有価証券届出書(新規公開時)
有報資料
(1) パーパス・ミッション
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社3社(KOMPEITO USA Inc.、株式会社ODYデリバリーズ、株式会社優食)の計4社で構成されており、「はたらく人をエンパワメントする」というパーパスの下、「世の中にシゲキをつくる」をミッションとして掲げています。社名であるKOMPEITOは、小さな気づきから世の中にシゲキをつくる存在としてありたい、そのためにはただ甘いだけでなく、トゲのある様々な色を持った人たちが集まる金平糖のような組織でありたいという思いが込められております。
(2) サービス概要
当社グループは、オフィスでいつでも健康的な食事ができる「設置型健康社食」OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)サービスを軸に運営しております。当該サービスは、新鮮なカットサラダやカットフルーツを中心に、合成保存料・合成着色料を使用せず食品添加物を極力控えた健康的かつ片手でも食べやすい利便性を備えたプライベートブランド商品など、当社独自の食品添加物使用基準を満たした健康的な食事をオフィスに設置した冷蔵庫・冷凍庫に「置き型」で提供するものです。これにより、従来型の社食運営が難しい中小規模の事業所でも、従業員の食環境を整えることのできる福利厚生サービスとなっております。
提供形態としては、サラダやフルーツ等を冷蔵でお届けするプランに加え、食べ応えのあるお弁当や惣菜等を冷凍でお届けするプランも展開しております。後者は、ごはんを含む主食をオフィスで手軽に摂りたいというニーズに応えるもので、昼食としてより充実した食事を求める従業員に支持され、その利用割合は増加傾向にあります。こうした品揃えにより、軽食から主食まで多様な食シーンを網羅し、幅広い従業員の利用を促進しております。
また、現在では、OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)に加え、次世代自動販売機「SALAD STAND(サラダスタンド)by OFFICE DE YASAI」や、オフィスワーカー向けに地方の特産品や新商品等を販売促進で訴求を行える「OFFICE DE MEDIA(オフィスでメディア)」など、「はたらく人をエンパワメントする」というパーパスの実現へ向けた新たな事業開発に取組んでおります。
当社グループは、現在、福利厚生サービス事業を展開する単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。なお、2025年8月期の売上高構成比はOFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)事業95.4%、その他事業1.8%、連結子会社2.8%となっております。
(3) 当社グループの強み
① 全国をカバーする配送ネットワーク及びオペレーション体制
当社グループは、野菜を含む生鮮食品を週次で宅配可能とする配送ネットワークを構築し、北海道利尻島から沖縄与那国島まで全国をカバーしております。冷蔵7拠点(北海道、千葉、愛知、和歌山、広島、福岡、沖縄)及び冷凍1拠点(東京)の計8拠点を運用しており、今後も東北、北陸、四国地域等、導入企業拡大に応じ随時拠点を拡大していく計画です。
配送は、当社グループ社員が商品交換や冷蔵庫内の陳列まで行う「デリバリー方式」と、「宅配便業者による配送方式」の2種類を採用しております。本書提出日現在、デリバリー方式は全体の約2割を占めており、今後も自社グループ配送網の強化によってデリバリー件数を増加させていく方針です。配送費についても効率化を進めており、第13期のOFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)のARR(年次経常収益)(注1)に占める配送費の割合は約13%と、無駄の少ない運営体制を実現しています。
また、当社のサービスの強みでもある新鮮なカットサラダやカットフルーツといった生鮮食品の配送は、曜日や時間帯によって繁忙が大きく異なり人員配置の難易度が高いことに加え、生鮮品であるため破損や液漏れなどが発生しやすく、緩衝材を含めた梱包方法に工夫が必要となっております。この消費期限の短い生鮮食品を高頻度で安定的に顧客企業へ届けられる配送網を構築していることが当社グループの強みとなっております。
