有価証券報告書(内国投資証券)-第16期(平成27年9月1日-平成28年2月29日)

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2016/05/26 15:04
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(1)リスク要因
以下には、本投資口又は本投資法人債券への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。ただし、以下は本投資口又は本投資法人債券への投資に関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。また、本投資法人の運用資産である個別の不動産信託受益権及び不動産に特有のリスクについては、後記「5 運用状況 (2)投資資産 ④ 個別不動産及び信託不動産の概要」を併せてご参照下さい。
本投資法人は、対応可能な限りにおいてこれらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分である保証はありません。以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資口又は本投資法人債券の市場価格は下落し、発行価格に比べて低くなることもあると予想され、その結果、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。また、本投資法人の純資産額の減少その他の財務状況の悪化により、分配金の減少が生じる可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で、本投資口に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、これら事項は本書の日付現在における本投資法人及び本資産運用会社の判断によるものです。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 本投資口又は本投資法人債券の商品性に関するリスク
(イ)本投資口又は本投資法人債券の市場価格の変動に関するリスク
(ロ)投資口の市場での取引に関するリスク
(ハ)金銭の分配に関するリスク
(ニ)収入及び支出の変動に関するリスク
(ホ)投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一ではないことによるリスク
(ヘ)新投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
(ト)投資法人債券の償還・利払に関するリスク
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)サポート契約に基づき想定どおりの物件取得が行えないリスク
(ロ)物流施設を主たる投資対象としていることに関するリスク
(ハ)商業施設を主たる投資対象としていることに関するリスク
(ニ)シングル・テナント物件等に関するリスク
(ホ)テナント集中に関するリスク
(ヘ)PM会社に関するリスク
(ト)不動産関連資産等を取得又は処分できないリスク
(チ)新投資口の発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
(リ)敷金及び保証金に関するリスク
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)大和ハウスグループへの依存、利益相反に関するリスク
(ロ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
(ハ)本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材に依存しているリスク
(ニ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
(ホ)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
④ 不動産及び信託の受益権に関する法的リスク
(イ)不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
(ロ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
(ハ)賃貸借契約に関するリスク
(ニ)災害等による不動産の毀損、滅失及び劣化のリスク
(ホ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(ト)法令の制定・変更に関するリスク
(チ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
(リ)転貸に関するリスク
(ヌ)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
(ル)マスターリースに関するリスク
(ヲ)区分所有建物に関するリスク
(ワ)共有物件に関するリスク
(カ)借地物件に関するリスク
(ヨ)借家物件に関するリスク
(タ)開発中の物件に関するリスク
(レ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
(ソ)有害物質等に関するリスク
(ツ)埋立地に関するリスク
(ネ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
(ナ)信託の受益権の準共有等に関するリスク
(ラ)資産の組入れ・譲渡等に関するリスク
(ム)底地物件に関するリスク
⑤ 税制に関するリスク
(イ)導管性要件に係るリスク
(ロ)多額の法人税等の発生により配当可能利益の額の90%超を配当できないリスク
(ハ)利益が計上されているにもかかわらず、資金不足により配当が十分にできないリスク
(ニ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
(ホ)配当後の留保利益に対して通常の法人税等の課税が行われるリスク
(ヘ)機関投資家以外からの借入れに関するリスク
(ト)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(チ)一般的な税制の変更に関するリスク
⑥ その他
(イ)専門家の意見への依拠に関するリスク
(ロ)減損会計の適用に関するリスク
(ハ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
(ニ)優先出資証券への投資に関するリスク
(ホ)DHIとの合併等に関するリスク
① 本投資口又は本投資法人債券の商品性に関するリスク
(イ)本投資口又は本投資法人債券の市場価格の変動に関するリスク
本投資法人は、投資主からの請求による払戻しを行わないクローズド・エンド型であるため、投資主が本投資口を換金する手段は、原則として第三者に対する売却に限定されます。
本投資口又は本投資法人債券の市場価格は、本投資口については上場している東京証券取引所における投資家の本投資口についての需給バランスにより影響を受け、一定の期間内に大量の売却が出た場合には、大きく市場価格が下落する可能性があります。また、市場価格は、本投資法人の経営成績及び財政状態、上場不動産投資信託に関する一般的な状況、金利情勢、経済情勢、不動産市況その他の市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動します。本投資法人若しくは本資産運用会社、又は他の投資法人若しくは他の資産運用会社に対して監督官庁による行政処分の勧告や行政処分が行われ、本投資口又は本投資法人債券についての需給のバランスが変動した場合にも、本投資口又は本投資法人債券の市場価格が下落することがあります。
本投資口又は本投資法人債券の市場価格が下落した場合、投資主又は投資法人債権者は、本投資口又は本投資法人債券を取得した価格で売却できない可能性があり、その結果、損失を被る可能性があります。
(ロ)投資口の市場での取引に関するリスク
本投資口の上場は、本投資法人の資産総額の減少、投資口の売買高の減少その他の東京証券取引所の定める有価証券上場規程に規定される上場不動産投資信託証券の上場廃止基準に抵触する場合には廃止されます。
本投資口の上場が廃止される場合、投資主は、保有する本投資口を相対で譲渡する他に換金の手段がないため、本投資口を本投資法人の純資産額に比して相当に廉価で譲渡せざるを得ない場合や本投資口の譲渡自体が事実上不可能となる場合があり、損害を受ける可能性があります。
(ハ)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針 (3)分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無及びその金額は、いかなる場合においても保証されるものではありません。本投資法人が取得する不動産及び不動産を裏付けとする資産の当該裏付け不動産(本「(1)リスク要因」の項において、以下「不動産」と総称します。)の賃貸状況、売却に伴う損益、減損損失の発生や建替えに伴う除却損等により期間損益が変動し、投資主への分配金が増減し、又は一切分配されないことがあります。
(ニ)収入及び支出の変動に関するリスク
本投資法人の収入は、本投資法人が取得する不動産の賃料収入に主として依存しています。不動産に係る賃料収入は、不動産の稼働率の低下、売上歩合賃料が採用されている場合のテナントの売上減等により、大きく減少する可能性があるほか、賃借人との協議や賃借人からの請求等により賃料が減額されたり、契約どおりの増額改定を行えない可能性もあります(これら不動産に係る賃料収入に関するリスクについては、後記「④ 不動産及び信託の受益権に関する法的リスク (ハ)賃貸借契約に関するリスク」をご参照下さい。)。本書において開示されている本投資法人の運用資産の賃料総額は、当該資産の今後の賃料総額と必ずしも一致するものではありません。また、当該資産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料が、一般的な賃料水準に比して適正な水準にあるとは限りません。
一方、収入の減少だけでなく、退去するテナントへの預り敷金及び保証金の返還、大規模修繕等に要する費用支出、多額の資本的支出、不動産の取得等に要する費用、その他不動産に関する支出及び支払金利が状況により増大し、キャッシュフローを減ずる要因となる可能性があります。
このように、不動産からの収入が減少する可能性があるとともに、不動産に関する支出は増大する可能性があり、これら双方又はいずれか一方の事由が生じた場合、投資主への分配金額が減少したり、本投資口又は本投資法人債券の市場価格が下落することがあります。
(ホ)投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一ではないことによるリスク
本投資法人の投資主は、投資主総会を通じて、一定の重要事項につき本投資法人の意思決定に参画できる他、本投資法人に対して一定の権利を行使することができますが、かかる権利は株式会社における株主の権利とは必ずしも同一ではありません。例えば、金銭の分配に係る計算書を含む本投資法人の計算書類等は、役員会の承認のみで確定し(投信法第131条第2項)、投資主総会の承認を得る必要はないことから、投資主総会は必ずしも決算期毎に招集されるわけではありません。また、投資主が投資主総会に出席せず、かつ、議決権を行使しないときは、当該投資主は、その投資主総会に提出された議案(複数の議案が提出された場合において、これらのうちに相反する趣旨の議案があるときは、当該議案のいずれをも除きます。)について賛成するものとみなされます(投信法第93条第1項、規約第17条第1項)。更に、本投資法人は、資産の運用に係る業務その他の業務を本資産運用会社その他の第三者に委託しています。これらの要因により、投資主による資産の運用に係る業務その他の業務に対する統制が効果的に行えない可能性もあります。
