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2026/10/06 15:30
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なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、企業の存在意義や目的を示すミッションを、「ビジネスの不条理をなくす。」と定めています。日本のビジネスの現場では、労働人口の減少が進む一方で、旧態依然とした非効率な慣習や無駄な業務などの不条理が残存し、労働生産性や従業員エンゲージメント(幸福度)の低下を招いています。当社は、企業と人が最初に持つ接点である受付をはじめとした、人と人とのリアルな(物理的な)接点となるビジネスの現場に対して、AIや最新のデバイスを活用したクラウドサービスを提供することで、こうしたビジネスの不条理をなくすことを使命としています。
また、企業が長期的に目指す将来像や理想の姿を示すビジョンを、「誰もが主体性を持ち、働くことが好きになる社会をつくる。」と定めております。当社のサービスにより非効率な業務から解放された働く人の一人ひとりが、人にしかできない、より価値の高い業務に主体性を持って取り組み、働くことに誇りや楽しさを持てるようになることを目指しています。従業員エンゲージメントを高める企業の取り組みを支援することを通じて、誰もが主体性を持ち、働くことが好きになる社会の実現を図ります。
これらのミッション及びビジョンの下、ビジネスの不条理をなくし、働く誰もがパフォーマンスを発揮できる環境にアップデートし続けることで、100年続く企業となることを経営方針として掲げています。
具体的には、受付に設置したタブレット端末を通じて来訪者と社内担当者をつなぎ、受付対応の無人化・省力化を実現するクラウド受付システム「RECEPTIONIST」を中心に、会議室管理システム「予約ルームズ」や日程調整ツール「調整アポ」といった関連サービスを提供しています。
これら自社サービスはいずれもサブスクリプション型で提供しており、利用企業からの月額利用料を主な収益源とするビジネスモデルです。クラウド受付システムと周辺サービスを組み合わせて提供することで、来客の事前の日程調整から当日の来客受付、会議室の予約・管理に至るまで一貫して効率化できるソリューションを実現しており、企業の受付業務におけるDX推進に貢献しています。
当社の経営計画においては、こうした強みを生かしつつ中長期的な持続的成長を図る方針です。まず既存のクラウド受付サービス分野でのリーディングポジションを維持・強化しながら、関連する日程調整や会議室管理といったワークプレイス支援領域のサービス・収益源を更に拡充していくことで、新規顧客層の獲得と顧客当たりの平均収益(ARPA)の向上を目指します。加えて、サブスクリプション型の特性を生かして契約企業数と年間経常収益(ARR)の拡大に注力し、将来的には当社サービス群をオフィス受付・来客対応におけるデファクトスタンダードに育て上げる考えです。
こうした成長戦略の下、中長期的な売上成長の実現を目指し、営業・開発体制への投資やパートナー連携強化など必要な施策を機動的に実行してまいります。なお、当社が当該経営方針を採るに至った経営環境についての認識は「(3)経営環境」に、当社の主な事業の内容及び各サービスの詳細は「第1 企業の概況 3 事業の内容」に、それぞれ記載しております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、サブスクリプション型による継続収益の拡大と顧客基盤の安定性を重視し、ARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)および解約率を主要な経営指標(KPI)として位置付けています。
ARRは当社サービスの年間ベースの定期的な経常収益を示す指標であり、契約企業数の増加や利用単価の向上を反映するものとして、持続的成長性を測る重要な尺度です。一方、解約率は、既存顧客との契約の解約により減少した定期的な経常収益の割合を示す指標であり、当社サービスが顧客に提供する価値や顧客満足度を反映するとともに、ARRの積み上げの前提となる顧客基盤の安定性を測るものと考えております。なお、解約率は、当月の解約により減少したARRを前月末時点のARRで除して算出した月次解約率について、直近12か月の平均値を用いております。
当該指標の推移は、次のとおりであります。
回次第6期第7期第8期第9期第10期第11期
第3四半期
決算年月2021年10月2022年10月2023年10月2024年10月2025年10月2026年7月
ARR(千円)220,522383,623561,459767,250928,9721,079,096
