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当社は、動物用医薬品の研究開発を主たる事業とする創薬ベンチャー企業であり、事業活動は新薬の研究開発の成否に大きく依存しております。一般に、ヒト用医薬品に比べ、動物用医薬品では新薬の研究開発には研究開発期間は短く研究開発費用は少額となりますが、一定の期間と投資を必要とします。また、ヒト用医薬品と比べ、当社が手掛ける動物用医薬品は、既に同様の標的抗原に対する同様のメカニズムを持ったヒト用抗体医薬品が販売されている状況から各開発段階において有効性又は安全性が確認されないこと等により、開発の中止又は遅延が生じる可能性は相当に低減されておりますが、一定のリスクがあります。また、臨床試験において一定の結果が得られた場合であっても、規制当局による承認が得られない、又は想定よりも長期間を要する可能性があります。このように、創薬事業は本質的に高い不確実性を内包しており、当社のビジネスモデルにより、ヒト用医薬品創薬事業に対して軽減されているとはいえ、とりわけ販売開始前の研究開発段階のパイプラインを有する当社への投資は、相応のリスクが考えられます。以下に記載する各リスクは、かかる不確実性が当社の事業、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性がある事項を具体的に示したものです。
なお、文中の将来に関する記載は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 医薬品の研究開発事業一般に関するリスク
① 研究開発の不確実性に関する事項(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)
医薬品の研究開発は、初期の創薬研究から上市に至るまで長期間を要するとともに、上市までに多額の研究開発投資が必要となります。また、有用な薬効を確認できない場合や副作用など安全性への懸念が生じた場合研究開発の延長や中止の判断が行われるなど、研究開発には不確実性が存在します。一般に医薬品開発の成功の可能性は、他の産業と比較して相対的に低いものとされております。このような一般的な状況のほか、当社は共同研究によってパイプラインを開発しているプロジェクトが多く存在するため、研究開発の進行が、自社のみではコントロールできず、提携先の方針等によって左右される点、現時点で臨床開発候補品までの創薬研究プロセスを自社で完遂した実績がない点がリスクとして挙げられます。
しかしながら現在の当社のビジネスモデルでは、当社は、非臨床試験前の創薬研究を主な業務としており、製薬パートナーが行う非臨床試験以降の開発に係るコストを負担することはありません。また、当社は現状では開発・上市まで進捗しなくとも短期の一時金、研究支援金、研究マイルストーンの事業収益が計上される契約を締結することにより、安定的な収益確保を可能としております。さらに、当社の業務範囲である創薬研究は、その後の開発・販売と比較して期間が短く、「医薬品の研究開発」全期間と比較すると、リスクが限定されると考えております。
当社は、戦略的にヒトにおいて製品化されている抗体医薬品と同一の抗原に対する動物用抗体医薬品を研究開発することで、研究開発が失敗するリスクを低減させております。当社が手掛ける動物用医薬品は、ヒト用医薬品に比して臨床開発の期間が短く研究開発コストも低額であり、更に、当社は複数の製薬会社等と契約し複数の創薬研究プロジェクトを実施することで、契約一時金、研究支援金、マイルストーン等の多様な収益を獲得してリスクを分散し、軽減するよう努めておりますが、研究開発の不確実性が当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 薬機法などの規制に関する事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)
医薬品業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬機法やその他の関連法令、ガイドラインにより様々な規制を受けております。当社は、製薬会社との共同研究で開発候補抗体を取得した場合、当該製薬会社に当該抗体を開発する権利を導出する予定であり、かかる場合には薬機法等の規制の影響を直接受ける可能性は低いと考えております。しかしながら、導出先の法域で特殊な法規制が存在する場合、各国の薬機法等の規制に今後大きな変更が生じ、導出した抗体の薬事承認の取得等に影響が出た場合や、当社が新たに規制の対象になった場合等には、計画どおりの売上高が獲得できず又は当社に体制整備等の負担が生じ、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 医薬品行政に関する事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)
ヒト用医薬品の販売価格は、日本及びその他各国政府の医療保険政策など薬価に関する規制の影響を受けます。当社は、開発候補抗体を製薬会社に導出する方針であるため、これらの規制の影響を直接受けることはありません。しかしながら、今後、導出した開発候補抗体が最終的に医薬品として上市され、当該医薬品にとって想定外の薬価改定や医療保険制度の改定等が実施されるなどにより、計画どおりの売上高を獲得できなくなる可能性があり、あるいは中長期的に薬価が引き下げられた場合には、今後開始する共同創薬研究契約の条件が悪くなる可能性があるなどにより、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、動物用医薬品においては公的な薬価制度が存在しないため、薬価改定等による価格面への直接的な影響は限定的ですが、製造販売の承認取得や品質・安全管理等に関しては、農林水産省等による関係法令・行政の適用を受けます。