(ヘ)新投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
本投資法人は、新投資口を随時発行する予定ですが、かかる新投資口の発行により既存の投資主の保有する投資口の持分割合が減少します。また、本投資法人の営業期間中に発行された新投資口に対して、当該営業期間の期初から存在する投資口と同額の金銭の分配が行われる場合には、既存の投資主は、新投資口の発行がなかった場合に比して、悪影響を受ける可能性があります。
更に、新投資口の発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの価値や市場における本投資口の需給バランスが影響を受け、本投資口の市場価格が下落する可能性があります。
(ト)投資法人債券の償還・利払に関するリスク
本投資法人の信用状況の悪化その他の事由により、本投資法人債について元本や利子の支払が滞ったり、支払不能が生じるリスクがあります。
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)サポート契約に基づき想定どおりの物件取得が行えないリスク
本投資法人及び本資産運用会社は、パイプライン・サポート会社との間で、サポート契約を締結しています。
しかし、サポート契約は、一定の不動産につき、本投資法人及び本資産運用会社に情報の提供を受ける権利や取得に関する優先交渉権等を与えるものにすぎず、パイプライン・サポート会社は、本投資法人に対して、本投資法人の希望する不動産をその希望する価格で売却する義務を負っているわけではありません。すなわち、本投資法人は、サポート契約により、本投資法人が適切であると判断する不動産を適切と判断する価格で取得できることまで確保されているわけではありません。
したがって、本投資法人は、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があります。
(ロ)物流施設を主たる投資対象としていることに関するリスク
本投資法人は、不動産の中でも、物流施設を主たる投資対象としており、本投資法人はこれに伴う特有のリスクを抱えています。
例えば、運用資産の周辺の市街地化により、共同住宅・戸建住宅や学校・病院等の公益施設の建設が近隣で行われ、周辺環境が変動し、テナントの操業に支障が発生することがあります。その結果、テナント需要が後退し、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
更に、現状の船舶、鉄道、航空機、自動車による物流輸送の役割が、技術革新や、インフラの利便性の変化、環境関連法規の制定による規制等により大きく変化した場合、それぞれを主要な輸送手段とする物流施設の役割が衰退することとなり、当該物流施設のテナント需要が低下する可能性があります。場合によっては、これらによりテナントが、賃料を約定通り支払うことができなくなったり、賃貸借契約を解約して又は更新せずに退去したり、賃料の減額請求を行ったりする可能性があります。
上記のほかにも、本投資法人が物流施設を投資対象としていることから、その建物の特性、適用規制、テナント特性等に起因して特有のリスクが生じ、これらが本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)商業施設を主たる投資対象としていることに関するリスク
本投資法人は、不動産の中でも、商業施設を主たる投資対象としており、本投資法人はこれに伴う特有のリスクを抱えています。
すなわち、本投資法人の業績は、消費者の全体的な消費傾向、小売産業の全体的動向、本投資法人が保有する商業施設の商圏内の競争状況、人口動向等に大きく依存しています。場合によっては、これらによりテナントが、賃料を約定通り支払うことができなくなったり、賃貸借契約を解約して又は更新せずに退店したり、賃料の減額請求を行ったりする可能性があります。
上記のほかにも、本投資法人が商業施設を投資対象としていることから、その不動産の特性、適用規制、テナント特性等に起因して特有のリスクが生じ、これらが本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ニ)シングル・テナント物件等に関するリスク
本投資法人の運用資産には、単一のテナントへ物件全体を賃貸するいわゆるシングル・テナント物件も含まれており、ほとんどの物件には、このような単一のテナント又は少数の中心的な大規模テナントが存在しています。
一般的に、中心的な大規模テナントを有する物件やシングル・テナント物件である物流施設及び商業施設においては、かかる中心的な大規模テナントやシングル・テナントの使途や用法にあわせて仕様等が決められていることがあります。そのため、既存テナントが退去した場合、かかる仕様等の特殊性や空室部分の規模等が原因となり、後継テナントとなりうる者が限定され、後継テナントが入居するまでの空室期間が長期化する可能性があります。その結果、物件の稼働率が大きく減少し、後継テナント確保のために賃料水準を引き下げざるを得なくなり、賃料収入が大きな影響を受ける可能性があります。
更に、このような中心的な大規模テナントを有する物件やシングル・テナント物件においては、当該テナントとの間で、優先購入権や処分禁止に関する合意(その内容は様々です。)がなされることがあり、物件の所有権又はこれらを信託財産とする信託の受益権を第三者に売却しようとする場合に、当該テナントに優先購入権が与えられている等により、物件の自由な売却その他の処分が制限される場合があります。かかる合意がなされている場合、取得及び売却により多くの時間や費用を要したり、価格の減価要因となる可能性があります。
(ホ)テナント集中に関するリスク
運用資産である投資対象不動産のテナント数が少なくなればなるほど、本投資法人は特定のテナントの支払能力、退去その他の事情による影響を受けやすくなります。特に、単一のテナントしか存在しない投資対象不動産においては、本投資法人の当該投資対象不動産からの収益等は、当該テナントの支払能力、当該投資対象不動産からの転出・退去その他の事情により大きく左右されます。また、賃貸面積の大きなテナントが退去したときに、大きな空室が生じ、他のテナントを探しその空室を回復させるのに時間を要することがあり、その期間が長期になればなるほど、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。また、本投資法人の運用資産における特定の少数のテナントの賃借比率が増大したときは、当該テナントの財務状況や営業状況が悪化した場合、本投資法人の収益も悪影響を受ける可能性があります。本投資法人の運用資産におけるテナントについては、後記「5 運用状況 (2)投資資産 ④ 個別不動産及び信託不動産の概要」をご参照下さい。
(ヘ)PM会社に関するリスク
一般に、賃借人の管理、建物の保守管理等不動産の管理業務全般の成否は、PM会社の能力、経験、ノウハウによるところが大きく、本投資法人が保有する不動産の管理についても、管理を委託するPM会社の業務遂行能力に相当程度依拠することになります。管理委託先を選定するにあたっては、各PM会社の能力、経験、ノウハウを十分考慮することが前提となりますが、当該PM会社における人的・財産的基盤が維持される保証はありません。また、PM会社は複数の不動産に関して、他の顧客(他の不動産投資法人を含みます。)から不動産の管理及び運営業務を受託し、本投資法人の投資対象不動産に係るPM業務と類似又は同種の業務を行う可能性があります。これらの場合、当該PM会社は、本投資法人以外の者の利益を優先することにより、本投資法人の利益を害する可能性があります。
本投資法人は、PM会社につき、業務懈怠又は倒産事由が認められた場合、管理委託契約を解除することはできますが、後任のPM会社が任命されるまではPM会社不在又は機能不全のリスクが生じるため、一時的に当該投資対象不動産の管理状況が悪化する可能性があります。
(ト)不動産関連資産等を取得又は処分できないリスク
不動産関連資産等は、一般的にそれぞれの物件の個別性が強いために代替性がなく、流動性が低いため、希望する時期に希望する不動産関連資産等を取得又は処分できない可能性があります。また、必ずしも、本投資法人が取得を希望した不動産関連資産等を取得することができるとは限りません。取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性もあります。更に、本投資法人が不動産関連資産等を取得した後にこれらを処分する場合にも、投資採算の視点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性もあります。
その結果、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があり、またポートフォリオの組替えが適時に行えない可能性があります。
(チ)新投資口の発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
新投資口の発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行の可能性及び条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けます。このため、本投資法人が今後予定する新投資口の発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行について、今後本投資法人の希望する時期及び条件で、新投資口の発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行を行うことができる保証はなく、その結果、予定した資産を取得できなかったり、予定しない資産の売却を余儀なくされたり、資金繰りがつかなくなる可能性があります。
また、本投資法人が金銭の借入れ又は投資法人債の発行を行う場合には、様々な条件、例えば、有利子負債比率(LTV)等の財務指標に関する財務制限、追加担保提供義務、現金その他の一定資産の留保義務、期限の利益喪失又は強制早期弁済に関する条件、資産取得その他の特定取引の制限、投資主への分配の制約、本投資法人の規約の変更その他の業務等に関する制約等が要請されます。このような制約等が本投資法人の運営に支障をきたし、又は投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、これらの制約等に違反した場合には、追加の担保設定や費用負担等を求められ、本投資法人の運営に重大な悪影響が生じる可能性があります。なお、本投資法人は、本投資法人の借入れに係る全貸付人との間で「基本合意書」を締結しており、資産・負債等に基づく一定の財務指標上の数値を維持することを定める等の財務制限条項が設けられています。
借入れ又は投資法人債の発行において運用資産に担保を設定した場合、本投資法人が担保の設定された運用資産の売却を希望したとしても、担保の解除手続その他の事情により、希望どおりの時期に売却できない可能性又は希望する価格で売却できない可能性があります。また、収益性の悪化等により運用資産の評価額が引き下げられた場合又は他の借入れを行う場合等、一定の条件のもとに他の運用資産に対して追加して担保を設定することを要求される可能性もあります。また、担保不動産からのキャッシュフローが減少したり、その評価額が引き下げられたりした場合には、本投資法人の希望しない条件で借換資金を調達せざるを得なくなったり、本投資法人の希望しない時期及び条件で運用資産を処分せざるを得なくなる状況も想定され、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
