有価証券報告書(内国投資信託受益証券)-第17期(平成27年9月8日-平成28年3月7日)
(1)リスク要因
当ファンドは、主に新興国の株式を投資対象としますので、組入株式の価格の下落や、組入株式の発行会社の財務状況の悪化や倒産等の影響により、基準価額が下落し、その結果損失を被ることがあります。また、為替の変動により損失を被ることがあります。したがって、当ファンドは元本が保証されているものではありません。当ファンドに生じた利益および損失は、全て受益者に帰属します。当ファンドは預貯金と異なります。
当ファンドが有する主なリスクは以下のとおりです。なお、以下の説明は、全てのリスクについて記載したものではなく、それ以外のリスクも存在することがあります。
① 株価変動リスク
株式の価格は、政治・経済情勢、発行会社の業績・財務状況の変化による影響を受け、変動することがあります。(発行会社の財務状況の悪化、倒産等により価格がゼロになることもあります。)また株式の価格は、株式市場における需給や流動性の影響を受け、変動することがあります。当ファンドは、株価の上昇を捉えることを目標とした、積極的な運用を行うため、株式(株価指数先物取引を含みます。)の組入比率は高位に保ちます。そのため、当ファンドの基準価額は、株式の価格変動の結果、大幅に変動・下落する可能性があります。
② 為替変動リスク
当ファンドは外貨建資産に投資しますが、原則として為替ヘッジを行いません。このため、為替相場の変動により当ファンドの基準価額が変動します。経済事情や投資環境の急変等が起きた場合、委託会社の判断により為替ヘッジを行うことがありますが、その場合でも為替変動リスクを完全に排除できるものではありません。
③ カントリーリスク
当ファンドの投資対象株式の発行体が所在する諸国や、上場または取引されている諸国は新興国であることから、以下のようなリスクがあり、その影響を受け当ファンドの基準価額が変動・下落することがあります。
・ 先進国と比較して、一般的に政治、経済、社会情勢等が不安定・脆弱な面があり、これらに起因する諸問題が株式や通貨の価格に大きく影響する可能性があります。
・ 株式・通貨市場は、規模が小さく流動性が低いため、その結果株式・通貨の価格変動が大きくなる場合があります。
・ 先進国と比較して、有価証券が取引される市場、会計基準等に関する法規制の制度や社会基盤が未整備で、財務状況等の情報開示の基準や証券決済の仕組みが異なる場合があり、また、政府当局が様々の規制を一方的に導入することもあることから、予期しない運用上の制約を受けることがあります。
・ 税制は先進国と異なる面がある場合があります。また、税制が一方的に変更されたり、新たな税制が適用されたりすることもあります。
当ファンドで保有する株式にかかる選択権付権利および議決権については、当該株式が取引されている市場の規制や法律等の制限により、自由に行使できない場合があります。
投資対象国によっては、当ファンドによる投資のための口座開設にかかる認可がおりるのに時間を要するため、当ファンドにおいて当該投資対象国に上場している株式への投資を若干遅らせる可能性があります。
投資対象国によっては、保有有価証券の売却益に対してキャピタル・ゲイン税やその他の税(以下「キャピタル・ゲイン税等」といいます。)が課せられる場合があります。その場合当ファンドはキャピタル・ゲイン税等の計算のため、現地の税務顧問を使用することがあります。当該税務顧問に対する費用は、信託財産の規模にかかわらず発生する性質のものである場合が多く、信託財産の規模が小さくなった場合には、基準価額に対する影響が信託財産の規模が大きい場合に比べて、大きくなることが予想されます。
・「非課税利得」の帰属について
キャピタル・ゲイン税等の課せられる国において、保有期間等のある一定の基準を満たした場合には、キャピタル・ゲイン税等の課税対象とならない場合があります。この様な課税対象とならないことに伴う利得(以下「非課税利得」といいます。)は、当ファンドが株式の売却を行った時点の当ファンドの受益者に帰属し、保有期間等のある一定の基準を満たした当ファンドの受益者のみに帰属するものではありません。
④ 流動性リスク