解約率(%)---0.530.560.39

特に解約率については、2025年10月期実績で0.56%と低水準を維持しており、顧客からの高い支持によって安定した収益基盤が確保されていると考えております。実際に、2025年10月期の売上に対する実績では、ARRの算定対象となるストック収益が売上高全体の93%、それ以外のスポット収益が7%と、安定性の高い収益構成となっております。また、2026年10月期第3四半期末においてもストック収益が売上全体の94%、それ以外のスポット収益が6%と、同水準の比率を維持しております。
なお、ARRは、各月末時点のMRR(月間経常収益)を12倍して算定しております。MRRは、各月末時点における継続課金収益であり、ハードウェア販売及び初期導入費用等の一時収益を含みません。2026年7月末時点のARRに占めるクラウド受付システム「RECEPTIONIST」のARRの割合は73%、その他のARRの割合が27%であります。なお、当社は、顧客当たりの利用拡大の状況を示す指標として顧客当たりの平均収益(ARPA)を管理しております。ARPAは、各月末時点のARRを同時点の契約企業数で除して算定しており、2026年7月末(第11期第3四半期会計期間末)において435千円(2025年10月末 390千円)であります。
さらに、サービスの安定性を示す指標として、システム稼働率を管理しております。システム稼働率は、総時間からサービス停止時間を控除した時間を総時間で除して算定しており、当社全プロダクトの2025年1月1日から2025年12月31日までの実績は99.9%以上であります。
今後もARRの着実な拡大と低い解約率の維持を両立することで、企業価値の向上に直結する健全な成長を図ってまいります。
(3)経営環境
本書提出日現在、我が国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景に緩やかな回復基調にある一方、物価上昇の長期化や人手不足、海外経済の減速懸念や地政学リスク等により、先行きは依然として不透明な状況となっております。
当社を取り巻く事業環境は、オフィス受付業務のデジタル化(DX)ニーズの高まりと軌を一にして、大きな変革期を迎えています。企業受付をめぐっては、働き方改革に伴う業務効率化の機運の高まりや、人手不足という社会背景を受けて、受付業務の省力化ニーズが顕在化しました。2020年以降の新型コロナウイルス感染症の流行を契機に、来客対応における非対面・非接触への要求が急速に高まり、受付業務の無人化・省力化ソリューションが注目を集めてきました。コロナ禍後も、オフィス環境の変化が進み、受付業務の省人化に資するクラウド受付システムの導入によって、業務効率化とセキュリティ強化を図ろうとする企業が増加しています。
当社は、当社を取り巻く経営環境を、①労働人口の減少を背景とする人手不足の構造化、②ハイブリッドワークの定着、オフィスのフリーアドレス化及び固定電話の廃止に代表されるオフィスの運営方法の変化、並びに③AIの普及によるソフトウエアに対する要求水準の変化の3点により捉えております。これらはいずれも、企業の受付、代表電話の一次対応、日程調整及び会議室の管理といった、人と人との物理的な接点において発生する定型的な業務を、システムにより省人化・効率化する方向に作用するものであり、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載する当社の各サービスに対する需要を、中長期にわたり押し上げるものと認識しております。
具体的には、人手不足の構造化は、受付及び代表電話の一次対応に要する業務負担を軽減する需要として、クラウド受付システム「RECEPTIONIST」及び電話自動応答(IVR)サービス「代表電話コネクト」に対する需要に結び付きます。ハイブリッドワークの定着及びオフィスのフリーアドレス化は、会議室及び執務スペースの稼働を管理し、来訪の予定と会議室の手配とを連動させる需要として、会議室管理システム「予約ルームズ」及び日程調整ツール「調整アポ」に対する需要に結び付きます。また、AIの普及は、定型業務の自動化にとどまらず、承認、通知及び入館権限の発行を含む業務プロセスそのものの自動化に対する要求として顕在化しており、当社はこれに「RECEPTIONIST Agent」(ワークフロービルダー)により対応しております。当社は、これら複数のサービスを相互に連携させて提供できることを特色と認識しており、個別の機能の優劣ではなく、日程調整から来客受付、会議室の手配に至る一連の業務を一体として効率化できる点が、競争優位性の一つであると考えております。