④ 抗体医薬品市場に関する事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)
当社は、ペット用抗体医薬品の開発を行っております。当社は、動物用医薬品業界動向を示すデータや予測などから抗体医薬品市場が当面安定的に成長すると見込んでおり、今後も継続的に業界動向の情報収集に努め、経営環境の変化に応じた事業運営を行う方針です。しかし、抗体医薬品と競合する低分子医薬品、中分子医薬品、核酸医薬品及び細胞治療をはじめとする再生医療等製品の開発・発展等により当社の想定どおりに抗体医薬品市場が拡大しなかった場合、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 技術革新に関する事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)
当社の創薬コア技術である抗体ライブラリー (MOURAライブラリー)とモノクローナル抗体単離技術は独創的かつ先進的なものであり、またその技術の詳細を保持、秘匿していることから、同業他社の模倣が困難な優位性を確立しています。当社は引き続き、新技術の開発等を通じて創薬プラットフォームの技術力強化に努めますが、当社が保有する技術・ノウハウが陳腐化し当社と同等以上の技術力を持つ競合先が増加した結果、当社の競合優位性が保てなくなる場合、また、医薬品業界特有の急激な技術革新等により新技術への対応に遅れが生じた場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 競合製品に関する事項(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)
当社では、早期の上市に向けた研究開発活動を続けており、特許の取得等によって競争優位性の確保に努めておりますが、競合他社の有する医薬品候補物質の研究開発が、当社の有する医薬品候補物質と同じ疾患領域で先行し、当社の候補物質の明らかな優位性が見出されない場合、当社の事業の優位性は低下する可能性があります。そうした場合、当社の事業において優位性確保のために多額の資金が必要となる可能性があり、当社の事業、経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、競合する新薬の開発が先行し、又は競合新薬が上市されたことにより、事業性が大きく毀損されたと導出先製薬企業が判断する場合は、開発スケジュールが遅延する可能性があるだけでなく、ライセンス契約そのものの解消に至る可能性があります。上市に至った場合においても、他社が同様の効果や、より安全性のある製品を販売した場合、適切な薬価が付かず、当初想定したロイヤリティが得られない等により、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業活動に由来するリスク
① 研究用資材の調達に関する事項(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)
当社は、研究用資材を購入し研究を行っているため、研究用資材の調達先の多様化を進めており、現時点では、特定の調達先に依存しておりません。しかしながら、調達先における事故、生産地における災害発生等による被害、社会不安(テロ、戦争、感染症)等により、研究用資材の調達が困難になった場合や研究用資材が値上がりした場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 外部委託に関する事項(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)
当社は、汎用技術による試験の一部を外部のCRO等に委託して研究を行っているため、複数の委託先を確保して研究を進めており、現時点では、特定の委託先に依存しておりません。しかしながら、委託先における事故、委託先所在地における災害発生等による被害、社会不安(テロ、戦争、感染症)等により、委託が困難になった場合や委託費用が著しく値上がりした場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 契約に基づく制約に関する事項(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)
当社が締結している一部の共同研究契約、ライセンス契約又は知的財産権譲渡契約等においては、一定の標的分子、候補抗体、地域又は製品に関して、契約の相手方に独占的な権利が付与され、又は当社による競合する研究開発若しくは権利付与が制限される場合があります。そのため、競合製品の開発状況や契約内容によっては、当社が想定する事業展開又は収益機会が制約を受ける可能性があります。
④ 法的な紛争の可能性に関する事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)
当社の事業展開上、当社の瑕疵又は責任の有無にかかわらず、第三者の権利や利益を侵害した場合、又は相手側が侵害されたと考える場合には、損害賠償等の訴訟を提起されるなど法的な紛争が生じる可能性があります。また、取引関係や労使関係その他において何らかのトラブルが生じた場合、訴訟等に発展する可能性があります。さらに、取引先や当社従業員がコンプライアンス違反を犯した場合、当社に対しても責任を問われる可能性があります。当社と第三者との間に法的な紛争が生じた場合には、紛争の解決に労力、時間及び費用を要するほか、法的紛争に伴うレピュテーションリスクにさらされるなどにより、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 研究所の使用に関する事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)