新興国の株式は先進国の株式に比べて、市場での売買高が少ない場合があり、注文が成立しないこと、売買が成立しても注文時に想定していた価格と大きく異なることがあります。特に、急激かつ大量の売買により市場が大きな影響を受けた場合、または市場を取り巻く外部環境に急激な変化があり、市場規模の縮小や市場の混乱が生じた場合には、そのような状況に陥る可能性が高まります。この場合には、当該株式の価格の下落により、当ファンドの基準価額が影響を受けることがあります。
⑤ カバード・ワラント、株価連動社債のリスク
カバード・ワラントや株価連動社債に投資する場合、当該有価証券の原資産(連動対象となる株式または株価指数)にかかる株価変動リスク、為替変動リスク等に加え、当該有価証券の発行体自体の信用リスクも生じます。なお、一般に信用リスクとは、債務者の倒産や財務状況の悪化、あるいは債務者の所在する国家の政情不安等により、債務者が債権者に対して元本、償還金や利息をあらかじめ決められた条件で支払うことができなくなるリスクをいいます。一般に、債務者にそのような状況が生じた場合またはそれが予想される場合には、当該債務者が発行する債券やカバード・ワラント等の価格は下落(価格がゼロになることもあります。)しやすくなります。そのため、当ファンドの基準価額が下がる要因となります。
⑥ デリバティブ商品のリスク
当ファンドは、先物、オプション等のデリバティブ商品を用いる場合があります。デリバティブ商品は、その他の投資手段と比較して、株価等の市場環境の変動に対してより大きく価格が変動するため、当ファンドの基準価額はデリバティブ商品を用いない場合と比べてより大きく変動する場合があります。当ファンドにおいては、ヘッジ目的のみでデリバティブ商品を利用しますが、意図した効果をもたらさず損失または収益機会の逸失の原因となる場合があります。デリバティブ商品の取引契約の相手に債務不履行が生じた場合は損失が生じる可能性があります。デリバティブ商品の種類によってはコストが発生し当ファンドの収益をその分減少させることがあります。デリバティブ商品を利用する際には、ブローカーに取引にかかる証拠金(現金または有価証券)を差し入れなければならないことがあります。そのような証拠金の保全にかかる制度は、ブローカーの所在国やデリバティブ商品の取引市場によって異なり、また個々のブローカーとの取引条件によって異なることもあります。その結果、証拠金を差し入れたブローカーに対する信用リスクが発生することがあり、当該ブローカーが倒産等の破綻状況に陥った場合は、証拠金の全額を失う可能性があります。
⑦ 銘柄選定方法に関するリスク
当ファンドは、個別企業の調査・分析および市場動向の予測・分析により銘柄を選定し運用します。したがって、当ファンドの基準価額の変動が新興国の株式市場全体の動きと異なり、大きく上下する可能性があります。これにより、投資元本を割り込むこともあります。
⑧ 投資銘柄集中リスク
当ファンドは少数の銘柄に集中して投資する場合があります。このため、新興国の株式市場全体の動きと異なり、当ファンドの基準価額が大きく上下することがあります。それにより、投資元本を割り込むこともあります。
⑨ 投資方針の変更について
経済情勢や投資環境の変化、または投資効率の観点等から、投資対象または投資手法の変更を行う場合があります。また、運用委託先を変更する場合があります。
⑩ キャピタル・ゲイン税等の当ファンドへの計上タイミングに関する留意点
キャピタル・ゲイン税等は、保有有価証券の売却時に発生し、その課税額は期間按分等の調整を行うことなく税額が確定次第、速やかに全額が当ファンドに費用計上されます。このため、当ファンドで含み益を持つキャピタル・ゲイン税等の課税対象となる有価証券を売却する毎に、基準価額が下落する場合があります。
⑪ 解約・追加による資金流出入に伴うリスクおよび留意点
一度に大量の解約があった場合に、解約資金の手当てをするため保有有価証券を大量に売却することがあります。その際に当ファンドの基準価額が大きく変動する可能性があります。また、大量の資金の追加があった場合には、原則として、迅速に有価証券の組入れを行いますが、買付け予定銘柄によっては流動性等の観点から買付け終了までに時間がかかることもあります。
⑫ 繰上げ償還等について