更に、借入れ及び投資法人債の金利は、借入時及び投資法人債発行時の市場動向に左右され、変動金利の場合には、その後の市場動向にも左右されます。借入れ及び投資法人債の金利が上昇し、又は、本投資法人の借入額及び投資法人債発行額が増加した場合には、本投資法人の利払額は増加します。このような利払額の増加により、投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
加えて、本投資法人は、有利子負債比率(LTV)については、60%を上限としますが、新たな運用資産の取得等に伴い、一時的に60%を超えることがあります。有利子負債比率(LTV)が高まった場合、一般的に、分配可能金額が金利変動の影響を受け易くなり、その結果、投資主への分配金額が減少するおそれがあります。
(リ)敷金及び保証金に関するリスク
本投資法人は、運用資産の賃借人が賃貸人に対し無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を運用資産の取得資金その他の投資資金として利用する場合があります。しかし、賃貸市場の動向、賃借人との交渉、賃借人による中途解約等により、本投資法人の想定よりも賃借人からの敷金及び保証金の預託額が少なくなり、又は預託期間が短くなる可能性があり、この場合、本投資法人は、敷金又は保証金の返還に必要な資金を借入れ等により調達せざるを得なくなります。また、敷金又は保証金の投資運用が失敗に終わり損失が生じる可能性もあります。これらの結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)大和ハウスグループへの依存、利益相反に関するリスク
本投資法人は、大和ハウスグループとのコラボレーションにより外部成長及び内部成長を実現することを基本戦略としています。かかる成長戦略に基づき、本投資法人は、大和ハウスグループから、大和ハウスが開発した物件の供給その他の外部成長のためのサポート、及びライフサイクルコストに関するサポート業務やPM業務その他の内部成長のためのサポートを、今後継続的に受けることとしています。
また、大和ハウスは、本書の日付現在、本資産運用会社の完全親会社であるだけでなく、本資産運用会社の主要な役職員の出向元であり、本投資法人の運用資産の主要なマスターリース会社であり、かつ、主要なPM業務の委託先でもあります。
更に、本投資法人及び本資産運用会社は、上記のようなサポートに関連して、大和ハウスとサポート契約を締結しています。また、本投資法人は、大和ハウス又は大和情報サービスから「Dプロジェクト」、「DPL」、「フォレオ」、「アクロスモール」、「アクロスプラザ」等の商標の使用許諾を受けています。
このように、本投資法人による安定した収益の確保と成長性に対する大和ハウスグループの影響は相当程度高いといえます。
したがって、本投資法人が大和ハウスグループとの間で本書の日付現在と同一の関係を維持できなくなった場合には、本投資法人に重大な悪影響が及ぶ可能性があります。
また、本投資法人は、資産運用活動を通じて、大和ハウスグループとの間で取引等を行う可能性があり、この場合、本資産運用会社と大和ハウスグループの上記のような関係から、大和ハウスグループの利益のために、本投資法人の投資主又は投資法人債権者の利益に反する取引等が行われる可能性があります。なお、かかる利益相反に関するリスクへの対策については後記「(2)投資リスクに対する管理体制」をご参照下さい。これらの対策にもかかわらず、大和ハウスグループが本投資法人の利益に反する取引を行った場合には、投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
加えて、本投資法人及び本資産運用会社が大和ハウスグループとの間で締結している契約は、大和ハウスグループが、本投資法人と競合する事業を行うことを禁止するものではなく、また、物件を本投資法人に拠出することを義務づけるものでもありません。大和ハウスグループは、不動産開発投資業務を自ら行い、又はファンド(上場投資法人を含みます。)を組成しそのファンドから運用を受託する等、様々な形で不動産に関連する業務を行っています。したがって、本投資法人又は本資産運用会社と大和ハウスグループとが、特定の資産の取得、賃貸借、管理運営、処分等に関して競合する可能性やその他利益相反が問題となる状況が生じる可能性は否定できません。
上記のような利益相反が問題となりうる場合としては、例えば、大和ハウスグループからの物件取得に際しての取得価格その他の購入条件、マスターリース会社である大和ハウスグループに対する賃貸条件、大和ハウスグループに対する瑕疵担保責任の追及その他の権利行使、サポート契約の更新の有無、テナントの誘致その他のPM業務の遂行などがあげられます。
これらの利益相反により、本投資法人の利益が不当に害され、本投資法人の投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
(ロ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、すべての執行役員及び監督役員から構成される役員会において重要な意思決定を行い、資産の運用を本資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に、それぞれ委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。また、投信法は、本投資法人の執行役員及び監督役員並びに本投資法人の関係者に関する義務及び責任を定めていますが、これらの本投資法人の関係者が投信法その他の法令に反し、又は、法定の措置をとらないときは、投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
また、本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者が、法令上又は契約上負っている善良な管理者としての注意義務、本投資法人のために忠実に職務を遂行する義務、利益相反状況にある場合に本投資法人の利益を害してはならない義務その他の義務に違反した場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。
このほかに、本資産運用会社又は本投資法人若しくは運用資産である不動産信託受益権に関する信託受託者から委託を受ける業者として、PM会社、建物の管理会社等があります。本投資法人の収益性の向上のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところも大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。これらの者について業務の懈怠その他の義務違反があった場合や業務遂行能力が失われた場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材に依存しているリスク
本投資法人の運営は、本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材に大きく依存しており、これらの人材が失われた場合、本投資法人の運営に悪影響をもたらす可能性があります。
(ニ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び本資産運用会社の取締役会が定めたより詳細な投資方針、ポートフォリオ構築方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、かかる投資方針等が変更される可能性があります。また、本投資法人の発行する投資証券について支配権獲得その他を意図した取得が行われた場合、投資主総会での決議等の結果として本投資法人の運用方針、運営形態等が他の投資主の想定しなかった方針、形態等に変更される可能性があります。
(ホ)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
本投資法人は、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。)(以下「破産法」といいます。)上の破産手続、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。)(以下「民事再生法」といいます。)上の再生手続及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服する可能性があります。
また、本投資法人は、投信法に基づいて投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合に投信法に従ってその登録が取り消される可能性があります(投信法第216条)。その場合には、本投資口の上場が廃止され、本投資法人は解散し、清算手続に入ります。
本投資法人が清算される場合、投資主は、すべての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産の分配にあずかることによってしか投資金額を回収することができません。このため、投資主は、投資金額の全部又は一部について回収することができない可能性があります。
④ 不動産及び信託の受益権に関する法的リスク
本投資法人の主たる運用資産は、前記「2 投資方針 (2)投資対象 ① 投資対象とする資産の種類」に記載のとおり、不動産関連資産です。本投資法人は、後記「5 運用状況 (2)投資資産 ④ 個別不動産及び信託不動産の概要」に記載する不動産又は不動産を信託する信託の受益権を運用資産としています。不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産の所有者は、その信託財産である不動産又は裏付けとなる不動産を直接所有する場合と、経済的には、ほぼ同様の利益状況に置かれます。したがって、以下に記載する不動産に関する法的リスクは、不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産についても、ほぼ同様にあてはまります。
なお、信託の受益権特有のリスクについては、後記「(ネ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク」をご参照下さい。
(イ)不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
不動産には権利、地盤、地質、構造等に関して欠陥、瑕疵等(工事における施工の不具合や施工報告書の施工データの転用・加筆等がなされているものを含みますが、これらに限りません。)が存在している可能性があります。本資産運用会社が不動産の選定・取得の判断を行うに当たっては、当該不動産について定評のある専門業者から建物状況評価報告書を取得するなどの物件精査を行うことにしていますが、建物状況評価報告書で指摘されなかった事項について、取得後に欠陥、瑕疵等が判明する可能性もあります。建築基準法等の行政法規が求める所定の手続を経由した不動産についても、建築基準関係規定の求める安全性や構造耐力等を有するとの保証はありませんし、不動産に想定し得ない隠れた欠陥・瑕疵等が取得後に判明するおそれもあります。本投資法人は、状況に応じて、前所有者又は前受益者に対し一定の事項につき表明及び保証を要求し、瑕疵担保責任を負担させる場合もありますが、表明及び保証をさせ、又は瑕疵担保責任を負担させることにより、かかる表明及び保証が真実でなかったことを理由とする損害賠償責任や瑕疵担保責任を追及できたとしても、これらの責任の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、前所有者又は前受益者が解散したり無資力になっているために実効性がない場合もあります。