(注)1.Annual Recurring Revenue。サブスクリプション契約に基づき、毎年定期的に得られる「年次経常収益」を指す。プランに応じた固定金額である「月額利用料」と販売された商品個数に単価を乗じた「商品代金」の合算額で算出。
② 強固な営業ネットワーク
当社グループは、コロナ禍を契機に開始した代理店施策を通じて、地方銀行や事業会社とのパートナーシップを拡大し、強固な営業ネットワークを構築しております。2026年5月末時点で、地方銀行81行、事業会社189社を中心とした合計270の営業提携先(パートナー)と提携しており、パートナーセールスグループの営業人員も3年間で約3倍に増加しております。これらの販売代理店網を活用した営業展開により、売上高はコロナ禍以降において毎期増収を達成し続けております。今後もパートナー企業との連携を強化し、販売チャネルの拡大と営業効率の向上を図ってまいります。
また、導入に当たり業種や規模、地域を問わず幅広い企業に導入いただけるサービス特性が、パートナーの地方銀行や事業会社の見込み顧客への紹介を一層加速させております。
なお、当社グループは、地方銀行や事業会社との提携を通じた販売ネットワークを全国的に同業他社より先行して構築しており、特に地方銀行においてはビジネスマッチングにおいて類似サービスの重複契約をしない企業も多く、パートナー企業との継続的な連携や導入実績の蓄積を背景に、営業面における一定の先行優位性及び参入障壁を有しているものと認識しております。このような販売チャネルの構築には一定の時間と関係性構築が必要であることから、当社グループでは競合他社による短期的な模倣は容易ではないものと考えております。
③ 顧客フォロー体制と高い顧客満足度
当社グループは、「デリバリー方式」による週次配送時の顧客とのコミュニケーションに加え、カスタマーサクセスグループ(CS)及びパートナーセールスグループによる定期的なフォローアップを行うことで、顧客との密接なコミュニケーションを実現しています。営業・運営・CSの三部門が緊密に連携することにより、顧客満足度の高いサービス運営を行っております。
その結果、月次定期解約率(チャーンレート)(注2)は低水準で安定しており、2021年8月期2.2%、2022年8月期1.5%、2023年8月期1.5%、2024年8月期1.3%、2025年8月期1.4%、2026年5月末時点1.1%と推移しております。
今後も、継続的なサービス改善を通じて顧客満足度の更なる向上を目指してまいります。
(注)2.解約率:直近12カ月月次解約数 / 直近12カ月総契約社数
④ 中小企業との高い親和性
当社サービスは、貸出用の小型専用冷蔵庫や冷凍庫の設置により完結するシンプルな仕組みを採用しており、中小企業でも容易に導入できる点が特長です。また、専用アプリによるキャッシュレス決済を導入しており、顧客側での日々の運用コストは実質的に発生しない形となっております。さらに、ラストワンマイル配送が可能なエリアにおいては、週次配送による商品の交換を当社が行うことで、顧客の負担低減に努めております。2026年8月期第3四半期末時点において、従業員数100名以下の企業が契約先全体の約81%を占めており、当社サービスは中小企業を中心に広く利用されています。
これらにより、従来はコストやスペース面の制約から大企業に限られていた社食制度を、中小企業でも手軽に導入できるようにし、幅広い企業の福利厚生環境向上に寄与しております。
⑤ 従業員エンゲージメント改善に資する事業ドメイン
近年、国内における労働力不足を背景として、企業にとって従業員のエンゲージメント向上や人材の定着(リテンション)、採用力の強化が重要な経営課題となっております。福利厚生施策の中でも「食事・昼食補助」は従業員からの需要が非常に高く、当社グループの「OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)」は、この市場ニーズに合致したサービスとして導入が拡大しております。
本サービスは、オフィス内でいつでも喫食可能な「利便性」、国産野菜や低糖質・高たんぱくメニューを中心とした「健康面」、原則1品100円から購入可能な「低価格」、及び冷蔵・冷凍両プラン合わせて毎月約160品(2026年8月期第3四半期末時点)の豊富なラインナップによる「選ぶ楽しみ」という4つの価値を従業員へ提供しております。これにより、休憩時間が短い職場や周辺に飲食店が少ない事業所においても、手軽に健康的な食事環境を構築することが可能です。当社が2026年2月に実施したOFFICE DE YASAI利用者向けアンケート調査(回答者数1,288名)によれば、本サービスの利用により利用者の75.2%が「会社に対する満足度が上がった」と回答しており、単なる食事補助にとどまらず、従業員のエンゲージメント向上や企業の健康経営推進に寄与するソリューションとして評価されております。
