹底を継続的に実施し、社内からの意図しない情報漏洩の防止を図っております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において入手可能な情報に基づき、合理的であると当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 当社のリスクマネジメント体制
コンプライアンス遵守の観点を含めたリスク管理の全社的推進とリスク管理に必要な情報の共有化を図るため、代表取締役社長が委員長、業務執行取締役、常勤監査役、各部の責任者を委員とするリスク管理・コンプライアンス委員会を設置しております。リスク管理・コンプライアンス委員会は、原則毎月1回以上開催し、予見されるリスク洗い出し、評価、防止柵、発生時の対策やリスク防止策の進捗状況、発生した重大リスクへの対策、その他リスク管理に関する事項について検討及び審議を行い、その結果を取締役会に報告しております。
(2) 当社のリスクマネジメント体制の運用状況
リスク管理・コンプライアンス委員会は、毎月1回以上定期的に開催し、リスクの調査、その重要度に応じた各種リスクへの対応策の検討及び決定、対策の実施状況のモニタリング等を行っております。
1.経済情勢、金利動向の変動について
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社の属する不動産業界は、景気動向、経済情勢、金利動向、地価の動向等及び住宅税制やその他の税制等の影響を受けやすい特性があり、これらの影響から購入者の需要動向が悪化した場合、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。当社といたしましては、市場動向の観測や不動産市況の悪化時の影響度合いを定期的に調査分析し、必要に応じて販売用不動産の種類、金額等を考慮しながら、当該リスクの影響を最小限にとどめるよう対応に努めております。具体的には、リスク管理・コンプライアンス委員会において金利動向・経済指標を毎月モニタリングするとともに、市況悪化時には新規仕入の抑制や在庫圧縮方針への速やかな切替えを行うことで、損失リスクの最小化を図っております。
2.自然的・人為的災害及び治療方法が確立されていない感染症の拡大による影響について
(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期無し)
当社が取り扱う不動産は、首都圏が中心となっておりますが、これら地域において、地震・火災・水害等の自然的災害、大規模な事故やテロ等の人為的災害が発生した場合、当社の所有する不動産が滅失、毀損又は劣化し、販売価格や賃貸収入が著しく減少する可能性があります。なお、これら以外の地域で自然的・人為的災害が発生した場合においても、消費マインドの冷え込みから当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症のような感染症の流行が拡大し長期化した場合、個人消費の動向に影響を及ぼし、その結果、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
3.法的規制について
(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期無し)
当社の属する不動産業界は、「宅地建物取引業法」、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」、「建築基準法」、「都市計画法」、「建物の区分所有等に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「不動産特定共同事業法」、「不動産の表示に関する公正競争規約」、「保険業法」等の法的規制を受けております。当社では法改正等については担当部門はもちろんのこと、法務コンプライアンス統括室にて定期的に情報収集を行い、適宜所管部署と連係を図っておりますが、法令違反が発生した場合や、今後これらの法的規制の改廃や新たな法的規制が設けられる場合には、当社の事業活動が制約を受け、その結果、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、法務コンプライアンス統括室において法改正情報を集約・分析し、法令変更の都度、関連部署に対して速やかに周知徹底を図っております。また、顧問弁護士との連携のもと、法的リスクの事前チェック体制を構築し、違反リスクの早期発見・予防に努めております。
また、当社が事業活動を行うに際し、以下に記載の許認可を得ており、現在、許認可が取消となる事由は発生しておりません。しかしながら、将来何らかの理由により、法令違反等の事象が発生し、監督官庁より業務停止や免許の取り消し等の処分を受けた場合には、当社の事業活動に支障をきたすとともに当社の経営成績や財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
| 許認可等の名称 | 許認可番号等/有効期間 | 規制法 | 免許取消条項 |
| 宅地建物取引業 免許 | 国土交通大臣免許 (2)第9910号 2026年5月7日から 2031年5月6日まで | 宅地建物取引業法 | 役員や法人としての欠格条項に該当する場合や不正な手段による免許取得の場合は免許の取消し(宅地建物取引業法第66条) |
| 賃貸住宅管理業 登録 | 国土交通大臣登録 (1)第366号 2021年7月31日から 2026年7月30日まで※ | 賃貸住宅の管理業務等の適正化に 関する法律 | 役員や法人としての欠格条項に該当する場合や不正な手段による登録の場合は登録の取消し(賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第23条) |
| マンション管理業 登録 | 国土交通大臣登録 (2)第34562号 2026年4月20日から 2031年4月19日まで | マンションの管理の適正化の推進に関する法律 | 役員や法人としての欠格条項に該当する場合や不正な手段による登録の場合は登録の取消し(マンションの管理の適正化の推進に関する法律第83条) |