これらの場合には、当該欠陥、瑕疵等の程度によっては、当該不動産の資産価値が低下することを防ぐために買主である本投資法人が当該欠陥、瑕疵等の修補、建替えその他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、不動産をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、不動産に関する権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。その結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
加えて、我が国の法制度上、不動産登記にはいわゆる公信力がありません。したがって、不動産登記簿の記載を信じて取引した場合にも、買主は不動産に係る権利を取得できないことがあります。更に、権利に関する事項のみならず、不動産登記簿中の不動産の表示に関する事項が現況と一致していない場合もあります。このような場合、上記と同じく、本投資法人は売主等に対して法律上又は契約上許容される限度で責任を追及することとなりますが、その実効性があるとの保証はありません。
(ロ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
本投資法人が不動産を売却する場合、本投資法人は、宅地建物取引業法上、宅地建物取引業者とみなされるため、同法に基づき、売却の相手方が宅地建物取引業者である場合を除いて、不動産の売買契約において、瑕疵担保責任に関し、買主に不利となる特約をすることが制限されています。したがって、本投資法人が不動産を売却する場合には、売却した不動産の欠陥、瑕疵等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。更に、賃貸不動産の売却においては、新所有者が賃借人に対する敷金返還債務等を承継するものと解されており、実務もこれにならうのが通常ですが、旧所有者が当該債務を免れることについて賃借人の承諾を得ていない場合には、旧所有者は新所有者とともに当該債務を負い続けると解される可能性があり、予想外の債務又は義務等を負う場合があり得ます。
(ハ)賃貸借契約に関するリスク
a.賃貸借契約の締結・解約及び更新に関するリスク
賃借人が賃貸借契約上解約権を留保している場合等には、契約期間中であっても賃借人からの一方的意思表示により賃貸借契約を終了することが可能であるため、賃借人から賃料が得られることが将来にわたって確定されているものではありません。また、賃貸借契約の期間満了時に契約の更新がなされない場合もあります。このような理由により、稼働率が低下した場合、不動産に係る賃料収入が減少することがあります。なお、解約禁止条項、解約ペナルティ条項等を置いて期間中の解約権を制限している場合や更新料を定めている場合でも、裁判所の判断により所定の金額から減額されたり、かかる条項の効力が否定される可能性があります。更に、賃貸借契約が終了し、新たな賃貸借契約を締結する場合に、新たな賃貸借契約の賃料等が従前の賃貸借契約よりも低額となり、不動産に係る賃料収入が減少することがあります。
以上のような事由により、賃料収入等が減少した場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
b.賃料不払に関するリスク
賃借人の財務状況が悪化した場合又は破産手続、民事再生法上の再生手続若しくは会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。)(以下「会社更生法」といいます。)上の更生手続その他の倒産手続(以下、総称して「倒産等手続」といいます。)の対象となった場合、賃貸借契約に基づく賃料支払が滞る可能性があり、この延滞賃料等の債務の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超える状況になった場合には、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、マスターリースを行っている不動産のほか、一部の不動産については、一棟全体を一括して賃貸しているため、当該不動産の賃借人の財務状況が悪化した場合には、本投資法人の収益に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える場合があります。
c.賃料改定に係るリスク
賃貸借契約の更新の際又は賃料等の見直しの際には、その時々における賃料相場も参考にして、賃料等が賃借人との協議に基づき改定されることがありますので、本投資法人が保有する不動産について、本書の日付現在の賃料等が今後も維持される保証はありません。賃料等の改定により賃料等が減額された場合、又は賃貸借契約の内容の変更に伴い賃料等が減額された場合、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、定期的に賃料等を増額する旨の規定が賃貸借契約にある場合でも、賃借人との交渉如何によっては、必ずしも、規定どおりに賃料等を増額できるとは限りません。
d.賃借人による賃料減額請求権行使のリスク
建物の賃借人は、定期建物賃貸借契約において借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)(以下「借地借家法」といいます。)第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合を除いて、同条に基づく賃料減額請求をすることができ、これにより、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
e.定期建物賃貸借契約に関するリスク
本投資法人は、運用資産の賃貸にあたり、定期建物賃貸借契約を利用することがあります。しかしながら、定期建物賃貸借契約の効力が認められるには、借地借家法第38条所定の要件を充足する必要があるため、かかる要件が充足されなかった場合(かかる要件の充足を証明できない場合を含みます。)には、定期建物賃貸借契約としての効力が認められず、当該契約は、いわゆる普通建物賃貸借契約として取り扱われる可能性があります。その結果、賃料減額請求権を排除する特約の効力が認められず、又は建物賃貸借契約が所定の時期に終了しないこと等により、本投資法人の収益性に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ニ)災害等による不動産の毀損、滅失及び劣化のリスク
火災、地震、液状化、津波、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、火山の噴火、高潮、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下「災害等」といいます。)により不動産が毀損、滅失又は劣化し、その価値が影響を受ける可能性があります。このような場合には、毀損、滅失又は劣化した個所を修復するため一定期間不動産の不稼働を余儀なくされることにより、賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅れる場合には、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ホ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
運用資産である不動産を原因として、第三者の生命、身体又は財産等を侵害した場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損害を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上無過失責任を負うこととされています。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない事故が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅れる場合には、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、不動産につき毀損、滅失又は劣化等が生じ、修繕が必要となる場合には、かかる修繕に関連して多額の費用を要する可能性があります。また、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、不動産から得られる賃料収入が減少し、不動産の価格が下落する可能性があります。
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例、都市計画法の改正、新たな立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為の規定の施行又は適用の際、原則としてこれらの規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)又はその敷地については、当該規定が適用されない扱いとされています(いわゆる既存不適格)。しかし、かかる既存不適格の不動産の建替え等を行う場合には、現行の規定が適用されるので、現行の規定に合致するよう手直しをする必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
また、不動産に係る様々な行政法規や各地の条例による規制が運用資産である不動産に適用される可能性があります。例えば、都市計画法、土地区画整理法(昭和29年法律第119号。その後の改正を含みます。)に基づく土地区画整理事業施行区域内の土地における土地の形質の変更及び建築物建築等の制限、地方公共団体の条例による風致地区内における建築等の規制、河川法(昭和39年法律第167号。その後の改正を含みます。)による河川保全区域における工作物の新築等の制限、文化財保護法(昭和25年法律第214号。その後の改正を含みます。)に基づく試掘調査義務、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務及び雨水流出抑制施設設置義務等が挙げられます。このような義務が課せられている場合、当該不動産の処分及び建替え等に際して、事実上の困難が生じたり、これらの義務を遵守するための追加的な費用負担が生じる可能性があります。更に、運用資産である不動産を含む地域が道路設置等の都市計画の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少し収益が減少する可能性があります。また、当該不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
以上の結果、本投資法人の運用資産の価値が低下し、投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
(ト)法令の制定・変更に関するリスク
土壌汚染対策法のほか、将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