今後も拡大が見込まれる従業員エンゲージメント市場において、企業の人的資本経営を支援してまいります。
(4) 本契約社数の推移
当社グループの「OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)」サービスにおける本契約社数は継続して増加しており、2026年8月期第3四半期末時点では、6,644社(地方比率62%、地方について東京都、愛知県、福岡県、兵庫県、大阪府、神奈川県以外の都道府県と定義しております。)であり、2025年8月期における新規契約先は2,567社となっております。当社グループは、オフィス勤務者を中心とした福利厚生サービスを提供しておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う2020年4月の1回目の緊急事態宣言の発出時には、多数の企業から一時休止の申し出があり、2020年5月時点まで本契約社数は一時的に減退しました。
その一方で、リモートワーク環境の整備が困難な企業や、リモートワーク併用に伴い従来型の社員食堂の維持が困難になった企業等からの需要が高まり、1回目の緊急事態宣言の解除後である2020年6月以降は、新規の申込が従来以上のペースで拡大したこと等により本契約社数が回復しました。また、健康経営や労働人口減少に伴う福利厚生制度の見直しといった社会的な潮流も追い風となり、以降本契約社数は継続して増加傾向にあります。そして、2026年4月からは企業の食事補助の非課税枠拡大を伴う税制改正も追い風となっております。
(5) 定期解約率とARR(年次経常収益)
2026年8月期第3四半期末時点でOFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)本契約顧客の月次定期解約率(注3)は1.1%(直近12カ月実績平均)と低水準で安定しており、本契約社数の積み上がりにより、2026年8月期第3四半期末のARR(年間経常収益)は約89.2億円になっております。週次配送を含む緊密な顧客フォロー体制と高い顧客満足度を維持しており、導入・運用コストを最小限に抑える事業特性から中小企業を中心に高い親和性を有しております。これらの強みを通じて、全国の幅広い企業に対し、健康的な職場環境の整備を支援するサービスを提供しています。



(注)3.解約率:直近12カ月月次解約数 / 直近12カ月総契約社数
当社グループは、2024年以降、本書提出日現在までに当社の完全子会社である株式会社ODYデリバリーズを受け皿とした乳製品宅配業者のM&A(事業譲受)を3件実行しており、また、当社による、給食事業者である株式会社優食のM&A(株式取得)による完全子会社化を実行しております。これらのバリューチェーン統合による配送コストや仕入コスト削減、物流の最適化を図るとともに、顧客基盤の獲得によって給食市場本丸の隣接市場への拡張を狙う等、非連続的な成長を目指しております。なお、株式会社ODYデリバリーズは東京都内の個人顧客向け中心に乳製品宅配事業及びOFFICE DE YASAI事業の一部配送機能を担い、株式会社優食は岡山県内中心に高齢者向け配食サービス及び介護施設向け食材提供事業に係る商品の製造・販売を担っております。
また、当社グループは、健康志向及び福利厚生ニーズの高い北米市場への参入を成長戦略の柱の一つとしております。北米では、食の福利厚生関連市場は約5兆円規模に上ると見込まれており(注4)、当社サービスと親和性の高い市場環境が形成されています。
本環境を踏まえ、2024年にアメリカ合衆国に現地法人KOMPEITO USA Inc.を設立し、カリフォルニア州ロサンゼルスを中心に「Lumeal(ルミール)」ブランドによる設置型冷凍庫のオフィス向けフードサービスを展開しております。製造工程は現地サプライヤーが担い、当社は営業・物流・アプリなどの機能を提供する体制を構築しております。
(注)4.Fortune Business Insights「Meal Vouchers & Employee Benefits Solutions Market Size and Future Outlook」(2025年11月掲載)に基づき当社にて作成
(6) 事業系統図
国内の福利厚生サービス事業の基本的な取引の流れ及び外部のステークホルダーとの関係は以下の図のとおりであります。