| 不動産特定共同 事業 許可 (電子取引業務) | 金融庁長官・国土交通 大臣許可第139号 有効期間なし | 不動産特定共同 事業法 | 役員や法人としての欠格条項に該当する場合や不正な手段による許可取得の場合は許可の取消し(不動産特定共同事業法第36条) |
| 特定建設業 許可 | 東京都知事許可 第151582号 2023年2月20日から 2028年2月19日まで | 建設業法 | 役員や法人としての欠格条項に該当する場合や不正な手段による許可取得の場合は許可の取消し(建設業法第29条) |
※賃貸住宅管理業登録については、2026年5月12日に更新申請書が受理され、現在手続中となります。
4.競合リスクについて
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
不動産業界は、事業を行うための許認可取得など新規参入に係る手続きが煩雑ではありますが、大手ハウスメーカーから個人事業主に至るまで大小様々な競合他社が多数存在しております。当社では膨大な量の不動産所有者情報、不動産情報を活用し、不動産所有者様からの直接仕入や仲介業者様と多くの接点を持ち、幅広い仕入手法を確保しており、在庫のバリエーションを豊富にし、お客様の選択肢を広げるという観点から、今後も差別化を強化する方針であります。しかしながら、今後、同様のビジネスモデルを有する他社の参入などにより十分な差別化ができなくなり、競争が激化した場合には価格競争や取り扱い件数の減少等により、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、顧客ニーズに応じたワンストップサービス(仕入・販売・賃貸管理・資産運用)の提供による差別化を強化し、競合他社との差別化優位性を維持する方針であります。
5.特定人物への依存について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社では、役員及び幹部社員への情報共有や権限の移譲を進め、創業者である代表取締役社長梶尾祐司に過度に依存しない経営体制の整備を推進しておりますが、同氏は、当社設立以来、当社の経営方針、経営戦略、資金調達等、事業活動を展開していくにあたり重要な役割を担ってまいりました。同氏が職務を遂行できなくなるような不測の事態が生じた場合は、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、経営幹部向けの後継者育成等を実施し、特定人物依存リスクの低減に努めております。
6.人材の確保・育成について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社は、様々な経営課題を克服し事業を拡大していくために、優秀な人材を継続的に確保・育成していくことが重要な課題であると認識しております。従って、今後も優秀な人材の中途採用、優秀な学生の新卒採用及び教育・研修制度の充実を図り、当社の経営理念を理解した社員の育成を行っていく方針であります。
特に取引規模の拡大(取引件数及び仕入件数の確保)においては、人員数とパフォーマンスから構成される販売戸数/人月、仕入戸数/人月を計画策定・進捗管理の指標としていることから、同機能に関わる人材の確保、育成が計画の進捗に直接影響します。このため、当社の求める人材の確保・育成が想定どおりに進まない場合は、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、当社はキャリアパスの明確化、社内研修制度の拡充等により、優秀な人材の確保・定着を図っております。
7.訴訟の可能性について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社は、事業運営にあたって法令遵守の徹底及び顧客とのトラブル回避に努めており、現時点において当社が提起した訴訟が2件係属している他、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす訴訟が提起されている事実はありません。然しながら、当社が販売した物件における契約不適合責任の追及等、賃貸を管理する物件における管理状況や入退去時の状況に対する顧客からのクレーム等が訴訟に発展する可能性があります。これらの内容及び結果によっては、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、重要事項説明の品質管理強化、顧客クレームの早期把握・対応体制の整備等により、リスクの最小化を図っております。
8.情報漏洩のリスクについて
(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期無し)
当社が行っている不動産コンサルティングサービス、不動産管理サービスにおいて、事業上の重要情報、顧客・取引先等の機密情報や個人情報等を保有しております。当社では、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を認証取得するとともに、これらの情報の外部への不正な流出、漏洩を防止するために、社内研修を通じて社員への啓蒙活動を継続的に実施するなどの施策を講じております。さらにデータベースへのアクセス環境、セキュリティシステムの継続的な改善等により、情報管理体制を強化するとともに情報管理の徹底を図っております。しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスの侵入等により、当社が保有する機密情報や個人情報等が外部へ流出、漏洩した場合等には、損害賠償請求等が発生するリスクや、信用が失墜するリスクがあり、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、外部専門機関によるセキュリティ診断を定期的に実施し脆弱性の早期特定・対処を行うとともに、インシデント発生時の対応手順を整備し、被害の最小化を図る体制を構築しております。