また、消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)(以下「消防法」といいます。)その他不動産の管理に影響する関係法令の改正により、不動産の管理費用等が増加する可能性があるほか、エネルギーや温室効果ガス削減を目的とした法令、条例等の制定、適用、改正等によっても、追加的な費用負担等が発生する可能性があります。更に、建築基準法、都市計画法の改正、新たな立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為等により不動産に関する権利が制限される可能性があります。このような法令若しくは行政行為又はその変更等が本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(チ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
本投資法人が、債務超過の状況にある等財務状態が実質的危機時期にあると認められる又はその疑義がある者を売主として不動産を取得した場合には、当該不動産の売買が売主の債権者により詐害行為として取り消される可能性があります。また、本投資法人が不動産を取得した後、売主について倒産等手続が開始した場合には、不動産の売買が破産管財人、監督委員又は管財人により否認される可能性が生じます。
また、本投資法人が、ある売主から不動産を取得した別の者(以下、本(チ)において「買主」といいます。)から更に不動産を取得した場合において、本投資法人が、当該不動産の取得時において、売主と買主間の当該不動産の売買が詐害行為として取り消され又は否認される根拠となりうる事実関係を知っている場合には、本投資法人に対しても、売主・買主間の売買が否認され、その効果を主張される可能性があります。
本投資法人は、管財人等により不動産の売買が否認又は取り消されるリスク等について諸般の事情を慎重に検討し、実務的に可能な限り管財人等により売買が否認又は取り消されるリスク等を回避するよう努めますが、このリスクを完全に排除することは困難です。
更に、取引の態様如何によっては売主と本投資法人との間の不動産の売買が、担保取引であると判断され、当該不動産は破産者である売主の破産財団の一部を構成し、又は更生会社若しくは再生債務者である売主の財産に属するとみなされる可能性(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)もあります。
(リ)転貸に関するリスク
賃借人に、不動産の一部又は全部を転貸させる権限を与えた場合、本投資法人は、不動産に入居するテナントを自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなる可能性があるほか、賃借人の賃料が、転借人の賃借人に対する賃料に連動する場合、転借人の信用状態等が、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、賃貸借契約が合意解約された場合、又は債務不履行を理由に解除された場合であっても、賃貸借契約上、賃貸借契約終了の場合に転貸人の転借人に対する敷金等の返還義務が賃貸人に承継される旨規定されている場合等には、かかる敷金等の返還義務が、賃貸人に承継される可能性があります。このような場合、敷金等の返還原資は賃貸人の負担となり、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ヌ)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
本投資法人は、テナントの属性や資力に留意しつつ賃貸借契約を締結し、その利用状況を管理していますが、個々のテナントの利用状況をつぶさに監督できるとの保証はなく、テナントの利用状況により、当該不動産の資産価値や、本投資法人の収益に悪影響が及ぶ可能性があります。
例えば、建物そのものが法令や条例等の基準を満たす場合であっても、入居者による建物への変更工事、内装の変更、その他利用状況等により、建築基準法、消防法その他の法令や条例等に違反する状態となり、本投資法人が、その改善のための費用を負担する必要が生じ、又は法令上不利益を被る可能性があります。また、賃貸借契約における規定の如何にかかわらず、入居者による転貸や賃借権の譲渡が本投資法人の承諾なしに行われる可能性があります。その他、転借人や賃借権の譲受人の属性によっては、運用資産である不動産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
また、近隣の住民からクレームが出され、本投資法人の運営に悪影響が及ぶ可能性があります。
(ル)マスターリースに関するリスク
本投資法人が運用する特定の不動産において、マスターリース会社(転貸人)が当該不動産の所有者である本投資法人又は信託受託者との間でマスターリース契約を締結し、その上で、エンドテナントに対して転貸する、いわゆるマスターリースの形態をとっており、また、今後も同様の形態をとる場合があります。この場合、マスターリース会社の財務状態が悪化したときは、エンドテナントがマスターリース会社に賃料を支払ったとしても、マスターリース会社の債権者がマスターリース会社のエンドテナントに対する賃料債権を差し押さえる等により、マスターリース会社から賃貸人である本投資法人又は信託受託者への賃料の支払が滞る可能性があります。
(ヲ)区分所有建物に関するリスク
区分所有建物とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。)(以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分(居室等)と共有となる共用部分(エントランス部分等)及び建物の敷地部分から構成されます。区分所有建物の場合には、区分所有法上、法定の管理方法及び管理規約(管理規約の定めがある場合)によって管理方法が定められます。建替えをする場合には集会において区分所有者及び議決権(管理規約に別段の定めのない限り、その有する専有部分の床面積の割合)の各5分の4以上の多数での建替え決議が必要とされるなど(区分所有法第62条)、区分所有法の適用を受けない単独所有物件と異なり管理方法に制限があります。
区分所有建物の専有部分の処分は自由に行うことができますが、他の区分所有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。また、前記のとおり、区分所有建物の専有部分の処分は自由に行うことができるため、区分所有者は、予期せず他の区分所有者が変動し、その結果、不利益を受ける可能性があります。
区分所有建物と敷地の関係については以下のようなリスクがあります。
区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利を敷地利用権といいます。区分所有建物では、専有部分と敷地利用権の一体性を保持するために、法律で、専有部分とそれに係る敷地利用権を分離して処分することが原則として禁止されています(区分所有法第22条第1項)。ただし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の無効を善意の第三者に主張することができません(区分所有法第23条)。また、区分所有建物の敷地が数筆に分かれ、区分所有者が、それぞれ、その敷地のうちの一筆又は数筆の土地について、単独で、所有権、賃借権などを敷地利用権(いわゆる分有形式の敷地利用権)として有している場合には、分離して処分することが可能とされています。このように専有部分とそれに係る敷地利用権が分離して処分された場合、敷地利用権を有しない区分所有者が出現する可能性があります。
また、敷地利用権が使用借権及びそれに類似した権利である場合には、当該敷地が売却、競売等により第三者に移転された場合に、区分所有者が当該第三者に対して従前の敷地利用権を対抗できなくなる可能性があります。
このような区分所有建物と敷地の関係を反映して、区分所有建物の場合には、既に述べた不動産を処分できないリスクや、それらのリスクを反映した価格の減価要因が増す可能性があります。
(ワ)共有物件に関するリスク
運用資産である不動産が第三者との間で共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の価格に従い、その過半数で行うものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
更に、共有の場合、他の共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性(民法第256条)、及び裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性(民法第258条第2項)があり、ある共有者の意図に反して他の共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
この分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、この特約は5年を超えては効力を有しません。また、登記済みの不分割特約がある場合でも、特約をした者について倒産手続の対象となった場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。ただし、共有者は、倒産手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、会社更生法第60条、民事再生法第48条)。
他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。したがって、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、分割後の運用資産についても、他の共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、共有不動産については、共有者間で共有持分の優先的購入権の合意をすることにより、共有者がその共有持分を第三者に売却する場合に他の共有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。
不動産の共有者が賃貸人となる場合には、賃料債権は不可分債権となり敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されており、共有者は他の賃貸人である共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
更に、前記のとおり、共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されているため、共有者は、他の賃貸人である共有者が予期せず変動し、その結果、不利益を受ける可能性もあります。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(カ)借地物件に関するリスク
借地権とその借地上に存在する建物については、自らが所有権を有する土地上に存在する建物と比べて特有のリスクがあります。借地権は、所有権と異なり永久に存続するものではなく、期限の到来により当然に消滅し(定期借地権の場合)又は期限到来時に借地権設定者が更新を拒絶しかつ更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します(普通借地権の場合)。また、借地権が地代の不払その他により解除その他の理由により消滅してしまう可能性もあります。借地権が消滅すれば、時価での建物買取りを請求できる場合(借地借家法第13条、借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。)(以下「借地法」といいます。)第4条)を除き、借地上に存在する建物を取り壊した上で、土地を返還しなければなりません。普通借地権の場合、借地権の期限到来時の更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、仮に建物の買取請求権を有する場合でも、買取価格が本投資法人が希望する価格以上である保証はありません。