当社は名古屋大学内及び宮崎大学内の施設を契約下で当社研究所として使用しております。このため、これらの施設の使用ができなくなった場合には、新たに研究施設を確保する必要が生じ、一定期間の活動休止と追加的な設備投資や賃借料の発生などによって、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
名古屋大学との契約は2026年10月末で期限を迎えますが、既に3年間の延長契約を締結することに合意しており、変更契約により2029年10月末まで施設が使用可能となっております。宮崎大学との契約は2029年3月末までを期限と定めております。いずれの契約も、延長契約の締結は可能であり、かつ、相手方による解約条項は設けられておりません。
仮に現行の施設を使用できなくなった場合は、愛知県内又は宮崎県内でレンタルラボを手配し、研究の再開まで半年程度が必要と想定しております。なお、当社の研究設備は大掛かりな機器等はなく、主要機器の移設は容易であり、機器の再取得への投資はほとんど必要ありません。
⑥ 当社取締役の兼業に関するリスク(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)
当社の創薬コア技術である抗体ライブラリー(MOURAライブラリー)とモノクローナル抗体単離技術は独創的かつ先進的なものであり、またその技術の詳細を保持、秘匿していることから、同業他社の模倣が困難な優位性を確立しています。当社取締役小泉信一が兼業している株式会社AskAt及び株式会社坪田ラボの2社については、その現在の事業領域は当社と大きく異なり、当社の技術とは競合しません。さらに、将来的にも競合する可能性は事業領域が異なることから限りなく低いですが、今後兼業先が事業領域を大きく変更または新たに追加し、動物用抗体医薬品の自社探索を開始し、当社の技術に競合する技術を開発した場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 知的財産に関するリスク
① 第三者知的財産権に関する事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)
当社は、第三者の知的財産権の侵害及び事業運営上第三者より使用許諾を受けた知的財産権の権利失効を、リスクとして認識し、専門分野の弁理士・弁護士と連携して、第三者の知的財産権の侵害や知的財産権の失効を回避するよう努めております。知的財産権の使用許諾については、許諾先との適切な契約締結により極力リスクを回避しておりますが、当社が保有する知的財産権が予期せずに失効した場合には、当社にて当該知的財産権にかかる技術等を独占して使用できなくなります。また、第三者の知的財産権の侵害については当社側で完全に検知することは難しく、予期せず侵害した場合には、損害賠償請求、使用差止め、権利に関する使用料等の支払い請求等が発生します。このように、第三者知的財産権に関するリスクが顕在化した場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 知的財産に関する紛争に係る事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)
当社の事業に関連した特許権等の知的財産権について、現在、第三者との間で訴訟やクレームといった問題が発生した事実はありません。当社は、専門分野の弁護士及び弁理士との連携を図って可能な限り特許侵害・被侵害の発生リスクを軽減する対策を講じております。今後、当社が第三者との間の法的紛争に巻き込まれた場合、弁護士等と協議のうえ、その内容によって個別に対応策を検討していく方針でありますが、解決に時間及び多大な費用を要する可能性があり、また、法的紛争に伴うレピュテーションリスクにさらされるなどにより、このような事象が発生した場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 職務発明について(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)
当社の知的財産権管理規程では、職務発明者である役職員等から特許を受ける権利を譲り受けることが規定されており、その際には当社は特許法に定める「相当の対価」を当該役職員等に支払うことを規定しています。当社では、相当の対価の支払い請求等に問題が生じる場合を想定し、その際の取扱いを知的財産権管理規程に定めております。これまでに発明者との間で対価の支払い等で問題が生じたことはありませんが、そのような問題が生じた場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 業績、財務及び資本政策等に関するリスク
① 資金繰りに関する事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)
当社の属する医薬品業界では、一般的に多額の研究開発資金を長期にわたって先行投資する必要があります。当社においても現在、技術力の強化及び研究の効率化のために先行投資をしております。今後も事業拡大のために自社での非臨床試験の実施や必要に応じて設備投資等に資金を投じていく方針です。
当社が進めるビジネスに関して、コスト面では、主に研究開発費と販売費及び一般管理費が多くを占め、年度によって大きな変動はありません。しかし、将来は、自社研究プロジェクトを進め、その価値を増大化するための臨床試験を実施することでさらなる成長を目指すことを検討しております。そのような成長段階では追加で臨床試験等の費用負担が発生する可能性があります。
収益面では、短期的には既存の共同研究契約あるいは知的財産譲渡契約等に基づく、契約一時金収入及びマイルストーン収入を確保しておりますが、共同研究先あるいは知的財産の譲渡先での研究開発が順調に推移した場合は、ロイヤリティ収入が主な収益となることを想定しております。