9.システムトラブルについて
(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期無し)
当社の事業は、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故、外部システムを含むシステムの何らかのトラブル等により、その通信ネットワークが切断された場合には、当社の事業活動に重大な影響を与える可能性があります。また、不動産流通機構(レインズ)等、当社が不動産コンサルティングサービスにおいて使用する外部システムがシステムメンテナンスや何らかのトラブル等により使用できなくなった場合には、不動産コンサルティングサービスにおける仕入及び販売活動が滞る可能性があります。
当社ではセキュリティ対策やシステムの安定性の確保に取り組むとともに、社内利用システムにおいて定期的にデータのバックアップを実施しており、システムトラブルによるデータの喪失を極力少なくする運用を行っております。また、不動産流通機構(レインズ)等の外部システムについては予め休止期間等を把握し、事業活動への影響を最小限にするよう努めておりますが、何らかの理由により予期せぬシステムトラブルが発生した場合、または外部システムの休止期間等が長期化した場合には、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、主要システムについての代替手段の整備を行うとともに、定期的なシステム障害対応訓練の実施により復旧時間の短縮を図っております。
10.販売用不動産の評価損について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社が保有する販売用不動産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 令和元年7月4日改正分)を適用しております。期末に保有している販売用不動産の取得原価と正味売却価額を比較し、正味売却価額が取得原価を下回っている場合には販売用不動産の評価損を計上することとしております。当社については、不動産市況動向を常に確認し事業活動を行っており、動向に合わせた仕入を適切に行うよう努めておりますが、今後、経済情勢や不動産市況の悪化による不動産価格の急激な変動等により、事業計画の遂行に重大な問題が生じ、販売価格の引き下げ等が発生する恐れがあります。また、販売用不動産の滞留期間が長期化した場合等は、期末における正味売却価額が取得原価を下回り、評価損を計上することも予測され、その結果、当社の経営成績や財政状況に影響を与える可能性があります。対応策として、個別物件ごとに滞留在庫の早期把握・対処を行うとともに、不動産市況の変化に応じた販売価格の弾力的な見直し及び迅速な在庫処分方針の策定に努めております。
11.有利子負債への依存について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社は、不動産コンサルサービスにおける中古不動産の買取り資金を主に金融機関からの借入金によって調達しております。当社は、特定の金融機関に依存することなく、個別案件ごとに販売計画の妥当性を分析した上で借入金の調達を行っておりますが、金融機関の融資姿勢や金融情勢の変動によって金利上昇や借入金の調達が困難になることがあり、その結果、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。なお、第15期事業年度末の有利子負債依存度は45.9%になります。対応策として、当社は複数の取引金融機関との良好な関係を維持し、資金調達先の多様化を図っております。また、個別案件の収益性・返済計画の精度向上を通じて、金融機関からの信頼確保に努めております。
12.借入金の財務制限条項について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社は、安定的に資金運用を行うため、金融機関から資金調達を行っておりますが、一部の金融機関との取引について、借入契約に財務制限条項が付されたものがあります。万が一、これらの条件に抵触した場合には、借入金利の上昇や期限の利益の喪失等、当社の経営成績及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。現状の当社経営成績や財政状態は、係る財務制限条項の要求水準との間に相当のバッファーを確保していること、当社は財務制限条項の遵守状況を適切に管理し、財務制限条項を安定的に充足するべく業務運営を行っていることから、現状係る財務制限条項抵触リスクは僅少であると認識しております。対応策として、財務数値(純資産・経常利益等)をモニタリングし、条項抵触リスクの早期把握に努めております。また、必要に応じて財務制限条項の緩和交渉等を金融機関と協議する体制を整備しております。
13.ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について
(顕在化可能性:高/影響度:小/発生時期:権利行使期間内)
当社は、役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、ストック・オプションを付与しております。これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。当社は、ストック・オプションの付与が役職員の中長期的な業績向上に対するインセンティブとして機能し、企業価値の向上を通じて既存株主利益の増大に繋がるものと考えており、引き続き適切な条件・数量のもとで制度を運用してまいります。
本書提出日現在におけるストック・オプションによる潜在株式数は789,000株であり、発行済株式総数8,100,000株の10.0%に相当します。なお、2026年5月8日開催の臨時取締役会決議により、2026年6月1日付で株式1株につき3株の株式分割を行っております。