当ファンドは、信託期間中において、信託財産の純資産総額が20億円を下回ることとなった場合、委託会社が受益者のため有利であると認める場合、またはやむを得ない事情が発生した場合には、信託期間の途中であっても繰上げ償還することがあります。また、投資環境の変化等により、委託会社が当ファンドの申込期間を更新しないことや申込みの受付を停止することがあります。この場合は新たに当ファンドを購入することはできなくなります。
⑬ 予測不可能な事態が起きた場合等について
その他予測不可能な事態(天変地異、クーデター等)が起きたとき等、市場が混乱することが考えられます。このような場合に、有価証券が取引される市場の取引停止等やむを得ない事情があるときは、一時的に当ファンドの受益権が換金できないこともあります。また、これらの事情や有価証券の売買にかかる代金の受渡しに関する障害が起きた場合等には、当ファンドの受益権の換金代金の支払いが遅延することや、一時的に当ファンドの運用方針に基づいた運用ができなくなるリスクがあります。さらに、当ファンドは、短期間に大量の解約があった場合等に、信託財産が十分な資産規模にならないことがあり得ます。その場合、本書で説明する運用方針および投資態度に完全に合致した運用ができないおそれがあり、その結果当ファンドの基準価額が大きく変動したり、適切な資産規模の場合と比較して収益性が劣ることとなる可能性があります。
(2)投資リスクに関する管理体制
運用委託先におけるリスク管理
以下は、当ファンドの運用の指図に関する権限の委託を受けた、JPMIM社におけるものです。同社においては、運用部門から独立した以下の部門が以下に掲げる事項その他のリスク管理を行います。
(平成28年3月末現在)
・ インベストメント・ダイレクターは、達成した運用成果や当ファンドが取ったリスクが妥当な水準であるか、および当ファンドの運用がその投資目標にしたがっているかを定期的にチェックし、必要があれば是正を求めます。
・ コンプライアンス部門は、取引価格の妥当性、利益相反取引の有無等、有価証券等の取引が適正であるかのチェックを行います。
・ リスク管理部門は、投資ガイドラインの遵守状況を取引前・取引後においてモニターし、その結果必要があれば、当ファンドのポートフォリオ・マネジャーに対し、適切な対応を求める等、管理・監督を行います。また、有価証券等の取引の相手先である証券会社等のブローカーの信用リスクを管理し、特定のブローカーとの取引を制限する必要がある場合はその旨をトレーディング部門に指示します。
委託会社におけるリスク管理
委託会社のリスク管理部門では、投資ガイドラインの遵守状況を取引後においてモニターし、その結果必要があれば、当ファンドのポートフォリオ・マネジャーに対し、適切な対応を求める等、管理・監督を行います。
為替ヘッジについてのリスク管理
当ファンドに対する為替ヘッジは、原則として行いませんが、経済事情や投資環境の急変等が起きた場合、委託会社は当ファンドにおいて、為替ヘッジを行うことがあります。その場合は、委託会社のリスク管理部門が日々為替に対するヘッジ状況をモニターします。
その他のリスク管理
当ファンドのポートフォリオ・マネジャーは、投資資産の流動性が低下することにより投資資産の換金等が困難となる事態に備え、当ファンドにおける申込みおよび換金に伴う入出金を日々把握し、投資者の換金に極力影響が生じないよう管理します。
<当ファンドにおいて行われることがある、投資者の利益を害することとなる潜在的なおそれのある取引が、投資者の利益を害しないことを確保するための措置の詳細>委託会社等が当ファンドにおいて行うことがある、自己または第三者の利益を図るために投資者の利益を害することとなる潜在的なおそれのある取引が、投資者の利益を害しないことを確保するための措置の詳細は以下のとおりです。
| 投資者の利益を害することとなる 潜在的なおそれのある取引の内容 | 投資者の利益を害しないことを確保するための措置 |