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社3社(KOMPEITO USA Inc.、株式会社ODYデリバリーズ、株式会社優食)の計4社で構成されており、「はたらく人をエンパワメントする」というパーパスの下、「世の中にシゲキをつくる」をミッションとして掲げています。社名であるKOMPEITOは、小さな気づきから世の中にシゲキをつくる存在としてありたい、そのためにはただ甘いだけでなく、トゲのある様々な色を持った人たちが集まる金平糖のような組織でありたいという思いが込められております。
(2) サービス概要
当社グループは、オフィスでいつでも健康的な食事ができる「設置型健康社食」OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)サービスを軸に運営しております。当該サービスは、新鮮なカットサラダやカットフルーツを中心に、合成保存料・合成着色料を使用せず食品添加物を極力控えた健康的かつ片手でも食べやすい利便性を備えたプライベートブランド商品など、当社独自の食品添加物使用基準を満たした健康的な食事をオフィスに設置した冷蔵庫・冷凍庫に「置き型」で提供するものです。これにより、従来型の社食運営が難しい中小規模の事業所でも、従業員の食環境を整えることのできる福利厚生サービスとなっております。
提供形態としては、サラダやフルーツ等を冷蔵でお届けするプランに加え、食べ応えのあるお弁当や惣菜等を冷凍でお届けするプランも展開しております。後者は、ごはんを含む主食をオフィスで手軽に摂りたいというニーズに応えるもので、昼食としてより充実した食事を求める従業員に支持され、その利用割合は増加傾向にあります。こうした品揃えにより、軽食から主食まで多様な食シーンを網羅し、幅広い従業員の利用を促進しております。
また、現在では、OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)に加え、次世代自動販売機「SALAD STAND(サラダスタンド)by OFFICE DE YASAI」や、オフィスワーカー向けに地方の特産品や新商品等を販売促進で訴求を行える「OFFICE DE MEDIA(オフィスでメディア)」など、「はたらく人をエンパワメントする」というパーパスの実現へ向けた新たな事業開発に取組んでおります。
当社グループは、現在、福利厚生サービス事業を展開する単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。なお、2025年8月期の売上高構成比はOFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)事業95.4%、その他事業1.8%、連結子会社2.8%となっております。
(3) 当社グループの強み
① 全国をカバーする配送ネットワーク及びオペレーション体制
当社グループは、野菜を含む生鮮食品を週次で宅配可能とする配送ネットワークを構築し、北海道利尻島から沖縄与那国島まで全国をカバーしております。冷蔵7拠点(北海道、千葉、愛知、和歌山、広島、福岡、沖縄)及び冷凍1拠点(東京)の計8拠点を運用しており、今後も東北、北陸、四国地域等、導入企業拡大に応じ随時拠点を拡大していく計画です。
配送は、当社グループ社員が商品交換や冷蔵庫内の陳列まで行う「デリバリー方式」と、「宅配便業者による配送方式」の2種類を採用しております。本書提出日現在、デリバリー方式は全体の約2割を占めており、今後も自社グループ配送網の強化によってデリバリー件数を増加させていく方針です。配送費についても効率化を進めており、第13期のOFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)のARR(年次経常収益)(注1)に占める配送費の割合は約13%と、無駄の少ない運営体制を実現しています。
また、当社のサービスの強みでもある新鮮なカットサラダやカットフルーツといった生鮮食品の配送は、曜日や時間帯によって繁忙が大きく異なり人員配置の難易度が高いことに加え、生鮮品であるため破損や液漏れなどが発生しやすく、緩衝材を含めた梱包方法に工夫が必要となっております。この消費期限の短い生鮮食品を高頻度で安定的に顧客企業へ届けられる配送網を構築していることが当社グループの強みとなっております。