14.大株主について
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社の代表取締役社長である梶尾祐司は、当社の大株主であり、本書提出日現在で発行済株式のすべてを所有しております。本売出しによって所有株式の一部を売却する予定ではありますが、引続き大株主となる見込みです。同氏は、当社設立以来、当社の代表取締役社長として経営方針、経営戦略、資金調達等、事業活動の推進にあたり重要な役割を担っていることから、代表取締役社長として重要な役割を担うことは当社の事業運営上望ましいと考えております。また、同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社と致しましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同氏の株式が減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の経営成績や財政状況に影響を与える可能性があります。
15.資産運用型マンション販売について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社が販売する不動産は、資産運用を目的として購入されるものがありますが、一般的に不動産による資産運用(不動産投資)には、入居率の悪化や家賃相場の下落による賃料収入の低下、金利上昇による借入金返済負担の増加等、収支の悪化につながる様々な投資リスクが内在しております。当社はこれらの投資リスクについて十分な説明を行い、投資目的の顧客に理解していただいた上で売買契約を締結するよう営業社員及びこれをサポートする社員に教育を徹底しております。また、入居者募集や集金代行などの賃貸管理から修繕等の建物管理に至るまで一貫したサービスを提供することで、顧客の長期的かつ安定的な不動産投資を全面的にサポートし、空室の発生や資産価値下落等のリスク低減に努めております。しかしながら、営業社員の説明不足等が原因で投資リスクに対する理解が不十分なまま不動産購入に至ったことにより、顧客からの訴訟等が発生した場合、当社の信頼が損なわれることにつながり、その結果、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、社会情勢や経済情勢の変化により、入居率の悪化や家賃相場の大幅な下落、金融機関の融資姿勢の変化や急激な金利上昇等が発生した場合、顧客の不動産投資に支障をきたす可能性があります。特に金利上昇は、金融機関の融資を利用する顧客に対し、借入金返済負担の増加による収支の悪化をもたらすことから、顧客の購買意欲に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、当社では営業社員の重要事項説明に係る定期研修を実施するとともに、契約前の品質管理本部による内容確認を徹底しております。また、物件購入後も賃貸管理サービス等を通じて顧客の投資収益の安定化を継続的に支援することで、顧客満足度の維持・向上を図り、訴訟リスクの低減に努めております。
16.契約不適合責任について
(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期無し)
売買対象不動産について、種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないものがある場合、民法と宅地建物取引業法の規定により売主が買主に対して契約不適合責任を負うことになります。当社においては、販売用不動産の契約前に事業部門と管理部門において、各種法令を確認の上、専門家のレビューを受けた上で契約書に明記し、リスクの低減に努めておりますが、万が一当社の販売した不動産に当該不適合が確認された場合には、当社は、売主として契約不適合責任を負うことがあります。その結果、買主より契約解除や損害賠償請求を受け、また、履行の追完のための費用が生じる事により、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、物件取得時における建物状況調査の実施及びリスク評価を徹底するとともに、売買契約書における契約不適合責任の内容・範囲・期間の明確化を図っております。
17.開発リスクについて
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社は首都圏を中心にマンションの自社ブランド開発事業を行っております。
自社ブランド開発事業は各種開発リスクが伴うことから、法令や市場動向に加えて、現地調査や周辺物件の情報収集、物件情報の信頼性の調査、権利関係の調査、用途地域その他関連法令等の調査等、仕入管理規程に則った調査を行い、各種リスクを検証の上、物件の事業収支計画の妥当性も踏まえ慎重に検討していますが、開発事業1件あたりの金額は大きいことから、開発対象用地の土壌汚染や地中埋蔵物、ゼネコンへの発注後の資材高騰による予算上振れや工事遅延等による収支の悪化から、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。加えて、安全管理について十分配慮をして事業を進めていますが、重大事故や自然災害が発生する可能性があり、その対応に多額の費用が生じた場合、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、当社は請負契約の締結前に建設コストの精度ある見積りを取得するとともに、資材価格の変動リスクを一定程度ヘッジするための契約条件の検討を行っております。また、工程管理体制を強化し、竣工スケジュールの厳格な管理を実施することで工期遅延リスクの低減を図っております。
18.引渡し時期による業績変動について
(顕在化可能性:中/影響度:小/発生時期:特定時期無し)