| 委託会社等の関係会社である証券会社が引受けを行った有価証券の当ファンドでの組入れ | 関係会社である証券会社が引受けを行った有価証券の組入れにあたっては、社内規程等に基づき、原則として、関係会社である証券会社から購入せず、引受団に属する他の証券会社から購入することとしています。また、コンプライアンス部門は、組入れ後に組入れの事跡をモニタリングし、社内規程等に違反していないことを確認します。さらに、リスク管理部門が、組入銘柄が投資ガイドラインにおいて問題なく投資できるものであることを取引前・取引後においてモニタリングしています。 |
| 当ファンドにおける有価証券取引等の、委託会社等の関係会社である証券会社等に対する発注 | 社内規程に基づき、各証券会社等の調査能力、売買執行能力等を考慮して、発注先として選定する証券会社等を定期的に見直します。株式については、前記で選定した証券会社への予定発注量も定期的に見直したうえで、リスク管理部門とインベストメント・ダイレクターが各証券会社への実際の発注量を定期的にモニタリングし、関係会社である証券会社に対し合理的な理由なく多量に発注されていないことを確認しています。株式以外については、関係会社であるかどうかに関わりなく、最良の取引条件となる証券会社等に発注しているかをコンプライアンス部門が確認しています。なお、当ファンドが関係会社である証券会社に対し支払った売買委託手数料の額(手数料相当額が取引の価格に織り込まれているものを除きます。)は、当ファンドの運用報告書で開示されます。 |
| 当ファンドにおいて保有もしくは取引する有価証券または当ファンドの受益権の、委託会社等またはその関係会社の役職員による売買等の取引 | 委託会社等の役職員による有価証券の売買等の取引は、社内規程に基づき原則としてコンプライアンス部門の事前承認を得ることが義務付けられており、利益相反をうかがわせる事実がないことが確認できた場合のみ承認がなされます。また、取引後にコンプライアンス部門が取引内容を精査し、役職員の取引の時期・銘柄が、当ファンドにおいて取引されたものと重なる等の利益相反が生じていないことを確認します。 |
| 当ファンドにおける有価証券取引等の発注と、委託会社等が運用する他の運用資産における有価証券取引等の発注を、束ねて一括して発注すること(一括発注) | 一括発注は、社内規程に定める条件の下に行われ、その約定結果は社内規程に基づき、発注のあった運用資産間で公平に配分します。コンプライアンス部門は、配分結果が社内規程にしたがって公平になされたかどうかをモニタリングします。 |
| 当ファンドの運用担当者(ポートフォリオ・マネジャー、アナリスト等)が贈答、茶菓の接待等を受けた、証券会社等に対する当ファンドにおける有価証券等の発注、または有価証券の発行体の発行する有価証券の当ファンドでの組入れ | 委託会社等の役職員が贈答、茶菓の接待等を受けた際は、原則として社内規程に基づきその内容をコンプライアンス部門に報告する義務があります。コンプライアンス部門は、当該報告に基づき、贈答、茶菓の接待等を受けたことが、特定の証券会社等への取引の発注や特定の銘柄の有価証券の組入れにつながっていないことをモニタリングします。 |
| 委託会社等またはその関係会社と取引関係のある有価証券の発行体が発行する有価証券にかかる議決権の当ファンドにおける行使 | 当ファンドで保有する有価証券にかかる議決権の行使は、社内規程に基づいて、当ファンドの受益者の経済的利益に最も資するという原則の下に行われます。インベストメント・ダイレクターは、議決権行使の前にその内容が社内規程に沿っているか確認します。 |
| 当ファンドと、委託会社等が運用する他の運用資産間において行う有価証券等の取引(クロス取引) | 有価証券届出書提出日現在、社内規程によりクロス取引は原則として禁止されています。今後、クロス取引を行う場合には、社内規程を変更して投資者の利益を損ねることのない一定の条件を定め、当該条件を満たすクロス取引のみを行うこととし、当該条件の逸脱がないことをコンプライアンス部門がモニタリングする体制を構築する予定です。 |
| 委託会社による当ファンドの受益権の取得申込みおよび換金 | 委託会社による当ファンドの受益権の取得申込みおよび換金は、社内規程に則り、取得申込みの目的および金額、受益権の保有期間、換金時期等について一定の制限を設けて、一般的な投資者の利益を害しないように行います。また、財務部門が、社内規程にしたがった取得申込み等が行われていることをモニタリングします。 |