当社は、今後の成長の中で、自社創薬研究の要否及び契約締結状況を鑑み、必要に応じて適切な時期に資金調達を実施する可能性がありますが、適切な時期に資金調達ができない場合や投資に比べ収益が小さい場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 調達資金の使途に関する事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)
当社は、上場時の公募増資により調達する資金を研究開発費、関連する設備・人材への投資等に充当する方針です。しかし、研究開発活動の成果が収益に結びつくには長期間を要するうえに、研究開発投資から期待した成果が得られる保証はありません。その結果、調達した資金が期待される利益に結びつかない可能性があります。また、当社や当社のポートフォリオを取り巻く環境の変化、法令等の改正等によって、調達資金を当初の計画以外の目的で使用する可能性があります。
③ 新株の発行または新株予約権の行使に関する事項(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)
当社は、将来の事業拡大に伴い、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していく可能性があります。また、当社は、当社取締役、従業員及び社外協力者の意欲や士気を高め、また優秀な人材を確保する観点から、ストック・オプション制度を採用しています。新株が発行または新株予約権が行使された場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
④ 配当政策に関する事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)
当社は創業以来、株主に対する利益配当及び剰余金配当を実施しておりません。当面は、企業体質の強化及び研究活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針です。株主への利益還元については、当社の重要な経営課題と認識しており、将来的には財政状態及び経営成績を勘案しつつ利益配当及び剰余金配当を検討する所存ですが、収益計上額の大幅な変動又は収益計上の時期の遅延等により、将来的な利益配当及び剰余金配当が遅れる可能性があります。
⑤ 収益の変動性に関する事項(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)
当社の収益構造は、現時点では契約時一時金及び研究開発段階でのマイルストーン達成等に伴う一時金収入が中心です。当社では、複数の共同研究プロジェクトを並行して進めることにより、個々のプロジェクトの開発進捗の変動に伴う収益の変動が最小限となるよう努めております。しかしながら、契約を想定どおりに締結できなかった場合、また契約締結後でも研究が想定通りに進捗しなかった場合や提携先との研究方針の不一致等により共同研究契約等が解消された場合、当初想定した時期に収益が得られない可能性があります。その結果、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社が締結している一部の共同研究契約、ライセンス契約又は知的財産権譲渡契約等においては、相手方による任意解除権、相手方の裁量による研究開発の終了又は契約期間の終了、支配権の移転等を理由とする解除権その他の終了事由が定められている場合があり、これによって契約が終了する可能性があります。さらに、マイルストーン又はロイヤリティの発生条件については、相手方における研究開発の進捗、販売実績、対象となる知的財産権の有効性又は範囲、その他契約上定められた条件の成否に左右される場合があります。そのため、当社が想定するマイルストーン収入又はロイヤリティ収入が発生しない、又はその発生時期が遅延する可能性があります。
⑥ 為替変動に関する事項(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大)
当社は、海外に拠点を置く複数の企業との取引を行っております。これらの企業とは、外貨建取引を行っているため為替変動リスクにさらされる可能性があります。したがって、急激な為替変動が生じた場合等には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ ベンチャーキャピタル及び事業会社による株式保有・比率について(発生可能性:大、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)
当社の発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル、ベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)及び事業会社の所有割合は本書提出日現在56.9%であります。当社の株式公開後において、当社株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、当社株式の市場価格が下落する可能性があります。
(5) 人材及び組織に由来するリスク
① 小規模組織に関する事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)
当社は、医薬品等の研究を行う企業としては小規模組織であるため、各役職員が担当する業務及び責任範囲は相対的に広範となる場合が多く、退職あるいは休職等に対応する要員を十分に補充できない可能性があります。今後の事業拡大に伴い、必要な人員補強を図っていきますが、十分な人員の確保又は教育ができる保証はなく、また、多くの人材流出等があった場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 人材への依存に関する事項(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)