(注)1.Annual Recurring Revenue。サブスクリプション契約に基づき、毎年定期的に得られる「年次経常収益」を指す。プランに応じた固定金額である「月額利用料」と販売された商品個数に単価を乗じた「商品代金」の合算額で算出。
② 強固な営業ネットワーク
当社グループは、コロナ禍を契機に開始した代理店施策を通じて、地方銀行や事業会社とのパートナーシップを拡大し、強固な営業ネットワークを構築しております。2026年5月末時点で、地方銀行81行、事業会社189社を中心とした合計270の営業提携先(パートナー)と提携しており、パートナーセールスグループの営業人員も3年間で約3倍に増加しております。これらの販売代理店網を活用した営業展開により、売上高はコロナ禍以降において毎期増収を達成し続けております。今後もパートナー企業との連携を強化し、販売チャネルの拡大と営業効率の向上を図ってまいります。
また、導入に当たり業種や規模、地域を問わず幅広い企業に導入いただけるサービス特性が、パートナーの地方銀行や事業会社の見込み顧客への紹介を一層加速させております。
なお、当社グループは、地方銀行や事業会社との提携を通じた販売ネットワークを全国的に同業他社より先行して構築しており、特に地方銀行においてはビジネスマッチングにおいて類似サービスの重複契約をしない企業も多く、パートナー企業との継続的な連携や導入実績の蓄積を背景に、営業面における一定の先行優位性及び参入障壁を有しているものと認識しております。このような販売チャネルの構築には一定の時間と関係性構築が必要であることから、当社グループでは競合他社による短期的な模倣は容易ではないものと考えております。
③ 顧客フォロー体制と高い顧客満足度
当社グループは、「デリバリー方式」による週次配送時の顧客とのコミュニケーションに加え、カスタマーサクセスグループ(CS)及びパートナーセールスグループによる定期的なフォローアップを行うことで、顧客との密接なコミュニケーションを実現しています。営業・運営・CSの三部門が緊密に連携することにより、顧客満足度の高いサービス運営を行っております。
その結果、月次定期解約率(チャーンレート)(注2)は低水準で安定しており、2021年8月期2.2%、2022年8月期1.5%、2023年8月期1.5%、2024年8月期1.3%、2025年8月期1.4%、2026年5月末時点1.1%と推移しております。
今後も、継続的なサービス改善を通じて顧客満足度の更なる向上を目指してまいります。
(注)2.解約率:直近12カ月月次解約数 / 直近12カ月総契約社数
④ 中小企業との高い親和性
当社サービスは、貸出用の小型専用冷蔵庫や冷凍庫の設置により完結するシンプルな仕組みを採用しており、中小企業でも容易に導入できる点が特長です。また、専用アプリによるキャッシュレス決済を導入しており、顧客側での日々の運用コストは実質的に発生しない形となっております。さらに、ラストワンマイル配送が可能なエリアにおいては、週次配送による商品の交換を当社が行うことで、顧客の負担低減に努めております。2026年8月期第3四半期末時点において、従業員数100名以下の企業が契約先全体の約81%を占めており、当社サービスは中小企業を中心に広く利用されています。
これらにより、従来はコストやスペース面の制約から大企業に限られていた社食制度を、中小企業でも手軽に導入できるようにし、幅広い企業の福利厚生環境向上に寄与しております。
⑤ 従業員エンゲージメント改善に資する事業ドメイン
近年、国内における労働力不足を背景として、企業にとって従業員のエンゲージメント向上や人材の定着(リテンション)、採用力の強化が重要な経営課題となっております。福利厚生施策の中でも「食事・昼食補助」は従業員からの需要が非常に高く、当社グループの「OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)」は、この市場ニーズに合致したサービスとして導入が拡大しております。
本サービスは、オフィス内でいつでも喫食可能な「利便性」、国産野菜や低糖質・高たんぱくメニューを中心とした「健康面」、原則1品100円から購入可能な「低価格」、及び冷蔵・冷凍両プラン合わせて毎月約160品(2026年8月期第3四半期末時点)の豊富なラインナップによる「選ぶ楽しみ」という4つの価値を従業員へ提供しております。これにより、休憩時間が短い職場や周辺に飲食店が少ない事業所においても、手軽に健康的な食事環境を構築することが可能です。当社が2026年2月に実施したOFFICE DE YASAI利用者向けアンケート調査(回答者数1,288名)によれば、本サービスの利用により利用者の75.2%が「会社に対する満足度が上がった」と回答しており、単なる食事補助にとどまらず、従業員のエンゲージメント向上や企業の健康経営推進に寄与するソリューションとして評価されております。