また、本投資法人が借地権を有している土地の所有権が、他に転売されたり、借地権設定時に既に存在する土地上の抵当権等の実行により第三者に移ってしまう可能性があります。この場合、借地権について適用のある法令に従い第三者対抗要件が具備されていないときは、本投資法人は、借地権を当該土地の新所有者に対して対抗できず、当該土地の明渡義務を負う可能性があります。
更に、借地権が賃借権である場合、借地権を譲渡するには、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。借地上の建物の所有権を譲渡する場合には、当該借地に係る借地権も一緒に譲渡することになるので、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。かかる借地権設定者の承諾に関しては、借地権設定者への承諾料の支払が予め約束されていたり、約束されていなくても慣行を理由として借地権設定者が承諾料を承諾の条件として請求してくる場合があります(なお、法律上借地権設定者に当然に承諾料請求権が認められているものではありません。)。
加えて、借地権設定者の資力の悪化や倒産等により、借地権設定者に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。借地権設定者に対する敷金及び保証金等の返還請求権について担保設定や保証はなされないのが通例です。
借地権と借地上に建てられている建物については、敷地と建物を一括して所有している場合と比べて、上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(ヨ)借家物件に関するリスク
本投資法人は、建物(共有持分、区分所有権等を含みます。)を第三者から賃借の上、又は信託受託者に賃借させた上、当該賃借部分を直接若しくは信託受託者を通じて保有する建物と一体的に又は当該賃借部分を単独で、テナントへ転貸することがあります。
この場合、建物の賃貸人の資力の悪化や倒産等により、建物の賃貸人に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があることは、前記の借地物件の場合と同じです。
加えて、民法上、本投資法人が第三者との間で直接又は信託受託者を通じて締結した賃貸借契約が何らかの理由により終了した場合、原則として、本投資法人又は当該受託者とテナントの間の転貸借契約も終了するとされているため、テナントから、転貸借契約の終了に基づく損害賠償請求等がなされるおそれがあります。
(タ)開発中の物件に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 (1)投資方針 ⑤ ポートフォリオ構築方針 (ニ)開発案件等への投資方針」に記載のとおり、竣工前の未稼働の物件等は原則として投資対象とはしない予定です。しかし、規約に定める投資方針に従って、竣工後の物件を取得するために予め開発段階で売買契約を締結することがあります。かかる場合、既に完成した物件につき売買契約を締結して取得する場合とは異なり、様々な事由により、開発が遅延し、変更され、又は中止されることにより、売買契約通りの引渡しを受けられない可能性があります。この結果、開発中の当該物件からの収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担し若しくは被る可能性があり、その結果本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(レ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
本投資法人は、不動産又は不動産を信託する信託の受益権を取得するにあたり、いわゆるフォワード・コミットメント(不動産等の売買契約のうち契約締結から1か月以上経過した後に不動産等の決済・物件引渡しを行うことを条件としているもの)等を行うことがあります。不動産売買契約が買主の事情により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負担することとなります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産又は不動産を信託する信託の受益権の売買価格に対して一定の割合の違約金が発生する旨の合意がなされることも少なくありません。フォワード・コミットメント等の場合には、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払により、本投資法人の財務状況等が悪影響を受ける可能性があります。
(ソ)有害物質等に関するリスク
本投資法人が土地又は土地の賃借権若しくは地上権又はこれらを信託する信託の受益権を取得する場合において、当該土地について産業廃棄物等の有害物質が埋蔵されている可能性があり、かかる有害物質が埋蔵されている場合には当該土地の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負う可能性があります。なお、土壌汚染対策法によれば、土地の所有者、管理者又は占有者は、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の特定有害物質による土壌の汚染の状況について、都道府県知事により調査・報告を命ぜられることがあり、また、土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。この場合、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があり、また、本投資法人は、支出を余儀なくされた費用について、その原因となった者やその他の者から常に償還を受けられるとは限りません。
また、本投資法人が建物又は建物を信託する信託の受益権を取得する場合において、当該建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材が使用されているか若しくは使用されている可能性がある場合やポリ塩化ビフェニル(PCB)が保管されている場合等には、当該建物の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために建材の全面的又は部分的交換が必要となる場合又は有害物質の処分若しくは保管が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人にかかる損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
更に、原子力発電所の事故等により、本投資法人の運用資産又はその所在周辺地域において、放射能汚染又は風評被害が発生した場合には、当該地域における社会的又は経済的活動が阻害され、その結果、当該運用資産の収益性やその価値が減少する可能性があります。
加えて、将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水、放射能等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課されたり、また有害物質等に関連する会計基準の変更等により本投資法人の損益が悪影響を受ける可能性があります。
以上のような事由により、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ツ)埋立地に関するリスク
本投資法人の運用資産には、埋立地に立地するものが含まれていますが、埋立地に所在する不動産には、埋立に使用した土壌に有害物質が含まれている等の理由により、土地に有害物質が含まれている可能性があります(当該土地に有害物質が含まれる場合のリスクの詳細は、上記「(ソ)有害物質等に関するリスク」をご参照下さい。)。また、埋立地は沿岸部に所在することも多く、津波、高潮その他の災害、海面上昇等による被害を受ける可能性もあります(かかる災害が生じた場合のリスクの詳細は、上記「(ニ)災害等による不動産の毀損、滅失及び劣化のリスク」をご参照下さい。)。更に、埋立地の地盤は、軟弱である可能性があることから、当該土地上の建物について、不等沈下その他の沈下を生じる可能性があるほか、地震の際には液状化による沈下や毀損等の被害を生じる可能性もあります。これらの理由により当該不動産が被害を受けた場合、予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担し若しくは被る可能性があるほか、当該不動産の価値が下落する可能性があり、その結果、本投資法人の収益等が悪影響を受け、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
(ネ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
信託受託者が信託財産としての不動産、不動産の賃借権又は地上権を所有し管理するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的にはすべて受益者に帰属することになります。したがって、本投資法人は、信託の受益権の保有に伴い、信託受託者を介して、運用資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを負担することになります。
信託契約上信託の受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を要求されるのが通常です。更に、不動産、不動産の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権については受益証券発行信託の受益証券でない限り私法上の有価証券としての性格を有していませんので、債権譲渡と同様の譲渡方法によって譲渡することになり、有価証券のような流動性がありません。
信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含みますが、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)による改正前のもの)及び信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。)上、信託受託者が倒産等手続の対象となった場合に、信託の受益権の目的となっている不動産が信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要があり、仮にかかる登記が具備されていない場合には、本投資法人は、当該不動産が信託の受益権の目的となっていることを第三者に対抗できない可能性があります。
また、信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。
更に、信託契約上、信託開始時において既に存在していた信託不動産の欠陥、瑕疵等につき、当初委託者が信託財産の受託者に対し一定の瑕疵担保責任を負担する場合に、信託財産の受託者が、かかる瑕疵担保責任を適切に追及しない、又はできない結果、本投資法人が不測の損害を被り、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ナ)信託の受益権の準共有等に関するリスク