当社が提供する主要サービスの一つであるクラウド受付システム「RECEPTIONIST」が属する来訪者管理システム市場は、国内の市場規模、導入企業数ともに拡大を続けており、当社は、来訪者管理システム市場におけるベンダー別売上金額シェアにおいて、2024年度は13.9%、2025年度は14.3%であり、いずれの年度においても第1位であります(出典:ITR「ITR Market View:ワークプレイス最適化市場2026」来訪者管理システム市場:ベンダー別売上金額シェア(2024~2025年度))。また、当社が関連サービスを提供する会議室管理システム市場及び日程調整ツール市場も、企業のDXの進展を背景に拡大しております。これらの市場の規模及び成長率並びにそれらの出典は、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおりであります。
当社は、これらの市場について、市場規模そのものの大きさよりも、クラウド型の受付システムを導入済みの企業の割合が未だ低位にとどまり、未導入の企業が大宗を占めている点に、当社の中長期的な成長機会があると認識しております。当社の市場シェアが第1位であることは、市場が導入期にあることの反映であると考えており、今後の成長は、受付業務を電話機等により運用している、システム未導入の企業に新たに導入いただくことによって実現すべきものと考えております。このため当社は、経営資源を、未導入の企業に対する当社サービスの認知の獲得と、導入後の顧客に対する顧客1社当たりの取引拡大に、優先的に配分する方針としております。
以上のように、当社事業の属する各領域はいずれも高い成長率で推移しており、市場全体の拡大基調が今後もしばらく持続すると期待されています。こうした追い風環境のもと、当社は積極的な事業拡大の機会を捉えることが可能であると考えております。ただし同時に、市場の成長に伴って競合企業の参入や代替技術の台頭も予想されるため、上記の当社の強みを、継続的に高めていく必要があります。
以上の経営環境に対する認識を踏まえ、当社は、当面の経営上の重点を、市場の拡大に先行して未導入の企業を顧客として獲得すること、及び、獲得した顧客において、より多くの拠点及び利用者にご利用いただくこと、並びに複数のサービスを組み合わせて提供することにより顧客1社当たりの取引を拡大することの2 点に置いております。その具体的な方策は「(4)中長期的な成長戦略」に、その遂行にあたり優先的に対処すべき課題は「(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に、それぞれ記載しております。
(4)中長期的な成長戦略
当社は、上記(3)の経営環境に対する認識に基づき、中長期的な成長戦略を構成する施策を、当面の主要な成長ドライバーと位置付けるものと、中期的に取り組むものとに区分して推進しております。当面は、①未導入の企業に対する新規開拓(直販及び販売パートナーの双方による、業種及び企業規模の裾野の拡大)並びに②既存の導入企業における利用拠点及び利用者数の拡大並びに関連サービスの提供(アップセル及びクロスセル)を、主要な成長ドライバーと位置付けております。中期的には、③「RECEPTIONIST Agent」(ワークフロービルダー)の本格展開並びに「代表電話コネクト」及び「招待レセプション」の販売拡大により、当社が対応する業務の範囲を広げてまいります。①の成果は主として契約企業数に、②及び③の成果は主としてARPA及び解約率に、それぞれ表れるものと考えており、当社はこれらの進捗を月次で把握しております。
中長期的な成長戦略として、当社はまずリーディングカンパニーとしての地位の強化と市場シェア拡大を図ります。現在、当社のクラウド受付システム「RECEPTIONIST」は、「(3)経営環境」に記載のとおり来訪者管理システム市場において最も高い売上金額シェアを有しており、低い解約率(第11期第3四半期時点で0.39%)が示すとおり顧客から強い支持を得ています。この優位性をテコに、さらなる新規顧客の開拓に注力することで、市場全体の拡大に合わせて当社契約企業数を大幅に伸長させる計画です。特に現在の導入企業はIT業界や先進的な企業が中心ですが、今後は製造業や地方企業なども含めた幅広い業種・規模の企業へ裾野を広げることで、潜在需要の取り込みを加速してまいります。
また、顧客数拡大と並行して、提供サービスの利用範囲の拡大によるARPAの向上(アップセル及びクロスセル)も推進します。具体的には、既に提供中の「調整アポ」や「予約ルームズ」といったサービスとの連携強化や、新機能・新サービスの開発を通じて、1社当たりの利用単価を引き上げる施策を展開します。これにより、当社サービスを単なる受付システムに留まらない包括的な来客・オフィス管理プラットフォームへ進化させ、他社にはない付加価値を提供することで契約単価の上昇と解約防止につなげていきます。