今後も拡大が見込まれる従業員エンゲージメント市場において、企業の人的資本経営を支援してまいります。
(4) 本契約社数の推移
当社グループの「OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)」サービスにおける本契約社数は継続して増加しており、2026年8月期第3四半期末時点では、6,644社(地方比率62%、地方について東京都、愛知県、福岡県、兵庫県、大阪府、神奈川県以外の都道府県と定義しております。)であり、2025年8月期における新規契約先は2,567社となっております。当社グループは、オフィス勤務者を中心とした福利厚生サービスを提供しておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う2020年4月の1回目の緊急事態宣言の発出時には、多数の企業から一時休止の申し出があり、2020年5月時点まで本契約社数は一時的に減退しました。
その一方で、リモートワーク環境の整備が困難な企業や、リモートワーク併用に伴い従来型の社員食堂の維持が困難になった企業等からの需要が高まり、1回目の緊急事態宣言の解除後である2020年6月以降は、新規の申込が従来以上のペースで拡大したこと等により本契約社数が回復しました。また、健康経営や労働人口減少に伴う福利厚生制度の見直しといった社会的な潮流も追い風となり、以降本契約社数は継続して増加傾向にあります。そして、2026年4月からは企業の食事補助の非課税枠拡大を伴う税制改正も追い風となっております。
(5) 定期解約率とARR(年次経常収益)
2026年8月期第3四半期末時点でOFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)本契約顧客の月次定期解約率(注3)は1.1%(直近12カ月実績平均)と低水準で安定しており、本契約社数の積み上がりにより、2026年8月期第3四半期末のARR(年間経常収益)は約89.2億円になっております。週次配送を含む緊密な顧客フォロー体制と高い顧客満足度を維持しており、導入・運用コストを最小限に抑える事業特性から中小企業を中心に高い親和性を有しております。これらの強みを通じて、全国の幅広い企業に対し、健康的な職場環境の整備を支援するサービスを提供しています。



(注)3.解約率:直近12カ月月次解約数 / 直近12カ月総契約社数
当社グループは、2024年以降、本書提出日現在までに当社の完全子会社である株式会社ODYデリバリーズを受け皿とした乳製品宅配業者のM&A(事業譲受)を3件実行しており、また、当社による、給食事業者である株式会社優食のM&A(株式取得)による完全子会社化を実行しております。これらのバリューチェーン統合による配送コストや仕入コスト削減、物流の最適化を図るとともに、顧客基盤の獲得によって給食市場本丸の隣接市場への拡張を狙う等、非連続的な成長を目指しております。なお、株式会社ODYデリバリーズは東京都内の個人顧客向け中心に乳製品宅配事業及びOFFICE DE YASAI事業の一部配送機能を担い、株式会社優食は岡山県内中心に高齢者向け配食サービス及び介護施設向け食材提供事業に係る商品の製造・販売を担っております。
また、当社グループは、健康志向及び福利厚生ニーズの高い北米市場への参入を成長戦略の柱の一つとしております。北米では、食の福利厚生関連市場は約5兆円規模に上ると見込まれており(注4)、当社サービスと親和性の高い市場環境が形成されています。
本環境を踏まえ、2024年にアメリカ合衆国に現地法人KOMPEITO USA Inc.を設立し、カリフォルニア州ロサンゼルスを中心に「Lumeal(ルミール)」ブランドによる設置型冷凍庫のオフィス向けフードサービスを展開しております。製造工程は現地サプライヤーが担い、当社は営業・物流・アプリなどの機能を提供する体制を構築しております。
(注)4.Fortune Business Insights「Meal Vouchers & Employee Benefits Solutions Market Size and Future Outlook」(2025年11月掲載)に基づき当社にて作成
(6) 事業系統図
国内の福利厚生サービス事業の基本的な取引の流れ及び外部のステークホルダーとの関係は以下の図のとおりであります。