運用資産である不動産信託受益権が第三者との間で準共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、準共有されている権利の管理は、準共有者間で別段の定めをした場合を除き、準共有者の持分の価格に従い、その過半数で行うものとされているため(民法第252条)、本投資法人が準共有持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
また、準共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、準共有されている信託受益権については、準共有者間で準共有持分の優先的購入権の合意をすることにより、準共有者がその準共有持分を第三者に売却する場合に他の準共有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。
不動産信託受益権の準共有者が不動産信託受託者に対して有する信託交付金の請求権は不可分債権となり不動産信託受託者に対して負担する信託費用等の支払義務は不可分債務になると一般的には解されており、準共有者は他の準共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
更に、前記のとおり、準共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されているため、準共有者は、他の準共有者が予期せず変動し、その結果、不利益を受ける可能性もあります。
準共有されている信託受益権については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(ラ)資産の組入れ・譲渡等に関するリスク
本投資法人は、今後、本書に記載された資産以外の新たな資産の取得を決定し、又は物件の売却や交換の他、新たな資産取得若しくは譲渡に向けたその他の手法を利用する可能性があります。資産取得又は譲渡の決定は、本書提出から間もない時点で適時開示により公表される場合もありえます。かかる資産取得又は譲渡の結果、本投資法人の収益や財務状況に変動が生じる可能性があります。
(ム)底地物件に関するリスク
本投資法人は、第三者が賃借してその上に建物を所有している土地、いわゆる底地を取得することがあります。底地物件には特有のリスクがあります。借地権は、定期借地権の場合は借地契約に定める期限の到来により当然に消滅し(ただし、定期借地権設定契約の効力が認められるには、借地借家法所定の要件を充足する必要があるため、かかる要件が充足されなかった場合(かかる要件の充足を証明できない場合を含みます。)には、定期借地権設定契約としての効力が認められない可能性があります。)、普通借地権の場合には期限到来時に本投資法人が更新を拒絶しかつ本投資法人に更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します。借地権が消滅する場合、本投資法人は借地権者より時価での建物買取を請求される場合があります(借地借家法第13条、借地法第4条)。借地権者より時価での建物買取りを請求される場合、買取価格が本投資法人が希望する価格以下である保証はありません。
また、借地権が賃借権である場合、借地権者による借地権の譲渡には、原則として、本投資法人の承諾が必要となりますが、裁判所が承諾に代わる許可をした場合(借地借家法第19条)や、借地契約上事前に一定範囲での借地権の譲渡を承諾している場合には、本投資法人の承諾なく借地権が譲渡される結果、財務状態に問題がある等の本投資法人が望まない者に借地権が譲渡される可能性があり、その結果、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
更に、借地契約に基づく土地の賃料の支払が滞り、延滞賃料の合計額が敷金及び保証金等で担保される範囲を超える場合は投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。加えて、土地の賃料の改定、又は、借地権者による借地借家法第11条に基づく土地の借賃の減額請求により、当該底地から得られる賃料収入が減少し、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
⑤ 税制に関するリスク
(イ)導管性要件に係るリスク
税法上、投資法人に係る課税の特例規定により、一定の要件(以下「導管性要件」といいます。)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、投資法人による利益の配当等の額を投資法人の損金に算入することが認められています。本投資法人は、導管性要件を満たすよう努める予定ですが、今後、本投資法人の投資主の異動、分配金支払原資の制限・不足、資金の調達先、借入金等の定義の不明確性、会計処理と税務処理の取扱いの差異に起因する法人税額等の発生、税務当局と本投資法人との見解の相違、法律の改正、その他の要因により導管性要件を満たすことができない可能性があります。本投資法人が、導管性要件を満たすことができなかった場合、利益の配当等の額を損金算入することができなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、導管性要件に関しては、後記「4 手数料等及び税金 (5)課税上の取扱い ② 投資法人の税務 (イ)利益配当等の損金算入」をご参照下さい。
(ロ)多額の法人税等の発生により配当可能利益の額の90%超を配当できないリスク
導管性要件のうち、配当可能利益の額(会計上の税引前当期純利益に前期繰越損失、買換特例圧縮積立金、一時差異等調整積立金及び繰越利益等超過純資産控除項目額に係る一定の調整を加えた後の額)の90%超(又は配当可能額の90%超)の分配を行わなければならないとする要件(以下「支払配当要件」といいます。)については、会計上の税引前当期純利益を基礎とした配当可能利益の額と税引後当期純利益を基礎とした実際の利益配当等の額(一時差異等調整引当額の増加額に相当する利益超過配当金額を加えた後の額)の比較によりその判定を行うこととされていますが、何らかの要因によって本投資法人に多額の法人税等の課税が行われる場合(ただし、一時差異等調整引当額の増加額に相当する利益超過配当を行うことで、かかる課税を回避又は軽減できる可能性があります。)には、支払配当要件を満たすことが困難となり、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)利益が計上されているにもかかわらず、資金不足により配当が十分にできないリスク
本投資法人において利益が生じている際の配当原資が不足する場合、借入金や資産の処分により原資を確保する可能性があります。しかし、導管性要件を満たすための借入先の制限や資産処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、支払配当要件を満たせなくなる可能性があります。この場合、通常の法人と同様の法人税等の課税を受けることとなり、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ニ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において損金算入した配当金が税務否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ホ)配当後の留保利益に対して通常の法人税等の課税が行われるリスク
利益配当前当期純利益から利益配当額を控除した後の当期純利益に係る課税所得に対しては、通常の法人と同様に法人税等の課税が行われます。利益の配当等の損金算入規定が適用されたとしても利益の配当等の額(一時差異等調整引当額の増加額に相当する利益超過配当金額を含む。)が課税所得額の100%に相当しない場合には、投資法人として税負担が生じ、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ヘ)機関投資家以外からの借入れに関するリスク
導管性要件として、借入れを行う場合には機関投資家のみからこれを行うべきとされています。したがって、本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入れを余儀なくされた場合、上記要件を満たせないことになります。また、建設協力金、保証金、敷金又は売上預り金(主に商業施設において、賃料、共益費等を控除した上、所定の期日に返還することを目的として、毎日の営業終了後に当該日の売上金としてテナントから預託を受ける金銭をいいます。)等の全部又は一部がテナントからの借入れの範疇に入るものと解釈された場合、導管性要件を満たせないことになります。これらによって、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響をもたらす可能性があります。
(ト)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、規約において、特定不動産(本投資法人が取得する特定資産のうち不動産、不動産の賃借権若しくは地上権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の合計額の本投資法人の有する特定資産の価額の合計額に占める割合が100分の75以上となるよう資産運用を行うこととしています(規約第34条第3項)。本投資法人は、上記内容の投資方針を規約に定めること、及びその他の税法上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産流通税(登録免許税及び不動産取得税)の軽減措置(後記「4 手数料等及び税金 (5)課税上の取扱い ② 投資法人の税務 (ロ)不動産流通税の軽減措置」をご参照下さい。)の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更された場合において、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。
(チ)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、不動産信託受益権その他本投資法人の資産に関する税制若しくは本投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、出資の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有又は売却による投資主の手取金の額が減少し、又は税務申告等の税務上の手続面での負担が投資主に生じる可能性があります。
⑥ その他
(イ)専門家の意見への依拠に関するリスク
本投資法人又は本資産運用会社は、原則として、不動産等を取得するに際して又は取得後、当該不動産等の鑑定評価を不動産鑑定士等に依頼し、鑑定評価書を取得しますが、不動産等の鑑定評価額は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定を行った場合でも、不動産鑑定士、評価方法又は時期によって鑑定評価額の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額による売買の可能性を保証又は約束するものではありません。
また、本投資法人又は本資産運用会社は、不動産等を取得するに際して又は取得後、当該不動産等の建築物環境調査報告書、土壌汚染のリスクに関する評価報告書、地震リスク診断報告書及び構造計算書の妥当性に関する第三者の報告書等を取得することがありますが、これらの報告書も、個々の調査会社が行った分析に基づく意見であり、調査会社、評価方法、調査の方法等によって調査結果及びリスク評価の内容が異なる可能性があります。また、これらの報告書は、専門家が調査した結果を記載したものにすぎず、不動産等に欠陥、瑕疵が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