以上の施策を着実に実行することで、当社は中長期的な売上成長の実現を目指してまいります。当社のサービスはいずれもサブスクリプション型であり、低い解約率の維持により積み上がるストック収益が、人材の採用、サービスの開発及び広告宣伝への再投資の原資となり、これが顧客基盤の拡大と顧客1社当たりの取引の拡大を通じて更なるストック収益の増加につながるという循環を、当社は成長の基本的な仕組みと位置付けており、当該循環を継続させることが、企業価値の向上に最も直接的に寄与するものと考えております。
当社としては、今後数年間で契約企業数を現状の数千社規模から大幅に拡大させ、市場ポテンシャル全体の中でのシェアを高めていく計画です。加えて、既存の導入企業における利用拠点及び利用者数の拡大並びに関連サービスの提供により、ARPAの増加余地があるものと考えております。
これら顧客基盤の拡大とARPA向上の両輪により、持続的な収益成長の実現を目指してまいります。
さらに将来的には、複数プロダクトの連携及びデータの蓄積・活用を通じて、当社サービス群を「Workplace Agent」(物理接点で生じる判断及び手続をAIが実行するプラットフォームとしての当社サービス群の総称)として深化させることを目指しております。具体的には、来訪受付、会議室予約、日程調整、代表電話応対及びイベント受付といったワークプレイスの物理接点で生じる判断及び手続について、相互に連携する複数のプロダクトを通じてAIが実行する範囲を段階的に拡大するとともに、各プロダクトを横断して蓄積される行動・稼働データをAIによる判断の精度向上に活用することで、オフィス運営の省人化及び働き方の最適化までを実現することを目指してまいります。
また、中長期的な事業構想として、当社がSaaSの提供を通じて蓄積してきた総務・受付・バックオフィス業務の知見及びワークフロー自動化技術をもとに、ソフトウエアの提供にとどまらず業務プロセスそのものを受託する「Tech BPO事業」、並びに顧客数、プロダクト数及び利用者数の拡大により当社が「Workplace Agent」としての位置付けを確立した段階で、各プロダクトを横断して蓄積されるワークプレイスの行動・稼働データを活用し、オフィス及びファシリティの最適化、働き方の可視化・分析等の付加価値サービスを提供する「DaaS事業」を視野に入れております。いずれも現時点では構想段階にあり、事業化の決定には至っておりません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、上記(3)の経営環境に対する認識及び(4)の成長戦略を踏まえ、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題を、以下のとおり認識しております。
① 受付システムの認知度の向上
当社が属する市場は導入期にあり、当社サービスの主たる獲得対象は、受付システムを未導入の企業であります。当社が提供する受付システムは、多くの企業、業界で利用することができ、今後の継続的な成長のためには、多くの企業に価値を感じていただくことが重要な課題であると認識しております。受付システム市場は今後も拡大し、競争も激化することが予想されます。今後の継続的な事業拡大のためには、より多くの企業に受付システムの必要性を認識いただき、利用いただくことが重要であると考えております。当社は今後も引き続き、インターネット広告等を利用した自社オンラインサイトの広告宣伝活動を通じ、企業への認知度の向上を目指してまいります。
② 優秀な人材の確保と育成
当社は今後の事業の拡大のために優秀な人材の確保・育成が重要な課題であると認識しております。そのため、継続的に経験者を中心とした中途採用を行っております。また、入社した社員に対しては定期的に社内の研修プランに従った研修・教育を実施することによりその育成に取り組んでおります。今後も継続的に採用を進め、社員への研修・教育制度の質を高めていくことで、優秀な人材の確保と育成を推進する方針であります。
③ 内部管理体制の強化
当社の更なる事業の拡大、継続的な成長のためには、内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの更なる強化が重要な課題であると認識しております。当社では、監査役と内部監査担当の連携、経営陣や従業員に対する研修の実施等を通じて、内部管理体制の一層の強化に取り組んでいく方針であります。
④ 財務基盤の強化
当社において、新たなサービスの新規開発に取り組むため、手許資金の流動性確保が重要であると認識しております。このため、金融機関との良好な取引関係の構築や、内部留保の確保を継続的に行い、財務基盤の強化を図ってまいります。
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