当社は、小規模な組織であります。当社では、特定の人物に過度に依存しない組織的な経営体制の強化を進めており、何らかの理由により、当社代表取締役新庄勝浩をはじめとする特定の経営陣や責任者等が当社の業務に従事することが困難になった場合でも、対応可能な体制を取っております。しかし、これらの対策にもかかわらず、その移行期間においては、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 情報セキュリティに関する事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大)
当社は、製薬企業の創薬ターゲットに関する情報をはじめ、社内外の技術、事業開発等に関する機密情報を有しています。予期せぬ事態により情報が流出する可能性は否定できないため、外部への機密情報の流出に対する対策として、セキュリティシステムの継続的な改善を図るとともに、情報の取扱いに関する社員教育、情報へのアクセス権限管理、及び内部管理体制の強化に取り組んでいます。これらの対策にもかかわらず、機密情報の漏洩が生じた場合には、社会的信用の失墜を招くなど、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 自然災害等に由来するリスク
① 災害等の発生に関する事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)
当社は、神奈川県横浜市港北区に本社、愛知県名古屋市千種区と宮崎県宮崎市に研究部門である研究所をそれぞれ設置することにより、自然災害等の影響を分散する対策を取っておりますが、現所在地の周辺地域において、地震、噴火、水害等の自然災害が発生し、当社設備の損壊、各種インフラの供給制限等の不測の事態が発生した場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 感染症に関する事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大)
当社は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機に、役職員に感染リスクの軽減及び安全確保を目的として在宅勤務、時差出勤の推進、及びオンラインミーティングの活用を推進しております。しかしながら、将来的に新型コロナウイルス感染症やその他の感染症の感染拡大等により、本社・研究所の活動に影響が生じた場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) その他に由来するリスク
① コンプライアンスに関する事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大)
当社は、法令等諸規則が遵守されるよう、役職員に対するコンプライアンスの徹底に関する教育・啓蒙等を行っておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。法令違反等が発生した場合や事故または不正等を役職員が起こした場合、損失の発生、行政処分や当社の社会的信用の失墜を招くこと等により、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 社歴の浅さに関する事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)
当社は、2019年6月に設立された社歴の浅い企業であります。当社は、国内外企業での豊富な経験を有する経営陣及び各部門責任者により運営されているものの、企業としては未経験のトラブルが発生する可能性は否定できず、その場合の組織としての対応能力については、一定のリスクがあるため、そのような未経験のトラブルが発生した場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 風説・風評の発生に関する事項(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)
当社並びに当社の関係者及び取引先に対する否定的な風説や風評は、それが正確な事実に基づいたものであるか否かにかかわらず、当社の社会的信用に悪影響を与える可能性があります。マスコミ報道、アナリストレポート又はインターネット上の書き込み等によりこうした事態が発生した場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 契約内容及びパイプライン等の情報開示に関する事項(発生可能性:大、発生する可能性がある期間:常、影響度:小)
当社のパイプラインに示された共同研究プロジェクトおよび導出済プロジェクトに関する情報は、パートナー企業の重要な研究開発上または事業上の機密情報に該当する場合が多く、パートナーが公表していない、動物種、標的分子、適応疾患、開発状況、および具体的な契約の経済条件については事業上のリスクを考慮して開示を控えております。また、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載する各契約についても、上記の理由から、契約の名称及び契約内容のうち個別パイプラインを特定し得る情報を省略又は一般化して記載しており、各契約と当社パイプライン上の個別プロジェクトとの対応関係を明示しておりません。そのため、特定の契約の終了、変更、進捗遅延や契約相手に発生した事象等がどのプロジェクトに影響するかにつき、投資家において個別に評価することが困難となる可能性があり、投資家の投資判断に影響を及ぼす可能性があります。

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