当社の不動産コンサルティングサービスでは、マンション等の売買契約成立後、顧客への引渡しをもって売上が計上されます。そのため、四半期毎に当社業績を見た場合、マンションの竣工や引渡しのタイミングにより売上高及び利益が変動するため、ある四半期の業績は必ずしも他の四半期の業績や年次の業績を示唆するものではないことに留意する必要があります。また、天災その他予想し得ない事態による建築工期の遅延等、不測の事態により引渡し時期が期末を越えて遅延した場合には、当社の業績が変動する可能性があります。対応策として、当社は引渡しスケジュールを四半期ごとに管理し、遅延リスクが生じた場合には早期にゼネコンとの協議を行い、可能な限り計画どおりの引渡しを実現するよう努めております。
19.賃貸管理における空室リスク等について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社はマンションを購入した投資家との賃貸管理契約において、特定賃貸借契約を締結する場合があります。周辺賃料相場の把握や入居者募集施策を積極的に実施していますが、入居率が低下した場合、転貸借契約に基づく入居者賃料が特定賃貸借契約に基づく賃料を上回った場合には、当社の費用負担が増加し、当社の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。対応策として、空室発生時には家賃水準の見直しや設備投資等の対応策を速やかに講じる体制を整備しております。また、管理物件の入居率を月次でモニタリングし、空室リスクの早期把握・対処を図っております。
20.劣後出資を通じて案件売却時に損失が発生する可能性について
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
当社の運営する不動産ファンド「VERFUND」では、投資家保護の観点から、出資持分を優先劣後構造とし、優先部分を保有する投資家は劣後部分を保有する投資家より優先的に配当等を受け取る仕組みを構築しております。想定どおりに収益が生じなかった場合のリスクを、劣後部分を有する投資家(当社)が劣後出資額を上限として負担することにより、優先部分への配当等の確実性を高めております。
当社は投資案件毎に総額の約30%を劣後出資として劣後出資しており、投資案件売却時に損失が発生する場合には、劣後出資額を上限として当社が優先して損失を負担することから、不動産市況次第では売却時に損失が出る可能性があります。対応策として、当社はVERFUNDへの投資案件選定において、収益性・立地・流動性等を厳格に審査するとともに、市況悪化の兆候が見られた場合には早期に売却方針を検討する体制を整えております。
21.不動産ファンド「VERFUND」案件募集時に成立下限額を調達できない場合について
(顕在化可能性:低/影響度:小/発生時期:特定時期なし)
「VERFUND」にて大型案件を募集する際には、案件成立にあたっての下限調達額を設定することがあります。投資家からの応募金額が下限調達額を下回る場合には案件自体が成立せず、案件の不成立が続く場合には投資家からの応募が減少していく可能性があります。また成立下限額を調達できない場合、募集の前提となる不動産の売買契約の条件によっては、売主へ違約金を支払う場合があります。対応策として、当社は募集開始前に市場調査及び投資家ニーズの把握を行い、調達可能性の見込みを慎重に評価した上で下限調達額を設定しております。
22.流通株式比率に関するリスクについて
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社は本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場への上場を予定しておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は新規上場時において31.7%となる見込みです。今後は、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加など、これらを組み合わせて、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として、当社は株主数・流通株式数の増加に向けた積極的なIR活動を実施するとともに、公募増資等の手段を通じて流通株式比率の向上を計画的に推進してまいります。
23.配当政策について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案し、利益還元政策を決定していく方針であります。しかしながら、当社は、成長過程にあり、現時点では事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが株主に対する最大の利益還元に繋がると考えており、現在のところ配当を実施しておりませんが、2026年11月期の1株当たりの配当金は25円00銭~32円00銭を想定しております。なお、業績動向や経営環境の変化等を踏まえて決定する方針であり、世界経済の急変や災害など、予期せぬ外部要因によって当該配当金は変動する可能性があります。
24.SNSを通じた風評被害・情報漏洩リスクについて
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期無し)
当社は、SNS等インターネット上での情報拡散に伴う風評リスクを重要なリスクとして認識しております。お客様からの苦情等、インターネット上での書き込みにより風評被害が発生等した場合、その正確性にかかわらず、当社の事業、経営成績、及びブランドイメージ等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、顧客に関する機密情報を多数保有しており、SNS等を通じた情報漏洩が生じた場合、競合他社への情報流出、顧客からの損害賠償請求、法的制裁及び当社の社会的信用の著しい低下をもたらす可能性があります。対応策として、当社はSNS上のネガティブ情報の早期検知体制を構築するとともに、事実に基づく適切な情報発信を迅速に行う広報体制を整備しております。また、従業員に対する周知徹底を継続的に実施し、社内からの意図しない情報漏洩の防止を図っております。