更に、本投資法人又は本資産運用会社は、不動産等を取得するに際して又は取得後、マーケットレポート等のマーケットに関する第三者機関による分析又は統計情報を取得することがありますが、マーケットレポート等により提示されるマーケットに関する第三者機関による分析又は統計情報は、個々の調査会社の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正なエリア特性、需要と供給、マーケットにおける位置付け、市場の動向等と一致するとは限りません。同じ物件について調査分析を行った場合でも、調査分析会社、分析方法又は調査方法若しくは時期によってマーケット分析の内容が異なる可能性があります。
加えて、本投資法人又は本資産運用会社は、不動産等を取得するに際して又は取得後、当該不動産等のPMLの算定を専門家等に依頼することがありますが、不動産に関して算出されるPMLは、個々の専門家の分析に基づく予想値にすぎず、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
(ロ)減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日)が、平成17年4月1日以後開始する事業年度より適用されています。減損会計とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。
減損会計の適用に伴い、地価の動向及び運用不動産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の損益に悪影響を及ぼす可能性があり、また、税務上は当該資産の売却まで損金を認識することができない(税務上の評価損の損金算入要件を満たした場合や減損損失の額のうち税務上の減価償却費相当額を除きます。)ため、税務と会計の齟齬が発生することとなり、税務上のコストが増加する可能性があります。ただし、平成27年4月1日以後開始事業年度から、会計上と税務上の取扱いの差異が生じた場合であっても、一時差異等調整引当額の増加額に相当する利益超過配当を行うことで、かかる課税を回避又は軽減できる可能性があります。
景気情勢や不動産価格の変動等によって本投資法人の保有している資産の価格が大幅に下落した場合などに、会計上減損損失が発生する可能性があります。
(ハ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人は、不動産に関する匿名組合出資持分への投資を行うことがあります。この場合、本投資法人が出資する匿名組合の営業者は、本投資法人の出資金を不動産等に投資しますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合や当該不動産等の価値が下落した場合、意図されない課税が生じた場合等には、本投資法人が匿名組合員として得られる分配金や元本の償還金額等が減少し、その結果、本投資法人が営業者に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については契約上譲渡が禁止若しくは制限されていることがあり、また、確立された流通市場も存在しないため、その流動性は低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。
(ニ)優先出資証券への投資に関するリスク
本投資法人は、資産流動化法に基づく特定目的会社が発行する優先出資証券への投資を行うことがあります。本投資法人が出資する特定目的会社は、本投資法人からの出資金を不動産等に投資しますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合や当該不動産等の価値が下落した場合、更には特定目的会社において意図されない課税が生じた場合等には、本投資法人が当該優先出資証券より得られる配当金や分配される残余財産が減少し、その結果、本投資法人が特定目的会社に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、優先出資証券については、特定目的会社への出資者、貸付人又は特定社債権者との間で契約上譲渡を禁止若しくは制限されていることがあり、また、確立された流通市場も存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。
(ホ)DHIとの合併等に関するリスク
本投資法人及びDHIは、それぞれ平成28年4月15日開催の各投資法人役員会にて、平成28年9月1日を効力発生日として、本合併を行うことについて決議し、同日付にて本合併契約を締結いたしました。
しかし、本合併が効力を発生するためには、各投資法人の投資主総会における承認その他の条件が充足される必要があります。本合併が理由の如何を問わず実行されない場合には、本投資法人の投資口価格が下落する等の影響が生じる可能性や本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があり、その結果、投資主が損害を受ける可能性があります。
また、本合併が実施された場合であっても、本合併により期待されたシナジー効果が実現する保証はなく、投資主が損害を受ける可能性があります。
(2)投資リスクに対する管理体制
本投資法人及び本資産運用会社は、以上のようなリスクが投資リスクであることを認識しており、その上でこのようなリスクに最大限対応できるようリスク管理体制を整備しています。
しかしながら、当該リスク管理体制については、十分に効果があることが保証されているものではなく、リスク管理体制が適切に機能しない場合、投資主又は投資法人債権者に損害が及ぶおそれがあります。
① 本投資法人の体制
(イ)役員会
本投資法人は、業務執行の意思決定及び執行役員に対する監督機関として役員会が十分に機能し、執行役員が本投資法人のために忠実にその職務を遂行するよう努めています。本投資法人の役員会は、少なくとも3か月に1回開催されるものと定められています。なお、本書の日付現在、実際の運営においては、原則として1か月に1回程度の頻度で役員会を開催しています。各監督役員は、本投資法人の役員会において、執行役員から業務執行状況等の報告を受けます。
(ロ)本資産運用会社への牽制
本投資法人と本資産運用会社との間で締結された資産運用委託契約において、本投資法人から委託業務に関して報告を要求された場合、原則としてかかる報告の要求を拒否することができず、また、かかる場合以外にも、委託業務に関して適宜、役員会に報告する旨を定めています。また、本資産運用会社が策定する運用ガイドラインの重要事項の変更や利害関係者との資産の取得及び売却等の取引については、本投資法人の役員会の承認を必要とするほか、利害関係者以外の者との資産の取得及び売却等の取引についても本投資法人の役員会への報告を本資産運用会社に要求することにより、本投資法人の投資リスクを管理しています。そのほか、各役員は、本投資法人の役員会において、必要に応じて本資産運用会社の役職員に資産運用状況等の報告を求めます。
(ハ)内部者取引等管理規程
本投資法人は、内部者取引等管理規程を制定し、役員によるインサイダー取引等の防止に努めています。なお、同規程によれば、本投資法人の役員は、本投資法人の投資口及び投資法人債について、売買等を行ってはならないものとされており、本投資法人の役員は、本投資法人の役員でなくなった後も1年間は、当該規程に従わなければならないものとされています。
② 本資産運用会社の体制
本資産運用会社は、前記のようなリスクに対し、以下のとおりリスク管理体制を整備しています。
(イ)運用ガイドライン及びリスク管理規程の策定・遵守
本資産運用会社は、本投資法人の規約に定める投資方針等の基本方針を実現するため、本投資法人の規約等に沿って運用ガイドラインを策定し、投資方針、利害関係者との取引ルール、投資物件の取得及び投資物件の運営管理に係る基本方針等を定めています。本資産運用会社は、運用ガイドラインを遵守することにより、投資運用に係るリスクの管理に努めます。
また、本資産運用会社は、リスク管理規程において、リスク管理方針、リスク管理統括者及びリスク情報発見時の対応方法等を規定し、本資産運用会社が管理すべき主要なリスクとして、運用リスク、本投資法人の財務に関するリスク、反社会的勢力に関するリスク、コンプライアンス等に関するリスク、税務リスク、事務リスク及びシステムリスク等を定義し、取締役会や本資産運用会社のリスクに関する統括者である経営管理部長及び各部のリスク管理に関する責任者である各部の部長の役割を定めています。なお、リスク管理状況については、各部長が、モニタリングをし、半年に1度代表取締役社長及び取締役会並びに本投資法人の役員会に報告することとされており、リスク管理体制の適切性及び有効性並びにリスク対策の実施状況等については、リスク管理の状況等を踏まえた上で、コンプライアンス・オフィサーが内部監査により検証を行い、その結果を代表取締役社長及び取締役会並びに本投資法人の役員会に報告するものとされています(かかる内部監査による検証の詳細については、後記「(ロ)内部監査による検証」をご参照下さい。)。
(ロ)内部監査による検証
コンプライアンス・オフィサーは、内部監査責任者として、全部署に対して1事業年度に1回以上、定期の内部監査を実施するほか、代表取締役社長又は監査役の命令により随時内部監査を実施します。内部監査は、会社の組織、制度及び業務が経営方針及び法令諸規則等に従って適正かつ効率的に運用されているかについての検証、評価及び助言並びに各部署におけるリスク管理体制を含む内部管理体制等の適切性、有効性の検証及び問題点の改善方法の提言等を含むものとされています。コンプライアンス・オフィサーは、内部監査終了後速やかに内部監査報告書を作成し、コンプライアンス委員会及び取締役会に報告するほか、内部監査における改善勧告又は指摘をした事項の改善状況について適時に確認を行うものとされています。また、改善勧告又は指摘を受けた被監査部署の責任者は、当該改善勧告又は指摘事項について、業務改善を行い、改善状況をコンプライアンス・オフィサーに報告するものとされています。内部監査の結果及びこれに基づく業務の改善状況については、本投資法人の役員会に報告するものとされています。なお、取締役会又はコンプライアンス・オフィサーは、必要があると判断した時は、弁護士等外部専門家等による外部監査を行い、外部専門家等から報告を求めることができます。
(ハ)利益相反取引防止規程
後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2)利益相反取引防止規程」をご参照下さい。
(ニ)内部者取引等管理規程
本資産運用会社では、内部者取引等管理規程を制定し、本資産運用会社の役職員等によるインサイダー取引等の防止に努めています。なお、同規程によれば、本資産運用会社の役職員等は、本投資法人の投資口及び投資法人債について、売買等を行ってはならないものとされており、本資産運用会社の役職員は、本資産運用会社の役職員でなくなった後も1年間は、当該規程に従わなければならないものとされています。
(ホ)フォワード・コミットメント等
フォワード・コミットメント等に係る物件は、決済までの間、本投資法人の貸借対照表には計上されずオフバランスとなりますが、当該期間中の当該物件の価格変動リスクは本投資法人に帰属することになります。このため、フォワード・コミットメント等を行う場合、本資産運用会社において、違約金、物件の取得額及び契約締結から物件引渡しまでの期間の各上限並びに決済資金の調達方法等についてのルールを策定し、当該リスクを管理しています。

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